東京オリンピックでは熱戦が続いています。
開催期間中、ほぼすべての日程で行われるボクシング競技、半分を経過して日本人選手6名の出場に対して、3名が残っています。
これはすごいことですね。(語彙力!)
残りのオリンピックも楽しみですし、個人的にはオリンピック後のアマチュアボクシングの大躍進にも期待しています。
↓五輪の最新記事
投稿時、ミスって違う題名が入った状態で投稿されてしまいました。(具体的には、前日の題名が残ってしまっていました。)飛ばした方は是非読んでください。
さて、話は変わりますが、今回のブログは週中~週末の海外戦、注目試合についてです。
8/3(日本時間8/4)
WBA世界ヘビー級挑戦者決定戦
マイケル・ハンター(アメリカ)19勝(13KO)1敗1分
vs
マイク・ウィルソン(アメリカ)21勝(10KO)1敗
この挑戦者決定戦の勝者が、現在のヘビー級トップ戦線に割って入れるか、というとそういう気は一切しません。
ハンターの1敗はクルーザー級の時代、2017年にオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)に黒星をつけられたもので、1分は2019年、アレクサンドル・ポヴェトキン(ロシア)と引き分けたものです。
ハンターは間違いなく実力者であるのと同時に、個人的にはあと一歩、届かない感じのするボクサーでもあります。
対戦相手のウィルソンも好戦績の持ち主ですが、こちらもクルーザー級あがりのボクサー。唯一の敗戦は、元王者、デニス・レべデフ(ロシア)に敗北を喫したものです。
前戦は2019年9月ということで、約2年のブランク(ハンターは2020年12月が最新試合)。しかも、これがヘビー級初戦となるようです。
果たして挑戦者決定戦、という意味合いをつくれるか、ですが、さすがにハンターとしてはここは負けていられません。ヘビー級タイトルに夢を託すなら、苦戦もだめ。
ここはハンターの快勝を期待します。
この興行は、FITE.TVで無料で見られます。メキシコとかのマイナーな興行もPPVで販売するFITE.TVにとって、これはかなり珍しいことですが、ありがたい限りです。
そういえばA-SIGNの坂井祥紀や松永宏伸のメキシコ遠征、8/20だそうですが、こちらもFITEで生配信だそうです。Youtubeで発表ありましたが、8/20が現地時間なのか日本時間なのかはよくわかりません。
まだFITEのサイトには載っていませんでした。あと、BoxRecも調べたけど載っていませんでした。
8/6(日本時間8/7)
WBA世界フェザー級暫定王座決定戦
マイケル・コンラン(アイルランド)15勝(8KO)無敗
vs
T.J.ドヘニー(アイルランド)22勝(16KO)2敗
またここでオリンピックの話題に触れておきますが、このコンランはロンドン五輪、フライ級の銅メダリスト。
リオ五輪では準々決勝でウラジミール・ニキチン(ロシア)に敗北、判定を不服として中指を突き立て、話題となってしまった選手です。
その後、プロボクサーとしては順当に勝ち上がり、前述のニキチンにもリベンジ。前戦ではイヌオット・バルタ(ルーマニア)に辛勝でやや評価を落としたかもしれませんが、歴としたアマエリート、そして人気も非常に高いそうです。
「負けにくい」ボクシングをするコンラン、実は個人的にはあまり魅力のある選手に思えません。しかし一時、コンランvsアイザック・ドグボエ(ガーナ)なんていうカードが取り沙汰されたときは興奮しましたが。。。
結局相手は同国人のテレンス・ジョン・ドヘニーに落ち着いています。
岩佐亮佑(セレス)からベルトを奪ったドヘニーですが、その後ダニエル・ローマン(アメリカ)に敗北。前戦では、前述のイヌオット・バルタに敗北し、そこからの復帰戦です。
「パワー」という愛称を持つドヘニーですが、目を引くのは「パワー」でなくやりづらい「テクニック」のほう。ただ、テクニック勝負となるとコンラン優位は揺るぎません。
しかしコンラン、本当に丁度良い相手を見つけてきますね。
人気選手だけに、ファイトマネーも多く、相対して対戦相手のファイトマネーも上がる。これにより、自分と戦いたい相手と戦える、という優位性を持っています。
コンランは、こんなところでコケていられません。前戦を払拭することができるか、それともドヘニーが意地を見せるのか。
ちなみに、アンダーカードでは、バンタム級の新鋭、10勝8KO無敗のリー・マクレガー(イギリス)が登場します。
井上尚弥に憧れを抱くマクレガー、前戦は強敵・カリム・ゲルフィ(フランス)を1Rにカウンターで粉砕。今回は、32勝(17KO)無敗の戦績を誇るビンセント・レグランド(フランス)を迎えます。
マクレガーは未来の王者候補、ここもまた快勝を願いたいですね。
この興行は、ESPNで配信されます。日本での放映はありません。
【追記】
日本での配信はなかったのですが、FITE.TVでPPVを購入できるようになっていました。
FITE.TVはこちら
8/7(日本時間8/8)
IBF世界フェザー級王座決定戦
キッド・ギャラハッド(イギリス)27勝(16KO)1敗
