世の中には不思議なことが多い。
どこを切り取ってもなぜそんなことになるのか、ということは絶えないですね。
それはもちろんボクシング界においてもそうなわけで。
特にここ数日の間では、「なぜこうなった」というニュースがいくつかあります。
ということで今回のブログは、ボクシング界の「なぜそうなる?」ニュースをピックアップ。
WBCはなぜかベナビデスに2週間の猶予を与える
これはちょうど1週間前のニュースです。6/15(日本時間6/16)、オレクサンドル・グヴォジク(ウクライナ)に勝利し、WBC世界ライトヘビー級暫定王者となったデビッド・ベナビデス。
本来スーパーミドル級のこのベナビデスがライトヘビー級にあげたばかりの試合で、全盛期は過ぎたとはいえあのグヴォジクに快勝というのはやはりこのボクサーの素晴らしい才能を示したものです。
メキシカン・モンスターは本当にメキシカン・モンスターでした。
さて、本来2階級にわたり王座保持は認められていません。(残念ながら過去に例外あり)
なので規定で言うと、ベナビデスが勝利してライトヘビー級王座を獲得した場合、10日以内にどちらかのタイトルを選ばなければならなりません。
なのでもうどちらかを選んだものだと思っていました。
しかし、このニュースはWBCがその決断に猶予期間を設け、2週間延長する旨をベナビデスに伝えた、というものです。
なぜこの猶予を与えたのかは理由のいく説明ができないのではないかと思います。
結局のところ、カネロが一体誰を選ぶのか、というのを待っているだけだからです。
カネロの次のリング登場は9/16近辺の土曜日、つまりは9/14か9/21です(いずれも現地時間)。
その発表はというと通常は7月中旬なので、結局は2週間ちょっと待つ形になるでしょう。
現在のカネロの対戦相手候補は、筆頭としてWBAの指名挑戦権を持つエドガー・ベルランガ(プエルトリコ)。かつての勢いを無くしたとも言えるベルランガは、カネロにとっては比較的楽な相手でしょう。
それに対して、ベナビデスは危険です。
カネロがライトヘビー級タイトルを取ったのは、衰え切ったセルゲイ・コバレフ(ロシア)だったことを考えると、ライトヘビー級の実績はベナビデスの方が上のように思います。そしてカネロが裏技を使ってライトヘビー級を獲ったのに対し、ベナビデス(も裏技ではありましたが)はちゃんとライトヘビー級で通用するサイズを持っています。
その二人がスーパーミドル級で激突するとすれば、カネロの技術を持ってしてもベナビデス優位に傾く可能性は否めません。たとえオッズがカネロに傾いたとしても、です。
それは置いておいて、WBCがベナビデスの王座選択に期間的猶予を与える行動というのは、謎のものです。
マニー・パッキャオがなぜか突然のタイトルショット
これも大きな謎です。
マニー・パッキャオは日本のRIZINでナントカという格闘家とボクシングマッチをするらしい。
これまたどうでも良い話なわけですが、それは引退したボクサーの小遣い稼ぎとして勝手にやってくれれば良いのです。
しかし、いかにレジェンドとはいえ、もう4年ものレイオフ期間を過ごしたボクサーが、いきなりWBC世界ウェルター級王者、マリオ・バリオス(アメリカ)へ挑戦というのは本当に馬鹿げた話です。
この意味不明なタイトルマッチを承認したのも、WBCです。
話題になるから試合を組む、というのは、どこぞの極東の格闘技団体と全く変わらないムーブメント。ボクシングの世界タイトルはそうであってほしくはありません。
パッキャオがバリオスに勝てるとか勝てないとかそういう話ではなく、世界タイトルを目指すコンテンダーたちに非常に失礼な行為だと思います。
皆、一つずつ価値を積み重ね、ランキングを上げ、時に周りの力を借りて世界タイトルに挑戦するわけですが、それでも普通に考えれば勝ち続けなければチャンスは巡ってくることがありません。
このボクシング競技への冒涜は、ボクシングが凋落してしまうきっかけとなり得てしまうもの。どうにか流れてしまわないものか。
カーメル・モートンが週末になぜか突然のリング登場
とまあ、ここまでの2つはなぜ?と思うニュースというよりもWBCへの不平不満なわけですが、今回は本当に謎のニュース。
今週末、DAZNでPPV放映されるネイト・ディアスvsホルへ・マスヴィダルという、総合格闘家同士のボクシングマッチがあります。これがなんとPPVというのは本当に馬鹿げた話ではありますが、そのセミファイナルにはダニエル・ジェイコブス(アメリカ)vsシェーン・モズリーJr(アメリカ)というなかなか興味深いサバイバルマッチが組み込まれています。
とはいえ、日本でこのカードを3,990円払って見たいという人はほとんどいないでしょう。
アメリカではいるのか??
