信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】エロール・スペンスJr.vsティム・チュー!オーストラリア、シドニーのビッグファイト、セミではスティーブン・フルトンが。。。

もともと、オーストラリアではボクシングはあまりメジャーとは言えない競技のはずです。

しかし、レジェンド、コスタヤ・チューの息子であるティム・チューの台頭とともに盛り上がった感のあるオーストラリアボクシング界は、近年、ジョージ・カンボソスJr、ジェイソン、アンドリューのモロニー兄弟、リアム・パロ、そしてジャイ・オペタイアといった世界王者を次々と輩出しています。

そしてそれらのボクサーよりも人気を博すのが、ティム・チューです。ニキータ・チューもかもしれません。

3年ぶりのファイトとなるエロール・スペンスJr.を迎え、絶対に負けられない戦いに挑むオージー・ヒーローは、どのような戦いを見せるのか。

ということで今回のブログは、スペンスvsチューのプレビュー記事。

 

 

 

Tim Tszyu wraps self in native flag to build Australian support versus  Errol Spence Jnr

7/26(日本時間7/26)オーストラリア

エロール・スペンスJr.(アメリカ)28勝(22KO)1敗

vs

ティム・チュー(オーストラリア)27勝(18KO)3敗

この試合がオーストラリアで開催される、というのは、チューにとっては朗報でしょう。

試合をしていないとはいえかつての統一王者は、アメリカでは大いに期待されていたボクサーですから、「大物」を迎えるという状態です。

エロール・スペンスJr.はかつてはPFPランキングにもしっかりと入っていたボクサーで、2017年、敵地英国に乗り込んでケル・ブルックを撃破、IBF世界ウェルター級タイトルを獲得します。

当時36勝1敗という戦績だったブルックですが、唯一の敗戦は無謀な挑戦と言われたミドル級でのゲンナディ・ゴロフキンへの挑戦で喫したものでしたから、当然そんなウェルター級最強の一角に敵地で勝つ、しかもストップ勝ちというのは本当に価値のある勝利でしたね。

誰もが、アメリカン・ニュースターの誕生を予感したものでした。

果たしてその後もスペンスは評価を上げ続け、マイキー・ガルシア、ショーン・ポーター、ダニー・ガルシア、そしてヨルデニス・ウガスを連破、3団体の統一を成し遂げます。

3つの王座を伴って、いよいよ頂点へと挑むスペンスの対戦相手は、最強と謳われながらも統一戦に進めなかったテレンス・クロフォードでした。

この戦いが、クロフォードにとっても、スペンスにとっても、転機となったことは偽らざる事実。

 

 

 

この戦いに圧勝したクロフォードは、すでに認められていた実力の、その上のボクサーだということが明らかとなり、その後のキャリアはそれ以前と比べて明らかに注目度が上がり、幾度もビッグマッチに呼ばれる事になりました。

一方で、初黒星を喫したスペンスは、その後幾度も復帰のニュースが流れるも、約3年にわたりリングに上がる事はありませんでした。

そしてティム・チューは、というと、破格のフィジカルを武器にしてオーストラリアを主戦場としてキャリアを積み、2023年3月、WBO世界スーパーウェルター級暫定王座を獲得。

その後正規王者に格上げされ、セバスチャン・フンドラにアップセット勝利をしたブライアン・メンドサに勝利しています。

しかしその次戦、フンドラに敗北。フンドラの肘だったか?で額を切るというアクシデントもあったので、この敗戦は同情できるものでした。

ここで潔く敗北を受け入れたチューは、復帰戦でIBF世界スーパーウェルター級タイトルへ挑戦。当時の王者はバフラム・ムルタザリエフ、当時はまだ名のある王者ではありませんでした。

しかしながら、この戦いでチューはまさかの3RTKO負け。

初黒星が響いていたのか、それともムルタザリエフの強さが怪物クラスだったのか、もしくは、チューの実力はそんなものだったのか、当時は様々な話が飛び交っていたと思います。

チューはその後、ジョセフ・スペンサーとの復帰戦を挟んでフンドラへ挑戦、しかしこの試合で7R棄権負け。

 

 

 

言い方は良くないですが、一気に弱くなってしまった感じのあるティム・チュー。

そこから復帰して2戦を戦い、こちらは完勝のようです。試合を見ていないのでわかりませんが、今は調子を取り戻してきている時期なのかもしれませんね。

さて、この試合のオッズは、ほんの若干、スペンス優位と出ているようです。

しかし、ほぼ差のない、ほとんど50-50の戦いです。

スペンスは才能豊かなボクサーではありますが、3年ぶりのリングというのは不安要素のほうが大きい。

そして、チューはコンスタントに試合をこなしていますが、抜群のパフォーマンスというのは見せられていないでしょう。

スペンスのブランクの影響が如何ほどか、を考えても仕方がないですから、それを一端抜きにして考えたとすれば、中間距離ではスペンスが上回る可能性が大きい。

なのでチューは得意のブロッキング、フィジカルで如何に近づいて、如何に殴るか、が勝負。

チューというボクサーは、村田諒太の上位互換だと思っています。

あの鉄壁のブロッキングと、強靭なフィジカルで、スペンスを詰める事ができれば、十分に勝機はあるでしょう。

しかしスペンスは、今がどうかはわからないまでも、速く、巧いボクサーです。そしてパンチャーでもあります。

ここはチューに頑張ってほしいところですが、両者がどのようなパフォーマンスを見せるかは興味深いところですね。

 

 

 

