信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

お馴染みのフライ級。3人の王者に並ぶのはマグラモか、中谷か。

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日本人ボクサーにとって、特別な階級であるフライ級。

日本人で最初に世界王者となった白井義男、そして2番目に世界王者となったファイティング原田(笹崎)、3番目に世界王者となった海老原博幸(協栄)まで、フライ級。

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かつて最も軽い階級はフライ級でした。現在はミニマム級、ライトフライ級ができていますが、個人的にはミニマム〜フライ級までが最軽量級という認識です。

BoxRec(2020年6月現在)によると、ミニマム級のプロボクサーは全世界で383人、ライトフライ級は595人に対し、フライ級は919人スーパーフライ級でもその人数はほぼ変わらない事から、このフライ級は最軽量級の中でも人気階級とも言えます。

では、現時点でのフライ級トップボクサーをピックアップしていきたいと思います。

 

各団体の王者たち

WBA王者

アルテム・ダラキアン(ウクライナ)20戦全勝(14KO)

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アマキャリアも豊富なようですが、ビッグタイトルは手にしていないようです。2011年にプロデビュー。2017年には当時のWBA王者、井岡一翔への指名挑戦権を獲得しますが、井岡が返上。ブライアン・ビロリア(アメリカ)との決定戦で戴冠。

ここまで4度防衛(3KO)です。

この選手、ガードを全くといっていいほど上げず、相手のパンチを見切って外します。そして、遠い距離から思いっきり踏み込んで、パワーパンチを放つというスタイル。連打する時も一発一発力を込めて打っている感じです。

体が非常に強い感じがしますね、全然ブレない。テクニックもパワーも秀でています。フライ級王者の中で、現在最も難攻不落と思われる王者です。

WBC王者

フリオ・セサール・マルチネス(メキシコ)18戦16勝(12KO)1敗1NC

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2015年に黒星でプロデビュー。その後は連戦連勝、WBC挑戦者決定戦でアンドリュー・セルビーをKOし、当時の王者チャーリー・エドワーズに挑戦し、圧倒しましたがゴング後の加撃により無効試合。

その後、再戦が設定されましたがエドワーズが王座を返上(逃げたのかもしれません)、比嘉大吾を倒したクリストファー・ロサレス(ニカラグア)との決定戦で戴冠しました。

このマルチネス、メキシカンファイターらしく、攻撃は最大の防御とも言わんばかりのボクシングを展開するのですが、スタンダードなメキシカンファイターと比べても群を抜いて攻撃偏重です。

スイッチヒッターでありながら、おそらく中に入っての連打という引き出ししか持っていない感じ。それでも迫力、プレッシャーがものすごく、それに屈するとあっという間に巻き込まれてしまいます。

ロサレス戦ではいくつも良いパンチをもらっていたので、ディフェンスにはかなり難あり、初防衛戦のジェイ・ハリス戦では途中疲れも見せたのでもしかしたらスタミナにも難あり

しかし、だからこそフライ級王者の中で最もエキサイティングな王者であることは間違いなさそうです。

 

IBF王者

モルティ・ムザラネ(南アフリカ)41戦39勝(26KO)2敗

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ムザラネのデビューは2000年。既に37歳。2敗は、2004年に地域王者に喫したものと、2008年に当時IBF世界フライ級王者だったノニト・ドネア(フィリピン)に喫したものです。つまり、12年間無敗。

2019年には黒田雅之(川崎新田)戦、八重樫東(大橋)戦と日本のリングに2度登場し、その老獪で堅実なボクシングを披露したムザラネ。過去にはゾラニ・テテ(南アフリカ)やジュンリエル・カシメロ(フィリピン)も下しており、その強さに異論はありません。

おそらくキャリア初期のKO負けからディフェンスが向上し、現在の攻略しづらいボクシングスタイルを確立していったのでしょう。ガードでしっかり防げる体の強さを持ち、ボクシングIQも高そうです。

年齢を考慮して、与し易しとみると確実に痛い目を見る老練な職人のような王者です。テクニックもあり、しかも冷静で崩しにくい。

現世界王者は強敵だらけです。珍しくWBAスーパーとか暫定とか、WBCダイヤモンドとかそういうのがなく、すっきりしています。たった(?)3人の世界王者!

