信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

年の瀬にライトフライ級注目ファイト!「WBC王座決定戦」「元王者vs無敗パンチャー」、そして2025年はどう動く?

2025年、大きく動きそうな階級の一つは、ライトフライ級です。

この階級は2024年、統一王者だった寺地拳四朗(BMB)がタイトルを返上、そしてジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)も王座を返上したことで、一気に3つの王座が空位になることになりました。

そのうちの一つ、WBO王座は10月に岩田翔吉(帝拳)がチャンスを掴んで世界初戴冠。

最後の一つの王座はIBF王座で、これは岩田戴冠の1日前、矢吹正道(LUSH緑)が王者シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)を倒して戴冠しています。

同じタイミングで戴冠した両者は、トントン拍子に進むのであれば初防衛戦から王座統一戦が決まってもおかしくはありません。

そしてこの12月、空位となった王座も全てで揃う予定でもあります。

ということで今回のブログは、ライトフライ級戦線を見ていきましょう。

 

 

 

WBA王者はエリック・ロサ

12/19(日本時間12/20)、多くのボクシングファンがウシクvsフューリー2の話題で持ちきりだった頃、エリック・ロサ(ドミニカ共和国)がネイダー・バルデス(メキシコ)と王座決定戦を行い、勝利しています。

ロサは元WBA世界ミニマム級王者で、2階級制覇。ただ、このボクサーを知っているファンは多くはありません。

このバルデス戦の勝利で8勝(2KO)無敗となったロサは「ミニパックマン」と愛称を持っているようですが、この軽量級のメッカである東アジアまでその名は轟いていないように思います。

やはりこの階級で稼げるとすれば日本に来る必要がありますが、2025年、このミニパックマンを日本で見られるか。

 

 

 

WBC王座は12/26に決定戦!

そしてWBC王座は、日本時間12/26に決定戦を迎えます。

このWBC世界ライトフライ級王座決定戦で激突するのは、カルロス・カニサレス(ベネズエラ)vsパンヤ・プラダブスリ(タイ)です。

カニサレスもプラダブスリも日本で戦ったことのあるボクサー、かたや寺地拳四朗と互角の勝負をしたカニサレスと重岡優大(ワタナベ)にタイトルを奪われたパンヤ、これは非常に興味深いマッチアップです。

お互いに日本のボクサーとの接点も多く、カニサレスは木村翔や小西伶弥と戦い勝利しているし、かつて田口良一とドローと、エステバン・ベルムデスに負けたのが今でも信じられないほどの戦績を残しています。

対してパンヤも田中教仁に2度の勝利、そして当時防衛記録を伸ばし続けていたワンヘンに勝利するなど実績があるボクサー。ただし、これはミニマム級の話であり、ライトフライ級にあげて生粋のライトフライであるカニサレスに勝てるとは通常では思えません。

しかし、この戦いがタイ、バンコクで開催されることは、カニサレスを応援すべき我々ボクシングファンからするとなかなかの不安要素です。

ご存知、タイでしかも世界タイトルマッチに勝利する、というのは実力差がなければできないことです。それでもタイに世界タイトルがあるとタイ国から出てくることがほとんどなくなってしまうので、どうにかカニサレスにタイトルを持ち帰ってもらいたいところ。

ちなみにこの試合は、Youtubeでライブ配信があります。

日本時間で12/26(木)20:00から配信開始のようですが、BoxRecを見ても一体何試合あるのかはよくわかりません。これはライブ配信だけではないでしょうから。12/27(金)になってから見るのが良さそうですね。

↓視聴はこちらのYoutubeチャンネル(True4U)

www.youtube.com

 

 

 

2025年、統一戦はなるか

たとえば中南米、もしくは北米でライトフライ級の王座統一戦、というのは考えづらい。それは報酬面もあるし、ニーズの面もあります。

もしこれがアメリカのボクサーであったならば、その可能性もあるとは思いますが、ロサにしてもカニサレスにしても、王座統一戦をやるには後ろだてが不足しています。

なのでこのライトフライ級の中心はあくまでも日本であり、そしてそれに一番近いのは、やはり帝拳プロモーション、そしてAmazonジャパンがバックに控える岩田翔吉であることは言うまでもありません。

「LUSH緑」の所属ですから、LUSH BOMU 興行、ABEMAから出るというのは並大抵のことではないと思いますが、矢吹にとってもたとえばアマプラ興行で戦えるというのは非常に大きいことではないでしょうか。

なのでまずは矢吹vs岩田の王座統一戦から始まり、その後他のボクサーたちとの統一戦、というのは現実的な路線かもしれません。

 

 

 

コンテンダー!

この階級で最も高い世界ランクを保持しているのは、高見亨介(帝拳)。まだ8戦のキャリアながらも、強敵たちを次々と跳ね除けており、現在の最高ランクはWBAで4位、IBFで5位です。

ただ、すぐに世界挑戦ができるか、というとそうでもなく、まずは日本かアジアのタイトルをとらなければ日本での世界挑戦は叶いません。

日本王者は、同じく下位ながらも世界ランクに入っている川満俊輝(三迫)。

高見は指名挑戦者として2025年のチャンピオンカーニバルに出場予定であり、この戦いは日本国内のライトフライ級で、「次に誰が世界に行くか」を決める戦いになりそうです。

そして前戦でタノンサック・シムシー(タイ)に惜しくも敗れてしまった谷口将隆(ワタナベ)、2023年12月にジェイソン・バイソン(フィリピン)に敗れ、今年6月に再起戦を飾った山中竜也(真正)といった元世界王者たちもまだまだチャンスはあるでしょう。

そしてベテラン勢だけでなく、21歳という若さでつい先日WBOアジアパシフィック王座を獲得した尾崎優日(大成)も大注目です。やはり日本のライトフライ級は次々と才能が湧き出てくる宝庫、来年も非常に楽しみですね。

 

 

 

復活か、それとも

そして今週、もう一つライトフライ級の注目ファイトがあることを忘れてはなりません。

もう35歳、古豪と呼ばれる年になったフェリックス・アルバラード(ニカラグア)の戦いです。

2024年はこれまで2度戦っており、格下相手ながらも2勝を挙げています。これまで負けたのは井岡一翔、ファン・カルロス・レベコ、サニー・エドワーズ、そしてアンヘル・アヤラと世界タイトルのかかった試合のみ、というアルバラードは、今回の一戦は「大勝負」とも言える一戦になりそうです。

対戦相手は、26歳、脂の乗ったプロスペクト、トビアス・レイジェス(アルゼンチン)。

16勝(15KO)無敗1分という素晴らしい戦績を誇るパンチャーは、アルバラードにとっても超がつくほど危険な相手ではないでしょうか。

この戦績はかませ犬相手に「作られた」ものではなく、決して負け越しのボクサーを相手に勝ってきたものではありません。ちゃんと生き残ってきたボクサーです。

「ピットブル」とニックネームのついたアルゼンチン人ファイター、すでにこれで非常にアグレッシブなその姿が想像できます。

 

 

 

アルバラードがここに勝てば大復活、と言えるかもしれないし、まだ足りないのかもしれません。それにしても、このレイジェスは危険だし、レイジェスにとっては大きなステップアップファイトになります。

この試合はアルバラードの出身地、ニカラグアで行われます。そしてこの試合は、Gemelo Promotionsのフェイスブックページでライブ配信されるようです。このGemelo Promotionsというのはフェリックス・アルバラードが自身でやっているプロモーション会社ですね。

どうでもいいですがレネ・アルバラードが大晦日に日本、なので、フェリックスもこの試合が終わったら日本に来るのでしょうか。だとしたらめちゃくちゃ大変ですね。

配信開始は日本時間で12/28(土)AM8:00です。メインイベントの開始は多分お昼過ぎでしょうか。知らんけど。

↓Gemelo PromotionsのFacebookページ

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【プレビュー】2024年も大晦日は井岡一翔!ベルト奪還なるか、vsフェルナンド「プーマ」マルティネス!!

1 Weeks to Go.

いよいよ2024年、国内最後となるボクシング興行まであと1週間です。

そして今年もまた、国内ボクシング興行の最後を飾るのは井岡一翔。

前戦で敗れた井岡がダイレクトリマッチに臨む一戦は、前戦の試合内容からして厳しい戦いが予想される一戦です。

ということで今回のブログは、フェルナンド・マルティネスvs井岡一翔、Life Time Boxingのプレビューです。

 

 

 

12/31(火)大田区総合体育館

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)17勝(9KO)無敗

vs

井岡一翔(志成)31勝(16KO)3敗1分

世界4階級制覇王者、井岡一翔。

2009年にプロデビューし、2年とたたないうちにWBC世界ミニマム級タイトルを奪取した当時20歳の俊才ももう35歳です。

大晦日興行は井岡一翔の定位置として認知され、これまで数々の強豪を退け、井上尚弥が世に登場するまで日本のボクシング界を引っ張ってきてくれたボクサーです。

長く地上波で戦っていたことから、一般への認知度も相当なものであり、そのボクシングは緻密で、身体能力に頼らないことから多くのボクサーたちが憧れ、参考にする存在でもあると思います。

それは35歳になった今でもしっかりと力を有しており、身体的な衰えこそあろうもののそれを感じさせないインテリジェンスなボクシングが証明しています。

 

 

 

しかし、この戦いはかつてないほど厳しい戦いである、と言えます。ただ、井岡がフェルナンド・マルティネスに勝てないか、というとそうは思いません。

王者、フェルナンド「プーマ」マルティネスの強さはすでに世に知らされた通りです。

2022年、当時のIBF世界スーパーフライ級王者、ジェルウィン・アンカハスに挑戦したプーマ・マルティネスは、まだ全くと言って良いほど謎の存在でした。一度は井岡との王座統一戦が決まっていたアンカハスは、コロナの影響で来日が不可となり、その後マルティネスを挑戦者に選んで防衛戦。

当時はまだ無名だったマルティネス相手にはほとんど調整試合の雰囲気が強く、この試合に勝って来日、井岡との王座統一戦に臨むものだと思っていました。

しかし、ここでアンカハスはまさかのアップセット負け。

それでもまだマルティネスの実力は疑問符がつくところで、アンカハスが舐めていた、モチベーションが低下していた、はたまた減量苦、色々なことが囁かれていましたね。

しかし再戦ではさらに明確に勝利したマルティネス、その攻撃的なボクシングで2度目の防衛戦ではフィリピンの無敗プロスペクト、ジェイド・ボルネアを11RTKOで降します。

そして結局のところ、マルティネスが今の評価を手に入れたのは、今年の七夕、井岡一翔に勝利したからです。

 

 

 

ジャッジの1人がフルマーク、というのはあり得ない話のように思いますが、ともかく文句なしの勝利でした。

具体的にマルティネスがどのように井岡を上回ったのか。

それは打撃戦の展開に持って行けたこと、アッパー、クロス気味の右ストレートが非常に効果的だったこと、そして回転力で上回れたこと。

元々ハイガードな井岡ですが、真ん中が空いているスタイルであり、あの日はいつもより若干距離が近くも感じました。これは、井岡が昨年の大晦日に続いてノックアウトを意識していたからかもしれないし、マルティネスのスタイルにいつもの距離をキープできなかったからなのかもしれません。

初回、ボディでマルティネスが露骨に嫌がったことが、井岡を攻撃的に「させてしまった」からなのかもしれません。

そしてもう一つ、意外なことにマルティネスが超がつくほどの試合巧者であり、ボクシングというものを非常にクレバーに分析しているボクサーだったこと。

パンチをまとめるタイミング、攻撃されてもされっぱなしにならず、必ずと言って良いほど自分が打って終わること、これはナチュラルにやっていることかもしれませんが、間違いなくそういう練習をやっている、ということです。マルティネス本人だけでなく、おそらく陣営が非常によくわかっている。

 

 

 

さらに当て勘がよく、絶妙なポジショニング(足を置く位置)も素晴らしかったのがマルティネス。

フィジカル、パンチの回転力、そして当て勘。これらはおそらくナチュラルにマルティネスが上回る部分であり、戦い方という面でもマルティネスに軍配が上がった、だからマルティネスの完勝だった、ということができるのだと思います。

では、このことを考えた上で、井岡が「再戦で」マルティネスを攻略できるか。

言うまでもなく、井岡一翔というボクサーはインテリジェンスの塊です。

それは、目に見えるパワー、スピードというものは世界トップクラスではないものの、素晴らしいタクティクス、ハートの強さ、クレバネス、反復したトレーニングで積み重ねた美しい所作、そういったもので4階級を制覇したボクサーだからです。

おそらく当初から再戦を目指した井岡は、5か月にわたりフェルナンド・マルティネスを研究し尽くしてきたはずです。

物凄くシンプルに考えれば、もう少し距離を遠くして、アッパーと右クロスを警戒し、しっかりとジャブを当てる。その中で、ボディショットを軸としてコンビネーションを打って離れる。

 

 

 

マルティネスに自分のペースでボクシングをさせれば、というのは前戦を見ての通りなので、そこのペースに乗らないこと、そしてマルティネスのペースを崩していくことを前半にやれば、井岡らしく後半にかけてチャンスが来るのではないかと思います。

とまあ、言葉で言えば全くもって簡単なことを、井岡一翔らしくやるというのがミッションになってくると思います。とにかく前半からマルティネスを波に乗せないこと。

井岡一翔の「再戦」における強さを、我々日本のボクシングファンはよく知っています。

そしてここからは戯言ですが、井岡が再戦でマルティネスに勝つ追い風になりそうなことを並べ立てておきます。ただの希望的観測です。

まず、マルティネスは完全な陽キャなので、一度勝った相手に対して前戦ほど真剣に取り組んでこないのではないか、ということ。ほぼ偏見ですが、中南米のボクサーには多いことです。

そして、初戦の井岡はやや強引なところがあり、これまでとは少し違って「アピール」を考えていたと思います。先を見て足元が疎かになる、は誰にでもあることでしょうが、今回は一度負けた相手だからこそその懸念はないでしょう。勝ちに徹したボクシングをしてくれるはずです。

 

 

 