スティーブン・フルトン(アメリカ)23勝(8KO)2敗

vs

リアム・ウィルソン(オーストラリア)18勝(10KO)3敗

規律のないボクサーは、嫌いです。

なのでこのスティーブン・フルトンはもう好きにはなれません。

この試合はもともとスーパーフェザー級、130lbsで組まれていた試合でしたが、試合直前に133lbsのキャッチウェイトに変更。これはフルトン陣営からの要望で、ウィルソンはそれを飲んだ、とのことです。

前戦でもフルトンは世界タイトルマッチにも関わらず130lbsを作れず、さらにその試合が何故かライト級のタイトルマッチとなったことで非難轟々。

これまでの輝かしい経歴を全て失ってしまうような愚行を繰り返してしまうのは、井上尚弥戦で掴んだ大金、そしてあの1敗が彼の人生に大きく影響しているのかもしれません。

つい先日まで、苦しいとはいえども122lbsで戦っていたボクサーが、130lbsを作れないというのはどういう事でしょうか。

ということで、がんばれ、リアム・ウィルソン。

ウィルソンはこれまで2度、世界タイトル戦を戦ってきたボクサーですが、そのどちらももちろんBサイドとしてのリング登場。

初の世界タイトルショットとなったエマニュエル・ナバレッテ戦ではダウンを奪ってあわや、という戦いを見せましたが、世界王座には届かず。そしてその翌年、オスカル・バルデスに挑むもこちらもストップ負けを喫し、一端世界戦線からは外れてしまいました。

その後5連勝、ハラはタプついているとしても元世界王者を破るインパクトは大きいでしょうから、ここは良い勝ち方をしてほしいところです。

体格の利はウィルソンにあり、フルトンはこの階級(プラス3ポンド)では明らかにパワーレス。そして、この2-3年で増えた10ポンド(4.5kgぐらい)というのは使える筋肉ではなくただの重りのはずですから、足も重くなっているはずです。

「スクーター」と呼ばれたのは過去のこと、今は一輪車ぐらいのものです。しらんけど。

ということでフルトンを潰すのは、ウィルソンのプレッシャーです。

がんばれ、ウィルソンでいきましょう。

 

 

 

配信情報

このオーストラリアで行われる興行は、アメリカのプライムタイムで行われます。

なので日本でもいつものアメリカ興行と同じぐらいの時間で、昼過ぎぐらいにメインイベントが始まると思われます。

アメリカではAmazon Prime VideoのPPVファイトであり、さらにこれが独占中継ではなく、DAZN PPVでも放映されます。これはPBCがDAZNをプラットフォームにした、ということに由来しています。

日本でも、DAZNでのPPV購入はできるようで、価格は3,500円。

WOWOWは2,500円ぐらいでしたっけ、WOWOWの方が安い計算になりますね。

WOWOWはお布施的に入りっぱなしなのでWOWOWでみますが、DAZNでやるならDAZNの方が(実況解説が英語だと思うので)良いかもしれません。

いつか、というか技術的には可能でしょうから、実況解説は副音声にでもしてもらいたいものです。

ということでWOWOWはこちらから

WOWOWオンデマンド

 

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【プレビュー】1 Weeks to GoU-NEXT BOXING!岩田翔吉vsエリック・パディージョ、カツマ・アキツギvsヘルラン・ゴメス!!

日本で行われるトリプル世界戦まで、あと一週間。

3連休は仕事なので、現地どころかリアタイ視聴も叶いません。

しかし色々と言われつつもこの興行は大注目です。

ということで今回のブログは、7/20に行われるU-NEXT BOXING 6、岩田翔吉vsエリック・パディージョ、そしてカツマ・アキツギvsヘルラン・ゴメスのプレビュー。

 

 

 

7/20(祝)U-NEXT BOXING

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ

岩田翔吉(帝拳)16勝(13KO)2敗

vs

エリック・パディージョ(メキシコ)19勝(8KO)無敗

2018年にプロデビュー依頼、その猛烈なパンチングパワーとダイナミックな踏み込みで対戦相手をバッタバッタと倒してきた岩田翔吉。

2022年、満を持しての世界初挑戦ではジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に「まさか」の敗戦、その後しっかりとした再起ロードを歩んだあと、2024年にハイロ・ノリエガ(スペイン)との王座決定戦でWBO世界ライトフライ級王座を獲得。

しかしその初防衛戦で、レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に敗北、初防衛はなりませんでした。

その後、元タイトルチャレンジャーであるエドウィン・カノ(メキシコ)を相手に再起戦を突破したあと、前戦でノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)に挑戦、見事な8RTKOで勝利、WBC世界ライトフライ級王座を獲得しています。

岩田にとっては、初戴冠で成し得なかった初防衛戦、今回は成功なるか、という大事な一戦。

対するエリック・パディージョは、無敗のメキシカン。

メキシコ国内で17連勝を記録したあと、2025年からアメリカに呼ばれて戦っています。

昨年、元タイトルチャレンジャーのヘラルド・サパタ(ニカラグア)、そして元世界王者のエルウィン・ソト(メキシコ)に完勝、今回の世界初挑戦へつなげています。

2025年、大躍進したボクサー、と言っていいでしょう。

この興行の発表会見時、岩田はこのパディージョを強敵と言い、かなりの危機感を持っていました。

 

 

 

映像を見た感じでは、非常にまとまったボクサーで、前に出るプレッシャーファイター、パンチもブロッキングも非常に力強い、フィジカルに優位性を持つファイタータイプのボクサーに見えます。

接近戦で戦うのが好みらしく、そこでも攻撃は多彩。強敵には間違いありません。

しかしながら、岩田の不得意とするタイプは、ボンバ・ゴンサレスやサンティアゴのような足が速く、ディフェンシブに戦うタイプのボクサーであり、前戦のノックアウト、今戦のパディージョのようなボクサーは、非常に戦いやすい相手ではないか、と思います。

