とにかく長い1日ですから、視聴する試合は選ばなければなりません。PBCファイトではフンドラvsチュー2、フィゲロアvsゴンサレスが最も注目で、幸か不幸かアンヘル・フィエロが撤退したことによりイサック・クルスの注目度が下がったために見る必要はなく、ゲイリー・ラッセルJr.の復帰戦がちょっと気になる、という感じ。
SNSを騒がせているピカソvs亀田の内容は至極どうでも良いものですが、ピカソが次の井上の対戦相手であるならばちゃんと倒して勝ってほしいと思うくらいでしょうか。
ということで今回のブログは、PBCのPPVファイトから、フィゲロアvsゴンサレス、フンドラvsチューⅡ、そして一応バリオスvsパッキャオの観戦記。
プレビュー

7/19(日本時間7/20)アメリカ・ラスベガス
ブランドン・フィゲロア(アメリカ)25勝(19KO)2敗1分
vs
ジョエト・ゴンサレス(アメリカ)27勝(15KO)4敗
ブランドン・フィゲロア、フェザー級にあげてからもそのパフォーマンスは良いままでしたが、前戦でスティーブン・フルトンに敗北。調子が悪かったのか、どこか怪我でもしているのか、というほどのパフォーマンスだったので、ここはしっかりと復活をアピールしてほしいところ。
ジョエト・ゴンサレスはアグレッシブなナイスファイターですが、世界王者からは1段ランクが落ちるはずですから、ここは文句なく勝ちきってほしいですね。
初回、いきなり近くでの戦い、これは予想通りの立ち上がりと言えるでしょう。後半にジョエトがサイドにまわってパンチを打ち込んだ、というのが印象的です。フィゲロアはスロースターターの気があるので、まずはここは取られても致し方なし、というところでしょうか。
2R、ここも近い戦いですが、フィゲロアにパワーをあまり感じません。とはいえ、これはいつものことで、どちらかというと手数で押し込んでいく感じです。
ただ、ジョエトの方が力強いパンチを打ち返しており、ちょっとフィゲロアは体にもパンチにもやはりどこか力がみなぎっていない感じがあります。
3R、なんでしょうか、まだ単にエンジンがかかっていないだけなら良いのでしょうが、フィゲロアはもっと体を押し付けて打っていくタイプですが、それができていません。それはジョエトのリターンによるものもありますし、ジョエトのポジショニングの上手さにも起因していそうです。
4R、そろそろエンジンがかかってほしいフィゲロアですが、ちょっと回転力がありません。対してジョエトの回転力は大したもので、ここを比べてしまうと圧倒的にジョエトがうまく戦っているように見えます。
ジョエトは非常に良いリズムでパンチを繰り出しており、これはフィゲロアまずい流れ。
5R、ウェイトを載せながら打ち始められたか、フィゲロア。近い距離でのコツコツのパンチも出始めましたが、ジョエトはここで下がらず、強いパンチをリターン。ここまで手合わせしてみて、自信を深めたのかもしれません。
6R、頭をつけてボディの打ち合い。相変わらずジョエトには回転力があり、フィゲロアのパンチにもパワーが載ってきました。
7R、ジョエトが体で押し込み、上下の打ち分けも合わせて力強いパンチを押し込みます。フィゲロアはどちらかというともたれかかる感じなので、ちょっと力が載らない感じか。
後半に入るところでフィゲロアが良い連打を見せますが、ジョエトはペースダウンせず。
8R、フィゲロアがチャージ。これは劣勢を意識してのことでしょう。しかしジョエトはコントロールしづらいボクサーで、とにかくリターンが返ってきます。
9R、前ラウンドあたりからちゃんと左右が回るようになってきていましたが、ジョエトにダメージを与える事はできていないように見えます。ガチャガチャの展開はポイントをつけづらいですが、どうにも押されているのがフィゲロアの方に見えます。
10R、まだまだ力強いパンチを打てるジョエト。フィゲロアも序盤に比べれば手数はしっかりと出ていますが、強烈なリターンを有する相手に対して戦略の変更ができません。序盤のビハインドを覆すためには、どこかで圧倒しなければなりませんが。。。