そして、会場が前回の両国国技館から、いつもの大田区総合体育館になること。これだって、井岡にとってマイナスにはなりません。

ここに勝てばジェシー・ロドリゲスの標的になります。

マルティネスにとってはこの試合でビッグマネーを稼ぐことができ、さらにその先にバム・ロドリゲス戦で稼げるとなれば夢は膨らむでしょう。

そして井岡にとっても、追い求めてきたエストラーダを倒したバムは戦いたい相手の1人のはず。

どうにかここは踏ん張って、井岡に勝利を手にしてほしい。

↓初戦の観戦記

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堤駿斗(志成)5勝(2KO)無敗

vs

レネ・アルバラード(ニカラグア)34勝(22KO)14敗

WBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦、ということだそうですが、このように無理やり「挑戦者決定戦」なんてものをつけるとボクシングファンの反感を買うだけですね。

前戦で計量オーバー、たった半年のサスペンドを受けての復帰戦でいきなりのチャンス、というのは、他の同階級のボクサーたちを思えばちょっと気の毒です。

ともあれ、この「WBA」という団体の「挑戦者決定戦」などという胡散臭いものは、別に次戦で世界に挑戦できるわけでもありませんから、あってないようなもの。もはや「嘘」と言っても良いレベルのものです。こういう無駄なハク付けはボクシング競技を貶めるだけのものだと思うのですが、なんだかABEMAが絡むとこういうのが多い気がします。

さて、レネ・アルバラード。元世界王者で、2019年にアンドリュー・カンシオ(アメリカ)に勝利して世界初戴冠。フェリックス・アルバラードの兄弟ですね。

初防衛戦でロジャー・グティエレス(ベネズエラ)に敗れてからは良いところがなく、レイモント・ローチ(アメリカ)、ウィリアム・セペダ(メキシコ)、マーク・ウラノフ(ロシア)らに敗北。

世界王座陥落時からは8戦して2勝6敗という戦績で、残念ながらもう落ち目であることは明白です。

 

 

 

この試合が報じられた時、「アルバラードは強敵」「危険」「戦績に騙されてはいけない」みたいな意見をいくつか見ましたが、堤がアルバラードに負ける姿は全く想像できません。

というのも、アルバラードはやはりエリートクラスではなく、打撃戦には強いしセペダと10R戦うぐらいタフであるけれども、特にスピードや技術のある相手に弱いと思います。アルバラードでは、堤についていけないでしょう。

堤がアルバラードと正面切って打ち合うか、というとそんなはずはないでしょうから、普通に考えれば堤の判定勝利が妥当なところ。

なので必然、このアルバラードを倒せるか、というのは一つの焦点です。

過去の過ちを試合で挽回する、というのであれば、やはりこの14敗もしているくせに1つしかKO負けがない、そうはいっても衰えてはきている元世界王者をノックアウト、これが堤に望むところです。

きっとABEMAの放送ではアルバラードを持ち上げて煽るのでしょうね。。。できれば海外放映版を見たいのですが、残念ながらABEMAのボクシングは他国では放映されていません。

ともあれ、堤の快勝、圧勝を期待したいところ。

 

 

 

アンダーカードと配信情報

とまあ、ABEMAの文句で終わってしまいましたね。じゃあ見るなよ、と思ったそこのあなたは正論ですが、そうは言ってもボクシングが好きなので見ます。

ライブ配信を見ているとストレスが溜まるので、もちろんABEMAプレミアムに入ってディレイです。煽りVも実況も解説もいらないので、試合だけ延々と流してほしい。。。w

さて、アンダーカード。

我らが木村吉光(志成)が復帰戦。前戦で負けたわけではないですが、救急搬送?だったかで坂晃典(仲里)戦が飛び、なんだかんだ1年4ヶ月ぶりのリングですね。

鈴木雅弘(角海老宝石)も登場、こちらは宇津木秀(ワタナベ)戦の黒星からの復帰戦です。稔弘(志成)の方じゃないんですね。この他に予備試合を含めて5試合、試合数は結構あります。

試合開始は16:00、配信開始は15:00ということでいつもながらに謎の1時間がありますが、セミが19時、メインが20時くらいでしょうか。

大晦日なのでライブ配信にこだわらず、ディレイで良いと思います。そうなるとABEMAプレミアムは必須です。

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【プレビュー】ウシクとフューリーの時代。2024を締めくくるのはボクシング史に残る一夜。

いよいよ週末は、オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー2です。

ヘビー級といえば力任せに殴りつけてとてつもないノックアウトを生み出す階級ではありますが、この2人のボクサーの技術レベルは高すぎてそこを期待できるものではありません。

オレクサンドル・ウシクについては、クルーザー級上がりの191cm、ヘビー級でこれまで6戦(そのうち4つが世界タイトルマッチ)をこなしていますが、一度たりともブリッジャー級のウェイトを超えたことがないボクサー。その小さきものが、ヘビー級のボクシングらしからぬ機動力とスピードで4団体を制覇してしまったのだからボクシングというのは不思議です。

「でかい方が強い」ということが真理でなかったならば、階級制にする意味は薄れます。

そんな息吹をヘビー級に注いだからこそ、今後のヘビー級はまた少し変わっていくのかもしれません。

さて、ということで今回のブログはウシクvsフューリー2のプレビュー。

 

 

 

12/21(日本時間12/22)サウジアラビア・リヤド

WBA・WBC・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ

オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)22勝(14KO)無敗

vs

タイソン・フューリー(イギリス)34勝(24KO)1敗1分

2024年5月18日、当時WBA・IBF・WBO世界ヘビー級王者だったオレクサンドル・ウシクと、WBC世界ヘビー級王者だったタイソン・フューリーは、史上初の世界4団体統一ヘビー級王座の座をかけて激突。

フューリーはデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)を、オレクサンドル・ウシクはアンソニー・ジョシュア(イギリス)を退けてのこの激突は、間違いなくヘビー級の最強決定戦でした。

非常に接戦のスプリット判定ではありましたが、ウシクが9Rにダウンを奪う等大いに見せ場を作ったことで、この勝利に納得するファンは多かったのではないかと思います。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

今回のこの7ヶ月ぶりとなる再戦は、ウシクがIBFの指名試合を行えなかったため、IBF王座を返上。3つの王座のかかったタイトルマッチとなりましたが、これはもはやいくつタイトルがかかっているかは関係ない戦いです。

おそらくこの2人は初戦でそれぞれのストロングポイントを競い合い、ウィークポイントを突き合っている間柄であり、第二戦になったからといっていきなり大きな差が開くものではないと考えます。つまりは、このリマッチも接戦となることは明白です。

37歳のウシク、36歳のフューリー。どちらもこの試合の後、進退を考えてもおかしくない時期に来ています。

ウシクが勝利した場合、ウシクの2勝となり、トリロジーは必要ないと思われます。

そしてこの場合、ウシクは戦える相手はもうそう多くはありません。

かつてはヘビー級を制した後、クルーザー級に戻るなんてことも発信していたウシクですが、ここまでの実績を残してクルーザー級に戻る意味はもはやあまりないでしょう。

 

 

 

ヘビー級でもアンソニー・ジョシュア、ダニエル・デュボアを退けており、フューリーにも2勝したとなれば、あとは誰か。

もう一度4団体制覇を目指してデュボアとの再戦に望む可能性、他にはジョセフ・パーカーがデュボアに勝利すれば戦う価値はあるかもしれません。

他にはマーティン・バコーレやアギット・カバイェルとかでしょうか、こちらはウシクからすると旨味が少なすぎるかもしれません。

フューリーは「この試合に負けても引退しない」と公言しています。ただ、彼の引退するしないについては全くわからないので、話半分どころか話1/10くらいで聞いておいた方が良いでしょう。

ただ幸いなことに、フューリーは勝っても負けてもまだ戦える相手がいます。

もちろんこの戦いに勝てば、最も注目に値する戦いはオレクサンドル・ウシクとのラバーマッチであり、それはおそらく来年にも開催されるのでしょう。

 

 

 

しかし3度連続で、というよりも1戦くらいは挟むはずで、それはアンソニー・ジョシュアとの戦いになるかもしれません。この戦いは待望されているものなので、たとえフューリーがウシクに負けたとしても、非常に興味を引く一戦です。

当然、全てはこの試合が終わってからの話です。

ボクサーとしての能力のレーダーチャートを作ったとするならば、体格、パワー、スピード、インテリジェンス、その多くでフューリーのそれはヘビー級のトップクラス。

その相手に、ヘビー級としてはパワーレスであり、スピードが群を抜いているというほどではなく、さらに体格は大きく劣るオレクサンドル・ウシクが互角以上に戦えるというのはボクシングの醍醐味です。

目に見える能力値では勝負は決しない、というのがボクシング。

その醍醐味をもう一度楽しみましょう。

 

 

 

アンダーカードと配信情報

アンダーカードに決まっていた、セルヒー・ボハチュク(ウクライナ)vsイズライル・マドリモフ(ウズベキスタン)という好試合必至の戦いは、キャンセル。

理由はマドリモフが2/22のリヤドシーズンでバージル・オルティスJr(アメリカ)への挑戦が決まったためでしょう。まあ、これは致し方ありません。

ということで代役に抜擢されたのは英国のイスマエル・デイビス(イギリス)、13勝(6KO)1敗という好戦績のボクサーです。

前戦でジョシュ・ケリー(イギリス)との英国ライバル対決に敗れ初黒星、ここはビッグチャンスが巡ってきたと捉えて良いでしょうね。おそらくマドリモフがオルティス戦にスイッチする前から交渉されていたと思われるので、準備期間は1ヶ月〜1.5ヶ月くらいでしょうか。いずれにしろ、厳しい戦いになりそうです。

 

 

 

さて、この興行はアンダーカードにボハチュク初めダニエル・ラパン、アンドリー・ノビトスキーといったウクライナ人ボクサーたちが登場。他にもピーター・マクレール、モーゼス・イタウマ、そしてジョニー・フィッシャーといった英国プロスペクトたちも登場しますね。

この戦いはDAZNのPPVで放送、DAZNの契約のほかPPV購入が必要です。PPV価格は3,100円、これはお金をかけるべきところでしょう。

ちなみにメインの開始予定時間はGMTでPM11:00、なので日本時間では12/22(日)AM8:00頃となります。

↓DAZNはこちら

DAZN

 

 

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【プレビュー】3150×LUSHBOMU!OPファイトはIBF世界スーパーフライ級戦、ウィリバルド・ガルシアvsレネ・カリスト!!

今週末はオレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー2です。

やっぱり初戦ほどの注目度はないかもしれませんが、この戦いでウシクが勝利すればファイター・オブ・ザ・イヤーは間違いなくウシクであり、もしフューリーが勝てばウシクはP4Pキングの座を降りなければならないでしょう。

前戦はエキサイティングではなかったですが好勝負であり、今戦も同様に好勝負になるでしょう。

この戦いは日本時間12/22(日)、DAZNで放映されます。

そしてその前日は日本では3150FIGHT、そして全日本新人王決定戦。

ということで今回のブログは12/21(土)に行われる3150×LUSHBOMUのプレビューです。

 

 

 

12/21(土)3150×LUSHBOMU

スーパーフライ級8回戦

横山葵海(ワタナベ)vsデンマーク・ケビド(フィリピン)

メインイベントは8回戦。拓大出身の横山、プロ2戦目ですね。

横山は拓大の主将を務め、全日本選手権優勝経験もあるボクサーですが、2戦目で8回戦というのはA級デビューなのでしょうか?この辺りはよくわかりません。

ともあれ、このデンマーク・ケビドは2度目の来日ながらも、前戦が2R負傷ドローということでまだよくわからないボクサーです。横山の圧勝を期待しましょう。

但馬ミツロ(亀田)

セミファイナルには但馬ミツロが登場、ロスマン・ブリトというベネズエラ人との一戦です。但馬は前戦での初黒星からの再起戦となります。このブリトは11勝(9KO)1敗という素晴らしい戦績を持っていますが、その対戦相手のほとんどはデビュー戦のボクサーか負け越しのボクサーであり、なかなかこの戦績通りと測れるものではありません。KO率は高いので、危険ではあると思います。

 

 

 

健文トーレス(TMK)

但馬の前、セミセミに登場するのは健文トーレスです。2024年、本当に大きな飛躍の年になったトーレス、レイマート・ガバリョ、KJカタラジャという2人のフィリピン人トップコンテンダーを破り、いよいよ世界タイトルマッチはすぐそこです。

今回の相手はここ数戦、勝ったり負けたりを繰り返しているタイ人ボクサーで、前々戦ではマーロン・タパレスに初回KO負けを喫しています。ここ最近の「勝った」方の戦いはデビュー戦が2人と1勝3敗が1人、正直誇れる戦績ではないでしょう。

ここまで酷い相手だとトーレスのモチベーションも心配になるレベル、しかもこの階級は上がかなり詰まっており、世界戦は大行列ができており、ちょっと待たなければなりません。

この相手であれば、やはりインパクトは必要でしょう。

そのほかのアンダーカードと配信情報

ミツロにしても健文トーレスにしても、ヒリヒリするようなマッチメイクではありません。

そしてそのほかのアンダーカードでも亀田京之介(TMK)、森脇龍星(KWORKD3)も出ますが、どれもさほど目を引くマッチメイクとは言えないと思います。

そしてこの試合数の多さは、エンターテイメントにも時間をさくLUSHBOMU興行ですから、かなりの長時間興行となるでしょう。

 

 

 

配信開始は12:30とのことですが、普通に試合を消化するだけでもおそらく17:00終わりくらいになりそうですが、そこにまた何時間もエンタメが入るので、終わりの時間はよくわかりません。

しかし今回大変にありがたいのが、第一試合が最も興味深く、そして最もハイレベルであると思われる戦いがセットされており、さらにその第一試合をしっかり見たあとU-NEXTに移動すれば、全日本新人王決定戦の第一試合に十分間に合うという時間配分なのです。

ちなみにこの3150×LUSHBOMUはABEMA.TVで配信です。ABEMAプレミアムに加入しておけば見逃し配信も観れるのでおすすめ。広告ありのプレミアムプランも登場して、安価に契約する術もあるようです。

ちなみにABEMAプレミアムに加入するなら今です。

年末にはフェルナンド・マルティネスvs井岡一翔2も控え、この大晦日決戦はライブ視聴できない人も多いのではないでしょうか。(私はもちろん無理です。)なのでここでABEMAの見逃し配信も活きてくると思います。

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↓なおこの日は14:00〜全日本新人王決定戦もあります。こちらはU-NEXT。

 

 

 

