信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

寺地拳四朗vs京口紘人、激突直前!日本で開催された王座統一戦を振り返る。

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いよいよ間近に迫ってきた、WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級王座統一戦。

抜群の距離感を誇る寺地拳四朗と、極上のインファイトを持つ京口紘人の一戦は、日本のボクシングファンのみならず注目してくれている一戦だと思います。

↓ふたりは2018年12月に公開スパー。京口がLF級王者になる前です。

京口が拳四朗と特別スパーリング | ワタナベボクシングジム

この、「日本人同士の別団体王者同士にる王座統一戦が日本で行われる」というのは日本ボクシング史上2例目であり、「別団体王者同士による王座統一戦が日本で行われる」というのは史上6例目。何かを見落としているかもしれませんが。

ということで、今回のブログでは、日本で行われた過去の王座統一戦の歴史を振り返ります。

 

《番外》1970年

小林弘vs西城正三

この試合は、WBA世界ジュニアライト(スーパーフェザー)級王者だった小林弘と、WBA世界フェザー級王者だった西城正三がノンタイトル10回戦で戦った試合。

階級が違ったため、王座統一戦という括りではありませんが、日本人世界王者同士がリングの上で戦った、というのは日本ボクシング史上でこの試合が初めて。

これが日本人ボクサー同士におけるドリームマッチの先駆けの試合でもあるため、ここで紹介しておきたいと思います。

試合は、小林弘が2−1の判定勝利。

 

1984年

渡辺二郎vsパヤオ・プーンタラット

さて、ここからが本題です。日本で最初に行われた王座統一戦はこの試合。

WBA世界ジュニアバンタム(スーパーフライ)級王者、渡辺二郎とWBC同級王者、パヤオによる、紛れもない王座統一戦。

この渡辺vsパヤオこそが、日本における他団体王者同士の最初の統一戦に他なりません。

「事実上の」云々とよく言われますが、この試合は元々統一戦として交渉され、WBAがこれを王座統一戦として認定しなかった(当時WBAは15R制、WBCは12R制であり、その折り合いがつかなかったため)のですが、実際WBAが渡辺の王座を剥奪したのは「試合終了時点」。

通常、このような場合は「リングに上がったら剥奪」ということなのですが、渡辺を統一王者とした帝拳陣営が頑張って交渉し、「試合終了時点」としたようです。

これは、事実上とかなんでもなく、一瞬ではあるものの渡辺二郎はときの統一王者だった、ということで良いのだと思います。

 

試合は渡辺が3−0の判定勝利を挙げますが、パヤオ側から抗議が入り(これは映像を見ても渡辺の勝ちとするには結構厳しいような気がします。)、再戦。

再戦では渡辺が11RTKOで勝利し、この時獲得したWBC王座の防衛に成功しています。

この頃は今よりももっと地元判定が酷かった時代でもあります。容認する訳ではありませんが、初戦の判定結果についてはわからないでもありませんね。

2010年

長谷川穂積vsフェルナンド・モンティエル

こちらも「事実上の」統一戦となった、WBC世界バンタム級王者、長谷川穂積とWBO同級王者、フェルナンド・モンティエルの王座統一戦。

この試合時点では、日本ボクシング界はまだWBA、WBCの2団体しか認めておらず、世界のボクシング界からはガラパゴス化している状況でした。(JBCがIBF、WBOに加盟したのは2013年のこと)

 

その中で、WBC10度の王座防衛を果たした日本のエース、長谷川穂積がこの試合に踏み切った意味合いは非常に大きい。先の渡辺にしても、長谷川にしても、世界最強を目指すボクサーとしての本質を見事に貫いており、本当に感服します。

この試合はJBCがWBOを認定していなかったため、WBC王者の長谷川にモンティエルが挑戦するというタイトルマッチで行われ、長谷川が勝てば防衛、モンティエルが勝てば王座統一という変則統一戦。

結果はモンティエルの4RTKO勝利に終わり、長谷川は王座陥落となってしまいましたが、この試合が、いや長谷川穂積というボクサーがいたからこそ、我々はボクシングファンであり続けられたのだと思っています。

この時代をファンとして過ごした人たちでまだボクシングを見ている人たちは、この「本物」の試合があったからこそ、この試合の数年前にボクシング界に起こった常軌を逸した反則騒動や、この試合の数ヶ月後に起こる胡散臭い3階級制覇という悪評を乗り切り、今もボクシングファンだと胸を張って言い切ることができるのだろう、と感じます。

 

2012年

井岡一翔vs八重樫東

上記のとおり、JBCがIBF、WBOに加盟したのは2013年のことですから、2012年に行われたこの「初めて実施された日本人同士の他団体王座統一戦」は、JBCが承認するすべての世界タイトルを賭けた統一戦でした。

WBC世界ミニマム級王者の井岡一翔はわずか7戦目で世界タイトルを獲得した俊英で、これは当時の日本最速記録。その後、2度の防衛に成功し、伯父である井岡弘樹の名前もあってボクシング界の金の卵でもありました。

