日本ボクシング界は黄金時代が続いています。
それは間違いなく井上尚弥だけの功績ではなく、中谷潤人、寺司拳四朗、そしてその他の世界王者たちとそれに追随するボクサーたちのおかげです。
強い王者を避け、なんとかギリギリ「世界タイトル」に届いていた時代とは訳が違います。エキサイトマッチを見て本当の世界との差を感じ続けた人たちが親となり、その子らがたどり着いたのが現在の黄金時代。
今回のブログは、日本人ボクサーたちのニュースについて。
中谷潤人は今週で最も注目すべきボクサー
リングマガジンのPFP10位につける中谷潤人(M.T)。
今週末にビンセント・アストロラビオ(フィリピン)とのWBC世界バンタム級タイトルマッチに臨みます。
イカれてるほどオッズの開いたこの一戦が、世界のあちこちで行われるボクシング興行において、最も見るべき試合と報じられています。
TV Picks of The Week: Junto Nakatani (not Jake Paul) is in the top spot
表題にもある通り、ジェイク・ポール(アメリカ)ではありません。
エンターテイメント枠ではありますが、ネットフリックスで中継されるこの人気Youtuberの試合(0勝1敗のボクサーと対戦するらしい)は真剣勝負としては話になりませんが、いっときはマイク・タイソンをリングに上げようとしたことで注目も集めていましたね。
ともあれ、今週末はアレクシス・ロチャvsサンティアゴ・ドミンゲス、ネイサン・ヒーにーvsブラッド・ポールズ等々も出ますが、世界タイトルマッチという格も含めて中谷潤人vsアストロラビオがトップで間違いはないでしょう。
記事では、「中谷は世界最高のボクサーの一人」、昨年のKOオブザイヤーにも触れられています。
アメリカの東部標準時間では午前5時、イギリスでは午前10時。
Inoueの試合と違い、土曜日ということもあって比較的見やすいでしょうし、もしニューヨーカーが早起きが苦手だったとしてもESPNではすぐにアーカイブを視聴することも可能。この試合は、おそらく多くの人の目に触れるのではないでしょうか。
世界が注目する中谷潤人、興行の日程も含めてアマプラ万歳です。
↓プレビュー記事
井上尚弥の「あと2年ぐらいは」について
さて、井上尚弥vs TJドヘニーは9月3日(火)です。
とにかく平日に東京に、しかも有明アリーナという東京のハズレに行かなければならない、というのはハードルが高く、すでにこの時点でファンはふるいにかけられます。
それを乗り越えたとて、壮絶なチケット争奪戦が始まる訳ですね。
先日の発表会見はみなさん見られましたか?どこにもニュースになっていないのですが、個人的には井上尚弥が「あと2年ぐらいは」スーパーバンタム級に留まる、といったことが若干引っかかっています。
↓記者会見。7/30まで無料見逃し配信です。
これは井上尚弥がドヘニーを相手にすることに対して、「海外からドヘニーは役不足ではないか」と指摘を受けているが、井上チャンプはどのように感じるのか、という質問から出た回答。※21分くらいのところ
(ちなみにこの質問をしたのは自己主張の強い勘違い自称ジャーナリスト本郷氏ですが、完全に「役不足」の意味を間違っています。本当に日本語を専門に扱うジャーナリストなのかは疑わしい。役が不足しているのではない。「力不足」が正しい。Leminoも出禁にしてほしい。)
この質問に対して、井上はこの試合を終えて引退するわけでも、階級を変えるわけでもない、あと2年ぐらいはこの階級で戦っていくと答えています。
その中でスーパーバンタム級を焼け野原にしていくわけですが、果たしてあと2年もの間、この井上の脅威にスーパーバンタム級は耐えられるのか。
12月にサム・グッドマン(イギリス)、翌年春にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を退けた、その次は?
また新たなボクサーの台頭もあるのかもしれませんが、やはり気になるのはまず、この井上尚弥がスーパーバンタム級にいる間に中谷潤人が間に合うのか、ということです。
もし「あと2年」と明言したことが中谷へのメッセージだとしたら?