第一試合

IBF世界スーパーフライ級王座決定戦

ウィリバルド・ガルシア・ペレス(メキシコ)22勝(13KO)5敗1分

vs

レネ・カリスト・ビビアーノ(メキシコ)24勝(9KO)無敗

試合の「格」としては間違いなくこの興行で最も上ですが、こちらがオープニングファイトのようです。メキシコ人同士の世界タイトルマッチとはいえ第一試合、というのは「ボクシングそのもの」を楽しむのではなく完全なうちわ盛り上がりである日本のボクシング界だからこそかもしれません。

ほかの国であれば、もう少し良い場所に持ってきそうなものですが。

ともあれ、この試合はフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)が返上した王座を巡っての王座決定戦です。この2人のボクサーは非常に運を持っています。

亀田和毅にプロモートされるレネ・カリストは、おそらく規律の正しい、よくトレーニングに励むメキシカンなのでしょう。そうでなければ、亀田がプロモートすることもトレーニングを見ることもないであろうからです。

 

 

 

そしてこの恵まれたメキシカンは、2016年にプロデビューしたのち、プロ3戦目までは全員がプロデビュー戦を迎える選手を相手にして、その後は負け越しの相手と戦いキャリアを積み、それなりの相手と戦うようになったのは2022年頃からでしょうか。

前戦でシコ・ンクトーレ(南アフリカ)に勝利したのがキャリア最大の勝利であり、他に強豪相手の勝利はありません。

そして私が注目したいのはもちろん、ウィリバルド・ガルシア・ペレス、「メキシコのロッキー」と題され、34歳にして世界初挑戦の切符を掴んだボクサーのことです。

'Mexico's Rocky' Willibaldo Garcia Perez lands 115lbs title fight

大事に育てられてきたと思われるカリストと違い、このガルシア・ペレスはデビュー戦を勝利も、2連敗、その後ノーコンテストを1戦挟んで判定負け、ここまでで5戦1勝3敗1NCと非常に散々なスタートを切っています。ちなみに、ここまでの期間はわずか8ヶ月。

曰く、「誰かの保護下におかれることもなく、適切な方法で宣伝されることもない」「彼らはただ、さまざまな試合に放り込まれるだけ」だったそうです。

ちなみにこの3敗目は127lbsほどで戦っています。

 

 

 

その後ようやく勝ちを積み重ねたガルシア・ペレス(たまたまなのか、勝てる試合を組まれた、が正しい表現のように思う)は、2020年にのちのWBC世界バンタム級王者、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に0-2の判定負け。その翌年はポール・バトラー(イギリス)に1-2の判定負けを喫していますが、それ以来は勝ち続けており、現在10連勝中です。ちなみにバトラー戦は試合の1週間前くらいに決まった代役としてリングに上がっています。

サンティアゴと戦ったWBCインターナショナル王座戦、バトラーと戦ったWBOインターナショナル王座戦はウィリバルド・ガルシア・ペレスにとって大きなチャンスでした。

しかし、この両試合はバンタム級での戦いであり、このガルシア・ペレスが本当に自信があったのは115lbs(スーパーフライ)での戦いであったと語っています。←ショーン・ギボンズがね。だから話半分でも良いかもしれません。

ともあれ、このガルシア・ペレスを救ったのは誰あろうショーン・ギボンズであり、ギボンズのラテン興行に出るようになってから長い時間をかけながらも強豪をかき分けて、時に跳ね返されながらも前に進み、世界初挑戦のチャンスを掴み取った34歳。しかも、相手はあの怪物、フェルナンド・マルティネスでもなければジェシー「バム」ロドリゲスでもない、レネ・カリスト・ビビアーノという同国人です。これは彼にとって、過去最大で最後のチャンスとなるかもしれません。

 

 

 

ここに勝利した後は、大きな道が開けるキャリアです。

まず一つは、軽量級のスター、ジェシー「バム」ロドリゲスがいる階級であり、さらに彼が王座統一戦を希望しているという事実。

軽量級の本場とも言える日本で戦えるという事実。

フェルナンド・マルティネスvs井岡一翔2がこの戦いの10日後に行われること。

その日本にはスーパーフライ級のコンテンダーが多く、また日本で戦える可能性もあること。

誰も期待しないところから世界のトップに駆け上がる、そんな夢のような物語を体験できるかもしれません。

ただの「メキシコ人同士の世界タイトルマッチ」、「日本人に馴染みの深いスーパーフライ級の世界タイトルマッチ」、それだけではない、人生大逆転の物語がここにあるのかもしれない。

 

もしくは、現実というものはドラマティックではないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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【プレビュー】中嶋一輝vs辰吉寿以輝!!2024年最後のフェニックスバトルのメインイベントは大注目!!!

12/10(火)のダイヤモンドグローブ、日本ライトフライ級タイトルマッチ・川満俊輝(三迫)vs大橋波月(湘南龍拳)、セミファイナルに日本ユース・ウェルター級王座決定戦・磯谷大心(輪島スポーツ)vs加藤大河(DANGAN越谷)、元日本王者佐川遼の復帰戦、磯谷広太(輪島スポーツ)のデビュー戦等々。

12/11(水)OVER HEAT BOXERS NIGHTは何と言ってもジロリアン陸(フラッシュ赤羽)vs長濱陸(石田)の大注目対決。

そして国内だけでなく海外でも、日本時間12/12(木)にカツマ・アキツギがあのアストン・パリクテ(フィリピン)と戦うという興行もあります。

ダイヤモンドグローブはFODプレミアムで、そしてOVER HEAT BOXERS NIGHTはジロリアン陸のYoutubeチャンネルで生中継され、さらにアキツギvsパリクテはProboxTVで生配信。

そんな素晴らしいマッチアップがウィークデイで見られるわけですが、今週最も注目すべきはこの試合、12/12(木)に行われるOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ、中嶋一輝(大橋)vs辰吉寿以輝(大阪帝拳)。

ということで今回のブログは、中嶋vs辰吉のプレビュー記事。

 

 

 

12/12(木)フェニックスバトル

OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ

中嶋一輝(大橋)16勝(13KO)2敗1分

vs

辰吉寿以輝(大阪帝拳)16勝(10KO)無敗1分

光陰矢の如し、と言うがもっと早い。矢、どころのものではなくライフルの弾丸です。

辰吉寿以輝に関しては、やっぱり我々のように30年以上ボクシングを見続けているファンにとっては特別であり、あのジョーの息子、というだけで十分応援に値します。

その寿以輝がプロデビューする、というニュースが流れたのがつい最近のことのように思いますが、なんだかんだでもうすぐ10年が経とうとしています。(これには本当にびっくり)

その辰吉寿以輝が初のタイトル戦、相手は中嶋一輝です。

一体誰がこのマッチアップも目論んだのでしょうか、そのセンスには恐れ入ります。

 

 

 

奈良県出身の中嶋一輝はアマチュアボクシングでならし、国体優勝などの実績を提げてプロ入り。非常に怖い顔つきをしていますが、所属する大橋ジムではキッズクラスを担当するなどしており、その試合には子どもたちからの声援も多い。

山中慎介の名前を冠した「GOD'S LEFT バンタム級トーナメント」で初戦、準決勝を初回TKOで大きなインパクトを残すと、決勝では現在のWBA世界バンタム級王者、堤聖也(角海老宝石)とドロー、優勢点で優勝。ただし、個人的にはこの試合は堤の勝利に見えました。

このインパクトのあるトーナメント優勝を勝ち取った中嶋は、2021年に千葉開(横浜光)を破ってOPBF東洋太平洋バンタム級王座を獲得、ここから世界へ駆け上がっていくものだと思われました。

しかし迎えた初防衛戦、栗原慶太(一力)に3RTKO負けで王座陥落。

これは栗原が素晴らしかった、というのもありますが、ハードパンチを持つ栗原相手に中嶋の打たれ脆さが露見した試合でもありましたね。

その後再起した中嶋は、やや慎重な試合運びを気をつけるようになり、2023年2月にはWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座を獲得。しかしここでも初防衛戦でTJドヘニー(アイルランド)に4RTKOで敗北、2度にわたるアジア王座の中で初防衛戦をクリアすることが叶いませんでした。

 

 

 

より慎重な試合運びを意識するようになった中嶋は2024年2月、中川麦茶(当時一力)に勝利してOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得すると、初防衛戦で和氣慎吾(当時FLARE山上)を破ってようやく初防衛戦をクリア。今回の一戦を迎えます。

栗原慶太、TJドヘニー、そして和氣慎吾。

初防衛戦を戦ったボクサーたちはそれぞれ一級品であり、中嶋としては世界に打って出る試合としては倒しておかなければならない相手でした。

それに2度の失敗を経験し、和氣も国内のトップボクサーではありましたが、やはり年齢的な衰えにより特有の打たれ脆さを顕現し始めていたボクサーでしたから、当時の栗原よりはやはり評価としては落ちてしまっていたから、ここですぐに世界とはならない相手でした。

しかも今、スーパーバンタム級の座席は完全に埋まっています。

ともかく、これまで戦った強敵だらけのそのキャリアの中で、辰吉が過去最強かと問われればそれは残念ながらYesとは言えません。

対して辰吉側から考えれば、中嶋一輝というボクサーは、間違いなく彼のキャリアの中で最も強敵で、どころか、頭ひとつ二つ飛び抜けた過去最強の相手である、と断言できると思います。

 

 

 

2015年4月にプロデビューした辰吉は、新人王戦にはエントリーせず独自路線を行きます。

絶妙、と言えるマッチメイクを経て、少しずつキャリアを積み、その期待に応えて勝ち星を重ねていきました。

父親譲りの〜というものはあまり持っていないように思え、強いて言えば左フックや左ボディにほんの少しだけそれを感じる、という程度のものであり、柔らかなジョーのボクシングに比べれば良い意味でも悪い意味でも非常に固さがあり、堅実です。

ジャブから入って右ストレートを打ち、左フックを返す、そんなオーセンティックなボクシングをするのが辰吉寿以輝。

これまでの最大の勝利は2024年1月に行われた与那覇勇気(当時真正)戦であり、これに辛勝したというのが当時の辰吉の実力です。

与那覇がランカークラスのボクサーであり、タイトルチャレンジャーではなかった、というのが現実で、その分、3度もタイトルを獲得している中嶋との間には大きな乖離があると言えます。

 

 

 

だからこの試合は、中嶋が大きく優位である、ということが当然の試合なのです。

それでもなお、ボクシングモバイルを見るとその予想は完全に五分五分です。

これは明らかに、辰吉に期待をする人が多いということの現れでしょう。

かなり希望的観測に賭けるとするならば、堅実でオーソドックスな辰吉のボクシングが中嶋に通用すること。それこそ辰吉が目指すべきスタイルはユーリ阿久井のようなスタイルで、丁寧にブロッキング、ウィービングして自らの当たる距離でパワーパンチを振るう、というのが良いのではないでしょうか。彼は非常にバランスが良く、フィジカルが強いのはこれまでの試合で明らかです。中嶋の攻撃に耐えて近距離でパワーパンチを当てることができるのならば、打たれて強いとは言えない中嶋相手に大きなチャンスが芽生えるのではないでしょうか。

ボクシングの技術、攻撃時の幅やアングル、そういったものは当然長くボクシングに関わっている中嶋のキャリアには全く敵わないはずです。幼い頃からボクシングの真似事はしていたであろう辰吉ですが、結局真剣勝負はプロで叩き上げてきた17戦だけのキャリアです。

あえて言えば、辰吉が勝利すればアップセットです。

だからこそ、辰吉にとってこの試合は大きな価値があります。

結局、この階級の世界タイトルは、2026年にならないと回ってきません。それまでになるべく世界ランキングを上げておく、それが今、この階級のボクサーに必要なことです。

 

 

 

日本ウェルター級タイトルマッチ

セムジュ・デビッド(中日)6勝(4KO)1敗

vs

小畑武尊(ダッシュ東保)14勝(6KO)6敗1分

この日本ウェルター級タイトルマッチにも注目です。

ウガンダ出身のオリンピアン、セムジュ・デビッドは中日ジムの所属。前戦で石脇麻生(石田)を7RTKOで破り、日本ウェルター級王座を奪取しています。

さすが元トップアマ、という巧さとさすがアフリカンという身体能力を持っています。

そして挑戦者は小畑武尊、ダッシュ東保ボクシングジムの所属。このボクサーは大分県という地方ジムにいながら幾度もホールのリングに立っているボクサーです。

2017年の全日本新人王決定戦というのはホールでの初戦で、その後も坂井祥紀(横浜光)の帰国2戦目の対戦相手を務め、安達陸虎(大橋)にアップセットの初回TKO勝利を決めて名を挙げています。

そして2022年6月、絶対不利の中日本ウェルター級暫定王座決定戦に出場、ここで元王者の永野祐樹(帝拳)に5RTKO勝利して暫定王座を戴冠。王座統一戦では小原佳太(当時三迫)に敗れましたが、ともかくこのボクサーはアップセットを起こせるボクサーです。

さて、オリンピアンのセムジュ・デビッドとプロ叩き上げで九州のジムの小畑では技術の差、キャリアの差はかなり大きい。

 

 

 

そこを補えるのがおそらくハートの強さであり、このハートの強さというのは昔から日本のボクサーたちの窮地を何度も救ってきたし、誇れるものです。

小畑が九州男児の心意気を見せるのか、それともそれすらも歯牙にかけずにデビッドが完勝するのか。これはもしかするととてつもない試合になるかもしれませんし、全然そうはならないかもしれない、だからこそ非常に楽しみな戦いですね。

アンダーカードと配信情報

アンダーカードには山﨑裕生(大橋)vs武藤涼太(松田)という日本ユース・スーパーバンタム級タイトルマッチ。他には田中将吾(大橋)のプロ2戦目もありますね。

最近は無理やり試合数を詰め込む興行も多い(ABEMAでやるやつとか)ですが、集中してみるならこれぐらいの試合数の方が完全にありがたい。とは言っても、全部を見る時間は平日にはちと厳しいですが。

配信はLemino、17:45の開始とのことなので、セミが19:30頃、メインは20:00-20:30頃でしょうか。終わって21:00〜21:30頃、やっぱりこれぐらいがありがたい。

↓Lemino プレミアムはこちらから

 

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【プレビュー】Road to 井上尚弥!WBA世界SB級暫定王座決定戦、ムロジョン・アフマダリエフvsリカルド・エスピノサ!

