信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】最注目はレイモンド・フォードvsニック・ボール!6/1サウジには米英プロスペクトも登場!

みなさんDAZN PPVは買いましたか?

オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリーは少なくとも2000万人が違法ストリーミングで試合を視聴した、とのことですが、そんなことをしてはいけません。

ボクシング界にお金を落とさなければ、配信も廃れてしまうし、それは間違いなくマッチメイクにも影響するのです。ひいてはボクサーたちの収入にも。

さて、ということで今回のブログは6/1サウジ興行のプレビュー記事の続き。

↓メインとヘビー級の二戦はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

ウィリー・ハッチンソン(イギリス)17勝(13KO)1敗

vs

クレイグ・リチャーズ(イギリス)18勝(11KO)3敗1分

25歳のプロスペクト、ウィリー・ハッチンソン。はっきり言って初めて見るボクサーですが、なかなかパワフルなコンビネーションを放つボクサーで、回転力がありますね。

クレイグ・リチャーズはドミトリー・ビボルへの挑戦経験もあるボクサーであり、ジョシュア・ブアツィとも良い勝負をしているのだから、間違いのない実力者です。

ハッチンソンは2021年3月にレノックス・クラークというボクサーに5RTKO負けをしていますが、そこから4連勝中。これは本当の実力が試される戦いですね。もしここでハッチンソンという若きプロスペクトがリチャーズを喰うようなことがあれば、ライトヘビー級の勢力図は結構変わるんじゃないか、と思っています。

 

 

 

しかし、意外とオッズは競っており、リチャーズが若干優位もその差はほとんどありません。

ハッチンソンってそんなに良いボクサーなのか。これまでキャリアの形成期を過ごしてきたウィリー・ハッチンソン、この戦いは相手のレベルが一気に上がる戦いになるのではないでしょうか。ただ、これはちょっとハッチンソンのパフォーマンスが楽しみになるオッズです。

ハムザ・シーラズ(イギリス)19勝(15KO)無敗

vs

オースティン・ウィリアムス(アメリカ)16勝(11KO)無敗

ハッチンソンと同じく25歳のプロスペクト、ハムザ・シーラズ。

ムスリム系の英国人のシーラズは、すでに名のしれたプロスペクトとなっています。

何せ前戦で初回TKO勝ちした相手は、リアム・ウィリアムス。

長い手足を持つシーラズは、身長191cmと長身のミドル級であるだけでなく、その異様なほど長い手足を器用に操り、素晴らしいコンビネーションを放ちます。

 

 

 

力一杯パンチを放つようなスタイルではなく、スッと出したジャブでダウンを奪う。

リアム・ウィリアムスはデメトリアス・アンドラーデとフルラウンド戦っている(これは当然といえば当然)ボクサーであり、クリス・ユーバンクともフルラウンド戦っているボクサーです。その歴戦の雄から2度のダウンを奪って相手陣営を棄権させた圧倒的な破壊力は、ミドル級随一の英国プロスペクトと呼ぶに相応しい。

魅力的な英米対決となるこの戦い、シーラズの相手は米国プロスペクト、オースティン「アンモ」ウィリアムス。2戦連続ウィリアムスですね。

このアンモ・ウィリアムスはガッチリとした体躯、183cmのミドル級であり、上半身がかなりゴツいサウスポー。

KO率はシーラズですが、パワーはこのウィリアムスの方がありそうに見えるのは私だけではないはずです。

ヒョロ長く見えるシーラズは、その見た目的には耐久力に問題がありそうに見えますが、ウィリアムスはハンドスピードも速く、体全体のスピードもあり、かなり危険な相手と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

このアンモ・ウィリアムス、現在のミドル級アメリカンプロスペクトとしてはイライジャ・ガルシアと双璧をなすくらいのところでしょうか。

いずれにしろ、ミドル級において米英のトッププロスペクト同士の戦い。次の世代を担うミドル級は、どちらなのか。ともかく双方ともにこのタイミングでぶつかる相手ではないということを認識しつつ、やはりサウジアラビアの力を感じますね。

WBA世界フェザー級タイトルマッチ

レイモンド・フォード(アメリカ)15勝(8KO)無敗1分

vs

ニック・ボール(イギリス)19勝(11KO)無敗1分

この試合がオープニングバウトになるのでしょうか。

はっきり言ってしまえば、このレイモンド・フォードvsニック・ボールという試合は、この興行の中で最も興味深い試合になっています。

それは我々日本人にとって届きそうで届かないフェザー級という階級のタイトルショットであること、そしてオタベク・ホルマトフを相手に素晴らしい勝利をあげたレイモンド・フォードという苦労人が王者として登場することと、誰しもが好意的な眼差しを向けるであろう小兵、ニック・ボールの戦いであるからです。

 

 

 

肉球、間違えたニック・ボールは前戦でレイ・バルガスのもつWBC世界フェザー級タイトルに挑戦、2度のダウンを奪いながらもまさかのドロー。ここで再戦に向かうかと思われましたが、何の因果なのか別のタイトルに挑戦することになっています。

ボールが挑む王者、レイモンド・フォードは前戦でオタベク・ホルマトフにリードを許しながらもまさかの大逆転KO勝利を挙げ、評価を高めています。ちなみにKOタイムは12R2分53秒というもので、あと7秒戦いが続いていたならばホルマトフが2-1で勝利をしていました。

ホルマトフ戦後、減量苦から階級アップを示唆していましたが、サウジマネーに抗えなかったのかボールの挑戦を受けることになっています。

↓多くの日本人ファンも見た大逆転劇

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

↓素晴らしかった肉球の奮闘

boxingcafe.hatenablog.com

これは本来、どちらも負けてほしくない戦いです。

ドローで良いのか、というともっと良くない。

ここは肚を据えてニック・ボールを応援といきましょう。

本当はボールがバルガスと再戦をやって、バルガスが陥落するという流れが最も好ましかったわけですが、そればかりはタイミングや大人の思惑もあるので致し方ありません。

ザ・アフロアメリカンの王者、レイモンド・フォード。このフォードのボクシングにはぐらかされないように戦わなければならない、身長157cmのフェザー級、ニック・ボール。

身長差をものともしない、というのはレイ・バルガス戦で証明済みながらも、フォードには非常に真っ当なスキルがあります。

 

 

 

その特異性を十分に活かし、インサイドで立ち回りができるかがカギとなるボール。

この戦いは非常に楽しみだし、この勝者がどんな戦いを繰り広げていくのかも非常に楽しみ。ともあれ、フォードはこれがフェザー級最後の戦いとなるかもしれないので、しっかりと仕上げてきて欲しいところですね。

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

▼【注目】RIVAL社のウシクグラフィックTシャツも取り扱い開始!

 

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】サウジ6/1興行!ビボルの相手、マリク・ジナドとは?ワイルダーvsツィーレイ、デュボアvsフルゴビッチ、ヘビー級注目ファイト!

今週末は、サウジアラビア興行。

ドミトリー・ビボルvsマリク・ジナドをメインに据えて、サウジアラビアの観光庁の長官であるトゥルキ・アラルシクが見たいカードを組んだようなマッチアップ。

だからこそ、非常に興味深い戦いが揃っているのは事実なのです。

素晴らしいマッチアップが多すぎて、1記事に収まる気はしないので、2記事に分けていきましょう。それもなるべく、簡潔に。

ということで今回のブログは、6/1に行われるサウジアラビア興行のプレビュー記事、vol.1です。

 

 

 

WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ

ドミトリー・ビボル(ロシア)22勝(11KO)無敗

vs

マリク・ジナド(リビア)22勝(16KO)無敗

この戦いは本来、アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボルという、今現在のボクシング界で考えられる最大のマッチアップでした。

しかしベテルビエフの怪我によりこの戦いは延期、ただしビボルはこの6月に試合をしたいという意思を示したことで挑戦者をピックアップ、WBA王座の防衛戦として行われることになった戦いです。

ドミトリー・ビボルについてはもはや説明は不要でしょう。

なので今回はマリク・ジナドというおそらく世界的には無名のボクサーを掘り下げていきましょう。

マリク・ジナドはリビアという国の出身で、リビアはアフリカ大陸にあります。エジプトやチュニジア、アルジェリアと国境を境にしており、地中海に面した国。地中海を挟んでギリシャやイタリアとも国境を境にしていますね。

 

 

 

このリビア出身のジナドは、おそらく典型的なアフロアメリカンとは異なります。見た目的に。現在は地中海にあるマルタを拠点としており、リビアからは離れて暮らしているようですね。

マルタという小さい国、リゾートで生計を立てているような国でもボクシング興行はあるようで、2015年のプロデビューはマルタ。その後はフランスやハンガリー、ベルギー、ドイツ、イギリス。。。と各地を回って戦い続けたロードウォリアー。

そこでかの国の有望株を喰って上がってきたボクサーだけに、本当に侮れない相手ではないでしょうか。

特にここ2戦は無敗のボクサーを相手に判定勝利を収めており、前戦はジェロム・パンペロン(イギリス)を破ってIBFの次期指名挑戦権を獲得しています。

なのでこのボクサーは、歴として挑戦権を有したボクサーであり、代役挑戦者にありがちなランキング下位のボクサーだったり、挑戦のためにランキングに入ったボクサーではない、ということです。

 

 

 

BoxRecを見ると身長186cmとありますが、映像で見る限りリーチはかなり長そうです。パンペロン戦の映像を見ましたが、パンペロンのリーチが190cmだとするとそれよりかなり長く見えます。

遠い距離から、ルーズ目のガード、決してパンチスピードが速いわけではないですがかなり伸びてはくるでしょう。

これは距離を把握するのに結構時間がかかるタイプであり、特に前半においてやりづらい相手でしょうね。

ここは百戦錬磨、オーソドックスな技術の塊とも言えるドミトリー・ビボルが丁寧な戦いで距離を把握し、後半にかけて差を広げていくという展開になるとは思いますが、このジナドというボクサーは結構特異なタイプのボクサーであり、短期間での対策は難しいタイプのボクサーかもしれません。これは淡々とこなすビボルのようなタイプでなければ結構難しい相手だったような気もします。

チャン・ツィーレイ(中国)26勝(21KO)2敗1分

vs

デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)43勝(42KO)3敗1分

もはや正真正銘の「サバイバル」マッチ。

この戦いはオッズが非常に競っており、5/26現在でいえばほんの少し、ツィーレイを支持する声が多いようです。

 

 

 

ツィーレイにしても、ワイルダーにしても、ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)に敗れた者同士であり、ここからヘビー級トップ戦線に返り咲くにはまずこの目の前の相手を確実に片付けなければなりません。

この試合は、判定決着してはいけない試合、ということができます。

「ビッグバン」と呼ばれ、東アジア人として初めて世界タイトル(暫定ですが)を獲得したツィーレイは、デビューからバッタバッタと相手を倒し、そのノックアウトシーンが話題になることもしばしば。

ツィーレイはジョー・ジョイス(イギリス)を破ってWBO世界ヘビー級暫定王座を獲得、初防衛戦でジョイスを返り討ちにするも、前戦でパーカーに敗れてタイトルを失っています。

デオンテイ・ワイルダーは「ブロンズボマー」、かのジョー・ルイスをもじったニックネームをつけられ、アメリカの期待に応え続けてきたボクサーです。

ボクシングを始めたのが20歳、とすでに出遅れたにも関わらず、22歳で北京オリンピックに出場して銅メダルを獲得。

 

 

 

プロ転向後はKOの山を築いてWBC世界ヘビー級王者となり、このタイトルを10度に亘り防衛することになります。

しかし11度目の防衛戦、一度は引き分けたタイソン・フューリーとの戦いで7RTKOで敗北、この頃からワイルダーはおかしくなってしまいましたね。

リマッチでも敗北したワイルダーは、ロバート・ヘレニウスを相手に復帰戦。この戦いは初回KOで勝利するも、下手くそなアウトボックスを試み、たまたま当たったように見える右カウンターで試合を決めています。

この戦い方をその次のパーカー戦でも決行、パーカーはこのディフェンシブで逃げ腰のワイルダーを相手にヒットアンドラン、楽々と判定勝利をものにしています。

さて、この戦い方を続けるようであれば、デオンテイ・ワイルダーに明日はありません。

フューリー戦で地震の脆さを自覚したのか、それとも痛烈なノックアウト負けにより脆くなってしまったのか、遅れてしまったのか。

自身の右を当てることにだけ注力すればまだ戦えそうではありますが、今のワイルダーにそれができるのかというと出来無さそうな感じがしています。

 

 

 

その部分がクリアにならなければ、ほぼ間違いなくツィーレイが勝つでしょう。一縷の望みは、ワイルダーがかつてのように戦うこと。

この戦いは、デオンテイ・ワイルダーという稀代のボクサーに、ツィーレイが引導を渡す結果になりそうですが、如何に。

ダニエル・デュボア(イギリス)20勝(19KO)2敗

vs

フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)17勝(14KO)無敗

このサウジアラビア興行に組み込まれたヘビー級ファイトのうち、興味深い戦いはこちらの戦いです。

「ダイナマイト」ダニエル・デュボア、元WBA世界ヘビー級レギュラー王者は、そういえば藤本京太郎をジャブだけで倒してしまった経歴を持つボクサー。

そんな日本と世界の差をまざまざと見せつけてくれたデュボアも、「ジャガーノート」と呼ばれるジョー・ジョイスのジャブに倒れたのが藤本戦から1年後のことでした。

ともあれ、そこから大復活を遂げたデュボアは、WBA王座を獲得したのちにオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)に敗北。前戦ではジャレル・ミラー(アメリカ)を倒して再起、この一戦を迎えます。

さて、クロアチアのフルゴビッチ、本来はもっと早くにチャンスが回ってきてもおかしくなかったボクサーです。

 

 

 

フルゴビッチは2022年にツィーレイに僅差ながらも判定勝利をしており、本当はツィーレイよりも先に世界挑戦して然るべきボクサー。ただ、そうはならなかったのは後ろ盾の問題なのでしょう。

前戦ではサウジアラビアのリングに登場、マーク・デ・モリ(オーストラリア)戦を初回で終わらせています。

ヘビー級においてしっかりとボクシングをするタイプのコンビネーションパンチャーであり、「アニマル」というニックネームとは全く異なった離地的に見えるボクシングを展開するボクサーです。

デュボアもボックスできるタイプのヘビー級ですから、このヘビー級で(ヘビー級なりの)技術戦が見られる可能性がありますね。

パンチングパワーとしてはデュボアでしょうから、デュボアが真正面からすりつぶしにくる可能性もありますが。

これはかなり50-50に近い戦いではないか、と思います。(ワイルダーとツィーレイもオッズ的には50-50ですが、意味合いが違います)これは非常に楽しみなヘビー級戦です。

vol.2に続く

 

 

 

配信情報

この興行は、DAZNで生配信です。

DAZN PPVの価格は3,000円、今回紹介した試合のほかにあと3試合の予定を含んでいます。

1試合に換算すると500円(という無茶な計算w)となるのでもちろんここは購入すべきでしょう。

配信日時は6/2(日)AM3:00〜、メインは朝7:00か8:00くらいでしょうか。

↓DAZNはこちらから

 

DAZN

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

▼【注目】RIVAL社のウシクグラフィックTシャツも取り扱い開始!

 

boxingcafe.base.shop

 

 

【プレビュー】英国で大注目リマッチ、ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラル!カナダではクリスチャン・ムビリが登場!!

