信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングのおもしろさを、たくさんの皆さんに伝えたくてブログを始めました。アマチュアボクシングを教えてるので、練習方法や基本なども書いていきます。

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トップ戦線異常なし。スーパーフライ級は安定の盛り上がりを見せる。

アメリカの大手ケーブルテレビ局、HBOが軽量級にスポットをあてたボクシングイベント、「Super Fly」を開催したのが2017年。

背景には、HBOのボクシング中継が苦戦しており、中量級や重量級と比べてコストのかからない軽量級にスポットをあてたイベントを開催せざるを得なかった、という事があるようですが、我々日本人にとって非常に馴染み深い軽量級のイベントには、心躍らされました。

当時の軽量級のスター、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とシーサケット・ソールンビサイ(タイ)のタイトルマッチをメインに据え、井上尚弥(大橋)のアメリカデビュー戦でもありました。 

その後、「Super Fly」は第二弾、第三弾と開催された後、HBOがボクシング中継を撤退、軽量級の歴史的イベントは終焉をみました。

しかし、私たち日本人のボクシングファンにとっては、その当時よりも、より身近になった上で、大きな盛り上がりを見せているといえます。

まずひとつは、井岡一翔による日本人初の4階級制覇の階級が、スーパーフライ級だったこと。
boxingcafe.hatenablog.com
 そしてもうひとつは、我々が心から愛してやまない、ローマン・ゴンサレスの王座返り咲き。

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更に、中部の怪物、田中恒成のスーパーフライ級転向。

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既にここまでの秀逸なボクサーたちが揃っているこの階級、盛り上がらない訳がありません。

今回のブログでは、スーパーフライ級のトップボクサーたちを見ていきたいと思います。

世界王者

WBAスーパー王者

ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)52戦50勝(42KO)2敗

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プロデビューは2005年、もうキャリア15年にもなるんですね。2007年から帝拳プロモーションと契約し、日本を第二の故郷と言ってくれています。

説明不要、かつてのPFPキングで、4階級制覇王者。初の世界タイトルは、日本の誇る天才、新井田豊(横浜光)を圧倒し戴冠したものです。その後も連戦連勝、向かう所敵なしでしたが、スーパーフライ級では体格が追いつかず、かつての勢いはなくなりました。

そこへ、「Super Fly」の興行でシーサケット・ソールンビサイと対戦、初戦は議論を呼ぶ判定で敗北、第二戦は4RKO負け、誰もがゴンサレスの時代は終わったと感じた瞬間でもありました。

しかし、2020年2月、カリド・ヤファイ(イギリス)を9RTKOで下し、WBA王座に返り咲き。その後何故かスーパー王者へ昇格。

流れるようなコンビネーション、突出したパンチングパワーを持ちますが、スーパーフライ級では埋まってしまっていました。ヤファイにストップ勝ちした試合は見事でしたが、どうしても体格的にスーパーフライ級は大きすぎる感があります。今後、更に階級にフィットしていけるかどうかが鍵です。

 

WBA王者

アンドリュー・モロニー(オーストラリア)21戦全勝(14KO)

バンタム級世界ランカーでエマニュエル・ロドリゲスを大いに苦しめたジェイソン・モロニーの実弟。

2019年11月にWBA暫定王座戦に勝利し、暫定王者となり、ローマン・ゴンサレスのスーパー王者認定に伴い正規王者に昇格。

技術の高いファイターで、インに入ると強さを発揮します。連打の回転力はなかなかのものがあります。

ただ、他の王者と比べるとランクが落ちるという感は否めません。

WBC王者

ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)43戦40勝(27KO)3敗

2008年にプロデビュー、初の世界挑戦は2012年、当時無敵を誇っていたローマン・ゴンサレスに惜敗。翌年にブライアン・ビロリア(アメリカ)に勝利し、フライ級で初戴冠。カルロス・クアドラスにも勝利していますし、シーサケットには一度負けましたがリベンジ、2階級制覇を達成します。

現在、激戦のスーパーフライで1番評価が高いのはエストラーダでしょう。

総合力が非常に高いファイターで、穴がなく、メキシカンらしく気持ちも強いです。シーサケットに勝利したことで階級最強という呼び声も高いです。

誰がエストラーダとやるのか、というのがこの階級の一つの焦点となっています。

IBF王者

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)35戦32勝(22KO)1敗2分

2009年にデビュー、我が道をいくプリティーボーイ・アンカハス。パワーもスピードも卓越したものを持っています。2016年にマックジョー・アローヨ(プエルトリコ)を攻略し、初戴冠。そこから8度の防衛を記録し、帝里木下(千里馬神戸)、船井龍一(ワタナベ)の挑戦を退けています。

世界タイトルを持ちながらも、本当のトップ戦線には絡んでこないため、なかなか評価の定まらない王者でもあります。

フィリピンボクサーらしく、思い切って振ってくるブローは脅威ですが、試合によって出来、不出来が大きいボクサーでもあります。階級アップの噂もあります。

王者の中でナチュラルなスーパーフライはこのアンカハスと、マロニーだけなんですね。

WBO王者

井岡一翔(DANGAN AOKI)27戦25勝(14KO)2敗

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叔父に元世界2階級制覇王者、井岡弘樹を持つサラブレッド。日本アマチュアボクシング界のトップアマ、プロデビューは2009年。2011年に当時日本最速となる7戦目でWBAミニマム級の世界タイトルを獲得。