11R、苛烈に攻めるフィゲロア!ジョエトもかなりきついと思いますがとにかく頑張りますね。後半にもフィゲロアがチャージ、良い場面をつくりますが、ここが勝負とジョエトも反撃、体で押し返して盛り返します。
ラストラウンド、フィゲロアのパンチはここにきてパワーが載っています。それにしたってスロースタート過ぎないか、と思いますが、この試合はジョエトに対して手数やフィジカルで圧倒することはできていません。
パンチスタッツはフィゲロアが1,000発を超えますが、それでも結果的に互角の打ち合いに持ち込むのがやっと、というイメージ。
判定は115-113、116-112✗2、3-0でブランドン・フィゲロア。
微妙な判定結果でしたね。序盤の4Rに関してはほとんどジョエト・ゴンサレスだったと考えると、5R以降をフィゲロアがとったということなのでしょうか。
後半にかけてはかつてのボクシングを取り戻してきたかに見えたフィゲロアでしたが、ちょっと前途は多難。これでニック・ボールに挑むのならば、フィジカルでは勝てないでしょうからかなり厳しい戦いになりはしないか。
セバスチャン・フンドラ(アメリカ)22勝(14KO)1敗1分
vs
ティム・チュー(オーストラリア)25勝(18KO)2敗
本日のメインイベント。トラブルにまみれた初戦でしたが、結果は結果。
重要なのはその後のキャリアであり、フンドラとチュー、初戦の後のキャリアは明暗が別れています。
しかし、ここでチューがフンドラにリベンジを果たすことができれば、そのキャリアの軌道修正ができるはずです。
全力でチューを応援、とならないのはやはりこのイロモノかと思われたフンドラがホンモノだったことにほかなりません。イサック・クルスもそうですが、この時代において個性的なボクサーというだけで応援に足ります。
さて、ゴング。
初回からフンドラが積極的にジャブ。チューとの初戦を皮切りに、若干距離をキープしながら攻めるスタイルに変化しており、それは当然、今回も健在です。
チューも強引に攻めることはせず、慎重。特に前足の位置には非常に気を遣っており、前足でフンドラの外側を取ろうとしています。
サウスポーへの定石として、外側を取る、というのは相手の左ストレートから遠くなるわけですが、果たしてフンドラに対してそれが意味のあることなのか、と思った瞬間、フンドラの左ストレートが炸裂!これでチューがダウン!!!!
ドンピシャのカウンターとなったフンドラの左、より慎重になったチューはしっかりと距離をとりながら、右のオーバーハンドを狙っています。
2R、軽めのワンツーで攻め入るフンドラ。手打ちには見えますが、上から打ち下ろすパンチはしっかりと体重が乗るのでしょう。アッパーも含めたコンビネーションをヒットするフンドラ、これはちょっとチューに厳しい展開です。
チューは足の位置を気にしてはいるものの後ろ荷重になってしまっているので、フンドラにとって良い位置に頭があってしまい、そこでパンチをもらってしまっているイメージ。
チューも大きなスイングで対抗、左フックをヒットするも怯まないフンドラ、後半にもチューの右に合わせてフンドラが左ストレートをヒット。
3R、チューも被弾しながらもパンチを出しますが、フンドラの突き刺すようなジャブ、ストレートに止められてしまいます。いつものようにブロッキングをもっと上手く使えれば良いでしょうが、フンドラは俯瞰で見れる分、空いているところを狙われるのかもしれません。
チューが中途半端に攻め込むとすぐに飛んでくるフンドラの左。距離を取るからこそ、自らが攻める時にどうしても苦労してしまいます。
4R、快調に攻めるのはフンドラ。中盤に入るところではロープに詰められるチュー、アッパーを喰らいながらも強いパンチをリターン!
フンドラは後ろ手を多角的につかって三連打、それに対してチューは右のスイング!
