イギリスはウェンブリースタジアム。
現地時間9/21(土)、日本時間で9/22の深夜に始まったこの興行は、10万人近い観衆を集めて行われたようです。
個人的にはこの3連休は忙しく、少し寝ないともたないので、いつも通りライブ視聴は諦めてディレイ視聴です。
さらに言えば視聴開始は夜中なので、今日も寝ないといけないので残念ながらメインのみの視聴です。ということで今回は、オッズはジョシュア優位も、かなり50-50に近い戦いのように思うこの試合、アンソニー・ジョシュアvsダニエル・ダイナマイト・デュボアの観戦記。
↓プレビュー記事
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9/21(日本時間9/22)イギリス
IBF世界ヘビー級タイトルマッチ
ダニエル・デュボア(イギリス)21勝(20KO)2敗
vs
アンソニー・ジョシュア(イギリス)28勝(25KO)3敗
メインのみの視聴。。。とか思いつつも、やっぱり気になるのはリアム・ギャラガーの存在です。
マイケル・バッファーのリングコールで、リアムがいつも通りタンバリンを持って入場です。
そして最初の曲は予想通り「Rock'n Roll Star」です。そして予想通り、あまり声は出ていません。でも、もうこれで良いのです。(注:これが良いではなくこれで良い、仕方ない、という妥協)
出てきてくれただけでも大満足です。
小綺麗になった髪型と、いつものクソダサいモッズコート、これがoasisのリアム・ギャラガーというスーパースターです。
そして2曲目!これが「Supersonic」です!!!
↓アンダーカードのプレビューと謳いつつ、リアムについて書いた記事
いつものガニ股スタイル、下から煽るようにマイクに近づく姿、これはリアム・ギャラガー個人のスタイルではありますが、明らかにビーディー・アイの時代とは違う高揚感があるのは、2025年の今頃にoasisが復帰する、というニュースをちゃんと信じているからです。ビーディー・アイ時代にoasisの曲を演奏するのとは訳が違う。と、思い込んでいます。
そして最後の曲はまさかの「Cigarettes&Alchol」。
いやまあ確かに「まさか」ってほどではないのでしょうけど、タバコも酒もスポーツの祭典には相応しくはないでしょう。タンバリンヘッドもタンバリンマウスも出ませんでしたが、畳み掛けるように3曲のクラシックソングを披露したリアム・ギャラガー。
これをoasisを好きではない人、疎ましく思う人もいるのかもしれませんが、個人的には満足です。
そしてその高揚感の中、いよいよ両選手が入場です。
スタジアムファイトというのはジョシュアのために用意されたものでしょうが、デュボアの人気もなかなかのもの。ただ、やはりAJには敵いません。
白を身に纏ったジョシュア、黒を纏ったデュボア。デュボアはヒールと呼べるボクサーではありませんが、明らかにベビーフェイスがジョシュアです。
そしてランブルの準備をして、ゴング。
初回、大きな歓声と共にプレスをかけるのはデュボア。まずはジャブで攻め入るとジョシュアはステップワークで回避。
しかし30秒とたたないうちにデュボアがコンビネーションで攻め入ります。デュボアはガードを高く掲げ、しっかりとボクシング。このジャブは以前に比べてモーションなく打っており、これは自身が敗北したジョイスの力感のないジャブによく似ています。脇が閉まっていないところはありますが。
中盤、ジョシュアはこのデュボアのジャブに右クロスをあわせますが、デュボアは距離がつまるとジャブから右に繋げ、やる気満々で引く素振りを見せません。
かなりハイペースで捲し立てているように見えるデュボア、判定決着は考えていないかもしれません。
終盤は互いに右スイングを空振り、ヒヤッとする場面が訪れますが、その後デュボアが右を振り抜くとジョシュアはマットにグローブをタッチ!!ダウン!!!
いきなり試合の山場が訪れます!明らかにデュボアはスタミナを使って早期決着を望んでいるか。
これは。。。打たれて比較的脆いジョシュアは痛恨のダメージかもしれません。
2R、ここでジョシュアも強く出てきて左フックをヒット。しかしデュボアは全く怯まず、強くチャージ!!左右のフックを叩きつけ、ジョシュアは明らかなダメージを負います!!
高いガードを保持し続け、左右のフックを振り回すデュボア、ジョシュアは丁寧にジャブを突いてデュボアを突き放そうとしていますが、このデュボアはしっかりとこのジャブに反応しています。ジョシュアのガードが低いところも非常に気になるところ。
デュボアはグイグイとプレス、ジョシュアはサークリングで押されているように見えます。
1発のジャブには反応できるジョシュアですが、デュボアがダブルトリプルと突いてくるとちょっと反応できていません。それだけ、デュボアのジャブは軌道が良いのでしょう。
ちょっとバランスを崩す場面が多いように思うジョシュアですが、このジャブで立て直しを図っています。
今日のデュボアは非常に凶暴でもありますが、このジャブを丁寧に躱すあたりを見ていると冷静さも持ち合わせています。
3R、早々にジャブから右のスイングで攻めいったデュボア、この右のスイングがガードの低いジョシュアに非常に有効です。
ジョシュアのジャブの打ち終わりにジャブをヒットし、右は外側から回すデュボア、ジョシュアはこれを距離をとって躱せれば良いのですが、それができません。上手くはないブロッキングに頼り、そこで空いた部分にヒットを許しています。
中盤、デュボアが入ってきたところに右アッパーを合わせたジョシュア。これはさすがの技術ですが、当たりが浅かったか、ここでもデュボアは怯みません。
ちょっとジリ貧になっている感じもあるジョシュアは、強いジャブこそ出しますが、これでデュボアを止めることはできず、右をミスブローした後に右を返され、その後左フックをフォローされてこれがヒット、大きく足を泳がせます!!
