2022年6月、第一日曜日からの一週間は、まさにボクシングファンのための一週間。
日本時間6/5(日)の早朝に尾川堅一vsジョー・コルディナの一戦に始まり、6/7(火)には全世界注目の井上尚弥vsノニト・ドネア2。そしてその大トリを飾るのは、敵地メキシコに乗り込む京口紘人。
非常に楽しみなこの一週間、是非とも日本人世界王者の全勝で幕を閉じていただきたいものです。
ということで今回のブログでは、ボクシングファンにとってのゴールデンウィーク、そのトリを飾る京口紘人vsエステバン・ベルムデスの、WBA世界ライトフライ級王座統一戦についてです。
↓日本人世界王者登場、3連戦!!
6/10(日本時間6/11)メキシコ・グアダラハラ
WBA世界ライトフライ級王座統一戦
京口紘人(ワタナベ)15勝(10KO)無敗
vs
エステバン・ベルムデス(メキシコ)14勝(10KO)3敗2分
ようやく決まった京口紘人の防衛戦。コロナショック以降で考えると2試合目、随分とブランクを開けてしまっています。
前戦は2021年3月で、アクセル・アラゴン・ベガ(メキシコ)戦。実に1年3ヶ月のブランクですね。ちなみにこのベガ戦の前は2019年10月まで遡ることになり、この時も1年5ヶ月のブランクでした。
このコロナの期間中、Youtubeで一躍有名になった京口は、Youtubeで自身の試合のライブ配信を試みようとする、等の新たなチャレンジを見せ、そのことは他の多くのボクサーたちに波及して行っています。
セルフプロモーションを行うボクサーとしては、日本では草分け的な存在です。
本業の方は、自身のコロナ罹患、怪我によりなかなか思うように活動できませんでしたが、その間には日本人ボクサーとしては初めてマッチルームと契約する等の幸運に恵まれ、大きな後ろ盾を得ています。
前戦となるベガ戦では、序盤から小さなベガに苦しめられた、とも言える内容でしたが、ベガが京口の額を打って骨折、続行できなかったことによるTKO防衛。快勝、完勝とはいきませんでしたが、結果だけ見れば十分すぎる結果でしょう。
この時はアメリカのテキサスでしたが、今回はメキシコ。それでも全世界でDAZNが中継してくれるので、良い勝ち方をすれば注目してくれるはずです。
今回の対戦相手は、エステバン・ベルムデス。
2021年5月、突如として現れたボクサーです。
それまで世界的強豪との対戦経験すらなかったこのベルムデスは、当時22勝(17KO)無敗という戦績だったカルロス・カニサレス(ベネズエラ)の持つWBAレギュラー世界ライトフライ級タイトルに挑みます。
当然、この試合はカニサレス絶対優位であり、かつて田口良一(当時ワタナベ)と引き分け、小西伶弥(当時真生)、木村翔(現花形)らを退けたカニサレスが負けるなんていうことは想像できませんでした。
カニサレスはコンビネーションに優れ、パンチングパワー、スピードにも優れ、出入りのボクシングをしてディフェンスもよかった。
快調に攻め立てていたカニサレスでしたが、ベルムデスは非常にタフ。ただ、ダメージはどんどん溜めていっていたように見えましたし、スピードも徐々になくなってきていたように見えた6R。
カニサレスは目には見えずとも疲れていたのか、もしくはダメージを溜めていたのか。おそらく起点となったのは、カニサレスの左フックを浴びたベルムデスが、構わず右フックを打ち返し、それがカニサレスにカウンターとなってヒットした場面。
このベルムデスの右フックを浴び、やや後退。そこからベルムデスは起死回生の右フック、というか右オーバーハンドを何発もヒットし、ついにはダウンを奪取。立ち上がったカニサレスにまたも右オーバーをヒットして、試合がストップしたという超大逆転ノックアウト勝利。
この試合だけでは、エステバン・ベルムデスというボクサーの真価は分かりません。
