信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】WBA世界バンタム級戦、井上拓真vsリボリオ・ソリス!目指すはリゴンドーvsソリスの再来か。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

4/8(土)まであとちょっと。

先日からプレビュー記事を書いているわけですが、何せ1試合ずつの内容が濃くなりすぎてしまって、1記事で収まらないのが大変です。

そんなわけで1試合につき1記事、という事で出していきたいと思います。どうかお付き合いください。

そんなわけで、今回のブログでは、Amazonプライムビデオpresents「LIVE BOXING」から、私的セミファイナル(試合の格的には)、井上拓真vsリボリオ・ソリスの一戦をプレビュー。

 

4/8(土)LIVE BOXING

WBA世界バンタム級王座決定戦

井上拓真(大橋)17勝(4KO)1敗

vs

リボリオ・ソリス(ベネズエラ)35勝(16KO)6敗1分

2022年、史上はじめて世界バンタム級4団体統一王者となった井上尚弥。その井上尚弥が返上したタイトルは、各団体が定めた上位ランカー同士の王座決定戦で争われる事になっています。

そしてそのバンタム級の王者を決める最初の戦いがこの井上拓真vsリボリオ・ソリス。

2013年12月にプロデビューした井上拓真は、今年でプロデビュー10周年を迎えるメモリアル・イヤー。兄・井上尚弥と同じくライトフライ級でプロデビューしています。

このデビュー戦の相手は、のちにWBO世界ミニマム級王者となる福原辰弥(当時本田フィットネス)。福原は当時日本ランクを持っていました。

思えば最初から、井上拓真はハードマッチメイクだったわけですね。

 

その後は外国人選手を招聘して勝利を重ね、プロデビューからわずか5戦目でOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得。その王座を2度防衛した後返上すると、ここからさらにとんでもマッチメイクに磨きをかけていくことになります。

まずはのちの世界挑戦者、フローイラン・サルダール(フィリピン)。サルダールの敗北はこの頃はまだマックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)に喫した1敗のみでした。サルダール相手には初回にダウンを喫するも、その後修正しての見事な判定勝利。

その後は久高寛之(当時仲里)、益田健太郎(当時新日本木村)といったベテラン勢を連破し、契約ウェイトも少しずつ上げていき、益田戦の次に戦ったワルド・サブ(インドネシア)戦では54.5kg契約までウェイトが上がりました。これはバンタム級+約1kgというウェイトです。

そして当時の「日本人キラー」代表のマーク・ジョン・ヤップ(当時六島)とのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を勝ち抜き、2018年12月30日、WBC世界バンタム級暫定王座決定戦へ出場します。

ここまで来るのに5年、井上拓真という才能を持ってしては随分長い期間がかかった、と感じますが、本来であれば拓真の世界初挑戦は2016年末の予定でした。しかし、この試合の1ヶ月超前に拳を負傷した井上陣営は、拓真の世界挑戦を断念しています。ちなみにこの時の相手はマーロン・タパレス(フィリピン)、今思えばこれは見たかった。

 

ともあれ、ようやく決まったペッチ・CPフレッシュマート(またはタサーナ・サラパット。タイ)との世界戦は、全く負ける気がしないものではありました。

この試合に勝利して暫定王座のベルトを巻いた拓真でしたが、翌2019年の11/7、井上尚弥vsノニト・ドネア第一戦のセミファイナルで、正規王者のノルディーヌ・ウバーリ(フランス)にダウンを奪われての判定負け。

ウバーリも非常にレベルの高いボクサーでしたが、これは非常に残念な結果となりました。が、結局ここで拓真が敗北したことで、井上尚弥が4団体統一に進めたのだと考えることもできますね。

ともあれ、ウバーリ戦ではダウンを奪われたものの、後半に向かって巻き返し、終盤は期待を抱かせるラウンドもありました。「もう一度やれれば。。。」というのはありましたが、「もう一度」が簡単にいかないのがボクシング。(簡単にいく場合があるのもボクシングw)

ただ、この1つの敗北は、井上拓真というボクサーがアイデンティティを確立するためのきっかけになった敗北だったのかもしれません。

その敗戦後、井上拓真が再起戦の相手に選んだのはなんと当時の(かつ、現在の)OPBF東洋太平洋バンタム級王者、栗原慶太(一力)。拓真にとっては1年以上のブランクがあり、その中で初めての階級、しかも相手は世界へ踏み出そうかという栗原。これ以上ない危険なマッチアップで、久高や益田を相手にしていた時よりも更に本気を通り越したようなマッチメイク。

 

この試練と言える一戦を、なんと完封という勝利で乗り切った拓真。まさかここまで力の差があったのか、と思う程の一戦で、「スラッガー」と呼ばれる栗原の強打はことごとく空転。このときの井上拓真の「リゴンドー」スタイルともいえるボクシングは意外でもありましたが、当時は「対栗原」のボクシングだと思っていました。

この勝利のあと、栗原から奪い取ったOPBF王座は即刻返上、世界挑戦の準備に入る、というニュース。しかしその世界戦のニュースは訪れず、続いてはWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦、和氣慎吾(FLARE山上)との一戦でした。

もしかするとこの時は、スーパーバンタム級も視野に入っていたのかもしれませんね。

その一戦でも出色のパフォーマンスを見せ、和氣を相手にダウンを奪っての完勝。さらにそのタイトルを元手に日本スーパーバンタム級王者、古橋岳也(川崎新田)を降してタイトルを統一、スーパーバンタム級でも国内最強を証明。