対戦相手を大きく見積もる、というのは、おそらく今の岩田にとって良い事。

自信がありすぎた結果、ゴンサレスやサンティアゴを捕まえ切れなかった、と言えるのではないかと思えるからです。

岩田翔吉が、最大級にエリック・パディージョを警戒し、その対策を練って試合に臨む。この事は、岩田の勝率をより上げるのではないかと思っています。

個人的には、互いに良い距離を保った打撃戦の中で、岩田が負ける姿はあまり想像ができません。

パワーに優れ、瞬発力に優れ、一瞬のハンドスピードに優れる岩田翔吉。

今度こそ、王者としての証明の正念場。

ここはスカッとした勝利を期待したいところですね。

 

 

 

カツマ・アキツギ(アメリカ)14勝(4KO)1敗

vs

ヘルラン・ゴメス(フィリピン)14勝(10KO)3敗

前戦、日本デビュー戦を戦ったアキツギは、ホセ・カルデロン(メキシコ)に初黒星。

このカルデロンは、増田陸とも戦った超がつくような強豪であり、凱旋試合の初戦としてこの相手か、という不安もあった相手。

そしてこの試合は、ほぼドローといっても差し支えのない内容であり、「体が動かなかった」という敗者の弁を考慮すると、その評価を落とすものではありません。

特に前半、スピードと上下の打ち分けで好スタートを切ったアキツギ、あの戦い方が通常であればフルラウンド続く、というのはファンであれば知っている事。

カルデロンのタフネス、アキツギの(自己申告ながらも)不調、ということもあり、試合は接戦となり、カルデロンの手が上がりましたが、今回こそは本来のカツマ・アキツギを見せてもらいたい。

そしてこの対戦相手のヘルラン・ゴメス、こちらは2連敗ながらも、強敵です。

おそらくカルデロンよりは劣る、とは思うものの、アグレッシブネスを有しているフィリピン人で、そのキャリアの殆どを敵地で戦っています。

前戦はジェイソン・モロニー(オーストラリア)に4RTKO負け、その前は当時無敗のカロロ・アミリ(タンザニア)というボクサーに10R判定負けを喫して連敗しています。

 

 

 

それ以前に敗北しているのは、2022年、のちの世界挑戦者ユッタポン・トンディー(タイ)に8RTKO負け。

世界レベル、とは言えないものの、その相手を務めるぐらいのレベルにはある、という評価なのだと思います。

経験値もあり、26歳と若いゴメスは、まだまだ伸びる可能性もあるボクサー。

大きく振ってくる事もあるので、アキツギとしては、大抵のフィリピン人や大抵のメキシカンを相手にする時と同じく、相手の一発に気をつけて完封する必要があります。

ゴメスは良いボクサーではありますが、いっときは世界挑戦間近まで迫ったアキツギとしては、ここは求められるものが高い。

完封、もしくは圧倒してのTKO勝利を期待しましょう。

配信情報

この興行は、第一試合を東日本スーパーフライ級4回戦として、アキツギvsゴメス、岩田翔吉vsエリック・パディージョ、寺地拳四朗vsイスラエル・ゴンサレス、増田陸vs比嘉大吾と流れていきます。

配信はU-NEXT、17:00開始とのこと。

会場にいかない方は、是非U-NEXTで応援しましょう。

 

 

 

 

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【プレビュー】アブドゥラ・メイソンvsアルバート・ベル!ブルース・カリントン、タイガー・ジョンソンも登場のTR興行は、無敗対決3連発!

さてさて、やっぱりボクシングはアメリカ、という雰囲気を見せてくれた、先週末のザンダー・ザヤスvsジャロン・エニス。

老舗トップランクが非常にリスキーなマッチアップに了承してくれたことで、素晴らしいファイトを見せてくれた事に感謝です。

そして今週末もトップランク興行。

もちろん、世界中でDAZNで配信されるわけですが、日本ではWOWOWが中継。

ライブ配信をしてくれるのは嬉しいですが、日本版DAZNの配信は無し。

なかなかややこしい契約になっていますね。

私個人は日本語解説が邪魔になるタチなので、DAZNで良かったんですが、WOWOWになくなってもらっても困ります。微妙なところです。

さて、ということで今回のブログは、アブドゥラ・メイソンvsアルバート・ベルをメインに据えた、トップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

Abdullah Mason officially set to face Albert Bell | Bad Left Hook

7/4(日本時間7/5)アメリカ・オハイオ州

WBO世界ライト級タイトルマッチ

アブドゥラ・メイソン(アメリカ)20勝(17KO)無敗

vs

アルバート・ベル(アメリカ)28勝(9KO)無敗

前戦でWBO世界ライト級王座決定戦に勝利し、WBO王座を獲得したアブドゥラ・メイソン。

弱冠22歳という年齢ながらも、アメリカボクシング界の未来を背負って立つうちの1人、という才能の持ち主です。

才能、とは言ったものの、ボクシング一家に産まれた彼には、才能という簡単な言葉で片付けてはいけないのでしょう。

2021年、トップランクと契約してプロデビューしたメイソンは、これまで20戦して全勝。その強さは誰が見てもわかりますが、時に相手を打ちのめそうと突っ込みすぎて被弾、ダウンを奪われる等も経験しており、脇が甘い部分もあることも確かです。

しかしやはり、倒しにいく姿は非常に面白く、フロイド・メイウェザーが作った「負けないスタイル」のアフロ・アメリカンのボクシングよりももちろんこちらの方が好感が持てます。

