GGGvs村田が正式発表!
年末までボクシングファンは本当に忙しいですね。
残る国内でのビッグマッチは、12/31、大晦日に噂される井岡一翔vsジェルウィン・アンカハスのみですかね。あと個人的にはずっと待ち望んでいる、勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスの正式発表もほしい。これ、GGGvs村田か井岡vsアンカハスのアンダーカードでやらないかな。
ここから年末まで、本当に突っ走らなければついていけません。楽しみな試合が多すぎます。
ということで、11/11に井上拓真vs和氣慎吾という国内ビッグマッチも終わり、今回のブログではこれもまた大変に興味深い興行、デメトリアス・アンドレーデvsジェイソン・クイッグリーをメインに据えながらも、アンダーカードで登場するムロジョン・アフマダリエフ、そしてフリオ・セサールマルチネスに興味が移ってしまう11/19(日本時間11/20)のマッチルーム興行のプレビュー記事です。
11/19(日本時間11/20)アメリカ
WBO世界ミドル級タイトルマッチ
デメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)30勝(18KO)無敗
vs
ジェイソン・クイッグリー(アイルランド)19勝(14KO)1敗
「ブーブー」という愛称を持つアンドラーデは、アマチュアボクシングでも世界選手権優勝という実績を持つオリンピアンであり、2008年にプロデビューを果たしたアマエリート。
無敗のままWBO世界スーパーウェルター級王座決定戦に出場、バネス・マーティスロヤン(アルメニア)を相手にスプリットの判定で王座初戴冠したのが2013年のこと。
この王座は、その後の防衛戦の交渉が上手くいかず、防衛戦を行えなかった事による剥奪をうけますが、2017年にWBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチでジャック・クルカイ(ドイツ)を相手に勝利し、これを獲得して団体は違えど王座返り咲き。
このタイトルはすぐに返上し、2018年にミドル級に打ってでて、当時のWBO王者、ビリー・ジョー・サンダースに挑戦することになりました。
しかし、ここでサンダースがドーピング陽性反応、王座を剥奪。
代わってウォルター・カウトンドクワ(ナミビア)を相手に決定戦を行いこれに勝利、2階級制覇を達成します。
その後4度の防衛にしている安定王者で、非常にやりづらいサウスポー。
↓アンドラーデの最新試合の観戦記
序盤にチャージしてポイントをかっさらった上にペースを掌握、後半は安全運転、というのがアンドラーデ流ともいえますね。前戦、しつこいリアム・ウィリアムスにはポイント差以上に苦戦した感じがあります。
ボクシングテクニックは勿論のこと、戦法としても非常にやりにくいサウスポーであるアンドラーデではありますが、試合はつまらないと言われる事が多く、人気の面では「?」がつきます。
そして対戦相手のクイッグリー、こちらもエキサイティングな選手とは思えません。
非常に立派な戦績、KO率を誇りますが、そのほとんどが無名の相手。前戦ではシェーン・モズリーJr(アメリカ)を2-0の判定で破っています。
どちらかというと中間距離を得意とするボクサーで、唯一の敗戦であるトレアーノ・ジョンソン(バハマ)戦では、ガツガツくるジョンソンを完全にもてあまし、9Rでギブアップしたという内容。
クイッグリーにとって、アンドラーデは決して不得意なタイプではないと思いますが、そうなるとお互いの「地力」というものが勝負を決するのではないか、と思います。
そう考えると、やはりアンドラーデが「らしい」戦い方での勝利と考えるのが最も説得力がありそうです。
とはいえ、タイトル初挑戦となるジェイソン・クイッグリー、このボクサーがこの一戦にのみ集中してくればわかりません。初の世界タイトルマッチ、大化けする可能性は捨てきれませんね。
WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)9勝(7KO)無敗
vs
ホセ・ベラスケス(チリ)29勝(19KO)6敗2分
ただ、メインよりも、このセミファイナル、セミセミに当たる試合のほうが興味深いのも事実。
セミファイナルにはあのムロジョン・アフマダリエフが登場です。
本来であれば、ロニー・リオス(アメリカ)との指名防衛戦の予定でしたが、リオスがコロナを罹患、代役としてホセ・ベラスケスが登場。
リオスが良かったですが、残念です。
さて、ムロジョン・アフマダリエフは、アマの世界選手権で銀メダル、そしてリオ五輪でも銅メダルを獲得し、プロデビューからわずか8戦目で「我らが」ダニエル・ローマン(アメリカ)を撃破して初戴冠で統一王者となった怪物ボクサー。