わかったことは、最後まで試合を投げない強いメンタル、打たれても前進をやめない強いハート、そして少々粗いですが振り切ることでよりパワーを増すスイングパンチを持っていること。これらは、ボクシング競技において劣勢をひっくり返せるアップセット力の持ち主であるということができると思います。
京口とベルムデスを比べると、京口の方がより丁寧で、ディフェンスがよく、コンビネーションが良い。スピードも京口だと思います。
ただ、このベルムデスの評価は、カニサレス戦でもそうでした。カニサレス戦の映像を見れば、ベルムデスの最も危険なパンチは右スイングだと断定できますが、これに気を取られると他のパンチ(特に伸び上がるように打つ左アッパー)が当たってしまうので要注意。
普通に考えれば、ポイントをピックアップする力があるのは京口であり、京口は焦らず、カニサレスのような戦いをすれば勝利を手にすることができるはずです。
カニサレスは、左フックを打った後、少し気を抜いていたのか。あの時浴びた右フックは、取り返しのつかない大失敗になってしまいました。
なので京口としては最後までしっかりと集中力を維持すること。
そして、カニサレスと違い、京口は中で戦いたいはずですから、大きく踏み込んでくるベルムデスに対して退かないことが重要になってくると思います。距離が空けば、ベルムデスの踏み込みは鋭さを増し、踏み込みながら打ってくるパンチはより破壊力を増してしまいます。
なので、京口としてはベルムデスのパワーに怯まず、インサイドで戦いたい。
京口が自分の戦い方をできるという前提でいけば、京口の勝利の可能性はかなり高いと思います。ただ、決戦の場所は完全アウェー、メキシコ。
つい先日、開催地がグアダラハラに変更になりましたが、当初の開催予定地だったメキシコシティに比べれば、標高も低く、さらにはベルムデスの出身地(メキシコシティ)からも少し離れるので幾分かマシな気もします。あんまり意味はないか?
とにかく、ジャッジには公平なジャッジを期待したいのと(これは、WBCではないこと、そして世界タイトル戦であることから、比較的公平なジャッジが出るのではないか、と期待しています。)、京口は気負わずに完勝するつもりで臨めば、中盤から終盤にかけて倒すチャンスは出てくるような気がします。手負いとなっても(いや、なった方が、かもしれません。)ベルムデスは怖さのあるボクサーですが、防衛濃厚、この勝利により年末に寺地拳四朗(BMB)との統一戦が組まれることを期待しています。
セミファイナル
ジョージ・デビッド・カスタネダ(アメリカ)15勝(11KO)1敗
vs
エドゥアルド・エルナンデス・ペレス(メキシコ)31勝(28KO)1敗
WBCインターナショナル・シルバータイトル・スーパーフェザー級タイトルマッチ。ともに好戦績、カスタネダ25歳とペレス24歳というプロスペクト対決ですね。
ペレスの方は2019年に現WBA世界スーパーフェザー級王者、ロジャー・グティエレス(ベネズエラ)と対戦して敗北(初回KO負け)を喫しているボクサーです。
このシルバータイトルの王者はカスタネダの方で、こちらは178cmという長身、ここ2戦は無敗対決を制し、台頭してきているボクサーのようです。
映像は見ていないのですが、好戦績プロスペクト同士の一戦はちょっと気になるので、時間があればYoutubeで検索してみたいと思います。
放送・配信
このマッチルーム興行は、DAZNで全世界に配信が決まっています。
日本では、日本時間で6/11(土)AM8:50開始、その前のAM6:30からは「ビフォア・ザ・ベル」と題する配信もあるようですが、これはアンダーカードの配信でしょうか?
おそらくメインはお昼前くらいかと思います。
ともあれ、この6月の日本人世界王者の3連戦、しっかりと勝って締め括ってもらいたいものですね!
↓尾川堅一vsジョー・コルディナは6/4(日)AM6;00頃!DAZNはこちらから
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