Too much Boxing。
先週末に実施されたカリフォルニアのリヤド・シーズンのことです。
世界タイトルマッチがトリプルヘッダー、さらにアンディ・ルイスvsジャレル・ミラーが12ラウンズ戦い、これだけで48ラウンズです。
そこにもっともっとアンダーカードが入っているのだから、Too muchと言いたくなるのも良くわかります。
何せ私は結局PPVを支払いましたが、結局まだ2試合しか見ていません。
↓この2試合
あとでみよう、と思いつつ、多分見ないのでしょうね。
ちなみにこちらがBoxingSceneの記事で、大変に共感できます。
Too much boxing: Riyadh Season inadvertently makes the case against ‘supercards’
まあ、そんなこんなは置いといて、今回のブログは週末の注目試合、セルヒー・ボハチュクvsバージル・オルティスJrについてのプレビューです。
8/10(日本時間8/11)アメリカ・ラスベガス
WBC世界スーパーウェルター級暫定タイトルマッチ
セルヒー・ボハチュク(ウクライナ)24勝(23KO)1敗
vs
バージル・オルティスJr(アメリカ)21勝(21KO)無敗
イサック・クルスvsホセ・バレンズエラをして「KO決着必至」とのたまってしまった見る目のない私ですが、今度こそKO決着必至の一戦です。多分。
セルヒー・ボハチュクは前戦でブライアン・メンドサ(アメリカ)を12判定で破って暫定王座ながらも世界初戴冠。これが今年の3/30(日本時間3/31)の話であり、北米AmazonPrimeの第一弾興行でした。
ウクライナ出身のボハチュクは、2017年にプロデビューしてずっとアメリカを拠点に戦っており、今年の3月にチャンスを掴むまではコツコツと戦績を積み重ねてきたボクサーです。」
唯一の敗戦は2021年3月、ブランドン・アダムス(アメリカ)に喫したもので、記録としては8RTKO負け。プエルトリコの試合で、途中までリードしていた試合だったようです。
ウクライナ出身ということで当然の如く技術のあるこのボハチュクですが、プロ仕様なのかとにかくフィジカルゴリ押しで前に出るプレッシャーファイターです。
積み重ねた戦績の24勝中23KOという戦績は、常にBサイドで戦わざるを得ないファイターの矜持が現れた戦績であると言えます。
その出自を考えると、おそらく、ボクシングもできるでしょう。ただ、きっとそうはしません。
ボハチュクは真正面からバージル・オルティスにぶつかり、エキサイティングな試合を届けてくれるはずです。
↓ブライアン・メンドサ戦の観戦記。ドープ野郎の試合も入っててなんかごめん。
ところで3/30に行われたブライアン・メンドサ戦は、WBC世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦でした。このメインイベントにWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦も組まれており、なんだか妙な感じでした。
もともとこの暫定王座戦をセバスチャン・フンドラ(アメリカ)vsボハチュクで争う予定が、メインイベントに出場予定のキース・サーマン(アメリカ)が負傷により欠場、それを受けてフンドラがメインに繰り上がり。
ボハチュクは代役挑戦者となった元王者、ブライアン・メンドサに完勝しましたが、王者の証明はこれからというボクサーですね。
まだまだ実績不足、と見る向きもおそらく大きいのでしょうが、このウクライナ出身のプレッシャーファイターが並のボクサーではないことは一目瞭然です。フィジカルの強靭さ、そして回転力、パワー。少なくとも今の時点では(仮にメンドサがあの時仕上がっていなかったと仮定したとしても)只者ではありません。
なのでバージル・オルティスは相手を選ばずに挑戦した、とも言えます。ゴールデンボーイが心血を注いでプロモートしてきたバージル・オルティスにとっても、「獲って当たり前」の試合ではなく、かなりの危険が伴うと言えます。
もちろんこの階級に穴王者なんて存在しませんし、その一角はP4P、テレンス・クロフォードです。その他にはセバスチャン・フンドラが2冠、そして最もマイナーで旨味のない王者としてバフラム・ムルタザリエフ(ロシア)。
例えばオルティスが万全であったとしても、予想としては50-50に近い戦いなのではないか、と思います。
オッズはオルティス優位ながらも、オルティスが-270、ボハチュクが+230と比較的拮抗しており、言うまでもなくオルティスがメジャーでボハチュクの名を知っているライト層のファンが少ないことを考えると、ほとんど差がありません。むしろ逆転するかもしれません。
2021年の後半だったのか、横紋筋融解症を発症したオルティスは、試合が決まっては流れの繰り返しを経て2022年8月に復帰、しかしその後も試合は決まっては流れます。
結果、スーパーウェルター級へ階級を上げて再起、2024年に入ってからはフレデリック・ローソン(ガーナ)、トーマス・デュロルメ(プエルトリコ)を連続初回KO。
ローソンは戦える体ではなかった、というし、かつてはクロフォード挑戦を果たしたデュロルメも直近5戦で大きく負け越しており、あてにはなりません。
果たして2戦連続の初回KO勝利というのは、オルティスのキャリアになっているのか。
これは非常に判断に迷うところでしょう。
オルティスはアグレッシブであるが故に打たれもするボクサーであり、被弾は避けられません。そこにほぼ初めてとなるスーパーウェルター級の、しかもKO率90%以上のハードパンチャー、これはかなり危険ではないでしょうか。
逆に言えば、もしオルティスがボハチュクに勝利するならば、大復活と言って良いのだと思います。
個人的な期待としては、やはりバージル・オルティスJrの大復活です。
そうなるとスーパーウェルター級はもっと盛り上がることになりそうですね。
オルティスの復活に期待しましょう。ちょっと不安ですが。
アンダーカードと配信情報
アンダーカードにはIBF世界女子フライ級タイトルマッチ、ガブリエラ・フンドラ(アメリカ)vsダニエラ・アセンホ(チリ)が組まれています。なので兄のセバスチャンももちろんこの会場に来るのでしょう。WBCの正規王者ということは、ここで決まった暫定王者の挑戦を受けなければならない立場です。(普通は。WBCだからわかりませんけど)
他にもWBC世界女子スーパーウェルター級タイトルマッチも組まれていますね。女子のタイトルマッチが二つ。。。
男子の試合ではアメリカのプロスペクト、チャールズ・コンウェル(アメリカ)が登場、キアリー・グレイ(アメリカ)との10ラウンズです。
この戦いはDAZNで配信されます。配信日時は日本時間で8/11(日)AM9:00からで、メインはおそらくお昼頃になるでしょう。
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