この右のオーバーハンド、そして左フックに望みを託すチュー、フンドラも打たれて強い方ではないと思われるので、この一発にかけるのはおそらく間違いではないのでしょう。
5R、チューが入ろうとしたところにフンドラはアッパー。チューはフンドラの左を外して入りたいところ。
若干この距離に慣れてきたように思うチュー、左右がヒットし始めた感じがします。
それでもやはり攻める時間はフンドラが圧倒的に長い。
6R、開始早々、フンドラがチャージ。前ラウンドは上手くいかなかった、ということなのかもしれません。チューはブロッキングから右のボディストレート、左フックにつなげます。
中盤、ポンポンと出てくるフンドラの手数に対し、チューはなかなか近づけず。同時打ちのタイミングで出す右ストレートは良いですが、やはり距離的には当たりが浅いか。
7R、執拗にボディストレートを放つチュー、そこから上に左フック。これは良い攻撃です。今度はこちらの番、とばかりにフンドラがストレート系のコンビネーション、ここでチューも強い右オーバーハンドで反撃!
距離が詰まる両者、この距離ではフンドラのアッパーがありますが、チューにもチャンスがある距離!
後半、フンドラが左をヒット、しかしチューも右をヒット!これはフンドラもちょっと苦しくなってきましたが、チューはもっと苦しいか。。。!
8R、は始まらず。。。
ここで陣営の棄権でしょうか、セバスチャン・フンドラ、7R終了TKO勝利!
初回、ダウンを奪い、そこから一気にペースを掌握したセバスチャン・フンドラ。そこから盛り返しそうになったチューはやはり素晴らしく、ライオンのハートを持っているボクサーです。
しかしちょっと打たれるきらいもあり、打たれて脆くもなっているのかもしれません。
チューの再起を望みますが、少しゆっくりしてほしいところです。
さて、勝利したセバスチャン・フンドラ。今回はアクシデントもなく、会心の勝利だったと思います。
知名度はありますが、人気という面においてはまだまだ、というフンドラ。今後の戦いも楽しみです。
WBC世界ウェルター級タイトルマッチ
マリオ・バリオス(アメリカ)29勝(18KO)2敗1分
vs
マニー・パッキャオ(フィリピン)62勝(39KO)8敗2分
パッキャオの調子は悪くなさそうですね。初回の序盤、良い動きができています。しっかりとトレーニングをしてきたのでしょう。
とはいえ、もともと瞬発系のボクシングだったパッキャオは、やはり年齢というのは大きな壁になり得ます。B−HOPあたりとは違うのです。
バリオスはパッキャオへのリスペクトなのか、非常に慎重な立ち上がり。
2R以降は攻め始めたバリオスは長く、速いジャブ。パッキャオも左から大きく入る往年の攻撃パターンを見せ、サイドにフェイントを入れて攻撃するフローも現役時代を彷彿とさせるものです。
中盤にはバリオスのジャブのあとにやや外側から右のジャブを返す、そのムーブも当時のものを思い出しますね。
こういうのはかつてマイク・タイソンのエキシビションを見た経験に近い。
これは世界タイトルマッチであり、46歳のボクサー、それも4年ぶりに復帰したボクサーの頑張りを見るエキシビションではありません。
果たしてジョージ・フォアマンが這い上がって世界戦を戦った、そして獲った試合とはその意味合いが違います。
しかしバリオス、良いジャブを持っていますね。ただ、「アステカの戦士」というニックネームを持つ彼は、現在のところそれだけのボクサーです。
対してパッキャオは素晴らしいのひとこと。「この年齢でここまで動けるのはすごい」というのは賛辞なのですが、ある種失礼な発言で、パッキャオがもしもこの試合に賭けているのであれば、そんなところに感心しても致し方ありません。
当然年齢を感じさせるものを随所に見せたパッキャオ、そのパッキャオを相手にドロー防衛というのはウェルター級の王者としてはがっかりの一言です。
マリオ・バリオスはウェルター級王者としてチーズである、それを証明してしまう結果になりました。相手が誰であろうとも「ファイトする」、その気持ちがないのであればタイトルは返上すべきでしょう。
ドローで奇跡は起こらず、そして勝者もいませんでした。しかし敗者はマリオ・バリオスです。やっぱりこういう試合はくだらない。
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