信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】寺地拳四朗vs京口紘人!ジョナゴンvs岩田翔吉!ライトフライの祭典、ライブボクシング!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

さて、このブログをアップする予定なのは10/26(水)。(予定どおりアップされているかどうかは知りません笑。)

つまり、もう一週間を切っているのです。

2022年というのは日本ボクシング界の転換期ともいえる年で、4月にはゲンナディ・ゴロフキンvs村田諒太という日本初のミドル級世界タイトルの統一戦、続く6月にはこれもまた日本初となる3団体の王座統一戦で、井上尚弥とノニト・ドネアがぶつかりました。

それらレジェンドの来日に勝るとも劣らないのが、このAmazonプライムビデオpresents、「LIVE BOXING」。待望されてきた日本人同士のビッグマッチが、この舞台で叶うというのは本当に奇跡に近いのではないか、と思ってしまいます。このことは、長くプロボクシングを見てきた人こそ感じることかもしれません。

しかもこの今回のライブボクシング、メインイベントの寺地拳四朗vs京口紘人は、これまでの第一弾、第二弾に比べて「勝負論」については勝っているというビッグマッチ。これは両者を詳しく知らないファンでも楽しめる、好試合です。

ということで今回は、11/1ライブボクシングのプレビュー記事、第一弾は、リングマガジン王者、京口紘人と、リングマガジンランキング1位の寺地拳四朗が雌雄を決する王座統一戦、そして同じくライトフライ級での戴冠を狙う岩田翔吉が、WBO王者であるジョナサン・ゴンサレスに挑む一戦をプレビューです。

 

 


11/1(火)ライブボクシング

WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級王座統一戦

寺地拳四朗(BMB)19勝(11KO)1敗

vs

京口紘人(ワタナベ)16勝(11KO)無敗

メインイベントは寺地拳四朗vs京口紘人、日本のボクシングファンなら誰もが楽しみにする試合であり、多くのファンは少し複雑な気持ちでこの試合を見るのではないか、とも思います。

両者が強さを証明した、というこのタイミングでの激突は、嬉しくもあり、またその反面、本当にやっていいのか、という思いにも囚われてしまいます。

寺地拳四朗

寺地拳四朗は2014年にプロデビュー。わずか5戦目でWBC世界ライトフライ級ユース王座を獲得、続く6戦目で堀川謙一(当時SFマキ)を降し、日本ライトフライ級王座を獲得しています。

その後、OPBF王座を獲得して順当にステップアップした拳四朗が世界王座を獲得したのは2017年の事でした。

前年、木村悠(当時帝拳)から王座を奪っていたガニガン・ロペス(メキシコ)を相手に2-0の判定勝利を挙げ、WBC世界ライトフライい級王者に。初防衛戦では元王者、ペドロ・ゲバラ(メキシコ)をこちらも2-0の判定で退け、薄氷の防衛。

 

しかしこのあと、2度目の防衛戦以降は盤石で、世界挑戦時から取り組んでいた三迫ジムでのトレーニングが実を結び、抜群の距離感をもってリングの上を支配、ヒット&アウェイとカウンターというボクシングを築き上げていきます。

2度目の防衛戦でヒルベルト・ペドラサ(パナマ)を4Rで仕留めると、続く3度目の防衛戦は前王者となったガニガン・ロペス戦。そのロペスをまさかの2RKO、続く4度目の防衛戦でも元王者ミラン・メリンド(フィリピン)を7RTKO。5度目の防衛戦ではタフなサウル・フアレス(メキシコ)を仕留めきれませんでしたが、ほぼフルマークの判定勝利。

6度目の防衛戦ではジョナサン・タコニン(フィリピン)、7度目の防衛戦ではランディ・ペタルコリン(フィリピン)をそれぞれ4RTKOで切って落とし、負ける姿が想像できないボクサーへと成長、明確に「具志堅用高の13度防衛の記録を抜く」と公言し始めましたし、その記録はきっとこの拳四朗によってとうとう塗り替えられるのだろう、とも思っていました。