ここはもうチャージのデュボア、ジョシュアはクリンチ、しかしパンチを振るうデュボアはジョシュアをメッタ打ちにしてラウンド終了と同時の左アッパーでダウンを奪取!!
なんとか立ち上がったジョシュアですが、これはもはや決定的なダメージではないでしょうか。
スロー映像が流れると、気づきませんでしたがデュボアのラッシュ途中にジョシュアは両グローブをマットにタッチしています。これはダウン宣告となっていませんが、これはダウンと取られていた方が余計なダメージを負わずに済んだのではないでしょうか。
4R。まだ4Rです。なんとも濃密な序盤。というか、終わりは近いかもしれません。
かなりのダメージを感じさせるジョシュアは、ガードの上からデュボアの左フックをもらって足を滑らせ、これはノックダウン。
しかしまだ諦めることはなく、試合が再開されると強いコンビネーション!ダメージを負ったとはいえ、ジョシュアはまだ倒せるパンチを持っているはずです。
立ち上がり、余裕を見せるジョシュアですが、頭を下げてしまい、それがデュボアに当たって跳ね返されるとまたもダウン。レフェリーは手をクロスさせていましたが、これは終了の合図ではなくスリップのジェスチャーだったようです。レフェリー下手くそか。実況もIt's Overとか言っちゃってるじゃないか。
そこから立ち上がったジョシュアを攻め立てるデュボア、相変わらずジャブと右のスイング、そして左フックです。ジョシュアはこれをクリンチ、というかもはや抱きついてなんとか凌ぐ時間。
デュボアはローブローの注意を受けてもいますが、とにかくパワーパンチを振るっていくスタイルで、このパワーパンチでジョシュアはガードの上からでも多大なダメージを被っています。
ガードをあげて逃げまくるジョシュア、その中でも1発のカウンター、試合をひっくり返す一撃を狙っています!その1発で試合をひっくり返すパンチは右のアッパーカット!
クリンチ、ジャブ、カウンターで立て直しを図るジョシュア、このラウンドをサバイブ。
5R、このチャンスにもファイティングポーズは雑にならないデュボアは、しっかりとガードを高く掲げてジャブからスタート。なんともこんなにも几帳面なボクサーだったか。
しかしこのラウンド、なんとジョシュアが一瞬沈み込んでからの右をヒット!今度はデュボアの足が揃います!!
千載一遇のチャンスを得たジョシュア!!ここから強い右パンチを放って一気呵成に攻め込みます!!ここからまさかの逆転か、というところからなんとデュボアが右カウンターをヒット!!!!転げ落ちるようにジョシュアがダウン!!!!
なんとか立ちあがろうとするジョシュアですが、すでに平衡感覚を完全に失っており、テンカウント以内に立ち上がることはできず!!!!
ダニエル・デュボア、5RKO勝利!!!!
なんという素晴らしいノックアウト勝利!!
早々にアクション満載の戦いとなったこのファイトは、まさにヘビー級らしい試合でした。
新世代のヘビー級は、ただ殴り合うだけでなく、技術の上にパワーが乗っかったようなスタイルです。最後のデュボアのカウンターは見事なもので、そのカウンターの前に右のリターンを決めてダメージを与えています。そこにきて、ここまで何度も当たってきた外から回す右。
その時に出したジョシュアのパンチセレクトは良いとはいえず、右のアッパーカットでした。これは、おそらくジョシュアが勝負パンチとして用意していたパンチで、確かに「ハ」の字型に開いたデュボアのファイティングポーズを見ると、この縦から入るアッパーは非常に有効かとも思いました。しかし、このパンチはついぞクリーンヒットをしませんでした。
4度のダウンを奪い、ダニエル「ダイナマイト」デュボアの圧勝。その字面を見ればその通りなんですが、この勝負は圧倒的な実力差というよりもやはり紙一重の差であったとも言えます。
それは、相手を完膚なきまでに叩きのめさんとする決意の強さであり、ウシクへのリベンジマッチへの渇望であり、過去の敗北と決別を意味するものでした。
それらの、やはり気持ちの面において、初回に様子を見ようとしたジョシュアと、絶対に倒し切るという決意を見せて最初からチャージしたデュボアでは、違いがあったように思います。
いずれにしろ、この日、強かったのはダイナマイト・デュボア。
ウシクvsフューリー2が無事に終わり、もしそれがウシク勝利であっても、フューリー勝利であっても、デュボアは万全の準備を持って臨むでしょう。
この戦いのように、徹底して倒すという気持ちを持って臨めば、ウシク相手でもフューリー相手でも非常に可能性があります。今日は本当に素晴らしい戦いを見せてくれました。
ノックアウトパンチとなったオーバーハンド気味の外側から回す右、というのは、ジョシュアに非常に効果的であったのは事実ですが、その前にしっかりと、それも何度もノーモーションの丁寧なジャブをとてもまっすぐに突いていました。これは、ジョー・ジョイスに初黒星を喫した際、ジャブの大切さを理解したためなのかもしれません。
これはまた、ヘビー級が楽しみになってきました。ダニエル「ダイナマイト」デュボア、2度目の王座は非常に楽しみな旅路となりそうです。そして破れたジョシュアも、最後まで諦めず、スーパースターが何たるかを見せてくれました。特に終盤、逆転を狙って強く攻め入ったところにもらったカウンターは、その倒され方にもまだまだ可能性を感じる出来事。ジョシュアもこれまで課題とされていたメンタル面の課題をある程度克服していたのかもしれません。
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