オスレイス・イグレシアスはやはり怪物でした。
難敵と思われた、タフなウラディミール・シシュキンを完封してノックアウト。
14戦して全勝、13KOという驚異的な戦績を保持したまま、IBFの世界タイトル挑戦権を奪取しています。
そして週末、もう一人の怪物候補がリングに上がります。
エドゥアルド・ヌニェス、力石政法にIBFの世界スーパーフェザー級タイトルを奪取したボクサーです。非常にバランスが良く、パワーがあり、回転力のあるヌニェスは、もう古豪と言われる部類になったクリストファー・ディアスを相手にどのようなパフォーマンスを見せるのか。
ディアスも世に知られたボクサーですが、ヌニェスが評価を確定させるには、ここをノックアウトでクリアしなければなりません。
ということで今回のブログは、エドゥアルド・ヌニェスvsクリストファー・ディアスの観戦記。
↓プレビュー記事
9/6(日本時間9/7)メキシコ
IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
エドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)28勝(27KO)1敗
vs
クリストファー・ディアス(プエルトリコ)30勝(19KO)5敗
メキシカン・ニュースター候補のエドゥアルド・ヌニェス。バランスの取れたそのボクシングは彼の勤勉さを物語っているように見えます。
世界王者担ったら一気にモチベーションを失うという中南米のボクサーは多い用に思いますが、ヌニェスがそのようになるとは考えられません。おそらく規律正しく、トレーニングを続けてきたはず。
初防衛戦の相手はクリストファー・ディアス、善戦マンとして数々の強敵と戦ってきたレジュメを持っています。
希望としてはヌニェスの圧勝、階級最強になってほしい。
初回のゴング、まずは中間距離で両者ともに前手で距離を測ります。若干プレスをかけるのはディアス。ヌニェスも随分と慎重な立ち上がり、中盤からはディアスのボディジャブ、ジャブが冴えています。
ディアスはじっくり見る構えで、右は打たず左のみに終始しています。
2R、非常に落ち着いているように見えるクリストファー・ディアス、引き続き若干プレスをかけつつもなにかを狙っているのでしょうか。
中盤、ヌニェスが強く攻め入る場面を作りますが、ブロッキングとステップで回避。ここまでリードのみでほとんど強い攻撃を見せていないディアスですが、これはヌニェスへの警戒心なのでしょうか。それにしては、非常に落ち着いているように見えます。
3R、ちょんちょんと左を突くヌニェス。そこからボディストレートを持っていきますが、ディアスもしっかりと反応。
そろそろヌニェスの強いボディショット、からの回転力のあるコンビネーションが出始めました。以前プレスをかけるディアス、ここで右ストレートをヒット!しかしヌニェスも左フックを返し、徐々にエキサイト。
距離を大切にしつつ、一発を狙うディアス、ヌニェスも今回は距離を詰めて接近戦での勝利は考えていないようです。
4R、このラウンドの前半はディアスがパンチをつなげてチャージ。しかしその後、ヌニェスは大きな反撃、こちらもコンビネーションをつなげて攻撃しています。
ディアスはディフェンスが非常に丁寧で、ヌニェスの攻撃をブロッキング。ディアスの反撃も回転力があり、やはり侮れませんね。
5R、ここからアクションが大きくなる、という予感を感じてか、観客の歓声が大きくなります。ディアスはカウンターを狙いつつもコンビネーションのリターンもあり、良い戦い方をしています。ヌニェスのパワーに退かないのも良いですね。
ヌニェスは上下の打ち分けが良いですが、若干上体が前に行ってしまい、力石戦に比べてバランスが悪いイメージ。
6R、ここでヌニェスが強いプレスと強打。半分まできて、ようやく力石戦で見た「エドゥアルド・ヌニェス」になったイメージ。
しかしここでもディアスは退くことなくパンチを打ち返し、どのような戦いにも適応できる善戦マンぶりを発揮。ヌニェスの回転力に少々押されながらも抵抗。
7R、ヌニェスが攻めればディアスは距離を取るか距離を潰してブロッキングに専念。ヌニェスの攻撃が止んだところでコンビネーションをリターン。これは上手い戦い方、しかし中盤にヌニェスの右クロスでディアスはバランスを崩し、グローブをマットにタッチするダウン!
