オリンピックですね。
この記事がアップされる頃、岡澤セオンは初戦を戦っているところでしょうか。
男子71kg級では世界チャンピオンのアスランベックがまさかの初戦敗退、岡澤としては良かったのか悪かったのか。
ともあれ、今後の日本選手の活躍に期待です。
ちなみに、2028年のロサンゼルスオリンピックでは、ボクシング競技はないかもしれません。IOCがIBA(国際ボクシング連盟)を参加させない旨を決定したためです。
これにより、ボクシング競技は新たな団体を創設せねばなりません。IBAから見れば造反であり、このIBAに日本ボクシングクソ連盟は言いなりの状態。犬です。いや、これは犬に失礼。
ともあれ、IBAとは別の団体が台頭したとて、そこに日本連盟がちゃんとくっついていけるかというのが微妙なところ。まあ、ついていくしかないのでしょうけど。
そんな話は置いておいて、今回のブログはマドリモフvsクロフォードのアンダーカードについての続きを書いていきます。
↓マドリモフvsクロフォードのプレビュー
↓一番の楽しみはイサック・クルスvsホセ・バレンズエラ!
8/3(日本時間8/4)アメリカ・カリフォルニア
WBA世界ライトヘビー級王座決定戦
デビッド・モレル(キューバ)10勝(9KO)無敗
vs
ラディヴォジェ・カラジッチ(アメリカ)29勝(21KO)2敗
なぜオリンピックの話を冒頭に出したかというとロサンゼルスオリンピックにつなげたかったわけです。4年後にオリンピックを控える、それがカリフォルニア州ロサンゼルス。
言うまでもなくレッド・ホット・チリ・ペッパーズの出身地であり、勝手に陽気なイメージを感じています。
そんな地で戦うのが、キューバ出身の元WBA世界スーパーミドル級王者、デビッド・モレル。
キューバ人がアメリカに亡命する頃にはすでに歳をとっている、というのが通例ですが、このモレルは若くしてアメリカにわたり、2019年にプロデビュー。
わずかプロ3戦目でWBA世界スーパーミドル級暫定王者となった強者で、のちにレギュラー王者となり、この度2階級制覇に挑みます。
とは言っても、この階級にはP4Pの次点に数えられるドミトリー・ビボル(ロシア)がいるわけですから、このWBA世界ライトヘビー級「レギュラー」王座決定戦にどれほどの価値があるのかはよくわからない状況です。
10月、アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボルの対戦は起こる。はずです。今度こそ。
この戦いこそがライトヘビー級の覇権を賭けた4団体王座統一戦であり、ライトヘビー級の頂上決戦であることは疑いようがなく、いずれか勝利した方はP4Pの3強に食い込み、4強となるかもしれない一戦です。
その二人と比較されるには、まだまだ経験と実績が足りない、デビッド・モレル。
ただ、この王者は非常にスキルがあり、パワーがあり、そして2mに近いリーチに恵まれたボクサーであり、これまで負けはおろか苦戦もしておりません。と言うか圧勝だらけで、はっきり言って全然そこが見えませんね。
プロ3戦目での(暫定とはいえ)世界戦で判定勝利の他は全てストップ勝利。現時点では10戦時点でのロマチェンコよりも優秀な成績を収めているにも関わらず、このボクサーはメジャーシーンに上がることができません。
それは出自の問題かもしれないし、対戦相手の質ということもあるのでしょう。
今回の対戦相手ラディボジェ・カラジッチというボクサーも世界トップレベルとは言い難いですが、元タイトルチャレンジャー。2019年にベテルビエフに挑戦して5RKOで敗れています。
前戦では同じく元タイトルチャレンジャーのサリバン・バレラ(キューバ)に10RKO勝利、キューバ人との2連戦です。
とはいえやはりここはモレルの圧勝でしょう。ベテルビエフとビボルが雌雄を決するのであれば、その次に控えるのは間違いなくこのデビッド・モレルかデビッド・ベナビデス(メキシコ)となるわけで、次の世代はいずれかに託されるはずです。
だからこそ、ここはどのように勝利するかを見たいところです。(とか言いつつこの言い回しをしてここのところ何度も期待を裏切られています。)
ライトヘビー級初戦となるため階級へのフィットを考えるとベストなパフォーマンスは出せないかもしれません。それでもやはり期待してしまうのは、彼がまだ26歳と若いキューバ人だからかもしれませんね。