ともあれ、この試合にかのカーメル・モートン(アメリカ)が出場するとの報が、7/3(日本時間7/4)に発表されました。試合の3日前です。
こんな数日前に試合が決まることってあるのでしょうか。
モートンの際のは全米どころか全世界が注目するものであり、さらに彼はまだ10代です。
果たしてこの試合は前々から決まっていたものなのか、それとも急遽決まったのもなのか。
モートンはまだまだキャリアの形成期であり、たくさんの試合をこなしたい、プロモーターとしても短期間で試合を組んであげたい、というのはあるのでしょう。
それでももし焦って急遽試合を組んだようなら、足元を掬われかねません。
まだ18歳、まだ歯列矯正中です。(アメリカは日本と違い、中流階級以上の人たちは歯列矯正をします。歯並びが悪いことは育ちの悪さのアピールとなってしまい、ほとんどのアメリカ人は子供の頃に歯列矯正をするようです。つまり、歯列矯正というのはまだ子供であることの証と言えます。)
これは本当に謎なニュース。ただ発表がずれ込んだだけ、と思いたい。
ブランダン・リーはなぜかクイーンズベリー・プロモーションへ
最後は別にどうってことのないニュースですが、スーパーライト級のプロスペクトでしばらく名前を聞かなかったブランダん・リーがクイーンズベリー・プロモーションと契約を締結したというニュース。
アメリカ、カリフォルニア出身のリーは、その名とその風貌通り、東アジア(韓国)とマッチョ(メキシコ)の血が入ったボクサーです。
28勝(23KO)無敗という戦績を持つパンチャーであり、かつ、非常に頭も良いボクサーだったと思います。
そのリーは2023年4月のペドロ・カンパ(メキシコ)戦を最後に試合から遠ざかっており、これまで音沙汰がありませんでした。
そこにきて、このニュースです。
リーは西海岸で人気のあるボクサーなわけですから、これまで彼を支えてきたPBCはそのサポートを続けるべきだったし、PBCがリーを放出するならトップランク、もしくはゴールデンボーイがその食指を伸ばしてもおかしくはありませんでした。
しかし、リーが選んだ(またはリーを選んだ)のはフランク・ウォーレン率いるクイーンズベリー・プロモーションであり、言うまでもなくイギリスのプロモーション会社です。アメリカで生まれ育ったアジアンヒスパニックのアメリカ人が、なぜイギリスの老舗プロモーターと契約を?
これはリーの胸の内にしか答えはないのかもしれません。
ブランダン・リーは7/27(日本時間7/28)に行われるジョー・ジョイスvsデレック・チゾラのアンダーカードでイギリスデビューを果たすらしい。
なぜアメリカのプロモーターじゃないのか、というところは本当に謎ですが、リーの久々のリング復帰を楽しみましょう。
ざっと調べただけでも「?」がつくニュースは出てくるものです。
オールクリア、というのもまたつまらないものではありますが、ボクシング界にとって禍いにもなりそうなことはやめてもらいたいものですね。
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