先週末も今週末もたくさんの興行が被っています。

そんなかで「注目ファイト」と呼ばれるものではないかもしれませんが、「注目ファイター」が登場するのがマッチルームのモンテカルロ興行です。

注目ファイターは次戦で井上尚弥との対戦が噂されるムロジョン・アフマダリエフです。

ということで今回のブログは、ムロジョン・アフマダリエフvsリカルド・エスピノサのプレビュー記事。

 

 

 

12/14(日本時間12/15)モンテカルロ

WBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦

ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)12勝(9KO)1敗

vs

リカルド・エスピノサ(メキシコ)30勝(25KO)4敗

わずか一つの敗北で、その選手の評価が地に落ちてしまう、ということがままあります。

ムロジョン・アフマダリエフはその典型とも言えるボクサーです。

2018年3月のプロデビューからわずか22ヶ月、立ったの8戦目で2020年1月にタイトル初挑戦したアフマダリエフは、当時の統一王者、ダニエル・ローマン(アメリカ)をスプリットの判定で破って見事世界王者に輝きました。

たった8戦で、もちろん初の12ラウンズで、あのローマンを際どい判定ながら破る、というのはものすごいことです。

その後も岩佐亮佑、ホセ・ベラスケス(チリ)、ロニー・リオス(アメリカ)を難なく破ったアフマダリエフは、しかし4度目の防衛戦で不覚を取ります。

その相手がマーロン・タパレスで、岩佐に敗れたタパレスがアフマダリエフに僅差ながらも判定勝利を収める、という構図は、まさにボクシングには三段論法が通用しないということを地で示した格好となりました。

 

 

 

もちろん、岩佐戦よりもタパレスは集中していたし、バランスも良く、新たな環境でそのパフォーマンスは明らかに向上していました。それでもあの試合はどちらが勝ったかわからないような試合内容だったし、個人的にはアフマダリエフが勝利したように見えた試合だったので、このボクサーがこの階級のトップの1人であることを疑う余地はありません。

その初黒星から8ヶ月後に当時無敗のケビン・ゴンサレス(メキシコ)を6RTKOで屠り再起したアフマダリエフは、その際にWBAの使命挑戦権を獲得。しかし統一路線となってしまったスーパーバンタム級タイトルへの挑戦は巡って来ず、約1年たって今回の一戦を迎えます。

長く待たされたのは事実ですが、IBFの指名挑戦者であるサム・グッドマンの方が待たされてもいるし、WBAスーパー王座の指名戦の期限は18ヶ月。井上尚弥がWBA王座を獲得したのが2023年の12月なので、規定から言ってもまだ余裕があるはずです。

「声がでかい人の意見が通りやすい」というのは昭和とか平成の企業の話ではありますが、結局はどこのコミュニティでも、どの時代でもそうなのかもしれません。訴訟も辞さず、の構えを見せたアフマダリエフに対してWBAはこの試合を暫定王座決定戦として認定しています。まあ、ここはレギュラー王座ではないことが唯一の救いなのかもしれません。

 

 

 

そんなアフマダリエフの対戦相手は、現在8位のリカルド・エスピノサ。1位と8位の王座決定戦、というのはままあることですが、この暫定王座決定戦が組まれた後にエスピノサはランクイン、当初は13位というものでした。

しかし試合が近づくにつれ13位から11位へ、そして今回発表のランキングでは8位へと徐々にランクを上げています。当然のことながら、その間、試合はしていません。

さて、このリカルド・エスピノサ、そうは言っても全く無名のボクサーというわけではありません。

キャリア初期、6回戦と8回戦でそれぞれ1敗ずつしていますが、これはメキシコで結果を残したあとにBサイドとして呼ばれたアメリカでの試合であり、間違いなくBサイドでリングに上がった経験から来る敗戦です。

その2敗の後は連戦連勝でまたもアメリカ進出に漕ぎ着け、今度はWBOラティーノ・タイトルを獲得、その勢いのまま2019年、初の世界挑戦へと漕ぎ着けます。

 

 

 

2019年4月に行われたこの試合は、WBO世界バンタム級暫定王座決定戦と銘打たれたもので、対戦相手は当時すでに2階級制覇王者だったジョンリエル・カシメロ(フィリピン)です。

この時の試合は見た記憶がありませんが、結果はエスピノサの12RKO負け、ただ試合がストップするまでのポイントは1-1のドローでした。十分に善戦と言えるものでしょう。

その後、2021年5月に当時無冠となっていたダニエル・ローマンと戦い判定負け、そこからは1つのノーコンテストを挟んで5連勝(4KO)中です。

ローマン戦後の対戦相手の質は高い、とは言えませんが、34戦も戦っているこのボクサーはまだ27歳と若い。世界初挑戦時よりも随分と向上していることは確実でしょうし、今、脂が乗っているボクサーだとも言えると思います。

当然、アフマダリエフ優位は揺るぎがないものです。

しかし次戦にビッグマッチを控えたボクサーが足元を掬われる、なんてことはザラにあることですし、エスピノサとしてはここに勝てば今までアフマダリエフが待ち続けてくれた時間をそっくりそのまま手に入れることができ、来年春にラスベガスのリングに上がることができるのです。これは人生を変えられる一戦、モチベーションは極めて高いでしょう。

 

 

 

「リカルド・エスピノサ史上最強のエスピノサ」が出てくることは間違いありませんが、それでもアフマダリエフにはここは苦戦することなく、ストップ勝ちしてもらいたいところです。そうでなければなかなか盛り上がりません。

フルトンが井上尚弥にあの負け方をしてしまった以上、やはり現段階でこの階級最強はアフマダリエフ。フルトンよりもパワーがあるし、もともと技術力の高いボクサーでもあるし、やっぱり最も怖いのはこのムロジョン・アフマダリエフです。

その強さをぜひ、見せつけて欲しいものです。

アンダーカードと配信情報

アンダーカードにはEBUヨーロピアン・クルーザー級王座決定戦、シャボン・クラーク(イギリス)vsレオナルド・モスクア(フランス)という無敗対決がセットされています。どっちもよく知らないボクサーですが、クルーザー級という重量級においては、ヨーロピアンタイトルというのは大きな価値がありますね。

 

 

 

この無敗対決を制したボクサーは、世界タイトルに大きく近づくのでしょう。

その他にはライト級でゲイリー・カリー(アイルランド)vsマキシ・ヒューズ(イギリス)。プロスペクトのカリーが、まだ力を残しているベテランヒューズにどのような戦いを見せるのかは非常に楽しみですね。

配信はDAZN、日本時間12/15(日)です。

↓DAZNはこちらから

DAZN

 

 

 

井上尚弥の2025年

井上尚弥は先週の公開練習で2025年に海外で戦う旨の発言をしています。

これはかねてから噂のあった通りであり、それに向けてすでにトップランクも動いています。

トップランクとしては来年の4月、井上をラスベガスのリングに上げたいとのこと。これまでは報酬面で上手くいかなかったのでしょうが、そこにリヤドシーズンの影がちらつくことによりその部分が解消。

ただし、アフマダリエフへの報酬は10%しか渡せない、と言っているようです。

ともあれ、4月にアフマダリエフ戦をクリアしたとして、その次は秋と冬に戦い、来年も3試合を計画しているそうです。3戦とも海外というよりはおそらく年末は日本であり、そこが中谷潤人戦となるかどうかはまだ疑わしい。

 

 

 

井上尚弥は先日発売されたボクシングマガジンの特別編集のムック本で「2026年春」と言っています。ということは来年中に中谷がバンタム級の王座統一を果たし、名実ともに階級ナンバーワンであることを証明しなければなりませんね。

いずれにしろ、来年はアメリカ、もしかしたらサウジ、そして東京。2025年もまた、楽しみな1年になりそうですね。

 

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【プレビュー】新ライト級ウォーズvol.2!三代大訓vs丸田陽七太が激突!勝者は宇津木と?

12/8(日)は海外興行で5興行がライブ配信。国内でも宇部市で行われる興行がベジータ石川のYoutubeチャンネルで生配信、REAL SPIRITSも配信があると思うので、そうなるとこの日だけで7興行がライブ配信です。

全部見たら1日じゃ終わらないですね。

その前日もダイナミックグローブ、この2日間は私は仕事と試合でなかなか視聴する時間を作れなそう。終わってからゆっくり見ます。

ということで今回のブログは、12/7(土)に予定されているダイナミックグローブのプレビュー。

 

 

 

12/7(土)ダイナミックグローブ

日本ライト級タイトルマッチ

三代大訓(横浜光)16勝(5KO)1敗1分

vs

丸田陽七太(森岡)14勝(10KO)2敗1分

素晴らしいマッチアップとなった日本ライト級タイトルマッチ。

この日本のライト級は超激戦区と化していますが、その中でも非常に注目のカードです。

2017年にプロデビューし、あれよあれよという間にOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者となった三代大訓は、もっと早くに世界に行くものだと思っていました。

しかしこのあたりの階級でそれを掴み取るのは非常に難しく、幾度も難敵を退けつつもそのチャンスは巡って来ず。

ライト級にあげた三代は伊藤雅雪との大注目マッチを制し、元日本王者の西谷和宏を退け、オーストラリアのリングに立ち。。。と様々な形でチャンスを探っているように見えました。

以前から感じているように、ワタナベジムのプロモート能力というのは内山高志引退以降は非常に衰えているようなイメージで、あの頃のワタナベジムなら三代もチャンスを掴めたのではないか、と思っています。

 

 

 

いずれにしろ、このご時世、この階級で勝負するなら海外に打って出ないといけないとは思いましたが、ここで三城は横浜光ジムへの移籍を決意、しかしその初戦で韓国で負傷判定負けというまさかの敗戦を経験します。

この敗戦が糧になっている、というふうには感じませんが、その後の三代はこれまで通り強敵を退けて日本王座への挑戦権を獲得、当時の日本王者仲里周磨に完勝して王座を奪取しています。

そして前戦では西谷戦以来、つまりは2年8ヶ月ぶりのKO勝利を得ています。

対して丸田陽七太、こちらは元日本フェザー級王者。

身長180cmということなので、ラファエル・エスピノサと5cmしか変わらないんですね。

この丸田もコロナ前、元日本王者の大橋健典を圧倒的な3RTKOで降して日本王座への挑戦権を獲得、その後当時の日本王者、非常に評価の高かった佐川遼を7RTKOで降し、日本王座を獲得しています。

これまたこの頃の丸田もそのまま世界へと駆け上がっていくのではないか、と思うほどの勢いがありました。

 

 

 

しかし迎えた2度目の防衛戦、かつ、WBOアジアパシフィックの王座決定戦で阿部麗也を迎え、ダウンを奪われての完敗。

これは阿部がうまかったし、丸田は減量苦からなのか動きが良いとは言えない試合でもありました。

そこから1年と4ヶ月のレイオフ期間を過ごしたのち、ライト級で再起。一気に2階級のアップというのはただ事ではありませんが、この試合を4RKOでクリアすると今年の3月にも判定勝利を収めています。

さて、正直にいうと私はライト級になってからの丸田を見ていません。丸田としても、ライト級にあげてからの日本人初戦が三代、というのはかなり危険なマッチアップだと思われます。

安定的に仕事をこなす三代大訓。ただ、フェザー級時代からパワーアップしているのならば、パワーやタイミングは丸田の方に分があるかもしれません。

 

 

 

三代は177cmだそうで、丸田とさほど変わりはしませんが、三代はどちらかというとハスに構える方ではなく、真正面を向いて構える分、リーチを活かせそうなのは丸田の方です。それでも、そのリーチさをものともしないジャブを当てる技術を持つのが三代大訓。映像で見ている分にはさして速く見えないあのジャブは、構えから真っ直ぐにノーモーションで伸びる分、近くで見れば恐ろしく速いであろうことは容易に想像ができます。

この試合の序盤の見どころは、間違いなくジャブの差し合いにあるでしょう。

そして両者とも接近戦も得意、というのも非常に興味深いところです。

三代は結構ガンガンいくし、自然に出る左ボディを持っています。これも非常にモーションが少なく、リズムをとっているかと思えばいつの間にかボディを打っているというようなイメージです。ただし、パワー、特に相手を押し込んでいく力というのは丸田の方にありそうです。それでも、三代は耐える力、ネガティブな方のフィジカル部分においては丸田を上回る可能性があります。

遠くでどちらが勝るのか、そして近くでどちらが勝るのか。

 

 

 

両者はどのような戦いを選択し、試験し、結果的にどのように10ラウンズを戦い切るのか。

この戦いの勝者は、宇津木秀との3団体統一戦が待っているのかもしれません。いや、その前に来年春には指名挑戦者、村上雄大の挑戦を受けなければなりませんから、その試合が終わってからでしょうか。早くて来年の夏、遅くて来年中くらいにこの試合が実現すれば良いですね。

ライト級

世界ライト級のチャンピオンシップを獲得したボクサーは、ガッツ石松、畑山隆則、小堀佑介。

この中で頭抜けた実績を誇っているのはガッツ石松であることは言うまでもありませんが、この階級で世界と戦うには圧倒的な実力と運も非常に必要です。

狙い目の王者がおらず、さらに王者に次ぐ実力者たちが次々と控えている現在は、日本国内のライト級トップボクサーたちにとって運が良いとは言えません。

↓現在のライト級

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

それでも、現在の非常に濃密な日本国内のライト級、ここを勝ち残ったボクサーにはもしかしたらチャンスがあるかもしれません。それだけ、現在の国内ライト級は充実しています。

WBO・OPBF2冠王者の宇津木秀、そして日本王者は三代か丸田、そのほかにも先日のライト級アジア最強決定トーナメントで優勝した今永虎雅、それに敗れた齊藤陽二も面白い。宇津木にも保田克也にも勝っている仲里周磨は2度戦って2度負けている三代に対してリベンジの気持ちも強いでしょうし、もちろん吉野修一郎も忘れてはならない存在です。

今永、丸田はまだ若干若いですが、ここから選手としてのピークを迎え、円熟期に入って行こうかという頃。ここから数年がピークです。

今後の国内ライト級がどうなっていくのか、そして世界に挑むボクサーが現れるのか。2024年はこの世代のボクサーたちの最終ライト級ウォーズが始まった年、ここから数年を大いに楽しみましょう。

↓もう4年以上前の記事。この記事の後、未だ世界への挑戦者は現れず。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

アンダーカードと配信情報

セミファイナルに予定されていた元日本スーパーライト級王者、藤田炎村の試合は藤田の負傷により中止に。これは残念ですね。

そのほかのアンダーカードでは高橋麗斗(パンチアウト)、堀池空希(横浜光)といったダイナミックグローブの強化指定育成選手が登場です。

そして鈴木なな子も登場ですね。

配信はU-NEXT、今月は西田の世界戦もあるので加入はマスト。せっかくなのでこの興行は是非見ましょう。

↓U-NEXTはこちらから

 

 

 

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Black Friday

各所でブラックフライデーが開催中。Amazonは11/29〜です。

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【プレビュー】予想不能!ナバレッテvsバルデス、エスピノサvsラミレス!2つの再戦の行方は?

