今週も国内ボクシングがアツい。
7/6(水)、7/8(金)、7/9(土)、7/10(日)と立て続けに興行がありますね。
海外戦もあるので、全ては見切れないとは思いますが、その中でもライブ配信も多くて有り難い。
ボクシングファンには様々な方がいると思うので、プラットフォームは別れてはいるものの、少しでも見れる興行が多い事は良い事です。
ということで今回は、上述の4日間に渡る興行を一気にプレビューです。(一気に、とか書いてから書き始めたら、結局長くなってしまったので2度に分けます笑。今回は前編、7/6と7/8の興行です!)
7/6(水)WATANABE PROMOTION
世界目前の重岡兄弟が臨む、熊本での凱旋防衛試合!
WBOアジアパシフィック・ミニマム級タイトルマッチ
重岡優大(ワタナベ)4勝(2KO)無敗
vs
グリス・ガノーサ(フィリピン)19勝(9KO)3敗
弟、銀次朗に続き、2019年にプロデビューした重岡優大。デビュー戦こそよくわからないタイ人が相手でしたが、デビュー2戦目では当時のOPBF東洋太平洋王者、リト・ダンテ(フィリピン)をノンタイトル戦(6回戦)で破り、続く3戦目では新鋭堀川龍(三迫)に5RTKO勝利して日本ユース・ライトフライ級タイトルを獲得。
前戦は2021年11月のWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦で、元OPBF王者の小浦翼(E&Jカシアス)に僅差で競り勝って戴冠しました。
非常にバランスのとれたサウスポーで、アマ82勝10敗とキャリアも十分、こんなところで足踏みするわけには行きません。
対戦相手のガノーサについては映像を見ていませんが、「アイアイ」という愛称を持つサウスポー、あまり強豪との対戦経験はありません。唯一、エドワード・ヘノ(フィリピン/エルウィン・ソトの世界タイトルに挑んで判定負け)と戦っていますが、9RTKOで敗北しています。
19勝の内訳も、負け越しボクサー相手が多く、おそらく戦績ほどの強さはないのではないでしょうか。
唯一キャリアは重岡に勝ってはいるものの、危険な相手、とは呼べないような気がします。
日本ミニマム級タイトルマッチ
重岡銀次朗(ワタナベ)7勝(5KO)無敗
vs
春口直也(橋口)17勝(6KO)12敗
兄・優大よりも1年早くプロ入りした銀次朗は、プロ4戦目でWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座を決定戦で戴冠。
初防衛戦ではベテランで世界挑戦経験もあるレイ・ロリト(大成)を5RKOで降し、世界ランク入りの躍進。次の防衛戦では勢いのある川満俊輝(三迫)を2RTKO、王座を返上して臨んだ日本ミニマム級王座決定戦では仲島辰郎(平仲)を判定で退け、オキナワン・ボクサーを2タテして今回の初防衛戦を迎えます。
世界ランキングは、最上位のWBCではトップコンテンダー、WBO3位、WBAとIBFで5位につけ、世界挑戦目前。リングマガジンのミニマム級ランキングでも8位につけており、世界的評価も高いといえるでしょう。
挑戦者の春口は、前戦となる日本ミニマム級挑戦者決定戦では石澤開(M.T)に敗れてからの再起戦となる試合での王座挑戦。ミニマム級自体、ランカーが少ないため仕方のないことですが、こうなると流石に重岡の地位を脅かすという脅威は少なく、(石澤が春口を倒した)4Rまでに勝負が決まるか否か、が焦点となってもおかしくはありません。
凱旋防衛は、ある種の鬼門
ともあれ、重岡兄弟に求められるのは、「相手に何もさせない圧勝」であり、「更に上のレベルを期待される試合内容」なはずです。
これまでの実績やパフォーマンスを考えると、王者圧倒的優位は明らかな中で、唯一の不安というのはこの試合が熊本で行われる「凱旋試合」という事なのです。
ただ勝てば良いだけの試合ではない上に、力みのもとになる凱旋試合。
これまでも凱旋試合で陥落してきた王座は数知れず、重岡兄弟には一層気を引き締め、リングに上ってもらいたいですね。
放送・配信
この興行は、BoxingRaiseが後日録画配信の予定です。
試合当日の深夜には、メインとセミ、くらいはアップされるのではないかと思っていますが、果たして。
なので私は情報遮断して、翌日にBoxingRaiseをチェックします。
7/8(金)A.sign Bee
56.5kg契約8回戦
二瓶竜弥(DANGAN郡山)7勝(1KO)2敗1分
vs
中川麦茶(一力)24勝(14KO)8敗2分
栗原慶太、近藤明広というふたりのOPBF東洋太平洋王者を擁し、「大手」とは言えないにも関わらず移籍するボクサーが非常に多いイメージの一力ジム。移籍してきたボクサーにも本当に多くのチャンスをつくる素晴らしいジム主催の興行です。
メインイベントは移籍2戦目、かつブランクからの復帰2戦目となる中川麦茶を抜擢です。
2019年8月、WBCの地域王座戦にフィリピンで挑み惜敗を喫した中川は引退、そこから2年8ヶ月後となる2022年4月に復帰。
その復帰戦は世界ランカーの赤穂亮(横浜光)だっただけに、大きな不利予想でした。
奥さんのパンツを振り回しながら入場した(!!)中川は、赤穂をイライラさせ続け、赤穂の悪い部分を引き出しに引き出して大いに善戦。ポイントは2〜6ポイントほどの差がつきましたが、これはもっと詰まっていても良い位だったように感じました。
奥さんのパンツを振り回して入場するほどの強いハートの持ち主だから、赤穂のハードパンチも全く怖くはなかったのでしょう。
さて、今回も好パフォーマンスが期待される中川、対戦相手は若きA級ボクサー、二瓶。
二瓶は前戦で溝越斗夢(緑)にスプリットの判定勝利、今回がA級初戦となるボクサー。さすがに赤穂と比べると、質において何段も落ちるものの、強敵と言って良いでしょう。
二瓶は「赤穂を苦戦させた」中川を喰えば大きく名前を売れる一戦、モチベーションは高いでしょう。
こういう下から突き上げてくるボクサーとの対戦は、リスクを伴いますが、二瓶のようにさほど経験のないボクサーを仮に完封したとしてもリターンは少ない。中川にとってはハイリスク・ローリターンではありますが、試合感覚を空けたくないということもあるのでしょうね。
どっちが勝っても今後がおもしろい、私にとってはそんな一戦です。
放送・配信
このブログを書いている7/4(月)現在、配信情報は出ていません。以前の興行(栗原慶太vs小國以載)はZAIKOでのPPVがありましたが、今回はPPVというわけにはいかないでしょう。
過去の実績を鑑みると、A-SIGN.BOXINGのYoutubeチャンネルで後日録画配信とか?
また情報があればお伝えします。
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