日本時間9/22(日)は、リヤドシーズン・ウェンブリーエディション。
この日と日程をずらす必要があったかどうかはわかりませんが、アメリカの注目興行は現地時間で9/20、日本時間で9/21(土)に行われます。
ネクスト・メキシカンスター、と今も言って良いのかどうかはわかりませんが、ハイメ・ムンギアの復帰戦は、アルメニア出身のエリック・バジニャンです。
これはまた非常に興味深い戦いで、タイトルショットではないですが同等レベルの戦いだと思います。
ということで今回のブログは、ムンギアvsバジニャン、リヤドシーズンの影響で隠れてしまった注目ファイトのプレビューです。
9/20(日本時間9/21)アメリカ・アリゾナ
ハイメ・ムンギア(メキシコ)43勝(34KO)1敗
vs
エリック・バジニャン(カナダ)32勝(23KO)無敗1分
サウル「カネロ」アルバレスにダウンを奪われながら粘り、ある一定のポテンシャルを見せてくれたハイメ・ムンギア。
43戦していますが、まだ27歳と若く、この敗北を糧としてここから大きく羽ばたくことは十分にあり得るボクサーです。
2018年にWBO世界スーパーウェルター級タイトルを獲得、その後2020年に返上してから随分とたちますが、その間、ミドル級、スーパーミドル級と上がるも世界タイトルのチャンスは先日のカネロ戦までなく。この間のパフォーマンスも良かったり、思った以上ではなかったり、とありましたが、比較的安定している方だとも思います。
ジョン・ライダー(イギリス)を9Rでノックアウトして(これまだ今年の話だったんだ。。。)カネロに挑んだ、という経緯を考えれば、打倒カネロを十分に期待できるボクサーだったのだと思います。
しかし、カネロは非常に安定しており、試合を通してムンギアの勝ち筋は見えず。
この一つのビッグマッチに辿り着いたことは、ムンギアにとって満足感を得られてしまったのか、それともさらにハングリーになったのか。
いずれにせよ、この初黒星からの復帰戦の相手は、全くもって簡単な相手ではない、どころか、ネームバリューこそないもののかなり難しい相手です。
まだ世間に知られていないエリック・バジニャンは、アルメニアの出身です。アルメニアは中央アジアに分類される国で、当然の如く旧ソ連の流れを汲む、フィジカルと技術を融合されたボクシングをする国ですね。
前戦でシャキール・フィン(カナダ)というボクサーと引き分けを演じている以外は全勝で、KO率は70%以上と高い。このボクサーはステップワークが良く、足は細いのですがフィジカルも強く、タイミングが良いボクサーです。中間距離から接近戦で戦うタイプのボクサーで、相手のジャブの打ち終わりに合わせる右クロスは非常に特徴的、印象的なノックアウト勝利をいくつも挙げていることが特徴です。
アルメニア出身のバジニャンは、現在カナダ国籍。今の住まいはカナダのケベック州、今ボクシングが非常にアツい地域です。
アルツール・ベテルビエフ、クリスチャン・ムビリ、他多くの元々は外国籍のボクサーたちを擁するこのケベック州というところは、本当に懐が広く、行き場のないボクサーたちが集まる場所となっているようなイメージです。とはいえ流石にキューバとかからはこんな寒い地域にはこないでしょうけど。
ともあれ、そんなケベック州の土壌でキャリアをスタートさせたバジニャンは、2018年頃から地域タイトルに絡み出し、2023年には元タイトルチャレンジャー、アランテス・フォックス(アメリカ)を破っています。
その後もロナルド・エリス(アメリカ)を6Rでノックアウトしたこのバジニャンというボクサーは、この階級で間違いなくムビリの次に期待されているボクサーです。
カナダ・ケベックのボクシングの隆盛には、Eye of the Tiger(EOTT)というやり手のプロモーション会社の存在が大きい。このEOTTはカナダで興行を打ちつつ、トップランクと提携関係を築き、それをアメリカ全土にESPNを通じて流す、という活動を行なっており、ムビリにしてもこのバジニャンにしても、もう何度かESPNの放送網に乗っかっています。
さて、ムンギアはゴールデンボーイプロモーションを離れ、今回がトップランクデビュー。
ESPNしか契約していないボクシングファン(そんな奴はいない説)にとっては、初ムンギアです。
オッズは大きくムンギアが優位。ただし、これは知名度によるところが大きいでしょう。
バジニャンは、大きなストレスなく、ビッグネームに挑めることになりますし、ビッグファイトの経験、そして初黒星の経験があった後のムンギアの状態はわからないから、アップセットは起こりうることです。
バジニャンはこれに勝利すればEOTTの中でもムビリと並び称されるボクサーになるし、すでに世界の上位ランカーであるから、カネロ挑戦も視野に入ってきます。
当然ムンギアは連敗なんてするわけにはいかず、どちらにとっても気合の入る戦いでしょう。
決戦の地は、アリゾナ。果たしてどのような戦いになるのか、非常に楽しみです。
配信情報とアンダーカード!
アンダーカードには、東京五輪の銀メダリスト、リチャード・トーレスJr(アメリカ)が登場です。前戦では無敗のボクサーと対戦し、地域タイトルを獲得しているので、ここからいよいよ骨のある相手とのマッチアップが見られるか、と思いきやそうでもないようです。
他の注目のアンダーといえばやっぱりエミリアーノ・バルガス(アメリカ)、親父のこともよく知っている私たち世代のボクシングファンにはこのジュニアの活躍というのは本当に嬉しいものです。まだ20歳、じっくりとキャリアを積んでもらいたいもの。
アンダーカードのオープニングファイトはバルガスと同じく20歳のスティーブン・ナバロ(アメリカ)でしょうか。こちらは非常に注目のプロスペクト、当然まだまだキャリアの形成期ですが、スーパーフライ級という階級を考えれば、意外とそのステップアップは早いかもしれません。
なお、この興行はトップランク興行で、ESPNで配信されます。
ESPN興行は日本では見れません、と言いたいところですが、ここでなぜかWOWOWが日本でもこの試合を放映してくれます。
放送日時は9/21(土)10:00〜、オンデマンド配信ですね。
WOWOWが放映するのは「ビッグマッチ」という印象でしたが、こういう興行までライブ配信してくれる、となれば嬉しい限りですね。
ということでデュボアvsジョシュアの前日はWOWOWで。今週もボクシングを楽しみましょう。
↓デュボアvsジョシュアのプレビュー
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