5/6(月)は東京ドーム。
東京ドームに来て思いっきりモニターを見据えています。
ただ、この34年ぶりの東京ドーム興行というのは、ボクシングファンとしては来なければいけませんでしたね。たとえ明日の仕事に支障をきたしたとしても。
ということで今回のブログは、東京ドーム興行の観戦記、vol.2です。
vol.1はこちら
5/6(月)東京ドーム
WBO世界バンタム級タイトルマッチ
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)27勝(19KO)2敗
vs
武居由樹(大橋)8勝(8KO)無敗
初回、まずは中間距離での様子見。マロニーも武居を警戒か、まずは慎重な立ち上がり。
武居は危険な左ボディを狙っていきますが、これはちょっと低いようです。この左はマロニーにとっても要注意、なんせオーソドックスに構えた相手のレバーまで届く、長い左ボディです。
2R、マロニーは距離をつぶしにきています。ただ、武居のフットワークも良いですね。マロニーはスタンスが元々広くない分武居の右足の外側を取りづらく、ちょっとサウスポーは得意じゃないかもしれません。ジャブは良いですが、サウスポー相手の定石、右から入るというのができていません。武居がローブローで減点。
得意の飛び込みフックも出だした武居、しかしマロニーのカウンタータイミングも合ってきたように見えます。
マロニーはこのラウンド、武居のパンチをブロッキングで受けていますがちょっとパワーを感じているイメージ。
3R、余裕があるように見えるのは武居。マロニーはちょっと武居のパワーに気後れしているのか、いつもよりディフェンス主体か。
自らクリンチにいくなどして、ちょっと見栄えも悪い。
4R、マロニーがギアアップ。先に攻めるようになります。これは少しは効果がありそうで、武居もカウンターを狙うも前ラウンドほどの余裕はないように見えます。
5R、マロニーはリズムがててきましたが、武居にはリズムがあってないようなものなので、やっぱりちょっとやりづらいか。
それでもマロニーは武居の攻撃をよくかわし、またブロック。このブロックがどれほどのダメージなのかはわかりませんが、マロニーのジャブやストレートは当たっているように見えます。
6R、マロニーは武居の左に対して同時打ちの右を狙っていそう。
マロニーはジャブをコツコツ当て、右ストレートをヒット。マロニー慣れてきたか、というところでしたが終盤に今度は武居が右フックをヒット、ちょっとぐらりときたように見えます。
ここまではおそらく武居がリードしており、後半、マロニーは恐れを捨てて強く前に出なければいけません。
7R、マロニーの手数が増えてきます。コンビネーションの波状攻撃、これがそもそもマロニーの得意とする攻撃です。
武居は迫力のある一発狙い、見栄えは良いが当たっていないように見え、ポイントはどうか。
8R、ここから武居がプレス。出たところにマロニーの右がヒット!マロニーのジャブも結構ヒットしているように見え、マロニーペースになってきたか。後半はマロニーがプレス、この迎え撃つ形の方が武居にとっては良さそう。
9R、武居はやはり破格のパワー。ガードしたマロニーの体もおよぎます。このラウンドに来ると必殺の左ボディの軌道も飛び込みフックのタイミングにも慣れられており、マロニーが序盤に見せた若干の恐れを克服したようなボクシングを見せています。
10R、武居のパンチはブロックされ、マロニーの少ないパンチはよく当たっているように見えます。ただ、このラウンドはどれも軽打であり、武居の攻勢点をとるべきかもしれません。
11R、マロニーもちょっと距離を詰めることが少なくなっています。このままで勝てるという判断なのでしょか。ちょっとポイント的には分が悪いように思いますが。
くっついた方が武居の強打をころせそうですが、序盤に比べるともはや耐えられるレベルになっているのかもしれません。
ラストラウンド、マロニーがプレス、武居はサイドに回りつつの強打。的確にヒットを重ねるのはマロニー!後半、マロニーのいくつかのパンチがヒット、ここで武居が後退!
ラッシュを仕掛けるマロニー、武居も単発ながらも返して粘ります!!かなり危ないもらい方をしているようにもみえますが、マロニーにももう余力はないか。
しかしもっと余力がない武居、相打ちでもマロニーが打ち勝つ!正直ここでもう止めてほしい!ですがレフェリーは止めない!
武居がなんとか耐えきり、ラウンドが終了!
判定は、117-110、116-111×2、武居由樹!!
思った以上に差は開いていましたね。会場の非常に遠くからモニターを見ている感じだと、武居のパンチは結構当たっていないように見えましたが、実際はヒットしていたのでしょうか。だとしたらマロニーのタフネスも相当なものです。
これでバンタム級は日本人が4団体を制覇。これは嬉しいような悲しいような。
かつてライトフライ級で1日天下がありましたが、このバンタム級はどこまで続くのか。
ロドリゲスもマロニーもそれぞれが強さを見せたこともあり、まだまだ接戦模様。今後のバンタムも楽しみですね。
世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ
井上尚弥(大橋)26勝(23KO)無敗
vs
ルイス・ネリ(メキシコ)35勝(27KO)1敗
いよいよメインイベント。
会場の盛り上がりは半端ない。
ルイス「パンテラ」ネリの入場に続き、Battle of Monsterにのせて井上尚弥の入場。
とんでもなく花火が。。。!これは東京ドームだからこんなにド派手にできるんでしょうか。多くの観客はここを動画に収めていますが、こういうのって後からみなさん見るんですかね?
