信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

激戦区スーパーバンタム級、岩佐亮佑と勅使河原弘晶が挑む個性的な王者たち。

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スーパーバンタム級。黄金のバンタムの一つ上にあるこの階級は、日本人ボクサーにとっては常に最激戦区の一つです。

歴史を振り返ると、1976年にロイヤル小林(国際)が世界王者となったのを皮切りに、たくさんの日本人王者が誕生しています。しかし、11人の世界王者のうち、防衛に成功したボクサーは西岡利晃(帝拳)と岩佐亮佑(セレス)のみ。

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アジア圏だけでなく、中米、南米の強豪たちがしのぎを削るこの階級は、世界的にみても激戦区といっていいでしょう。

長期政権を築いている王者、勢いのある王者。そして、未だ未知数の王者がいる中で、日本人ボクサーがどのように絡んでいけるのかも楽しみな階級です。

 

今回のブログでは、スーパーバンタム級のトップボクサーをピックアップしていきます。

個性豊かな王者達

WBO王者

エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)32戦31勝(27KO)1敗

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全世界王者の中で、最も活動的な王者であるナバレッテ。前戦のジョー・サンティシマ(フィリピン)戦は少々手こずったものの、ここまで圧倒的な5連続KO防衛。乗りに乗っています。

2012年にデビューし、キャリア初期に判定負けを喫するも、2018年、アズマー・ネルソンの再来と言われたアイザック・ドグボエ(ガーナ)に判定勝利して戴冠。再戦では最終回TKOに退け、初戦の勝利がフロックでなかったことを全世界に発信しました。

体格に恵まれ、長いリーチを活かしつつの止まらない連打。そしてマッチョの国のボクサーらしく、気持ちが強い。常にKOを狙うボクシングは、見ていて爽快です。ただ、かなり粗さもあるのでカウンターを浴びて倒れてしまう場面も想像できる、完璧ではないからこそおもしろい王者。ただ、未だ25歳と若く、これからが期待されるボクサーです。

フェザー級転向も示唆していますが、井上尚弥がスーパーバンタムに上がってくるのを待ちたいという発言もあったかと思います。これから統一戦に進むのか、それとも階級アップするのか、今後に大注目の選手です。

WBC王者

レイ・バルガス(メキシコ)34戦全勝(22KO)

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ナバレッテと同じくメキシコのボクサーながら、バルガスはナバレッテほど活動的ではなく、攻撃的でもありません。ナバレッテがKOを狙うボクサーなら、バルガスは勝利プランを確実に遂行するボクサー。

長身から打ち下ろすパンチにはスピードもパワーもあります。もちろんメキシカンらしく、アッパーも得意。穴もなく、世界王座獲得前までは、無類の強さを誇っていました。

2017年にギャビン・マクドネル(イギリス)との決定戦を制して戴冠。しかし王者となってからは苦闘の判定勝利が続きます。前戦では暫定王者の亀田和毅(協栄)との団体内統一戦でしたが、亀田の突進をいなし、ポイントをピックアップされる様はファンの不評を買ってしまいます。

世界王座についてからというもの、その実力を発揮できていないバルガス。このままパフォーマンスが向上せず、どこかで敗けて終わってしまうのか。はたまた、ビッグマッチに辿りついて改めてその才能が開花するのか。

ものすごいポテンシャルを持っていると思いますので、まだまだ期待です。

 

WBAスーパー、IBF正規王者

ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)8戦全勝(6KO)

統一王者だったダニエル・ローマン(アメリカ)に勝ち、8戦目で統一王者となったアフマダリエフ。しかしローマン戦は超がつくほどの接戦で、真価が問われるのはこの先の話です。

リオ五輪銅メダリストのアフマダリエフ、ローマン戦を見る限りでは手数の多いファイタータイプですが、ステップインが鋭く、大振りになりがちながらその分ジャッジへのアピールは強いのかもしれません。

大きなパンチながら、相手に当てるのが上手いというのは豊富なアマキャリアからなのでしょうか。パワーもあり、めちゃくちゃ速いわけではありませんが総合力の高い王者という印象。もう一度ローマンとやれば結果はわかりませんが、こと強さという一点においては疑いの余地はありません。

IBFの暫定王者である岩佐との統一戦が次戦かと思われますが、アフマダリエフが回避すればおそらく厳格なIBF王座は剥奪となるでしょう。アフマダリエフが受けるか否か。

WBAレギュラー王者

ブランドン・フィゲロア(アメリカ)21戦20勝(15KO)1分

WBAお得意の、ダニエル・ローマンがIBF王座吸収の際にスーパー王者に昇格、からの既に暫定王者だったフィゲロアが正規王者に昇格、というルートで王者になったフィゲロア。荒川仁人(ワタナベ)と激闘を演じたオマール・フィゲロアの実弟です。

フィゲロアも体格に恵まれてリーチが長い。好戦的なスタイルで、接近戦ではアッパー、離れては長い距離から放たれるストレートが持ち味。そのファイトスタイルと端正なルックスから非常に人気は高いです。

そのキャリアの中で、元王者を何人もKOで沈めてきており、しかもまだ23歳と若く、これからが超超期待されるプロスペクト。

唯一の1分は、前戦のフリオ・セハ(メキシコ)戦。最近当たり前のように体重超過してくるメキシカンですが、この日は本当に酷かった。セハは4.5ポンド(約2kg)のオーバー、試合は取りやめるべきかと思いますが受けたフィゲロアは、ドロー防衛。それでも、2kg重い相手との一戦で、フィジカルの強さは示せたと思います。

