ど平日のトンデモ興行です。
これを土日に持ってくれば良いのでしょうが、そうはしないボクシング界はさすがです。
ともあれ、ネット配信があるとしてもこの平日の夜に全ての試合を見ることはできません。
これだけあれば結構大変ですが、アンダーカードについてはしっかりと情報遮断をした上で金曜日の夜中に視聴しようと思います。
ということでかろうじて見れたメインイベント、保田克也vs宇津木秀の観戦記。
11/21(木)フェニックスバトル
WBOアジアパシフィック・OPBF東洋太平洋ライト級王座統一戦
保田克也(大橋)14勝(9KO)1敗
vs
宇津木秀(ワタナベ)14勝(12KO)1敗
アンダーカードに楽しみな試合が数あれど、結局はこの試合が一番楽しみなのです。メインイベントであるべきカードがメインイベントである、というのは幸せなことです。
おそらく素晴らしい試合が多くなったであろうこの日の興行、メインイベントはそれらに負けず、「メイン」らしい試合になるか。
やっぱり今日のような興行であれば、観客もバッチリ多いですね。
初回のゴング。
まずはリング中央、保田が前手で牽制。宇津木がジリジリとプレスをかけていくという展開。
中盤、宇津木が出ようとしたところでしょうか、保田がワンツー。この左ストレートがヒットしています。宇津木も打たれて強いイメージはないのでこういうタイミングはちょっと心配ですね。
後半は宇津木がボディを交えてラッシュする場面、まだまだ様子見段階ながらもこれは好試合が期待できそうな展開ですね。
2R、宇津木が軽い右から入るパターンを見せます。本当に器用です。全くサウスポーを苦にしない戦い方ができますね。
宇津木は軽打で入ってから強打を打とう、という作戦なのでしょう、つまりは入ってからが勝負。だから保田としてはインサイドに入らせず、遠くで戦うことができれば強打は喰らわない。
保田は宇津木の入り際にタイミングの良い左、この左はなかなかアングルも良い。
3R、体勢をかなり低くしてインサイドに入ろうとする宇津木。距離を詰めることができれば宇津木の回転力が良い。その中で保田も常にカウンターを狙っています。
中盤、保田が重心を落とし、攻め入ります。アウトボックスだけではなく、ちゃんと見せ場を作ってきます。
4R、このラウンドは宇津木が強いプレス。早々にバッティングもありましたが、宇津木はペースアップして歩きながらの左右!
しつこく追いかけていく宇津木、そこに保田はガードを固めてエスケープしながらも、時折足を止めて迎え撃ちます!
しかしこの距離でより安定しているのは宇津木!ショートの右フックをヒットすると、保田はダウン!!
立ち上がった保田はガードを固めて前進、思い切ってくっつき、その後も足を使うよりもブロッキングで耐えつつも値千金のカウンター狙い。
ただ、こういう時にも冷静なのが宇津木。自らのパンチが当たるところで強打を振るう、というスタイルの宇津木は、ダウンを奪った右のショートをヒット。これで大きく体を泳がせた保田ですが、グローブをマットにタッチする行為はかろうじて耐えます。
保田が攻め入られる場面が多かった後半、宇津木の右に対してここで保田が右カウンターーー!!宇津木はダウン!!このダメージは甚大です!
残りの時間は40秒、ダウンは一度ずつですが一気に形成は逆転!
ここは決めたい保田、一気に行きます!!
宇津木はクリンチ、かなり危ない、もう足に力が入らなそうですが。。。なんとか、かろうじてゴング!これは止められていてもおかしくありませんでした。。。!
5R、宇津木はクリンチスタート!先ほどのダメージは1分では回復しないでしょう。
先ほどまでは押し合いで宇津木が負けることはありませんでしたが、押し合いで揺らされるのは宇津木の方です。
しかしそれをひた隠すように細かなパンチを出しながら、ダメージを与えるためよりも細かなパンチを際限なく繰り出し、相手にパンチを出させず、結果回復しようとする超攻撃的休憩、のようにも見えます。
そして1分を過ぎる頃には随分と力感を取り戻してきた宇津木、強い右が出始めます。
細かなパンチを主体としながらも、そして保田に打たれると若干下半身が泳ぐことはありつつも、プレスをかけていく宇津木。保田もダメージが溜まってきたか、下がる場面が増えます。
しかし時折出す保田のカウンターはやはり怖い!
そして残り1分を切った頃、保田の渾身の左カウンター!全体重を乗せたこのパンチで、宇津木はこの試合2度目となるダウン!!!
立ち上がった宇津木は早々にクリンチ、この辺りの強かさも素晴らしい。ただ、あの左カウンターは気をつけなければ危ない。
回復してきたところでのこの展開、宇津木にとってはきつい!
6R、宇津木は勝負をかけるのか、思った以上にパワーパンチで攻め込みます。宇津木がインサイドから右ストレートをヒット、その後もジャブで保田の顔が跳ね上がります!
保田はおそらく左のカウンターを狙っているのでしょうが、ダウンを奪ったのはともに左のショートであり、このストレートの距離ではあのパンチはありません。それを考えてなのか、宇津木は不用意な距離に近づかず、中間距離でのワンツーです。そして中盤、宇津木のワンツー!!これで保田がダウン!!!
さあここで宇津木は行きます!しかしもちろん安田もカウンターを狙っています!!
宇津木が細かなパンチ!しかし若干距離があるか、保田の左カウンターは空振り!そこに宇津木のパンチが入ったのか?保田にダウンカウント!!
宇津木が軽打で攻めます!!!保田はコーナーにつまり、左カウンター!!!このショートの左はヒットしましたが、宇津木は来るのがわかっていたか、もしくはすでに保田に力がないのか、その手は止まらず!保田が腰をガクンと落とし、クリンチにいったところでレフェリーがストップ!!!!
宇津木秀、6RTKO勝利!!!
ものすごい試合だったとしか言えない、アジア2冠戦。
おっと勝利者インタビューでアンダーカードの試合には触れないでほしいですが、このようにライト級が集まった興行だと仕方ありませんね。
非常にスリリングな試合であり、宇津木の良いところも悪いところも出た試合だったのだと思いますが、これは今日は大満足興行でしょう。
宇津木はダウンを奪い返されてから見事な回復力とサバイバル能力、冷静さ。そして保田は素晴らしいカウンター、やはりここ最近の連続ノックアウトはフロックではなかったし、大きな可能性を感じましたね。
保田は年齢的にここで負けてどうなるか、とは思いますが、まだまだできそうな感じもします。
この宇津木、保田両者に勝利している仲里周磨。
ライト級の日本タイトルは三代大訓vs丸田陽七太。
今は無冠となりましたが、アジア最強の吉野修一郎。
今後の国内ライト級戦線も非常に楽しみですね。
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