信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

WBA世界フェザー級TM、ニック・ボールが直面する不名誉な記録。サム・グッドマンに負けると「起こること」。

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リヤド興行まであと10日

今日は四方山話をします。(今日も、か?)

オーストラリアのトップコンテンダー、サム・グッドマン。

2024年、井上尚弥vsルイス・ネリが終わったあと、ほとんど「対戦発表」のノリで東京ドームのリングに上がりました。

そしてその後の騒動、それは井上が「9月」と発言しましたがグッドマン陣営は12月のつもりだったこと、そしてその12月をスパーリング中の怪我で1月に延期すると、さらにその延期した日程も再度怪我をして結局井上の対戦相手にはなれず。

井上戦のファイトマネーを見越して家を買った、とか、アホすぎるムーブメントにおいても日本のボクシングファンはおろかお茶の間にもその知名度を高めたサム・グッドマンが、あと10日もすれば初の世界戦を叶えます。

グッドマンはトップコンテンダーとはいえ、それはスーパーバンタム級の話であり、今回はじめてフェザー級リミットでの試合を迎えるグッドマンは、そもそも普段通りのパフォーマンスを発揮できるかすらも謎です。

グッドマンの試合での過去最高体重は124.75lbs、今回はフェザー級のタイトルマッチだから126lbsにあわせてくるはずです。

 

 

 

ボールの弱気な?マッチメイク

前戦、TJドヘニー、言ってしまえばその前のロニー・リオスも含めて、やや慎重とも言えるマッチメイクとなっている風のニック「レッキング」ボール。

ドヘニー戦では色々言われましたが、157cmというフェザー級選手として圧倒的な低身長、それでも強いフィジカル、そして何より彼の情熱的なファイトは大好きなので、サム・グッドマンがどんなにスキルがあろうとも、そのフィジカルパワーでねじ伏せてほしい、と個人的には思っていますし、きっとそうなるだろう、と予想しています。

それでもボクシングは蓋を空けてみなければ何が起こるかはわかりません。

強さとは相対的なものであり、前戦でどんなに情けない試合をしたとしてもこの試合にかけるグッドマンの熱意は想像を上回るものがあるはずです。

井上vsカルデナスで、テディ・アトラスが井上のファイトを見て「銀行口座の残高がゼロの男のように戦っている(この男を好きにならないわけにはいかないだろう)」みたいに言ったと話題になりましたが、まさにグッドマンはナチュラルにその気概を持ってリングに上がれるわけですね。

とまあ、この試合のプレビュー記事はまたどこかで書こうと思うのですが、実はニック・ボールが(万が一)敗北することがあれば、かの大英帝国は彼らのいう「非常に不名誉な」記録を打ち立てることになるようです。つまりは現在、その記録にリーチがかかっている状態、ということですね。

 

 

 

ボールが直面する不名誉な記録

その記録というのは、イギリス国内に世界王者がいなくなる、という記録です。

イギリスにおいて、世界王者がいなかった時、というのは1988年にまで遡るそうです。

ちなみに日本が過去、世界王者不在だった時期は2002年10月〜12月、1997年2月〜7月、1991年6月〜9月、と断続的に起こっており、大橋秀行が世界挑戦21連続失敗を止めた、というのがありましたがその期間は1988年11月〜1990年2月が世界王者不在期間です。

その間、イギリスには世界王者がい続けました。

ナイジェル・ベン、ナジーム・ハメド、ジョー・カルザゲ、カール・フロッチ、ケル・ブルック。

アンソニー・ジョシュア、ビリー・ジョー・サンダース、タイソン・フューリー、最近でもローレンス・オコーリーやクリス・ビラム=スミス。

そんなボクシング大国であるイギリスですが、今や世界王者はニック・ボールのみ。念の為伝えておくと、この数には暫定王座は含まれず、先日奇跡的な復活を果たしたジェームズ「ジャザ」ディケンズは暫定王者なのでカウントされません。ガラル・ヤファイもチワス・ロドリゲス戦が無効試合となったことで暫定王者復帰を果たしましたが、カウントされません。

 

 

 

つまり、ニック・ボールが負けることは37年ぶりにイギリスに「世界王者不在」の期間を招いてしまうことになるのです。

このことはBoxingNewsでトム・イートン氏が語っていることだから、私が調べたわけではないですが真実なのでしょう。

このことをニック・ボールが重みに感じる必要は全くないのでしょうが、ともかく、イギリスのボクシングファンにとっては大きな出来事が起こる、というわけです。

日本でも、世界王者がたった一人になるとその期待はものすごかった。今はもうそんなことはなく、今一体何人世界王者がいるのか、は指を折って数えなければなりませんが(ちなみに指を折って数えてみたら6人)、やっぱりこれは日本ボクシング界はかつてのイギリスのように全盛期を迎えている、と言えるのでしょう。

だからこそ、やっぱり今後、日本にもこういう事態が訪れることも覚悟しておかなければなりません。

世界王者がいなくなったとしても、ボクシングの面白さは変わりません。

 

 

 

しかし話題になるトピックとして、衆目に触れる機会として、やはり世界王者というのは別格です。ボクシングを始めるきっかけだとか、昔に比べて今は大いに恵まれてはいますが、目にする機会だとか、世界王者がいるかいないかで随分と違うはず。

今後のイギリスボクシング界のためにも、ニック・ボールにはもう少し生き残ってもらわなければなりません。

今後のイギリスボクシング界は試練?

万が一ボールが敗北したとしても、その世界王者不在期間は1ヶ月弱で終わりを迎える可能性があるというのもまた事実。

ボールvsグッドマンから約1ヶ月後、ジャロン・エニスの返上により空位になったIBF世界ウェルター級王座決定戦があり、これはルイス・クロッカー(イギリス)vsパディ・ドノバン(アイルランド)というライバル対決。この二人はすでに一度は戦っており(この時はIBFの挑戦者決定戦だった)、初戦はしかしドノバンが優勢に試合を進めた中での失格負け(ゴング後の加撃による)ですから、クロッカーがイギリスにタイトルを持ち帰る可能性は低いのかもしれません。

 

 

 

ちなみにクロッカーはイギリスといっても北アイルランドの出身なので、どっちが勝ってもグレート・ブリテン島にタイトルは来ませんけどね。

そして11月にはアブドゥラ・メイソン(アメリカ)vsサム・ノークス(イギリス)のWBO世界ライト級王座決定戦、これと同じ日にサブリエル・マティアス(プエルトリコ)vsダルトン・スミス(イギリス)がWBC世界スーパーライト級タイトルマッチ。

どの試合もチャンスはあるのでしょうが、5割以上の確率でタイトルを獲得できる、という試合はないように思えます。全員が多少なりとも掛率ではアンダードッグになるのではないでしょうか。

ということで責任重大、ニック・ボール。こんなところで苦戦していては井上尚弥との対戦は夢のまた夢。頑張ってもらいたいものです。

 

 

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