さて、週末。

この土日は大会の打ち合わせに行かなければならないので忙しい。

別にオンラインで問題ないと思うのですが、現地でないと打ち合わせできないご老体たちのせいで、車で2時間運転して現地に行き、くだらない話をしなければなりません。

仕事はオンラインでしているのに、こういうところで高いガソリン代を使わなければならないのは本当に切ない。しかも交通費なんて出ない。

アマチュア競技に関わる、というのは本当に時間も金も犠牲にしなければならず、果たしてこのアマチュア競技の運営というものはこの先も続けられるのでしょうか。役員たちの自己犠牲の上にしか成り立たない、これは本来長続きするようなものではないはずです。

さて、ともあれ、本当に嫌な週末がやってきます。

ただただ、少なからず見るべきボクシングの試合がある、ということだけが救いの週末。

ということで今回のブログは、週末のイギリス、カナダ興行のプレビュー記事。

 

 

 

5/25(日本時間5/26)イギリス

ジョシュ・テイラー(イギリス)19勝(13KO)1敗

vs

ジャック・カテラル(イギリス)28勝(13KO)1敗

このライバル対決は、現地では超注目ファイトらしい。

遠く離れた日本ではさほど注目されているとは言えず、やはり自国のボクサーのライバル対決というのは国内の盛り上がりはものすごくても、海を超えた向こうではあまり届かないということなのでしょう。

日本人同士の世界王座統一戦、なんかもおそらくはそうで、そう考えると日本人がバンタム級を独占している今の状況は歓迎すべきなのか迷うところ。

ともあれ、週末はテイラーvsカテラル、いわく付きの再戦です。

2022年2月、当時推しも押されぬスーパーライト級4団体統一王者だったジョシュ・テイラーは、4団体統一直後の初防衛戦でジャック・カテラルを迎えました。

 

 

 

当時無敗ながらも世界的には無名と言ってカテラルは、1年以上のレイオフ期間があり、オッズは大きくテイラー優位と出ていましたね。

しかし蓋を開けてみれば接戦中の接戦、テイラーはキャリア初のノックダウンを奪われる大苦戦。カテラル勝利を推す声も多いほどの大苦戦の末、テイラーはスプリットの判定ものにして4団体王座をなんとか守りました。

それ以来、幾度も再戦が叫ばれてきましたが、当のテイラーは結局3団体の王座を返上し、WBO王座のみを保持することに。その上、このカテラル戦から1年4ヶ月後に行われたテオフィモ・ロペス(アメリカ)戦で虎の子のタイトルを失い、無冠となっています。

テイラーが無冠になったから、この戦いは実現したのでしょうか。

テイラーはカテラル戦後、ロペスに敗れ、そしてカテラルとの再戦。これは連敗もあり得るぞ、という状況です。かつての4団体王者が、階級を上げたわけでもないのにこの状況、というのはなかなかないものですね。

 

 

 

さて、カテラルはテイラーへのあわやという大善戦で名をあげますが、復帰戦は1年2ヶ月後。

復帰戦でWBAインターコンチネンタルのベルトを獲得すると、その初防衛戦の相手に呼ばれたのは3連敗中のホルへ・リナレスでした。

すでに何者でもないボクサーに敗れるまでになったリナレスにとって、カテラルは荷が重い相手でしたね。これは非常に残念な戦いでした。

いずれにしろ、元3階級制覇王者を破って箔をつけたカテラルは、自信満々でテイラーとの再戦に臨むのです。

さて、「タータン・トルネード」と呼ばれ、美しいコンビネーションを持つジョシュ・テイラー。かつてと比べて衰えたわけではないにしろ、4団体統一後のパフォーマンスとしてはパッとしません。WBSSを制した戦いは本当に見事であり、ホセ・ラミレス(アメリカ)との4団体統一戦も素晴らしかった。

対してカテラルは、非常に低く構え、頭から突っ込む、およそ美しいとは言えないボクシングで相手の良さを消し、サウスポースタンスから頭と左を同時に飛ばしてくるようなボクシング。

個人的にはこれはどちらを応援すべきかは明確です。

前戦は、テイラーの油断込みの結果であったと認識しています。

今、スーパーライト級は激アツ。

 

 

 

かつての4団体制覇王者を持ってしても、一つの王座に返り咲けるかどうかは全くわかりません。

テイラーは今、どこにそのモチベーションを持っていっているのか。この辺りが定まらないことには、今後の戦いは厳しいでしょうし、とてもじゃないですが今のスーパーライト級でカテラルが王者となれるかは疑わしい。

今回もおそらく、カテラルのやり口にテイラーが悩まされる試合になるのかもしれません。ただ、前戦があっての今戦、ここはテイラーがしっかりと対策をしてくることを望みます。

5/25(日本時間5/26)カナダ

クリスチャン・ムビリ(フランス)26勝(22KO)無敗

vs

マーク・へフロン(イギリス)30勝(24KO)3敗1分

フランス人とイギリス人の戦いが、カナダで行われます。

それもメインイベントであり、世界タイトルがかけられるわけでもありません。

日本では、考えられないことですね。

 

 

 

さて、スーパーミドル級の「プロスペクト」と呼んで良いのでしょうか、クリスチャン・ムビリ。

29歳という年齢はこの階級を考えるとこれからプライムタイムを迎えるであろう若いボクサーであり、接近戦で合田を繰り出すパンチャーです。

ムビリはカメルーンを出身地とするボクサーで、くっ付いての接近戦の距離を得意としていると思われます。頭をつけた距離から繰り出されるコンビエーションは、アングルも豊富、回転力もあり、何よりもパワーがあります。

このムビリの試合は見ていて非常に面白く、小気味良い。

頭が当たるくらいの接近した状態から、トトトンとコンビネーションを放つや、そのパンチセレクトが非常に良く、相手ががっくりと倒れてしまうような感じ。

はっきり言って無名のマーク・へフロンなるボクサーが相手では、ムビリがいつ倒すのか、ということぐらいしか関心は持てません。

これでたとえばヘフロンが無敗であったならばもう少し注目度があったかもしれませんが、すでに3敗を喫しており、何なら前々戦で負けています。(ちなみに前戦は4勝21敗の相手に2RTKO勝利)

 

 

 

しかもこのへフロン、英国を出て戦うのはなんと10年ぶりです。

このような相手に負けは愚か苦戦を強いられてもいけないクリスチャン・ムビリ、今回は倒し方を問われる試合ともなりそうです。

ここはムビリの良い倒しっぷりを見てみましょう。

ちなみにムビリはカメルーン出身、国籍フランスとなっていますが(レジデンスもまだフランス)、ここ3戦はカナダで戦っていますね。ベテルビエフなんかもそうですが、なぜヨーロッパ人はカナダで戦うのでしょうか。

冬はマイナス20度とかまで行くカナダのケベック、5月であればそんなこともないのでしょうが果たして暮らしやすいと言える気候なのか。

とまあ、話がそれましたがこの戦いはムビリがどのようなノックアウトを見せてくれるか、が焦点、来年くらいが勝負の年になりそうなムビリを見ておきましょう。

 

 

 

配信情報

ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラル、こちらは日本ではDAZNが放映です。ワールドワイドではDAZNが放映、北米ではテイラーがトップランク所属であるが故にESPNでの放送のようですね。

開始日時は日本時間で5/26AM3時開始、おそらくメインイベントは7:00くらいになるのでしょう。

ちなみに全く関係のないことですが、テイラーもカテラルもFLYのグローブをつけるかもしれません。これだけはちょっと楽しみ。

なお、クリスチャン・ムビリvsマーク・へフロンは北米でESPNが放送、こちらはいつものお昼過ぎのメイン。日本での放送はなさそうですね。

↓DAZNはこちらから

DAZN

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

▼【注目】RIVAL社のウシクグラフィックTシャツも取り扱い開始!

 

boxingcafe.base.shop

 

 

【プレビュー】エマヌエル・ナバレッテ、4階級目に挑む。vsデニス・ベリンチク!セミにはクロフォードの後釜、WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦!

5月も中旬。

今月はシンコ・デ・マヨ、そして日本のビッグイベント、さらにはオーストラリアのビッグイベントがあり、怒涛の5月前半でした。

今週においてはウィークデイにも日本ではフェニックスバトル、5/14(火)はFODで、5/16(木)はLeminoでそれぞれ生配信。週末にもダイナミックグローブがU-NEXTで生配信されるという状況で、5/18(土)にはいよいよサウジアラビアでのヘビー級の4団体統一戦までありますね。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

このサウジアラビア興行、「Ring of Fire」は日本時間の夜中に始まり、おそらく夜が開ける前に終わるのでしょう。

そしてその数時間後、アメリカのカリフォルニアでトップランク興行、こちらも注目です。

ということで今回のブログは、ナバレッテvsベリンチクをメインに据えたトップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

5/18(日本時間5/19)アメリカ・カリフォルニア

WBO世界ライト級王座決定戦

エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)36勝(31KO)1敗1分

vs

デニス・ベリンチク(ウクライナ)18勝(9KO)無敗

元スーパーバンタム級王者、というところからついにはライト級まで来てしまった、エマニュエル「バケロ」ナバレッテ。しかもまだ29歳という若さでの4階級目というのは、とんでもない才能です。

2018年12月、当時のWBO世界スーパーバンタム級王者、アイザック・ドグボエに勝利、再戦ではTKO勝利で返り討ちにしてから5年半、ほぼ休むことなく戦い続けてきた素晴らしいキャリアの持ち主ですね。

意味不明なタイミング、角度から放たれる強打で勝ち星を積み上げてきたナバレッテは、現在WBO世界スーパーフェザー級王者です。

WBOでは「王者が王座を返上して階級を変更する場合、その階級の1位にランクインする」という決まりがあるため、特にこのナバレッテがWBO世界ライト級の王座決定戦に出場することには違和感を覚えません。この規則は、複数階級を制覇したい王者にとっては非常に都合の良い制度であり、それを利用して複数階級を制覇してきた王者も多い。問題は、ナバレッテがスーパーフェザー級のタイトルを保持したままであり、負ければスーパーフェザーに戻るという逃げ道を作っていることです。

 

 

 

そんなことをしなくても、もしライト級王座決定戦で敗北し、スーパーフェザー級に戻るにしてもすぐに王座挑戦できそうなものですが。

ともあれ、この奇怪なメキシカンは4階級目、ライト級王座にその食指を伸ばしています。

さて、このナバレッテと王座を争うのはウクライナのデニス・ベリンチク。

ライト級のウクライナ人、といえばすでにワシル・ロマチェンコが王座に返り咲き済み。ベリンチクは二人目のウクライナ人ライト級世界王者となれるか。

ロマチェンコの偉業に隠れてはいるものの、このベリンチクも元トップアマで、元オリンピアン、もっと言えば元シルバーメダリストです。

もう10年以上も経ってしまったのか、と愕然とするわけですが、2012年のロンドン五輪に出場、本戦でアンソニー・イギットやジェフ・ホーンを破り、決勝でロニエル・イグレシアスに敗北しています。この時は今のようにネット配信がなかったと記憶していますが、決勝はTVで流れていたように思います。だから、見ていたはず。流石に覚えてはいない。

 

 

 

ともあれ、このボクサーはロマチェンコのような異次元の動きこそないものの、しっかりとボクシングを組み立てるタイプのボクサー。右でも左でもボックスするスキルを磨いている、というようなボクサーで、非常に穴の少ないタイプのボクサーですね。

ともすればナバレッテが得意とするタイプであり、正統派すぎるベリンチクからすると変則的なナバレッテは不得手なタイプのようにも思えます。

ナバレッテが右構えも左構えもないようなパンチを打ち、ベリンチクが右構えでも左構えでもボックスを試みる、出したパンチが左なのか右なのか、ジャブなのかストレートなのか、よくよく目を凝らさないといけない試合になりそうです。

さて、ここで焦点になるのは階級の壁と、ここ最近のナバレッテのパフォーマンス。

ナバレッテは前戦で技術力に定評のある元ゴールドメダリスト、ロブソン・コンセイサン(ブラジル)に大苦戦のドロー。その前にはオスカー・バルデス(メキシコ)に快勝も、その前にはリアム・ウィルソン(オーストラリア)にダウンを奪われる大苦戦。

この3戦がスーパーフェザー級の戦いであり、良いパフォーマンスを見せられているのはフェザー級上がりのバルデス戦のみ。

 

 

 

そこからさらに一つ階級を上げ、これまでのフィジカル面やパワー面、そして体格という優位性はかなり薄まってしまっていると言っても過言ではないでしょう。

かたやベリンチクは根っからのライト級、アマチュアでも64kgのウェイトで銀メダリスト。これはナバレッテ危うし、と見られてもおかしくはない戦いのように思いますが、オッズはナバレッテ大きく優位と出ているようです。

36歳、決して若いとは言えないベリンチクですが、ここでそろそろナバレッテの暴挙を止めて欲しいというのが正直なところ。

さて、デビン・ヘイニーの後釜を決める戦いもいよいよ大詰め。その数時間前には同じウクライナ人、しかも同年代であるオレクサンドル・ウシクが偉業を成し遂げているかもしれません。

ロマチェンコ、ウシク、そしてベリンチク。ウクライナ人ボクサーたちの大一番、勝ってここを締められるか。

↓ライト級について

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

 

WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦

ジョバニ・サンティリャン(アメリカ)32勝(17KO)無敗

vs

ブライアン・ノーマンJr(アメリカ)25勝(19KO)無敗

そのメインだけ見れば良いかな、と思っていました。アンダーカードにはリチャード・トーレスJr(アメリカ)やチャーリー・シーヒー(アメリカ)、この辺りのボクサーたちもそろそろ対戦相手のレベルも上がってきたと言えますが、まだまだ求められる試合レベルまではあと少しという印象。ちなみにあとは大人気、エミリアーノ・バルガスも出場予定ですね。

さて、そんな(いつも通り)トップランク・プロスペクトたちが競演するこの興行のco-mainイベントは、サンティリャンvsノーマンJrによるWBO世界ウェルター級暫定王座決定戦、テレンス・クロフォードの後釜を決める戦いの一つです。

32勝17KO、というのは立派な戦績ではありますがさほどKO率は高くなく、かといってスピードとタイミングがあるというわけではないボクサー。「Gallo de Oro」という大仰なニックネームを持つこのボクサーを、私個人としてはあまり注目していませんでした。

 

 

 

そのボクシングは非常に泥臭く、ストロングスタイルと言えるものであり、要はブロッキングで相手を押していき、頭をつけて左右のフックを振り回すみたいなスタイルです。

こういうボクシングを極めていくとティム・チューや若干違うかもしれませんがサブリエル・マティアス、日本人では村田諒太や最近ではユーリ阿久井、というスタイルになるという認識でいるのですが、このサンティリャンはパンチングパワーとして大きく秀でているわけではありません。なので「ストロングスタイル」と呼ぶには若干破綻しているような気がします。

それでもこのサウスポーの利点を活かすことを全くしないボクサーに注目したのは、前戦、アレクシス・ロチャ(アメリカ)を圧倒的な6RKOで屠ったことです。

ボリュームパンチャー、ウィリアム・セペダがノンストップアクションで相手を痛めつける時によくつけられる言葉ですが、この言葉がよく似合うのがこのジョバニ・サンティリャン。

ディフェンスを億劫に感じるのか、というほどブロッキングで詰め寄り、とにかく手をだす。相手が止まれば強打を見舞うというスタイルは、ヒスパニック系のアメリカ人らしいと言えばらしいですね。

ロチャ戦以来、このサンティリャンにようやく注目したわけですが、あっという間にチャンスが巡ってきたことに少々びっくりしています。

 

 

 

相手のブライアン・ノーマンJrというボクサーは、映像をつまみ見た感じスピードがあり、ステップがよく、カウンターが打てるタイプのパンチャーです。KO率は70%を超え、これらはおそらくカウンターで奪い取ってきたものなのでしょう。

前戦はバッティングでのノーコンテストからいきなりの世界タイトル戦、実績的にはサンティリャンが大きく上回っているのですが、ボクシングセンス、スキルはおそらくノーマンの方が上なのではないでしょうか。

ただし、スキルがとかセンスがとか、そういうものをただの手数が超越するのもまたボクシング。

おそらくここはスキルが愚直な前進と旺盛な手数に飲み込まれるような試合になる、と思われます。

個人的にはウィリアム・セペダ、そしてこのジョバニ・サンティリャン、ハートの強さとフィジカルの強さ、豊富な練習量を組み立ててきたボクシングは大好きです。そういうボクサーたちが、素早く動くボクサーたちを捉え、膝まづかせる戦いを期待しています。

ところでサンティリャンはWBOのトップコンテンダー、指名挑戦者なわけですが、このノーマンはなんと10位。下位と呼んでも良いランキング。

 

 

 

ちなみに2位にシャフラム・ギヤソフ(ウズベキスタン)がこの勝者に挑む指名挑戦者になるとして、3位のエロール・スペンスJr(アメリカ)の動向が不明とするならば、4位にはなんと佐々木尽がきているのです。

先日のジョー・ノイナイ戦の出来では。。。とは思うものの、あの一発が世界に通用するのかどうなのかは現時点でも非常に興味深い。サンティリャンならば確実に打ち合ってくれるのだから、相性だって良いでしょう。

まさかウェルター級の世界戦線の行方が、「日本人がらみで」気になるなんて思いもしませんでしたね。さてさて、WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦、期待してみましょう。

 

 

 

モンスター井上尚弥5・6東京ドーム速報号 (COSMIC MOOK)

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

 

【プレビュー】ワシル・ロマチェンコvsジョージ・カンボソス!日本の次はオーストラリア、オセアニアボクシング隆盛記!

