井上尚弥(大橋)のラスベガスデビューからはや二ヶ月半。
昨年の12月は中谷正義(帝拳)がフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に劇的な逆転TKO勝利を挙げ、そして年末には井岡一翔(Ambition)が田中恒成(畑中)に圧巻のTKO勝利を挙げました。
思えばこの2ヶ月間、本当にボクシングを楽しませてもらいました。
その後もバンタム級界隈では色々とありましたね。
以下、時系列
ノルディーヌ・ウーバーリ(フランス)vsノニト・ドネア(フィリピン)が締結。
ウーバーリがコロナに感染、休養王者に。
ノニト・ドネアvsエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)がWBC暫定王座戦に。
ドネアにコロナ陽性反応(偽陽性?)、ロドリゲスの対戦相手がレイマート・ガバリョ(フィリピン)に。
ロドリゲスvsガバリョがWBC暫定王座戦として挙行、物議を醸す判定でガバリョが新王者に。
↓観戦記
ウーバーリのカムバック
そして1/11(祝)、ノルディーヌ・ウーバーリがコロナから復帰、休養王座から正規王座へのカムバックを果たしました。
そしてWBCは、暫定王者であるガバリョとの団体内統一戦ではなく、本来であればウーバーリに挑戦する予定だったノニト・ドネア(フィリピン)との対戦を要請するとのことです。
ウーバーリにとっても、ドネアはビッグネームであり、自身の名前を売るチャンスでもあるので、これは是非受けたいところでしょう。
対するドネアも、タイトルを欲しているように思えるので、これは契約が進むのではないでしょうか。ドネアはスーパーフライ級進出も考えていたと思いますが、その辺りの話がどうなっているかにもよりますが。
ウーバーリvsドネアという一戦は、なかなか予想が難しい一戦に思います。ドネアは間違いなく全盛期を過ぎてはいるものの、モチベーション次第では素晴らしいコンディションをつくってくることも実証済み。
ドネアにとって、ウーバーリがどのランクのボクサーなのか、そしてタイトルへの執着がどれほどなのか。ウーバーリは毎回きっちり仕上げてくるイメージなので、ドネアの出来次第、というところでしょうか。できればドネアに頑張ってもらいたい。
ガバリョとロドリゲスは再戦か?
さて、WBCがドネア戦を先に要請したのは、ドネアに対する忖度であろうと思われますが、これでガバリョvsロドリゲスのリマッチは大きく現実味を帯びてきます。
前戦、ロドリゲスが完全にガバリョをアウトボックスしたかに見えましたが、ジャッジは2-1でガバリョを支持。この試合でロドリゲスは素晴らしいジャブのカウンターを披露し、ボクシングテクニックを証明しましたが、ガバリョが証明したのは打たれても前に出るハートの強さ、それのみでした。
では再戦となるとどうなるでしょうか。
アウトボックスでポイントアウトできなかった場合の再戦は、往々にして距離が近くなる傾向があると思います。なので、ロドリゲスが前回の闘い方でダメだった、だから今回はもう少し打ち合う場面をつくろう、と考えるとやはり非常に危険。戦前から、ロドリゲスの打たれ脆さは懸念事項の一つだったからです。
対してガバリョは、前戦通りに戦えば良いので、色々と考えずに(元々考えてボクシングをしているようには見えない)ありのままで戦えば良い、という迷いのない状態。
そこら辺の精神的アドバンテージがガバリョにはありそうです。
いずれにしろ、前戦と同様の展開となれば、今度はロドリゲスの手が挙がるでしょう。前回のジャッジが批判を受けている現状があるからです。
ただ、ロドリゲスがより明確に力の差を示そうとアグレッシブに動くなら、ガバリョに傾く。
ガバリョは、前戦、打たれながらもガンガン前に出ていました。おそらくロドリゲスのパンチに怖さがないのでしょう。前戦でロドリゲスとの12Rの経験を積んだガバリョは、前戦より更にアグレッシブに攻めると思います。
おもしろい試合になればガバリョの勝利、つまらない試合になればロドリゲスの勝利。打ち合う場面があるか、ないか。考えてみるとなかなか興味深い再戦ですね。
井上尚弥の次戦は?
そして我らが井上尚弥(大橋)の次戦。
ウーバーリvsドネア、ガバリョvsロドリゲスがそれぞれ決まれば、その後にそれぞれの勝者が闘う流れとなるでしょうね。。。
もしドネアvsガバリョとなった場合、ドネアは同胞対決をあまり歓迎しないという記事を過去に読んだ事があるので、もしかするとドネアは若いガバリョに道を譲る可能性も捨てきれません。
井上尚弥がWBC王座を吸収する時の王者はウーバーリなのか、ドネアなのか、ガバリョなのか、それともロドリゲスなのか。この中で一番見たいのはウーバーリですね。
しかし、そんなタイミングは訪れないのかもしれません。
ずっとまち続けているトップコンテンダー、マイケル・ダスマリナス(フィリピン)。IBFの指名挑戦権を得ているこの指名挑戦者との入札期限は、1/12(日本時間1/13)とのこと。井上陣営はダスマリナス戦を選択するのか、それともIBF王座を放棄するのか。もうすぐですね!その日はニュースを注視していたいと思います。
井上vsダスマリナスをやるとすれば日本開催が濃厚でしょう。私は凱旋防衛としてダスマリナス戦をやって、しっかりバンタム級を統一してからスーパーバンタムに上げてもらいたい派です。
かつてファイティング原田がエデル・ジョフレを破り、「あしたのジョー」という名作が生まれ、そして「浪速のジョー」が日本を熱狂させたバンタム級。そして21世紀に入っても、長谷川穂積、山中慎介といった名王者を生み出した日本のバンタム級。
↓バンタム級について書いた過去記事です。
オールタイムでバンタム級の歴史を紐解いた時、井上尚弥こそが文句なしに最強であったという実績をつくってもらいたい、と思っています。私がリアルタイムで見れるから。バンタム級での実績は、まだファイティング原田に及びません。
ファイティング原田は、バンタム級で唯一無二の世界王者だったからです。この実績に追いつくには、やはり統一王者になるしかありません。昔に比べ、色々なしがらみも多くなっており、試合を組むだけでも今の方が大変なのでしょうが、やはり日本人初の4団体統一王者は、このバンタム級で見たい、と思うのです。
と、いうことで井上尚弥にはバンタム級でもうひと頑張りしていただいて!!!
スーパーバンタム級は岩佐亮佑(セレス)に任せましょう!!
⚡️According to https://t.co/d8HiwTk0Oq: 🥊The unified super bantamweight champion 🏅 Murodjon Akhmadaliev 🇺🇿(M.J. "KAKA") will fight for title defense in "Humo Arena" Tashkent, on March 13, against Ryosuke Iwasa 🇯🇵 pic.twitter.com/VWh2KTrJVz
— Olamsport.com (@olamsportcom) 2021年1月11日
WBAスーパー・IBF統一世界スーパーバンタム級王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン}と、IBF世界スーパーバンタム級暫定王者、岩佐亮佑の王座統一戦が決まったようです!
これは楽しみ!敵地、ウズベキスタンに乗り込む事になった岩佐ですが、12月に開催の噂があったときも確かそうでしたから、驚きはありません。これは楽しみです。
岩佐vsてっしーじゃなくてよかった反面、てっしーの世界戦はいつ決まるのだろう、という不安も。IBFがランク一番高かったと思うので、もし万が一、岩佐が負けたらてっしーにお願いしたい。でも岩佐勝利を信じています。
と、書き終わった後に飛び込んできたニュースでしたので、ついでに載せておきました。