信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】テオフィモ・ロペスvsスティーブ・クラゲット!ロベイシー・ラミレスは世界ランカーとの再起戦!in マイアミ!!

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リゾート地、フロリダ。

ディズニーワールドを有する世界的に有名な南国リゾートでのファイト。

ラテンのノリが過ぎる「テイクオーバー」テオフィモ・ロペス、カリブ海の一番大きな島から亡命してきたロベイシー・ラミレス、いずれもこの南国の地が本当によく似合う。

同日、最も注目されたのはDAZN放映のマッチルーム興行、エストラーダvsロドリゲスであることは言うまでもありませんが、こちらのトップランク興行だって十分に注目に値する戦いです。

格下相手に不覚を取る可能性を捨てきれないテオフィモ・ロペス、そしてラミレスは前戦からの復帰戦と考えればかなり骨のある相手といえます。

ということで今回のブログは、フロリダで行われたトップランク興行の観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

6/29(日本時間6/30)アメリカ・フロリダ

ロベイシー・ラミレス(キューバ)13勝(8KO)2敗

vs

ブランドン・レオン・ベニテス(メキシコ)21勝(9KO)2敗

ロベイシー・ラミレスの復帰戦!ラミレスからタイトルを奪ったラファエル・エスピノサは、その勝利がフロックではなかったことを印象付ける素晴らしいKO防衛で初防衛戦をクリアしています。

エスピノサが王者でいてくれるからこそ、ラミレスとしても再戦を目指すことができる。ここは絶対に負けられない戦いです。

対するは元王者シュ・ツァンに勝利してステップアップしたブランドン・ベニテス。失うものがないメキシカンは強い。

注目のセミファイナルがゴングです。

 

 

 

ベニテスはWBO6位というランキングを持っているれっきとした世界ランカー。初回はリング中央、ラミレスは様子見として軽いジャブを連打。ベニテスはどっしりとした構えからしっかりとガード、打ち終わりを狙います。

2R、ラミレスの動きが非常にキレています。ジャブはもちろんのこととして、ジャブのように使う左のストレート、オーバーハンドも速い。

この左が幾度かベニテスにヒット、ベニテスもしっかりとガードを固めていますが、その間隙を縫って当たっています。左ボディも有効ですね。

3R、ジリジリとプレスをかけるベニテス。ラミレスは下がりながら戦うも、そのパンチはキレがあってさらに的確。ラウンド序盤に幾つかの左をヒットした後、ワンツーフックコンビネーションもヒット。これが速い。

ベニテスは腰が少し落ち、その後は手を出して誤魔化すもベニテスのパンチはラミレスに届かず、ラミレスのパンチはしっかりとベニテスに当たっています。

4R、ここまでのトータルパンチスタッツは、ラミレス47/149、ベニテス11/98。ベニテスはちょっとディフェンスから入るイメージなので手数が出ないか。ラミレスは軽いパンチを次々に出していき、ガードを固めるベニテスに対してもその的中率もまた高い。

 

 

 

このラウンドはさほど下がらず、回らず、比較的接近戦をうけて立つラミレス。この距離は得意であろうベニテスも手数が増えますが、近い距離でのラミレスのパンチセレクト、タイミングは良い。

終盤にもラミレスのコンビネーションがヒット、ベニテスの顔面が揺らされています。

5R、ここも引き続きラミレスはサークリングしつつも時に接近戦で打ち合います。ガードを固めて頭をつけるのはリスクがありますが、この距離でもクリーンヒットを許してはいませんね。

6R、ベニテスは打てばそのリターンでカウンターを取られるだけに、なかなか攻め込むことができません。ただ、この試合展開であれば自ら打ち込んでいかなければ勝機がありません。

後半、ベニテスは激しい攻めもクリーンヒットはほぼありません。

7R、ベニテスの前進に対してラミレスがお付き合い。ラミレスのブロッキングは固く、また上手くここでもベニテスは効果的なヒットを生み出せず。

中盤以降はまたラミレスが距離を作ってのボクシングを展開し始め、こうなるとベニテスのパンチは当たりません。

 

 

 

ベニテスが左フックで攻めればすぐさまアッパーをリターン、これはベニテス危険だな、と思っていたら今度はラミレスが右ジャブをフェイント気味に使って左アッパーをヒット!これがおそらく見えなかったベニテスはダウン!試合はそのままストップ!!

ロベイシー・ラミレス、7RKO勝利!!!

見事なKO勝利でした、ロベイシー・ラミレス。最後の左アッパーはKOハイライトで幾度も流れるような素晴らしいものです。

世界6位、とはいえども大きな力の差がありました。

タラレバをいうわけではありませんが、このベニテスを前回の防衛戦の相手として選んでおけばよかったのに。

ともあれ、順当な勝利で再起を果たしたロベイシー・ラミレス。次戦はラファエル・エスピノサとの再戦となるのでしょうか。今後の戦いにも期待しましょう。

 

 

 

WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ

テオフィモ・ロペス(アメリカ)20勝(13KO)1敗

vs

スティーブ・クラゲット(カナダ)38勝(26KO)7敗2分

メインイベントはテオフィモ・ロペス!

