さて、いよいよ、というか正式発表からあっという間、今週末はルイス・ネリvsアザト・ホバにシャン。
WBC世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦として開催されるこの一戦の勝者は、5月開催が噂されるWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、スティーブン・フルトンvs井上尚弥への挑戦権を手にすることができます。
更にはその出場者がルイス・ネリということもあり、日本のボクシングファンにとっても非常に注目度が高いはず。
これにもしネリが勝って、井上尚弥がフルトンに勝利することで挑戦権を獲得したとすれば、米国開催になるのか。おそらく、ふわふわ系のJBCはネリの「来日不可」を解除する方向で動くのではないかと推察します。
米国では井上尚弥のファイトマネーを出せない可能性もありますからね。
とはいえ、餅を絵に描いても仕方ないので、今回のブログはネリvsホバ二シャンのプレビュー記事。
2/18(日本時間2/19)アメリカ・カリフォルニア
WBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦
ルイス・ネリ(メキシコ)33勝(25KO)1敗
vs
アザト・ホバニシャン(アルメニア)21勝(17KO)3敗
このネリvsホバニシャンは、マッチアップ自体が非常に興味深いものではありますが、この試合をもっと興味深いものにしているのは、やはり井上尚弥のスーパバンタム級進出の話。
↓井上尚弥vsスティーブン・フルトンは対戦合意!!
井上尚弥がフルトンを倒し、WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者となった暁には、このネリvsホバニシャンの勝者をWBCの指名挑戦者として迎える事になるのです。
これは他人事ではありません。
日本のボクシングファンにとって最も憎まれるボクサーであるルイス・ネリは、2017年から2018年にかけ、当時PFPファイターの一人であった山中慎介(当時帝拳)に対してドーピング違反からのウェイトオーバーという超絶コンボ。
山中第二戦では、普段そんなことをするはずもない日本のボクシングファンから大きなブーイングを浴びるという奇跡的な出来事を出現させました。
そんなネリは、メキシコ出身の人気ボクサーということもあってお咎めなし、その後は着々とキャリアを築き、マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)、ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を破ったあと、空位のWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に出場。
アーロン・アラメダ(メキシコ)との無敗同国人対決を制し、2階級制覇(異論は認めます)を達成しますが、スーパーバンタム級への転級後、パワーが通用していないのでは?との疑念を持たれます。
そして迎えた当時のWBA王者、ブランドン・フィゲロア(アメリカ)戦。
↓観戦記
日本でも大いに盛り上がったこの一戦で、フィゲロアはしつこいアタックでネリのボディを叩き、ネリは初黒星を喫します。これには溜飲を下げたボクシングファンも多かったと思いますが、7ヶ月後、ネリは早々に復帰。
ただ、この試合はどちらかというとカルロス・カストロ(アメリカ)がAサイドであり、元王者を倒したという箔をつけたかったのだと思います。
勢いのあったプロスペクト・カストロでしたが、初回からダウンを奪われる苦しい展開。ついにはネリがスプリットの判定で勝利。結果こそスプリットながらも、内容としてはネリの完勝と言って良い内容でもありました。
↓観戦記
ネリはその後、調整試合でダビ・カルモナ(メキシコ)を退け、この挑戦者決定戦にこぎつけています。
山中慎介をあのような形で倒したために、パワーに注目されがちなネリではありますが、実際は戦い方としてはやや慎重な面があり、意外とカウンターが巧い。そしてその踏み込みは鋭く、チャンスのときには暴風雨のような強連打をかませる、というのが持ち味。
手をあまり出す事なく、カウンターをちらつかせながらプレスをかけるというのがネリのスタンスで、これは動き回らず、スタミナ温存の向きもあるだろうし、相手に「攻めては危険」と思わせる物を持っている分、たちが悪い。これにまんまとハマってしまったのがカルロス・カストロで、意外と中間距離で戦う技巧派のボクサーは、ネリと相性が悪い。山中慎介もしかり、だと思います。
さて、そんなネリを攻略したのはこれまでブランドン・フィゲロアのみではありますが、このフィゲロアは終始距離を詰めてエンドレスファイトを仕掛ける、という戦法でネリを攻略しています。
ネリが強打を連打で振るうには、ある程度の距離が必要であり、体が密着した状態ではネリのパワーは半減、いやもっと少ないかもしれません。
ということで、頭と頭がぶつかり合う位の距離で戦えるボクサーこそ、ネリ攻略にはもってこいで、それができるかもしれないのがアザト・ホバニシャン。
だからこそ、この試合は非常に興味深いものなのです。
このホバニシャンは、井上尚弥のLA修行のときに井上とスパーリングを行ったボクサーの一人でもあります。
ホバニシャンはフィジカル・ファイターで、とにかくもぐりこんでもぐりこんで打つ。
21勝中17KOという高いKO率を誇り、これはパンチングパワーもさることながら、フィジカルパワーで圧し潰してきた勝利でもあります。
ホバニシャンは「頭ぶつけにいってんじゃないか?」と思うほど低いダッキングから上に上がってくることも多く、これにネリが集中力を切らさないとも限りません。ネリはメンタル的に我慢がきかない方なような気がしていて、フィゲロアに敗北を喫したのもそれが1つの要因だと思っています。
なので、実績的にはネリが勝るけれども、スーパーバンタム級という階級のこと、そしてファイトスタイルを考慮するとホバニシャンにも充分にチャンスが見えるという一戦。
ただ、開催地が米国カリフォルニア、これはメキシカンが多く住んでいる地域でもあり、また、メキシコから行きやすいということもあってネリにとってはホーム同然、そしてホバニシャンにとっては完全にアウェー。
ホバニシャンは3敗していますが、そのうち2つはキャリア初期と言ってよく、もう1つは2018年当時のWBC世界スーパーバンタム級王者、レイ・バルガス(メキシコ)戦で喫したもの。ここに勝って、2度目の世界挑戦を叶えてほしいものです。
あ、ちなみにアンダーカードについては、BoxRecに少し情報がありましたが、今の所はどれも興味をそそるものではありません。その他、BoxingSceneやRINGのサイトには情報なし(2/14現在)。今回視聴するのは、このメインだけでも良いかもしれませんね。
放送・配信
この興行の配信は、DAZNが生配信。
GBPの興行ですね。
大変にありがたいことに、DAZNは値下げ。値下げっていうかもとに戻る。サッカー等、他のスポーツを見たい人たちのことは知りませんが、ことボクシングだけを見ている私にとっては、値下げです。
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https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2302/14/news171.html
ということで、値下げですね。
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