よく知らなかったですが、LeminoのPPVを購入するのに苦労した人は多かったらしい。
これを顧客側のリテラシー欠如、と指摘することは簡単ですが、ほとんどの加入者がボクシングファンであるであろうLeminoにとって、ボクシングファンからそっぽをむかれる事はありがたくないはずです。
大企業だから小回りが効かない、古い体質の企業だから効率化に時間がかかる、等など、言い訳はいくらでも出てくるのでしょうが、とにかくボクシングファンの顰蹙を買わないようにしてほしい。というか、もっと本気でボクシングに向き合ってくれる人に任せてもらいたいと思いますし、世間の声をちゃんと拾ってほしい。
ともあれ、そんなLeminoは今年、ABEMAから井岡一翔を引き抜き。その初戦となる年末のLife Time Boxing、本日のブログはこの興行のプレビュー。

12/31(水)Life Time Boxing
WBA世界バンタム級挑戦者決定戦
井岡一翔(志成)31勝(16KO)4敗1分
vs
マイケル・オルドスゴイッティ(ベネズエラ)15勝(14KO)1敗
4階級制覇王者、日本の誇るレジェンドが正式にバンタム級参戦を決定。
2011年2月、WBC世界ミニマム級王座を獲得した井岡は、翌2012年にWBA王者、八重樫東との王座統一戦を制し、その年の年末、WBA世界ライトフライ級を制して2階級制覇。
2014年に井岡家悲願の3階級制覇を目指し、アムナット・ルエンロンの持つIBF世界フライ級王座に挑戦するも惜しくも失敗、若さを見せた試合でしたね。
その後再起した井岡は、2015年4月、ファン・カルロス・レベコに勝利してWBA世界フライ級王座を獲得、この年末のレベコとの再戦は出色のパフォーマンスでしたね。
その後2017年末に引退を表明も、翌2018年にアメリカで強敵、マックウィリアムス・アローヨを撃破してスーパーフライ級でカムバック。次戦で臨んだマカオでのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦はドニー・ニエテスに敗北も、2019年、そのニエテスと引き分けを演じたアストン・パリクテに快勝して4階級制覇を成し遂げています。
その後、ジェイビエール・シントロン、田中恒成、フランシスコ・ロドリゲスJr.といった超がつくほどの強敵、難敵を撃破し、コロナに振り回されつつも2022年、スーパーフライ級での王座統一戦にたどり着きます。
当時のWBA王者、ジョシュア・フランコとの王座統一戦は、初戦はドロー、再戦では明確な判定勝利。但し、この再戦は井岡がWBO王座を返上して臨んだ一戦だったため、統一戦とはなりませんでしたね。
2024年、ジェルウィン・アンカハスを倒して王者となった当時のIBF王者、フェルナンド・マルティネス戦で敗北、タイトルを失い、再戦でも敗北。バンタム級での再起を表明しています。
これまでの4敗および1分というのは、すべて世界タイトルマッチにおけるものです。
世界のトップで戦い続けて十余年(まさに十四年)、世界タイトルがかからない試合というだけでも7年ぶり。もはやボクシングをやりきったと言われてもおかしくない井岡一翔は、このバンタム級初戦でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。
はっきり言えば、この試合に「WBA世界バンタム級挑戦者決定戦」というタイトルは全くもって不要、というか至極邪魔なものです。
これがあるからこそ、井岡はいらぬ批判を受けるものであり、こんなものがなくてもバンタム級の覇権はいまだ日本にあり、井岡が望めば次戦でタイトルショットを組む事はさほど難しい事ではありません。要は堤が受けるか、拓真が受けるか、という話であり、そしてこれはどちらも面白い試合になる、と言い切る事ができます。
とりあえずこの件は置いといたとして、24歳の若きプロスペクト、オルドスゴイッティは最新のランキングでWBA11位にねじ込まれています。だからといって挑戦者決定戦に出るというのがファンに容認されるはずもありません。
ただ、このオルドスゴイッティは、経験や実績こそないものの、今の井岡にとっては危険な相手だと感じます。まず一つは、そのパワーとウィルダネス。
連打を打ち始めたら止まらない系のボクシングで、基本的には左、右、左、という連打ながらも回転力が高い。
二つ目は、その体格です。