今週末は、エマニュエル・ナバレッテvsオスカル・バルデス。

きちんと段階を踏んだ再戦であることはボクシング界にとって良いことで、そのアンダーカードにもラファエル・エスピノサvsロベイシー・ラミレスという再戦もあります。

他にもリンドルフォ・デルガドが登場したり、ジョバンニ・サンティリャン、リチャード・トレースJr、そして期待のスティーブン・ナバロ。

多くのプロスペクトたちが登場するトップランクらしい興行の中で、最も注目すべきはセミファイナルのエスピノサvsラミレスでしょうか。

ということで今回のブログは、WOWOWでも中継してくれるトップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

12/7(日本時間12/8)アメリカ・アリゾナ州

WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)38勝(31KO)2敗1分

vs

オスカル・バルデス(メキシコ)32勝(24KO)2敗

この試合は、初戦に続き好試合になるでしょう。

それがメキシカン・スーパーファイトです。

前戦は激しい打撃戦の展開、しかしパワーに勝るナバレッテがラウンドごとに上回った印象で、終わってみれば大佐と呼べる判定勝利を挙げています。

あの日のバルデスはシャープでしたが、ナバレッテのタフネスとスタミナは尋常なものではなく、バルデスのサンデーパンチを浴びながらも全くと言って良いほどダメージを感じさせませんでした。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

なのでバルデスのパワーではどうやってもナバレッテを倒すことができない、というのが立てられる予想なのかもしれませんが、今回はナバレッテにも大きなディスアドバンテージと呼ばれるものがあります。

ナバレッテは2023年8月にバルデスとのスーパーファイトを制した後、11月にロブソン・コンセイサン(ブラジル)と戦いドロー防衛。2度のダウンを奪ってのドローだったので、ラウンドを失った数はナバレッテの方が多かった。

そしてその後、ナバレッテはスーパーフェザー級の王座を保持したままライト級に挑戦、デニス・ベリンチク(ウクライナ)との王座決定戦ではスプリットの判定負けを喫しています。

なのでここ2戦でドロー、敗北を経験し、勝ち星はバルデスとの前戦まで遡らなければなりません。そして、一度階級をあげてまた下げる、という行為をしたボクサーたちの末路というのは、ファンなら誰もが知っている通りです。

このナバレッテの「負けフラグ」的なムーブに対し、バルデスはある意味順調というか規定通り。

 

 

 

ナバレッテから黒星を受けた後、リアム・ウィルソン(オーストラリア)と対戦。これはなかなかの強豪を選んだな、というイメージで、ナバレッテからダウンを奪っているこのデカいボクサーを相手にして見事な立ち回り、7RTKO勝利でWBO世界スーパーフェザー級暫定王座を獲得しています。

個人的にはこのウィルソンを買っており、ともすればバルデス危うし、となるのではと思っていましたから、この結果には驚きました。

↓バルデスvsウィルソンの観戦記

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ナバレッテvsベリンチクの観戦記

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初戦だけをみればまたナバレッテが圧勝という内容で納得がいくのですが、初戦からここまでを見ると「もしかしたら」は起こり得る。

初戦で勝利したナバレッテにどこか心の隙がないとも限りません。彼らはメキシカンであり、どちらかというと規律は苦手なタイプのはずです。

なのでそれを反映してなのか、オッズはナバレッテが-250、バルデスが+220とナバレッテが優位ながらも、なかなか競っています。初戦でナバレッテが圧勝したことを考慮すると、考えられないオッズです。

この試合に関しては、どちらが勝っても嬉しくはないし悲しくもない、非常にフラットな状態で見れます。だからこそ、FOTYに上るような好ファイトを期待したいものです。

 

 

 

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ラファエル・エスピノサ(メキシコ)25勝(21KO)無敗

vs

ロベイシー・ラミレス(キューバ)14勝(9KO)2敗

2023年12月9日。

当時フェザー級最強と謳われた2大会連続五輪金メダリスト、ロベイシー・ラミレスは防衛戦の相手を下位ランカーから選んだというある意味調整試合に近いような試合であり、そこに油断がなかったとは思いません。

しかし始まってみると、フェザー級としては規格外の身長を誇る185cmのエスピノサを相手に後手にまわり、前半4ラウンズは全く手が届かないという状態でした。

このラファエル・エスピノサは、自身の体躯に甘んじることなく、非常にハイテンポはボクシング。このような長身のボクサーが弾幕を張ると、ラミレスほどのボクサーでも近づくのは容易でなかったわけです。

しかし5R、飛び込みのフックで大逆転を手繰り寄せるダウンを奪ったラミレスは、その後も距離感とタイミングを把握したのか、カウンターショットを軸に優位に立ちます。

前半とは打って変わって劣勢に立たされたエスピノサ、このままやはりラミレスが押し切るかと思った最終ラウンド、手を出し続けるラミレスがダウンを奪い返し、12ラウンズが終了。

判定は2-0のマジョリティデシジョンにより、ラファエル・エスピノサの手があがりました。

↓観戦記

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そこから1年、エスピノサは初防衛戦をクリアしていますが、セルヒオ・チリノ・サンチェス(メキシコ)はなんとも力を計り難い相手でした。

ラミレスの再起戦はブランドン・レオン・ベニテス(メキシコ)であり、こちらも実績は多くはありませんが元世界王者シュ・ツァン(中国)を破った経験を持ったボクサーです。

13R目から始まるこの戦いは、ラミレスにとって「距離感」を把握した後の戦いであるし、カウンターが有効であることも実証済み。

しかしもちろん、エスピノサがラストラウンドにダウンを奪ったことを忘れてはいけません。

どちらの勝利にも納得できそうなこの一戦のオッズは、ラミレス-120、エスピノサ+120というほとんど50-50の戦いでありながらも、前戦で敗れたラミレスが若干の優位。

エスピノサとしてはこの戦いで勝利することこそが自らを王者として証明する戦いであり、前戦に勝利したという慢心はないはずです。

 

 

 

エスピノサは最初から全開で行くべきだし、少しでもラミレスを遠ざけるために気を衒った戦略も用いるべきかもしれません。

ラミレスは慣れたからといっていつも通り入らず、また、後半まで変わらないエスピノサ対策として序盤からしっかりと出入りしてカウンターを取り、前半からポイントを撮りに行かなければなりません。

この戦いは、初回こそ様子見があるかもしれませんが、序盤からフルスロットルのはず。非常にハイテンポで、アクションの多い素晴らしい試合になるのではないかと非常に楽しみです。

 

 

 

配信情報

この試合はアメリカではESPNで放送されます。

そして残念ながら日本ではこのESPNを見る術がないのですが、今回はWOWOWが生配信。

WOWOWオンデマンドで12/8(日)11:00〜から先行ライブ配信、そして翌日の12/9(月)21:00〜の通常放送の枠でも放映されます。録画派にも嬉しいですね。

DAZNやU-NEXT、ProboxTVやYoutubeなどでも海外ボクシングをチェックできるようになった今日、昔ほどWOWOWを見ていない、という方も多いかもしれません。かくいう私もその1人ですが、この興行は絶対に見た方が良い。

↓WOWOWはこちらから

 

 

 

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【プレビュー】大混戦のスーパーライト!IBF王座戦リアム・パロvsリチャードソン・ヒッチンズは50-50!

今週のウィークデイはとても忙しいのでいくつかの書き溜めた記事を放出。

それは幸運なことに今週末はいくつもの注目ファイトがあるからできることです。

書き溜められる記事はプレビュー記事、開催1週間前に何かが起こって試合中止になってしまっていたらごめんなさい。

ということで今回のブログは、リアム・パロvsリチャードソン・ヒッチンズによるIBF世界スーパーライト級タイトルマッチについて。

 

 

 

12/7(日本時間12/8)プエルトリコ

リアム・パロ(オーストラリア)25勝(15KO)無敗

vs

リチャードソン・ヒッチンズ(アメリカ)18勝(7KO)無敗

大激戦区、と言われるスーパーライト級。

本来であればデビン・ヘイニーを頂点としたヒエラルキーが存在するはずのこの階級は、トップボクサーが現在活動を休止中です。

そして「華がある」「有名である」という意味合いにおいて次点のスターであるテオフィモ「テイクオーバー」ロペスはウェルター級に転級の予定であり、この空いたWBO王座を巡ってはジャック・カテラルvsアーノルド・バルボサJr.というどちらも試合が面白いとは言えないボクサー同士が戦う予定です。

試合が面白い、と言えばサブリエル・マティアス、この逆転ノックアウトを代名詞(単に超スロースターターなだけ、とも)としたボクサーは、前戦でリアム・パロに敗れて無冠となっています。無事に再起戦をクリアし、またこの階級を賑わしてくれることでしょう。

 

 

 

さて、そんな怪物マティアスを下したリアム・パロ。

オーストラリアのボクサーというのは見るからに真面目で、自らを律してトレーニングに勤しんでいる様が想像できるようなボクサーが多い。ジェイソン、アドリューのマロニー兄弟しかり、ティム・チューしかり、そしてこのリアム・パロしかり。

パロは前戦、非常に旺盛な手数と、マティアスの強打に怯まぬタフネスとハートを見せて見事な勝利。微妙なラウンドも多かったと思いますが、最後まで乱れないボクシング、バランスを崩さないボクシングというものはやはり見栄えの面でポイントゲームでは有利に働きます。

オーストラリアはボクシングが盛り上がってはきているものの、オーストラリアン・フットボールやラグビーなどには遠く及ばず、ボクサーが大金を稼ぎたければアメリカやイギリスといった大国に出稼ぎに行かなければなりません。

そこまで行けるボクサー、つまりは米英の大手プロモーターと契約できる選手も多くはないですが、このパロはその競争を勝ち抜いてマッチルームとの契約を勝ち取っています。

 

 

 

2021年12月にアメリカデビューを果たしたパロは、その戦いで当時無敗のヨマール・アラモ(プエルトリコ)を撃破、翌年の10月にオーストラリアで当時無敗のブロック・ジャービス(オーストラリア)を初回KO、そして続いてアメリカンプロスペクト、モンタナ・ラブ(アメリカ)をも6RTKOで撃破。その翌戦でマティアスを攻略して王座について、今回が初防衛戦です。

もちろんキャリア最大の勝利はサブリエル・マティアス戦ですが、それまでにも強豪を下しており、非常に実力のある王者ですね。非常にオーセンティックなスタイルは、運動量も多く、これといった弱点も見当たらない、非常に総合力の高いボクサーです。

対してヒッチンズ、こちらはアメリカのスーパーライト級プロスペクトです。

これまでの戦いでは世界挑戦に必要なレジュメはクリアしているボクサーで、前戦ではグスタボ・レモス(アルゼンチン)に苦戦、という内容ではあったものの、その前にはホセ・セペダ(アメリカ)に判定で完勝しています。

ヨマール・アラモにはパロ以上に明確に勝利しているし、ジョン・バウサ(アメリカ)との無敗プロスペクト対決にも勝利しています。

惜しむらくはやっぱり前戦のレモス戦の苦戦であり、それは当時無敗だったレモスが非常に強かったのだというエクスキューズも成り立ちそうなものだったのですが、レモスは先日キーショーン・デービスに2RKO負け。しかも体重超過をして、です。

 

 

 

まあ、得手不得手というものがあるので何とも言えませんが、このことはヒッチンズの評価を下げる材料になりかねないことです。

それでも、これまで見せてきたパフォーマンスのためなのか、それともロードウォリアーであるリアム・パロとアフロアメリカンであるヒッチンズの差なのか、オッズはパロが-120、ヒッチンズが+110とほぼ50-50。

パロが機動力を活かして攻め入り、そこにヒッチンズがどう合わせるか、という戦いになりそうですが、あのパロの手数に合わせるというのはなかなか容易なことではありません。パロは常に先手を取り、息つくまもないほどの攻撃を仕掛けることで、ヒッチンズの攻撃を封じることもできるのではないでしょうか。なので個人的には7-3くらいでパロが優位なのではないかと思います。

リアム・パロはロードウォリアー。

 

 

 

世界のどこへでも駆けつける、王者らしい王者です。

総合力は高いですが、「誰も敵わない」というほどの絶対王者のような感じは受けず、誰にとってもチャンスがありそうに見える王者です。

果たしてこの戦いは、パロにとっては前戦がフロックではなかったか、ということを証明する戦い。この王者の矜持を持ち、あのマティアスを打ち負かしたパロ、是非とも勝利を手繰り寄せてもらいたいものです。

アンダーカードと配信情報

この戦いはプエルトリコで行われます。マッチルームが世界戦略を持って手がける、プエルトリコ興行の第二弾ですね。(第一弾は6月、マティアスvsパロ)

こうして世界中で興行を打っているマッチルーム、日本への進出は大失敗に終わっています。まあ、これはマッチルームがいけないのではなく日本の変な企業がいけなかったのでしょうね。早く日本にも再上陸してもらいたいものですが、一度失敗していると遅れるでしょうね。

おいといて、アンダーカードにはスーパーフェザー級のプロスペクト、マーク・カストロ(アメリカ)、ヘンリー・レブロン(プエルトリコ)が登場です。

 

 

 

この2人はそれぞれ別のボクサーと戦うわけですが、同じ興行に登場というのは近々の激突を想像してしまうものですね。

カストロは13勝(8KO)無敗の戦績で、エイブラハム・モントーヤらに勝利。現在WBCコンチネンタル・アメリカのタイトルを保持しています。

レブロンは19勝(10KO)無敗の戦績で、ウィリアム・フォスターⅢらに勝利、WBOのラテンタイトルを過去に獲得、今戦ではIBFのラテンタイトルとWBOのNABOタイトルが掛かっています。

そしてこのカストロやレブロンといったボクサーたちを差し置いて、最も興味があるのはヤンキエル・リベラ(プエルトリコ)vsアンヘル・ゴンサレス(アメリカ)の無敗対決です。

WBAのフライ級ランキングで3位が最上位であるリベラは、まだプロで6戦(6勝2KO無敗)ですが非常に注目のボクサー。すでにいくつかの地域タイトルをコレクトしており、今回はWBCシルバー、WBOインターコンチネンタルのベルトがかかっています。

今後、フライ級のトップ戦線に食い込んでくるボクサーだと思われますので、是非ともお見逃しなく。

この興行の配信はDAZNで、配信日時は日本時間12/8(日)の午前9時のスタートで、おそらくメインはお昼過ぎころ。

DAZN Global(月額980円)で視聴可能なのでお見逃しなく!

