私たち日本のボクシングファンにとって、週末の関心事は何といってもフェルナンド・マルティネスvs井岡一翔の再戦です。
しかし世界に目を向ければ、イギリスでもアメリカでもいくつかの注目ファイトがあります。
その一つは、イギリスのノッティンガムで行われるアンソニー・カカスvsリー・ウッド。
前IBF世界スーパーフェザー級王者となったカカスが、ファイトマネーのために元WBA世界フェザー級王者、リー・ウッドを迎えます。
ということで今回のブログは、カカスvsウッドのプレビュー。

5/10(日本時間5/11)イギリス・ノッティンガム
アンソニー・カカス(アイルランド)23勝(8KO)1敗
vs
リー・ウッド(イギリス)28勝(17KO)3敗
2011年のプロデビュー時、プロスペクトだったリー・ウッドは、2014年にギャビン・マクドネル(イギリス)との無敗対決に敗れて初黒星。BBBofCのスーパーバンタム級タイトルをかけた初のタイトルショットでした。
その後、BBBofCの地域タイトルを獲得して出直しを図ったウッドは、コモンウェルス、WBOヨーロピアンのタイトルを奪取。しかしそのタイトルはジェームズ・ディケンズ(イギリス)に奪われてしまいます。
なかなか大事なところで勝てないウッドでしたが、このディケンズ戦のあと、当時無敗のリース・マウルド(イギリス)に勝利、その勢いを駆ってシュ・ツァンの持っていたWBA世界フェザー級タイトルへアタック、下馬評不利のなか最終12RTKO勝利を挙げ、世界初戴冠を果たしています。
若干地味な存在に思えたウッドは、おそらくスター、マイケル・コンラン(アイルランド)にタイトルを取らせるために捨て石にされそうなボクサーでした。
しかし初防衛戦でコンランを迎えると、素晴らしいパフォーマンスを見せてこちらも最終12RTKO勝利。この勝利で一気にウッドの評価と人気は高まったと言えます。初回にダウンを奪われながらも盛り返し、ポイントでも負けていた中での逆転勝利でした。
その後、マウリシオ・ララ(メキシコ)を迎えた2度目の防衛戦ではリードしながらも7RTKOの逆転負け。しかしダイレクトリマッチのチャンスを得て、これに勝利すると、元王者ジョシュ・ウォーリントンにも7RTKO勝利しています。
その後、スーパーフェザー級挑戦を理由として王座を返上、ウォーリントンとスーパーフェザー級で再戦、という噂もありましたが、それは立ち消えとなっています。
その試合以来、ブランクをつくっているウッドはこの試合がじつに1年半振りのリングです。
対してアンソニー・カカスは、2012年にプロデビューしており、昨年5月、当時のIBF世界スーパーフェザー級王者、ジョー・コルディナ(イギリス)を破って世界初戴冠。ただしこの試合はレフェリーのストップの声がけに応じなかったカカスが無防備なコルディナに左フックをクリーンヒット、これに対してさして休憩もとらせないというひどいレフェリングのおかげで勝ったようなものです。なので個人的にはこのボクサーを全く認めてはいません。
カカスは初防衛戦でウォーリントンを迎えようとしますが、ウォーリントンはウッドに負けてから試合を行っていないこと、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)戦に続いて連敗中であること、そして初のスーパーフェザー級戦となることからIBFはこれを防衛戦として認可せず。結局、カカスの保持するIBO王座の防衛戦として行われたこの試合は、カカスの判定勝利に終わっています。
だからこのアンソニー・カカスは、今風に言えば「議論の余地のある」戦いに勝利し、初防衛も行わないまま王座を返上したボクサーであるから、元王者と呼ぶにも憚られる存在です。
IBFはトップコンテンダーのエドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)との指名戦をオーダーしましたが、カカスはこれを受けず、IBF王座を返上。建前的には27勝27KO1敗というパンチャーであるヌニェスを避けたわけではなく、ウッドと戦えばヌニェス戦の倍のファイトマネーをもらえるから、というのが理由なわけですが、果たしてスーパー・フェザー級で実績のないウッドの方がイージーな相手だと思っていることもまた事実なのでしょう。
ここは覆してほしい、リー・ウッド。
今回はウッドの地元であるノッティンガムで行われるファイト。ともに36歳という年齢ですから、もう後がありません。
負けたほうは引退か、もしくは同じくらいの年齢のスターボクサーたちとビッグマッチ風のファイトに望むことしかできそうにありません。ともかく頑張れウッド、勝っても負けても逆転劇が多いボクサーなので、カカスが相手でも試合を面白くしてくれるかもしれません。
それにしたって、今の時代は当然のごとく「ファイトマネー>世界タイトル」です。
タイトルの権威が失墜している今となってはごく自然なことなのでしょうが、ファイトマネーというのはリングに上がった時点で確約されるものですから、先日のシンコ・デ・マヨ興行(5/4を覗く)みたいなのが生まれてしまうのでしょう。やっぱりもっとタイトルの権威を取り戻す活動をしていってほしいですね。一応この戦いにはカカスの持つIBOタイトルがかかっていますが、だから何だって話。
アンダーカードと配信情報
セミファイナルはリアム・デイビス(イギリス)の復帰戦です。前戦でシャバズ・マスード(イギリス)との無敗プロスペクト対決に惜しくも初黒星、それでも決して評価を下げるような内容ではなかったと思います。
このあたりのイギリス付近のライバル対決は現在非常に盛んで、今回、デイビスの対戦相手は無敗のプロスペクト、カート・ウォーカー(アイルランド)です。ちなみにデイビスに勝利したマスードも、次戦(6月)にピーター・マグレール(イギリス)戦が決まっている、という充実ぶり。
他にもスーパーライト級プロスペクト、16勝(14KO)無敗というパンチャーのサム・ノークス(イギリス)も出場予定で、前戦が判定勝利だっただけにノックアウト勝利に期待ですね。
配信はDAZNで、配信時間は5/11(日)AM3:00からです。おそらくメインはAM7:00頃でしょう。
↓DAZNはこちら
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。