今週末の注目興行はバフラム・ムルタザリエフvsティム・チューによるIBF世界スーパーウェルター級タイトルマッチ。
北米ではAmazon Prime Videoで中継されるPBCファイトということで、正直諦めて北米Amazon Primeに加入しようとしていました。(ちなみに北米Amazon Prime は14.99ドル)
しかし、ここにきて日本Amazonを探してみると、なんとこのPBCファイトの視聴ができることに気づきました。これは嬉しい。
ということで今回のブログは、ムルタザリエフvsチューのプレビューと、その視聴方法について。
10/19(日本時間10/20)アメリカ・フロリダ
IBF世界スーパウェルター級タイトルマッチ
バフラム・ムルタザリエフ(ロシア)22勝(16KO)無敗
vs
ティム・チュー(オーストラリア)24勝(17KO)1敗
さて、大注目のスーパーウェルター級。一時期のジャーメル・チャーロ統治下とはうって変わって戦国時代の様相を呈すこの階級は、WBAとWBO暫定王座にテレンス・クロフォード(アメリカ)、WBCとWBOの正規王座にセバスチャン・フンドラ(アメリカ)、WBCの暫定王座にバージル・オルティスJr(アメリカ)を擁する非常に面白い階級です。
コンテンダーを見渡してみても、かつてのPFPランカー、エロール・スペンスJr(アメリカ)やライジングスターのザンダー・ザヤス(プエルトリコ)、チャールズ・コンウェル(アメリカ)、などなど、強豪揃い。
テレンス・クロフォードがイズライル・マドリモフ(ウズベキスタン)に苦戦と呼ばれるパフォーマンスをしたこと、そしてバージル・オルティスJrがセルヒー・ボハチュク(ウクライナ)相手に薄氷の勝利だったこと、セバスチャン・フンドラvsティム・チューはバッティングもありつつのクロスファイトだったこと、これらを総合的に考えると、誰も抜け出ていないのではないか、という仮説が成り立ちます。
そんな中で、チューの復帰戦が世界タイトルマッチに決まったというのは大きなニュースで、これはチューのスター性、そして彼をバックアップするのがAmazon Primeであることは大きなことかもしれません。
北米Amazon Primeは、PBCファイトをShowtimeから受け継ぐことになり、その第一弾はティム・チューvsキース・サーマンというファイトでした。結局、サーマンはアウト、代わりにフンドラが入り、フンドラはチューに勝利して2団体統一王者となりました。
そのフンドラはまだリングに復帰していませんが、チューの復帰戦は何度も話題に上がっていました。バージル・オルティスJr.vsティム・チューなんてのもありましたが、これはチューが怪我からの復帰が遅れ、ご破算。しっかりと怪我を治してからトレーニングして、復帰戦を迎えてほしかったですが、この半年強という時間で大丈夫なのでしょうか。
バフラム・ムルタザリエフというボクサーは、無敗で強いフィジカルを持つプレッシャーファイターです。ロシアのグロズニーというところの生まれで、身長183cmと高身長を誇りながらも頑強な肉体を持っています。
このムルタザリエフの試合を見たのは前戦、ジャック・クルカイ戦だけですが、非常に体と気持ちが強いボクサーで、ロシア人らしいといえばそういうボクサー。ややリズムが一定なところと、ボクシングの幅の広さでいえば難点もありそうですが、それも含めて結果的にはジャック・クルカイ(ドイツ)を押し切り、このタフなクルカイに初のKO負けを味わわせているのだから、やはりこのボクサーの実力は本物です。
⇩FOTY候補の一つでもあるムルタザリエフvsクルカイの観戦記はこちら
さて、非常に古風で、オーセンティックなファイタースタイルであるティム・チュー。こちらも頑強なフィジカルを持ち、気持ちの強さを持ったボクサーであり、相手に真正面から向かっていくストロングスタイルは、派手さはありませんが非常に好みのボクシングスタイルです。
