さて、始まりましたボクシングウィーク。
7/16(火)に9月のLemino興行、井上尚弥vs TJドヘニーが発表され、1日おいて7/18(木)のフェニックスバトル。そして翌日7/19(金)には大注目のダイナミックグローブがあってからの7/20(土)のアマプラLIVE BOXING興行です。
休む日がありませんね。
ということで今回のブログは、7/18のフェニックスバトル、そして7/19のダイナミックグローブのプレビュー記事です。
7/18(木)フェニックスバトル
日本バンタム級タイトルマッチ
富施郁哉(ワタナベ)14勝(3KO)3敗
vs
増田陸(帝拳)4勝(4KO)1敗
増田陸、2度目のタイトルチャレンジ。
そもそもこの興行は、「Lemino放映のフェニックスバトル」らしくW日本タイトルマッチという豪華興行でした。それでもホールが満員にならない、というのがここ最近における大配信時代のジレンマですが、この興行は人気ボクサーである高山涼深も登場するとあって比較的客入りが見込めた興行ではなかったか、とも思いますね。
それでもこの興行の1週間ほど前、高山が急性胃腸炎のために試合をキャンセル、メインイベントに繰り上がったのがこの日本バンタム級タイトルマッチです。
高山はちょっと体調不良系で試合を流すことが多いですね。ここは何とも言い難いところですが、私のような老害に片足突っ込んだファンは調子悪くてもお前が王者だろ、くらいに思ってしまうわけで。防衛戦のキャンセルは返上も考えた方が良い、とも思ってしまいます。
さて、話を戻して日本バンタム級タイトルマッチです。
王者、富施郁哉は前戦、日本バンタム級王座決定戦でタイトル初戴冠。ただこのタイトルは、王者であった堤聖也(角海老宝石)が返上したことにより開催された決定戦であって、タナボタのイメージを覆すことはできません。
なので今回が王者の証明、というか本来の王座決定戦、というほどのイメージ。それにしたって、増田陸はかなり大きなハードルではあります。
増田と富施は2023年5月、バンタム級モンスタートーナメントで一度決着を見ています。
結果は増田の7RTKO勝利であり、富施も意地を見せて戦いましたが結局はワンパンチフィニッシャーである増田の左を浴びてダウン、その後の追撃を受けてのTKO負けを喫しています。
増田はその後、トーナメントの準決勝で堤の日本タイトルに挑戦、やはりその強打をヒットするものの、テクニシャンでかつ試合巧者の堤を崩すことはできず、ポイント差以上の完敗でした。
しかしおそらくこの戦いで増田の得たものは非常に大きいでしょう。
堤はその後穴口一輝との激闘を経て日本タイトルを返上、増田は再起戦の相手に強豪、ジョナス・スルタン(フィリピン)をセレクトしてこれをなんと初回KOに切って落として再起を飾っています。
再戦、というのはポイントになり得ます。
富施が増田との第一戦でいかに学び、いかに攻略法を見つけ出せているのか。そして、それが増田の成長も含めて考えられており、それが想像の範囲内であるのであれば富施にも勝機が見えて来るかもしれません。
ただおそらくは、プロにおいての増田の伸び代はそれを凌駕するように思えてなりません。
もちろん、一度は勝利している相手に対して、どこまでモチベーションを保てるのか、というのが増田にとっての一番の大敵ともなり得ますが、増田にとってもここは絶対にクリアしなければいけない試合。初のタイトル戴冠がかかっています。
この短期間でタイトルショットが回ってくる、というのは千載一遇のチャンスでしょうし、このタイトルを獲れば今現在日本に集まっている世界タイトルへの挑戦も近い。
富施もリベンジを目指すわけですから、両者共に絶対に負けられない戦い。
意地と意地がぶつかり合う戦いとなりそうです。
↓富施vs増田の初戦の観戦記はこちら
アンダーカードと配信情報
アンダーカードはアジア最強ライト級トーナメントの準決勝。
そういえばそういうトーナメントもやってましたね、ということで、覚えている人も少ないかもしれません。
トーナメントは盛り上がる、が通説なのですが、やはりタレントが揃ってからやらなければいけませんね。そういう意味ではバンタム級のモンスタートーナメントは素晴らしかったし、PrizeFighterのトーナメントはなんじゃこりゃ、というものです。
ともあれ、このライト級トーナメントは今永虎雅(大橋)を押し上げるもの、ということで良いと思います。そういうトーナメントの使い方で良いのです。
初戦でマ・チョン(中国)に初回TKOで勝利した今永は、準決勝でマービン・エスクエルド(フィリピン)を相手にします。