エマヌエル・ロドリゲスの襲来、カネロvsムンギア、そして東京ドーム。

GWの後半はまさにお祭り騒ぎと呼ぶに相応しい喧騒で、それは東京ドームで井上尚弥がルイス・ネリをノックアウトした時、最高潮に達しました。

井上の試合はいつもエキサイティングで、本当に面白い。

さて、ここで井上ロス、なんてものにかかる暇がないほど忙しいのがボクシングファンで、祭りの後にはすぐに次のお祭りが来ます。

日本と同じく黄金期を迎えている、オーストラリアでの興行。

オーストラリア国外のビッグネームを呼び込むことに成功したのはトップランクとディベラ・プロモーションが共同でプロモートするジョージ・カンボソスJr、敵地に赴き戦うのは真の王者、ワシル・ロマチェンコ。

オーストラリアのボクシング史上屈指と言えるビッグイベント、今回のブログはそのプレビューです。

 

 

 

5/12(日)オーストラリア・パース

IBF世界ライト級王座決定戦

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)17勝(11KO)3敗

vs

ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)21勝(10KO)2敗

メインイベントはワシル・ロマチェンコvsジョージ・カンボソスJr。

オーストラリアの歴史上を紐解いても、3団体王者はいないはずで、単純な実績を見ると史上最も成功した王者、とも言えそうなジョージ・カンボソス。

2013年にプロデビューしたカンボソスは、それから7年間、世界のボクシングファンの知るところではありませんでした。

キャリアを振り返ると、2018年からオーストラリアを出て戦っていますね。

アメリカはもちろんのこと、マレーシア(!!)でも戦っており、マレーシアはパッキャオvsマティセーのアンダーカードにセットされていたようです。

その後はギリシャでもイギリスでも戦うというロードウォリアーっぷりは、やはりジェイソンやアンドリューのマロニー兄弟とも被る部分がありますね。オーストラリア人ボクサーは、自国に留まるわけにはいかなかったのでしょう。

 

 

 

イギリスの戦いではリー・セルビー(イギリス)を破って世界タイトルへの挑戦権を獲得、ただ、その前のミッキー・ベイ(アメリカ)戦も含めてスプリットの判定勝利でもあり、圧倒的勝利でタイトルを期待される挑戦者、とはいかなかったようです。

それでも、あのロマチェンコを破ったテオフィモ・ロペス(アメリカ)からダウンを奪っての判定勝利を挙げるのだから、ボクシングというものは本当に何が起こるかわかりません。

2021年のアップセットオブザイヤーにも輝いたこの一戦で大いに名前を打ったカンボソスは、地元オーストラリアでの凱旋防衛戦。ただ、この試合はWBC王者のデビン・ヘイニー(アメリカ)との世界ライト級4団体王座統一戦であり、カンボソスは初黒星を喫します。

再選条項があったらしく、おそらく多くのファン、関係者は「無駄だ」と思いつつもその試合を見守り、合計24ラウンズに渡るヘイニーの全くエキサイティングではないアウトボックスを見守る羽目になってしまったのです。

 

 

 

この連敗を経ても挑戦者決定戦に出られる、というのは大変に恵まれています。

ヘイニーへの連敗の後、マキシ・ヒューズ(イギリス)との挑戦者決定戦に出場、超微妙な判定勝利を得て王座決定戦のチャンスを掴み取っています。

↓ヒューズが勝ったと思った観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

そもそもカンボソスの圧勝というのを見たことがない。

本当の実力は未だ謎であり、ロペスに勝利したということぐらいしかない。(それは素晴らしいことなのですが)

なのでロマチェンコの負けは考えられない、と言いたいところ。

ロマチェンコについて今更キャリアを振り返る必要はないでしょう。

前戦ではデビン・ヘイニーに敗北してからの復帰戦で王座決定戦のチャンス、というのは、もしかするとボクシング界から真の王者への恩返しなのかもしれません。

ロマチェンコの3敗というのは、デビュー2戦目で挑んだ世界タイトル戦、ウェイトオーバーしたオルランド・サリド(メキシコ)に喫したものと、テオフィモ・ロペスとの微妙な試合で喫したもの、そしてロマチェンコ勝利を推す声も多いデビン・ヘイニー戦。

 

 

 

正直、ヘイニー戦でもロマチェンコがどれくらい衰えているのか、は怖かった。

この日のロマチェンコは、全盛期ほどではもちろんありませんが、想像していたよりは動けていました。ただ、当時からスーパーライト級でも見劣りしない体躯を誇るヘイニーと、ライト級でも限界を突破している雰囲気のロマチェンコでは大きな体格差があり、ヘイニーが体格差を活かして非常に上手く戦った、と感じます。

そこから1年、ロマチェンコの現在地はいかほどか。

衰えたとしても、カンボソスには負けない、と信じたい。

オッズもロマチェンコ-650、カンボソス+510と出ており、明らかなロマチェンコ優位。

しかし、地元オーストラリアでの大興行、カンボソスにも秘するものがあるはずで、カンボソスにとってもラストチャンスになり得る試合でもあります。ちなみにカンボソスに全くチャンスがないか、というとそうではなく、ここ最近のロマチェンコはスタミナなのか集中力なのか後半に落ちることが多いので、そこを突ける可能性はあります。

カンボソス、マロニー兄弟をはじめ、オーストラリアのボクサーたちは非常に運動量が多く、またそれをフルラウンド継続できるスタミナを持っています。これはオーストラリア人ボクサーの怖いところで、よほどのことがない限り動きが落ちません。

それでも、ここはロマチェンコらしい圧勝劇を期待し、王者の大復活を見届けたい。

 

 

 

WBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦

アンドリュー・マロニー(オーストラリア)26勝(16KO)3敗

vs

ペドロ・ゲバラ(メキシコ)41勝(22KO)4敗1分

当初はカルロス・クアドラスvsアンドリュー・マロニーというWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチでしたが、クアドラスが怪我で離脱。

これは正式発表された後、秒で撤退が決まってた記憶がありますね。

そしてマロニーの相手はゲバラに代わり、WBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦となります。

。。。。何かおかしくないか?

そもそもクアドラスは2023年11月にWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦を戦い、クアドラスがスプリットの判定勝利により戴冠。WBCの正規王者はファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)、優遇されるメキシカン王者は防衛戦をしなくても剥奪されることもなく、じっくりと対戦相手を選んでいたから、この暫定王者との王座統一戦が組まれることはなかったかもしれません。

 

 

 

なので暫定王座の防衛戦、という形でマロニー戦が組まれたと思うのですが、ここで王者が離脱、剥奪されてしまったのでしょうか、WBCのホームページにクアドラスの名前は無し。

何の脈絡もなく、前回の王座決定戦から半年の期間を経て王座決定戦のやりなおし(?)というのはWBCらしいと言えばらしいですが、誰かツッコまないものなのか。

アンドリュー・マロニーもペドロ・ゲバラも、我々はよく知るボクサーであり、良いボクサーでもあります。

マロニーはジャブから入る非常に総合力の高いボクサーであり、とにかく穴が少ないのはジェイソン同様です。足も手もよく動き、さまざまなことに対応できるボクサーファイターです。

ゲバラはメキシカンらしくない、長い距離でジャブとストレートを主体とするボクサーで、あんまりブンブン振り回すイメージはありません。懐が深いゲバラ、このボクシングは歳をとってもある程度衰え知らずとも言えます。

 

 

 

ここは中間距離の戦いであり、まっすぐに基本に忠実なボクシングをしてくるマロニー、ジャブやストレートを主体も基本に忠実とまでは言えないゲバラ、どちらが距離を制するのかが見ものです。

とはいえ、近くでも旺盛な手数で戦えるマロニーの方が引き出しは多いのではないか、と思われ、さらにオーストラリアという開催場所も伴って若干の優位、でしょうか。

ジェイソンが負けてしまった今となっては、黄金期と言えるオーストラリアのボクシング界に世界王者はゼロ。メインはあまり(オーストラリア人世界王者に)期待できないがため、ここは絶対に負けられない戦いです。

ということでここはアンドリュー・マロニーを応援、王座返り咲きに期待したいところです。

配信情報

この興行は、アメリカではESPN、日本ではWOWOWが生配信してくれます。

日程は5/12(日)11:00からで、オーストラリアの興行はちゃんとアメリカのプライムタイムに合わせてやるところが素晴らしい。

日本でも日曜日の日中にやれば、もっと多くの人たちが時間を気にせず会場に足を運べる上、終わった後にたくさんの人たちがその近辺で経済活動を行える、地方の人もその日のうちに帰れる、そしてアメリカへのアピールにもなる、と考えれば良いことずくめの気がしますが。

オーストラリアのパースと日本の時差は1時間、日本でもその時間で可能なはずですからね。

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】井上尚弥vsルイス・ネリ!ネリのビッグアップセットの可能性とフィニッシュシーンを考える。

さて、いよいよ井上尚弥vsルイス・ネリ、東京ドーム決戦が目前です。

日本ボクシング界の歴史を知る者にとっては「過去最高の盛り上がり」とは言えないまでも、ここ数年どころか四半世紀レベルで見ても過去最高の盛り上がりであることは間違いありません。

その立役者は「モンスター」井上尚弥であり、過度なメディア露出もなし、己の拳とその拳の使い方を他者に見せることでのみ、その人気を掴み取ったボクサーは、世界的に見ても稀有なボクサーと言えるでしょう。

これまでにもWBSSという世界的トーナメント優勝、世界タイトル4団体制覇、4階級制覇と2階級4団体制覇と数々のレガシーを築き上げてきた井上尚弥が挑むのは、マイク・タイソン以来という東京ドームでのボクシング興行です。

ということで今回のブログは、井上尚弥vsルイス・ネリの一戦をプレビュー。

 

 

 

5/6(月・祝)東京ドーム

世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ

井上尚弥(大橋)26勝(23KO)無敗

vs

ルイス・ネリ(メキシコ)35勝(27KO)1敗

もはや日本を飛び越えて世界のボクシングの顔役である、井上尚弥。

2022年末にバンタム級の4団体を制覇し、2023年にスーパーバンタム級へ進出。統一王者だったスティーブン・フルトン(アメリカ)を破り、初防衛戦で同じく統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)を破ってスーパーバンタム級でも4団体を統一。

このスーパーバンタム級での戦いは、初戦が最強王者と謳われたフルトンだったがために、すでに敵はいないという状態。そんな中でタパレスは勝ち目が薄い中非常によく頑張り、見応えのある戦いを見せてくれました。

フルトンとタパレスが戦えば、おそらく十中八九フルトンが勝つでしょう。

それでも、井上尚弥がどちらに苦労したか、と考えればどちらかというとタパレスに見えます。

 

 

 

ボクシングに三段論法は通用しない、このように全く当たり前のことを噛み締めつつ、今回の対戦相手ルイス・ネリはどうか。

ネリの過去の薬物疑惑、ウェイトオーバーはもうすでに語られ尽くしているので置いておきます。もはやこの段階では瑣末なこと、と言えば怒る人もいるのでしょうが、この段階にくればそこを気にする必要もないでしょう。

さて、話を戻してルイス・ネリ。

メキシコ、ティファナ出身のネリは、井上尚弥の一つ下の年齢で、現在29歳。

この戦いを制した後にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦い、レジェンドのまま引退するとインタビューで語っています。

ただ、その可能性は非常に低い、というのはすでに全世界がわかりきっていることで、世間の評価はネリも陣営も理解していること。だからこそ、ビッグアップセットを起こすというモチベーションにもつながっているのだと思います。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

ネリのインタビューを見聞きすると、しっかりと世間の評価を受け入れた上でこの戦いに挑むのだということがわかります。

下馬評では圧倒的不利、だからこそ失うものはなく、いきいきと戦えるのでしょう。

ネリのストロングポイントは、その回転力とパンチングパワー。ただのフッカーではなく、当て勘も良いように見え、およそコンビネーションと呼べる代物ではないからこそ怖さがあるボクサーだと思います。

この連打に巻き込まれて無事なボクサーはまあ、そうはいないでしょう。

ルイス・ネリ、アップセットの可能性

さて、まずはこのルイス・ネリの序列というとどうでしょうか。

例えばフルトンは距離をとってこの厄介なトルネードを躱すことができれば勝利することができると思います。井上戦では臆病にも映ったフルトンですが、通常は非常に勇敢なボクサーで、タフであり、ネリの勢いに怯まずにボックスアウトできるのではないかと思っています。

タパレスはこのネリの連打への対応として、自らも打ち合い、打ち勝つことができればネリに勝利できるでしょう。ただ、個人的にはネリの連打に巻き込まれてしまいそうな感じがします。

 

 

 

現状、直接戦ったと考えれば私の中の序列はフルトン>ネリ>タパレスなわけですが、対井上尚弥戦となればネリ>タパレス>フルトンとなります。

フルトンにあまり期待できなかったのは、やはり一発で倒せるパワーがなかったことです。

かといって井上尚弥が12ラウンズにわたりアウトボックスされるか、というと難しい。

タパレスは大いに頑張って評価を高めたように思いましたが、あのディフェンシブなカウンター狙いの戦法では判定勝利は望めず、打ち終わりの一発さえ気をつけていれば井上の勝利は固かったはず。リスクを取らずに判定勝利という道筋もあったはずですが、あの試合でスリリングな場面が訪れたことは、井上尚弥がタパレスを倒そうと打ちにいったことが非常に大きなことであるように思います。

さて、ルイス・ネリは井上を相手にどう戦うか。

もともとがフッカーであるネリにとって、まず井上尚弥を相手にジャブの差し合いから始めるなんていうことはあってはいけません。

 

 

 

様子を見るときは距離を大きくとって、井上が強く踏み込んでも当たらないポジションで様子を見るべきですし、それ以上にやはり初回のゴング直後からダッシュして強引に行くべきで、またそれを緩めることなく一気に押し切ってしまう、という戦法が適していると思われます。

ゴングと同時の特攻、というのが理想ですが、さすがにPFPファイターを相手にそれは難しく、ある程度自分が通用するのでは?と思っていたら尚のこと難しいでしょう。

この戦法は弱者の戦法であり、実行するにはまず普通に戦った場合における敗北を認め、それでもなお勝利を手にしようという気概が必要です。この前半部分、「戦う前から勝てないことを悟る」ということに関してはほぼ無理なことで、特に初顔合わせでこの戦法を取ることができる、というボクサーはほとんどいないはず。

実際は井上陣営の考えの上をいかなければ勝利をもぎ取れない、というのがルイス・ネリの現状。かなり厳しい現実です。しかしそれでも、ネリは攻撃力に秀でたボクサー。これは一発で倒すパワーパンチャー、というよりも、勢いがあり、回転力のある連打で仕留めるパンチャーであり、一発を警戒すれば良いだけのボクサーよりも難易度は非常に高い。

 

 

 

空振りしても気にせず振り回せる、というのは大きな長所であり、それが必然的にディフェンスにつながっている節もあります。

このルイス・ネリのボクシングを、なるべく早い段階で、スタミナ度外視で出していくことが、ネリの勝ち筋に他ならないのではないでしょうか。

フィニッシュシーンを考察

とはいえ、ネリが勝負を早くかけたら勝てるか、というとそれも難しいのが現状。

まずネリが攻めてきた時に、そのアクションを容易に躱すことができるステップワークを井上尚弥が持っている、ということがその理由の一つ。

井上尚弥はあまり攻め込まれることがないために、大きくバックステップを踏む姿をあまり試合で見せていません。何しろ「下がった」ということだけで話題になるボクサーです。

ドネア戦、ドネアの強い攻めに対してバックステップとサークリングで躱した井上尚弥のボックスは、既知のことながらも素晴らしかったことを覚えています。井上尚弥がネリのことを警戒しているのであれば、ネリのステップインに対してしっかりとバックステップを踏むことができ、たとえネリがパンチを打ちながら突進してきたとしてもしっかりと距離で外すことが可能でしょう。

 

 

 

さらにネリは打ち込む時にオープンガードになりがちであり、そこを井上に突かれる可能性は非常に高いと見ます。なのでネリは例えばタパレスやフルトン、バトラーのようにガード状態やディフェンスの状態で倒される、というよりも、打ちに行ったところ、つまりは井上のカウターショットで沈む可能性が高いのではないか、という仮説が成り立ちます。

ここで井上尚弥に必要なのは、ややモーションを伴って強引に打ちに行くようなパワーパンチではなく、従来の、力のこもっていないように見えるシャープなカウンター。それも、ネリのフック系のパンチにドンピシャでで合わせる左フックや左ボディ、もしくは右のショートストレートも良い。もしかすると前に出ながら打ってくるネリに対して、下がりながらのカウンターというものかもしれません。

今回のノックアウトシーンは、世界が痺れるようなハイライトシーンになりそうです。

この一発のカウンターで試合が終わる。近しいのはノニト・ドネア第二戦やエマヌエル・ロドリゲス戦、そしてジェイソン・マロニー戦あたりのカウンターか。

ドネアやロドリゲスは序盤から井上を本気で倒しに来ていたボクサーたちであり、マロニーは器用に戦って見せたボクサーです。

それらのボクサー以外は基本的に逃げの一手、その先にある「何か」を探し求めて結局その影を見ることもできずに敗れ去ったボクサーでもあると言えます。

だからこそネリには、少ない可能性にかけて、井上尚弥をしっかりと倒しにきて欲しいものです。

 

 

 

アンダーカードのプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

boxingcafe.hatenablog.com

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

【ボクマガ特別編集が発売!】

5/6東京ドーム決戦に向け、ボクマガ特別編集が発売です!