4回戦で1度、6回戦で1度の判定勝利を経験する以外、すべてノックアウトで相手を退け、掴んだWBO王座決定戦というチャンス。この王座は、キーショーン・デービスが保持していたもので、体重超過で王座剥奪となった末、無敗プロスペクト同士の王座決定戦としてアブドゥラ・メイソンvsサム・ノークスという垂涎のマッチアップが組まれました。

2025年、11月。この試合はメイソン優位であったものの、これまでのダウン経験なども含めて、ノークスにもチャンスがあった、とされる試合です。

この試合は終始真っ向勝負、素晴らしいファイトでしたね。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

このファイトでアブドゥラ・メイソンが証明したことは非常に多く、まずはこれまでの最長ラウンドが6Rだったわけですが、それが12Rとなったこと。

そして、自分が行き過ぎさえしなければ、ノークス(当時18勝16KO無敗)のパワーにも十分耐えられるタフネスを有していること。

そして前に出ても戦えるし、下がりながらのカウンターも狙える、さらにそれがフルラウンド集中力を持って戦える、ということを示したと思います。

まだ22歳にして、非常に完成されたボクシング。ここからキャリアを重ねれば、より慎重に、より大人な戦いになっていくと思われますから、今こそエキサイティングなアブドゥラ・メイソンの見時だと思われます。

対するアルバート・ベル、こちらも未だ無敗のボクサーです。

最近のアフロ・アメリカンのボクシングそのもので、やや後ろ荷重で戦う、テクニシャンと呼ぶに相応しいボクサーです。

このスキルフルなボクサーを相手に、メイソンはどのような戦いを見せるのか。

このファイトは、もともとメイソンvsジョー・コルディナというファイトでしたが、コルディナが米国に入国できず、ベルが代役出場、という流れ。

ただし、もともとベルも7/18にアンディ・クルスとIBF世界ライト級挑戦者決定戦を予定していたわけですから、挑戦は微調整。このチャンスに、万全に仕上げてくるはずです。

当然、この試合はアブドゥラ・メイソンがAサイド。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることに期待。

WBC世界フェザー級タイトルマッチ

ブルース・カリントン(アメリカ)17勝(10KO)無敗

vs

レネ・パラシオス(メキシコ)19勝(10KO)無敗1分

我々日本のボクシングファンにとっても注目のフェザー級王者、ブルース・カリントン。

現在のフェザー級先生では、このカリントンか同じくトップランク所属のラファエル・エスピノサ、この2人が両巨頭と言えるでしょう。

相手をよく見て、スキルで戦うスタイルのカリントンは、誰にとってもやりづらい存在であることは間違いありません。

前戦でWBC世界フェザー級王座決定戦に出場し、難敵カルロス・カストロを完璧なノックアウトに沈め、世界王座を戴冠しています。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

ちなみにこのカストロ戦の前の試合も、WBC世界フェザー級暫定王座決定戦でしたが、なかったことにされている模様。

ともあれ、このカストロ戦はカリントンにとってベストパフォーマンスでもあり、王者の証明でもあった試合。

途中、ピンチもありながらもノックアウトに切って落としたこのパフォーマンスは、フェザー級においてエスピノサと並び称されるにふさわしいものだったと思います。

そんなアメリカン・エリートであるカリントンにとって、今回の防衛戦は「勝って当然」というファイトであり、彼のプランとしては防衛を重ねながら、さらに可能であれば統一をしつつ、井上尚弥を待つ、ということだと思います。

チャレンジャーはレネ・パラシオス、若き無敗のメキシカンです。

ニックネームは「Zurdo」ですからサウスポーなのでしょう。

前々戦までは強豪との対戦経験はなかったボクサーでしたが、前戦でフェザー級のゲートキーパー、スライマン・セガワに2-1のスプリット判定勝利。

NABFフェザー級タイトルを獲得しています。

メキシカンというのはいつもアップセットを起こせる人種。カリントンには油断せず、しっかりとボックスしてほしいところですね。

唯一の不安は、カリントンが井上の名前を出して挑発している、というところでしょうか。これまでだいたい「Inoue」と名前を出すと負ける、という呪いがありますから、この呪いをカリントンは打ち破れるか。

 

 

 

タイガー・ジョンソン(アメリカ)17勝(8KO)無敗

vs

クリストファー・ゲレロ(カナダ)16勝(9KO)無敗

他にもアンダーカードにも興味深いファイト。

デランテ「タイガー」ジョンソンも登場です。

トップランクの看板ボクサーたち、メイソン、カリントンに続き、タイガー・ジョンソンも無敗の対戦相手とのファイトです。

ザヤスvsエニスもそうでしたが、トップランクはDAZNからの圧力なんでしょうか、結構思い切ったマッチメイクをしてきますね。

無敗というのは何かがあるから無敗なわけで、レジュメはどうあれ「底を見せていない」という対戦相手は、金の卵のように大切にボクサーを育てているトップランクにとっては怖い存在のはずです。

ゲレロ、名前的にヒスパニック系のカナダ人であり、さらにニックネームが「マシンガン」というのは、そのファイトスタイルは明らか。

この場合、あまりの物量に屈してきたエリートたちは数知れず。

ジョンソンにとっても勝負の一戦となりそうですね。

 

 

 

その他のアンダーカードと配信情報

その他のアンダーカードには、11勝(10KO)無敗のライト級トップランク・プロスペクト、デリック・デービス(アメリカ)が登場。これまでヘンリー・レブロン(プエルトリコ)やドミトリー・アサナウ(ベラルーシ)といったプロスペクトたちの相手を担ってきたカルロス・ラモス(スペイン)との一戦。