今年いっぱい、とかだと全く現実味を帯びない井上尚弥vs中谷潤人というマッチアップは、来年いっぱい、もしくは再来年の中盤まで、もっというと再来年いっぱいくらいまでを考えると実現に十分な時間を保っている、と言えるのではないでしょうか。
2025年12月、2026年5月か9月、12月。
ここまでならスーパーバンタムで中谷を待つ、そうとも取れる発言のように思います。
中谷がスーパーフェザーまで行くとしても、ここから階級を上げるのは年齢的にも少々慎重にもなるはずです。
バンタム級では、すでに最高評価を得てもいますし、4団体統一戦を期待されるタイミングでもあります。
ただ、それを蹴ってでも、たとえば2025年末から2026年中に井上尚弥戦というのは、中谷にとっても非常に魅力的であり、非常に現実的な話になりはしないでしょうか。
この二人の戦いはいつか実現されるべき戦いであり、それはフェザー級でも良いのかもしれません。ただ、おそらくフェザーよりもスーパーバンタムで当たった方がタイミングとしてはベストでしょう。
そんなことを思った一瞬でした。
↓正式発表の記事
↓リングマガジン発表の未来予想図では2026年末に井上vs中谷が実現するらしい
寺地拳四朗、ライトフライ級王座を返上!
いよいよ発表された、寺地拳四朗、ライトフライ級王座返上のニュース。
すでに海外から情報がリークされていたのですが、ようやく日本でも正式に発表されましたね。
そして既報のとおりであれば、拳四朗は次戦でWBC世界フライ級王座決定戦に出場。フリオ・セサールという名前を怪我したJCマルティネスが返上した王座を巡って、クリストファー・ロサレス(ニカラグア)と対戦することになるのかもしれません。
↓1ヶ月半前は1位はフランシスコ・ロドリゲスJrでしたね。
そしてこのフライ級で、ライトフライ級でなし得なかった4団体制覇を目指す、というのだからこれもまたアツい。32歳という年齢になった拳四朗としては、この階級でキャリアを終えるつもりなのでしょう。
いずれにしろ、真正プロモーション経由の帝拳プロモーション、つまりはバックにアマプラがついている、となれば、今度こそその願いは叶うのかもしれません。
そしてこのことは、同時にライトフライ級にも動きが出る、ということに他なりません。
WBAは1位にエリック・ロサ(ドミニカ共和国)、2位に岩田翔吉(帝拳)、3位にハイロ・ノリエガ(スペイン)。
WBCは1位に岩田翔吉、2位にカルロス・カニサレス(ベネズエラ)、3位にパンヤ・プラダブスリ(タイ)。
岩田はいずれかの王座決定戦に臨むのでしょうが、おそらくもう準備を始めているのでしょう。9月、だとちと早すぎるかもしれませんが、たとえば10月とか11月、または12月に拳四朗のフライ級挑戦があるのならば、同じく岩田の王座決定戦も組まれそうなものですね。
そしてもう一人気になるライトフライは、やはり矢吹正道(LUSH緑)でしょう。
すでにIBF王者、シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)と矢吹は交渉を開始しているはずで、この交渉期限は7/19(金)です。今月中には何かしらの音沙汰がありそうですね。
↓ノンシンガvs矢吹のニュース
黄金時代を牽引する3選手
長らくトップで戦い続けてきた井岡一翔(志成)が敗れた今、現在の日本ボクシング界を牽引するのは井上尚弥、中谷潤人、寺地拳四朗の3人です。
そのほかにも魅力的な王者が揃っている現在の日本ボクシング界は、かつてないほどの隆盛を迎えています。
リングマガジンのランキングを見てみると、ミニマム級(重岡銀)、ライトフライ級(拳四朗)、バンタム級(中谷)、スーパーバンタム級(井上)がトップに並び、BoxRecでもミニマム級(重岡銀)、ライトフライ級(拳四朗)、フライ級(ユーリ阿久井)、バンタム級(中谷)、スーパーバンタム急(井上)、スーパーフェザー級(力石)がそれぞれの階級でトップを取っています。
日本は、ボクシング大国です。
かつてないほどの黄金時代を迎えています。
これを享受できる今のボクシングファンは本当に幸せだし、この礎を築いてきた先人たちを誇りに思います。これからもボクシングを楽しんでいきましょう。
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