スーパーバンタム級の国内の強豪を次々と片付けていったことから、世界ランクはスーパーバンタム級で上位にランクイン、それでもWBAだけはバンタム級でのランクインでした。これは、大橋陣営からひとことWBAに伝えていたのかもしれませんね。

ともあれ、世界前哨戦として戦ったジェイク・ボルネア(フィリピン)戦ではじつに2017年5月以来のTKO勝利。「機は熟した」そんな言葉がぴったりの井上拓真が、いよいよ正規王座獲りへと進みます。

 

日本のボクシングファンにはお馴染み、リボリオ・ソリス

対するのはリボリオ・ソリス、日本のボクシングファンにはお馴染みのボクサーです。

ソリスのデビューは2000年(!)ですが、4戦したあと、5年以上のブランクを作っていますね。

再デビューから3戦目で初黒星、その後は4連勝のあと2連敗、キャリア初期はさほど目立った戦績ではありませんでした。

その連敗の2つ目の負けが2011年2月でしたが、その後4月、6月、10月と戦って勝利すると12月にはWBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦に出場、これにスプリット判定で勝利して王座初戴冠。

この王座を当時の正規王者、河野公平(当時ワタナベ)と争い、マジョリティ判定により勝利、団体内王座統一を果たします。これがソリスの初来日。

その統一王座の初防衛戦でソリスは体重超過して王座を剥奪、これが2度目の来日となった亀田大毅(当時亀田)戦です。この戦いには勝利しますが、無冠に(別件で亀田も色々ありました)。

 

その後、バンタム級に転級したソリスは、2016年にWBC世界バンタム級タイトルマッチに出場。当時の王者は、「神の左」と呼ばれた山中慎介(当時帝拳)。この戦いではダウンを奪う大健闘を見せますが、判定負けに終わっています。これはポイント差以上にハラハラした一戦でした。

同年にWBA世界バンタム級王者、ジェイミー・マクドネル(イギリス)にも挑戦し、失敗。この勝負の判定は大いに議論の余地のある判定で、バリバリの地元判定だったがために再戦が決定。しかしこの再戦では、バッティングによりノーコンテストになってしまっています。

こんな事でへこたれないソリスは、その後も中米や南米のボクサーたちと戦い続け、2020年2月にギジェルモ・リゴンドー(キューバ)とのWBA世界バンタム級王座決定戦に出場。ここではスプリットの判定で敗北。ただ、ここはリゴンドーがダウンを奪ってもいますし、ソリス勝利としたジャッジは更迭されてもおかしくないレベルのヘンテコジャッジ。

可哀想なのかそうでないのか、よくわからないのがこのソリスのキャリアであり、明らかな地元判定で敗れた試合もあれば、なんだかんだと格下としか試合をしていない(しかも6回戦とかまである)のにWBAだけはランキングを落とさないという不思議なもの。

ともあれ、41歳になっても未だ一定の実力を有しているのも事実であり、「パワー」というものが年を経てもさほど衰えない事を考えると、やっぱり危険なボクサーであることは疑いようがありません。

 

拓真が目指すはリゴンドーvsソリスの再来か

そんなわけで、やっぱり井上拓真優位の予想がたつのがこの試合。

井上拓真がここ最近見せているボクシングは、対ソリスへの最適解にも思えます。

リボリオ・ソリスというのはやはり怖さのあるボクサーで、タフで、打ち合ってしまうと井上拓真といえど危ういシーンが訪れる可能性があります。

そもそも、南米特有の動きをするソリスのボクシングを、どれほど早い段階で見切れるか、というのが勝利への鍵となるわけで、これが遅れれば遅れるほど危うくもなっていきます。さらに、これを見切る前に1発をもらってしまった場合、拓真のダウンシーンも考えられます。

基本、「パンチの交換」をしてしまうと、山中慎介vsリボリオ・ソリスのような展開になってしまうので、拓真としてはまずは相手のパンチを当てさせないということを基本に、下がりつつのカウンターボクシングを展開したいところでしょう。

それで、ソリスを倒しきれるかというと正直難しいはず。

 

リボリオ・ソリスというボクサーは、42戦のうちでダウン経験はあれど、ストップ負けの経験はありません。もしソリスからダウンを奪ったとしても、そこで一気に詰めてしまうと手痛いしっぺ返しを食うことも考えに入れておかなければいけません。なので、井上拓真としては冷静さを保ち(これはおそらく大丈夫)、更に「行けるときにも我慢する」(これは結構難しいような気がする。兄がアレなので。)ということが重要な気がします。

ともあれ、2019年11月に王座を失って以来、3年と5ヶ月。やっぱり井上拓真という才能を考えれば、非常に長い無冠の時期だったし、このボクサーがまだ(正規の)世界タイトルを手にしていないというのは、実力のほかにやはり運というものの大きさを感じます。

2023年4月8日、ここは絶対に獲らなければいけません。そして願わくば、2023年7月に延期になったフルトンvs井上尚弥のアンダーとかに出場するくらいのものを見せてほしい。

井上兄弟がなし得ていないことに、「兄弟同時王座防衛」というものがあります。

それを7月に、叶わなければ年末にでも見せてもらいたいものです。

 

 

放送・配信

Amazonプライムビデオ presents 4/8(土)「LIVE BOXING」は16:00からの放送開始。

話題の5試合はすべて生配信の対象のようです。

現在Amazonプライム・ビデオでは、那須川天心デビュー戦直前スペシャルも配信中!

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