昨日アップしたプレビュー記事、日本時間11/12(土)に行われるリチャード・シェーファー率いるプロベラム主催のイギリス興行は、ボクシング技術が見られる興行だと思っています。
一転、その3日後に行われる志成ジム主催のLIFE TIME BOXINGという興行は、「KO祭」というタイトルが掲げられている通り、全てKO決着でもおかしくはない興行。
言うまでもなく、KOというのはボクシングの華です。
今回のLIFE TIME BOXINGのように、KO決着濃厚の、それも実力差のありそうなマッチメイクを連発した興行の是非については色々思うところもあるのですが、今回出場するAサイドの(日本人)ボクサーたちについてはやや慎重なマッチメイクにならざるを得ない事情を持つボクサーたちも多い。
今回の興行は、出場するボクサーたちの「様子を見る」という意味合いも強いからこそ、このようなマッチメイクでも良いのかもしれません。その中で、もちろんやってみなければわからないのもボクシング。
出場するAサイドのボクサーたちには、是非集中力を持って自分のボクシングを貫いて欲しいものです。
ということで今回のブログでは、目前に迫ったLIFE TIME BOXINGのプレビュー記事。
11/15(火)LIFE TIME BOXING KO祭
バンタム級10回戦
比嘉大吾(志成)18勝(17KO)2敗1分
vs
ソンセーン・ポーヤム(タイ)18勝(12KO)2敗
前戦、フローイラン・サルダール(フィリピン)にダウンを奪われ、「あわや」のピンチを迎えた比嘉大吾。4Rに右クロスを浴びてダウン、それもフラッシュダウンとは言えない思いっきりダメージのあるダウンでした。
そこから冷静に立て直し、スプリットながらも競り勝った経験は、比嘉大吾を強くしてくれた、と信じたい。
前戦、調子は悪くは見えませんでしたし、身体のキレもあったように思っています。
しかし、どこかが噛み合わないのか、それともバンタムの比嘉大吾の実力なのか、突きつけられた結果は「辛勝」。
くれぐれも油断なく、豪快な勝ちっぷりを見せてもらいたいものです。
対戦相手のポーヤムは、立派な戦績を誇るボクサーではあるものの、その内容はかなりスッカラカン。2敗というのは日本に呼ばれた時に喫した敗戦であり、それ以外は負け越しのボクサーかデビュー戦のボクサーに勝利して、「アンダードッグ」としての価値をキープしているとさえ思えるボクサーです。
勝って当然、その勝ち方にこそ注目される、比嘉にとっては決してモチベーション高く臨める試合ではないかもしれませんが、比嘉らしく勝ってくれる事をひたすら望みます。
↓比嘉vsサルダールの観戦記
65.6kg契約8回戦
パティパーン・クロンクラン(タイ)10勝(6KO)3敗1分
vs
佐々木尽(八王子中屋)12勝(11KO)1敗1分
スター候補、佐々木尽も豪快な倒しっぷりに期待が寄せられるボクサーです。前戦はワタナベジムのホープ、関根幸太朗と倒しあい、ドローという結果。
関根は前年の新人王トーナメントで圧倒的な強さを誇っており、佐々木よりも技術的優位がある、と思っていたボクサーなので、その結果についてはさほど驚きはありません。
強敵、関根と演じたドローは、佐々木にとっても良い好敵手となる存在と出会えた、ということで良いのではないでしょうか。もっと上でまた二人が相まみえるところを見たい。
さて、今回のクロンクランなるタイ人ボクサーもそれなりの戦績を誇りますが、これも内容はスッカラカン。
佐々木は変に舐めず、なるべく早めに仕留めなければいけません。
↓佐々木vs関根の観戦記
65.0kg契約8回戦
高橋拓麿(志成)6勝(6KO)無敗
vs
チャイヤラット・サワンソーダ(タイ)5勝(4KO)2敗
ワールドスポーツジム所属の高橋の移籍初戦。正直、高橋が志成ジムへ移籍したことは知りませんでした。何があったのでしょうか。
高橋の前戦は2020年の11月。デビューから5戦を外国人選手と戦い、初の日本人相手となる清田広大戦で初回TKO勝利、その強さを見せつけています。
対戦相手のサワンソーダももちろん、誇れるようなキャリアではありませんから、ここも高橋の快勝に期待したいところです。
スーパーフライ級8回戦
白石聖(志成)10勝(5KO)1分
vs
ジャックパン・サントーン(タイ)12勝(11KO)6敗
白石は高橋よりもブランクが空き、前戦が2019年12月なので、そのブランクは3年近い。
こちらは井岡ジムからの移籍組、井岡ジムはでていくボクサーが多いイメージ(ちなみに、ワールドスポーツは入っていくボクサーが多いイメージ。あくまでもイメージです。)なので、なんやかんや色々あるのだろう、という推察はできますし、このブランクも納得のあるものです。
なので、今回の試合は試運転、これまで3度来日して3度とも倒されているサントーンが相手。
3年のブランクを経てもまだ25歳と可能性十分な年齢の白石、ここでしっかりと錆落としをしてもらいたいものです。
スーパーフェザー級6回戦
トンテップ・テヤウォン(タイ)8勝(5KO)8敗2分
vs
李鎮宇(角海老宝石)8勝(4KO)無敗
2022年2月、全日本新人王決勝で戦った山名生竜(HKスポーツ)は、地方ジムの所属にもかかわらず、李との一戦のあとすでに2戦を戦っています。