そして、他にもこの興行にはメインイベントに出場するアブドゥラ・メイソンの兄、アブドゥラクマン・メイソン(アメリカ)、そして弟のイブラヒム・メイソン(アメリカ)も出場。

メイソン一家は5人兄弟、ボクシング界のジャクソン5とも呼ばれているそうですね。

配信は、日本ではWOWOW。

配信開始は、日本時間7/5(日)AM9:00から、とのことなので、デリック・デービスvsカルロス・ラモスからでしょうか。メイソンの兄弟がリングに上がるプレリムスは、当日DAZNのYoutubeで視聴可能だと思います。

▼WOWOWはこちら▼

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【プレビュー】ザンダー・ザヤスvsジャロン・エニス!スーパーウェルター級、ホコタテ対決!アメリカボクシング界の未来を背負うのは!?

WBA狂想曲に揺れる、日本のボクシング界。

まあ、なんとも文句を言っても始まらないので、そっとしておきましょう。

いずれにしても、選手に文句を言うのは間違っているし、プロモーターだってビジネス的に清濁併せのむものなのだから、批判はお門違い。

WBAがそうさせた、といえばそれまでなのだから、ともかく成り行きを見守りましょう。いずれにしても、このままではおかしなスポーツになってしまうでしょうね。

ともあれ、今週はウィークデイにIBF世界ウェルター級タイトルマッチ、ルイス・クロッカー(イギリス)vsリアム・パロ(オーストラリア)。この試合は米国ではAmazon Primeで放映されるらしいですが、日本でも見られるのかはわかりません。

ということになれば(そうでなくとも)週末の楽しみは何と言ってもジャロン・エニスvsザンダー・ザヤス。

ということで今回のブログは、エニスvsザヤス、注目のスーパーウェルター級無敗対決のプレビュー記事。

Zayas vs. Ennis | The Ring

 

 

 

6/27(日本時間6/28)アメリカ・ニューヨーク

WBA・WBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ

ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)23勝(13KO)無敗

vs

ジャロン・エニス(アメリカ)35勝(31KO)無敗

わずか17歳、史上最年少でトップランクと契約したザンダー・ザヤス。

そこから7年近く、23歳となったザヤスは、過去最強の相手を迎えます。

2019年にプロデビューしたザヤスは、トップランクが用意する相手を次々と撃破。その才能はプロデビュー時、いや、プロデビュー前から注目されており、その期待に添うように着実にキャリアを進めてきました。

2022年頃から地域タイトル戦に絡むようになったザヤスは、2024年、元王者のパトリック・ティシエイラ(ブラジル)を撃破。その翌年、ホルヘ・ガルシア・ペレス(メキシコ)との王座決定戦を制し、WBO世界スーパーウェルター級王座を獲得しています。

このガルシアは、メジャーではないボクサーでしたが、このザヤス戦の前にチャールズ・コンウェル(アメリカ)に勝利していたボクサーですから、実力は本物のはず。

ただ、やはり有名ではなかったので、この時点でザヤスは実力を証明できている、とは言えなかったはずです。

しかも恵まれているザヤスは、初防衛戦でいきなり王座統一戦を引き寄せます。

対戦相手はWBA王者のアバス・バラオウ(ドイツ)、このバラオウも前戦で王座を獲得したばかりのボクサーでした。しかもWBAの暫定王座。

このバラオウも、ヨエニス・テレス(キューバ)との決定戦での戴冠でしたから、当時はなぜこの二人がいきなりの統一戦、と思ったものです。

ただ、今の時代を思うと(そこから1年ほどしかたってはいませんが)可愛いものだと思います。

ともあれ、ここで雌雄を決したWBA王者バラオウと、WBO王者ザヤス。

この戦いは2-1でザヤスが勝利、内容的にはバラオウにつけるジャッジがいたことは非常に驚きで、ザヤスの完勝でした。

ここで光ったのは、ザヤスのスキル。強靭なハートと突進を見せるバラオウをいなし、すかし、そのディフェンススキルを発揮した戦い。ザンダー・ザヤスはディフェンスから組み立てていくボクサーですから、攻撃的なボクサーとは相性が良いはずです。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

そんな、階級最高の「盾」と呼べるザヤスに挑むのが、階級最高の「矛」であるジャロン「ブーツ」エニス。

未来のP4P候補、とも言える完成度の高いボクサーであり、そしてフィニッシャーでもあります。

このスイッチスタイルのボクサーの攻撃力たるや、半端ない。

同階級のKOキング、バージル・オルティスJr.よりもその攻撃力が上回る事は個人的には明らかだと思っていて、何よりもノックアウトに至るアプローチが素晴らしい。

速いコンビネーションから空いている所を狙う、ということもできれば、上下の打ち分けを駆使してノックダウンを奪うこともできる、そしてさらに、フォロースルーを効かせたパンチ一発で相手を倒してしまうこともままあります。

しかしそのノックアウトを狙っていく攻撃性があるからこそ、ディフェンス面ではやや雑に見えることもあります。

自らが打ち込んでいる時、(当たり前のことですが)被弾することも多く、カレン・チュカジャン戦では倒されてもおかしくないタイミングでパンチを被弾する事もあったと記憶しています。

しかし、刮目すべきは、そのようなパンチをもらいながらも倒れなかった、どころか、効いた素振りもなかった、ということです。

あの時の戦いはもらう前提で、力でねじ伏せようとしていたのか、それともただ純粋に、タフネスまでも有しているのか。もしくは、自らのタフネスを自認した上で、ねじ伏せようとしていたのか。