【購入はこちらから】

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】エマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑!バンタム級カウンターパンチャー対決、オッズは拮抗!!

5月に入りました。

今月、特に前半は怒涛のボクシングデイズ。

あっという間にゴールデンウィークも過ぎてしまいそうな予感がしていますが、ともかくも非常に楽しみな日々がもうそこまで迫っています。

さて、このゴールデンウィーク、ルイス・ネリをはじめとしてジェイソン・マロニー、そしてエマヌエル・ロドリゲスといった王者、元王者が日本に集結。その中でもロドリゲスの初来日は最も注目に値すべきものではないでしょうか。

挑戦権を獲得した西田凌佑からしても、これは非常に幸運なこと。

ということで今回のブログは、IBF世界バンタム級タイトルマッチ、エマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑について。

 

 

 

5/4(土)LUSH BOMU

IBF世界バンタム級タイトルマッチ

エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)22勝(13KO)2敗

vs

西田凌佑(六島)8勝(1KO)無敗

中谷潤人(M.T)戴冠前は、バンタム級最強王者と呼ばれたエマヌエル・ロドリゲス。

もう5年も前になりますが、WBSS準決勝、「事実上の決勝戦」と呼ばれたグラスゴーでの戦い、井上尚弥とのヒリヒリした第一ラウンドはまだまだ記憶に新しいところ。

井上の初手のジャブにカウンターをあわせてきたこと、そして井上尚弥自身もこの1ラウンド目に対して《「おっ」と思った》と言っている分、日本人としては「ロドリゲス強し」を認識させられています。

結果は井上が2Rで圧倒的な左フックカウンターを決めてダウンを奪い、そこから一方的になってしまいましたが、これはロドリゲスがファイトしにきたからであり、早い決着だったからロドリゲスが弱いというのはナンセンス、井上を倒す気でくれば必然的にKOラウンドは早くなります。

 

 

 

さて、エマヌエル・ロドリゲスは2012年にプロデビュー、プエルトリコ、ドミニカ共和国で戦い2015年にアメリカ進出。このあたりのボクサーはアメリカ本土で戦い始めてからが本当のキャリアスタートの感じです。

2018年に体重超過したポール・バトラー(イギリス)を破ってIBF世界バンタム級王座を獲得、初防衛戦でジェイソン・マロニー(オーストラリア)を僅差のスプリット判定で退けての井上尚弥戦となるわけですから、世界戦の戦績としては3勝2敗、さほど奮っているわけでもありません。

ただ、この内訳を見てみると、井上尚弥戦後にチャンスを掴んだWBC世界バンタム級暫定王座決定戦ではレイマート・ガバリョ(フィリピン)をアウトボックスしていたにもかかわらず不可解な判定負け、ということもあり、実質は井上戦での1敗のみと捉えても良いくらいのもの。

ちなみにこのガバリョ戦は、井上尚弥戦直後ということもあり、非常にディフェンシブで、大きくステップワークを使っていたから見栄えは悪かったかもしれません。ロドリゲスにも何か恐怖めいたものが残っていたのか、大きく動き過ぎたためにガバリョに「攻勢点」を与えるという言い訳をジャッジに与えてしまったような印象。(判定結果を容認するものではありません)

 

 

 

その後もルイス・ネリ戦が決まるもネリの体重超過で流れ、ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)との試合はバッティングでノーコンテストととにかく運が悪いロドリゲスは、ある一定のレイオフ期間を経て完全復活。

ラッセルとの再戦を「ここまで差があるか」という内容で制し、前戦ではメルビン・ロペス(ニカラグア)を徹底的に痛めつけ、ラストラウンドTKO勝利で全く問題ないような状態での判定勝利。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

王座決定戦が破格の(安い)ファイトマネーであり、これに拗ねたロドリゲスはいっとき引退を表明したりしてかまってちゃんになりましたが、結局引退撤回(撤回する宣言すらなく、さらっと戻ってきてるかも)して日本で初防衛戦を行うことになっています。

さて、指名戦に厳格なIBF、この挑戦権を獲得したのが西田凌佑。

「長身サウスポー」という誰にも嫌われる体躯を持つ西田は、そのキャリアのほとんどを大阪で戦っています。なのでこの初となる世界タイトルマッチを、ホームとも言えるエディオンアリーナでできる、ということは大きなアドバンテージともなりえます。

2019年にプロデビューした西田が一気に有名になったのはわずか3戦目でタイトルチャレンジャー、大森将平を撃破した時。

 

 

 

この誰もが驚くアップセットを起こした西田は、続く4戦目で元世界王者、比嘉大吾(志成)をも撃破し、その後も安定的な戦いをこなして挑戦者決定戦まで辿り着いています。

2023年8月に行われたクリスチャン・メディナ(メキシコ)との試合は極上のものでした。

素晴らしくキレるカウンター、絶妙なステップワークでメディナをほとんど寄せ付けず、ほとんどパワーヒットを許さない完勝。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

西田としては攻めてくる相手に対して相性が良さそうで、比嘉戦もそのような感じでした。

常に冷静、非常に安定的なボクシングを展開する西田凌佑は、王者となれば安定政権を築けそうなボクサーです。

同じく天才的カウンターセンスを持つロドリゲスとは、極上の技術戦、中間距離でのヒリヒリとした駆け引き、そしてカウンターにカウンターを合わせるみたいなとんでもない展開になりそうです。

 

 

 

西田の幸運

エマヌエル・ロドリゲスは、日本での評価はものすごく高い。

プエルトリコという国の出身のボクサーは、比較的アメリカでの人気が出やすいのですが、それは体の柔らかさや反射神経を活かしたカウンターパンチャーが多く、その前手のフックが強烈なボクサーが多いからで、えてしてそういうボクサーはノックアウトパンチャーです。

ロドリゲスはそれとは若干異なり、どちらかというとストレート系のカウンターが得意なようにも思います。

ただ、かつてガバリョと戦った頃と比べ、前戦のロペス戦では強いプレスを与えつつのカウンターを見せており、ガバリョ戦を経て(その反省からか)かなり攻撃的になっているように見受けられます。

そして西田はというと「つまらない試合をする」ということを公言しており、これは策士・武市トレーナーの作戦のもと、なりふり構わず自分の領域に入ってくれるまで待ち続ける、というような印象を受けます。ロドリゲスが攻めていかなければ、もしかすると本当につまらない試合になる可能性があります。

 

 

 

「敵地」というバイアスがかかっている、と考えると、攻めるのはロドリゲスの方でしょう。おそらくロドリゲスもどちらかと言えば待つ方が得意なボクサーですが、そのバイアスのおかげで攻めなければならない、となりそう。これが、亀田プロモーターがこの試合を大阪に持ってきたという効果であり、冒頭、「西田が幸運」と思ったのはそういうところに由来します。

世界的評価

それでも、世界王者としての実績を残してきたエマヌエル・ロドリゲスと、元世界王者を撃破しているとはいえ島国で戦う西田では、世界的評価はずいぶん違うはず。

しかし、この西田の評価は非常に高く、Ring誌のバンタム級ランキングでも9位にランクイン、3位のロドリゲス(王者不在で1位に中谷潤人、2位にマロニー。)と比べても遜色はなく、大配信時代の恩恵に預かってなのか実はオッズもロドリゲス-200程度、西田が+200程度とロドリゲスが若干優位ながらもかなり拮抗しています。

当然オッズが全てではない(全てではないどころか別に何の根拠もない)のですが、こうしてみると西田の王座奪取という芽は大いにありそうです。

 

 

 

ただし、というか何というか、個人的にはバンタム級王座を日本だけに留めてほしくない、というのが正直なところ。

なので個人的理想は、ロドリゲスが西田に勝ち、マロニーが武居に勝ち、井上が石田に勝ち、そしてここに中谷を交えて4人でトーナメントを戦い、4団体制覇者を決めてもらいたい。

ここに中谷が優勝すれば満を持して井上尚弥に挑戦状を叩きつければ良いし、それを阻まれるようでもまた良い。

いずれにしろ、5/4と5/6、たった2日のうちに大きく勢力図が入れ替わるかもしれないバンタム級。これは楽しみで仕方がありませんね。

 

 

 

配信情報

このLUSH BOMU興行は、ABEMAがライブ配信!

ライブ配信は無料なのですが、このLUSH BOMUは3150FIGHT同様に無駄な時間が非常に多く、一体いつ試合が始まるのかが見づらい興行です。

ボクシングを見ていてストレスが溜まる、というのは良くない傾向だと思うので、個人的にはABEMAプレミアムに入り、アーカイブでいつでも見れるようにしておくのが吉、と思っています。

ABEMAプレミアムに入っておけば、夕方頃にお目当ての試合が始まっているか、を確認しながら見れば良い。もし始まっていても、若干のディレイ視聴(追っかけ再生)をしてインターバルを飛ばせばすぐに追いつきます。

そんなわけで、GWのボクシングはストレスなく楽しみましょう。

↓ABEMAプレミアムはこちら

AbemaTV 無料体験

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

【プレビュー】GWは世界戦だけじゃない。ダイナミックグローブ、坂井祥紀vs豊嶋亮太、川満俊輝vs安藤教祐のW日本タイトル戦!!

今週末は、怒涛のボクシングラッシュ。

そして来週早々に東京ドーム決戦。

ボクシングファンにはたまらない週末ですが、その全てを現地で観戦することはなかなか難しいという中で、現地観戦する興行を絞っているファンもいるのでしょう。

かくいう私も東京ドームにしか行けないですが。

ともあれ、この大配信時代において現地観戦するファンを捕まえるのは大変だろうということは容易に推察できます。過去を振り返ると、TV中継のない興行は多少無理をしてまで行っていましたが、今は配信があれば現地観戦の検討にすら入らないこともしばしば。特に東京や大阪から遠い田舎に暮らしている身としては、金銭的なものもそうですが時間が非常にもったいなく思えるし、配信は録画の手間もないため非常に重宝します。

 

 

 

配信は非常にありがたいことですが、やはり現地観戦に勝るものはない、との認識ではあるものの、年々(配信が増えるに従って)現地観戦へのハードルは上がっており、特に配信でボクシングを見始めたという若い世代にあってはそれは私とは比べ物にならないほどの高いハードルになってはいないか。

色々と悶々と考えてしまうわけですが、いち個人にできることなんてほとんどないので今日も淡々とプレビュー記事でも書いてお茶を濁します。

そんなわけで今日は5/4(土)に行われるダイナミックグローブです。

5/4(土)Who's Next Dynamic Glove

同じ日に興行をするなら、時間を少しずらして欲しい、と常々思っています。これは国内、海外問わず。

この日、大阪はエディオンアリーナで行われる大注目興行、LUSH BOMUは13:30の試合開始であり、このダイナミックグローブは17:45開始とのことなので、大阪のメインイベントが終わってからダイナミックグローブが開始されるイメージ、若干被りそうではあるものの問題がなさそうなところは非常にありがたい。

 

 

 

ボクシングと音楽の融合を掲げるLUSH BOMU興行がどれくらい余興に時間を割くか次第ではありますが。

逆にいうとこの日の半日以上はボクシング観戦に費やさなければならないので、家族には事前の了解をとっておく必要がありますね。

日本ウェルター級タイトルマッチ

坂井祥紀(横浜光)29勝(15KO)13敗3分

vs

豊嶋亮太(帝拳)18勝(11KO)3敗1分

そんなダイナミックグローブのメインイベントは、坂井祥紀vs豊嶋亮太。

過去、一度戦って勝敗の決した試合の再戦ということにはなりますが、この立場を変えての再戦というのは非常に興味深いものとなりそうです。

 

 

 

王者、坂井祥紀は2023年4月、重田裕紀(ワタナベ)との王座決定戦を2RTKOで勝利して日本タイトルを初戴冠。2020年に日本に戻ってきて、3年もかかるとは思わなかったですが、その後は能嶋宏弥(薬師寺)との初防衛戦をクリア、前戦ではシーサー皆川(平仲)を退けて2度の防衛に成功しています。

強いフィジカルと安定的なアグレッシブネス、旺盛な手数で攻めるファイタータイプである坂井は、そのしつこさが持ち味なのだと思います。

日本に戻ってからは9戦して6勝2敗1分、この2敗のうちの1つがかつて豊嶋に喫したものです。

この豊嶋戦もそうですが、坂井のボクシングはちょっとポイントを取りづらいのでは、と感じることが多々あります。

比較的互角に見えるラウンドは、相手に振られてしまうこともしばしば。小原戦なんかはまさにそうでしたし、この豊嶋戦でもそうでした。

さて、再戦ではどうなるか。

 

 

 

豊嶋はインもアウトもこなせる器用さを持っていますが、実は坂井も猪突猛進とはタイプが違います。

2021年にアジア2冠をかけて戦った際、意外にも坂井が距離をとって戦い始めた後半にリードしているように見えました。逆に、豊嶋はフィジカルも強く、接近戦で坂井に押し勝っているようにも見え、戦前に予想していた試合内容、両者のストロングポイントが随分と違った印象でしたね。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

そのころの豊嶋は世界へ向かっていく勢いがあり、豊嶋から見れば当時の坂井は「格上」として戦ったからこその試合内容だったような気がします。(スパーリングでは坂井に大きく分があったとのこと)

この「勢い」はキャリアにおいて非常に重要なものだと思いますが、その勢いは佐々木尽(八王子中屋)によって一旦は断ち切られてしまいます。

まさかの初回TKO負けを喫した豊嶋は、韓国人を相手に復帰、前戦では挑戦者決定戦を勝ち抜いて今回のチャンスを掴んでいます。

 

 

 

豊嶋が坂井に対して「一度勝った相手」として挑むのであれば、勝利は厳しくなるような気がします。

初戦でどちらかというと後半に若干巻き返した風のある坂井の方が、豊嶋攻略に対して良いイメージを持って終わっているような気がするからです。

とはいえ、前戦で豊嶋が勝利しているという事実も含め、この戦いは50-50に非常に近しい戦いとなるのではないでしょうか。

当日、どちらのモチベーションがより高く、より相手のことをわかっているのか。

どちらにも転びそうな戦いは非常に興味深いですね。

 

 

 

日本ライトフライ級タイトルマッチ

川満俊輝(三迫)9勝(5KO)1敗1分

vs

安藤教祐(KG大和)13勝(6KO)4敗

メインイベント同様、こちらも再戦です。

ライトフライ級にそぐわないハードパンチを持つ川満は、前戦で前王者大内淳雅(姫路木下)を破って日本タイトルを初戴冠。

この試合を2Rで片付けてはいるものの、「楽勝」という試合ではなかったことは申し添えておきます。

一発で倒せるパワーパンチャーだからなのかディフェンスが甘いという部分はあり、それも一つの魅力の川満。だからこそ勝っても負けても早期決着の試合は多く、若干の危うさを伴っているイメージです。

唯一の敗戦は重岡銀次朗(ワタナベ)によるもので、もう2年半前のこと。安藤とはその重岡戦前に戦い、初回たった46秒でTKO勝利を飾っています。

 

 

 

挑戦者安藤も同じく強打を持つボクサーであり、こちらは2度目のタイトル挑戦。

初めてのタイトルショットはちょうど1年前の5/6、山中竜也(真正)戦であり、ここはしっかりとアウトボックスされてしまいました。

山中とはキャリアも違い、相性もあったイメージで、川満とは噛み合うはず。

噛み合った結果が川満の46秒TKO勝利という内容ではあったものの、これは実力差というよりも先に当てたのが川満だった、ということを見るべきところだと思います。

前戦で亀山大輝(ワタナベ)を5RTKOで降し、日本タイトルへの挑戦権を勝ち取った安藤。この亀山はその前戦で今度ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)へ挑戦する加納陸(大成)とドロー、実力のあるボクサーでした。

この戦い、安藤は念願のタイトル奪取とリベンジ、2つの悲願を達成できる大チャンス。かつてないほどモチベーションは高いはずで、メインと同じくこちらも川満が初戦での初回TKO勝ちを引きずっているようであれば結果が変わってくる可能性があります。

 

 

 

当然、川満の前戦の勝ち方を考えれば、川満優位というのは全くおかしなことではありません。

ただ、速攻型パンチャーとも言える川満の序盤を安藤が上手く乗り切れば、その後、大きなチャンスが生まれてくる可能性も期待できますね。

配信情報

この興行は、2つの日本タイトルマッチ、それもチャンピオンカーニバルをセミファイナルとメインに据え、他に4回戦が2試合、6回戦が1試合の合計5試合での興行です。

ダイナミックグローブなのでもちろんU-NEXTでライブ配信、それも第一試合からの中継を行なってくれます。

日程は5/4(土)17:45に配信開始、とのことなので、大阪興行が終わってから十分に間に合う時間帯。

ABEMA(ロドリゲスvs西田)を見終わったらU-NEXTに切り替え、視聴必須!

