DAZNってPPVやらないって言ってなかったっけ?
と数年前に言っていたことを今さ持ち出すほど、ヘイニーvsガルシアへの興味が薄れてきています。
デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア、戦前は話題にも上り派手さもありますが、果たして肝心の試合内容がどうか、と言われればあまり期待できない域に来てしまいました。
元々圧倒的にヘイニー優位の中、もしかしたら一発当たるかもで面白くなる予想だったのですが、どうやらガルシアのメンタルの状態は良くないらしく、これがほうぼうで話題、となると、どんどんガルシアへの期待は薄れゆく一方。
10回やって1回勝てれば良いくらいのイメージでしたが、もはや100回に1回を引き寄せなくてはならなくなったイメージで、この可能性は限りなく低い。
2,200円、結局は買うですけど、なんだか悔しい。
ということで今回のブログは、「元」注目試合のデビン・ヘイニーvsライアン・ガルシアについて。
4/20(日本時間4/21)アメリカ
WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ
デビン・ヘイニー(アメリカ)31勝(15KO)無敗
vs
ライアン・ガルシア(アメリカ)24勝(14KO)1敗
先にも書きましたが、この試合は安全運転を貫くであろう充実の王者、デビン・ヘイニーに、ライアン・ガルシアが得意とする左フックを当てられるかどうか、というのが焦点の試合。
アマで過去3勝3敗の決着戦、ということにはなりますが、実績として大きく勝るのはデビン・ヘイニーであり、前戦のプログレイス戦のパフォーマンスを考えると、オッズが大きくヘイニーに傾くことは何の不思議もありません。
ただし、ガルシアの当て勘は本物であり、「もしかしたら」とか「万が一」、「まさか」が発生する可能性はあるし、ファンはそれが見たい、ということがあって盛り上がるはずの試合でした。
しかしここ最近のライアン・ガルシアのSNSでの発信等々を考えると、もはや普通の精神状態にあるかどうかは疑わしい。もしそれが錯乱状態でないとするならば、置かれている状況はあまりにも普通ではない、ということになってしまい、いずれにしろコンディションは見る影もないでしょう。
だから、もしこの試合が行われなくなったとしても、何の不思議もありません。
一方でヘイニーは、戦うたびにその評価を高めているボクサーではあるまいか。
「負けていた」ともされるロマチェンコ戦でさえ、衰えたりとはいえあのロマチェンコと「どっちが勝っていてもおかしくなかった」とされる試合をしたのは事実であるし、さきのレジス・プログレイス戦でのパフォーマンスは圧倒的と言って良い。
元々体のでかいヘイニーは、この階級以降で大きく花開くボクサーなのかもしれません。
なんだか見るのが辛くなりそうなこの試合については、あまり書くことがありません。
ただ、このPPVファイトは5試合もある、とのことで、4/14現在BoxRecにも載っていないですが、そのほかのファイトに期待しましょう。
↓対戦合意した頃の記事。かつては楽しみな試合でした。
↓この試合をまたずともスーパーライト級は非常に楽しみな階級
アーノルド・バルボサJr(アメリカ)29勝(11KO)無敗
vs
ショーン・マコーム(アイルランド)18勝(5KO)1敗
メインイベントに何かがあった場合に備えて、リザーバーを用意する、というのはビッグマッチにおいて当たり前のこと。
不安定さが垣間見えるライアン・ガルシアが出場するという今回の場合は特に、です。
ということで今回のリザーバーはアーノルド・バルボサJr、WBOのランキングのトップコンテンダー。リングマガジンランキングでも8位に入り、その評価は高いボクサーです。
ただ、今のスーパーライト級王者たちの充実ぶりを考えると、このバルボサが世界王座に届くか、というと正直難しい印象です。
非常に総合力が高く、タイミングを持っており、接近戦での回転力にも優れるバルボサですが、真正直であり、総合力が高い=大きな特徴を持たないバランスの取れたボクサーだということができます。
このバルボサがヘイニーを脅かすのは非常に難しい。
テオフィモ・ロペスは(ロペスの)出来によるところが大きいですが、サブリエル・マティアス、イサック・クルスにはすり潰されそうな気がします。
さて、そんなリザーバーのバルボサの相手はショーン・マコームというアイルランドのボクサー。なかなかの好戦績ですが、KO率の低さは気になりますね。
ベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)13勝(10KO)1敗
vs
ピエール・ディボンベ(フランス)22勝(12KO)無敗1分
ベクテミル・メリクジエフ。すでに名前が強そうな中央アジアのボクサーは、アジアの血を色濃く受け継いでいそうな出立をしています。
唯一の敗戦はガブリエル・ロサドがアップセットの大逆転KO勝利をあげた試合であり、その印象しかないのが現実。
メリクジエフはその後、ロサドにリベンジを果たして敗北を帳消しにしているわけですが、やはりその試合は非常に慎重で、判定勝利という内容です。
ピエール・ディボンベというボクサーはフランスのボクサーで、こちらもバルボサの対戦相手同様に世界的知名度はないボクサー。
PPVファイトってこういうアンダーカードで良いのか?ってくらい、AサイドとBサイドが分かれているようなイメージ。
それとも、イギリスを本拠にしているマッチルームからすれば、こういったユーロボクサーたちは名の知れたボクサーなのでしょうか。
WBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦
ジョン・ラミレス(アメリカ)13勝(9KO)無敗
vs
デビッド・ヒメネス(コスタリカ)15勝(11KO)1敗
結局のところ、個人的に最も注目するのはこの試合です。PPVファイトとしては第二試合、軽量級のスーパーフライ級のファイト。
前戦でロナル・バティスタ(パナマ)を4Rで破壊、WBA世界スーパーフライ級の指名挑戦権を手に入れたジョン「スクラッピー」ラミレス。
このバティスタ以前は名も知らぬボクサーたちに連戦連勝していたわけですが、このスクラッピーがボクシングを始めたのはなんと20歳の頃。たった7年、アマで25戦、プロで13戦というキャリアの倒し屋は、JCマルティネスへの挑戦経験を持つバティスタをたった4Rで倒してしまったのです。
これはロマンがありますね。
↓スクラッピーについて触れた記事
↓バティスタ戦の快勝!