いずれにしても、エニスを簡単に倒せるボクサーがいない、ということは、あの試合を見ても明白でしょう。

 

 

 

決してパンチャーとは言えないザヤスが、エニスを倒し切るという展望は全く見えません。

対して、エニスがザヤスを倒す、という展開はなくはありません。

エニスはプレスをかけて戦う事が多いボクサーですが、もちろん駆け引きもできます。

もちろんザヤスも対策はしてくるのでしょうが、エニスがスイッチして翻弄し、パンチを当てる事ができれば、如何にディフェンスマスターと言えるザヤスもただでは済まないでしょう。

おそらく試合の展開は、エニスが攻め、ザヤスが受ける、というのが基本的な路線ではないでしょうか。

当然、ザヤスもディフェンシブなボクサーではないですから、真っ向からというよりもポジショニングを変えてスピードある左右を返していくのでしょうが、たとえば相打ちのタイミングでどちらのパンチも当たった時、おそらくよりダメージを負うのはザンダー・ザヤスの方でしょう。

とにかくザヤスは足を止めず、ヒットアンドアウェイを繰り返す必要があり、さらにコンビネーションで攻める事は非常に危険を伴う事ですから、この試合で「よりできることが多い、戦略を立てられる」のは、エニスのような気がします。

エニスは自分のボクシングがザヤスに通用するかどうか、そしてザヤスはとにかくもらわずに当てる、これがそれぞれの勝利へのカギではないでしょうか。

そう考えると、より対策が必要なのはザヤスの方でしょう。

いずれにしても、このスーパーウェルター級戦はアツい。

ザンダー・ザヤス23歳、ジャロン・エニス28歳、ザヤスはまだ伸びると思われる年齢で、エニスはプライムタイムに近づいています。

このタイミングでこの戦いが起こる、というのは、一昔前では全く想像もできないことですが、トップランクのESPNの撤退によりザヤスのキャリアが若干上手くいかなそうになったこと、も大いに影響しているのでしょう。

ともあれ、この試合は非常に楽しみ。DAZNで楽しみましょう。

 

 

 

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【プレビュー】ジェシー「バム」ロドリゲス、井上尚弥戦への試金石、vsアントニオ・バルガス!!バムに求められる事は?

今週末は、いよいよジェシー・ロドリゲスの登場です。

井上尚弥の対戦相手候補として、名前が上がるようになっているジェシー「バム」ロドリゲスは、今回が非常に重要な一戦になります。

フライ級、スーパーフライ級を制した2階級制覇王者に課せられる使命は、WBA王者、アントニオ・バルガスを圧倒すること。

負ける事はもってのほか、ギリギリの勝利ではいけませんし、さらに一つ上の階級でも戦えるという事を示さなければなりません。

ただ、こういう場合に苦戦したり負けそうになったりすることも往々にしてある、ということもまたボクシング。

日本のファンはこの井上尚弥vsバムに否定的なファンも多いような気もしますが、そういう方々はもはや井上が誰と戦うとなっても文句言いそうだと感じています。

ということで今回のブログは、アントニオ・バルガスvsジェシー・ロドリゲスのプレビュー記事。

 

 

 

Fight art for the boxing match between Antonio Vargas and Jesse "Bam" Rodriguez

6/13(日本時間6/14)アメリカ・アリゾナ

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

アントニオ・バルガス(アメリカ)19勝(11KO)1敗1分

vs

ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)23勝(16KO)無敗

王者、というには抵抗がある、WBA世界バンタム級レギュラー王者、アントニオ・バルガス。

この経緯について書き始めるとWBAについてムカついてきてしまうので、端折ります。

とにかく腐敗したWBAの決定事項は、WBAの正規王者はアントニオ・バルガスであり、堤聖也は休養王者です。

そんなアントニオ・バルガスは、2017年にプロデビュー、10連勝を飾りますが2019年にホセ・マリア・カルデナス(メキシコ)というボクサーに初回KO負けを喫して初黒星。

以来は一つのノーコンテストを挟みますが、WBAアメリカ大陸のバンタム級王座を獲得し、2024年12月にWBA世界バンタム級暫定王座決定戦に臨むことになります。

ちなみに2024年2月、WBAの挑戦者決定戦でジョナサン・ロドリゲス(アメリカ)を7RRTDで降していますが、このロドリゲスはその後那須川天心戦で来日するボクサーですね。(天心の3RTKO勝利)

同年の12月の暫定王座決定戦では、当時無敗のウィンストン・ゲレロ(ニカラグア)を10RTKOで破って暫定王座を獲得。初防衛戦では比嘉大吾(志成)を迎えてドロー、薄氷ながらも防衛に成功しています。

この王座の経緯も端折りますが、大切なのはそのレジュメです。

まずもって挑戦者決定戦で戦ったジョナサン・ロドリゲスというボクサーは、世界ランカーと呼ぶにはあまりにも拙いボクサーだった、ということは明らかになっています。

そして、王座決定戦で戦ったウィンストン・ゲレロについても、暫定とはいえ「王座決定戦」に出場できるボクサーか、というと非常に疑問が残るボクサー。当時無敗ながらも、強敵との対戦経験はなく、バルガス戦前は10回戦で戦った事は一度しかなく、最長ラウンドも8Rだったというボクサーで、キャリア不足は明らかなところでした。