幾度も防衛を重ねてきた拳四朗でしたが、「世界タイトルの防衛」という重圧を感じていない素振りで、ファンとしてみている分には疲弊していないようにも感じていました。世界タイトルの防衛戦というのは、強豪との対戦となり、そのプレッシャーから防衛を重ねれば重ねるほど疲弊していく印象でしたが、それが全く感じない、不思議な王者でしたね。

 

7度目の防衛戦では、本来当時のIBF王者、フェリックス・アルバラード(ニカラグア)との統一戦が組まれるも、アルバラードの病気によりキャンセル、代役としてペタルコリンがリングに上がりましたが、長期防衛だけではなく統一戦へと進むレールも敷かれていました。

しかし好事魔多し、とはこのことで、世の中がコロナショックに入ってから、拳四朗は器物損壊騒動を起こし、それが週刊誌にリークされたことで8度目の防衛戦は延期に。

仕切り直して2021年4月に行われた久田哲也(ハラダ)との防衛戦では、本来の動きとはかけ離れてはいたもののほぼ完封の大差判定勝利。しかし同年9月に行われた矢吹正道(緑)との9度目の防衛戦で、10RTKO負けを喫して王座陥落してしまいました。

 

この日の拳四朗は、決して悪いパフォーマンスではなかったものの、矢吹の出色のパフォーマンスが光りました。序盤、ジャブを主体とした拳四朗が、いつものボクシングでポイントを取れなかった、ということも大きかったと思います。

ともあれ、一点突破という作戦を敢行した矢吹は素晴らしかったですね。

この敗戦からダイレクトリマッチの権利をもぎ取った拳四朗は、2022年3月、3RKOで矢吹にリベンジ。これは、これまでに見られなかった拳四朗の「覚悟」を感じた、これまでのベストバウトにも見えました。この試合で見せたのは、ファイトスタイルの変化だけではないはずです。

↓拳四朗vs矢吹1の観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

↓拳四朗vs矢吹2の観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

京口紘人

対して京口紘人は、2016年のプロデビュー以降6連続KO勝利でOPBF東洋太平洋王座を獲得。初防衛戦で初の判定勝利、ここで12Rを経験出来たことは大きかったのでしょう、その後、尊敬する辰吉丈一郎と同じくわずか8戦目でホセ・アルグメド(メキシコ)を降してIBF世界ミニマム級王座を獲得しました。

その王座を2度防衛ののち、2018年にヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を倒し、WBAスーパー世界ライトフライ級王座を獲得。これはマカオでの戦いでしたね。世界2階級制覇を成し遂げるとともに、同年に敗れている先輩王者、田口良一(当時ワタナベ)の仇討ちにも成功しました。

その後、2度目の防衛戦では久田哲也(ハラダ)に効かされる場面も見受けられましたがしっかりと勝利。3度目の防衛戦は自身のコロナ罹患により直前になってキャンセル等、時勢に翻弄もされますが、この状況でも自らの行動でチャンスをつかみ取ります。

 

それは、自身のYoutubeチャンネルで発信することによる知名度のアップ、そして、DAZNとの契約とチーム・レイノソへの加入でした。

チーム・レイノソ(チーム・カネロ)へ加入した京口は、2021年3月、アメリカのリングに登場。ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)vsローマン・ゴンサレス(ニカラグア)という軽量級最注目のアンダーカードであり、ここで非常に変わった勝ち方をして注目を集めます。

低身長のアクセル・アラゴン・ベガ(メキシコ)を相手にインファイト対決を挑み、序盤の互角の展開から抜け出そうかという5R、京口の「石頭」によりベガが右手を負傷、そのままTKO勝利。WBA王座の3度目の防衛に成功しました。

