信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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時代を超えて紡がれる、「三羽烏」のものがたり。現代の三羽烏の今後に期待。

「三羽烏」と聞くと、ファイティング原田、海老原博幸、そして青木勝利の「フライ級三羽烏」を思い浮かべる人は非常の多いと思います。

そして私や、私と同年代のファンは「三羽烏」と聞くと「平成の三羽烏」と呼ばれた辰吉丈一郎(吉は下の長い「土に口」、「丈は丈’」)と鬼塚勝也、そしてピューマ渡久地。

そして「令和の三羽烏」は、やすおかだいごさんのこの記事に納得。

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かつて3人ともにフライ級を主戦場とし、結果的に三つ巴で戦った中谷潤人、矢吹正道、そしてユーリ阿久井政悟。

本日のブログでは、かつて日本中のボクシングファンを熱狂させた三羽烏たちを振り返りながら、令和の三羽烏、その可能性について書いていきたいと思います。

「元祖」フライ級三羽烏

ファイティング原田は言うまでもなく日本ボクシング史上、最高クラスの偉業を成し遂げたボクサーです。

フライ級でそのキャリアをスタートさせ、わずか19歳で世界フライ級王座を獲得。

その後、階級をバンタム級に変更し、「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破り2階級制覇。

 

3階級目のフェザー級では、ジョニー・ファメンションに露骨な地元判定で敗れて3階級制覇達成はなりませんでしたが、試合の地、オーストラリアでも大いに物議を醸す判定だったそうです。

この時代は今で言う「スーパー」という間の階級がない時代、この時代に実質3階級制覇というのは異常です。

しかもエデル・ジョフレはそのボクシングキャリアの中で78戦を戦い、敗戦はたったふたつ、それは日本でファイティング原田にタイトルを明け渡した試合であり、そして再戦での敗北。

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ちなみにファイティング原田は、日本ボクシング史上二人目の世界王者で、米国では「狂った風車」と呼ばれたように、その馬力を活かした連打を得意としており、自身がノックアウトされたときもパンチを打ちながら倒れる、というほどのものだったようです。

フライ級三羽烏の天才肌は海老原博幸。カミソリパンチと呼ばれた切れ味鋭いストレートを武器に、ファイティング原田からタイトルを奪い返したポーン・キングピッチに衝撃の1RKO勝利で世界フライ級タイトルを奪取しています。

防衛はなりませんでしたが、初タイトル獲得、そして失ってから約5年後、再戴冠も果たしています。

 

2021年現在、最も多くの世界王者を排出している協栄ジム(現在は閉鎖)は、もともとこの海老原のためにつくられたジム。協栄ジム創設者の初代金平会長がその才能に惚れ込み、ジムを作ってサポートしたのは有名な話。

そして最後のひとりは青木勝利。このフライ級三羽烏の中でも最もセンスに溢れたボクサーとして知られ、「メガトンパンチ」と呼ばれた強打を武器に活躍。非常に人気者だったようですね。

しかし、練習嫌いであることも知られ、自由奔放なその性格は、厳しい規律と多くの我慢を強いられるボクサー稼業には向いていなかったのかもしれません。

ボクサー人生の晩年は、若手の踏み台となることが多く、小林弘、柴田国明といったのちの世界王者や、東京五輪金メダリスト桜井孝雄と戦い、敗れています。

 

引退後の人生は刑事事件を起こす等、不遇なものだったようですね。

この「元祖」三羽烏は時期は違えどそれぞれが戦い、ボクシングの黄金期を支えています。

平成の三羽烏

昭和の三羽烏とは違い、決して相まみえることがなかったのが平成の三羽烏。ただ、もともとは辰吉丈一郎ではなく川島郭志だったようで、川島郭志、鬼塚勝也、ピューマ渡久地だったようです。(私はこの時代はまだボクシングを見ていませんでした)

こう考えるとこの川島、鬼塚、渡久地はアマチュアのトーナメントで戦っており、川島が準決勝で鬼塚、決勝で渡久地を降して優勝。しかしプロの新人王決勝で渡久地は川島をノックアウト、見事リベンジを果たしています。

 

川島は初黒星のあとやや停滞し、そこに彗星のごとく現れた辰吉に、この三羽烏という称号を取って代わられてしまいます。ただし、川島はその後「アンタッチャブル」と呼ばれたディフェンステクニックを駆使してWBC世界スーパーフライ級王者となり、連続6度防衛という安定王座を築くことになります。

さて、話を戻して平成の三羽烏、まずは辰吉丈一郎。

個人的には生涯で最も熱狂させてもらったボクサーであり、私がボクシングにハマるきっかけとなったボクサーでもあります。

 

語り尽くせば文字数は足りないのですが、アマ18勝(全KO・RSC)1敗という記録から始まり、プロ4戦目での日本タイトル獲得(今も尚最速記録)、当時日本最速の8戦目での世界王座獲得、そしてルールを変えた網膜剥離からの復活、伝説の薬師寺保栄戦、そして伝説を超えたシリモンコン・ナコントンパークビュー戦等々、この辰吉の偉業は枚挙に暇がありません。

そして記録だけでなく、間違いなく記憶に残るカリスマボクサー。90年代、「ボクサー」というイメージは、全てこの辰吉丈一郎によってつくられたといっても過言ではないのかもしれません。今も私の「ボクサー」の象徴的存在でもあります。

池水達也氏のYoutubeチャンネルでその元気な姿を見せてくれることは非常に嬉しいことですね。

そしてスパンキーK、鬼塚勝也、こちらもまたカリスマボクサーのひとり。当時、勿論辰吉との対決が取りざたされた時期もありましたが、結局は実現せず。

 