ともあれ、過去一番の大舞台で最高の倒し方をしたラミレス、この危険なアメリカ人ボクサーが井岡一翔の指名挑戦者か、と戦々恐々としたものです。
ただ、この若さあふれるファイトは、老練な井岡のボクシングには通用しないのでは、と思ったのもまた事実。このボクシングにマスター・イオカが巻き込まれることは考えづらい。
そしてまたまた井岡は指名戦かーと思っていたところに飛び込んできたニュースは、井岡一翔vsフェルナンド・マルティネスという王座統一戦。これを受けて、結果ラミレスは暫定王座決定戦に出場できるようになったのだから運が良い。
↓ステータスは対戦合意
さて、このスクラッピーの対戦相手もまた、興味深いボクサーです。
デビッド・ヒメネス、名王者アルテム・ダラキアンとフルラウンドを戦い、2-4ポイントまで迫ったボクサーです。
非常にエネルギッシュで、常に前進し続けるスタイルはダラキアンを大いに困らせもしましたし、過去にはプロスペクト、リカルド・サンドバルにも僅差判定勝利を挙げています。
スクラッピーが、このヒメネスに対してどのように勝利を収めるのか。もしくは、まさかの敗北を喫するのか。
すでに実力を証明したもの同士のマッチアップは、次の世代のスーパーフライ級を占う戦いになり得ます。
おそらく試合内容としてもドンパチ、打撃戦となるでしょうし、非常にアクションの多い試合になるのではないかと思っています。
ここでラミレスが圧倒的な力を見せるようなら、井岡危うしともなり得ます。
スーパーフライ級だからなのか?この試合がやっぱり一番楽しみです。
チャールズ・コンウェル(アメリカ)18勝(13KO)無敗
vs
ナサニエル・ガリモア(アメリカ)22勝(17KO)7敗1分
PPVのオープニングファイトは、チャールズ・コンウェルvsナサニエル・ガリモア。
スーパーウェルター級という層の厚い階級だからこそ、なかなかチャンスが巡ってこない中でもプロスペクトとしての基盤をしっかりと固めている感のあるコンウェルは、今回ベテラン、ナサニエル・ガリモアとの一戦です。
ガリモアはすでに噛ませ犬的な立ち位置であり、前戦は現WBC世界スーパーウェルター級暫定王者のセルヒー・ボハチュク(ウクライナ)に6RKO負けを喫しています。
ここ5戦で1勝4敗という戦績は、すでに明らかな下降線を辿っていることを決定づけるもの。ただ一つ、ハードパンチを持つという点においては警戒が必要なボクサーではありますが、ここはプロスペクトのコンウェルの存在をアピールするための試合、と取られてもおかしくはないでしょう。
なのでここでチャールズ・コンウェルに求められるのは、オープニングを飾るのにふさわしいノックアウト勝利です。
つまらなくなってしまう可能性も孕んでいるメインイベント、世界的知名度のないセミ、セミセミ。ガリモアには申し訳ないですが、ここはさっさと終わらせてもらいたいところですね。
PPVonDAZN
2,000円だから購入するけれども、これが10,000円だったら躊躇するかもしれない。
PPVファイトはそのメインイベントが魅力的である、ということが大前提ですが、その脇を固めるアンダーカードも魅力的であって欲しいと願います。
今回、たまたまスクラッピーvsヒメネスは楽しみなカードですが、そのほかは正直あまり興味がなく、そもそもメインにもそこまで興味がわかない状態となってしまいました。
「PPVの時代は終わった」と言ったのはDAZNでしたが、結局終わってるのはDAZNのPPVだ、という話。もうちょっとなんとかならんもんか。
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