SNSを開くと、ベテルビエフとビボルのハイライトで溢れています。
もちろん、日本のボクシングファンとしては2daysのアマプラ興行が最も楽しみな興行かもしれませんが、世界的に見ればやはりこのリヤドシーズンには敵いません。なぜ、ぶつけてきたのか。。。まあ、会場の都合もあるので仕方のないことなのでしょう。
アメリカでやったりイギリスでやったりと忙しい「リヤド・シーズン」。もはや何がリヤドシーズンなのかはわからないし、果たしてウェンブリースタジアムに10万人近く集めた興行がサウジアラビアの観光の役に立っているのでしょうか。その財源が尽きることがないように祈るばかりです。
ともあれ、今回はサウジアラビアで開催される本当のリヤドシーズン興行。
アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボルという現代最高のライバル対決をメインに据え、BoxRecの「Promoter」の欄にはボブ・アラム(トップランク)、エディ・ハーン(マッチルーム)、フランク・ウォーレン(クィーンズベリー)、ベジャミン・シャローム(Boxxer)といった錚々たるメンバーの名前が入っています。改めて、とんでもない興行です。並んでその名前が載るなんてことはこれまでほとんどありませんでした。
今回のブログは、そんなトンデモ興行、リヤドシーズンのアンダーカードについて。
⇩メインイベントのプレビュー記事はこちら
10/12(日本時間10/13)サウジアラビア・リヤド
クリス・ユーバンクJr(イギリス)vsカミル・シェルメタ(ポーランド)
イマイチ盛り上がりに欠けるミドル級。この戦いの前の週にはIBFミドル級タイトルマッチがありますが、そのトップボクサーたちのファイトとは別に盛り上がっているのがクリス・ユーバンクJrです。
イギリス国内で非常に人気が高く、また36戦の中で強豪との対戦も多く、またその多くを勝利していますが、このボクサーは不思議とメジャーの正規タイトルに縁がありません。本人がそれを求めていないのかもしれませんが。
これまで獲得したタイトルはWBAの暫定王座とIBOのタイトルで、今回もまたIBOの世界タイトルがかかるようです。
1年ぶりのリングとなり、前戦はリアム・スミス(イギリス)との再戦で10RTKOで見事リベンジを果たした試合ですね。
相手のカミル・シェルメタはかつてゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)に挑戦して7RTKO負け、復帰戦でハイメ・ムンギア(メキシコ)と戦い6RTKO負けしたボクサーで、そのマッチアップをピークとして他に強豪との対戦経験はありません。
ユーバンクのための試合、と見て良いと思うのですが、果たしてこの興行のセミファイナルにこの試合。。。まあ、メインに集中するという意味においては一休みのセミファイナルなのかもしれません。
ファビオ・ウォードリー(イギリス)vsフレイザー・クラーク(イギリス)
初戦は今年3月、17勝(16KO)無敗という戦績のプロスペクト、ファビオ・ウォードリーと、東京五輪のスーパーヘビー級同メダリストのフレイザー・クラークが戦う、というイギリス国内のビッグマッチは、3者3様の引き分けに。
現代ヘビー級のボクシング、中心地がイギリスであることを考えると、このライバル対決は世界王座に直結するものでもありました。
12ラウンズを戦って決着がつかなかった両者は、約半年の月日を経てダイレクトリマッチへ臨みます。
この初戦は本当に素晴らしい戦いだった。。。。。ようなのですが、私は正直この戦いを見てはいません。ウォードリーが五輪メダリストを圧倒するようなことがあれば、一気にトップ戦線に登ると思っていたのですが、そうはなりませんでしたね。
ここは両者にとって正念場の一戦で、勝てば大きく駒を進められますし、負ければ大きく後退。これはもちろん、セミファイナルよりも興味深い一戦です。
IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
ジャイ・オペタイア(オーストラリア)25勝(19KO)無敗
vs
ジャック・マーシー(イギリス)22勝(12KO)2敗
2度に渡りマイリス・ブリエディス(ラトビア)を破り、当代きってのクルーザー級であることをアピールしたジャイ・オペタイア。
ここ最近でノックアウトできなかったのはブリエディス戦くらいのものですから、今回の一戦も当然ノックアウト勝利が期待されています。
このオペタイアはクルーザー級において非常にしっかりとしたボクシングをするボクサーで、しっかりと倒し切れるパワーも有しています。リヤドシーズンは3度目の登場となりますね。