対して八重樫東は井岡よりも4年ほど前にプロデビューし、7戦目での世界戴冠を狙って2007年にイーグル京和に挑むも、判定負け。その後も挫折を経験しながらも、2011年にWBA世界ミニマム級王座を獲得しています。

まずもって、この試合が実現したことは奇跡に近かったのではないか、と思います。

八重樫が初防衛戦もせずにいきなり統一戦に臨む、というのは、当時のボクシング界では考えられない事でした。

しかし、大橋会長がぶち上げた、自身と井岡弘樹の戦わざるライバル関係というのも相まって、この事柄はあれよあれよという内に進展。

 

この試合は当然、ライジングスターである井岡優位という予想ではあったものの、八重樫の気迫溢れるファイトにより、大方の予想を覆した好ファイト。一進一退の攻防は、ジャッジ3者ともに1〜2ポイント差、という微差の判定により井岡に軍配が上がりました。

これは本当に、日本ボクシング界に燦然と輝く好ファイト。

絶対に負けられない井岡、何としても勝ちたい八重樫、両者の気持ちがぶつかり合う、年間最高試合となりました。

 

《番外》2014年12月

高山勝成vs大平剛

これは王座統一戦ではなく、IBFとWBOの世界ミニマム級王座決定戦として開催された試合。

ランキング的にも非常に微妙でしたが、高山が7RTKOで勝利して一気に統一王者に。これはその経緯も含めて、ちょっと微妙な感じに思ってしまいます

2017年12月

田口良一vsミラン・メリンド

田口良一は、全勝で全日本新人王を獲得し、2度目の挑戦で日本王座を獲得。その間、後に二度の世界挑戦を果たす田中教仁、久田哲也、のちの世界王者の木村悠を退けて、黒田雅之ともドローという実績を残しているものの、さして強みのないボクサーにも見えました。

日本王座の初防衛戦で井上尚弥の挑戦を受け、善戦したことで注目され、翌年にWBA世界ライトフライ級タイトルヘアタック。この王座を6度もの防衛を果たし、迎えたのがIBF同級王者、ミラン・メリンドとの王座統一戦でした。

この試合で前半から飛ばすメリンドにジャブで対抗した田口は、ハートの強さ、持ち前のスタミナ、タフネスにおいてメリンドを凌駕、後半に突き放して見事な判定勝利。

田口良一、強みがないように思えたこのファイターは、7度の防衛記録と王座統一という偉業を成し遂げてみせました。

 

2022年はどうかしている

漏れているかもしれませんが、日本で行われた統一戦というのは上記の程度でしょう。

それほど、昨年までは「王者同士の戦い」は非常に稀であった、と言えます。

さて、2022年に入ってから行われた王座統一戦と、あと2ヶ月のうちに予定されている王座統一戦はこちら。

2022年4月
ゲンナディ・ゴロフキンvs村田諒太

できるのか、できないのか、で揺れたGGGvs村田。これはあとにもさきにも日本ボクシング史上最大の一戦で、「ゴロフキンを呼べた」ということはボクシング界にとっても大きな大きな進展だったと思います。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

2022年6月
井上尚弥vsノニト・ドネア2

2019年に行われた初戦も、統一戦と言えるのかもしれません。ただ、初戦はWBA・IBF王者の井上とWBAスーパー王者のノニト・ドネアとの戦いだったため、井上のIBF王座にドネアが挑戦するという側面と、WBAの団体内統一戦という側面、と考えると今回のリストからは外しておきます。

そして、2022年に行われた井上尚弥vsノニト・ドネアの再戦は、紛れもない3団体統一戦であり、これは日本で行われた初の3団体統一戦となりました。

試合内容としては、とにかく井上尚弥の強さが際立った一戦。

レジェンド、ドネアを寄せ付けない、井上尚弥の強さに震撼しました。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

2022年11月
寺地拳四朗vs京口紘人

そしてまもなく行われる、ライトフライ級の王座統一戦。

これは勝敗も試合展開も、アンダーカードまでもすべてが楽しめる、極上の興行です。

チケットが余っているなんて本当に信じられません。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

2022年12月
井上尚弥vsポール・バトラー

チケットはドネア戦の5倍の申込み、というが、試合内容への興味はあまりそそられません。でも、行くけど。日本人初の4団体制覇というイベントを楽しみましょう。

↓正式発表時の記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

2022年12月
井岡一翔vsジョシュア・フランコ

井岡一翔、待望の統一戦。それこそライトフライ、フライでは統一戦の機会には恵まれなかったので、ミニマム級以来の王座統一戦に臨みます。

↓井岡と対戦合意、ジョシュア・フランコについて

boxingcafe.hatenablog.com

 

そんなわけで、日本で行われた王座統一戦(一部番外あり)をピックアップしてみました。

もし、なにか抜け落ちている試合があればコメントをください!

2022年は上半期に2つ、下半期に3つととんでもない数の統一戦が行われますが、これは世界的にも統一戦がトレンドとなっている現在、来年以降も更に増えていくのかもしれませんね!

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