そして別にわざわざネリにブーイングを浴びせる必要もない気がしますが、ネリのコールには大きなブーイング。
ともあれ、注目の一戦がゴング。
初回、まずはお互いに様子見か。前手をちょんちょんと当てながら、先にビッグパンチを放って行ったのは井上!先手を取られてはいけないネリ、ちょっと下がりますがすぐさまワンツーを返します。
その後ネリはジャブから大きな左スイング!ネリはこれで良いです!
井上もやはりここは警戒、ただバックステップが速すぎます。ネリの強い踏み込みよりも速いバックステップ、このネリの攻撃が当たることはないのではないか?と思わせる序盤です。
しかし井上が踏み込んだところには可能性がありそうなネリ、近い距離から井上が右を大きく振ったところの打ち終わりにネリの左フックがヒット!これで井上はなんとダウン!
かすったように見えました。バランスを崩してのダウンですから、ダメージはないでしょうがド派手な倒れ方です。
ここはいくネリ、井上が下がってクリンチ!これはなかなか見応えのある初回になりました!
しかし終盤は井上がロープ際でカウンター、最終盤には大きく足を使ってのボクシング。
これはびっくり!スローを見る感じ、やっぱりちょっとバランスを崩した感じでしょうか。リング中央あたりが滑る、ということも気になってはいます。
2R、ここも出だしは慎重、井上は初回よりもやや右ガードを上げているか。前手で牽制しあう両者、まっすぐのワンツーを先位打ち込むのは井上。そこにネリの左スイングが飛んでくる、これは怖いパンチ。
ネリはとにかく左スイングを狙っているか、ただ井上が右ボディを叩くため左は出にくくなっているかもしれません。
ネリは自分から攻めるタイミングを掴めないようなので、基本的にはカウンターか。
それとわかっても行くのが井上、危険なリターンをエスケープ。
井上がバックステップで誘うと、ネリがダブルジャブから左を強振!したところに井上の左フックカウンター!そうです!この左フックカウンターが効果的だと思います。
この左フックでネリはダウン、早くも初回のビハインドを完全に取り返した井上尚弥。その後もネリが攻めてくれば完璧なバックステップではずし、もはや盤石。
3R、プレスをかけるのは井上。長い右を繰り出してネリを攻め立てます。ここでネリは弱気になってはいけません。
ネリってこんなにジャブ打つ(打てる)選手だったっけ?とか思いつつ、ネリにも期するものがあるのだろうと推察します。今日のネリは雑なところが少ない。
それでも攻めてもかわされるネリはどうしても待ちのボクシングになってしまい、先手を取るのは井上。右から入るパターンがやはりよく、この右がめちゃくちゃ伸びます。
井上が攻め、距離が近くなったところではネリにチャンスがあるのでしょうが、この距離でも井上の打ち終わりのケアは完璧すぎてネリのパンチは空を切ります。逆に井上の右はネリをとらえています。
4R、ネリが前手をパワージャブとして使ってきます。待つだけではダメ、と悟っているのでしょう。ネリはジャブから左を強振、しかし当たらず。
勢いがあるネリの左、当たれば怖い。こういうスリリングな相手というのはやはり良いものです。
ネリが比較的ガードを上げた構えの中、井上は既にネリを見切ったということなのか、かなりガードを下げて変則的な動き。かなりの余裕を見せています。
ハンドスピードには差があり、井上は後出しで当たってしまう分、ネリも攻めることには恐怖を感じるかもしれません。
5R、前半に井上の右でネリがのけぞる。その後もジャブをヒット、ワンツーもヒット。ネリはちょっとダメージを溜めてきているか、焦りを伴ってかなりアグレッシブになってきています。
ネリが出てこようとするところを井上は低くダックしてエスケープ、ネリがレフェリーにヘッドバットをアピール。しかしその後ネリはもっと低く入って、井上尚弥に逆にヘッドバットアピールをされています。
ネリの左は井上のバックステップで無効化、それでも諦めないネリはプレスをかけて井上をロープに追い詰めます!ここは危険な距離、と思った瞬間、井上の左フックがネリにジャストミート!ネリは2度目のダウン!!!
立ち上がったネリに対して井上はチャージ!
しかしネリも強いパンチをリターン、もらいながらも振ってくるネリはさすがメキシコの戦士です!!!
6R、毎ラウンドのような静かな立ち上がり、ネリはまだダメージを感じる足取り。井上はジャブから右ボディストレート、速い。
ネリはガードを固めてファイナルアタックよろしく強い左右!井上はこれをガッチリガードすると左フックをヒット、下がったネリに対してまだダメージを蓄積させようとしているのか、一気にはいきません。
ジリジリと追い詰め、右ストレートをまっすぐ当てるとネリは大きく後方に弾け飛び、ダウン!ロープに頭を打ちつけたように見えましたが、ここでレフェリーがストップ!!!
井上尚弥、6RTKO勝利!!
初回にダウンを喫したのは驚きましたが、すぐに建て直した井上尚弥。その後は完璧でしたが、ボクシングは何が起こるかわかりませんね。
本当に今日は素晴らしい試合だらけ、やっぱりボクシングは良いですね。
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