↓DAZNはこちらから

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【プレビュー】大注目フライ級ファイト、サニー・エドワーズvsガラル・ヤファイ!勝者は2025年に来日か!?

今週末の楽しみは、何と言ってもマッチルーム興行です。

というかもう12月に入るんですね。

やっぱり驚くほど時の流れは早い。

タイトルと全然関係ない話題ですが、WBA世界スーパーライト級王者、ホセ「ラヨ」バレンズエラの初防衛戦の相手は、ゲイリー・アントワン・ラッセルで、これが3/1に内定したそうな。WBAの指名挑戦者が平岡アンディなので、ここでアンディは待たされることになりますね。その次、7月とか8月くらいに決まれば良いですが、無かったことにされるかもしれないのがWBA。ここは帝拳プロモーションも協力してくれることだと思うので、日本のボクシング界一丸となってタイトル戦を引っ張ってきてもらいたいですね。

そんなわけで本題、今回のブログは、サニー・エドワーズvsガラル・ヤファイの注目ファイトについて。

 

 

 

11/30(日本時間12/1)イギリス・バーミンガム

WBC世界フライ級暫定王座決定戦

サニー・エドワーズ(イギリス)21勝(4KO)1敗

vs

ガラル・ヤファイ(イギリス)8勝(6KO)無敗

注目のフライ級対決、場所はヤファイの故郷、バーミンガムです。

オッズがサニー・エドワーズが-125、ガラル・ヤファイが+118というほとんど50-50のこの戦いは、英国でも非常に注目されているファイトだと思います。

そして英国だけでなく日本でも注目度が高いはず。

WBCはこの階級の正規王者に寺地拳四朗(BMB)、そしてWBA王者にユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、WBO王者にアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)と非常にゆかりのある階級でもあるからです。

つまりはこの勝者は拳四朗との団体内統一戦が義務付けられると思われるのですが、WBCだからそこはかなり緩いでしょう。

そもそもこの戦いにタイトルは必要ないはずで、本来であれば正規王者がいるこの階級で暫定王座が設けられるのには、王者が防衛戦をできないなどの理由が必要です。まあ、今更そんなことを言うのはもはや野暮なのかもしれません。とにかく理由は天下のWBCだから、と言うだけで事足りるでしょう。

 

 

 

さて、話を戻してエドワーズvsヤファイ。

元IBF世界フライ級王者であるサニー・エドワーズは、完全にボクサータイプに振り切ったボクサーで、リングを大きく使ってそのほとんどをロープ際で戦いながらもパンチをヒットしてもらわず、判定勝利を得る、というタイプのボクサーです。

フットワークもさることながらボディワークも見事であり、身長160cm、リーチ152cmと体格に恵まれないにも関わらずまるで闘牛士のようにひらりひらりと相手の攻撃をかわし続けます。

しかし、パンチをもらっていなくてもポイントを取られてしまうことはしばしばで、ほとんど完封に見えてもフルマークではない、という試合が非常に多い印象。それでもなお、ここまで勝ち切っていることは素晴らしいスキルだと思います。

このボクサーは非常にシニカルなところがあり、とりわけドーピングをよく嫌っており、それを揶揄したようなTシャツを作ったりとその活動は派手。ディフェンスが主体となるボクシングながらもその動きはハイライトで見ると非常に映えるタイプなので、フルラウンドは見なくても良いのでぜひハイライトを見てほしい、と思うボクサーです。

 

 

 

2021年4月、モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に勝利してタイトルを獲得、4度の防衛の中にはジェイソン・ママ(フィリピン)やアンドレス・カンポス(チリ)といった当時無敗のプロスペクトや、フェリックス・アルバラード(ニカラグア)といった元王者が含まれます。

5度目の防衛戦が王座統一戦となり、ジェシー「バム」ロドリゲスと対戦し初黒星。

復帰戦では1階級下の元王者、アドリアン・クリエル(メキシコ)を負傷判定ながらも破って再起しています。

対してガラル・ヤファイ、こちらはまだプロで8戦しか経験していません。

しかしその経歴は素晴らしく、リオ五輪、東京五輪に連続出場。しかも東京五輪では金メダルを獲得しています。決勝では、準決勝で田中亮明を破ったカルロ・パアラムを相手にほとんどフルマークの判定勝ち、翌年の2022年にWBCインターナショナルフライ級王座決定戦でプロデビューしています。

強いプレスから非常にスムーズなパンチ、バックステップやサイドステップも巧みに使いますが、気質としてはファイタータイプに分類されるでしょう。

 

 

 

パンチも非常にパワフルでフィジカルも強いこのヤファイは、身長はエドワーズと変わらない163cmですがリーチは173cmと非常に長く、エドワーズとは20cmもの差があります。要はでかいサウスポーであり、これはかなりやりづらいのではないでしょうか。

額が後退してきているエドワーズはその実まだ若く、28歳。対してヤファイは31歳とヤファイの方が年上です。ヤファイはプロ入りが遅かった分、急足でキャリアを積み上げてきた印象を受けますね。

ヤファイはその才能は申し分ないし、ボクシングは完成されているし、兄も元世界王者というサラブレッドですが、まだ世界的に知名度のある強豪と戦った経験は少ない。

キャリアについて言えば、世界戦の数はもちろんのこと、対戦相手の質としてもエドワーズが大きく上回ります。

しかし、エドワーズも一度ノックアウト負けを経験しており、クリエル戦はまずまずの出来でしたが、ポイントを取りやすいボクシングではないことは相変わらず。

アグレッシブなヤファイが攻めれば、地元の声援も後押しする可能性もあり、サニーとしてはいつも以上にポイントが取りづらい戦いになりはしないか、と心配しています。

 

 

 

個人的には生サニーが見たいので、ここに買ってもらってぜひ日本のアマプラ興行に登場してほしい。その時の相手は、拳四朗になるのかユーリ阿久井になるのか。

いずれにしろ、どこぞの日本のクソ格闘技「風」団体(RI◯IN)に警鐘を鳴らすためにも、アンチドーピングを声高に叫ぶサニー・エドワーズの力はまだまだ必要です。頑張れサニーでいきましょう。つまらない試合になってくれ、と願います。

ということで頑張れサニー!

 

 

 

フライ級の現在

WBA王者はユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、WBC王者は寺地拳四朗(BMB)、そしてWBO王者はアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)。IBF王者はアンヘル・アヤラ(メキシコ)ですが、そのほかの三つは実質日本にある、と言えます。オラスクアガはアメリカ国籍ですが、ここ数戦は日本でファンを増やし、ホームタウンは日本といって良い。

そんな中、次戦で統一戦が噂されるのがWBA王者のユーリ阿久井とWBC王者の拳四朗。ここに勝利したものが、統一王者としてこのエドワーズvsヤファイの勝者を迎えることになるのだから、その戦いは日本で行われることがほぼ確定で、それは来年の中盤ぐらいには起こりそうな戦いです。

そこに絡んでいけそうな日本人ボクサーといえば今のところは京口紘人(ワタナベ)ぐらいでしょうか。

 

 

 

この階級では日本タイトルを取れば世界ランクに入りそうなものですが、日本王者の飯村樹輝弥(角海老宝石)はまだ世界ランクに入っておらず、前戦で世界挑戦を経験した桑原拓(大橋)の復帰戦の話はまだ聞こえてきません。

このフライ級が統一路線に向かうのであれば、これらのボクサーの世界挑戦はまだもう少し先になりそうですね。

いずれにしろ、今年最後になりそうな世界フライ級タイトルマッチ。

2025年、この日本にとって非常に思い入れのある伝統の階級が、どのようなマッチアップを見せてくれるのか非常に楽しみです。

 

 

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【プレビュー】11/21(木)フェニックスバトル、保田克也vs宇津木秀!「国内ライト級ウォーズ」が再開、主役は誰に!?

今週末は大きな楽しみがないものの、ウィークデイには大きな楽しみがあります。

11/21(木)に行われる、Lemino BOXING フェニックスバトルです。

Leminoで行われるフェニックスバトルは常々非常に充実しており、これはNTTドコモの出資により資金が潤沢だということが関係しているのでしょう。

今回のフェニックスバトルは、ライト級のアジア統一戦です。

現在のライト級というとまさに魔境、日本人が世界挑戦をするだけでも大変な偉業です。そこに向かっていく第一段階、これまで幾度か繰り返されてきた国内ライト級ウォーズがまた始まります。

ということで今回のブログは、11/21(木)に行われるフェニックスバトルのプレビュー記事です。

 

 

 

11/21(木)フェニックスバトル

WBOアジアパシフィック・OPBF東洋太平洋ライト級王座統一戦

保田克也(大橋)14勝(9KO)1敗

vs

宇津木秀(ワタナベ)14勝(12KO)1敗

FODのメインイベントの常連だった保田が、初のLeminoのメインを張ります。

これは彼にとってステップアップファイトと呼べる戦いであり、おそらく現時点での評価は宇津木の方が高いはずで、安田にとっては大きなチャンスです。

中央大学ボクシング部出身のアマエリートである保田は、アマチュアでも国体を制すなどして活躍し、B級でプロデビュー。

9戦目で仲里周磨に僅差の判定負けを喫して初黒星、しかしそこから見事に復活し、12戦目ではWBOアジアパシフィック王座決定戦を制してタイトル初戴冠。

初防衛戦では三代大訓にアップセット勝利したジュン・ミンホ(韓国)に完勝、その後佐伯瑠壱斗(岐阜ヨコゼキ)、プレスコ・カルコシア(フィリピン)に対して2連続KO防衛、今はキャリア史上最も調子が良い時期かと思います。

距離をキープしながら戦うカウンターパンチャー、と分類できると思うのですが、比較的ボクサースタイル寄り、と言えるのでしょう。そのカウンターの切れ味はKO率からみて言わずもがな、地域タイトルを獲得して以降、どんどん評価を高めています。

 

 

 

対して宇津木秀は平成国際大学の出身、こちらももちろんB級デビューです。平成国際大学といえば堤聖也がWBA世界バンタム級王者となりましたね。

デビュー当初から「内山高志2世」と呼ばれた宇津木のボクシングは、ジャブから組み立てる正統派であり、ここ最近はインサイドでの戦い方を多用するアグレッシブなスタイルとなっています。

このボクサーのキャリアは、正直恵まれているとはいえないと思っています。デビュー以来ワタナベジムに所属、内山高志引退後、数年くらいは自主興行を行なっていましたこのジムは、ここ最近は自主興行をほとんど行っていないと思います。

コロナ禍以降にそれは顕著であり、世界王者を抱えているにも関わらず、自らすすんで動こうとはしていないと思われます。

そのことにより宇津木のキャリアは停滞していたように見えましたが、そのチャンスは2022年2月に回ってきました。

日本ライト級王座決定戦、ただし、相手は元日本スーパーライト級王者、鈴木雅弘(角海老宝石)でした。前年に永田大士(三迫)に対してとてつもないノックアウト劇を見せた鈴木の評価は高く、宇津木にとっても厳しい試合になるかとも思われましたが、この試合で宇津木は素晴らしいファイトを見せての9RTKO勝利。見事日本王座を戴冠しました。

 

 

 

しかし、このタイトルを2連続KO防衛したのちの3度目の防衛戦で仲里周磨(オキナワ)に3RKO負け。仲里が強者であることは皆わかっていましたが、宇津木の充実ぶりを考えるとここは宇津木が大きく優位、と思っていたところのビッグアップセットによりタイトルを失います。

そこから再起した宇津木は、OPBF東洋太平洋王座を獲得していた鈴木雅弘に挑戦、このタイトルを奪っています。

実績的に見れば、おそらく宇津木が優位となっておかしくはないはずです。しかし、両者のスタイルから見れば、攻めて来てくれる宇津木に対して、保田はカウンター待ちのボクシングで良いと言え、流れに任せれば戦いやすくなるのは保田、ということになると思います。

ただし、当然宇津木のプレッシャーが半端ではない分、保田としてはまずはディフェンス、パワーパンチをもらわないということが大前提。その上でカウンタータイミングを掴む必要があります。

それにはディフェンスから組み立てペースを掴み、リング上をコントロールする必要があるでしょう。特に宇津木のように回転力のあるタイプと対峙する場合は、体のどこにも当てさせない、ぐらいの気概が必要になるのではないかと推察しています。

そして、宇津木の特徴としては初回から最終ラウンドまで驚くほどのその挙動が変わらないこと、もあげられますから、保田としても途中で落ちるわけにはいきません。それにはやはり試合ペースのコントロール、あまりにもハイペースすぎて途中で落ちてしまわないようにしないといけませんし、集中力もフルラウンドにわたりキープしなければなりません。

 

 

 

宇津木としてはやはり最初からプレッシャーをかけて、序盤から保田を圧倒していかなければいけません。後半に入ると慣れられるという可能性もありますから、常にアグレッシブに持っていき、早期決着を基本の戦術として良いと思います。

そこで保田のカウンターを浴びてしまわないように、内山2世というだけあってやはりあまり打たれて強くないと思われる宇津木は、このカウンターにこそ気をつけなければなりません。

ここはあまりフルスイングせず、もしカウンターをもらったとしても最小限のダメージで切り抜けられるようなコントロールが必要で、それでいてカウンターを取られづらいような連打で、しかも連続的に攻めていくことが肝要かと思います。

いずれにしろ序盤から、宇津木のプレスが保田をどれぐらい削れるのか、もしくは、保田がどれくらいで宇津木の動きに合わせられるのか、宇津木がついてこれないくらいの速い動きができるのか、等々、見どころがたくさんです。

そしてこの勝者が日本王者である三代、もしくは三代vs丸田陽七太(森岡)の勝者とやればアジア3冠の統一です。そしてまだ、吉野修一郎(三迫)だっていますし、さらにはこの興行のアンダーカードでは今永虎雅(大橋)vs齊藤陽二(角海老宝石)という「アジア最強決定トーナメント」の決勝戦もあります。

ライト級の世界挑戦、是非とも実現してほしいところですね。

 

 

 

アンダーカードと配信情報

この興行は非常に豪華で、セミファイナルが上述の通り今永vs齊藤のアジア最強決定トーナメントの決勝戦です。この試合は今永の絶対的優位という予想ですが、勝利の全てをノックアウトで決めている齊藤はアップセットの力があり、侮れないボクサーだと思います。

他にも日本スーパーウェルター級の挑戦者決定戦、左右田泰臣(EBISU)vs豊嶋亮太(帝拳)。左右田は元K-1(?)の出身でしたでしょうか、2022年の東日本新人王。豊島は元王者で、前戦で坂井祥紀(横浜光)に勝利して日本ウェルター級タイトルを獲得しましたが、返上してスーパーウェルター級初戦を迎えます。

日本ウェルター級の挑戦者決定戦も行われますね。湯場海樹(YUVAX)vsシーサー皆川(平仲)というマッチアップです。王者はウガンダの元オリンピアン、セムジュ・デビッド(中日)で、12月に小畑武尊(ダッシュ東保)との初防衛戦が決まっていますから、この勝者に挑むようになります。

 

 

 

ちなみに今回から湯場の所属先がYUVAXに変更になっているようで、ワタナベジムから父のジムに戻ったみたいです。とはいえ、宮崎にはいないと思うので、拳四朗の所属がBMBみたいな感じなのでしょう。

他には仲里周磨vsアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)のライト級8回戦。これはKO決着必至ですね。

配信はLemino、11/21(木)17:45の開始です!