↓U-NEXTへの登録はこちらから

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】PBC PPV!アンダーカードに登場は、バリオス、フィゲロア、スタニオニス!東京ドーム前日も4大世界戦!

GW前半はキャンプに来ております。

キャンプに来てまでボクシングのことを考える私は悪夫であると同時にボクシングファンの鑑(と、誰に褒められるわけでないので自らを褒めておく)。

人混みを完全に避けたキャンプなので山奥すぎてwi-fiはもちろん電波も微妙、ということで昨日のブログアップに失敗していたがために本日の午前中アップでした。

↓カネロvsムンギアのプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

そんなわけで、今回のブログはカネロのシンコ・デ・マヨ興行、そのアンダーカードについてのプレビュー記事。

 

 

 

5/4(日本時間5/5)ラスベガス

WBC世界ウェルター級暫定タイトルマッチ

マリオ・バリオス(アメリカ)28勝(18KO)2敗

vs

ファビアン・マイダナ(アルゼンチン)22勝(16KO)2敗

「アステカの戦士」のニックネームを持つマリオ・バリオス。ウズベキスタンの強豪、バティルザン・アフメドフを破ってWBA世界スーパーライト級王座を獲得したのが2019年9月のことで、その後2度目の防衛戦でジャーボンタ・デービス(アメリカ)に敗れて王座を失っています。

El Azteca(アステカの戦士)というニックネームだから、どんなどファイターなんだろうと楽しみに見ると実は結構ジャブがよく、アグレッシブネスのみで戦うメキシカンとは違います。当然そういうファイトもできるのでしょうが、待つスタイルもできるスパニック系のアメリカ人です。

 

 

 

タンクに敗れたあとはキース・サーマン(アメリカ)に判定負け、技巧においてサーマンには全くと言って良いほど及ばなかった、というイメージ。

この2連敗でアンダードッグに陥りそうだったバリオスですが、再起戦で当時同じく2連敗だったジョバニ・サンティアゴ(プエルトリコ)とのサバイバル戦を制し、ヨルデニス・ウガス(キューバ)とのWBC世界ウェルター級暫定王座決定戦に出場。ここでバリオス勝利を支持した人は少ないと思いますので、「アップセット」と呼んで良いような勝利でウガスを破り、暫定王座を戴冠して大復活を遂げています。

このウガス戦こそバリオスのベストファイトであり、今現在、バリオスはプライムタイムを迎えていると言えそうです。

一方のファビアン・マイダナの兄の名はマルコス、あのマルコス・マイダナの弟です。

兄と違って比較的正統派ボクシングのファビアンは、2014年、それこそマルコスがメイウェザーとの2連戦しているその間にプロデビューしています。

キャリア初期にアメリカで戦っているというなかなか珍しいキャリアのボクサーで、兄が兄だけに期待されていたのかもしれませんね。

 

 

 

2019年に初黒星、相手はあのハイデル・パーラ(ベネズエラ)。ロレンソ・パーラの弟で、内山高志に悶絶ボディでノックアウトされたというイメージしかないですが、そのパーラに判定負けを喫しています。

2敗目はフランシスコ・メルカド(メキシコ)というボクサーで、知ってそうで全然知らないボクサーに判定負け。この当時、5勝1敗のボクサーに、です。(ちなみに現在8勝4敗)

その後4連勝ながらも、全て自国の試合であり、強豪との対戦があるとは言えません。果たして、暫定とはいえタイトルショットに出場する権利があるかと問われれば、(試合を見てはいないけれども)あるとは言えないのではないでしょうか。

この試合がセミファイナル。早めに終わると良いですね。

WBC世界フェザー級暫定タイトルマッチ

ブランドン・フィゲロア(アメリカ)24勝(18KO)1敗1分

vs

ジェシー・マグダレノ(アメリカ)29勝(18KO)2敗

さて、共同メイン(セミファイナル)がそんな感じなので、こちらのセミセミの方が我々日本のボクシングファンにとっては興味深い。

 

 

 

元スーパーバンタム級王者、前戦でマーク・マグサヨ(フィリピン)を破ってWBC世界フェザー級暫定王者についたブランドン・フィゲロアの初防衛戦です。

結局レイ・バルガスはフィゲロアとはやらないのか。

ともあれ、フィゲロアは長身を全く活かさない得意なファイターであり、タレ目の男前なので応援しています。

とにかく最初から最後まで打ちまくるスタイルは、運動神経もセンスも必要ない、まさにファイティング原田のような「狂った風車」スタイル。ついたニックネームは「ハートブレイカー」、あくなき手数で対戦相手の心をへし折ってのストップ勝利が目立ちます。

このフィゲロアこそがルイス・ネリ(メキシコ)に初黒星をなすりつけたボクサーで、あの試合もボディが効いたのもあるのでしょうが完全に心を折ったという試合でしたね。

唯一の敗戦はスティーブン・フルトン(アメリカ)とのスーパーバンタム級王座統一戦、どっちが勝ってもおかしくない内容でもありました。

 

 

 

今回の挑戦者はジェシー・マグダレノ。かつてノニト・ドネア(フィリピン)に勝利した経験もある、こちらも元スーパーバンタム級の王者ですね。

一世一代の大番狂せを演じたマグダレノですが、ドネアに勝利して得たタイトルは2度目の防衛戦でアイザック・ドグボエ(イギリス)に奪われ、その後はフェザー級にあげて4連勝もあんまり良いパフォーマンスは見せれず。

そして前戦でレイモンド・フォード(アメリカ)に完敗、フォードがオタベク・ホルマトフ(ウズベキスタン)を破ってWBAの新王者になったからなのか、今回のチャンスが舞い込んできています。

いずれにしろフィゲロアとしては、負けはおろか苦戦もしたくない相手ですね。

フィゲロアはそれこそ明確に「井上尚弥と戦いたい」と言ってくれているボクサーで、かつここまでエネルギッシュにくる特異なファイター、さらにフェザー級という未だ未知の階級ということを踏まえれば、井上との対戦はぜひ見たいところ。

ということで頑張れフィゲロア、より強さを見せてくれることを強く願います。

 

 

 

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ

エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)14勝(9KO)無敗

vs

ガブリエル・マエストレ(ベネズエラ)6勝(5KO)無敗1分

この戦いが、PPVのオープニングファイト。

ラジャブ・ブタエフ(ロシア)との大激闘を制し、WBA世界ウェルター級王座を獲得したエイマンタス・スタニオニス。

リトアニアという小国出身のためなのか、とにかく運のないスタニオニスは、今回が初防衛戦ながらもなんと在位2年以上に及びます。

キース・サーマンやバージル・オルティスJrとの対戦が出ては消え、出ては消え。。。気づけば2年以上の歳月が流れた末、初防衛戦の相手は結局ガブリエル・マエストレに決まりました。

サーマン戦、オルティス戦にこそ劣りますが、このマエストレ戦もなかなかに興味深い戦いではないでしょうか。

 

 

 

強いフィジカルが持ち味のパンチャー、スタニオニスは元オリンピアンであり、「アメリカで戦っている外国人選手」らしく非常にアグレッシブ。そのパンチャーに対してガブリエル・マエストレはテクニシャンタイプで、ベネズエラン・ボクサーらしい柔らかさを備えています。

なのでこの試合は、スタニオニスがそのフルスイングをガツンとヒットできるか、そしてマエストレがそれをいかにはぐらかし、パンチを当てこむのか、が焦点となってきそうです。

ちなみにこのガブリエル・マエストレも元オリンピアンであり、2度の五輪出場経験を持っています。

さらにこのスタニオニスとマエストレは国際大会で1回(以上?)の対戦経験があり、その時はスタニオニスが勝利していることから、マエストレにとってはリベンジマッチともなるようです。

とはいえ、スタニオニス30歳、マエストレ37歳とあらばやはりここはスタニオニス優位。「クロフォード後」のウェルター級覇権争いはもう始まっており、ここにジャロン「ブーツ」エニスが絡んでくるとなるとやはり若いファイターに勝利してもらいたいところです。

 

 

 

配信情報!

ということでこのPBCのPPVファイト「も」クアドラプル・タイトルマッチ。

そして翌日の東京ドーム決戦もクアドラプル、その前日にも世界タイトルマッチを見なければならない、と考えると3日で9つの世界タイトルマッチ。

良い試合を見たい、というのはもちろんありますが、このPBCのPPVファイトに関しては「その強さを見たい」という世界タイトルマッチも多く、応援するボクサーたちがストップ勝ちして早く終わらせてくれることを願いますね。

この興行は日本ではWOWOWでライブ配信、さらに日本版DAZNでもPPV配信があります。DAZNのPPVは2,500円、WOWOWと変わらない値段なので、WOWOWに入った方がお得そう。

 

DAZN

 

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

【プレビュー】カネロ・アルバレスvsハイメ・ムンギア!MXファイトに「まさか」は起こるか??

プロボクサーの選手寿命というのは一昔前に比べてぐっと上がっています。ふた昔前だと相当上がっています。

日本でプロデビューできる年齢が17歳、アメリカでは18歳だったか?メキシコでは16歳?世界各国、さほど変わりはありません。

その中でたとえば仮に10年〜15年くらい現役生活を続ければ、年2〜3試合を順調にこなしたとしても引退までに30戦〜40戦が関の山。

そう考えると33歳で66戦、27歳で43戦というキャリアはとてつもないものだと思います。

有名なメキシカン同士の戦いは、時に「メキシカン・スーパーファイト」と呼ばれ、そのライバル対決がもてはやされるわけですが、今回はそれとは少し趣が違います。

果たしてこの戦いは、チャベス(シニア)vsデラホーヤとなり得るのか。

現代最高(に稼ぐ)ボクサー、カネロ・アルバレスに挑むハイメ・ムンギア、今回のブログはこのPPVファイトのプレビューです。

 

 

 

5/4(日本時間5/5)ラスベガス

世界スーパーミドル級4団体統一タイトルマッチ

サウル・アルバレス(メキシコ)60勝(39KO)2敗2分

vs

ハイメ・ムンギア(メキシコ)43勝(34KO)無敗

ボクサーのステータスというのはパワーやスピード、ディフェンス、と諸々あるにせよ、このカネロ・アルバレスが現代において最高に稼ぐボクサーであるということは疑う余地がありません。

稼ぐ、ということは人気がある、ということに他なりません。

カネロの前はメイウェザーでしたが、アンチも含めて人気ということで、カネロにもアンチは多いイメージです。

 

 

 

スーパーミドル級周辺のボクサーは、誰もがカネロを目指す。人気取りにさほど興味がなさそうなドミトリー・ビボル(ロシア)でさえ、結果的にカネロ戦を受けているのだから、他の理由も諸々あったとは思いますが莫大なファイトマネーを得ることに不快感を覚えるボクサーは皆無でしょう。

さて、このカネロはもちろん人気だけでなく、実力も示してきたボクサー。

無理だと言われたチャレンジ、ライトヘビー級にあげてビボルに挑戦するまではPFP1位に君臨していたボクサーであり、特にライトヘビー級前(ビボル戦以前のライトヘビー級進出※コバレフ戦はなかったこととして)のスーパーミドル級を11ヶ月で統一した頃は神掛かったほど強く、隙を見せませんでした。

173cmという低身長をよく活かしているとも言えるボクシング。素晴らしいヘッドムーブからのパワーパンチ、ウェルター級上がりながらも決してパワー負けしない体幹の強さ。そしてGGGのパンチにもびくともしない顎の強さ。

 

 

 

カネロを強くしたのは、おそらくメイウェザー戦での初黒星と、GGG戦での負けに等しいドローとそのダイレクトリマッチ。その頃にプライムタイムに突入したと思われるカネロは、ディフェンスが非常に良く、ディフェンスから組み立てることもできるし強引にもいくことができる、自身にとって最高のスタイルを確立した、と言っても過言ではありません。だからこそこの時が絶頂期で、今はすでに下り坂にいる、ということが明白でもあります。

間違いなくあのボクシングはカネロの勤勉さ、ボクシングへの献身により出来上がったスタイルであり、ドーピング疑惑やカネロ判定、マッチアップ云々と批判はあろうとも、あのボクシングへの姿勢は疑う余地がありません。

だからこそ、すでに成熟を超えて円熟、そしてその次に入っているカネロを見るのが正直辛くなってきています。

ジョン・ライダー(イギリス)戦やジャーメル・チャーロ(アメリカ)戦ではダウンを奪っての完全勝利、勝敗で言えば文句のつけようもないですし、ライダーやチャーロはノーチャンスだった戦い。ただ、カネロのパフォーマンスがこれ以前と比べて良かったか、というと、危機感は薄いように思え、とりあえずパワーパンチでなんとかしようという横着さも窺えました。

体力的な衰え、反応の衰えというよりも、すでに事を成し得た後のモチベーションの衰え、何かを証明しようかという気概の衰え、というものを感じてしまいます。

 

 

 

そんな状態でトレーニングの量だけしていても、かつてのようなパフォーマンスを試合で出すことは不可能なように思います。

さて、そんなカネロを奮い立たせることができるのか、ハイメ・ムンギア。

ムンギアはもう随分前から「ネクスト・カネロ」と言われてきたメキシカンながらも、当然その域には届いていません。

21歳の若さでWBO世界スーパウェルター級王者として君臨、タイトル戴冠から1年半弱という在位期間の中で5度の防衛、学ぶ試合も素晴らしい試合もありました。

しかし2020年に転級後は比較的安全なマッチアップが目立ち、結局今まで「ムンギア危うし」というマッチアップはほとんどありません。あくまでも、「この相手にどういうパフォーマンスで勝利するか」という試合のみで構成されています。

ムンギアをプロモートするのはオスカー・デ・ラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーション、強敵を恐れず戦ってきたデラホーヤは、プロモート側に回ると意外と弱気。

ともあれ、このデラホーヤの元、かつてのデラホーヤのようにレジェンド撃破を目指すムンギア、その過程はどうあれなんだか感慨深いものですね。

ただ、昨年以降は難しい相手への勝利でアピールしており、セルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)に薄氷の勝利を踏んだ後、ジョン・ライダーに会心のストップ勝利、このライダー戦でカネロ戦を一気に手繰り寄せた、と言っても過言ではありません。

 

 

 

カネロのモチベーション

さて、この試合ももちろんカネロ優位の予想。オッズはカネロが大体-500くらい、ムンギアが+400くらいのようです。

これはこれまで残してきた実績からしてももちろんそうですし、おそらくムンギアが勝利するには判定では難しく、ストップしなければならないから、でしょう。そしてカネロをストップするというのは極端にハードルが高い。

ムンギアの得意な距離でパワーパンチを打ち込むことができれば、可能かもしれません。あとはビボルのようにパワージャブを突き、カネロを下がらせる場面が必要。

カネロを前に出させては、劣勢になることは目に見えており、ムンギアにとってカネロに密着された状態だとかなり難しい試合になりそうです。

さて、ここで重要になってくるのがカネロのモチベーションであり、もしカネロが中途半端にインサイドに入ろうとする、いつもよりもプレスが弱い、一発で倒そうと力む、等々があるならば、入りぎわにムンギアのパンチを浴びてしまう可能性もあります。横着しようとすれば、チャーロ、ライダー戦以上にその代償は大きい。

 

 

 

カネロはこれまで、「メキシコ人とは戦わない」と言ってきました。

それでも今回はハイメ・ムンギア、バハ・カリフォルニアの純粋なメキシカンです。

メキシカンであろうとも戦いたかったのか、ムンギアを倒してやはり自分が最強だと吠えたいのか。もしくは、仕方なくなのか。

この辺りにカネロがどれほど仕上げてこれるのか、がかかっていそうです。

ムンギアとしては必要以上にカネロをリスペクトすることなく、ガンガン行って欲しいですね。その先にしかアップセットはないと思います。

 

 

配信情報!

