まだまだ那須川天心vs井上拓真の余韻が冷めない木曜日。
大橋ジムの主催興行であるはずのフェニックスバトルですが、大橋ジムからの参加者がいないというのは推して知るべし。
必然的に彩り豊かな出場者となったこの興行、注目はセミファイナルにセットされた日本スーパーフェザー級タイトルマッチと、その前の2試合がスーパーフェザー級トーナメント絡み、ということでしょうか。
ということで今回のブログは、11/27に行われたフェニックスバトルの観戦記。

11/27(木)フェニックスバトル
スーパーフェザー級のトーナメント1回戦、それいけ太一(KG大和)vs砂川隆祐(沖縄ワールドリング)。これは挑戦者決定戦でもある、とのことなので、勝った方は来年の春に日本王座挑戦となるわけですが、このタイトルショットはトーナメントと無関係なため、なかなかハードなスケジュールですね。
初回からプレスをかけるのは砂川、しかし太一はバックステップやスウェーで空間をつくり、そこから踏み込んでのワンツー。太一の右がよくヒットしているように見えます。2Rは砂川がプレスを強め、それに太一も応戦。お互いに中間距離をキープ、右のオーバーハンドを当てあいます。3Rはより距離が近くなっての打撃戦、良いパンチを当てようとしての中間距離での駆け引きの時間あり、どちらもちょっと決め手に欠けます。
4Rに入ると砂川が手数で上回ってきたのと、太一のは入り際にジャブを突き刺して幾度か太一の顔が上がります。太一の左目が腫れたようでドクターチェック、再開後は激しい打ち合い。5Rに入って、行くしかない太一ですが砂川の回転力は素晴らしい。強い左右で太一を下がらせ、ここで2度目のドクターチェック、試合はストップ。
それいけ太一は途中から目が見えづらかったか、突然砂川のジャブを浴び始めたイメージですね。出だしこそ良かったものの、残念。
砂川は見事スーパーフェザー級トーナメントの1回戦突破とともに、日本王座への挑戦権を獲得。
セミセミには渡邊海(ライオンズ)が登場。スーパーフェザー級トーナメントの初戦では亀田京之介と対戦予定ですね。ここは問題なくクリアして、亀田も倒してほしいところ。
速いジャブの渡邊、何も手を出さないタイ人。出さないのではなくて出せないのかもしれませんが、実力差はあるでしょう。2Rには近い距離でも戦った渡邊、相手が打ってこないことには得意のカウンターショットは火を吹きません。
3R、打ってこないタイ人に対して渡邊はプレス、近い距離になると強弱をつけたコンビネーション。細かいパンチから強いボディ、サンドバッグかミットを打っているような感じです。
渡邊のコンビネーションに対して、ガッチリガードのタイ人。ちゃんと勝ちにきてるかというと怪しいこのタイ人、ガードを固めていればとりあえず倒されることはなさそう、という感じでしょうか。こういう相手だからこそ渡邊には倒しきってほしい。
近い距離で時折鋭いフックを放つタイ人ですが、さすがに手がでなさすぎます。
パンチスタッツを見たらおそらく10倍どころの騒ぎではないこの手数差、7Rの後半に猛攻をしかけた渡邊は、8Rに入って丁寧にボディを叩き、後半に入るところで右アッパーをヒットしてダウンを奪い、レフェリーストップ。
ガードを固める相手に対し、丁寧にボクシングで圧勝、ストップまで持ち込んだ渡邊。前戦の敗北からの再起に成功。
日本スーパーフェザー級タイトルマッチ
奈良井翼(RK蒲田)16勝(11KO)2敗
vs
梶野翔太(角海老宝石)6勝(4KO)無敗1分
日本ユース王者、梶野は8戦目で日本タイトル挑戦。昨年プロデビューして全日本新人王を奪取、日本ユース王者とステップアップして、まだ20歳。ここでもし奈良井に勝てば、スーパースター街道が待っています。
奈良井は3度目の防衛戦、新鋭を相手に強さを見せつけられるか。
初回のゴング、挑戦者らしく積極的に前に出る梶野。怖いもの無し、とはまさにこの事で、勢いのあるボクシングです。
対して奈良井は落ち着いてステップ、しっかりと距離で外し、ブロッキング。
中盤、梶野は奈良井をコーナーに詰めてラッシュ、ここは奈良井も付き合います。これは早期決着のありそうな流れ、このラウンド後半にはいくつか奈良井の被弾が増えてきたような印象です。
ハードパンチを持つ奈良井に対して、梶野も非常に勇気ある戦法ですね。
2R、勢いよく出てくる若手に先手を取られた形の奈良井。しかしこれを受け止め始めたか、梶野が踏み込んできた時にはバックステップしながらも踏みとどまってのカウンター。
後半に入ればおそらく奈良井が優位となってくるでしょうから、梶野にとっては前半、どれぐらい優位に立てるかが勝負。あわよくば打たれて強いとは言えない奈良井を倒しきってしまう、という作戦でもあるでしょう。
3R、梶野の踏み込みに少々慣れてきたか、奈良井は梶野のジャブにあわせて右から左をリターン。しかし梶野もそのアグレッシブネスは衰えず、このラウンドもグイグイとプレスをかけて体で押し、常に奈良井がロープを背負うという状況を作り出しています。
4R、ここも梶野が詰めます。強いコンビネーション、ここを奈良井はブロッキング、しかし梶野はパワーがあるのでしょう、結構奈良井の体はぶらされています。
中盤、またも奈良井をコーナーに詰めてラッシュをしかける梶野、しかし奈良井のブロッキングにより効果を感じないのかもしれません。
後半、ラスト30秒でまたもラッシュの梶野、しかしここで奈良井の左フックが炸裂!ゆっくりとマットに崩れ落ちる梶野!!!立ち上がるもフラつき、ここでレフェリーがストップ!!!!
