2/13(月)、いよいよ発表となった2023年最初のAmazonプライムビデオプレゼンツ・LIVE BOXING!!
発表されたカードは、すでにとっくに噂のあがっていた2つのカード、最近唐突に話題になった1つのカード、そして那須川天心(帝拳)のデビュー戦の相手がなんと与那覇勇気(真正)だったという事のほか、とんでもないサプライズカードが1つ。
まあ、なんともアマプラ興行らしい豪華カードに豪華カードを重ねてきたようなマッチアップ群は、場所が有明アリーナという事を除けば本当に楽しみです。
という事で、今回のブログではようやく発表のあったアマプラ興行第四弾について。
WBA・WBC・WBO世界ライトフライ級王座統一戦
寺地拳四朗(BMB)20勝(12KO)1敗
vs
ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)27勝(14KO)3敗
今か今かと待っていたこの正式発表が、那須川天心待ちだったというのはちょっと寂しい感じもします。
「3団体統一戦」というのは日本ボクシング史上2度目という偉業で、その1度目と同じく日本人王者が統一の可能性が高い、というのは、もっと騒がれても良いはずのものです。
本来、寺地拳四朗と京口紘人の間で争われたWBA・WBC世界ライトフライ級王座統一戦の勝者には、WBCの指名挑戦権を獲得したヘッキー・ブドラー(南アフリカ)との指名戦が義務付けられるはずでした。
しかし、これに対してプロモーター間では3団体統一戦の話が早々に進み、ブドラー側も了承。ゴンサレス側もWBOから統一戦を認めてもらった、的な発言もあったことから、この3団体王座統一戦の開催は決定的と見られていました。
そういえばWBAの指名挑戦権を得ているはずの元WBA世界ライトフライ級暫定王者、ダニエル・マテヨン(パナマ)もずっと待たされ続けるのでしょうか。
ともあれ、この3団体統一が無事決まり、ジョナサン・ゴンサレスは再度来日の運び。
おそらくオッズは拳四朗優位となるのでしょうが、このゴンサレスのやりづらさというのは日本のファンは承知しているはずです。
ゴンサレスに対して、拳四朗はプレスをかけてのインファイトを挑むのか、それとも中間距離で自分のボクシングを貫くのか、はたまたハイブリッドなのか。
拳四朗が戦い方を誤らなければ、怖い相手ではないはずですので、2年連続、日本人3団体統一王者の誕生を楽しみに待ちましょう。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
井上拓真(大橋)17勝(4KO)1敗
vs
リボリオ・ソリス(ベネズエラ)35勝(16KO)6敗1分
先日の記事でも書きましたが、WBAの王座決定戦はこのマッチアップが基本路線でした。しっかし残念なマッチアップ。
↓バンタム級王座決定戦のマッチアップについて
井上拓真はここ3戦をスーパーバンタム級で戦っており、WBA以外の団体は拓真をスーパーバンタム級でランクインさせています。(なんといずれも5位という上位)
不可思議なWBAは拓真をバンタムに残しているわけですが、これは大橋陣営からのネゴシエーションがあったと考えるのが妥当かもしれませんね。
ともあれ、WBAはその拓真に対して、リボリオ・ソリスを用意。
プロデビューから22年以上という古豪ではありますが、ここ最近は負け越しボクサーを苛めています。
40歳という大台に乗った現在のソリスが如何ほどか、ははっきり言ってよくわかりませんが、少なくとも2020年2月には(とはいえ、「当時の」と注釈はつきます)ギジェルモ・リゴンドーに肉薄。敗れはしたものの、比較的リゴンドーを苦しめた部類と言ってよいでしょう。
まあ、ここは拓真に完勝してほしいところ。そうでなければ、彼に敗れていった国内強豪ボクサーたちも報われません。
IBF世界フェザー級挑戦者決定戦
キコ・マルティネス(スペイン)44勝(31KO)11敗2分
vs
阿部麗也(KG大和)24勝(10KO)3敗1分
この試合についても、すでに4/8に日本開催というところまで情報が出ていました。現在IBF世界フェザー級ランキングで2位につけるキコ・マルティネスのファイナル・エリミネーション・バウト。
3位のマウリシオ・ララ(メキシコ)、4位のロベイシー・ラミレス(キューバ)がすでにタイトル戦への出場が決まっている事から、5位の阿部麗也まで挑戦権がまわってきてくれました。
阿部は随分長く世界ランキングに入っていましたが、決定的だったのは日本王座獲得戦となった丸太陽七太(森岡)戦。本当に国内の強い相手とサバイバル戦を戦ったり、強い王者に挑戦したりという素晴らしいキャリアを歩んできています。
ただ、国内の強豪と戦い続けてきた阿部麗也と比べても、このキコ・マルティネスのキャリアは化け物じみています。
さながらジェットコースターのように上がったり下がったりするキコ・マルティネスのキャリアですが、前戦ではイギリスのプロスペクト、ジョーダン・ジルを4RTKOで降し、良い流れに乗っています。
世界を驚かせる、いくつものアップセットを繰り返してきたマルティネスは、やはり怖いボクサー。我々の脳裏に焼き付いているのは、もう9年ほども前になる、長谷川穂積の夢を砕いたあの一戦でしょう。
