5/4(土)、カリブの天才パンチャー、エマヌエル・ロドリゲスが来襲。
このチケットは完売、ゴールデンウィークのど真ん中、タイトルマッチとしては世界戦が組まれているもののシングルであり、これは素晴らしいことだと思います。
音楽イベントも同時開催というのがウケているのか、個人的にはイベント自体は邪魔に感じてしまうものですが、新たな価値観を創造できたとするならばこんなに良いことはないですね。
さて、もちろん私としては全ての無駄を省いた試合視聴をしたい派なので、この興行はディレイ視聴。時間についてもタイムスケジュールが事前に出ていたので、安心して見られます。これは本当にありがたいことで、他の興行も真似てもらいたい。
ということで今回のブログは、大注目ファイト、エマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑のIBF世界バンタム級タイトルマッチについて。
↓プレビュー記事
5/4(土)LUSH BOMU
IBF世界バンタム級タイトルマッチ
エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)22勝(13KO)2敗
vs
西田凌佑(六島)8勝(1KO)無敗
わずか9戦目での世界タイトル戦というのはとんでもないことで、日本の中で飛び抜けたトップアマだったわけではない西田が、大物食いを繰り返し、さらには挑戦者決定戦に勝ってつかんだことは非常に大きなこと。これは、よくわからないうちにジムのパワーやマネーで掴み取った世界タイトルマッチとは一線を画します。
この王道をしっかりと貫いてきた西田には頑張ってもらいたいですが、やはり見たいのはエマヌエル・ロドリゲスというボクサーの凄さ、でもあります。
カウンターを得意とする両者、とてつもない技術戦を期待。
さて初回のゴング。
まずは互いにリング中央に走り寄り、中間距離でのボクシング。西田のジャブが良い。西田は早々に左ストレート、ロドリゲスが出ようとするところでは右リードで押さえ、まずは流石の仕上がりです。
ロドリゲスは若干スロースタートなのか、西田のジャブと左ストレート、左ボディストレートがヒット、これは素晴らしいキレを伴っています。かなり西田がアグレッシブ、「塩試合でも云々」というのはフロックだったようで、これは素晴らしい立ち上がり。
2R、ロドリゲスが細かくリズムを刻むようになります。少し強引めにいき、カウンターも取りますが西田がそれ以上に良い。西田の攻撃は単発どころか一つのコンビネーションで終わらず、コンビネーションを出してさらに手数を出し、これはやばいぐらい良い。
ロドリゲスが慣れる前にポイントをピックアップしたいということか、かなりハイペースにも見える攻め。西田は先に攻めてそのリターンへのカウンター狙い、というところなのでしょうが、ロドリゲスのリターンすら封じています。ロドリゲスはちょっとリズムに乗れていません。
3R、西田のジャブ、フェイントがよく、なかなかロドリゲスは苦労している感じ。ただサウスポーに対しての右ストレートをうまく使い出すロドリゲスは流石のもので、若干リズムを取り戻し始めてきた感じ。
それでも西田が自分のリズム、自分のボクシングを貫いており、これはもしかすると西田の勝ちパターンにハマっているか。
ロドリゲスはこのラウンド後半に入る頃に得意のコンビネーション、やや強引めですが今はこれで良いと思います。
終盤には西田の左ボディがヒット、これは若干ボディに不安を抱えるロドリゲス、苦しくなっていくかもしれません。
4R、距離を詰めたいロドリゲスはブロッキング主体。西田は右リードを伸ばしてロドリゲスの前進をストップ。どちらもやりたいことが明確になってきています。
ただ、近い距離でも西田はしっかりと打ち返し、中盤、西田は左ボディをヒットしてロドリゲスがダウン!!!
これは!!なんと!!やはりロドリゲスはボディに不安があったか。。。!
立ち上がったロドリゲス、西田は明らかにボディを狙います!このサウスポーの左ボディというのは確かにオーソドックスの鳩尾にちょうど入るので鬼門!
ロドリゲスは苦しそうながらも、インサイドで戦い、なんとかエスケープ!