アメリカではこの試合はAmazon Prime VideoのPPVファイトとして売り出されます。

価格は89.99ドルと「高い方の」価格ということで、憤慨しているファンも多いようです。ちなみに北米だとAmazonだけでなく、DAZNでもこのPPVファイトを買えるようですね。

約90ドルって15,000円近くになりますね。。。こわ。

さて、我が日本ではWOWOW様がライブ配信。放送日時は5/5(日)AM9:00からのようです。月額料金だけで見れるPPVファイト、見るしかないですね!

(日本版DAZNでもPPVは2,500円で買えます!)

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

【プレビュー】ジェイソン・マロニーvs武居由樹!互いのKey of Victoryとは?

さあ、ゴールデンウィークに突入です。

カレンダー通りだと3連休→3連勤→4連休だから、なんだかゴールデン感がないとお嘆きの方も多いかもしれませんが。

ともあれ、このゴールデンウィークはボクシング三昧です、特に後半の4連休は。

そんなわけでもう眼前に迫ってきた感じのある東京ドーム興行、今回のブログはいよいよセミファイナル、ジェイソン・マロニーvs武居由樹のプレビューです。

 

 

 

5/6(月)東京ドーム

WBO世界バンタム級タイトルマッチ

ジェイソン・マロニー(オーストラリア)27勝(19KO)2敗

vs

武居由樹(大橋)8勝(8KO)無敗

2021年にプロデビューした武居由樹は、たった3年で世界タイトルへの初挑戦。

元K-1王者という肩書きをひっさげて鳴物入りでのプロデビューのあとは、変則的な強く大きい踏み込みととんでもないハードパンチを見せつけて連戦連勝、パーフェクトレコードを保持しています。

苦戦すらすることなく駆け上がってきたこのボクサーは、その倒しっぷりや謙虚な言動から今やボクシングファンの支持をしっかりと得ており、(誰と比べるわけでもないが)ボクシングファンの誰もが好意的な眼差しを向けているようにも感じます。

ただ、世界ランカーと戦うことなく挑戦権を手に入れた部分に関して言えば、何事かと思っているファンもいるのかもしれません。

 

 

 

武居の挑む王者は、ジェイソン・マロニー。

日本のボクシングファンにもお馴染みのナイスガイは、遠くオーストラリアからチャンピオンベルトを運んできてくれます。

しかも、自国でのスーパーファイトのアンダーカード、という名誉を蹴ってまで。

2014年にプロデビューしたジェイソン・マロニーは、今年デケイドの年。

自国オーストラリアでキャリアを積んでいたマロニーを我々日本のボクシングファンが知ったのは2018年のことで、元世界王者で井上尚弥への挑戦も経験していた河野公平(当時ワタナベ)との一戦。

タフでハートの強い河野をストップ、これは裂傷によるRTDで、当時は映像も出回って無かったように記憶していますが、とにかくこのストップ負けにより河野は引退。前戦でもレックス・ツォ(中国)との戦いでの負傷判定負けに続いての2連敗、河野はグローブの吊るしどきだったこともあり、この時はまだ名前を知っている程度のボクサーでしたね。

 

 

 

そういやツォ戦、マロニー戦と日本国外で戦った河野、元世界王者にこのようなロードウォリアー的な戦いをさせるワタナベジムを不審に思ったものですが、もはやこの頃から選手をプロモートしようという気はワタナベジムには無かったのかもしれませんね。

さて、この河野戦での勝利でWBSS出場の権利を勝ち取った結果となったマロニーは、初戦で当時のIBF王者、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)にアタック。

ロドリゲスはWBSSの優勝候補まではいかないが準優勝候補であり、その実力はすでに高く評価されている時でしたね。当然、オッズはロドリゲス優位。

しかしマロニーは強敵ロドリゲスを相手に12ラウンズを戦い抜き、スプリットの判定負け。この試合はロドリゲス勝利で何ら問題ないものの、その力をしっかりと見せつけました。が、当時の私はマロニーも良い選手ですが、ロドリゲスが調子悪かったのかぐらいに思っていましたね。

初黒星を喫したマロニーは再起後、連戦連勝でタイトルチャレンジャーの位置まで戻るも、2度目の王座挑戦は「モンスター」井上尚弥。

 

 

 

この時は完膚なきまでに叩きのめされたマロニーでしたが、健闘が光ったのもまた事実で、のちのPFPキングに恐れず自分のボクシングを敢行しようとした姿はとても印象的。だからこそ、日本のボクシングファンはこのマロニーを応援したい、となったのでしょう。

この2敗目の後のマロニーのキャリアは、特筆しなければならないほどキツいマッチアップ。

まずはプロスペクト、ジョシュア・グリア(アメリカ)とのサバイバル戦で生き残り、元タイトルチャレンジャー、アストン・パリクテ(フィリピン)を3RTKO。そして長く世界のトップに居続けたナワポン・カイカンハ(タイ)を破って指名挑戦権を手にすると、井上尚弥後のWBO王座決定戦でリゴンドーを破ったビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を撃破。

そして初防衛戦ではサウル・サンチェス(アメリカ)を破り、初防衛をクリアしています。

ロドリゲス戦以降は自国オーストラリアを飛び出してキャリアを積んだマロニーは、以前に比べて逞しさを身につけ、そのキレイなボクシングと相まって非常に穴の少ないボクサーに昇華されたようなイメージ。

 

 

 

もともと基本技術、リングIQが高いタイプだと思いますし、タフネスもハートも有している、チャートで表すと綺麗な五角形を形作れるようなボクサー。ハイガードスタイルで基本に忠実、お手本にしたいボクサーの一人ですね。

対して武居由樹は基本とはほぼ無縁と言える、無手勝流のようなボクシングを敢行するハードパンチャー。

とにかく驚くのはリングの1/4位飛び越えてくるんじゃないかと思うくらいの強い踏み込みからの前手(右)のフック。さらに、前戦だったかサウスポースタンスから大きく左ボディフックを振るい、相手のレバーに突き刺したパンチには本当に驚きます。

リーチがめちゃくちゃあル、というわけではないのでしょうが、体の回転が良く、ものすごく遠くまでパンチが届いているようなイメージです。その踏み込みの強さというだけでなく、間合いや攻めるタイミングも非常に独特のものがあり、あまり基本のボクシングをしてしまうとその良さが損なわれてしまう、絶妙なバランスで成り立っているボクシングのようにも思えます。

 

 

 

武居の特徴を挙げるとすれば、変則、独創的でハードパンチ。

マロニーの特徴を挙げるとすれば、基本に忠実でハイガード、ステップワーク。

真逆とも言えるボクシングを展開する二人のボクサー。

いつだって変則スタイルを攻略するのは基本に忠実なボクシングであり、基本に忠実な格上ボクサーを倒すのは変則です。

両者にとって相手が相性が良いのか悪いのか、この辺りで試合の展開は変わってきそうです。

武居由樹の勝ち筋とは

普通に考えれば、圧倒的大差でマロニー優位で問題ありません。

もし昔のように映像が出回っておらず、単にそのレジュメだけでそのボクサーを見たとすれば、武居由樹が甘く見られる分には仕方がないと思っています。

なぜなら武居はまだ世界ランカーとすら戦っておらず、その実力は世界的に見れば未知数の中の未知数。

 

 

 

それでも今のようにいくらでも映像が出回る時代においては、その変則スタイルを警戒されて然るべきボクサーです。

もっともっと研究されていけばわかりませんが、今のところ、あのスタイルに面食らわない「ボクサー」はいないと思われます。だからこそ、そこが武居のアドバンテージであり、勝負をかけるのであればやはり前半ということになってきはしないか。

後半に行けば行くほどマロニーのリングIQ、対応力は発揮されていくのではないかと思っています。

そして武居はまだ12ラウンズの経験はなく、最長ではブルーノ・タリモ戦の11R。ただ、この11R戦えた経験は武居にとっても大きなもののはず。

ただ、「メイヘム」(=混乱)と呼ばれるマロニーは運動量が非常に多く、多角的に攻撃を仕掛けてくるボクサー。あまりその動きを追いすぎると、思った以上にスタミナを消費してしまう可能性もあります。

複雑に考えてくるマロニーに対し、武居はいつも通りかなり長い距離をとって、一発で踏み込んでいくということが必要で、それが勝つための最善策のように思います。ジャブを突いてボクシングをしようとすればするほど、勝ち目が薄くなっていくようにすら思います。

 

 

 

武居としては勝負が序盤、どれだけ序盤に思い切れるか、というところが勝敗に直結するのではないかと思います。

マロニー優位の理由

初の世界戦、東京ドーム。

この重圧を感じながらも、一か八かの前半勝負を敢行することは非常に難しいことだと思います。

傍目に見ればおそらく通用しないであろう武居の「ボクシング」は、本人や陣営からすると「通用するかもしれない」と思ってしまうからです。そこに対して次善の策を考えておく、というふうにするのでしょうが、個人的には勝つためには最初から行ったほうが良いと思っています。

グローブタッチからいきなり左フック振るう、くらいの荒々しさで良い。たとえそれで玉砕したとしても。

これまでのキャリアを見ると、ジェイソン・マロニーをトラブルに陥らせるためには、はっきり言ってエマニュエル・ロドリゲス以上のパンチを決める必要があります。では果たして武居がマロニーからカウンターを取れるか、というとそうは思えず、武居はどちらかというと自ら攻めて隙をつくり、そこにマロニーが想像し得ないパンチをヒットしなければなりません。

 

 

 

変則的でアングルが自由自在、ボクシングとしてのセオリーにない動きができる、これこそが武居がマロニーに勝利できる唯一のことであり、武居にはそれが「できるかもしれない」ということが期待を抱かせる点です。

なのでこの部分以外、マロニーに分がある、という話になってくるわけですね。

ジェイソン・マロニーvs武居由樹、武井がマロニーに勝つにはビッグパンチを入れるしかありません。それができるのが武居由樹。それをさせないのがジェイソン・マロニー。

おそらく大方の予想はマロニー優位ながらも、期待を抱かせるという武居由樹。

これは非常に楽しみですし、正直どちらも応援したい。

どっちが勝っても楽しいし嬉しいですが、どっちが負けても悔しいし悲しい。

これがセミファイナル。。。果たしてこの東京ドーム決戦、情緒は持つのか。

 

 

 

 

【ボクマガ特別編集が発売!】

5/6東京ドーム決戦に向け、ボクマガ特別編集が発売です!

【購入はこちらから】

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

boxingcafe.hatenablog.com

boxingcafe.hatenablog.com

boxingcafe.hatenablog.com

 

【プレビュー】井上拓真vs石田匠。技巧派同士の戦いは、意外な打ち合いになり得るのか。

あとたった1度の土日を乗り越えれば、次の週末はゴールデンウィーク。

お盆よりも年末年始よりも、今年のゴールデンウィークは楽しみです。

個人的には大型連休になるので、楽しみな反面こんなに休んで良いのかという不安もあるのですが、何と言っても今年のゴールデンウィークは東京ドーム決戦のインパクトがでかい。

私も末席のチケットを購入しているのですが、東京ドームという会場柄、肉眼で視認できるレベルにないことは明らか。それでも現地に足を運ぶ意味とは何なのでしょうか。

ボクシングを見るなら配信がよく見えるし、コストも時間も大きくお得にもかかわらず、多くのファンが東京ドームに集うのは、この「ボクシングin東京ドーム」の雰囲気を味わいたい、という方が多いのでしょう。

きっとマイク・タイソンが日本に来た時もそうだったのだろう、と思いを巡らせてみる。

ということで今回のブログは、東京ドーム興行、配信としては第二試合となる井上拓真vs石田匠のプレビュー記事。

 

 

 

5/6(月・祝)東京ドーム

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

井上拓真(大橋)19勝(5KO)1敗

vs

石田匠(井岡)34勝(17KO)3敗

井上拓真のこれまでの実績はすでに言うまでもありません。

2013年12月にプロデビュー、いつの間にかプロとしてのデケイドを迎えた井上は、ずっと井上尚弥と比べられるという運命を背負ったボクサーです。

そのプレッシャーは計り知れません。

兄同様にあっという間に世界王者になるのだろう、と思われた拓真のキャリアは、プロ5戦目で地域タイトルを獲得する、というところまでは同じ。

 

 

 

その後は地域タイトルの防衛をしつつ世界を窺っていたのか、想像以上に長い期間のキャリアの形成期を過ごしています。その間、久高寛之、増田健太郎といった日本のトップを退け、2018年9月に世界挑戦者決定戦を勝ち抜いての世界挑戦。これは暫定王座決定戦でしたが、見事戴冠しています。

ただ、このタイトルは初防衛戦であり団体内王座統一戦となったノルディーヌ・ウバーリ(フランス)戦で手放しています。

正直、勝てない試合ではなかったし、ここで負けるとは思っても見ませんでした。

ただ、もし拓真のキャリアがここで終わっていたならば、我々の記憶に刻まれることはなかったのでしょう。

この敗戦の後のキャリアこそ、本物のキャリアだと言えます。

 

 

 

復帰戦ではOPBF東洋太平洋王者、栗原慶太(一力)に挑戦。栗原の強打を空転させての判定勝利、その後はスーパーバンタムにあげて和氣慎吾(FLARE山上)、古橋岳也(当時川崎新田)を撃破。この国内強豪に当てる、というスタンスは拓真のキャリアの醍醐味でもありますが、もし今回勝ち残ったとすればその後の戦いにも活きてきそうなものですね。

調整試合を挟んだ後、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)との王座決定戦は大凡戦ながら、前戦でのジェルウィン・アンカハス(フィリピン)では今までの鬱憤が大爆発したかのような素晴らしいファイトで保持するWBA王座の初防衛をクリアしています。

ソリス戦は「絶対に勝たなければならい」という戦いであり、慎重になったと本人も認めていますが、この辺りのメンタルブロックがありそうです。このソリス戦で評価にかなわない戦いを見せてしまった拓真がアンカハス戦で素晴らしいパフォーマンスを見せたのは、きっと「評価をあげたい」という思いがあったからではないか、と推察しています。

つまりは「ねばならない」というMUSTで考えるよりも、「したい」というWANTで考えた時の方が、良いパフォーマンスを発揮できるのではないか、ということです。

 

 

 

井上拓真は今回、どのようなメンタルで石田を迎えるのか。さほど追い詰められたメンタルではなく、「良い形で勝ちたい」というWANTであるように思うが、如何に。

さて、挑戦者石田匠、こちらもしっかりと段階を踏んで登ってきたボクサー。待たされすぎた、といっても良いほどです。

2009年にプロデビューした石田は、井岡一翔と同じジムで鎬を削った盟友です。

主に関西で、しかも外国人を相手にキャリアを積んだ石田が全国区になったのは、やはり日本タイトルを取ってからでしょう。

2014年、戸部洋平(当時三迫)に勝利した石田は初タイトルをつかみ、その後の防衛戦では江藤大喜や木村隼人、船井龍一といった国内強豪を破り、タイトルを返上。そして2017年、待望の世界初挑戦のチャンスを掴みます。

場所はイギリス、カーディフ。配信なんてものもなかったような記憶ですが、敵地イギリスでカリド・ヤファイに挑戦した石田は、初黒星を喫します。

次のチャンスはその2年後、IBFから挑戦者決定戦のオーダーを受けた時。これは幸運にも日本開催ながらも、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を相手に1-2の惜敗、2度目のタイトル挑戦を逃します。

 

 

 

このイスラエル・ゴンサレスはその後、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に挑戦して善戦していることから、当然石田も世界レベルであるということは伺えますね。

その後は石井渡士也(現RE:BOOT)に判定勝利、田中恒成(畑中)に判定負け。

石井は若く、非常に危険な相手ではありましたがしっかりとアウトボックスしていたし、田中に対しては勝利で全くおかしくなかったような戦い。世の中がコロナ、ということもあり、この厳しいマッチメイクを評価を下げることなく逆に上げて乗り切ったことは非常に大きなことでしたね。

そして世界への足がかりとして最後とも言えるチャンスが到来した2023年6月、WBA世界バンタム級挑戦者決定戦に勝利して挑戦権を獲得、今回の一戦を迎えることになります。