なので、比嘉大吾がこのバルガスに挑むと聞いた時には、比嘉の王座返り咲きを大いに期待したものでした。

▼観戦記▼

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

しかし、クロスファイトの様相を呈した一戦は、倒し倒されの激闘となり、最終12R、バルガスが比嘉からダウンを奪った事によりドローとなり、比嘉はタイトル獲得ならず。

その後堤との統一戦が組まれるも、家族の事情により試合ができなくなったバルガスは休養王者へと認定、この度復活。

このレギュラー王者への復活は、ジェシー・ロドリゲス及びその陣営への忖度であるということは明確で、この部分がファンの反感を買っている理由です。

スキルがある、美しいボクシングをするタイプではなく、明らかな不器用さと意味不明なタイミング、そして回復力を持つ、一見してその強さが分かりづらいボクサー。先日アンドリュー・モロニーと激闘を繰り広げたウィリバルド・ガルシアや、このヘタツヨの代表格であるエマニュエル・ナバレッテなんかに通じるボクサーです。

バルガスは序盤のラウンドで倒す事が多いので、おそらくパンチがあるのでしょう。しかしその序盤を過ぎたとしても、実はこのボクサーの真骨頂は後半のラウンドにある、と言えます。

試合の序盤、ギクシャクした動きに翻弄されて相手はパンチをもらってしまい、それでダウンを喫したり時に決着がついたりしますが、この時のバルガスはまだ固い。ラウンドが進むごとに比較的柔軟になり、さらにおそらくよく練習しているのでしょう、回復力もかなりあると思われ、後半にかけてまくっていく、というのが彼のパターンです。

おそらく1RKO負けという唯一の敗戦は、まだほぐれていない時にもらってしまったものでしょうね。

バムがここで力の差を示すのであれば、やはりこの序盤、リスクをとって攻め、意味不明なタイミングで飛んでくるバルガスのパンチを躱し、または耐え、前半のラウンドでKOする、ということが必要になってくるかもしれません。

 

 

 

バムに求められる事

対する挑戦者、ジェシー「バム」ロドリゲスは、現WBA・WBC・WBO世界スーパーフライ級3団体統一王者です。

IBF王者は現在アンドリュー・マロニーで、この試合のあと、スーパーフライ級に戻って4団体制覇を成し遂げる、というプランもあったようですが、井上戦が持ち上がった事でこのことはなかったことになっています。

この試合如何で、復活する可能性はゼロではないのかもしれません。

いずれにしろ、大方の予想がバムに傾く中で、問われるのは「バムの勝ち方」です。

リングマガジンのP4Pランキングで、井上、ウシク、シャクールに次いで4位にランクされるバムにとって、この試合は階級を上げる初戦とはいえども、勝って当たり前の試合、と位置づけられています。

そんなに簡単にいくことなのか、という問いについては、当日を見てみる他なく、遅かれ早かれ、あと1週間後に結果は出てしまいます。

前述したように、バムに求められるのは完璧な勝利です。

もちろん、ノックアウトで勝利するということは最善で、もし、このタフなバルガスを相手にして、前半でノックアウト勝利をもぎ取る事ができれば、その評価はシャクールを追い抜く事だってあるかもしれません。

かといって、ノックアウトラウンドが後半が長引いたとしても評価を下げる要因にはなり得ませんし、たとえフルラウンドにわたったとしても、転級初戦ということを加味すれば、評価が下がる事はないはずです。

しかしながら、すでにエディ・ハーンが「井上尚弥とのスーパーファイト」をぶち上げている段階では、判定勝利は物足りません。

この戦いはスーパーバンタム級で起こりますから、バンタム級で「パワーが通用しませんでした」については、はっきりいってvs井上尚弥を考えると「勝利への期待」が一気に下降してしまう事象です。

だからここで非常に重要なことは、現在スーパーフライ級の世界タイトルマッチにおいて、5連続KO勝利して王座を次々と吸収しているジェシー「バム」ロドリゲスは、バンタム級でもそのパワーは健在、を示すことが最低限。

結果、バルガスの戦い方によってフルラウンドを生き延びられたとしても、そのパワーを示す事が非常に重要です。

なぜならば、井上尚弥に勝利するためには、少なくとも「井上を倒せるパワー」が必須条件だからです。判定で井上には勝てません。

 

 

 

井上vsバムはバカげているのか

井上尚弥vsバム・ロドリゲス、私は非常に楽しみです。

わざわざバムに箔をつけるためにバンタム級のタイトルを取らせる、というのは非常にバカげた考え方だと思いますから、今回の戦いがWBAの世界タイトルマッチかどうかは置いといて、このバンタム級でタフな部類であるアントニオ・バルガスをどのようにバムが料理できるのか、は大変に興味深い。

バルガスは下手くそに見えますが、強いボクサー。レジュメは大した事はありませんが、結局は比嘉大吾と引き分けているし、ダウンも奪っています。

このボクサーに対して、バムが我々の期待を上回ってくれるのかは非常に楽しみなところ。

そして、この井上vsバムに勝負論がない、今やる必要はない、という意見はちらほらと目にします。

今やる必要はない、という意見については、「今しかできない」という返答が最良で、フェザー級という言葉を口にする井上尚弥にとって、これ以上スーパーバンタムにとどまる事は彼のキャリア上良くないでしょうし、バムにとっては急ぎ足となりますが、井上がフェザーに上がる前しかチャンスがありません。

バムとしては当然「井上と戦いたい」(評価を上げるためにしても報酬にしても)のだから、多少無理をする必要はあるのだと思います。そうでなければ、格上のボクサーは振り向いてはくれません。