阿部の自由奔放なボクシングは、きっとマルティネスに有効なはずですが、勢い良く攻めてくるマルティネスの圧力に阿部が屈してしまわないとも限りません。
阿部麗也、ここは試練の一戦。
海外の名うての強豪を降し、世界戦線に名乗りをあげる事ができるか。
このマルティネスのプレッシャーをしっかりとさばく事ができれば、きっとIBF世界フェザー級王者、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)にも十二分に通用するはずです。
阿部の挑戦権獲得に期待。
WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチ
佐々木尽(八王子中屋)14勝(13KO)1敗1分
vs
小原佳太(三迫)26勝(23KO)4敗1分
この正式発表の場で、最も大きなサプライズはこのマッチアップ。
若き倒し屋、佐々木尽は前戦で下馬評不利を覆し、当時のWBOアジアパシフィック王者豊嶋亮太(帝拳)をなんと初回TKO、見事なタイトル初戴冠を果たしました。
それがつい先日、1月14日だったので、そこから3か月弱。初回で仕事を終わらせ、ダメージもなかったというのがこのマッチアップがここに入るきっかけともなったのかもしれません。
豊嶋戦後、リング上で「次は小原選手」とコールした佐々木のラブコールに応える形となった小原は、本来は国内を卒業し、海外での戦いを模索していたはず。
それでも、やはり条件面が良かったのか、注目度のためなのか、このアマゾンプライムビデオ興行に出るという事を選びました。そして豊嶋とはついぞ決まりませんでしたが、佐々木とはあっという間に決まってしまう、まさに巡りあわせの不思議というものも感じますね。
ともあれ、ウェルター級頂上決戦と銘打たれたこの一戦は、大変に興味深いものです。
タイトルを持つのは佐々木でも、世界挑戦経験もある小原への「挑戦」とも言えるこの一戦。
果たして制するのは、勢いのある佐々木か、それとも長らく日本の重量級に君臨してきた小原か。
佐々木尽というのは本当にロマンのあるボクサーで、そのボクシングも、そのマッチメイクも、本当にファンをワクワクさせてくれます。
幾度ともなく言われた「時期尚早」ということばですが、もう佐々木にはその言葉は使えないかもしれません。
様々な事を考えると、私の予想は50-50、本当に素晴らしいマッチアップ。好試合に期待です。
スーパーバンタム級6回戦
那須川天心(帝拳)デビュー
vs
与那覇勇気(真正)12勝(8KO)4敗1分
さて、外国人と言われていた那須川天心のデビュー戦の相手は、なんとあの与那覇勇気。
だからこそ、与那覇に競り勝った南出仁(セレス)がプロテストの相手だったのか、とか思ってみたり。
那須川天心の相手が訳のわからない外国人でないことは、称賛に値するマッチアップであり、そしてその相手が与那覇だということは本当に危険なことだとも思います。
↓那須川天心のプロテスト合格の記事
1年で日本タイトル挑戦、という帝拳本田会長の大風呂敷も真実味を帯びてくるし、褒めまくりの言葉もこのマッチアップ(=与那覇に対して勝算がある)を見れば理解も納得もできますね。
さて、試合はスーパーバンタム級で行われる事から、那須川はこれからスーパーバンタム級で戦っていく、ということなのかもしれません。
対して与那覇は日本バンタム級の4位にランクされており、前戦では南出仁(セレス)との日本バンタム級挑戦者決定戦に惜敗しているボクサー。
個人的には優勝賞金1,000万円というモンスター・トーナメントに出てもらいたかったですが、那須川天心撃破にそれ以上の価値を感じた、ということなのでしょう。
この与那覇勇気というボクサーは変速的であり、独特のタイミングを持つボクサー。
試合は非常に面白いし、ハードパンチを持っているし、「ヨナッパー」と自ら命名したアッパーカットには非常にロマンを感じるボクサーです。
↓よそ見パンチまで。
確かな実力を持つエンターテイナーである与那覇勇気は、果たしてデビュー前から評価を得ている那須川天心を攻略できるのか。与那覇が勝てば、得られるものは大きい。ただ、この大舞台に気負いのないようにだけしてもらいたいものです。
果たして那須川が与那覇を塩漬けにするような試合内容になれば、すでにタイトル挑戦の資格は有り、と見て良いのかもしれません。
どのように転んでも楽しめそうな、非常に興味深い一戦。那須川の抜群のスピードに対して、与那覇は6ラウンズという短い時間で活路を見いだせるのか。そして、ボクシングデビュー戦となる那須川は、初めてのボクシング競技で本物のボクサーを倒す事ができるのか。
さて、この試合がメインイベントだとする向きもあるようですが、いわく「まだ試合順は決まっていない」とのこと。でもポスター。。。。どうかボクシングファンの反感を買わないような試合順であることを望みます。
まあ、個人的にはもう何でも良いのですが、流石に普通は私が上記に書いたような順番でしょう。
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