 

 

 

王者と挑戦者

王者と挑戦者、どちらも我々日本のボクシングファンにはお馴染みのボクサー。というのは、国内でしっかりとした実績を残している、という点においてです。

当然、2度世界王者となり、さらに多くの国内強豪を退けている井上拓真の方に分がありますが、石田は年齢的にも状況的にもラストチャンス、ここは期するものがあるはずです。

石田はヤファイ戦からかぞえて6年と半年、さらに前戦から2ヶ月半しか試合間隔が空いていない拓真と比べて、準備と対策は入念というのも考えられます。

ボクシングの勝敗は、実力のみではつかず。2ヶ月半という準備期間は、肉体的にも精神的にも疲労が抜けきっていない状態でトレーニングをスタートしていないか、その状態でスタートして追い込めているのか、というのは井上拓真にとっての不安材料になり得るかもしれません。

 

 

 

さらに相手はベテラン、石田匠。例えばアメリカのボクシングファンが石田のことを知っているか、というと知らないのでしょうが、我々はよく知っている、実力のあるボクサーです。

173cmとこの階級でもまだまだ長身の部類に入る石田は素晴らしいジャブを持っており、身長、リーチ共に石田から大きくアンダーの拓真はインサイドに入らなければいけません。前戦のアンカハスはサウスポーだったので、戦い方が大きく変わってくることも注意点の一つ。

それでもなお、やはり井上優位に思うのは、基本的に非常に安定したボクシングを展開するからに他なりません。

前戦のアンカハス戦、力を込めて打つ場面でもその振りは非常にコンパクトで、お手本通り。大きなミスを犯さない、という点においては(パフォーマンスかもしれませんが、時折振りかぶって強打を打つ)井上尚弥以上の冷静さをキープできるボクサーなのかもしれません。

例えば中間距離での戦いとなった場合、リーチの短い井上のジャブが上回れば、石田としてはどうしようもないかもしれないし、その展開は十分にあり得るものかもしれません。

石田は自らの距離をキープし、拓真のパンチの届かないところでどのようなボクシングができるか、が鍵となりそう。

 

 

 

二人は「バチバチに打ち合う」とインタビューでぶち上げていますが、普通に考えるとそんな展開にはならないはず。どちらかというと打ち合いたいのは前戦で自信をつけた拓真の方でしょうか。それともこの大一番で、石田がスタイルチェンジとも言うべき打ち合いを仕掛けるのでしょうか。

石田も打ち合えないというボクサーではないですが、フィジカル面において旗色は悪いように感じるので、打ち合うべきところで打ち合う、が正解だと思います。

そうなるとやはり大切になってくるのは、それ以外の時間をいかに支配するのか、と言うリングジェネラルシップの面。

どのような試合展開になるのか、経験豊富な両者がどのような戦略を持って試合に臨むのか、これは初回から目が離せない戦いになりそうですね。

ということで、いよいよ間近に迫った東京ドーム決戦。

4/23にはボクマガの特別編集も販売されるようなので、楽しみに待ちましょう!

【購入はこちらから】

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】ヘイニーvsガルシアのPPVファイトは売れるのか。もはや興味はスクラッピーvsヒメネスへ。

DAZNってPPVやらないって言ってなかったっけ?

と数年前に言っていたことを今さ持ち出すほど、ヘイニーvsガルシアへの興味が薄れてきています。

デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア、戦前は話題にも上り派手さもありますが、果たして肝心の試合内容がどうか、と言われればあまり期待できない域に来てしまいました。

元々圧倒的にヘイニー優位の中、もしかしたら一発当たるかもで面白くなる予想だったのですが、どうやらガルシアのメンタルの状態は良くないらしく、これがほうぼうで話題、となると、どんどんガルシアへの期待は薄れゆく一方。

10回やって1回勝てれば良いくらいのイメージでしたが、もはや100回に1回を引き寄せなくてはならなくなったイメージで、この可能性は限りなく低い。

2,200円、結局は買うですけど、なんだか悔しい。

ということで今回のブログは、「元」注目試合のデビン・ヘイニーvsライアン・ガルシアについて。

 

 

 

4/20(日本時間4/21)アメリカ

WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ

デビン・ヘイニー(アメリカ)31勝(15KO)無敗

vs

ライアン・ガルシア(アメリカ)24勝(14KO)1敗

先にも書きましたが、この試合は安全運転を貫くであろう充実の王者、デビン・ヘイニーに、ライアン・ガルシアが得意とする左フックを当てられるかどうか、というのが焦点の試合。

アマで過去3勝3敗の決着戦、ということにはなりますが、実績として大きく勝るのはデビン・ヘイニーであり、前戦のプログレイス戦のパフォーマンスを考えると、オッズが大きくヘイニーに傾くことは何の不思議もありません。

ただし、ガルシアの当て勘は本物であり、「もしかしたら」とか「万が一」、「まさか」が発生する可能性はあるし、ファンはそれが見たい、ということがあって盛り上がるはずの試合でした。

しかしここ最近のライアン・ガルシアのSNSでの発信等々を考えると、もはや普通の精神状態にあるかどうかは疑わしい。もしそれが錯乱状態でないとするならば、置かれている状況はあまりにも普通ではない、ということになってしまい、いずれにしろコンディションは見る影もないでしょう。

 

 

 

だから、もしこの試合が行われなくなったとしても、何の不思議もありません。

一方でヘイニーは、戦うたびにその評価を高めているボクサーではあるまいか。

「負けていた」ともされるロマチェンコ戦でさえ、衰えたりとはいえあのロマチェンコと「どっちが勝っていてもおかしくなかった」とされる試合をしたのは事実であるし、さきのレジス・プログレイス戦でのパフォーマンスは圧倒的と言って良い。

元々体のでかいヘイニーは、この階級以降で大きく花開くボクサーなのかもしれません。

なんだか見るのが辛くなりそうなこの試合については、あまり書くことがありません。

ただ、このPPVファイトは5試合もある、とのことで、4/14現在BoxRecにも載っていないですが、そのほかのファイトに期待しましょう。

↓対戦合意した頃の記事。かつては楽しみな試合でした。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

↓この試合をまたずともスーパーライト級は非常に楽しみな階級

boxingcafe.hatenablog.com

 

アーノルド・バルボサJr(アメリカ)29勝(11KO)無敗

vs

ショーン・マコーム(アイルランド)18勝(5KO)1敗

メインイベントに何かがあった場合に備えて、リザーバーを用意する、というのはビッグマッチにおいて当たり前のこと。

不安定さが垣間見えるライアン・ガルシアが出場するという今回の場合は特に、です。

ということで今回のリザーバーはアーノルド・バルボサJr、WBOのランキングのトップコンテンダー。リングマガジンランキングでも8位に入り、その評価は高いボクサーです。

ただ、今のスーパーライト級王者たちの充実ぶりを考えると、このバルボサが世界王座に届くか、というと正直難しい印象です。

 

 

 

非常に総合力が高く、タイミングを持っており、接近戦での回転力にも優れるバルボサですが、真正直であり、総合力が高い=大きな特徴を持たないバランスの取れたボクサーだということができます。

このバルボサがヘイニーを脅かすのは非常に難しい。

テオフィモ・ロペスは(ロペスの)出来によるところが大きいですが、サブリエル・マティアス、イサック・クルスにはすり潰されそうな気がします。

さて、そんなリザーバーのバルボサの相手はショーン・マコームというアイルランドのボクサー。なかなかの好戦績ですが、KO率の低さは気になりますね。

 

 

ベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)13勝(10KO)1敗

vs

ピエール・ディボンベ(フランス)22勝(12KO)無敗1分

ベクテミル・メリクジエフ。すでに名前が強そうな中央アジアのボクサーは、アジアの血を色濃く受け継いでいそうな出立をしています。

唯一の敗戦はガブリエル・ロサドがアップセットの大逆転KO勝利をあげた試合であり、その印象しかないのが現実。

メリクジエフはその後、ロサドにリベンジを果たして敗北を帳消しにしているわけですが、やはりその試合は非常に慎重で、判定勝利という内容です。

ピエール・ディボンベというボクサーはフランスのボクサーで、こちらもバルボサの対戦相手同様に世界的知名度はないボクサー。

PPVファイトってこういうアンダーカードで良いのか?ってくらい、AサイドとBサイドが分かれているようなイメージ。

それとも、イギリスを本拠にしているマッチルームからすれば、こういったユーロボクサーたちは名の知れたボクサーなのでしょうか。

 

 

 

WBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦

ジョン・ラミレス(アメリカ)13勝(9KO)無敗

vs

デビッド・ヒメネス(コスタリカ)15勝(11KO)1敗

結局のところ、個人的に最も注目するのはこの試合です。PPVファイトとしては第二試合、軽量級のスーパーフライ級のファイト。

前戦でロナル・バティスタ(パナマ)を4Rで破壊、WBA世界スーパーフライ級の指名挑戦権を手に入れたジョン「スクラッピー」ラミレス。

このバティスタ以前は名も知らぬボクサーたちに連戦連勝していたわけですが、このスクラッピーがボクシングを始めたのはなんと20歳の頃。たった7年、アマで25戦、プロで13戦というキャリアの倒し屋は、JCマルティネスへの挑戦経験を持つバティスタをたった4Rで倒してしまったのです。

これはロマンがありますね。

↓スクラッピーについて触れた記事

boxingcafe.hatenablog.com

↓バティスタ戦の快勝!

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

ともあれ、過去一番の大舞台で最高の倒し方をしたラミレス、この危険なアメリカ人ボクサーが井岡一翔の指名挑戦者か、と戦々恐々としたものです。

ただ、この若さあふれるファイトは、老練な井岡のボクシングには通用しないのでは、と思ったのもまた事実。このボクシングにマスター・イオカが巻き込まれることは考えづらい。

そしてまたまた井岡は指名戦かーと思っていたところに飛び込んできたニュースは、井岡一翔vsフェルナンド・マルティネスという王座統一戦。これを受けて、結果ラミレスは暫定王座決定戦に出場できるようになったのだから運が良い。

↓ステータスは対戦合意

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

さて、このスクラッピーの対戦相手もまた、興味深いボクサーです。

デビッド・ヒメネス、名王者アルテム・ダラキアンとフルラウンドを戦い、2-4ポイントまで迫ったボクサーです。

非常にエネルギッシュで、常に前進し続けるスタイルはダラキアンを大いに困らせもしましたし、過去にはプロスペクト、リカルド・サンドバルにも僅差判定勝利を挙げています。

スクラッピーが、このヒメネスに対してどのように勝利を収めるのか。もしくは、まさかの敗北を喫するのか。

すでに実力を証明したもの同士のマッチアップは、次の世代のスーパーフライ級を占う戦いになり得ます。

おそらく試合内容としてもドンパチ、打撃戦となるでしょうし、非常にアクションの多い試合になるのではないかと思っています。

ここでラミレスが圧倒的な力を見せるようなら、井岡危うしともなり得ます。

スーパーフライ級だからなのか?この試合がやっぱり一番楽しみです。

 

 

 

チャールズ・コンウェル(アメリカ)18勝(13KO)無敗

vs

ナサニエル・ガリモア(アメリカ)22勝(17KO)7敗1分

PPVのオープニングファイトは、チャールズ・コンウェルvsナサニエル・ガリモア。

スーパーウェルター級という層の厚い階級だからこそ、なかなかチャンスが巡ってこない中でもプロスペクトとしての基盤をしっかりと固めている感のあるコンウェルは、今回ベテラン、ナサニエル・ガリモアとの一戦です。

ガリモアはすでに噛ませ犬的な立ち位置であり、前戦は現WBC世界スーパーウェルター級暫定王者のセルヒー・ボハチュク(ウクライナ)に6RKO負けを喫しています。

ここ5戦で1勝4敗という戦績は、すでに明らかな下降線を辿っていることを決定づけるもの。ただ一つ、ハードパンチを持つという点においては警戒が必要なボクサーではありますが、ここはプロスペクトのコンウェルの存在をアピールするための試合、と取られてもおかしくはないでしょう。

なのでここでチャールズ・コンウェルに求められるのは、オープニングを飾るのにふさわしいノックアウト勝利です。

つまらなくなってしまう可能性も孕んでいるメインイベント、世界的知名度のないセミ、セミセミ。ガリモアには申し訳ないですが、ここはさっさと終わらせてもらいたいところですね。

 

 

 

PPVonDAZN

2,000円だから購入するけれども、これが10,000円だったら躊躇するかもしれない。

PPVファイトはそのメインイベントが魅力的である、ということが大前提ですが、その脇を固めるアンダーカードも魅力的であって欲しいと願います。

今回、たまたまスクラッピーvsヒメネスは楽しみなカードですが、そのほかは正直あまり興味がなく、そもそもメインにもそこまで興味がわかない状態となってしまいました。

「PPVの時代は終わった」と言ったのはDAZNでしたが、結局終わってるのはDAZNのPPVだ、という話。もうちょっとなんとかならんもんか。

 

DAZN

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】東京ドーム決戦vol.1。ユーリ阿久井政悟vs桑原拓、約3年ぶりのライバル対決は50-50か。

井上尚弥が31歳になった。

若い若いと思っていたボクサーも、あっという間に年をとります。

もともと35歳で引退すると決めていた井上尚弥、最近では引退を先延ばしする発言もあると思うのですが、もうあと10年は続けないでしょう。先延ばしすると言っても1-2年くらいのものでしょうから、井上尚弥引退後はボクシングはまた下火になってしまう可能性はありますね。

私としては別にそれでも良くて、細々とでも今の配信を続けてくれればありがたい。

とまあ、時の流れは誰にも止められない、という話。

だからこそ一瞬一瞬を全力で生きようと思うのです。

じゃなくて、もうあっという間にゴールデンウィークは来るよ、4つもある世界戦のプレビュー記事なんて一気に書けないから少しずつ書いていかないとダメだよ、ということですね。

そんなわけで今回のブログは東京ドーム決戦の第2試合にセットされたWBA世界フライ級タイトルマッチ、ユーリ阿久井政悟vs桑原拓のプレビュー記事。

 

 

 

5/6(月・祝)東京ドーム

WBA世界フライ級タイトルマッチ

ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)19勝(11KO)2敗1分

vs

桑原拓(大橋)13勝(8KO)1敗

ちなみに第一試合はテレンス・ジョン・ドヘニー(オーストラリア)vsブリル・バヨゴス(フィリピン)のスーパーバンタム級8回戦がセットされるとのこと。

ドヘニーはルイス・ネリ(メキシコ)のリザーバーとして用意されるとのことで、ネリが何らかの理由でリングに上がれなくなった場合には井上尚弥の相手はドヘニーになる、とのこと。

ここ2戦、日本で暴れ倒しているドヘニーの勇姿を見れるのは非常に楽しみなことですね。ただ、このボクサーはアンダードッグとしてリングに上がった時の方が強そうなので、微妙な試合をするかもしれません。

ともあれ、そのノンタイトル戦があった後、すぐに世界タイトルマッチです。

遡ってみれば2021年7月21日、世の中はコロナの真っ最中。

後楽園ホールでも声援禁止、鬱屈した世の中に舞い降りたあの伝説の日本タイトルマッチを戦った二人が、お互いにスケールアップして世界タイトルマッチとして、しかも東京ドームへと場所を変えて戦うというドラマ。もうこれがクライマックスで良い、というこの試合が、世界戦としての第一試合です。

 

 

 

「お家芸」を引き継ぐのは

日本のお家芸、フライ級。かつてこの日本フライ級王座を取得して世界へ羽ばたいたのは、白井義男をはじめとして、花形進、レパード玉熊、勇利アルバチャコフ(当時はユーリ海老原)、セレス小林、坂田健史、内藤大助、清水智信、五十嵐俊幸、中谷潤人。

その他にも、三迫仁志、矢尾板貞雄、米倉健志、田辺清、斎藤清作(のちのたこ八郎)といった往年のレジェンドたちもこの階級で戦っています。

体格の小さい日本人にとって、この階級は国内で戦うにも最激戦区の一つであり、ここを勝ち上がってきたボクサーというのは十分に世界と渡り合える力を持っています。

そしてこのフライ級のWBA王者は、まさに国内を勝ち上がって世界タイトルに辿り着いた、王道を歩んできたボクサーです。

岡山県の倉敷市という僻地から排出されたこの王者は、地方ジムの希望の星、とも言って良いボクサーです。

 

 

 

