7/20(土)に行われたAmazon Prime ビデオのLIVE BOXINGから1週間。厳密に言えば8日後。
またも日本では世界タイトルマッチが挙行されます。
世界中を見渡しても、20日、21日の週末と、27日、28日の週末に世界タイトルマッチがあるのは日本だけ、そんな現状を考えると「日本はボクシング大国」という言葉にも信憑性が出ますね。
「負けることが想像し難い」ボクサーは過去にもいました。
川島弘志もそうだったし、長谷川穂積もそうだったし、井岡一翔もそうだったし、内山高志も山中慎介もそうでした。もっと前には、具志堅用高だってそうだったと思います。
時代は移り変わり、「負けることが想像し難い」から「勝って当然」、そして「どんな勝ち方を見せてくれるのか」となったところで突然穴に落ちることもあります。
それが前戦の重岡優大(ワタナベ)であり、次戦は8/24にサムエル・サルバ(フィリピン)という20勝(13KO)1敗という好戦績のボクサーと再起戦を戦います。
このサルバはレネ・マーク・クアルト(フィリピン)に勝利していますが、唯一の敗戦はペドロ・タデュラン(フィリピン)です。なかなかこの辺は複雑に絡み合っていますね。
ということで今回のブログは、7/28(日)に行われる3150FIGHTのプレビュー記事。
7/28(日)3150FIGHT
IBF世界ミニマム級タイトルマッチ
重岡銀次朗(ワタナベ)11勝(9KO)無敗
vs
ペドロ・タデュラン(フィリピン)16勝(12KO)4敗1分
二人でミニマム級王座を総なめにして、長期政権を築くのだろうと思っていた重岡兄弟。
当時、リングマガジンのランキングでは兄優大の方が評価が高く、それはひとえに絶対王者パンヤ・プラダブスリ(タイ)を破って戴冠したことに起因しているのでしょう。
しかし、正規王座の初防衛戦、暫定時代から数えても2度目の防衛戦で、元王者のメルビン・ジェルサェム(フィリピン)に判定負け。まさかまさかの敗北でした。
同じリングでジェイク・アンパロ(フィリピン)に2RKO勝利をあげた弟銀次朗は、この兄になり変わってリングマガジンの1位にランクアップしています。
そして今回、3度目の防衛戦を迎えます。
3度目の防衛戦の相手は、ペドロ・タデュラン、元IBF世界ミニマム級王者です。
2015年にプロデビュー、2018年に当時の絶対王者、ワンヘン・ミナヨーティン(タイ)に挑むも判定負け。しかしその後、前述のサムエル・サルバを破ってIBF王座を戴冠しています。
初防衛戦はダニエル・バラダレス(メキシコ)と負傷引き分け防衛、2度目の防衛戦でレネ・マーク・クアルト(フィリピン)に判定負けを喫して王座陥落。さらにダイレクトリマッチでも返り討ちにあっています。
昨年の終わり、ジェイク・アンパロを破ってIBFの挑戦権を獲得したものの、先に挑戦したのは何故かアンパロでした。そしてようやく順番が回ってきたのです。
3段論法は通用しない、とはいうものの、アンパロよりも強敵なのは確かなこと。
さらにクアルト戦も、初戦は非常に微妙な判定であったこと、ダイレクトリマッチは負傷判定であったこと、当然ミニマム級においては世界トップレベルのコンテンダーであることは明白です。
リングマガジンのランキングでも8位につけている元王者は、本来十分に警戒すべき相手でもあります。
↓リングマガジンのミニマム級ランキング
「ガラガラヘビ」のニックネームを持ち、勝利数に対してのKO率は75%と非常に高い。
そのニックネームが示す通り好戦的なサウスポーであり、バッティングも厭わず前に出てくるので負傷判定も多いようなイメージですね。この部分、重岡は気をつけなければいけません。
ともあれ、たとえ強豪とはいえ、銀次朗の相手として十分か、と問われればそうは思えないのもまた事実。とか言ってるとまた足元を掬われかねないのかもしれませんが。
個人的に思うことは、弟銀次朗の方が兄優大よりも大人のボクシング。非常に完成度が高く、さらに冷静です。
したがって、穴が少ない。
注目度の低いミニマム級ではなかなか知名度が上がらないですが、コツコツと長く防衛していくうちに陽が当たる時も来るだろうし、それこそ具志堅用高の13度防衛という金字塔を抜けるのはこのボクサーしかいません。
それは井上尚弥でもなく、中谷潤人でもなく、寺地拳四朗でもなく、やはりこの重岡銀次朗なのです。
身長153cmの銀次朗は以前からこのことを言っており、本当にそれを目指すのならば今後永遠に破られることのない日本記録が生まれるかもしれません。彼はまだ24歳です。
その中で、王座統一戦を挟んでくれるのならば尚良い。
WBA王者はノックアウト・CP・フレッシュマート(タイ)、WBC王者は兄優大の仇でもあるメルビン・ジェルサェム(メキシコ)、そしてWBO王者はオスカー・コラーゾ(アメリカ)です。
王者の他で言えば、ハサンボーイ・ドゥスマトフ(ウズベキスタン)がいますが、こちらはパリオリンピック出場のために不在。このドゥスマトフこそ年齢的なものもあるのでさっさと世界タイトルに挑戦してほしいところですが。
当然最も楽しみなのはオスカー・コラーゾ戦であり、この戦いは注目されるでしょうから、なるべく早急に実現してもらいたいところ。このコラーゾ戦ののち、重岡銀次朗の名前はミニマム級という階級を超越してハネるかもしれません。
いずれにしろ、ペドロ・タデュランは重岡銀次朗の敵ではないはずです。
今回も重岡の快勝に期待しましょう。
アンダーカードと配信情報
セミファイナルは亀田京之介(TMK)vs中川麦茶(ミツキ)。驚くほどつまらなかったらしい初戦の再戦だそうです。需要はあるのか。
セミセミには中川抹茶(スパイダー根本)、兄弟での登場ですね。重岡兄弟を使えなくなったら今度は中川兄弟らしい。(そういうわけではないのでしょうが)
こちらの抹茶はペテ・アポリナル(フィリピン)戦、日本人キラーと言えるジュンリエル・ラモナル(フィリピン)に勝利してOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得し、武居由樹(大橋)にその座を追われ、堤駿斗(志成)とも戦ったボクサーです。
これはなかなかの強敵ですが、オーストラリアへ行ってジェイソン・マロニーのスパーリングパートナーを務めたという中川、頑張ってもらいたいところですね。
配信はABEMA、開始時間は13:00だそうです。
セミファイナルがまた苦痛の時間になるかもしれないので、やっぱりおすすめはディレイ視聴です。
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井岡が負け、堤はウェイトオーバーによるサスペンド。力石政法は3150FIGHTを離れ、重岡兄弟は最後の砦です。あとは比嘉がABEMAにベルトを持って帰ってきてくれれば万々歳、というところでしょうが、とにかく定期的なボクシング配信を続けてもらいたいですね。
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