初防衛戦では、母国ウズベキスタンに「我らが侍」岩佐亮佑(セレス)を迎え、圧倒的な力を持って5RTKO勝利。
↓観戦記
ゴツゴツと硬質なパンチを繰り出すアフマダリエフは、まだその攻略法が見つからないという王者のひとり。ここまでアフマダリエフを苦戦させたのはダニエル・ローマンのみです。
対戦相手となるベラスケス。
6敗、というとこのクラスでいうと負けが込んでいるようにも思いますが、そのほとんどはキャリア初期のもの(3連敗も経験)で、最後の黒星は2016年7月のチリのナショナルタイトル戦のものです。
なのでもう5年は負けていません。
2019年10月には、WBOインターナショナル・バンタム級王座決定戦でニカラグアのプロスペクト、メルビン・ロペスを9Rで痛烈にノックアウト。これは大金星の一戦でしたね。
このベラスケスは、ガードを固めてパンチをもらいながらも前進、距離が近くなったら強いパンチを振るう、というタイプのボクサーのようです。
「パンチをもらいながら」というのがキモで、アフマダリエフのあの硬質なパンチをもらいながら前進できるのでしょうか。。。心配でしかありません。
とはいえ、もしかするととんでもない打たれ強さ、タフネスを秘めているかもしれません。
ここまでの6敗で、KO負けは一度たりともありません。
ボクシングの技術としてはアフマダリエフが圧倒的に上だと思いますので、ここはアフマダリエフの勝利が固い。倒せるかどうか、というところが焦点になりそうですね。
アフマダリエフには、その強さを見せつけてもらいたい。
WBC世界フライ級タイトルマッチ
フリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)18勝(14KO)1敗1NC
vs
マックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)21勝(16KO)4敗
本来であれば2020年8月に行われるはずだったWBCの指名戦、その時はマルティネスの怪我で流れてしまっています。その後、2021年2月に再セットも、またもマルティネスの怪我で延期。
その際、アローヨは代役との暫定王座決定戦に出場して勝利、WBC世界フライ級暫定王者となり、今回は団体内統一戦です。
フリオ・セサール・マルティネスは、非常にアグレッシブで、人気の高い王者。2015年にプロデビューし、このデビュー戦で黒星を喫した後は、ひとつのノーコンテストを挟んで18連勝。
初の世界タイトル戦は2019年8月、WBC王者チャーリー・エドワーズ(イギリス)に挑んだものでしたが、ここでエドワーズを滅多打ちにしながらも、ダウン後の加撃によりノーコンテストに。
再戦が組まれましたが、エドワーズはこれを受けず、代わりにクリストファー・ロサレス(ニカラグア)と戦い、9RTKOで王座を初戴冠。
このタイトルを3度防衛し、今回はマックウィリアムス・アローヨを迎えます。
とにかくエキサイティングな王者であり、軽量級の中で最も「マッチョ」を体現しているボクサーではないでしょうか。ロサレス戦の前にドーピングの陽性反応がでたこともありますが、この時は「メキシカンビーフ」で不問になっています。
ハードパンチに加えて旺盛な手数、そして強靭なハートを持って攻撃力に全振り、という王者だけに、やはり試合はおもしろく、興味はつきませんね。
ただ、ドーピングテストはしっかりやってほしい。コロナショック以降、その辺りをやっていない、という噂もありますので。
さて、対してアローヨもパンチャーであり、こちらは技術力、総合力も高いボクサーです。
しっかりとプレスをかけて、様々なアングルからパンチを打て、カウンターも取れます。
あとは、勢いよく出てくるマルティネスに、そのボクシングができるかどうか。
一発のパワー、そして手数や回転力ではマルティネスの方が勝るでしょうが、アローヨはマルティネスよりもディフェンスが良い。
これはおもしろい打撃戦になりそうですね。
しかも、ここで勝利したボクサーは中谷潤人と絡む可能性もあります。
マルティネスは、アローヨ戦をクリアしたあと、スーパーフライ級に上げる、ということをインタビューで語っていました。だったらここはアローヨを応援したい。
実際は、このマルティネスvsアローヨが一番楽しみなのです。
↓アローヨの暫定王座戦
少し前にフライ級について書いた記事
GGGvs村田のアンダーカードで中谷潤人は出場してほしいですね。
放送・配信
こちらの興行は、DAZNで生配信です。
11/20(土)、AM9:00〜ですね。クロフォードvsポーターとは別日です。
11/21の日曜日ではありません。ご注意ください。
↓DAZNはこちら。