信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

間もなく矢吹正道vs寺地拳四朗2!過去の新王者vs元王者の再戦、リベンジに成功したのは?

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いよいよ迫ってきました、矢吹正道vs寺地拳四朗、立場をかえての再戦。

どちらを応援するか決めかねていた私は、現地観戦の予定はありませんでした。ただ、当時発表されていなかった放映媒体に、アーカイブ機能がついていない事は十分に考えられた(前回のカンテレドーガもなかった)ため、3/19(土)は休みをとっていた状態。

(ちなみにABEMAプレミアムに登録すれば、見逃し配信はあるようです。無料でもライブ配信は見れます。これはありがたい。)

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そこにきて、拳四朗サイドのスポンサーさんの出したチケットプレゼントに応募したら、なんと当たりました。ので、現地に行かせていただきます!(但し往復9時間の日帰り)

 

ということで、4.99対5.01くらいの割合で拳四朗応援に決めました。がんばれ、拳四朗。矢吹もがんばれ。

ということで直前に迫った矢吹正道vs寺地拳四朗の前に、おさらいしておきたいことを思い出したので、今回はその件について。

↓何の結論も出ていないプレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

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世界戦でのリマッチ

過去、日本人世界王者が絡んだ世界戦で、立場を変えてのリマッチというのはそれなりの数、行われてきました。

しかし、初戦で敗北したボクサーが、再戦でリベンジ、そして王座返り咲きを果たすという例はかなり少ない事例と言えると思います。

初戦で王座陥落、立場をかえての再戦で勝利して王座奪還、という日本人ボクサーは、おそらく輪島功一、徳山昌守、村田諒太の3名のみだと思います。(他にいたらすみません。。。)

逆に、元王者を防衛戦で迎え討ち、初戦以上に明確な差を見せつけて勝利する、というパターンは非常に多い気がします。

近いところでも、寺地拳四朗も王座を奪った相手であるガニガン・ロペス(メキシコ)を3度目の防衛戦で退けていますし、内山高志(ワタナベ)は王座を奪われたジェスレル・コラレス(パナマ)との再戦でも苦杯をなめています。あと言いたくないけど山中とネリもこれ。

辰吉丈一郎はウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)に王座を追われ、王座奪還を期した再戦では失神KOで敗れましたし、そのウィラポンも長谷川穂積(当時千里馬神戸)に判定負けでタイトルを奪われ、翌年の再戦では9RTKO負けで返り咲きを阻止されています。

 

他にもおそらく挙げればキリがないほど、この事例はありますが、「王座を奪われた相手へのリマッチでの王座奪還」という事例は本当に少ない。つまり、拳四朗が勝てばこのボクサーたちに名を連ねる事になります。

それでは、3人のボクサー達を見ていきます。

輪島功一

輪島功一はこの難しい仕事を2度にわたってこなしています。

7度目の防衛戦の挑戦者として迎えた世界スーパーウェルター級王座の防衛戦で、オスカー・アルバラード(アメリカ)と対戦、最終15RでKO負け。

その後、アルバラードは龍反町を相手に7RTKOで初防衛、2度目の防衛戦で元王者、輪島を迎える事になったのです。

この時輪島は31歳、今とは違い選手寿命が短かった当時は、おそらく完全に全盛期は過ぎていたと思われていたでしょうし、実際そうだったはず。

しかし当時26歳のアルバラードに見事リベンジ、判定勝利で王座返り咲き。

そしてアルバラードから取り戻した王座の初防衛戦で迎えたのは、柳済斗(韓国)。

 

この柳に7RKOで敗れ、王座陥落した輪島は、すでに32歳となっていました。(柳はオスカー・アルバラードと同い年)

柳はその王座を三迫将弘(三迫)を相手に初防衛、その間にOBF東洋ミドル級タイトルの防衛戦や、ノンタイトルマッチを挟んでいるようです。今だと考えられません。

世界タイトルの2度目の防衛戦として迎えたのが、前王者の輪島。輪島はこの再戦を、今度は最終15RKOで勝利し、3度目となるタイトル奪取に成功します。

そこから世界タイトル戦に2連敗(2連続KO負け)して引退した輪島は、すでに力は残っていなかったのかもしれません。しかし、こうして再戦をものにしたのは、強い意志と、そのボクシングIQの為せる業だったのだと思います。

徳山昌守

2000年8月、韓国の曺仁柱を地元大阪に呼び、完勝でWBC世界スーパーフライ級王座を奪取。この曺仁柱は、ジェリー・ペニャロサ(フィリピン、川嶋郭志からタイトルを奪取)したボクサーで、ここまで5度の防衛という安定王者。正直勝てるとは思っていなかった事を覚えています。

初防衛戦で名護明彦(白井・具志堅)を退けたあと、韓国に乗り込んで曺仁柱を5RKOで返り討ちに。この時の本当に見事な右ストレートは、映像でみた記憶もあるのですが、当時のことを考えるとライブで見たとは考えづらい。ですが、この試合からほど近く、どこかで放送があったのかなと思います。

 

その後は抜群の距離感をもって安定政権を築き、8度の防衛。

そして迎えた9度目の防衛戦で、川嶋勝重(大橋)を迎える事になりました。

この川嶋とは、7度目の防衛戦で戦い、徳山は判定勝利を挙げていました。もしかすると、モチベーションの問題もあったのかもしれません。

この9度目の防衛戦で、川嶋はまさかの初回TKO勝利を挙げ、見事なアップセット。戦前、大橋会長が「徳山には弱点がある」と言っていた事はフロックだったらしいですが、これは本当にびっくりしました。ちなみに、川嶋は大橋ジム初の世界王者です。

