土曜日ぐらいからずっと咳が止まりません。
そして本日火曜日には頭が痛く、鼻水も出てきました。
熱は測りません。
なぜこうなったか、というと単に無理をしすぎているのですが、仕事はともかくプライベートの連盟の仕事は皆知らんぷりなのでたった一人に負担がのしかかります。キレてやめてやろうか。
まあ、そんな愚痴からスタートしたとしても、結局は週末に楽しみな試合が控えているので、プレビュー記事を書きたいのです。
ということで今回のブログは、週末、最も楽しみにしているルイス・アルベルト・ロペスvsアンジェロ・レオをメインに据えたトップランク興行について。
8/10(日本時間8/11)アメリカ・ニューメキシコ
IBF世界フェザー級タイトルマッチ
ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)30勝(17KO)2敗
vs
アンジェロ・レオ(アメリカ)24勝(11KO)1敗
IBF世界フェザー級王者、「ベナド」(鹿)ロペス。もしかすると阿部麗也(KG大和)との戦いを見てファンになった人もいるのではないでしょうか。
2015年にプロデビューしたロペスは、デビューから12連勝を飾りますが、2018年にエイブラハム・モントーヤ(メキシコ)に初黒星。その後5連勝もルーベン・ビラ(アメリカ)に敗北、これがアメリカでの2戦目でもあり、まず最初のアメリカ進出に失敗した、と言えるでしょう。
メキシカンたちは、自国で実績を残したのち、アメリカのリングでインパクトを残す必要があります。
ここに失敗したロペスでしたが、その後3連勝して再びアメリカのリングに立つと、当時無敗のプロスペクトだったガブリエル・フローレスJr(アメリカ)にアップセット勝利。その後もイギリスで同じく無敗のプロスペクトだったイサック・ロウ(イギリス)をノックアウトするなどして名を上げ、2022年12月、ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)に敵地イギリスで挑戦することになります。
手数のウォーリントンか、パワーのロペスか。
プレビュー記事でも書きましたが、この戦いは私が見るに50-50の戦いでした。ウォーリントンはもっと楽な相手を選べるような気がしましたが、この危険なファイターと戦い、結果、タイトルを奪われてしまいましたね。
↓観戦記
どちらが勝ってもおかしくない試合だったので、ホームであるウォーリントンの勝ちかと思いました。しかしジャッジは驚くほど公平で、2-0の判定勝利を得たのはルイス・アルベルト・ロペス。
ここから彼の快進撃が始まります。
翌年2023年の5月、再度イギリスに渡りマイケル・コンラン(アイルランド)に痛烈なノックアウト勝利。そして2度目の防衛戦もジョエト・ゴンサレス(アメリカ)を退け、迎えた3度目の防衛戦では阿部麗也にかなりの余裕を見せて8RTKO勝利。アクティブにリングに上がり、1年のうちに3度の防衛に成功しています。
非常に獰猛なベナド、遠くから勢いよく踏み込んでいくパワーが持ち味。完全にシャットダウンされたという経験もありますが、生半可なボックスではこの鋭い脚力を持つベナドから逃げ切ることはできません。草食動物なのに超がつくほどの肉食です。
マイケル・コンラン然り、阿部然り、絶妙な距離感を有するカウンターパンチャーたちはこの勢いの餌食になっています。ガブリエル・フローレスJrなんかも追いかけ回されて明らかな劣勢でもありました。逆に、ジョエトやウォーリントン、立ち向かってくるボクサーに対しては後半失速する、ポイントを取られるということが大いにあります。
突くべきところは明確ですが、このベナドの前半の強さに圧倒されないことが条件であり、押されてしまったのがコンランであり、阿部です。
↓だから阿部にとっては相性が非常に悪かったのです。
さて、アンジェロ・レオはどんなボクサーか、というと、近接戦闘を得意とするプレッシャーファイターです。
2012年にプロデビュー、2019年には日本でもお馴染みのマーク・ジョン・ヤップ(フィリピン)、セサール・フアレス(メキシコ)を連破、トラメイン・ウィリアムス(アメリカ)とのWBO世界スーパーバンタム級王座決定戦に臨んでいます。