なんという。。。。!大逆転ノックアウト。
奈良井はかなり危なかったと思いますが、起死回生のカウンター、そしてやはり一発で試合を決めてしまうパワー。若く、勢いがあり、気持ちの強い挑戦者を退け、次戦はチャンピオン・カーニバル、砂川との戦いでしょうか。
OPBF東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ
ワチュク・ナァツ(八王子中屋)9勝(4KO)4敗2分
vs
緑川創(EBISU K`s BOX)4勝(3KO)無敗
メインイベントはスーパーウェルター級のタイトルマッチ。緑川創というのは元キックボクシングの王者のようですね。38歳、すごいですね。
初回のゴング、緑川がプレス。ナァツはサークリング。緑川のスタンスの狭さ、というところに若干のキックボクサーみを感じますね。
ナァツの右へのリターンに左フックを決めた緑川、その後も左フックをヒット。この前手のフックは緑川のサンデーパンチでしょうか、前手の使い方はうまいですね。
2R、ナァツが姿勢を低くしてプレス。そこからショートのコンビネーション、これは良いアタックです。
緑川もナァツの入り際にジャブ、他にもジャブを散らし、外から回す左フック、やっぱり前手が上手い。
3R、引き続き低い姿勢でプレスをかけるナァツは、コンビネーションで勝負。単発気味ながらもしっかりとリターンを返す緑川、お互い譲りません。
4R、このラウンドも近い距離での打撃戦。細かなパンチをまとめていくナァツですが、これらがヒットしてダメージを与えているとは言えず、手数でポイントが流れるかどうか。馬力はありそうな緑川の方もビッグ・ヒットを生んでいるわけではないので、これまた微妙なラウンドが続きます。
5R、変わらず近い距離。クリンチも増えてきましたが、どちらかというとクリンチにいっているのは緑川。おそらくまだ長いラウンドに慣れないでしょうから、ちょっとスタミナに不安も出てくるのかもしれません。
体ごとぶつけるようなパンチも増えてきた両者、お互いにガードしていても体が泳ぎます。
6R、ちょっと緑川のホールド、が気になりますね。ホールドしながらもすぐにパンチを出す、ナァツはこのホールドを引き抜こうと力を使ってしまっている、という状況。
ちょっと緑川の手数が増えてきたか、それに比例してヒット数も増えてきている気がします。
7R、ナァツは強い攻撃。ナァツはちょっと感情的になっているかもしれません。意図して力を使っているのなら良いですが、このホールドにかなりイライラしていて、ということであればあまり良くありません。
お互いに右のアッパーがよく当たる展開、激闘です。
8R、このラウンドも近い距離での打ち合い、ナァツがワンツーをヒットすると緑川の右もヒット。両者ともにダメージも疲労も蓄積してきたか、というラウンド、激闘というか死闘の様相を呈してきました。
9R、互いに動きは落ちません。前ラウンドの終盤、両者ともにダメージを負ったと思いましたが、しっかりと立て直してきました。緑川はやはりクリンチで休むのが巧い、これはほぼホールドですが、これを振りほどくのにナァツが力を使ってしまっているのは良くないところ。
ラストラウンド、このラウンドは若干の距離が空いたか、そこから踏み込んでくるナァツに緑川のカウンターは強いパンチではありませんが効果的です。
ここで緑川に減点、ホールディングでしょうか。もっと早めに取っていてもおかしくはなかったと思います。
再開後、ナァツが強い右をヒット、しかし緑川も強打で返します。中量級の激しいファイト、緑川も体全体を使って左右のフック。互いに気持ち良いぐらい打ち合って、ラウンドが終了。
判定は、95-94緑川、95-94ナァツ、そして、95-94で緑川、2-1の判定で緑川の勝利!
これはすごい。38歳、キックボクシングから転向してきてOPBF王者に。いやこれはとんでもないことです。快挙と言って良いでしょう。
正直、知らなかったボクサーですが、これは応援したいですね。
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