↓Leminoプレミアムはこちらから

 

 

 

 

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【プレビュー】リヤドシーズン、ラティーノナイト!オスカー・コラーゾvsノックアウト、ウィリアム・セペダvsテビン・ファーマー!

リヤドシーズン、ラティーノ・ナイト。

その開催まであと少しです。

ヒルベルト・ラミレスvsクリス・ビラム-スミスというクルーザー級王座統一戦に加え、ミニマム級でも王座統一戦がセットされたこの興行は、「その次」まで見据えている大規模興行です。

ラミレスvsビラム-スミスの勝者はジャイ・オペタイアとの3団体王座統一戦へと進むのが濃厚ですし、コラーゾvsノックアウトの勝者(というかコラーゾが勝てば)2人のフィリピン人王者をリヤドシーズンに呼ぶことは難しくはないはずです。

そしてその王座統一戦×2に加えて、スーパーライト級でホセ・ラミレスvsアーノルド・バルボサJrという素晴らしい50-50の対決と、vsシャクールが目の前、というウィリアム・セペダが元王者テビン・ファーマーと戦う一戦。これは大注目興行ですね。

ということで今回はリヤドシーズン・ラティーノナイト、プレビュー記事の第二弾です。

第一弾はこちら

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WBA・WBO世界ミニマム級王座統一戦

オスカー・コラーゾ(アメリカ)10勝(7KO)無敗

vs

ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)25勝(9KO)無敗

急転直下、青天の霹靂。オスカー・コラーゾは本来この興行でエドウィン・エルナンデス(メキシコ)と防衛戦の予定でしたが、エルナンデスが怪我により辞退、代役として出場するのはなんとWBA世界ミニマム級王者、ノックアウト・CPフレッシュマートです。

王座統一戦がなんらかの理由で不開催になり、代役で挑戦者を立てる、というのは聞く話ですが、その際にも他の王者を引っ張ってきて王座統一戦、なんてものはまず決まりません。しかし今回は「ただの防衛戦」が「王座統一戦」となった非常に稀有な事例です。

オスカー・デ・ラ・ホーヤにちなんで「オスカー」と名付けられたコラーゾは、アメリカ人として非常に珍しいミニマム級のボクサー。

このボクサーが北米で評価を上げたのち、重岡兄弟と対戦してくれれば非常にミニマム級も盛り上がったことでしょう。

 

 

 

しかし重岡兄弟は2人ともそのステージに立つ前に敗北、コラーゾが戦うのはタイの安定王者、タマヌーン・ニヨムトロン、ノックアウトしにはいきませんが、リングネームはノックアウト・CPフレッシュマートです。

コラーゾは2020年にプロデビュー、4戦目で地域タイトルを獲得し、わずか7戦目で世界タイトルに挑んでいます。時の王者は谷口将隆(ワタナベ)から王座を奪ったばかりのメルビン・ジェルサェム(フィリピン)、のちに重岡優大(ワタナベ)に勝利して王座返り咲きを果たす、現WBC世界ミニマム級王者です。

そう思えば凄さが際立ちますが、ジェルサェムを寄せ付けず7RでTKOして王座奪取、その後も2連続KO防衛。前戦はタフなヘラルド・サパタ(ニカラグア)を仕留めきれませんでしたが、圧勝して3度の防衛を果たしています。

このプエルトリコにルーツを持つアメリカ人は、27歳とプライムタイムに差し掛かる頃です。きっと今回も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるでしょう。

対してノックアウト、こちらは2012年にプロデビューしているので、もう14年のプロ生活です。

 

 

 

デビュー戦でWBC世界ミニマム級ユース王座決定戦を戦い、7度の防衛。8戦目でWBA世界ミニマム級暫定王座決定戦を戦って勝利、途中で団体内王座統一戦をクリアし、現在まで16度の防衛に成功しています。

そういえばタイトルマッチしかやったことないんですね。。。

小野心、大平剛、田中教仁といった日本人ボクサーも寄せ付けず、そしてタイからほとんど出ることなく歩んできた防衛ロード。キャリア最大の勝利は元WBC世界ミニマム級王者で、同時期に王者だったにも関わらず交わることのなかったワンヘンとの一戦でしょう。

ノックアウトは2024年9月、2年以上ぶりとなるリング復帰して判定勝利。この戦いはオーストラリアで行われており、彼のキャリアでは2度目となるタイ国外での試合でした。

そして今回、サウジアラビアでの試合なので、2戦連続でのタイ国外での試合となりますね。

超がつくほどの安定王者ですが、オッズはコラーゾが圧倒的優位で、コラーゾが-1000、ノックアウトが+750です。そこまでのアンダードッグではないとは思うのですが、コラーゾがもしこのノックアウトを圧倒するようなら4団体統一はすぐそこでしょう。

WBC王者はメルビン・ジェルサェム、IBF王者はペドロ・タドゥラン。2人とも日本から王座を奪っていったフィリピン人であり、リヤドシーズンに呼ばれれば間違い無く断らないでしょう。

 

 

 

そしてここに重岡兄弟がどのように関わってくれるのか、それとも関われないのか。本来であればノックアウトへの指名挑戦権を持っているはずの五輪2大会ゴールドメダリスト、ハサンボーイ・ダスマトフは一体いつチャンスが来るのか。

ミニマム級も面白い、目が離せませんね。

 

 

 

WBC世界ライト級暫定王座決定戦

ウィリアム・セペダ(メキシコ)31勝(27KO)無敗

vs

テビン・ファーマー(アメリカ)33勝(8KO)6敗1分

WBC世界ライト級暫定王座決定戦。

長らく4団体でトップコンテンダー、という良いのか悪いのか位置につけているボリュームパンチャー、ウィリアム・セペダにようやくチャンスが回ってきました。本当によく待ちました、セペダ。

ちなみにWBCランキングの1位はセペダで、2位はレイモンド・ムラタヤ、3くらいはキーショーン・デービスです。ただコンテンダーを並べただけですが、それぞれが世界タイトルを保持していても全く違和感がありませんね。

ウィリアム・セペダには是非シャクールを倒してほしい、と常々思っているのですが、この戦いの後にはシャクール戦が来るのか、それとも来ないのか。

 

 

 

ともあれセペダは2024年3試合目であり、今年に入ってからはマキシ・ヒューズ(イギリス)を4Rで、ジョバンニ・カブレラ(アメリカ)を3Rでそれぞれストップしています。この階級の名のある選手と闘い始めてからもう3年ぐらい経つのでしょうか、ともかくこのボクサーは相手を選びませんね。

今回は元王者、テビン・ファーマー戦、こちらはWBCのランキングは13位だそうです。1位と13位の暫定王座決定戦。。。思うところは大いにありますが、WBCのやることなので目を瞑りましょう。

ともあれ、ファーマーは尾川堅一(帝拳)とも戦ったボクサーで、元IBF世界スーパーフェザー級王者。

4度防衛ののちジョセフ・ディアス(アメリカ)に王座を奪われ、それでも諦めずに戦ってきましたね。今回はラストチャンスの可能性もある34歳。

前戦はレイモンド・ムラタヤに敗北していますが、この偉大なパンチャーを相手にフルラウンド戦っており、KO負けは2012年のホセ・ペドラサ戦以来ありません。

 

 

 

ディフェンスを磨いてきたファーマーを、セペダが倒すことができれば、シャクール戦にとって非常に良い資金石となります。これはシャクールvsセペダを占うにしても非常に重要な戦いであり、当然ファーマーにボックスされるようであればシャクールなんてもってのほか。

ただ、この常軌を逸したボリュームパンチャーであるセペダは、きっとファーマーもシャクールも倒すはずです。不器用そうに見えてクロスレンジで非常に器用に闘い、アホみたいに手数を出す分1発は軽いのでは?と思わせて1発1発も重い、ウィリアム・セペダ。あとまだ28歳なのにどこかおっさんくさい顔つき。どれをとっても魅力的なボクサーです。

ニックネームの「camaron」(エビ)も少なくとも強くはなさそうで、意味不明で良い。

ファーマーは恵まれないボクサーだけに頑張ってほしいという思いも少々あるのですが、やっぱりここはセペダに強さを見せつけてほしいところです。

 

 

 

【配信情報】

この興行は、DAZNで非PPVの放送です。

放送開始日時は日本時間11/17(日)のAM2:00。メインイベントのリングウォークが日本時間でAM7:00のようです。

↓DAZNへの加入はこちらから。DAZN Global(月額980円)でいいのでお間違えなく。

DAZN

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【プレビュー】Netflixはボクシングファンの心を掴みにこない。ケイティ・テイラーvsアマンダ・セラノ2、マリオ・バリオスvsアベル・ラモス。

ジェイク・ポールvsマイク・タイソン。

この試合はボクシングファンにとっては興味のないものなのでしょうが、では一体どこで興味を持たれているのでしょうか。

Netflixって結構みなさん入ってるのでしょうか?ボクシング見るために入るプラットフォームじゃないのでしょうが、今後ちゃんとしたボクシングを放映してくれるなら検討の余地があるのかもしれません。

冗談のようなメインイベントの脇を固めるのは、女子ボクシングの最高峰の戦いと、WBC世界ウェルター級タイトルマッチです。

ということで今回はNetflix興行のプレビュー記事。

 

 

 

11/15(日本時間11/16)アメリカ・テキサス

ケイティ・テイラー(アイルランド)23勝(6KO)1敗

vs

アマンダ・セラノ(プエルトリコ)47勝(31KO)2敗1分

2022年4月30日、当時の女子ボクシング界で最大の戦いは、とてつもない好ファイトでした。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

当時大きな話題となった上、その試合内容も素晴らしい内容となった女子ボクシング史上最大の一戦。2年半の時を経ての再戦は、どのような戦いになるのでしょうか。

この戦いで敗れたアマンダ・セラノでしたが、その後もコンスタントに試合を重ねて現在まで5連勝。主にフェザー級タイトルの防衛戦をこなしており、7月にライト級超の試合を戦っています。

 

 

 

対して勝利したケイティ・テイラーは、その後当時無敗のカレン・エリザベス・カラバハルを退けましたが、続く戦いでスーパーライト級タイトルに挑戦。王者シャンテル・キャメロンに対して微妙な判定を落とし、初黒星を喫しています。

しかしその後の再戦ではマジョリティ判定勝利でリベンジ、スーパーライト級タイトルも手中に納めます。

そして、今回の戦いはテイラーの持つスーパーライト級タイトルの防衛戦、ということになります。

2年前の戦いはライト級での戦いであり、今回はスーパーライト級。第1戦と第2戦の間、セラノはほとんどフェザー級で戦っていたので、今回は10lbs以上の増量をしなければなりません。

かなり階級差のある戦いになりそうですが、大丈夫なのでしょうか。

初戦は素晴らしいファイトになりましたが、このウェイトの開きは微妙かもしれません。

 

 

 

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ

マリオ・バリオス(アメリカ)29勝(18KO)2敗

vs

アベル・ラモス(アメリカ)28勝(22KO)6敗2分

マリオ・バリオスは本当に不思議なボクサーです。

デビュー以来破竹の勢いで連勝したのち、2019年9月に当時無敗だったバティルザン・アフメドフ(ウクライナ)とのWBA世界スーパーライト級王座決定戦に出場。

この戦いを小差で勝ち切り、見事世界王者となりました。

初防衛戦を格下相手に楽勝で勝ち切った後に用意されたのはジャーボンタ・デービス(アメリカ)戦で、タンクはライト級王座を保持したままスーパーライト級へアタック。

タンクにとってスーパーライト級は重すぎたのか、それともバリオスだからそこまで粘れたのか、結果的にはバリオスは11RTKO負けを喫しています。

 

 

 

ともあれ、これでメジャーなボクサーとなったバリオスでしたが、ウェルター級の初戦で2年半ぶりにリングに上がったキース・サーマン(アメリカ)に完敗。これはちょっと株を下げた試合になってしまいました。

タンク、サーマンに連敗したバリオスでしたが、翌年ジョバニ・サンティアゴ(プエルトリコ)を破って復帰。そしてヨルデニス・ウガス(キューバ)との王座決定戦を制してWBC世界ウェルター級暫定王者となり2階級制覇、初防衛戦をクリアして今回の一戦を迎えます。

アベル・ラモスはそのウガスとWBA世界ウェルター級王座を争い、敗北しているボクサーです。

その前からレジス・プログレイス、イバン・バランチェク、ジャマル・ジェイムスといった強豪との対戦経験があり、敗れはしているもののなかなかのレジュメです。

ウガス戦後はオマール・フィゲロアJr(アメリカ)に勝利もその後は若いボクサーたちの踏み台にされつつ、前戦で約3年ぶりの勝利。

なぜこの状態で世界タイトルマッチのチャンスが巡ってきたのか、というのはWBCらしいと言えばらしい。

 

 

 

そのほかにもライト級の無敗対決、フェザー級のプロスペクト、ブルース・カリントン(アメリカ)も登場です。カリントンは前戦から1.5ヶ月という短いスパンでのリング登場、なかなかやりますね。

正直あまり興味を引くようなマッチアップはなく、果たしてNetflixに加入するかというと否、でしょう。

ブライス・ホールデン

このNetflix興行を仕掛けているプロモーターは、ブライス・ホールデンというプロモーターで、プロモーション会社は名前そのままの「ホールデン・ボクシングプロモーション」。

結局ジェイク・ポールと組んでいる、というだけの人間のようで、1年に1度か2度の興行の全てにジェイク・ポールが関わっているようですね。

なので結局このホールデン・ボクシングというのはジェイク・ポールのためのプロモーション会社であり、彼がいなくなれば必然的にこのホールデンはお払い箱でしょう。

折角であればこのような無意味なメインイベントではなく、本物のボクシングが話題になってもらいたいものですね。

 

 

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【プレビュー】キーショーン・デービス過去最強の相手、vsグスタボ・レモス!TR興行はアメリカの未来が詰まった興行!