WBO王座は田中恒成が返上した王座をめぐり、決定戦の予定。

最新のニュースでは8月1日に無観客で開催との報。リング誌が報じ、WBOも認めたそうです。しかし、正式決定はまだという報道もあります。

マグラモが無事に入国できるのか、が鍵になりそうです。

ジーメル・マグラモ(フィリピン)25戦24勝(20KO)1敗

1敗は2016年にムハマド・ワシーム(パキスタン)に1-2の判定負けを喫したものです。フィリピン人ボクサーはブンブン振り回すボクサーが多い(というより、番狂わせを起こす事が多いのはそのスタイルなので印象に残る)のですが、このマグラモはどちらかというと基本に忠実なファイタータイプ。

ジャブはよく出て、そこからストレートにつなげるのが印象的なので、攻め方は直線的というか、想像のつかないようなところからパンチが飛んでくる、というようなボクサーではありません。

しかし、この階級でKO率8割は全く脅威。闘ってきた相手も骨太、中谷との決定戦が楽しみです。

 

中谷潤人(M.T)20戦全勝(15KO)

現在、日本人ボクサーで最も世界王座に近いと言われる中谷潤人。前戦では衰えたとはいえ元世界王者のミラン・メリンド (フィリピン)を圧倒、大いに期待を抱かせるものでした。

新人王→ユース王者→日本王者と一段一段ステップアップしてきた中谷、マグラモとは相性もいいような気がします。

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中谷の戴冠試合は是非会場で。。。と思っていましたが、無観客かぁ。。。

ムハマド・ワシーム(パキスタン)11戦10勝(7KO)1敗

前述のマグラモにスプリットで勝利、その後ムザラネの王座に挑戦し、1-2の判定で惜敗しています。パキスタン初のプロボクサーで、もちろん初の王座挑戦者。

ムザラネを追い詰めたワシームは、相当な実力者です。パキスタンというお国柄、母国では興行の期待もできず、韓国でのプロモート。現在は下火の韓国ボクシング界に身を寄せ、少ないチャンスをものにできなかったのはかなり痛いかもしれません。

環境に恵まれない実力者、がんばってもらいたいです。

ジェイアール・ラクィネル(フィリピン)14戦12勝(9KO)1敗1分

フライ級の日本人キラーといえば、ラクィネル。OPBF東洋太平洋タイトルマッチで闘った日本人3人は皆KOで退けられています。唯一の一敗は、田中恒成に挑戦したウラン・トロハツ(中国)に喫したもの。

鋭い踏み込みから強い右ジャブ、そして左。ブンブン振り回す、というほどではない、それなりにコンパクトなパンチ。バランスのとれた良いボクサーです。

まだ23歳、これからもまだまだ伸びしろ充分という感じがしますので、これから世界戦線で闘っていくのが楽しみなボクサーです。

アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)23戦21勝(21KO)2敗

2017年に田中恒成の持つWBOライトフライ級王座に挑みますが判定負け。次戦で決定戦で同王座を獲得。勝ち星すべてがKOという驚異的なハードパンチャーです。

エルウィン・ソトに不覚をとりましたが、すでに再起済み。「ティト」という愛称は地元プエルトリコの英雄、フェリックス・トリニダードから来ているものです。我々世代は、期待するのにはこの愛称だけで十分。

超攻撃的な元王者は、現在フライ級に転級し、世界ランクに入っています。

クリストファー・ロサレス(ニカラグア)34戦29勝(20KO)5敗

比嘉大吾から奪った王座は、チャーリー・エドワーズに奪われました。その後のチャンスでも、フリオ・セサール・マルチネスのプレッシャーに屈しました。

しかし、ロサレスが比嘉戦でみせた真摯な対応は、応援せずにはおれないのです。

もうひと頑張りしてほしい元王者です。

日本人トップボクサー

木村翔(花形)24戦19勝(12KO)3敗2分

世界ランクはライトフライ級で入っています。しかし、ライトフライ級では思った動きはできそうになかったので、フライ級での王座奪還を推します。

木村翔、このファイターは、きっともう一度世界に返り咲いてくれると信じています。

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黒田雅之(川崎新田)41戦30勝(16KO)8敗3分

2019年、地元川崎の期待を背負い、世界タイトルに挑みました。序盤、良いペースで進んだかにみえましたが、相手は百戦錬磨のムザラネ、中盤から後半にかけて挽回をゆるし、中差の判定負け。

2020年初頭に現役続行を宣言、3月に復帰戦が組まれてはいましたが、延期に。

ユーリ阿久井政吾(倉敷守安)17戦14勝(10KO)2敗1分

現日本王者、ユーリ阿久井政吾。

10KOのうち9つが1RKOという速攻型の王者。岡山から世界王者への道は険しいですが、中谷潤人戦の敗戦以降は東京に出稽古に出掛けたりと向上に余念がありません。

世界挑戦するだけでも、ジムの先輩、ウルフ時光以来。岡山県から初の世界王者を目指してもらいたいですね。

次戦はチャンピオン・カーニバルの防衛戦!

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そして、あえて書かなかったのですが、八重樫東(大橋)の今後の去就にも注目したいです。

個人的にはもう充分、実績も残し、感動ももらったので、グローブを吊るしてほしいとは思いますが、本人がやるなら我々は全力で応援するまでです。

さてさて、フライ級の今後も楽しみですね!まずはマグラモvs中谷でWBO王者が決まり、王者4人の体制に!

その後、どのボクサーがどの王者に挑むのか!?東洋太平洋圏内で、挑戦者決定戦やサバイバルマッチが見れるのもこの階級のおもしろいところです。

日本人に馴染みの深い階級、これからも楽しんでいきましょう。

 

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