この試合は当初、レオとスティーブン・フルトン(アメリカ)との間で行われる予定でしたが、フルトンが欠場(コロナだったかな?)、ウィリアムスが代役としてリングに上がっています。
ここで勝利したレオは世界王者となりますが、初防衛戦でフルトンにアウトボックスされ、早々に王座を失っています。
手数の多いボリュームパンチャー、それに比してパワーレスとも言えますが、とにかくこの近い距離での回転力は厄介であり、意外とリーチが長いことからジャブも良い。
フルトン戦後、アーロン・アラメダ(メキシコ)やマイク・プラニア(フィリピン)、エドゥアルド・バエス(メキシコ)といった強豪たちを破り、世界戦線に戻ってきたレオ。
おそらく今回も序盤からグイグイと手数で押していくでしょうから、ロペスとの距離を詰められれば勝機は十分にあるかもしれません。
近い距離でレオ、遠い距離(からの踏み込み)でロペス。
ロペスはあまり近い距離が得意でないはずですが、レオ戦では近い距離は免れず、そこに対策をしてくるのかもしれません。もしくは、意外と良いステップを持つロペスは、しっかりと距離をとりつつ時折の鋭い踏み込みからのワイルドな攻撃でノックアウトを狙うのかもしれません。
ロペスがどのような戦い方を選択しようとも、おそらくレオにできることはたった一つ、距離を潰してとにかくパンチを打ち込むこと。
これにロペスが音を上げるのであれば、やはり穴のあるボクサーだった、ということになるでしょうし、このボリュームパンチャーを相手に接近戦での対策を講じられるのであれば、また一つ、評価を上げなければいけません。
フェザー級王者の中で、最も印象的な勝ち方を続け、さらに非常にアクティブな王者、ルイス・アルベルト・ロペス。当然、オッズはロペスが大きく優位と出ています。しかし、相性的にはレオが勝利するチャンスもあるように思いますし、ロペスが苦戦する可能性は比較的大きいと思います。
王者たるもの、どのようなボクサーにも対応しなければいけませんから、この試合は非常に注目です。「圧勝」が評価を高めるカギになりそうです。
リンドルフォ・デルガド(メキシコ)20勝(15KO)無敗
vs
ブライアン・フローレス(メキシコ)26勝(15KO)無敗1分
激アツ階級、スーパーライト級。
コンテンダーたちの中に無敗のボクサーがごまんといる大注目階級ですが、ここでメキシコの無敗のボクサー同士が激突するようです。
この興行が楽しみなのは、このセミファイナルも含めてです。
どちらも非常に攻撃力があり、コンビネーションが打て、さらにハートが強いというマチズモを持ったメキシカン。
これは激闘の予感しかしません。
2人を比較すると、パワーも、ジャブもデルガドに分があるようにも思いますし、世間の評価もきっとそうなのでしょう。それでも、やはり互いに無敗、底を見せていないという点において、これは非常に興味深い戦いですね。
アンダーカード、配信情報
他には、アーノルド・ケガイ(ウクライナ)も登場するようです。このケガイはフルトンとも戦ったボクサーですね。
アラン・ガルシア(アメリカ)、アルベルト・ゴンサレス(アメリカ)といったヒスパニック系アメリカ人のプロスペクトたちが登場するのはトップランクらしい興行と言えますが、スティーブン・ナバロ(アメリカ)も登場です。
「キッドダイナマイト」ナバロはスーパーフライ級、アメリカのプロスペクトとしていつか日本のリングに立つ日が来るかもしれませんので注目です。パリ五輪には出られなかったので、今年4月にプロデビュー、早くも3戦目を迎えますね。
↓井上尚弥との2ショットも。
この興行の配信は、アメリカではESPNです。
日本での配信は残念ながらありません。
2日連続のESPN配信、日本にもやっぱりこのESPNと提携してくれる配信会社が欲しいものですね。ボクシングだけでいいから。
【宣伝】
ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!
珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。
▼【注目】RIVAL社のウシクグラフィックTシャツも取り扱い開始!(残りはMのみ)