映像を見る限りはかなり高身長に見えます。(BoxRecに身長の記載はなし)長い距離からの連打、これはスーパーフライ級でもすでに体格で見劣りする井岡にとって、大きなディスアドバンテージになるのではないかと思います。
三つ目は若さと勢い。
オルドスゴイッティはまだ24歳と若く、強敵との対戦経験もほとんどありません。しかし、このボクサーが「挑戦者決定戦」という冠のついたファイトに出られるということは、かつてないモチベーションとなるはずです。そしてデビュー以来12連続KOという勢いは伊達ではなく、パワフルな連打は後先考えずに相手を倒しに行く勢いを感じさせるものです。
このボクサーが、「ボクサーとして優れている」(=強い)かどうかはまだわかりませんし、負けた試合を探してみても映像は見つけられなかったのでなんともわかりませんが、ともかく、ここでアップセットを起こす可能性は持っているのではないか、と思います。
もしこのオルドスゴイッティが非常に勤勉で、12Rに渡って攻め続けられるスタミナを有しているならば?を仮定してみると、かなり怖い存在になります。
まあ、仮定をしなければならないほど、情報がないのもまた事実で、井岡陣営としてはちゃんと情報を掴んでいるはず。
ともあれ、バンタム級初戦とは言えども相手は遥か格下、井岡は下手な試合はできません。けれどもやっぱり相手は危険のある相手であり、少なくとも前半はポイントを獲られようともしっかりディフェンスに徹した方が良いのでは、と消極的に考えてしまいます。
このフィジカルゴリ押しの相手に問題なく勝利する、というのは、前戦、前々戦を払拭する意味で良いとは思いますし、仮に井上拓真に挑んだ場合、対拓真として手の内を明かす結果にはなりません。
この選択はあえてなのか、いずれにしろ、ここは井岡に格の違いを見せつけてほしいファイトです。
WBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦
吉良大弥(志成)3勝(2KO)無敗
vs
イバン・ガルシア・バルデラス(メキシコ)13勝(5KO)4敗1分
もう一つの挑戦者決定戦、少々マシではあるものの、こちらも謎が多いエリミネーターです。
吉良大弥はWBA世界ライトフライ級2位で、1位は謎で空位の状態。対してイバン・ガルシア・バルデラスは7位、まあWBAなのでこちらは許容範囲でしょう。
可能であれば、やっぱり上から順に声を掛けていく、というスタイルがどの団体でも定着してほしいものです。そうなれば、さすがにランク外の選手を挑戦者決定戦に引っ張り出すようなことはせずに誰かしらに決まるのではないでしょうか。
話を戻すと、そもそもプロ4戦目の吉良は、デビュー戦をスーパーフライ級、デビュー2戦目をフライ級、そして前戦を110lbsで戦っており、ライトフライ級リミット108lbsでの初戦ということになります。
フライ級の上限(112lbs)よりも低いウェイトで戦っているから良し、となるのがWBAらしいといえばそうなのですが、こういうのにも目を瞑るほかないのでしょうかね。この2lbsで体調を崩さないように頑張ってほしい。
イバン・ガルシアは、過去の経歴を見るとカルロス・カニサレスとWBCシルバータイトルをかけて戦っています。この試合はおそらくWBC世界フライ級の挑戦者決定戦で、0-2の判定負けを期しています。ものすごく強いボクサーには見えませんが、オーバーハンドの軌道なんかは良くKO率に反してパンチングパワーはあるようには感じます。体型的に、フィジカルはさほど強くなさそうな印象ですね。
吉良はプロデビュー以来、まだ底を見せていないボクサーですから、この試合でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか非常に楽しみです。
今年の年末もボクシング、家族との時間が必要なので当然リアタイ視聴は叶いませんが、みんな大嫌いなLeminoは見逃し配信、アーカイブ配信に対応しています。
ということで年末までしっかりボクシングを堪能しましょう。
アンダーカードと配信情報
上記のメイン、セミに加えて、セミセミには帝拳からの移籍初戦を迎える嶋田淳也(志成)vs篠田将人(山木)。他に馬場龍成(EBISU)vs久保龍助(ワールドスポーツ)の8回戦、6回戦が3試合と4回戦が1試合、全8試合の興行です。
配信開始は16:00から、井岡vsオルドスゴイッティは20:00くらいからでしょうか。
配信はLeminoプレミアムです。
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