今週末は、海外、国内ともに興行が控えめです。
国内では興行自体、福岡で行われるREAL SOUL BOXINGという興行のみですね。
こちらはFUKUOKAジム主催の興行であり、地元選手が全5試合に出場するようですが、このコロナ禍の中、自主興行をしっかりと行う地方ジムは素敵です。観る手段はなさそうですが、是非全国に轟くような試合をしてもらいたいですね。
さて、来週は3/11(木)の大橋ジムのフェニックスバトル、そして3/14には刈谷で日本ユース・スーパーバンタム級タイトルマッチをメインに据えた緑ジム興行、GREEN Dreamの開催が決定しています。
ということで今回は、3/11(木)のフェニックスバトルのプレビューです。
ラスベガスで2連続KOの平岡アンディが1年8カ月ぶり国内リング 初メイン「楽しみたい」― スポニチ Sponichi Annex 格闘技
メインイベント 65.2kg契約8回戦
平岡アンディ(大橋)vs木村文佑(JM加古川)
大橋ジムの、だけでなく日本の中量級ホープである平岡アンディ、所属先の主催興行であるフェニックスバトルで初のメインイベントを飾ります。
井上尚弥(大橋)とともに、トップランク社と契約している平岡は、既に国内を卒業しているレベルにあるはずです。
本来であれば、地域タイトルの一つに挑戦する予定だったようですが、王者がこれを回避、今回はノンタイトル戦となりました。
対して木村は日本ランカーですが、2019年4月に最後の白星をあげてから2敗1分と苦戦しています。
ちなみに平岡と木村は、2018年2月に対戦し、この時は平岡のフルマークの勝利。そこから差がつまったのか、と考えると、開いている印象。
前戦、平岡は木村を圧倒しながらも仕留めきれませんでした。
本場で戦っていくなら、ここはペースを渡さない、完封どころでは物足りません。平岡には、完全なストップ勝ちを期待したいです。
セミファイナル 54.5kg契約6回戦
武居由樹(大橋)vs高井一憲(中日)
元K-1の世界王者のボクシングデビュー戦。6回戦デビューは良いとしても、この試合がセミファイナルなのは少し不思議です。
ただ、この武居のボクシングセンスは素晴らしく、ここまで大橋ジムのYoutubeチャンネルで上がっている動画、溜田剛士とのプロテスト映像、そして先日行われたチャリティーボクシングイベント、LEGENDでの木村翔(花形)とのスパーリング。
パンチの打ち終わりのポジショニング、上体の動き等、まだボクシングにアジャストできていない部分は散見されるものの、もともとの距離感はよく、パンチもありそうで非常に楽しみなボクサーです。
対して高井は、2017年の中日本新人王ですが、地区対抗戦で1勝をあげてから勝ち星に恵まれていないボクサー。通算6勝(3KO)7敗3分という戦績ですが、直近では5敗1分、なかなか厳しい状況ながらこの試合を受けた侠気には拍手を贈りたいです。
大注目の武居のデビュー戦、プロボクシング16戦のキャリアを誇る高井には、ただの噛ませ犬で終わってほしくありません。できればフルラウンドの粘りを見せてもらいたいですね。
スーパーフライ級8回戦
桑原拓(大橋)vs湊義生(JM加古川)
メイン、セミファイナルよりも実は楽しみなのはこちらの一戦。大橋ジム期待のホープ、スピードスター桑原拓。7戦全勝(4KO)という連勝街道を歩む元アマエリートですが、プロデビューからもうすぐ3年、まだ試練といわれるような一戦はありません。
対する湊は、弱冠22歳ですが、既に12戦のキャリア(9勝4KO3敗)を持つ、2018年の全日本新人王です。3敗のうち2つは白石聖(井岡)、1つは現日本フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、新人王奪取後は強敵としか戦っていません。
強豪と戦いつつ力をつけてきたであろうこの叩き上げのボクサーは、前戦で元日本王者の大場浩平(サンライズ)の夢を砕く2RTKO勝利をあげ、勢いにのります。
スピード、技巧に上回る桑原に対し、湊がどのように攻略を試みるのか。おそらく下馬評は桑原優位、桑原としては力の差を見せつけたいところでしょう。
桑原とするとここは勝ち方が問われる試合となりますが、湊はハートの強さがある分侮れない相手。桑原のここまでのキャリアの中で、一番の強敵と言えるのではないでしょうか。
アマエリートとプロ叩き上げ、 絵に描いたような盛り上がる構図を持つこの一戦、非常に楽しみです。
日本ユース・ウェルター級王座決定戦
安達陸虎(大橋)vs小畑武尊(ダッシュ東保)
試合日はともに22歳というふたりのボクサーが、ユース王座決定戦で激突。
安達は井岡弘樹ジムから大橋ジムへ移籍、コロナ禍で時間がかかりましたがようやく移籍初戦を迎えます。16戦14勝(11KO)2敗。
小畑は14戦8勝(3KO)5敗1分という戦績ですが、前戦ではメキシコ帰りの逆輸入ボクサー、坂井祥紀(横浜光)を相手にフルラウンドを戦い、3-0の判定ながら、キャリアの差を考えると善戦したともいえる内容でした。
この両者は、2017年の新人王トーナメントを勝ちぬき、ともに西軍代表(安達はウェルター級、小畑はライト級)として東軍と戦った新人王同期。巡り巡って同じ階級となり、今回拳を交える事になりました。
181cmと長身の安達に対して、小畑は近づいて戦いたいところでしょう。この小畑、坂井戦でも見せたようにガードの技術、上体のディフェンステクニックがなかなか良い選手。一方で攻めてにか欠けるのも事実ですので、勇気を持って安達の懐に飛び込めるかが鍵となりそうです。
対して安達は焦らず、狙いすぎず、ジャブで突き放してストレートを刺す、近づかれたアッパーというようにどちらかというとアウトボクシングよりの戦い方ができれば、坂井よりも明確にこの小畑に勝てるかもしれません。
いずれにしろ若い二人のボクサーのこのユース王座戦、非常に楽しみです。
さて、このフェニックスバトルは、通常数日後の深夜、フジテレビがディレイ放送してくれます。(当然の関東ローカル)関東の皆様は是非。