遠目に見ても近寄りがたいオーラを放つ、孤高の人。まっすぐでストイックで、その雰囲気と甘いマスクで男性ファンだけでなく女性ファンも魅了した稀代のカリスマです。

判定で物議を醸すことも多かったですが、この時代、5度連続防衛という記録は光ります。

引退後は自身でボクシングジムを経営のほか、アートの世界に足を踏み入れ、幾度となく個展を開催しているそうです。

最後にピューマ渡久地。野性味あふれるファイトでボクシングファンを魅了した、カリスマファイター。東日本新人王決勝でのちの世界王者、川島郭志を最終回KOで破る等デビュー以来11連続KOを記録。その中には日本王座戦も含まれています。

ペレストロイカで来日したチャコフ・ユーリ(のちの勇利アルバチャコフ)との防衛戦の前に所属ジムとのトラブル(と言われています)で失踪、ブランクをつくってしまいます。

 

リングへ戻るも初黒星を喫する等しましたが、その後日本王座に返り咲き、ついには勇利アルバチャコフの持つ世界タイトルに初挑戦。

因縁の対決、と謳われた一戦でしたが、盤石の勇利には敵わず、9RTKO負け。残念ながら、この試合で渡久地勝利を予想した人は非常に少なかったのではないか、と思います。

渡久地の日本王座第一期、そこで勇利を迎えられていればまた違った展開になったのかもしれませんが、とにかく渡久地にはトラブルが多く、運を持ち合わせていませんでした。

しかし彼の試合はまぎれもなくおもしろく、その言動は非常に派手、華のあるボクサーだったと思います。

平成の三羽烏、この決して交わることのなかった三羽のカラスたちは、それぞれにカリスマであり、今ほど世界王者が多くなく、そして世界に名を馳せたボクサーがいない時代に日本ボクシングを大いに盛り上げてくれた、そんなボクサーたちでした。

 

令和の三羽烏

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昭和、平成の三羽烏同様に、令和の三羽烏も非常に個性的。

まずは中谷潤人、大器を感じさせる童顔のボクサーは、体格、リーチに恵まれ、その涼しげな顔の奥でボクシングへの情熱はきっと誰よりも熱い。

中学卒業後、単身アメリカへボクシング修行へ渡った、という行動からも分かる通り、完全に吹っ切れている、常人離れした思考を持つボクサーだと思います。

強くなることに対して非常にストイックで、きっとここからまだまだ強くなっていくであろうことを感じさせるボクサー。

 

↓過去記事

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フライ級で覇権を握ってもらいたいですが、対抗王者、中谷がラブコールを送るフリオ・セサール・マルティネスは残念ながら次戦が決定。そしてその後はエストラーダとロマゴンの勝者への挑戦を希望しているとか。つまりはスーパーフライ級に上げたい、ということなので、中谷との統一戦は実現しなさそうです。

そして矢吹正道、先日絶対王者、寺地拳四朗を攻略して一気に名を馳せたボクサーです。現日本フライ級王者、ユーリ阿久井政悟に敗北を喫した後、階級をライトフライ級に変更、体格とリーチを活かしたカウンターと、そこからの鋭い詰めで勝利のほとんどをKOで終わらせているハードパンチャーです。

当初、引退を考えていたようですが今は練習を再開、現役続行との報が出ています。

 

今後、海外の大手マッチメーカー(おそらくマッチルーム)との契約を控え、ビッグマッチを見据えるこの矢吹、拳四朗との再戦も含めて最も目の離せない王者の一人ですね。

尚、拳四朗陣営はJBCに対して、9Rのバッティングのシーンを「故意ではないか」との質問状を送付。ということは、拳四朗は現役復帰濃厚で、再戦を目指す、ということなのではないでしょうか。これは嬉しいニュースですね。

そして最後にユーリ阿久井。昭和では青木勝利、平成ではピューマ渡久地、三羽烏と言われたうちの一人は世界タイトルを獲得できなかった、という事実があります。

さて、このジンクスを打ち破る、というのがユーリ阿久井に課せられた使命のようにも思います。(勿論、本人はそんなことのために戦っているわけではないでしょうが。)

青木、渡久地といったパンチングパワーで魅せるボクサーと同様に、このユーリ阿久井も初回KOの多いハードパンチャー。

 

しかし、青木や渡久地と違うところは、彼はおよそトラブルや不摂生と無縁、と思われるところです。

ボクシング自体も感覚的ではなく、非常に理詰め。がっちりとしたガードで固め、狙った相手を仕留めるまで焦らず、騒がず、すりつぶすように重厚なプレスをかけ、いざという時に爆発する、そんなボクシング。

そのチャンスが早く来るのか、遅く来るのかでKOラウンドが違ってくる、というところです。

2021年7月のフェニックスバトル、大橋ジムのスーパーホープ、桑原拓を最終回TKO、これによりようやく全国に阿久井の強さが伝わったと思います。

↓観戦記

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このブログを読んでくれている皆さんは、私がユーリ阿久井のファンだということを知ってくれていると思います。

そう、このことが書きたくて令和の三羽烏、この記事を書いたのです。

ユーリ阿久井政悟は、きっと世界王者になってくれます。

前戦の試合後の記事で、来年のチャンピオンカーニバルが済んでから世界のことは考える、と守安会長は言っているので、はやければ来年中、もしくは再来年以降、ユーリ阿久井という岡山県のボクシングジムで初の世界王者が、きっと誕生しているはずです。

それを持って、「三羽烏」と呼ばれたボクサーのうち、一人は世界王者になれない、というどうでも良いようなジンクスを打ち破ってくれる結果となるはずです。

その日を楽しみに、待ちたいと思います。

 

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