アマ経験を経て2014年にプロデビューした阿久井は、初戦、2戦目で判定勝利を飾り、3戦目、2014年度の新人王戦、西軍代表決定戦で引き分け敗者扱い。

翌年の2015年度の新人王戦では、見事全日本新人王を獲得しますが、この頃はまだ目立ったボクサーではなかったかもしれません。

ただ、ここまでで6勝(2KO)無敗1分というボクサーは、私にとっては特別でした。

私は瀬戸内海の孤島に生まれ、育った分、四国地方、山陽地方への思い入れは強いのです。「倉敷守安ジム」という聞き慣れたジムから出てきたこのボクサーは、この頃からずっと応援しています。

そして、阿久井が目立ちはじめたのはこの全日本新人王戦のあとからでした。

ここから怒涛の5連続KO勝利、しかもそのうち4度の1RKO。これで注目するなと言う方がおかしい。そして迎えたのは、創設間もない日本フライ級ユース王座決定戦。

2017年8月23日、阿久井がやや優位の下馬評だったと記憶しています。前戦、大保龍斗(横浜さくら)を1Rでストップしてこの決定戦にコマを進めた阿久井に対し、対戦相手の中谷潤人(M.T)は前戦を苦戦の2-0判定勝利。

 

 

 

否が応にも期待は高まりましたが、中谷はなんと接近戦でも阿久井に打ち勝ってみせ、阿久井は6RTKOで初黒星。

この後、阿久井は自身の視野の狭さを悟ったのか、東京への出稽古を始めたそうです。

その甲斐あってか、再起戦ではのちの(現在の)日本ライトフライ級王者、矢吹正道(緑)を1RTKO。これは凄まじい緊張感のある試合でしたね。

そしてその勢いを駆って世界ランク獲りに挑戦するも、ジェイセバー・アブシード(フィリイピン)に8RTKO負け。

翌年の再起戦では、湊義生(JM加古川)を1Rで仕留め、続く日本フライ級王座決定戦でも小坂駿(真正)戦も1RTKOで勝利し、見事日本王者に。

初防衛戦の藤北誠也(三迫)戦は、自身のキャリアではじめて10Rを戦い抜き、約5年ぶりとなる判定勝利。その後の2度目の防衛戦が桑原拓戦で、ここを11RTKO勝利で飾っています。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

そこから粉川拓也(当時角海老宝石)、ジェイソン・バイソン(フィリピン)にフルマークの判定勝利。(因みに粉川さんは矢代義光さんのジムでトレーナーをやってます。先日お会いしましたがふっくらしておられました。)

ジェイソン・バイソンは日本初登場でその実力の程は分かりませんでしたが、その後に山中竜也(真正)を2RTKO、次回は4/21に3度目の日本のリング登場が決まっていますね。

日本タイトルを返上し、世界前哨戦として未知の強豪を退けたユーリ阿久井、満を持して挑む王者は階級最強のおそれもあったアルテム・ダラキアン(ウクライナ)。

22戦して無敗、リングを飛ぶように動き、見えないアングルからパンチを打ち込んでくる技術力の高い王者で、ボクシングをよく知っているボクサー。

このダラキアンに対し、終始攻め続けたユーリ阿久井は文句なしの判定勝利をあげ、岡山のジムとして初めて世界王座を獲得しています。

 

 

 

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

そして迎える初防衛戦が、「スピードスター」桑原拓。

桑原拓は、名門・興国高校時代にインターハイ、国体を制し高校2冠。大学も名門、東京農業大学へ進学し、大橋ジムから2018年にプロデビューし、あっという間に日本王座へ挑戦するところまで駆け上がってきたアマエリート。

スピードスター、桑原は大橋ジムも次代の世界王者として期待を寄せるスーパーホープであり、コロナというご時世でなければあっという間に地域タイトルを獲得し、大橋ジムのマッチメイク力もあいまってそれこそ世界王座への最短距離を走っても良い位のボクサーだったと思います。

おそらく日本人ボクサーからは敬遠され、日本タイトル挑戦までの8戦中5戦は外国人選手が相手。ただ、このコロナ禍ではそうも言っていられず、前戦は湊義生と戦い、8R判定勝利を挙げています。

 

 

 

ハートの強い難敵、湊に対してほぼフルマークという危なげのない戦いぶりは、そのポテンシャルの高さを示すものであり、かといって距離をとって当てる、いわゆる「塩」のようなボクシングではありません。

そのスピード、ディフェンス勘、隙の少なさを見ると、とてつもなくディフェンシブに戦いさえすれば、相手は触れることも困難なのではないか、とさえ思います。

そして9戦目で挑んだ日本タイトルマッチ、ここでも桑原はその高いポテンシャルを大いに発揮しています。

ガードが固く、フィジカルの強い王者に対して左フックカウンターを効かせ、ユーリ阿久井の効果的なパンチを外す。

この桑原らしいボクシングは、ユーリ阿久井に通用していましたが、パワーでは大きく見劣りし、初回にダウンを奪われたのちに最終的にはラストラウンドのTKO負け。この11Rの間には、桑原がユーリを効かせる場面もありましたが、やや及ばず、という内容でもありました。

初回にダウンを奪われたことに起因して、踏み込みが甘くなってしまったのか、強い警戒を抱いてしまったのか。

 

 

 

いずれにしろ、一発勝負のリングの上ではこの結果が全てです。ユーリ阿久井は勝って日本タイトルの防衛を果たし、桑原は負けて初黒星、初のタイトル挑戦は失敗。

しかし、この敗北は桑原のボクシング人生にきっと必要なものだったのでしょう。そこからの桑原は、目を見張るような成長を遂げている、といえます。

再起戦では格下相手ながらも久野喬(スターロード)を秒殺KO。続くパリニャ・カイカンハ(タイ)戦でも2RTKO勝利、そして世界挑戦経験者、ジーメル・マグラモ(フィリピン)とのOPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチへ挑みます。

このマグラモ戦で自身のボクシングを展開、完勝した桑原は、ホセ・リバス(メキシコ)を初回TKOに降し、その次には世界挑戦経験者、ウラン・トロハツ(中国)をすらも4RKOに切って落としています。

ユーリ阿久井戦前、8勝4KOだった戦績は、再起後5勝4KO。

 

 

 

明らかに決定力が増し、さらにタイトルチャレンジャーを二人に完璧な勝利を挙げている、というのは大きく自信につながることでしょう。

映像で見ても、桑原はかなり大きくなっているように見え、見た目にもフィジカルやパンチングのパワーがついていることは明らかです。しかも、スピードを落とすことなく。

前戦とは違う

この戦いは、「元」速攻型パンチャーと、「元」スピードスターの対決です。

かつて速攻型パンチャーと恐れられたユーリ阿久井は、序盤のKO勝利こそ多いものの決めに行く時は危うさもあり、ヒヤヒヤしたものでした。

しかしいつしか冷静な戦い方を覚え、それに比してKO率こそ低くなっているものの、パワーやフィジカルはもちろん健在、アグレッシブさをキープしながらもディフェンスも向上しており、非常に安定したボクシングになっていると思います。この穴の少ないボクシングでグイグイとプレッシャーをかけられるということもポイント面で言えばでかい。

そしてかつてスピードスターと言われた桑原は、倒し切るという精神面での成長と、強く踏み込む勇気、そして目に見えるパワーアップを得て、超危険なスピードスターに成長しています。

 

 

 

第一戦に比べ、その成長度合いが大きいのは桑原のように思います。ユーリ阿久井はすでにあの時、冷静なプレッシャーファイターである側面が今ほどではないにしろ大いに現れていた頃でした。

それでも両者の成長を鑑みると、前戦と同じような展開にはならない可能性があります。

前戦、桑原はロープからロープへ飛び回っていましたが、今回は撃ち合う場面を作ったり、ユーリ阿久井のハードヒットをもらう準備をしてくるのではないか、と思っています。

あの頃よりさらに強くなったプレッシャーを、12R捌き切ることはできないはずだからです。

そしてかかるのは世界タイトルマッチ、両者共にここでは負けられない。

もうぶっちゃけこの試合だけで良いんじゃないか、くらいのレベルの楽しみな戦いは、何度も言いますが第二試合目に行われ、クアドラプル・ヘッダーの先鋒を勤めます。

この戦いは必見、最初から盛り上がる戦いになりそうですね。

個人的には、完全に50-50の戦いだと思っています。

 

 

 

開始時間は?

この興行の開始時間は、16:00となっているようです。

ちなみに開場は14:00、バッファが2時間もありますね。

さすが5万人を入れる大会場、一体全体何時に行けば一番スムーズに見れるのか見当もつきません。できれば並びたくない。

あとこのゴールデンウィークの期間に東京に行く、ということ自体が田舎者にとってはハードルが高く、一体どれほどの混み具合なのかも想像がつきません。

せめて日中にやってくれればと思うのですが、16:00スタートの4大タイトルマッチだとその日のうちに帰れる時間にはならず(公共交通機関を使った場合)、地方の人は困るんじゃないでしょうか。

 

 

 

ゴールデンウィーク直後の7日に休み取るのも気が引けるし。

私は4時間程度なので夜中に車を走らせて帰りますが、帰れない距離の人たちはかわいそうですね。

日中にやった方がアメリカの人たちも見ることができるし良いような気がするんですが、この辺りの変革はまだまだ時間がかかりそう。

ともあれ配信はAmazonプライムビデオ、日本のボクシング界を挙げてのお祭りが、始まります。

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

【プレビュー】チャンピオンカーニバル・ダブルヘッダー!藤村炎村vs李健太!!仲里周磨vs三代大訓!!

月に一度のボクシング配信をしてくれている、FOD。

このFOD配信興行の興行主は、フェニックスプロモーションと三迫プロモーションです。

奇数月がフェニックスバトル、偶数月がダイヤモンドグローブ、という感じで、三迫のダイヤモンドグローブは隔月開催であり、他に頼るプラットフォームがない状態なので非常に興味深いのですが、ことフェニックスバトルについては「お付き合い」の意味合いが強いように思います。

ある人が言うには、「FOD」と「Lemino」では予算において天と地ほどの差があり、FODのフェニックスバトルとLeminoのフェニックスバトルのマッチアップは大きな違いがあって当然、とのことです。

なのでここ最近、実はFODとの契約を切っていたのですが、今月は再加入せざるを得ません。

と言うことで今回のブログは、チャンピオンカーニバル屈指の好カード、しかもダブルでのタイトルマッチ、ダイヤモンドグローブのプレビュー。

 

 

 

 

4/9(火)ダイヤモンドグローブ

日本スーパーライト級タイトルマッチ

藤田炎村(三迫)12勝(10KO)1敗

vs

李健太(帝拳)6勝(2KO)無敗1分

「元リク」というだけで、ビジネス面においては「やり手」と思われる反面、嫌われるという側面もあると思っています。リクルートで使っていた言葉や言い回し、仕事のやり方等々をそのまま新しい会社に持ってこようとするきらいがあり、「リクルートではこうだった」とか「ああだった」とか言い始めるし、ヨコの繋がりがやたら強かったりもしてそれが強みにもなったりします。まあ、つまりは妬みですね。

ということで元リクには妬みを持っていて好きじゃないというか嫌いなワタクシ、でもこの藤田炎村という素晴らしいパンチャーを嫌いになる理由が一つもありません。

 

 

 

何せ本人が言うように、藤田の試合にハズレなし、です。

全勝全KOで迎えた、全日本新人王決定戦で本多航大に倒し倒されの末の初黒星、富岡樹(角海老宝石)へのアップセット勝利、湯場海樹(ワタナベ)への大逆転KO勝利、アオキクリスチャーノ(角海老宝石)との全弾フルスイングのどつきあい等々、どこを切り取ってもエキサイティングで、とにかく武骨で昭和(生まれ)のボクシングファンが大喜びしそうな試合を連発してくれています。

2023年4月の王座を獲得してからちょうど1年、その間に2度の防衛をこなした藤田、迎える相手は元トップアマの最強挑戦者、李健太(帝拳)です。

高校6冠、アマ100勝以上という元トップアマは、2019年にプロデビュー。コロナショックでの試合枯れは如何ともしがたく、ここで初のタイトル戦となりますが、本来であればもっと早くにタイトル挑戦を叶えていてもおかしくはなかったボクサー。

一つの引き分けはバッティングにより規定ラウンドに達しなかったための1分であり、その実質はこれまで一つの苦戦すらもない非常にキレイなキャリアです。

 

 

 

身長180cmと長身の部類に入るサウスポーは、前戦では挑戦者決定戦でアオキ・クリスチャーノを判定で降しています。

迫力ある強打のパンチャー、藤田炎村と長身サウスポーのテクニシャン、李健太。

藤田のプレッシャーを10ラウンズという長きにわたって躱しきり、カウンターをヒットさせることができるか、李健太。それともどこかで藤田が捕まえる場面が訪れるのか。一発でも当たれば試合が終わるという可能性がある藤田の強打、しかしそのフルスイングの強打ゆえに危ない場面も確かに多く、逆にカウンター一発で試合が終わる可能性も孕んでいます。

一瞬も目の離せない日本スーパーライト級タイトルマッチです。

この階級で日本勢トップは平岡アンディ(大橋)でしょうが、この戦いはその「次点」を決めるものになるのかもしれません。

 

 

 

日本ライト級タイトルマッチ

仲里周磨(オキナワ)14勝(8KO)2敗3分

vs

三代大訓(横浜光)14勝(4KO)1敗1分

今回のダイヤモンドグローブの興味深いところは、大注目の試合がメインイベントだけではないところにあります。

ダブルメインと言っても差し支えないのが、このセミファイナルに位置する日本ライト級タイトルマッチ、こちらも勿論チャンピオンカーニバルです。

2023年4月、指名挑戦者として当時の王者宇津木秀(ワタナベ)に挑んだ仲里。当時世界を期待させる器かと思われた宇津木に対し、下馬評不利の中3RKOというアップセット勝利を挙げています。

あの頃の宇津木の充実度、そして仲里が挑戦者決定戦で鯉渕健(横浜光)に辛勝だったことを考慮すると、仲里が、しかもKOで宇津木を破って新王者となるという予想を立てることができたファンは少なかったのではないか、と推察します。

 

 

 

初防衛戦は地元沖縄に挑戦者村上雄大(角海老宝石)を迎え、判定勝利。「初防衛戦」、かつ「凱旋試合」という二つの魔物を抑え込んでの防衛成功は本当にお見事ですね。

なお、仲里の戦績に記録されている2つの敗北、一つは2021年、当時の絶対王者吉野修一郎(三迫)に喫したものであり、そしてもう一つは2017年、三代大訓に喫したものです。

今回、王者という立場の仲里ですが、リベンジの機会を得た、捉えるとモチベーションも上がるでしょう。

さて、挑戦者三代大訓は元OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者。

数々の難敵を退けて無敗をキープ、2020年には元世界王者、伊藤雅雪を僅差判定で退けて世界へ打って出る、というところまで駆け上がっていました。

しかし結局のところステップアップファイトは組めず、約1年のブランクを経て元日本王者西谷和宏に2年半ぶりとなるKO勝利。

その後のオーストラリアでの戦いは格下と見られたボクサーに苦戦、そして横浜光ジムへの移籍を経ての初戦は韓国でジュン・ミンホ(韓国)と戦い、まさかの初黒星を喫しています。

 

 

 

三代大訓は、ジャブが得意な「ジャバー」で、相手をいなす、距離をキープする、というイメージ。ただ、想像している以上に撃ち合いも(おそらく)好きだし、接近戦でも強さを発揮します。どちらかというとオールラウンダー、の中にジャブが突出しているという感じです。

仲里と三代は2017年に戦い、ダウン応酬の大激闘の末三代が勝利しています。

それからもう6年半の月日が流れ、階級も違い、キャリアも厚みを増したところでの激突です。

前回三代が勝利したから今回も、とはいかない戦いであり、二人がこれまでのキャリアで獲得した日本国内で取れるメジャーなベルトを一本ずつ。

ここに買ってすぐに世界、とはいかない階級ではありますが、間違いなくライト級国内最強決定戦の一翼であり、この勝者はさらに苛烈なサバイバル戦へ突き進んでいくのでしょう。

仲里は技術もありますが、遠い距離では三代相手には分が悪い。打ち合いに巻き込み、打ち勝ってこそ勝利が見えてくると思います。

三代としてもジャブだけで勝てる相手ではなく、どこかで打撃戦も必要となってきそうで、ここも見応え十分、またダウンシーンがある可能性は大いにあります。

 

 

 

セミもメインもおそらく維持と意地がぶつかり合う、エキサイティングな展開。

4/9(火)のダイヤモンドグローブ、見逃せません。

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