ボディ狙いの作戦だったのでしょう、これはさすがの西田陣営。
5R、西田の左ボディ、これはロドリゲスに対しての必殺パンチになり得るわけですが、ここでロドリゲスは引きません。ロドリゲスはややハートの面でも不安があるようなイメージでしたが、歴戦を経て勝負どころがわかっているのでしょう。
ここは下がらずに近い距離でのボクシング、西田は下がりつつもやはりボディを狙います。
後半、いくつかのロドリゲスのパンチを被弾する西田、ここはいくつかもらったとしても左ボディを入れられれば良い、くらいの感じ。
ロドリゲスはボディをもらうのが嫌でちょっとパンチにパワーが乗り切らないイメージ。
6R、ロドリゲスが早々にプレス。西田は中間距離で左ボディストレートをヒットしていますが、ここは下から突き上げるアッパーを当てたい。
西田はちょっと狙いすぎなのか、ロドリゲスが早いコンビネーションでいくつかの右をヒットしています。西田のジャブが若干減っていることで、ロドリゲスは自らのリズムを取り戻しているのか、それともダウンで目を覚ましたのか。
5R、6Rについてはロドリゲスが本領を発揮し始めた感じ、西田は攻めよりもまずリズムを取り戻すことを考えた方が良いかもしれません。
7R、ロドリゲスの長い右、これはサウスポーからすると非常に厄介。西田はここが勝負と捉えたか、近い距離で左ボディアッパーを多用。これは今のロドリゲスにとって有効のはずです。
初回にはキレを感じなかったロドリゲスのパンチは回を追うごとにキレを取り戻し、近い距離でのカウンターも冴えます。
ただ、西田のパンチも当たっており、これはこの近距離での打撃戦がどちらに転ぶかはまだわからない状態!これはなんと素晴らしい試合!
8R、ここも近距離での打撃戦!西田のショートは回転力もコンパクトさも非常に良い。
中盤、ロドリゲスの左フックに西田の左ボディアッパーが入ったように見えましたが、ロドリゲスもここを打ち返しています。手数は西田か、ロドリゲスはやはりボディを警戒しているか、少し手数が足りていないイメージ。
9R、西田が素晴らしいコンビネーション、ロドリゲスはボディにダメージか、クリンチに逃げます!西田はチャンス、ボディを中心にロドリゲスを攻め立て、後半にかけてもロドリゲスを押し込んでいきます!!
頭をつけての打撃戦、そこから少し距離が空くとロドリゲスの右が飛んでくる、それでも西田もしっかりと打ち返します!
10R、西田がガードを固めて前に出ます!西田の左ボディは音を立てて響きますが、鳩尾へのヒットはあまりないように見え、ロドリゲスの旺盛なリターンは西田の顔面にヒット!
これは両者にとって苦しい展開、ロドリゲスは非常にくるしそうな表情をしていますし、西田は右目が腫れ、視界が塞がれているように見えます。
11R、会場から西田コール!!
近接した距離ではロドリゲスの高速コンビネーションが西田を捉えているように見えます。
かといって、ロドリゲスを相手に距離を空ければ危ない。
ガードを上げて頭をつける西田!少し距離が空いてもすぐに体をつけ、手数でしっかりと上回ります。ただ、パンチの精度としてはロドリゲスではないかと思います。
ラストラウンド、攻める西田!!これまでのスマートなボクシングスタイルからは想像できないようなガッツ溢れるファイト、素晴らしいハートの強さとスタミナでロドリゲスを押し込んでいきます!
ロドリゲスも諦めることなく手を出し続けますが、ちょっと押されているイメージでラウンドが終了!!
これは西田がいったんじゃないでしょうか!
判定は、115-112、115-112、117-110、3-0の判定で西田凌佑の勝利!!!
これは素晴らしい勝利、西田凌佑!!
日本人3人目のバンタムが誕生!何の文句もなし、ダウンを奪っての判定勝利の西田、バンタム級のニュースターが誕生です!
接近戦でも「巧さ」を見せつけた西田凌佑。このボクサーの特徴は距離であるわけですが、そこをクリアしてもあのショートのコンビネーション、そして左ボディが待っていると思うと、いよいよ穴のないボクサーです。
これは強い強い、とにかく崩しにくい王者が誕生しました。個性的な王者が揃うバンタム、この西田が今後どのような道を歩んでいくのか。これは本当に楽しみです。
さて、敗れた後も大人気のマニー、再起を期待したいところです。
【宣伝】
ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!
珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。