マカオ(中立国)での獲得、アメリカ(中立国、ややメキシコより)での防衛と段階を踏んだ京口は、とうとう完全アウェー、メキシコの地での防衛戦を選択。

4度目の防衛戦は、WBAレギュラー王者でもあったエステバン・ベルムデス(メキシコ)との団体内王座統一戦でした。

初めての高地での試合、完全アウェーという場所で、強いフィジカルとハート、そしてノンストップ連打を見せた京口は、ベルムデス贔屓の観客やレフェリーにも負けず、8RTKO勝利。敵地の洗礼を浴びながらも、それをねじ伏せたこの試合は、ベストバウトではなかったかもしれませんが、これまでのベストウィンだったかもしれません。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

オッズ

海外ブックメーカーを調べると、やや京口が優位。

例えばbet365では、京口が-175、拳四朗が+137。若干ですが京口勝利に賭けるファンが多いようです。(※京口に175ドル賭けて京口が勝てば100ドルが手に入る。また、拳四朗に100ドル賭けて拳四朗が勝てば137ドルが手に入る、という表記です。)

だいたい試合が近くなるともう少し詰まりますが、どこも似たようなものですね。

ぶっちゃけこの試合については、ドロー(+2000)に賭けるのもアリではないか、とも思ってしまいます。(つまりドローに100ドル賭けて、もしドローになれば2000ドルもらえます。)

なんとなく、国内のボクシングファン、もしくはトレーナーや現役選手の間では拳四朗優位の声が多いような気もしますが、これはここ2戦、DAZNというプラットフォームでアメリカ、メキシコを転戦した京口の知名度と、日本国内でのみ戦っっている拳四朗との知名度の差、というのもありそうです。

気持ちの勝負

拳四朗は矢吹第二戦でインファイトを見せました。しかし、当然のごとく元々の戦法はヒットアンドアウェイ。今回はどちらでいくのか、といえば、場面場面で切り替えるだろう、というのが一般的な見方であり、アウトボクシングで様子を見てからどうするか決めるのでしょう。

京口は極上のファイターではあるものの、実はボクシングもできる器用さを持っています。ただ、今回は得意分野で勝負すると思うので、先手を仕掛けるのは京口だと思われます。

とか、展開うんぬんは色々と思うところもありますし、もっとあるのですが、この一戦は詰まるところ技術の勝負ではなく、ハートの部分の勝負だと思っています。

例えば拳四朗がアウトボックスで京口を上回ったとしても、京口は上回られたまま最終ラウンドのゴングを聞くのではなく、どこかでその身を投げ売ってチャージするでしょう。

そして、例えば京口のプレッシャーが拳四朗のボクシングを上回ったとすれば、拳四朗は己の持てる全てをかけて京口に特攻するでしょう。

 

拳四朗vs矢吹の第一戦のように、両者の意地とか覚悟とかプライドとか、そういったもの全部がぶつかる展開となる可能性は、非常に大きいと思っています。

もしそうならなければ、最後までともにクリーンヒットを許さず、どちらが勝ったのかわからない試合であり、やっぱり下手すればドローもあり得るくらいだと思っています。

あ、そういえば今回は途中採点はあるのでしょうか?これによっても展開はちょっと変わってきそうな感じもしますね。

まあ、楽しみで、楽しみで、本当に楽しみで、それでいてもうこの試合をやってしまうのか、という物悲しさを感じつつ、11/1は現地で楽しみたいと思います。

 

WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ

ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)26勝(14KO)3敗1分

vs

岩田翔吉(帝拳)9勝(6KO)無敗

そしてこのメインがあって、このセミファイナルというのはまた非常に趣深い。

この日、4つあるライトフライ級のうち、3つのタイトルが日本に集まります。

この勝者が拳四朗vs京口の勝者に挑戦する、云々はまた次の話であり、今言及することではないと思うのですが、この試合の並びを見ると当然その夢は膨らみます。

そしてそれは、我々にとって岩田翔吉であってほしい、とも思います。

 