前述の通り、チューは前戦でセバスチャン・フンドラに初黒星を喫しています。チューは直前の対戦相手変更でキース・サーマン⇨セバスチャン・フンドラというとんでもない変更、さらに2Rにバッティングで額から大量出血と本当に不憫なほどうまくいかない戦いでした。
それでも何の言い訳もせずに敗北を認め、また同じ階級でスタートを切る、というのは本当に応援したくなるボクサーです。
⇩大流血試合、チューvsフンドラの観戦記
さて、このムルタザリエフvsチューの試合はどうなるか。
ムルタザリエフはプレスをかけて強く、かけられるのはさほど慣れていないかもしれない、というのが前戦を見て感じたことです。これをこのままにしておくか、というとそうではないはずで、チューがプレッシャーをかけてくることはわかっていることでしょうから、そこにどのような対策をしてくるのか。
チューはまたグイグイとプレスをかけてワンツーを狙っていくのでしょうが、果たして前回の初黒星の正式的なダメージと、特に序盤、身長になってしまう可能性、そしてスケジュール的に充分なトレーニングが詰めてきたのか、というのが焦点です。
互いに前に出ることが得意な2人の戦いは、おそらく噛み合うはずです。もし万が一、2人のボクサーのうち片方がアウトボックスに転じる、ということでもあれば想像した試合展開にはならないのでしょうが、そのことが起こる確率はほとんどないはず。
いずれにしろ噛み合う両者のスタイルは打撃戦となり、両者のKO率を考えるとKO決着が濃厚といえはしないでしょうか。
オッズはチューが-530、ムルタザリエフが+475とチューが優位。もちろんこれはチューの方が有名である、ということはあるのでしょうが、個人的にもチューのプレッシャーがムルタザリエフを上回り、ムルタザリエフは下がらされてしまうのではないかと予想しています。
決戦は日本時間で10/20(日)、間も無くです。
配信情報
北米Amazon Prime Videoで放映するこの興行は、日本のAmazon Prime Videoでも放映してくれるようです。
これは大変にありがたいことで、日本のAmazon Prime Videoで開催されている「Prime Video Boxing」は、北米アマプラでは放映されていないはず。北米ではESPNが放送しているためです。
ともあれ、今回のムルタザリエフvsチューの日本での放送時間は、10/20(日)AM9:00〜、メインはお昼頃でしょう。
まあとにかくありがたいですね。他のアンダーカードはヨエニス・テレス(キューバ)vsヨハン・ゴンサレス(ベネズエラ)、こちらもスーパーウェルター級の一戦。ヨエニス・テレスはキューバの24歳プロスペクト、最近は結構若くしてキューバから亡命してくるボクサーが多いのでしょうか、かなりしっかりとしたキャリアを積んできています。現在8勝(6KO)無敗、世界ランキングの下位に姿を見せ始めたボクサーなので、気になりますね。
そしてミドル級のプロスペクト対決、マテオ・タピア(オーストラリア)vsエンドリー・サーベドラ(ベネズエラ)。17戦して全勝のタピアはメキシコ生まれのオーストラリア人、16勝13KO(1敗)のサーベドラはニックネームが「El Chino」(中国人)という変わり種ですが、KO率は80%を超えます。ちなみに「中国人」というニックネームがピッタリハマる東洋人のような見た目。このニックネームはルッキズム的に問題にならないのでしょうか。
この3試合がPBCのサイトに載っているファイトなので、放送がこの3試合だけならムルタザリエフvsチューは11:00とか11:30開始になるのでしょうか?
なお、この試合の日本アマプラでの情報は非常にわかりづらいところにありますので、一応リンクを貼っておきます。
⇩描き画像をクリックすると視聴ページの飛びます。
(米国視聴者を対象にしている、とのことで、当然日本語実況と解説はありません。)
ではでは、この試合を楽しみましょう!
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