そしてもう一つの準決勝では、初戦で齋藤眞之助(石川)を2RでKOした齊藤陽二(角海老宝石)がウー・ハンユン(中国)を迎えます。
他にも日本ユース・バンタム級王座決定戦、平井乃智(石田)vs金城隼平(RE:BOOT)と盛りだくさんの興行は、Leminoで無料生配信。
日時は7/18(木)17:45配信開始とのことで、4回戦が3試合、8回戦が3試合の後メインイベントなので、結構遅くなる興行ですね。
↓Leminoはこちらから
7/19(金)ダイナミックグローブ
OPBF東洋太平洋ライト級タイトルマッチ
鈴木雅弘(角海老宝石)10勝(7KO)1敗1分
vs
宇津木秀(ワタナベ)13勝(11KO)1敗
前日のフェニックスバトルのメインイベントは再戦ですが、このダイナミックグローブのメインも再戦です。
2022年2月、日本ライト級王座決定戦で戦った両者。
この試合の2戦前、すでに日本スーパーライト級王者永田大士(三迫)に挑み、素晴らしい才能を見せつけてこれを強奪していたのが鈴木雅弘。その後ライト級に落としての挑戦者決定戦は利川聖隆に大苦戦の薄氷勝利も、やはり鈴木優位は動きませんでした。
しかしこの王座決定戦は、いよいよ回ってきたチャンスに宇津木が浮き足立つこともなく、淡々と自分のボクシングを展開。かつて内山2世とも呼ばれたジャブからしっかりと組み立てるボクシングで鈴木をインサイドから崩し、見事見事な9RTKO勝利を挙げています。
↓観戦記
どちらかというと感覚派に見える鈴木のボクシングと、理詰めに見える宇津木のボクシング。
両者は正反対の才能と正反対の個性を持っているように見え、前戦からすると相性的には宇津木に軍配が上がりそうにも見えます。
ただ、一度敗北している相手だからこそ、モチベーションが上がるのも事実であり、このモチベーションというものが感覚派であろう鈴木のボクシングにとっては大きな燃料となり得ます。
実際に鈴木はOPBF東洋太平洋王座決定戦において、初戦に12R戦って引き分けたロルダン・アルデア(フィリピン)との再戦を初回TKOで片付けています。
鈴木のことを感覚派だと思う、とも書きましたが、もちろんただただ感覚だけであのボクシングはできません。カネロだって他のボクサーよりもより強いボクシングへの献身、恒久的なトレーニングにこそあのヘッドムーブ、パワーパンチは成り立つものです。
前戦の反省を活かし、どのように鈴木がボクシングを仕上げて来るのか。今回は自分のボクシングを貫くというだけではなく、対宇津木という何か秘策めいたものが必要そうな気がします。
さて、初戦を勝利している宇津木としては、再戦は逆にやりづらいかもしれません。比較的スロースターターに見える宇津木は仲里戦では序盤から大きなパンチを喰ってしまい、KO負けを喫しています。
この辺りは内山2世に通じるところがあり、序盤に相手を見る癖というか戦略というかが徹底しているイメージ。この序盤でビッグパンチを喰わないように細心の注意をしなければなりませんが、鈴木もここを狙って来る可能性があります。
上手く乗り切るだけでなく、前戦のようにポイントをピックアップできれば後半にかけて宇津木にKOチャンスが訪れるでしょう。
まず最初の見どころは前半、そこでどちらが抜け出すのか。それにより、後半の戦い方は大きく変わってきそうです。
アンダーカードと配信情報!
アンダーカードには福井勝也(帝拳)がベン・マナンクィル(フィリピン)戦。これは調整試合として、現在WBOアジアパシフィックで1位という福井は、TJドヘニーが王座を返上したならば決定戦のチャンスが訪れるでしょうし、もししなければ井上戦後にドヘニーに挑戦、という青写真が描けそうです。
他にも辻本純兵(帝拳)vs長濱陸(石田)のほか、6回戦が1試合と4回戦が2試合予定されています。
ダイナミックグローブは帝拳仕切りの場合早めに進行しすぎるきらいがあります(これは日テレG+時代の名残)が、今回はどのマッチアップもガッツリ系なので、進行はさほど早くはないはずです。
配信はU-NEXT、開始は7/19(金)17:45〜となっています。
↓U-NEXTはこちらから
【宣伝】
ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!
珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。
▼【注目】RIVAL社のウシクグラフィックTシャツも取り扱い開始!(残りはMのみ)