大人気ボクサーだけに、ここは圧倒的な実力差を見せてのKO勝利を期待したい。

盛り上がっているスーパーライト級をより盛り上げてもらいたいですね。

ああそうか、このロペスがリングマガジンのスーパーライト級のベルトを持っているのですね。これは確かジョシュ・テイラーに勝利して手に入れたものか。

とはいえ、今のスーパーライト級でテオフィモ・ロペスが最強というのはちょっと得心がいかないものですね。

初回、グイグイと行くのは無名の挑戦者、スティーブ・クラゲット。これは気持ち良いぐらい行きますね。最初からエンジン全開です。知名度、実力差がわかっていればこうでなくてはいけません。

 

 

 

とにかく中間距離では話にならない、接近戦こそ活露、ともいうべきクラゲットは、強いプレスで体ごと押し付けていきます。ロペスはジャブで迎え撃ち、右ストレート、左フックをヒットしてエスケープ、の繰り返しです。下がりながらの戦いも上手い。

2R、クラゲットのしつこい前進と、しつこい連打。ロペスは素晴らしい反射神経でクリーンヒットはさほどもらうことはありませんが、これは集中力が切れないか心配になってくる展開です。

3R、ゴングがなると元気一杯、とにかくロペスへ走り寄るクラゲット。この千載一遇のチャンスによく練習してきたのでしょう、スタミナに不安は全くないようです。

クラゲットは打たれても打たれても前に出るハートの強さは素晴らしいものですが、なかなかガムシャラにやるだけではポイントは取れませんね。

4R、クラゲットのしつこい前進に、ロペスもロープやコーナーに詰まる時間が長くなっています。クラゲっとのジャブはロペスが動くタイミングでよくヒットし出し、これでロペスの顔面が少し上がることもしばしば。

しかしパワーパンチといえばロペスの右アッパー、左フックが入っていますね。

 

 

 

5Rも展開は変わらず。非常に手数が多く、前進力も強い、クラゲットに対し、ロペスもパワーパンチを応戦しています。

6Rももちろん展開としては変わらず。つまりはこのクラゲットはこのまま後半押し切ろう、ということですね。ロープに押し込んで有効打を狙うベニテス、そうはさせじとロペスも強打を返します。

近い距離でも左ガードを落としているロペス、ジャブだけでなく右のショートフックももらっていますね。左眼が腫れてきたように見えますが、大丈夫でしょうか。

7R、ここもしつこいクラゲット、さほどパワーがあるわけではないですが、とにかくしつこい。ちょっとロペスは集中力が切れてきたかもしれません。

9R、ロペスはスピード重視のパンチに切り替え、大きく足を使う戦法に。これが奏功したか、ワンツーからの右アッパーをヒット、大きな盛り上がりを作ります。

しかしクラゲットはタフですね。一瞬動きが止まった後もすぐに前進してロペスにくっつき、ショートパンチを繰り出してきます。

10R、そろそろ倒したいロペス。良いアングルのコンビネーションを次々とクラゲットにヒットするも、クラゲットの動きは落ちません。

最後まで勝負を投げないクラゲットは立派ですね。

 

 

 

11R、ロペスの右はクラゲットの顎を何度も捉えているように見えますし、左フックも顎やテンプルといった急所を幾度も捉え、アッパーも何度も何度も入っています。

それでも倒れないクラゲットがタフなのか、それともロペスはこの階級でパワーレスの部類に入るのか。

ラストラウンド、ここにきても旺盛な手数とど根性で攻めていくスティーブ・クラゲット。まさかここまで頑張るとは思いませんでしたね。

ロペスは下がりながらカウンター、的中率は非常に高いですがクラゲットを倒せるパンチは打ち込めていません。

結果、何事も起こらずこのラウンドが終了。

判定は120-108×2、119-109でテオフィモ・ロペスの勝利。

圧勝といって良いのでしょうが、ちょっと物足りない結果ではありましたね。ここはKOして欲しかった。

 

 

 

ただ、格下相手と考えれば今日のロペスのパフォーマンスは良かったし、安定していました。調子に乗りすぎてミスを犯すこともなく、淡々とその時々に応じて戦略を変えつつボクシングができていた、というのは大きな進化だと思います。

テオフィモ・ロペスも経験を経て、冷静さ、リングIQといったものを学んでいるように思いますし、非常に安定感が出てきました。何でもないジャブをもらってしまう場面は度々あったので、集中力をキープするということに関してはまだ伸び代がありますし、どういうボクシングで魅せていくのか、というところに関しては是非再考願いたいですが。

ともあれ、スーパーライト級の一角は今日を経て以前と比べ物にならないほど、盤石になったのではないかと思います。

今後のスーパーライト級戦線にも期待をしましょう。

 

 

 

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