↓各試合のプレビューはこちら
BOXING REAL - YouTubeさんでは、今後も関西のボクシング興行を中心に配信していってくれるということです。非常にありがたいですね!!
今回は生配信を視聴!
ちなみにその他の前座試合については、8/10(月)13:00にアップ予定とのこと。 前回の興行もそうでしたが、全試合を見れるのは本当にありがたいことです。 では今回の興行を振り返っていきます。
58.5kg契約6回戦
前田稔輝(グリーンツダ)vs飯見嵐(ワタナベ)
2019年の全日本新人王前田と、2017年東日本新人王の飯見。こちらも注目のホープ対決が実現しました。日本拳法出身のボクサーといえば、距離感の優れたボクサーが多いように感じます。前戦、亀田京之介との1戦では、注目度は高かったもののそのポテンシャルを発揮できているとは言い難い内容でもありました。
7勝7KO(2敗)という飯見に対し、どのような闘い方を見せるかに注目です。
生配信が開始!両者の入場後、早速ゴングがなります。
まずは初回、飯見がプレスをかけ、前田は距離をはかるという予想通りの展開。
そして早々に飯見の入り際、前田の左ストレートがヒット!当たりは強くはなかったものの、バランスを崩した飯見はいきなりのダウン!
ダメージがないとみたか、立ち上がってきた飯見に対して焦って攻めたりはしません。
前田はやはり距離感が非常によく、また右がよく伸びます。ラウンド後半には飯見も入り方が良くなってきたように感じました。
そして2R、前ラウンド同様、飯見の入り際に左ストレートがヒットし、飯見ダウン!今度は前田もしっかり踏み込んでいました。立ち上がったものの、警戒した飯見はやや下がり気味に。
ストレート4つのコンビネーションがとても良い前田、またも左を効かせ、追いかけます!ここでレフェリーが割って入り、ストップ!
前田稔輝の2RTKO勝利!
前田、素晴らしいボクシングでした。切れ味するどいストレート、サウスポーの利点を充分にいかしたまっすぐのカウンター。
対する飯見も動きは良く、今回は良いところは消されてしまいましたが好ファイターです。ただ、今回はサウスポー対策、左ストレート対策をしていたとは思いますが、それでももらってしまいましたね。
どちらかというと前田の素晴らしさを褒めるべきかと思います。
両者ともにとても6回戦で闘うにはレベルの高すぎるボクサーでした。
日本ユース・スーパーバンタム級タイトルマッチ
下町俊貴(グリーンツダ)vs英洸貴(カシミ)
下町23歳、2017年度の全日本新人王。英(はなぶさ)21歳、2018年度の全日本新人王。注目のホープ同士の一戦!これはなかなか勇気のいるマッチメークですね。
ここまでのキャリアを考えると下町優位な気もします。カシミジムは地方(石川県)にありながらも存在感を大きく示すジムでもありますので、がんばってもらいたいです。
勝敗がわからない、現時点での互いのレベルはどうかと考えると、この興行で最も楽しみな一戦。セミファイナルのユースタイトル戦、ゴング!
サウスポーの下町は前の手を色々な角度から打ち、距離をとり、オーソドックスの英は小刻みなステップを踏みながら、頭を振ってプレスをかけ、中に入ろうとするという展開。
頭を振って中に入ろうとする英ですが、なかなか手が出ません。動きはよく、右から入るパターンは右がよく伸びて有効に見えます。
しかし下町の右ジャブも良く、フックアッパーと豊富に角度を変えながら、その前進を阻みます。
3Rに入ると英の右ストレートから入るパターンに対応してきた下町。
4R、そろそろ攻め方を変えていきたい英ですが、下町のタイミングの良いジャブが英のうち終わりにヒット。ペースは若干下町に。
5R、英は前回までよりも大きめな動きを織り交ぜ、攻め方を変えようとしています。そこへ今度は下町がプレスをかけていく展開に。ここで下町のジャブからボディフックというコンビネーションで英はダウン!一瞬の隙をついた素晴らしいパンチ!
立ち上がった英に対し、ラッシュをしかける下町!ワンツーから右のスリークォーターブローがヒット!効いている英は後退、そしてレフェリーストップ!
下町俊貴の5RTKO勝利!
両者ともに素晴らしいボクサーで、大変な好試合!それまでの展開は若干下町優勢ながら、英も遜色なくがんばりました。一瞬のチャンスをものにした下町、これからも非常に楽しみなボクサーですね。
そして敗れはしたものの、英もスピード、スキルを披露しました。これからの成長、そして両者が日本タイトルに絡んでくるのも楽しみです。
メインイベント ウェルター級8回戦
矢田良太(グリーンツダ)vs藤井拓也(三迫)
浪速のターミネーター、矢田の復帰戦。前戦で別府優樹とのWBOアジア・パシフィック王座決定戦に臨み、倒し倒されの大激闘を演じた矢田。その後引退を表明するも、すぐに撤回。
そして対する藤井は、今年1月に5年半ぶりに復帰して勝利を挙げました。以前所属していた斎田ジムから今最も勢いがあると言っても過言ではない三迫ジムへ移籍、2戦目。
矢田としては勝って当たり前、絶対に落とせない試合。それもKOで勝たなければ先が見えてこない、という位置づけの試合です。藤井としては番狂わせで勝利をもぎ取れば一気に駆け上がれる試合、善戦でも評価を上げられる試合。
さて、注目のメインイベントのゴング!
矢田は慎重な立ち上がり。とはいえ、いつもどちらかというとスロースターターな気がするので、ガードを高く挙げたその姿はいつもと変わりなし。
いつもより距離が遠いのは、ディフェンス意識からなのか、それとも復帰戦の硬さか。
変則的なリズムから藤井が攻め込み、パーリングやガードで対応する矢田。
藤井が攻めた所で右オーバーハンドを決める矢田、しかし終盤には藤井が攻め込む場面も。
2Rに入ると少し距離は縮まりますが、藤井が攻め込み、矢田がディフェンシブなのは変わらず。
3R、展開は変わりませんが矢田が単発ながら力強くパンチを打ち込み始めます。後半は若干狙いすぎな面も感じますね。藤井は攻め込む際、右ガードがかなり空くのでちょっと心配になります。
矢田ペースになってきたか?
4R、独特なリズムの藤井に対し、矢田の右がヒットしはじめます。藤井のジャブのうち終わりに右を打ち込む、というタイミングが合ってきた、と思った矢先、その右ストレートで藤井がキレイにダウン!立ち上がれるか、立ち上がった藤井。ここは時間がなく、矢田もストップまで持ち込むのは困難でした。
そして5Rの開始ゴングが鳴りましたが、すぐにドクターチェック。ダメージを確認するドクター、藤井が片足立ちでふらつくのを見てストップ。
どうやら藤井は足を挫いたようですね。まあ、あの倒れ方では。。。
矢田良太、5RTKO勝利!
矢田の豪打が爆発。ディフェンスを意識した、との言葉通り、相手のパンチをほとんどもらわずの圧勝劇でした。とはいえ、おそらく日本のトップレベルに対してのこのディフェンスでは心許ないのも事実。そしてこういった攻防分離のボクシングでは、ディフェンスを磨きすぎても矢田の良さを殺してしまうようにも感じます。
まだまだ改善の余地有りと思いますが、帰ってきた浪速のターミネーターのこれからに期待!
本日(8/9)は、海外でもWBAの暫定王座決定戦が開催されました。
その観戦記は、改めて。