納得いかなそうなディアスですが、ちょっとダメージもあるか、誤魔化しつつのブロッキング、ここでヌニェスのパンチがかするとまたもダウン!
滑ったアピールですが、ヌニェスは大チャンス!ディアスはちょっと上体が立っている上体ですが、このダメージをプレスをかけてごまかし、このラウンドをしのぎます。終盤には回復していたか。
8R、ここも攻めるヌニェスですが、猛ラッシュは見せず。ディアスがまだ元気であることで警戒しているのでしょうか、ちょっと力みもあいまってスムーズなラッシュはできていません。
相変わらず見事な上下の打ち分けを見せるものの、ディアスは渾身の左フックを幾度となく返しています。
リング中央も少し滑るのか、ヌニェスも打った後にバランスを崩す場面もありますね。前ラウンドのディアスのダウンもダメージではなく、滑っただけだったのかもしれません。
9R、ヌニェスが猛攻。ここまでで、残りのラウンドを流したとしてもヌニェスの敗北はほぼ可能性としてはないと思いますが、ここをしっかりと行くあたりはエドゥアルド・ヌニェスです。
強い猛攻が続くものの、ディアスはガッチリとしたブロッキングで対応し、ヌニェスが打ってきたところに狙う左フックカウンターには未だ怖さがあります。このブロッキングの固さとタフネス、ヌニェスはディアスが一か八かで倒しにきたところを狙う方が良いかもしれません。
10Rはディアスがチャージ。ただフルラウンド生き残ろう、ではなくやはり勝ちに来ます。ヌニェスは力石戦ではバケモノじみたフィジカル、と思ったものですが、ディアスが押し込む場面も多く、この階級の世界基準で見れば図抜けているわけではないようです。
その持ち味はやはり回転力で、ディアスの回転力もさるものですが、そこは明らかにヌニェスが上回っていますね。
11R、お互いが自分にとって良いタイミングで打撃戦に持ち込む、という展開。ヌニェスの手数はヤバいですが、ディアスのタフネスもヤバい。ヌニェスはこれほどのチャージを見せてもディアスは音を上げることはないので、倒し切ることは難しそうです。
ラストラウンド、行くしかないディアスをヌニェスも迎え撃ちます。必然的に打撃戦となるマンマミーア・ファイト、しかしお互いにタフであり、このラウンドに来てもしっかり手数が出る状況。手数と回転力でヌニェス、しかしフィジカルはディアスなのか、この試合をとおして比較的ヌニェスは押し込まれています。
最後の力を振り絞るディアス、このラウンドは幾度となくビッグショットをコネクト、ヌニェスは顔から出血!これは一縷の望みが出てきたか、ディアスは更に攻勢を強めてラウンドが終了!これ、ラストラウンドはディアスでしょうね。
試合終了後、ディアスも勝利をアピールしますが、さすがにディアスの勝ちはないのではないでしょうか。
判定は、117-109✗2、116-110、3-0の判定でエドゥアルド「シュガー」ヌニェス。
大善戦だったクリストファー・ディアス。
見事地元への凱旋防衛を果たすも、その怪物性は薄らいだと言って良いエドゥアルド・ヌニェス。
ヌニェスを相手にするには、あの回転力に耐えられるという前提で近くで戦うのも手なのかもしれません。ポイント的には圧勝ですが、かなり苦しんだ戦いだったエドゥアルド・ヌニェス。今回はディアスの頑張りを称えるべきなのでしょうが、ちょっと押し込まれていたのは気になりますね。
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