ただ、このジョナサン・ゴンサレスというボクサーは強敵です。

プロデビューは2011年4月、初黒星は2014年に行われたWBAの地域タイトル戦で、元世界王者のジョバンニ・セグラ(メキシコ)に挑戦しての4RKO負け。

その後は勝ち続けたゴンサレスは、地域タイトルをコレクトしていきますが、2016年3月、ジョバート・アルバレス(フィリピン)に6RKO負けを喫して地域タイトル近辺で停滞、世界初挑戦を叶えたのは2019年のWBO世界フライ級タイトルマッチでした。

この試合で評価の高い田中恒成(畑中)からダウンを奪う大健闘をみせるも7RTKO負けで王座獲得ならず。

ここで、フライ級では王座を獲れないと自覚したのか、5年ぶりにライトフライ級へ転級、地域タイトルをとって2021年にエルウィン・ソト(メキシコ)の持つWBO世界ライトフライ級タイトルへの挑戦へとこぎ着けました。

この試合で稀代のアウトボクシングを展開したゴンサレスは、絶対不利の下馬評を覆して判定勝利、デビューから10年目にして世界タイトルを初戴冠。初防衛戦は2022年6月、マーク・アンソニー・バリガ(フィリピン)を判定で退け、初防衛に成功しています。

 

そして今回2度目の来日、2度目の防衛戦に臨みます。

対して岩田翔吉は、2018年にアメリカでプロデビュー。その後、7戦目で日本ライトフライ級王座決定戦を勝ち、日本王座を初戴冠、初防衛戦は初回TKO勝利で飾り、2022年7月にはOPBF東洋太平洋ライトフライ級王者、堀川謙一(三迫)との王座統一戦で判定勝利を挙げて今回の一戦。

↓堀川vs岩田の王座統一戦

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岩田にとって、ジョナサン・ゴンサレスとの相性は決して悪くはないのではないか、と思います。大きくキャリアで上回るゴンサレスの武器は徹底したアウトボクシングであり、その道程で放つカウンターでもあります。

大きく回るゴンサレスを捕まえるには、ジリジリとプレッシャーをかけるよりも、一瞬のスピードで、閃きで踏み込んだ方が捕まえやすいと思われます。

そして岩田翔吉には、その踏み込みのスピード、思い切りの良さという武器があり、そこからつなげるコンビネーションも非常にパワフル。

このパワーというのもゴンサレス攻略の武器であり、ジョナサン・ゴンサレスはお世辞にも打たれ強いとは言えません。これまで3つの敗北はすべてストップ負けであるということも事実であり、これは岩田にとって大きなアドバンテージとなるのではないでしょうか。

 

岩田は得意の飛び込みアッパーでインサイドに入り、そこから強打のラッシュにつなげたいところですが、その入るタイミング、ポジショニングを考え、ゴンサレスの左カウンターに注意して試合を進めなければいけません。

そして、何よりも警戒すべきはゴンサレスのキャリアであり、田中恒成戦よりも一段階強いジョナサン・ゴンサレスが出てくると思って間違いはないでしょう。

ジョナサン・ゴンサレスは強敵ですが、五分以上に岩田の勝利の可能性がある、と個人的には思っています。ライトフライ級、(一瞬だけ)日本人3人目の王者となってくれることを期待しましょう。

 

放送・配信

長くなってしまうので第一弾はここまでですが、この興行はAmazonプライムビデオで生配信してくれます。

配信日時は11/1(火)17:30〜のライブ配信で、上記の2試合のほかに中谷潤人vsフランシスコ・ロドリゲスJr、そして吉野修一郎vs中谷正義という至高の4戦を配信です。

これは見るしかありません。

ちなみに、アメリカではこの「クアドラプル・ヘッダー」をESPN+が配信予定。

そして、ヨーロッパ圏ではDAZNが生配信となっています。

前回(井上vsドネア2はESPN)、前々回(GGGvs村田はDAZN)と日本の映像は美しい、と各国で評判になったAmazonプライムビデオの中継。第三弾もきっと世界のボクシングマニアたちが期待をしてくれていることでしょう。

この試合を経て、世界的な名声を手に入れるのはどちらのボクサーか。

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↓アンダーカードのプレビュー記事!

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↓これまでに日本で行われた王座統一戦!

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