今週末の注目ファイトはDAZNで放映されるジャロン・エニス(アメリカ)vsカレン・チュカジャン(ウクライナ)。セミファイナルにジェシー・ロドリゲス(アメリカ)も登場するこの興行は、未来のP4Pが共演するという興行ですから、相手はどうあれ注目度は高いはずです。

しかし個人的にもっと注目なのは、その前日に行われるトップランク興行で、放映される全ての試合を見たい、と思える興行です。

ということで今回のブログは、アメリカではフライデーナイトに開催されるトップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

11/8(日本時間11/9)アメリカ・ノーフォーク

キーショーン・デービス(アメリカ)11勝(7KO)無敗

vs

グスタボ・レモス(アルゼンチン)29勝(19KO)1敗

ネクストチャンピオン、キーショーン・デービス。しかしもしかすると、この試合は大きな試練となるかもしれません。

現在WBC、IBF、WBOで3位にランクインするキーショーン、全ての団体でトップコンテンダーというウィリアム・セペダ(アメリカ)がいるから、最上位とはいかないまでも、ここまで見せてきたパフォーマンス、そしてそのタレント、間違いなくトッププロスペクトの1人です。そのうち、キーショーンvsセペダなんていうカードが決まるのならば、これは本当に盛り上がる対決になると思います。

これまでキーショーンが戦ってきた中で最もビッグネームはホセ・ペドラサ(プエルトリコ)でしたが、当時のペドラサは強敵相手とはいえ負けが混んできた時期でもあり、年齢もいっていました。そう考えると、今回の対戦相手、グスタボ・ダニエル・レモスというボクサーは、キーショーンにとって過去最強の相手、といって差し支えがありません。

 

 

 

このレモス、28歳とまだ若く、前戦は敗北を喫しているもののIBF世界スーパーライト級の挑戦者決定戦に出場し、リチャードソン・ヒッチンズ(アメリカ)に大いに善戦しています。

判定は3-0だったものの、ジャッジ2者が2ポイント差という僅差であり、ヒッチンズを効かせた場面もあったと思います。

アルゼンチンといえばかつて、マルコス・マイダナがいました。エイドリアン・ブローナー(アメリカ)にアップセット勝利を挙げており、フロイド・メイウェザーJr(アメリカ)を非常に苦しめたボクサーです。

そのマイダナの系譜を継ぐかのようなアグレッシブなボクシングは、判定タイプで、現代のアフロ・アメリカンボクサーの典型であるヒッチンズを大いに苦しめました。

そして同様のタイプ、といって差し支えのないキーショーン戦。キーショーンの攻撃力は相対的に見てヒッチンズよりも高いと思いますが、下がらせてしまえば同様のボクサーとも見れるとも思います。前戦とは違い、今回は一つ階級を下げてのライト級であり、彼のパワー、突進力はさらに活きる可能性があります。ちなみにこのレモスの最大の勝利は、2022年に行われたリー・セルビー(イギリス)戦で、この元世界王者を5RTKOして名前を売っています。

 

 

 

このレモスがキーショーンに勝っても、驚きません。嘘です。驚きはします。

とはいえ、キーショーン-600、レモス+450のオッズほども開いていなさそうな気がしていて、結局はかなり僅差の戦いになるのではないか、と思っています。

レモスとしては、ヒッチンズ戦も大いに参考になるものであり、どこかでこのトッププロスペクトを喰う算段を見つけているはず。

アメリカはバージニア州、ノーフォーク。この地はキーショーンの生まれ故郷であり、この試合は世界前哨戦であると同時に凱旋試合でもあります。凱旋試合であることの気負い、この次には世界戦に進むとすれば絶対に落とせない試合であるというプレッシャー、良いパフォーマンスを見せようとせず、勝ちに徹することができなければ、キーショーンだって危ういかもしれません。

そしてもし、キーショーンがこのレモスに圧勝するのであれば、ともすればストップしてしまうようなら、その評価はきっとウィリアム・セペダ以上になるはずです。

 

 

 

アンダーカード!

そんな注目のメインイベントを支えるのは、これまた興味深いプロスペクトたちが総出で登場するからです。

まさにアメリカの未来を担う若者たちの祭典、と呼べます。

本来であればここにセミファイナルでWBOウェルター級タイトルマッチ、ブライアン・ノーマンJr.vsデリック・クエバスというファイトが入っていたのですが、これはノーマンJr.の怪我により延期。ひたすら残念です。

順番はわかりませんが、キーショーンと同じくライト級で期待のプロスペクト、アブドゥラ・メイソン(アメリカ)も登場です。15勝(13KO)無敗という戦績のパンチャーで、まだ弱冠20歳。トップランク・プロスペクトにありがちな明らかなアンダードッグ(勝率5割以下)を相手にしたことはほとんどないボクサーで、着々とキャリアを積み上げてきています。

 

 

 

そして2020年の東京五輪でキーショーンとチームメイトだったミドル級のトロイ・アイズリー(アメリカ)も登場。こちらも前戦で無敗の対戦相手を撃破してNABOのタイトルを獲得、今回も20勝(11KO)1敗のタイラー・ハワード(アメリカ)という好戦績のボクサーを相手にします。

そして気になるのは前戦でサム・グッドマン(オーストラリア)に敗れたライース・アリーム(アメリカ)の復帰戦が組まれていること。デーリン・エルナンデス-ジェラルド(ドミニカ共和国)という12勝(10KO)2敗1分のボクサーが相手で、ドミニカのこのKO率のパンチャーというのは非常に怖い存在ですね。アリームは今回フェザー級戦、エルナンデス-ジェラルドはスーパーフェザー級でも戦っているボクサーなので、結構危ない試合です。アリームはここで負ければハシゴを外されてしまうでしょう。

そのほかにもキーショーンの兄弟、13勝(7KO)無敗の兄、ケルビン・デービス(アメリカ)、そしてプロデビュー戦を迎える弟、ケオン・デービス(アメリカ)ととにかくアメリカの未来が盛りだくさんという興行です。

 

 

 

配信情報

アメリカではESPNで放送されるこの興行は、今のところ日本での放映予定はありません。まあ、これは仕方のないことかもしれません。WOWOWでやるようなビッグファイトでもありませんし。。。

ともあれ、このアメリカの未来を詰め込んだような興行、ESPNを見れる環境にある方はぜひ楽しみましょう。

 

 

 

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【プレビュー】ジャロン「ブーツ」エニスとジェシー「バム」ロドリゲス。未来のP4Pの共演は11/10、DAZN!

井上尚弥がリヤド・シーズンとスポンサー契約。

スポンサー契約なので早々にリヤド・シーズンに登場、という契約ではないらしいですが、リヤドシーズンへの登場はあり得る話でしょうし、トゥルキ・アラルシク氏としては是が非でも興行に組み込みたいところでしょう。

それがサウジでやる、となればLemino放映ではないのかもしれませんね。30億、というのは夢のような話ではありますが、ともかく実感も湧かないので、とりあえず目の前に迫ったボクシングの話をしましょう。

今回のブログは今週末に行われるジャロン・エニスvsカレン・チュカジャンのプレビュー記事。

 

 

 

11/9(日本時間11/10)アメリカ・ペンシルバニア

IBF世界ウェルター級タイトルマッチ

ジャロン・エニス(アメリカ)32勝(29KO)無敗

vs

カレン・チュカジャン(ウクライナ)24勝(13KO)2敗

PBC所属だったジャロン・エニスは前戦からマッチルームに移籍。今回はDAZNでの2戦目となりますが、どうにもマッチメイクには恵まれません。

前戦はデビッド・アバネシアン(アルメニア)、強豪には違いありませんがテレンス・クロフォード(アメリカ)には歯が立たず、2018年にはエギディウス・カバラウスカス(リトアニア)にも敗れていました。

このアバネシアンをクロフォードより1R早い5Rで仕留めたエニス、ここから良いマッチアップなるか、とも思いましたが、今回の相手はかつて退けたカレン・チュカジャンです。

当然、チュカジャンも良いボクサーで、非常に運動量が多いウクライナ人らしいボクサーです。

 

 

 

ウクライナという強豪国の出身であり、デビュー2戦目で同国人のアンドリー・ベリコフスキー(ウクライナ)に敗れていますが、そこから2023年のエニス戦までは全勝。そして、エニス相手にもフルラウンドを戦っています。

ただ、このエニスとチュカジャンの差は如何ともし難いところもあり、この戦いでアップセットは普通に考えれば期待できません。

なのでこの試合の焦点は、13R目にはいるエニスがこのチュカジャンを倒し切れるのかどうなのか、というところです。

懸念事項としては、やはり「完勝した後の再戦」という明らかに森ベーションが上がらない戦いに対して、エニスがどのように臨むのか。

そして、前戦ではディフェンシブに戦い、倒されずに粘ったチュカジャンが初回から倒されないように戦うのならば、非常につまらない試合になる可能性があります。

では、なぜこんな試合が決まってしまったのか。

 

 

 

それはチュカジャンがハリー・スカーフ(イギリス)との挑戦者決定戦に勝利し、エニスへの挑戦権を獲得したからに他なりません。

非常に厳密なIBFの指名挑戦者という肩書きは、このように興味を持たれない試合を作ってしまう可能性が指摘されています。

それは、アルツール・ベテルビエフ(カナダ)の次の対戦相手がミカエル・エイファート(ドイツ)というほぼ無名のボクサーだったりすることと同じで、井上尚弥(大橋)がサム・グッドマン(オーストラリア)と戦わなければならないことと同義です。

良し悪しもありますが、IBFは挑戦者決定戦に出場するボクサーを厳選してもらいたいですね。

↓エニスvsチュカジャンの初戦

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ

ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)20勝(13KO)無敗

vs

ペドロ・ゲバラ(メキシコ)42勝(22KO)4敗1分

ジャロン・エニスとジェシー・ロドリゲスの共演というのは、ボクシングファンの、特にアメリカのボクシングファンにとっては非常に興味深いトピックです。

以前にリングマガジンが発表した「2029年」のP4Pランキング予想では、1位にエニス、2位にロドリゲスをランクしています。(ちなみに3位には我らが中谷潤人)

↓Ring Magazineの未来予想図

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

2017年にプロデビューしたジェシー「バム」ロドリゲスは、軽い階級だったからなのかかなり軽視されていたようです。

アマチュア時代はUSAジュニアオリンピックでの優勝という経験はありながらも、デビューから話題になることはなかったようですね。

当時17歳のバムはいつしか頭角を表し、2019年〜2021年の3年間は6戦して全勝全KOして大きな話題になります。

そしてそこまではライトフライ級でランクインしていたバムが世界に衝撃を与えたのは、WBC世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、カルロス・クアドラス(メキシコ)からダウンを奪って判定勝利を挙げ、世界初戴冠を果たしたことです。

本来であればカルロス・クアドラスvsシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)で争われるはずだったこのWBC王座は、シーサケットがコロナ感染により辞退。直前に決まったこの試合で、2階級上(実際はその前の数戦はフライ級だったので、実質1階級上)の階級でこのパフォーマンスは度肝を抜かれましたね。

 

 

 

その初防衛戦でシーサケットを8RTKO、フライ級へ転級して2階級制覇、そして当時のIBF王者サニー・エドワーズ(イギリス)を9RTKOで破って王座統一。

さらにスーパーフライ級に戻ってファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)を7Rで撃破、かつてSUPER FLYと呼ばれた4強のうち3人を全く寄せ付けず、見事なまでの世代交代を果たしました。

バムのキャリアは、上の世代にレジェンドたちがいたことが非常に良かったのだと思います。

これらのレジェンドを退けたバムのパフォーマンスはファンや評論家の評価を非常に高め、軽い階級ながらもこのバムは非常に評価されているボクサーです。

対してペドロ・ゲバラ(メキシコ)は非常にタフな叩き上げ。

4つの敗北はジョンリエル・カシメロ(フィリピン)、木村悠(当時帝拳)、寺地拳四朗(BMB)、カルロス・クアドラス。その全てが世界タイトル戦であり、ライトフライ級とスーパーフライ級(暫定)を制した2階級制覇王者でもあります。

前戦では下馬評で不利ながらも敵地オーストラリアでアンドリュー・マロニー(オーストラリア)を降して暫定王座を獲得しています。

 

 

 

ただどうしても、ゲバラがバムに勝つ、という姿を想像することはできません。

バムにとっても、この「暫定王者」であるゲバラ戦は避けて通れない試合ですから、バムの「ワクワクする試合」については2025年の楽しみにしましょう。

ゲバラはまだ1度もKO負けがありません。これはすなわち、バムはゲバラをKOできるか、というのが焦点、となりそうです。

そのほかのアンダーカードと配信情報

アンダーカードでは、元WBA世界フェザー級王者、レイモンド・フォード(アメリカ)が登場です。前戦でニック・ボール(イギリス)に王座を奪われ、その復帰戦でスーパーフェザー級転向初戦を迎えます。

他にもスーパーライト級の無敗プロスペクト、エルネスト「ティト」メルカド(アメリカ)も登場します。16勝(15KO)無敗の新鋭は必見です。

この興行はDAZNで生配信、開始時間は11/10(日)9:00からです。セミファイナルはお昼頃でしょう。

↓DAZNはこちらから

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