vs
ジェームズ・ディケンズ(イギリス)30勝(11KO)3敗
2009年にプロデビューしたギャラハッドは、2019年にジョシュ・ウォーリントン(イギリス)の持つIBF王座へ挑戦。これは非常に接戦の末、スプリットの判定でタイトルを逃しました。
ディケンズは2011年にプロデビュー、2016年にギジェルモ・リゴンドー(キューバ)の持つWBA世界スーパーバンタム級王座に挑戦、敗退。2020年にはWBOのヨーロピアンタイトルをリー・ウッド(イギリス)と争い勝利しています。
このリー・ウッドは、先日中国のシュ・ツァンを攻略してWBAレギュラー王座に就いたボクサーですね。
ギャラハッド、ディケンズ両者は2013年に拳を交えており、その際はギャラハッドが10RTKOで勝利しています。その時から約8年、その時と同じかというとそうではありません。
どちらが衰えているとかもなく、31歳のギャラハッドと30歳のディケンズは、ともにプライムタイムを迎えているのかもしれません。
ともに、ここを逃すとチャンスは限りなく狭くなります。
これは熱戦が期待できるシチュエーション。
このタイトルを保持していたジョシュ・ウォーリントンは、王座返上後、マウリシオ・ララ(メキシコ)を相手に不覚をとりました。しかし、まだこのフェザー級のランキングに名を残しています。
ウォーリントンがララとの再戦を制すことができれば、またこのタイトル戦に絡んでくることも考えられますね。
WBAレギュラーは王座交代劇、WBAスーパー王座はレオ・サンタ・クルス(メキシコ)のまま、WBCは防衛戦の数が少ないことも相まって超安定王座のゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)、そしてWBOはエマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)。
そこに名を連ねるのは、ギャラハッドか、ディケンズか。そして国内最強を証明した、清水聡は、どのタイトルへ向かうのか。非常に楽しみです。
アンダーカードには、11勝10KO無敗の英国ヘビー級プロスペクト、ファビオ・ウォードリーも登場です。今回も豪快なノックアウトを見せてくれるのでしょうか。
この興行は、DAZNで生配信。実際は週末の海外戦はこれが一番興味深い。
WBA世界ウェルター級暫定王座決定戦
コーディ・クロウリー(カナダ)19勝(9KO)無敗
マイカル・フォックス(アメリカ)22勝(5KO)2敗
vs
ガブリエル・マエストレ(ベネズエラ)3勝(3KO)無敗
この試合は、FOXが中継するイベントのメインで行われる予定でしたが、クロウリーにコロナ陽性反応が出て中止となっているようです。(この記事を書いている時に知りました。。。)
ガブリエル・マエストレ、わずか4戦目で暫定とはいえ王座に統一なるか、という楽しみな試合だっただけに残念です。
対戦相手を探している、というのが最新のニュースですが、この期間の代役挑戦者ではなかなか期待はできそうにありません。
※8/6追記
クロウリーの代役は、マイカル・フォックス。前戦で敗北を喫しているボクサーで、戦績こそ立派ではありますが急遽の代役であることも含めて、あまり期待できるボクサーではありませんね。ここはマエストレは快勝しなければならないところです。
ちなみに、このマエストレはロンドン、リオのオリンピックに2大会連続出場、32歳でプロデビューしたオールドルーキー。(デビュー戦の2週間後には33歳に。)
現在は35歳という年齢で、アマ出身なのにパンチの強さを競い合うようなボクシングを見せています。
今回、このFOXが中継する興行に出場するかどうかはわかりませんが、非常に面白いボクサーですね。
ただ、唯一の救いとしては、この興行のアンダーカードにリトアニアの倒し屋、エイマンタス・スタニオニス(13勝9KO無敗)が出場することでしょう。
前戦で世界挑戦経験者、トーマス・デュロルメ(プエルトリコ)との激闘を制し、今回の相手は元王者、ルイス・コラーゾ(アメリカ)。
スタニオニスは、一応前戦でWBAの指名挑戦権をかけて戦っており、指名挑戦権を有しています。ここでベテランの元王者を降し、タイトル挑戦に勢いをつけたいのでしょうね。
もうマエストレvsスタニオニスで暫定王座戦でいいんじゃ。。。とか思ってしまいますが、いろいろとあるのでしょう。その場合、コラーゾも可哀そうですし。
ともあれなかなかトップが決まらない、大人気階級ウェルター級。次世代のボクサーの台頭も楽しみですね。
この試合はFOXなので、日本で見ることはできません。
ということで、週中〜今週末の海外戦のプレビューでした。まあでも、今週はまだまだオリンピックですね。
そして今週を過ぎれば、来週末はいよいよお盆。
「県をまたいでの移動を控えろ」と言われているので、またも実家には帰れそうにありませんが、ボクシングイベントは非常に興味深いものが出揃っています。
そしてその翌週はラキモフvs尾川、スペンスvsパッキャオ。ボクシングファンに夏休みはありません。体調だけは気をつけましょうね。