月に一度のボクシング配信をしてくれている、FOD。
このFOD配信興行の興行主は、フェニックスプロモーションと三迫プロモーションです。
奇数月がフェニックスバトル、偶数月がダイヤモンドグローブ、という感じで、三迫のダイヤモンドグローブは隔月開催であり、他に頼るプラットフォームがない状態なので非常に興味深いのですが、ことフェニックスバトルについては「お付き合い」の意味合いが強いように思います。
ある人が言うには、「FOD」と「Lemino」では予算において天と地ほどの差があり、FODのフェニックスバトルとLeminoのフェニックスバトルのマッチアップは大きな違いがあって当然、とのことです。
なのでここ最近、実はFODとの契約を切っていたのですが、今月は再加入せざるを得ません。
と言うことで今回のブログは、チャンピオンカーニバル屈指の好カード、しかもダブルでのタイトルマッチ、ダイヤモンドグローブのプレビュー。
4/9(火)ダイヤモンドグローブ
日本スーパーライト級タイトルマッチ
藤田炎村(三迫)12勝(10KO)1敗
vs
李健太(帝拳)6勝(2KO)無敗1分
「元リク」というだけで、ビジネス面においては「やり手」と思われる反面、嫌われるという側面もあると思っています。リクルートで使っていた言葉や言い回し、仕事のやり方等々をそのまま新しい会社に持ってこようとするきらいがあり、「リクルートではこうだった」とか「ああだった」とか言い始めるし、ヨコの繋がりがやたら強かったりもしてそれが強みにもなったりします。まあ、つまりは妬みですね。
ということで元リクには妬みを持っていて好きじゃないというか嫌いなワタクシ、でもこの藤田炎村という素晴らしいパンチャーを嫌いになる理由が一つもありません。
何せ本人が言うように、藤田の試合にハズレなし、です。
全勝全KOで迎えた、全日本新人王決定戦で本多航大に倒し倒されの末の初黒星、富岡樹(角海老宝石)へのアップセット勝利、湯場海樹(ワタナベ)への大逆転KO勝利、アオキクリスチャーノ(角海老宝石)との全弾フルスイングのどつきあい等々、どこを切り取ってもエキサイティングで、とにかく武骨で昭和(生まれ)のボクシングファンが大喜びしそうな試合を連発してくれています。
2023年4月の王座を獲得してからちょうど1年、その間に2度の防衛をこなした藤田、迎える相手は元トップアマの最強挑戦者、李健太(帝拳)です。
高校6冠、アマ100勝以上という元トップアマは、2019年にプロデビュー。コロナショックでの試合枯れは如何ともしがたく、ここで初のタイトル戦となりますが、本来であればもっと早くにタイトル挑戦を叶えていてもおかしくはなかったボクサー。
一つの引き分けはバッティングにより規定ラウンドに達しなかったための1分であり、その実質はこれまで一つの苦戦すらもない非常にキレイなキャリアです。
身長180cmと長身の部類に入るサウスポーは、前戦では挑戦者決定戦でアオキ・クリスチャーノを判定で降しています。
迫力ある強打のパンチャー、藤田炎村と長身サウスポーのテクニシャン、李健太。
藤田のプレッシャーを10ラウンズという長きにわたって躱しきり、カウンターをヒットさせることができるか、李健太。それともどこかで藤田が捕まえる場面が訪れるのか。一発でも当たれば試合が終わるという可能性がある藤田の強打、しかしそのフルスイングの強打ゆえに危ない場面も確かに多く、逆にカウンター一発で試合が終わる可能性も孕んでいます。
一瞬も目の離せない日本スーパーライト級タイトルマッチです。
この階級で日本勢トップは平岡アンディ(大橋)でしょうが、この戦いはその「次点」を決めるものになるのかもしれません。
日本ライト級タイトルマッチ
仲里周磨(オキナワ)14勝(8KO)2敗3分
vs
三代大訓(横浜光)14勝(4KO)1敗1分
今回のダイヤモンドグローブの興味深いところは、大注目の試合がメインイベントだけではないところにあります。
ダブルメインと言っても差し支えないのが、このセミファイナルに位置する日本ライト級タイトルマッチ、こちらも勿論チャンピオンカーニバルです。
2023年4月、指名挑戦者として当時の王者宇津木秀(ワタナベ)に挑んだ仲里。当時世界を期待させる器かと思われた宇津木に対し、下馬評不利の中3RKOというアップセット勝利を挙げています。
あの頃の宇津木の充実度、そして仲里が挑戦者決定戦で鯉渕健(横浜光)に辛勝だったことを考慮すると、仲里が、しかもKOで宇津木を破って新王者となるという予想を立てることができたファンは少なかったのではないか、と推察します。
初防衛戦は地元沖縄に挑戦者村上雄大(角海老宝石)を迎え、判定勝利。「初防衛戦」、かつ「凱旋試合」という二つの魔物を抑え込んでの防衛成功は本当にお見事ですね。
なお、仲里の戦績に記録されている2つの敗北、一つは2021年、当時の絶対王者吉野修一郎(三迫)に喫したものであり、そしてもう一つは2017年、三代大訓に喫したものです。
今回、王者という立場の仲里ですが、リベンジの機会を得た、捉えるとモチベーションも上がるでしょう。
さて、挑戦者三代大訓は元OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者。
数々の難敵を退けて無敗をキープ、2020年には元世界王者、伊藤雅雪を僅差判定で退けて世界へ打って出る、というところまで駆け上がっていました。
しかし結局のところステップアップファイトは組めず、約1年のブランクを経て元日本王者西谷和宏に2年半ぶりとなるKO勝利。
その後のオーストラリアでの戦いは格下と見られたボクサーに苦戦、そして横浜光ジムへの移籍を経ての初戦は韓国でジュン・ミンホ(韓国)と戦い、まさかの初黒星を喫しています。
三代大訓は、ジャブが得意な「ジャバー」で、相手をいなす、距離をキープする、というイメージ。ただ、想像している以上に撃ち合いも(おそらく)好きだし、接近戦でも強さを発揮します。どちらかというとオールラウンダー、の中にジャブが突出しているという感じです。
仲里と三代は2017年に戦い、ダウン応酬の大激闘の末三代が勝利しています。
それからもう6年半の月日が流れ、階級も違い、キャリアも厚みを増したところでの激突です。
前回三代が勝利したから今回も、とはいかない戦いであり、二人がこれまでのキャリアで獲得した日本国内で取れるメジャーなベルトを一本ずつ。
ここに買ってすぐに世界、とはいかない階級ではありますが、間違いなくライト級国内最強決定戦の一翼であり、この勝者はさらに苛烈なサバイバル戦へ突き進んでいくのでしょう。
仲里は技術もありますが、遠い距離では三代相手には分が悪い。打ち合いに巻き込み、打ち勝ってこそ勝利が見えてくると思います。
三代としてもジャブだけで勝てる相手ではなく、どこかで打撃戦も必要となってきそうで、ここも見応え十分、またダウンシーンがある可能性は大いにあります。
セミもメインもおそらく維持と意地がぶつかり合う、エキサイティングな展開。
4/9(火)のダイヤモンドグローブ、見逃せません。
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