相手のジャック・マーシー(マッセイか?)についてはよくわかりません。戦績こそ良いですが、あまり実績を残してきたボクサーではないと思います。
ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)とヘビー級で戦い、前日計量で30lbsの差があったにも関わらずノックアウトされていないというのはなかなかのタフネスぶり。他の強豪といえばリチャード・リアクポー(イギリス)戦で、ポイント的には2〜6ポイント差とそこそこ競ったポイント差で敗北しています。
この試合は、オペタイアの勝利は固いはず。
もしかすると、リアクポーにも善戦したマーシーが粘ることもあるかもしれませんが、とにかくオペタイアにはここは良い勝ち方をしてほしいところです。
その理由としては、やはりこの試合の1ヶ月後に行われるリヤドシーズン興行で、ヒルベルト「スルド」ラミレスvsクリス・ビラム=スミスというクルーザー級の王座統一戦が行われ、その勝者とオペタイアが戦う、という話がすでに進行しているからです。
私はこのジャイ・オペタイアというボクサーを非常に買っているのですが、世間ではそうでない声も多いようです。理由は、ブリエディスが歳を取っていたから、ということなのですが、そうは言ってもブリエディスはウシクを苦しめたボクサーであり、その実力は疑いのないものです。
是非ここはオペタイアに王座統一をしてもらい、世間の(一部だと思う)評価を正しいものに変えてもらいたいところです。
ただし、この3団体王座統一戦には障害も多いようです。
本来、この日の戦いは、オペタイアは指名戦を義務付けられていた戦いです。(話すとややこしくなりますが、ブリエディス初戦に勝利したオペタイアでしたが、その後謎の理由で王座を剥奪され、ブリエディス第二戦もIBFの王座決定戦でした。それに勝利して戴冠したので、初防衛戦は指名挑戦者を相手にしなければなりませんでした。)その指名戦をやらずにこのジャック・マーシーと戦うので、IBFは「これ以上の例外を認めない」ことを明確にしています。なのでこの試合の勝者には、2025年1月20日までに指名挑戦者であるフセイン・シンカラ(ドイツ)を相手に防衛戦をしなければなりません。シンカラというボクサーは22勝18KO無敗という素晴らしい戦績の持ち主ですが、39歳です。
ということはうまくいってもオペタイアvs「スルドvsビラム=スミスの勝者」の戦いは来年夏以降ぐらいでしょうか。それまでは負けられないジャイ・オペタイア、ここでは快勝を期待したいところです。
ベン・ウィテカー(イギリス)vsリアム・キャメロン(イギリス)
ここで人気者、抜群のエンターテイナーであるベン・ウィテカーも登場です。ウィテカーはリヤド・シーズン初登場、この興行のコンセプトを考えるとなるほどぴったりのボクサーですね。
おそらく今後、ウィテカーはこの興行のレギュラーになりそうな予感がします。
まずは初戦、どんな戦いを見せてくれるのか非常に楽しみですね。
配信情報
その他にも、WBC世界女子フェザー級タイトルマッチ、スカイ・ニコルソン(オーストラリア)vsレーベン・チャップマン(イギリス)。ムハマド・アラケル(サウジアラビア)という謎のボクサーが4回戦のデビュー戦。アマ経験もないようで、これは逆に気になる案件ですね。対戦相手はどこにでもいそうな名前のヘスス・ゴンサレス(コロンビア)。このアラケルというボクサーはアラルシクの肝煎りなのか、興味深いですね。
さて、この興行の配信は、日本時間で10/13(日)AM1:00の開始のようです。
DAZNのPPVの金額は、3,100円!いつもよりなぜか100円高い。100円て。。。
⇩DAZNはこちら
ちなみに英国ではTNTスポーツとSKYスポーツでも見れるらしい。また、DAZNは北米とカナダでのPPVは販売せず、その地域の中継はESPN+が行うそうです。ESPN+なので、ケーブルネットワークでの放送ではなく、ネット配信のみ。これはちょっと勿体無いのではないでしょうか。アメリカには「録画ができん」と文句を言うファンはいないのでしょうか。
ちなみに、北米とカナダで配信されるこの興行、メインイベントのみ無料だそうです。アンダーカードを見るには14.99ドルかかると言う、一風変わった形で行われますね。カナダといえばベテルビエフのホームタウンであり、これはカナダの人たちにとってはありがたいことかもしれませんね。
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