その後、川嶋は2度の防衛のあと、3度目の防衛戦で徳山を迎えます。この時もやはり徳山優勢だったような気がしますね。

再戦、ではなくラバーマッチ、という方が正しいこの一戦は、徳山が判定勝利。その後徳山は1度だけ防衛し、自身の望む試合が実現しないとしてモチベーションの低下を理由に王座を返上、引退。

村田諒太

2011年に世界選手権で銀メダル、2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得、かつてないほどのアマチュアでの大記録を、しかもミドル級という階級で打ち立てた村田は、2017年にアッサン・エンダム(フランス)とのWBA世界ミドル級王座決定戦に出場するも判定負けを喫し、初黒星。約5ヶ月後に行われた再戦でリベンジを果たし、見事世界王者となりました。

ようやく務めを果たした村田は、初防衛戦を快勝、そして迎えた2度目の防衛戦は、ラスベガスでのお披露目戦となるはずでした。

 

しかし、この一戦でロブ・ブラント(アメリカ)に圧倒的な大差判定負け。ブラントのアウトボックスに村田のプレスは全く機能せず、当時GGG戦を見据えていた村田と日本のボクシングファンにとって、非常に残酷な結果となってしまいました。

再戦は日本で決まりましたが、当時個人的な期待は非常に薄かったです。ともすれば、村田のラストマッチになるのではないかと。

それは相性もあり、初戦での敗北の仕方が、取り返せるものではないものだと感じたからです。

しかし、そんな私の悲観的な考えをよそに、2RTKOという素晴らしい内容でブラントにリベンジを果たし、王座へと返り咲いた村田。この勝利こそが、4/9(土)にようやく開催されることになったゴロフキン戦につながったものなので、ゴロフキン戦も大いに期待して良いでしょう。

村田は、これまでも「不可能」を「可能」にしてきたボクサー。このゴロフキン戦も、大きく不利が予想される中ではあるものの、おそらく村田は迷いなく、最初から攻めてくれるでしょう。村田のインテリジェンスこそ本物です。勝つにしろ負けるにしろ、どうか全力を出し切って、悔いなくこの一戦を終えてもらいたい。

↓チケット当たってほしい。

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辰吉丈一郎vsビクトル・ラバナレス

※辰吉の「吉」は下が長く、丈一郎の「丈」は右上に「丶」がつきます。

この試合も、世界タイトル戦で辰吉が初戦で敗北し、リマッチで勝利した、という意味においては同じです。ただ、ラバナレスは辰吉に勝利したあと、辺丁一(韓国)に敗北して王座陥落、辰吉とのリマッチは暫定王座決定戦だったことで状況が違います。

この頃は私もボクシングを見はじめで、この世界タイトル云々に関しては大混乱でしたね。

今のようにインターネットもなかったので、調べるにも調べられなかったし、まわりには当然ボクシングに詳しい人なんていなかった。

ともあれ、この辰吉丈一郎という当代随一のスターボクサーの初黒星から、網膜裂孔、そして奇跡の復活というのは本当に思い出深いドラマ。そしてこのゴタゴタがあったからこそ、薬師寺保栄(松田)との世紀の一戦へとつながっていくわけですね。

 

翻って、矢吹vs拳四朗

ということで、もし歴史が繰り返されるのであれば、拳四朗が勝利する確率は非常に低い、ということになってきます。数を正確に調べたわけではありませんが、今回のような「立場を変えてのリマッチ」において、元王者側がリベンジを果たすというのは稀有なことだと思います。

理由の一つとしては、「新」王者は、大きく自信をつけ、挑戦時よりもメンタルの部分で大きく成長できている、ということがあると思います。逆に、「元」王者はというと、一度負けている相手に対して迷いがでることもあり、敗北のイメージを払拭できていない場合が多いような気がします。(これの最たる例は、内山高志だと思っています。)

と、ここまでが矢吹の応援をしているファンにとっての情報。

そして拳四朗を応援しているファンに伝えたいことは、今回の矢吹vs拳四朗2の状況については、川嶋勝重vs徳山昌守の状況によく似ている、ということです。

 

徳山しかり、拳四朗しかり、長期防衛において、その8度という防衛の最中において、危うい場面は少なく、気持ちの上で油断がなかったか、というとそうではないと思います。これこそが、長期防衛が難しいと言われる所以でもあると思います。

そしてここで一旦仕切り直して褌を締め直し、新たなこころで迎える久々の挑戦者としての立場。これは良い方に出るのではないか、と思います。

3/15発売のボクシング・ビート、ボクシングマガジン両誌を読み、今日まで出ているふたりのインタビュー、ことばを読む。

矢吹がボクシングに集中し、過去最高の仕上がりだと言えば勝つのは矢吹だ、と思いますし、拳四朗が敗北を喫したにもかかわらず普段どおりやれば勝てる、という鬼メンタルを披露し、加藤トレーナーが拳四朗に答えを与えすぎないようにしている、と言えば拳四朗が勝つのではないか、と思えます。

私は本当はどっちも応援しているし、どっちが勝っても喜ぶし、どっちが負けても悲しみます。どんなに素晴らしい試合になろうとも、どんなに不格好でも、どんなに面白くない試合になろうとも、この試合の過程と、その結末は楽しみであり、また切なくもあります。

そんな3/19、京都へ行きます。車で往復(休憩なしで)9時間、日帰りです笑。前日も翌日も仕事と練習です。私もがんばります。

 

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