デビッド・モレルのパフォーマンスに期待しましょう。
アンディ・ルイス(アメリカ)vsジャレル・ミラー(アメリカ)
これは意外と注目のマッチアップであり、勝負論もかなりある、どころか50-50に近い戦いだと思っています。
「デストロイヤー」アンディ・ルイスは過去の栄光はどこへやら、2年ぶりのリング。
アンソニー・ジョシュア(イギリス)にアップセット勝利を決めたのは素晴らしい戦いでしたが、そこから15lbs増量して臨んだダイレクト利マッチではシャットアウトされての判定負け。この戦いはジョシュアの慎重な戦いぶりによりルイスが自分の力を発揮できなかった、とも言えますが、怖さのないジョシュアを攻めきれなかったという見方もあると思います。
2019年12月に行われたこの試合の後、1年半のレイオフを経てクリス・アレオーラ(アメリカ)に判定勝利、そしてその1年4ヶ月後に「キングコング」ルイス・オルティス(キューバ)に3度もダウンを奪ったのに僅差の判定勝利。つまりはラウンドバイラウンドで言えば、半分以上はオルティスに取られているという計算になります。
はっきり言って栄光を勝ち取った後のルイスの「錆びつき」は半端なく、ここらでコロッと負けてしまっても驚きはありません。
対してジャレル・ミラーは36歳という年齢にしてまだまだハングリー、前戦でダニエル・デュボア(イギリス)に初黒星を喫するまで無敗で来ていたボクサーです。
もちろん、実績で言えば元ユニファイド王者であるアンディ・ルイスが大きく上回ります。ただ、今の彼には本気でタイトル奪還を目指す意気込みが足りません。
この戦いはアンディ・ルイスがかつての勢いを取り戻せるのか、という戦い。もしかすると彼は、このように「リヤド・シーズン」(多額なファイトマネーをもらえる場所)でなければリングにっ戻ってこなかったかもしれないのです。
それがモチベーションとなり、ヘビー級シーンを盛り上げてくれるのなら良いのですが、ただひたすらに目の前のファイトマネーをラッキーとして飛び付いただけなのであれば、すでに先は見えています。
良い試合、素晴らしい試合にはならないかもしれません。それでもこの試合はものすごく勝負論のある戦いだと思います。
その他のアンダーカード
ちなみに、ジャレル・ミラーのニックネームは「ビッグベイビー」だそうです。BoxRecで見て初めて知ったかも。
ビッグベイビーといえばアメリカヘビー級期待の星、ジャレッド・アンダーソンもこの興行に登場です。
アメリカのヘビー級復権を一手に担うと言っても過言ではないジャレッド「ザ・リアル・ビッグベイビー」アンダーソン、プロ18戦目に臨みます。
対戦相手はマーティン・バコーレ(コンゴ共和国)、20勝(15KO)1敗という好戦績のボクサーで、前戦ではカルロス・タカム(フランス)を退けており、唯一の敗戦は2018年のマイケル・ハンター(アメリカ)という強豪ですね。
アンダーソン優位なのは間違いありませんが、果たして楽に勝てる相手でもないでしょう。
こう考えるとアンダーソンの世界挑戦はもう近く、もしかすると来年あたり、ウシクの返上したどこかの王座が狙い目なのかもしれませんね。いずれにせよ、ヘビー級は来年か再来年あたりに大きく動きそうです。
そしてアンディ・クルス(キューバ)も登場です。
東京オリンピックのゴールドメダリスト、アンディ・クルス。
さんざん苦労してアメリカへの亡命を叶え、昨年プロデビューしての4戦目ですね。まだまだ対戦相手の質云々を語るべき時ではない、と思ったのですが、相手は早くもこのレベル、という相手。対戦相手はアントニオ・モラン(メキシコ)です。
30勝(21KO)6敗1分という好戦績を持つモランは、ジャーメイン・オルティス(アメリカ)やアーノルド・バルボサJr(アメリカ)らの踏み台になっていますが、過去にもデビン・ヘイニー(アメリカ)やホセ・ペドラサ(プエルトリコ)と言ったボクサーたちと戦ってきた、かなりキャリアのあるボクサーです。
まだ31歳、世界への望みは捨てていないのかもしれません。
アンディ・クルスにとって試練の一戦となるか、それともまだまだ底を見せることは無いのか。この戦いも非常に興味深いですね。
この興行はDAZNでPPV放送です。
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