今後、誰と闘ってもおもしろくなりそうなフィゲロアですが、兄のように私生活が乱れないように注意してもらいたいですね。

IBF暫定王者

岩佐亮介(セレス)30戦27勝(17KO)3敗

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2017年に小國以載(角海老宝石)を破り、戴冠したIBF王座は2度目の防衛戦でT.J.ドヘニーに奪われました。しかしそこから再起、ロサンゼルスで実力者、セサール・フアレス(メキシコ)を相手に挑戦者決定戦を勝ち抜き、ニューヨークでマーロン・タパレス(フィリピン)をKOで下し、暫定ながら王者返り咲き。

山中慎介(帝拳)戦の敗戦や、敵地で挑んだリー・ハスキンス(イギリス)戦の頃、メンタル面の弱さが垣間見えた頃もありましたが、今は昔の話。メンタル面と、戦術面の成長が備わり、アメリカでの2戦を経て化けた感じがしています。

次戦はアフマダリエフとの統一戦が濃厚ですが、上手くまとまれば一気に2冠王者の称号が手に入ります。サウスポーは苦手と公言していた岩佐ですが、タパレス戦を見るともう払拭したようにも感じます。おそらくオッズはアフマダリエフ優位と出るでしょう。だからこそ、海外でアフマダリエフに勝って、番狂わせを起こしてもらいたいと思います。

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もう一度這い上がれるか、元王者。

前WBAスーパー、IBF王者

ダニエル・ローマン(アメリカ)31戦27勝(10KO)3敗1分

2017年、久保隼(真正)を9RTKOで下し、WBA王座を戴冠したローマン。ハードパンチを持っているわけでもなく、卓越したスピードスターでもない。しかし、基本に忠実、旺盛なスタミナ、淀みなく出る手数を武器に2019年、IBF王者のT.J.ドヘニーを退けて2冠王者となりました。

非常に真面目な正確がにじみ出るボクシングをする王者。非凡なものがないかわりに、努力を続けてきたことがありありと解ります。

アフマダリエフとの一戦は僅差で判定を落としましたが、ローマンの勝ちとする意見も多く、決して評価が下がる内容ではありませんでした。

行く道はアフマダリエフとの再戦か、それとも他の王者か。

 

元IBF王者

T.J.ドヘニー(アイルランド)24戦22勝(16KO)2敗

2018年、岩佐亮佑からIBFタイトルを獲ったドヘニー。初防衛戦はニューヨークで高橋竜平(横浜光)を11Rで退けます。

ファイタータイプのサウスポーながら、岩佐戦で見せたようにアウトボックスもできます。非常に戦いづらいものがあるのか、当時、岩佐はドヘニーを崩せませんでした。

その後、ローマンとの統一戦で敗れ、その後復帰のニュースはありません。33歳、これで終わってもおかしくはないかもしれません。

日本から王座を窺うのは。

勅使河原弘晶(輪島功一SB)25戦21勝(14KO)2敗2分

過去にブログにも書いていますが、世界挑戦経験のある大森将平(Woz)を迎えたOPBF東洋太平洋王座の防衛戦は、本当に素晴らしいものでした。それまでの、またその後も強さを遺憾無く発揮し、波に乗っているボクサー。

エンターテイナーで、且つ、試合内容もエキサイティング。とにかく早く、世界が見たい。

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↑このブログを書いた頃はまだ、コロナがここまでとは思っていませんでした。。。

赤穂亮(横浜光)39戦35勝(23KO)2敗2分

言わずとしれた赤鬼、2度の世界挑戦は失敗も、未だ期待を感じさせるボクサーです。若干ムラがあるところはご愛嬌としても、前戦は見事なボクシングで大人になった印象を受けました。冷静に対処できれば、より強打が活きると思います。

世界ランクは下位ながら、3つの団体でランクインしているので、またどこかで世界挑戦が叶うのでしょうか。

和気慎吾(花形)34戦26勝(18KO)6敗2分

前戦で世界再挑戦を目前に控えながらも、ジュンリエル・ラモナル(フィリピン)に不覚をとり、世界が遠のいてしまいました。

ここまで登り詰め、諦めてしまいそうなKO敗けでしたが、本人は強い意志で再起を決意。また一段ずつ階段を登り、世界再挑戦までこぎつけてもらいたいです。

 

久我勇作(ワタナベ)24戦19勝(13KO)4敗1分

日本タイトルの防衛戦で和気に敗北し、そのタイトルは取り戻したものの、前戦で同じくラモナルに倒されてしまいました。

現日本王者は、これからその王座を守りつつ、世界の機会を伺う事になりそうです。この階級では、日本ランクに入っていない世界ランカーも多いので、防衛戦では負けていられない。これからの一戦一戦が勝負の久我。

小國以載(角海老宝石)24戦21勝(8KO)2敗1分

当時無敗のハードパンチャー、ジョナタン・グスマンを見事攻略し、IBF王座を獲得。その初防衛戦で岩佐亮佑に王座を奪われ、一度は引退するもすぐに再起。

前戦で世界前哨戦をクリアしましたが、そこから既に1年が経過しています。

非常に頭のキレるボクサーなので、どの王者とやっても期待は持てます。

元WBA王者の久保隼(真正)、そして大森将平(Woz)も勿論まだ諦めてはいないでしょう。

日本だけでなく、世界を見渡せばもっともっと強豪がたくさんいる階級です。

しかし、上記のように期待の日本人選手も多く、王者は勿論強いのですが、チャンスは大いにあると踏んでいます。ナバレッテやバルガス、そしてアフマダリエフ、フィゲロアといった世界的強豪のボクサーたちに挑む日本人ボクサーたち。どの王者に挑んでも勝率は高くないかもしれません。しかしその分、勝利した時は後々まで語り継がれる事間違いなしです。

そんなビッグファイトを期待して、その日を待ちたいと思います。

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