李は久々の一戦で、インパクトのある勝利を飾ってもらいたい。
ちなみに、トンテップの戦歴もやはりひどいもので、李の相手になるとは思えないです。
ライト級6回戦
鈴木稔弘(志成)1勝(1KO)無敗
vs
アタノン・クンラウォン(タイ)17勝(13KO)8敗1分
デビュー2戦目に臨む鈴木は、この勝利でA級に上がるはずです。
デビュー戦を25秒で片付けた鈴木は、「それよりも早く」2戦目を終えると豪語しています。
クンラウォンも当たり前のようにスカスカの戦績ですが、キャリアとしては26戦もの数をこなしており、鈴木の26倍(笑)。
現在2連敗中と、鈴木のなにかを引き出してくれるボクサーとは思えないので、ここも鈴木の快勝を期待したいところです。
64.5kg契約6回戦
平安山太樹(オキナワ)6勝(4KO)1敗
vs
星大翔(角海老宝石)4勝(3KO)2敗2分
本来であれば2022年8月のLIFE TIME BOXINGで挙行される予定だったこの一戦は、当時平安山の怪我で試合中止。
2ヶ月半の延期を経て、開催されることになりました。
平安山は小柄なウェルター級で、非常に筋肉の詰まった体つきをしており、そのパワーは言わずもがなのファイター。2021年の西軍代表決定戦を勝ち、全日本新人王決定戦は相手の棄権により不戦勝で全日本新人王となり、日本ランク下位に名を連ねています。
星は3度目の新人王トーナメント参戦で初戦敗退、ただ3勝と2分(2つの引き分けで1勝分)でB級二昇格。前戦が2020年10月と約2年のブランクを作っており、不安な点も多い。
ただ、今回の興行の中で唯一の日本人対決は、最も勝負論のある戦いなのかもしれません。
KO祭について思うこと
ちなみに、私の最速KOの予想は鈴木稔弘。特段大きな理由はありませんが、比嘉にしても、佐々木にしても、「ボクシングを組み立てて」のノックアウトが見たいのと、高橋、白石に関してもブランクが気になるので、リングでの感触を確かめて欲しいという思いがあります。
そうなると李か鈴木、となってくるのですが、より強引に、ノックアウトを狙って出ていけそうなのは鈴木かな、という観点です。あ、理由はありましたね。予想というか希望です。
ノックアウトがボクシングの華、というのはわからないでもないのですが、どちらか一方が明らかにKO勝利をする、というような試合をいくつも組むというのは、正直コアなファンには響かないように感じます。
ボクシングのライト層のファンはこれで良いのでしょうか?だったら、完全なライト層をペルソナとして狙っているのであれば、ありなのかもしれません。
当然、キャリアの形成という面において、いわゆるアンダードッグとの試合も必要なものであり、ボクサーを売り込むために鮮烈なノックアウトを生まれさせる、ということもあって良いものだとは思います。ただ、この興行に関してはやりすぎ感が非常に強い。
帝拳ジムのダイナミックグローブとタメを張ります。
こういう試合は、真剣勝負と真剣勝負の間に、「お口直し」的にすっと挟み込んでもらいたい。全ての試合が緊張感のありすぎる試合であれば、(先日の11/1や、全日本新人王決定戦のように)見ている方が持たない場合もありますから。
個人的には、やはり美しいノックアウトというものは偶発的に生まれるものであり、どちらか一方が、実力差によりノックアウトを期待される試合、というものにテンションが上がる事は少ない。井上尚弥vsポール・バトラーは良い例で、試合そのものに興味関心のあるボクシングファンは少ないでしょう。いや、そうはいっても行くんですけどね笑。
ともあれ、興行全体の上がったり下がったりをもっと考えてくれれば良いのにな、とか思っていたりします。まあ、見るんですけどね笑。
【放送・配信】
この興行は、ABEMA.TVで無料配信。
日程は11/15(火)17:45〜の生配信だそうです。順当にいけば、めちゃくちゃ早く終わる短時間興行になるのではないでしょうか。
生配信に間に合わない場合、ABEMAプレミアムに加入しておけば見逃し視聴が可能です。
ただ、ABEMAプレミアムに入る意味合いとしては、この興行よりも、この興行の2日後に行われるWATANABE PROMOTION &DANGAN興行、これを見るために入る方が正解でしょう。
メインイベントに宇津木秀(ワタナベ)vsジロリアン陸(フラッシュ赤羽)の日本ライト級タイトルマッチという超絶大注目マッチを据え、セミファイナルには重岡優大(ワタナベ)vs仲島辰郎(平仲)の日本ミニマム級王座決定戦。その中に、富施郁哉(ワタナベ)や関根幸太朗(ワタナベ)が「お口直し」マッチをする、という非常にバランスの取れた興行。
こういうベストな布陣の興行こそ、私は現地で見たい。ということで、見に行きます。
その他にもABEMA.TVは11/27(日)に行われる3150FIGHT SURVIVAL(vol2及びvol3)も生配信、こちらもプレミアム加入で見逃し配信可能なので、本当に頑張ってくれていますね。
そんなわけで、今、入っておいて損はないABEMAプレミアムへの加入はこちら
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