2025年、大きく動きそうな階級の一つは、ライトフライ級です。
この階級は2024年、統一王者だった寺地拳四朗(BMB)がタイトルを返上、そしてジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)も王座を返上したことで、一気に3つの王座が空位になることになりました。
そのうちの一つ、WBO王座は10月に岩田翔吉(帝拳)がチャンスを掴んで世界初戴冠。
最後の一つの王座はIBF王座で、これは岩田戴冠の1日前、矢吹正道(LUSH緑)が王者シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)を倒して戴冠しています。
同じタイミングで戴冠した両者は、トントン拍子に進むのであれば初防衛戦から王座統一戦が決まってもおかしくはありません。
そしてこの12月、空位となった王座も全てで揃う予定でもあります。
ということで今回のブログは、ライトフライ級戦線を見ていきましょう。
WBA王者はエリック・ロサ
12/19(日本時間12/20)、多くのボクシングファンがウシクvsフューリー2の話題で持ちきりだった頃、エリック・ロサ(ドミニカ共和国)がネイダー・バルデス(メキシコ)と王座決定戦を行い、勝利しています。
ロサは元WBA世界ミニマム級王者で、2階級制覇。ただ、このボクサーを知っているファンは多くはありません。
このバルデス戦の勝利で8勝(2KO)無敗となったロサは「ミニパックマン」と愛称を持っているようですが、この軽量級のメッカである東アジアまでその名は轟いていないように思います。
やはりこの階級で稼げるとすれば日本に来る必要がありますが、2025年、このミニパックマンを日本で見られるか。
WBC王座は12/26に決定戦!
そしてWBC王座は、日本時間12/26に決定戦を迎えます。
このWBC世界ライトフライ級王座決定戦で激突するのは、カルロス・カニサレス(ベネズエラ)vsパンヤ・プラダブスリ(タイ)です。
カニサレスもプラダブスリも日本で戦ったことのあるボクサー、かたや寺地拳四朗と互角の勝負をしたカニサレスと重岡優大(ワタナベ)にタイトルを奪われたパンヤ、これは非常に興味深いマッチアップです。
お互いに日本のボクサーとの接点も多く、カニサレスは木村翔や小西伶弥と戦い勝利しているし、かつて田口良一とドローと、エステバン・ベルムデスに負けたのが今でも信じられないほどの戦績を残しています。
対してパンヤも田中教仁に2度の勝利、そして当時防衛記録を伸ばし続けていたワンヘンに勝利するなど実績があるボクサー。ただし、これはミニマム級の話であり、ライトフライ級にあげて生粋のライトフライであるカニサレスに勝てるとは通常では思えません。
しかし、この戦いがタイ、バンコクで開催されることは、カニサレスを応援すべき我々ボクシングファンからするとなかなかの不安要素です。
ご存知、タイでしかも世界タイトルマッチに勝利する、というのは実力差がなければできないことです。それでもタイに世界タイトルがあるとタイ国から出てくることがほとんどなくなってしまうので、どうにかカニサレスにタイトルを持ち帰ってもらいたいところ。
ちなみにこの試合は、Youtubeでライブ配信があります。
日本時間で12/26(木)20:00から配信開始のようですが、BoxRecを見ても一体何試合あるのかはよくわかりません。これはライブ配信だけではないでしょうから。12/27(金)になってから見るのが良さそうですね。
↓視聴はこちらのYoutubeチャンネル(True4U)
2025年、統一戦はなるか
たとえば中南米、もしくは北米でライトフライ級の王座統一戦、というのは考えづらい。それは報酬面もあるし、ニーズの面もあります。
もしこれがアメリカのボクサーであったならば、その可能性もあるとは思いますが、ロサにしてもカニサレスにしても、王座統一戦をやるには後ろだてが不足しています。
なのでこのライトフライ級の中心はあくまでも日本であり、そしてそれに一番近いのは、やはり帝拳プロモーション、そしてAmazonジャパンがバックに控える岩田翔吉であることは言うまでもありません。
「LUSH緑」の所属ですから、LUSH BOMU 興行、ABEMAから出るというのは並大抵のことではないと思いますが、矢吹にとってもたとえばアマプラ興行で戦えるというのは非常に大きいことではないでしょうか。
なのでまずは矢吹vs岩田の王座統一戦から始まり、その後他のボクサーたちとの統一戦、というのは現実的な路線かもしれません。
コンテンダー!
この階級で最も高い世界ランクを保持しているのは、高見亨介(帝拳)。まだ8戦のキャリアながらも、強敵たちを次々と跳ね除けており、現在の最高ランクはWBAで4位、IBFで5位です。
ただ、すぐに世界挑戦ができるか、というとそうでもなく、まずは日本かアジアのタイトルをとらなければ日本での世界挑戦は叶いません。
日本王者は、同じく下位ながらも世界ランクに入っている川満俊輝(三迫)。
高見は指名挑戦者として2025年のチャンピオンカーニバルに出場予定であり、この戦いは日本国内のライトフライ級で、「次に誰が世界に行くか」を決める戦いになりそうです。
そして前戦でタノンサック・シムシー(タイ)に惜しくも敗れてしまった谷口将隆(ワタナベ)、2023年12月にジェイソン・バイソン(フィリピン)に敗れ、今年6月に再起戦を飾った山中竜也(真正)といった元世界王者たちもまだまだチャンスはあるでしょう。
そしてベテラン勢だけでなく、21歳という若さでつい先日WBOアジアパシフィック王座を獲得した尾崎優日(大成)も大注目です。やはり日本のライトフライ級は次々と才能が湧き出てくる宝庫、来年も非常に楽しみですね。
復活か、それとも
そして今週、もう一つライトフライ級の注目ファイトがあることを忘れてはなりません。
もう35歳、古豪と呼ばれる年になったフェリックス・アルバラード(ニカラグア)の戦いです。
2024年はこれまで2度戦っており、格下相手ながらも2勝を挙げています。これまで負けたのは井岡一翔、ファン・カルロス・レベコ、サニー・エドワーズ、そしてアンヘル・アヤラと世界タイトルのかかった試合のみ、というアルバラードは、今回の一戦は「大勝負」とも言える一戦になりそうです。
対戦相手は、26歳、脂の乗ったプロスペクト、トビアス・レイジェス(アルゼンチン)。
16勝(15KO)無敗1分という素晴らしい戦績を誇るパンチャーは、アルバラードにとっても超がつくほど危険な相手ではないでしょうか。
この戦績はかませ犬相手に「作られた」ものではなく、決して負け越しのボクサーを相手に勝ってきたものではありません。ちゃんと生き残ってきたボクサーです。
「ピットブル」とニックネームのついたアルゼンチン人ファイター、すでにこれで非常にアグレッシブなその姿が想像できます。
アルバラードがここに勝てば大復活、と言えるかもしれないし、まだ足りないのかもしれません。それにしても、このレイジェスは危険だし、レイジェスにとっては大きなステップアップファイトになります。
この試合はアルバラードの出身地、ニカラグアで行われます。そしてこの試合は、Gemelo Promotionsのフェイスブックページでライブ配信されるようです。このGemelo Promotionsというのはフェリックス・アルバラードが自身でやっているプロモーション会社ですね。
どうでもいいですがレネ・アルバラードが大晦日に日本、なので、フェリックスもこの試合が終わったら日本に来るのでしょうか。だとしたらめちゃくちゃ大変ですね。
配信開始は日本時間で12/28(土)AM8:00です。メインイベントの開始は多分お昼過ぎでしょうか。知らんけど。
↓Gemelo PromotionsのFacebookページ
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