その後ライトフライ、フライ級で王座を獲得し、井岡家悲願の3階級制覇。

2017年にフライ級王座を返上し、突然の引退。本人の言葉とは裏腹に、父・一法との確執もささやかれました。

2018年に4階級制覇を目指して現役復帰、マックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)に判定勝利した後、ドニー・ニエテスの持つWBOスーパーフライ級タイトルに挑戦。僅差でそれを落としましたが、その後ニエテスがタイトルを返上、アストン・パリクテ(フィリピン)との決定戦が組まれ、会心の勝利を挙げ同王座を獲得。

抜群の距離感と、安定したボクシングが持ち味の井岡。復帰後は、内山高志に指示を仰ぐなどして攻撃的なボクシングにシフトしています。思えばフライ級までは、強いけれどもつまらないと揶揄される事もありましたが、現在の井岡はまた違った魅力があります。

高度な技術を基盤として、攻めるボクシング。試合はエキサイティングになりましたが、その分被弾も増えています。

自身もキャリアの終盤ということを理解し、残り少ない現役生活の中で、ビッグマッチを望んでいます。フライ級から上げてきた田中恒成の挑戦を受けるということが既定路線。

 

元王者

シーサケット・ソールンビサイ(タイ)53戦47勝(41KO)5敗1分

ローマン・ゴンサレスを破り、一躍トップ戦線に躍り出たシーサケット。デビューは2009年、日本で八重樫東(大橋)にTKO負け。

かませ犬という扱いからのし上がってきたシーサケットは、2013年に佐藤洋太に勝利し、WBCのタイトルを獲得。そのタイトルは2度目の防衛戦でカルロス・クアドラス(メキシコ)に負傷判定で奪われます。

その後、2017年にゴンサレスからタイトルを奪った試合は議論を呼ぶ判定ではありましたが、再戦はKOで完勝。ゴンサレスのKOシーンは本当にショッキングなものでした。

2019年、一度は防衛戦で退けたファン・フランシス・エストラーダとの再戦で敗北し、無冠に。この試合は本来はサウスポーのシーサケットがオーソドックスで闘い、劣勢になっても元に戻さないという不思議なものでした。トレーナーの変更が影響しているとの噂も。

47勝中41KOという桁外れのパンチングパワーが持ち味のシーサケット。ゴンサレスのようなコンビネーションパンチャーではなく、一発のパワーに優れています。

カルロス・クアドラス(メキシコ)43戦39勝(27KO)3敗1分

豊富なアマ経験を持ち、2008年にプロデビュー。その後帝拳プロモーションと契約。なので日本のリングに結構な頻度であがっています。

2014年にシーサケット・ソールンビサイの持つWBCタイトルに挑戦、負傷判定ながら勝利して戴冠。2016年にローマン・ゴンサレスにタイトルを奪われるまで、6度の防衛に成功しました。

スピードが速く、手数も出るクアドラス。どんなボクサーとやっても、僅差の判定となるイメージです。前に出て打ち合いもできて、相手からすると非常にやりにくいボクサーなのかもしれません。バンタム級転向の噂もありましたが、スーパーフライ級でもうひと花咲かせる予定とのこと。

 

田中恒成(畑中)15戦全勝(9KO)

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幼少期から空手の経験があり、兄・亮明とともにボクシングに転向。高校時代は日本を飛び越え国際大会でも活躍し、2013年、高校3年生でプロデビュー。

井岡一翔の7戦目、井上尚弥の6戦目を抜き、5戦目でWBO世界ミニマム級王座を獲得。

2016年、ライトフライ級も制して2階級制覇。

2018年には12戦目、フライ級のタイトルを木村翔(青木=当時)から奪取。12戦目での3階級制覇は、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と並び世界最速の記録でした。

防衛を重ねた田中を、WBOはスーパー王座と認定。スーパー王者になると、前後ふたつの階級に転向した場合、指名挑戦権をもらえるというルールがWBOにはあるそうです。

そのルールにのっとり、現在はWBO世界スーパーフライ級の1位にランクインしています。

これまでライトフライ、フライでも調整試合を1試合挟んでからタイトルに挑戦していた田中恒成。すんなり井岡戦となるのでしょうか。

 

ハンドスピード、体のスピード、両方に秀でた田中。気持ちが強く、打ち合いに行くことも多いです。その分被弾も多く、不用意にもらってダウンの経験もあります。試合によってムラも多いところが心配ではありますが、最新試合のウラン・トロハツ(中国)戦では、実力の違いもありましたが素晴らしいパフォーマンスを披露。

ダイレクトに井岡に挑戦するのか、交渉はどうなっているのでしょうか。

これからのスーパーフライ級はどうなる?

ここ数年、トップ選手の入れ替えはほとんどありません。

昨年、井岡一翔が世界チャンピオンとなり、今年に入って田中恒成が転向してきたことぐらいでしょうか。

成熟してきたといえるスーパーフライ級、ここ数年のうちはライバル対決がおもしろい階級でもありましたが、ここにきて更に加速する流れになるでしょう。

具体的には、ローマン・ゴンサレスはファン・フランシス・エストラーダと交渉中ですし、田中恒成は井岡一翔へ挑戦予定。

井岡vs田中は日本では大いに盛り上がるでしょうし、ゴンサレスvsエストラーダ戦という軽量級ビッグマッチ後はどちらが勝っても更なる統一を目指していく事でしょう。

ゴンサレスが勝てば、シーサケットの挑戦を受ける、とか。井岡vs田中の勝者がゴンサレスと闘う、とか。

エストラーダが勝っても同様です。

そこにアンカハスはどう絡んでくるんでしょう。

日本人に馴染みのある階級だからこそ、日本人ボクサーも交えた統一戦、ビッグマッチの開催を期待しています。

そして、次世代の日本人ボクサーが、このトップ戦線に絡んでくることも楽しみにしていきたいと思います。

 

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