多少無理をしてでも最強を証明しようとする、多くの報酬を得ようとするのは否定することではありません。

更にこの試合に勝負論がない、ミスマッチだというファンもいるようです。

井上尚弥にとって、勝負論がないは当たり前のことであり、孤高の存在であることからいたし方のないことです。

さらに中谷潤人を退けた今、このスーパーバンタム級で相手になるボクサーはいないでしょうし、井上のモチベーションが上がる相手も皆無と言えます。

そんな中、P4Pで4位という評価を得ているボクサーが、自分の階級まで無理してあげてくるのであれば、これを跳ね返したい、と思うのは当然のこと。その時、多少の時間「待つ」と判断することも、十二分に納得できることです。

もちろん、バムがバンタムでの戦いで、どのくらい良いパフォーマンスを示せるか、ということが非常に重要になってきます。

今回のバルガス戦は、バムにとって、上の階級で闘うための大きな試金石。

たとえ、バムがバルガスを相手にどんなパフォーマンスを見せたとしても、井上vsバムが決まれば井上優位は変わりません。この先、たとえどんな相手が現れても-たとえ井上尚弥がフェザーで闘うとしても-井上が不利になるオッズは考えられません。

ミスマッチと言われる事は上等、予想不利になることも上等。しかしバムは今後の自信の評価、そして大きな報酬のために、日本のモンスターに挑もうとしてくれているのです。

これは我々のような日本のファンは、大いに期待しておく他ないでしょう。

バムが良い勝ち方をすればするほど、vs井上尚弥は盛り上がるのですから。

 

 

 

 

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【プレビュー】6/6はダイナミックグローブも大注目!李健太vs富岡樹、梅津奨利vs栗原慶太!技巧と豪打、それぞれの正念場!

6/6(土)は愛知でダブル世界タイトルマッチ。

そして、後楽園ホールでは毎月第一土曜日に開催されている、ダイナミックグローブです。

。。。せめてズラしてほしいところ。

ともあれ、メインイベントはWBOアジア太平洋スーパーライト級タイトルマッチ、李健太vs富岡樹、セミファイナルは日本バンタム級タイトルマッチ、梅津奨利vs栗原慶太という大注目ファイト。

どちらも長いキャリアを持つ選手たちが、それぞれの「今」をかけてリングに上がります。スキルのぶつかり合いあり、KO必至の殴り合いあり、一夜で二つの異なる熱量を味わえる興行です。これは楽しみにしないわけにはいきません。

ということで今回のブログは、6/6(土)後楽園ホールで開催されるダイナミックグローブのプレビューです。

 

 

 

6/6(土)東京・後楽園ホール

WBOアジア太平洋スーパーライト級タイトルマッチ

李健太(帝拳)11勝(2KO)1分

vs

富岡樹(角海老宝石)14勝(5KO)6敗2分

李健太という選手を語るうえで、そのアマチュア経歴を避けては通れません。大阪朝鮮高校時代に62連勝という日本記録を打ち立て、高校6冠を達成。

112戦102勝という圧倒的な実績を引き提げてプロ入りしたサウスポーです。

プロでも着実にランキングを上げ、2024年4月には藤田炎村(ワタナベ)を判定で下して第46代日本スーパーライト級王座を獲得。

2025年3月のチャンピオンカーニバルでは無敗の指名挑戦者・渡来美響(三迫)を相手にダウンを奪われながらも9R負傷判定で退けました。今年1月にはWBOアジア太平洋スーパーライト級王座決定戦で元2冠王者の永田大士(三迫)を3-0の判定で下し、新たなタイトルを手にしています。

その李健太が今回迎えるのは、このWBO-APタイトルの初防衛戦。平岡アンディ(仲里)という世界レベルで戦える選手が国内スーパーライト級のトップに君臨するなか、李健太はそれに次ぐ存在として国内ナンバー2の地位を確固たるものにしつつあります。

今回の試合は、その評価をさらに高めるための大事な一戦です。

ただ、ボクシングというのは怖いもので、前回のダイナミックグローブを見れば、それは改めて思い知らされました。

WBOランキング1位まで上り詰め、世界挑戦が目前と思われていた藤田健児(帝拳)が、5月6日の後楽園ホールで武藤涼太(松田)にビッグアップセットを喫しました。あの藤田健児がです。

タイトルを持ち、評価を高めたこのタイミングで、すべてを失ってしまうことはままあります。同じ舞台を踏む李健太にとっても、今回は決して気を抜けない試合のはずです。

一方の富岡樹は、今回が実に4度目のタイトル挑戦です。

2018年7月に当時OPBF東洋太平洋ライト級王者だった中谷正義(大橋)に11RKO負けでプロ初黒星。2020年2月には吉野修一郎(三迫)の日本王座に挑んで8RTKOで跳ね返され、2022年6月は宇津木秀(ワタナベ)の日本タイトルにも挑戦するも8RTKOで敗れています。とにかくすごいタイトル挑戦歴ですね。

いずれも当時の国内トップと言える相手ばかりでした。負け数が積み重なっているのは事実ですが、その相手を見れば、この選手がどれだけ高い壁に挑み続けてきたかがわかるというものです。

その挑戦心は、素直に讃えたいと思います。

現在の富岡は、以前と比べて力強さも増しています。

 

 

 

角海老宝石ジムへ移籍後の富岡は、力強いスタイルにも適応しており、以前のスキルフルだが少々脆いというイメージとのハイブリッドスタイル。もともとのスキルに力強さをプラスし、厚みを増しています。

ディフェンスの良さとスピードは、王者・李健太本人も認めるところ。今回がラストチャンスになるかもしれない緊張感のなかで、4度目の正直を狙います。

この試合は、技術と技術のぶつかり合いになるのではないかと思います。李健太の鋭い左を中心にしたスタイルに対し、富岡がどれだけそこについていけるか。

そして、中間距離で優れないと判断すれば、富岡は前に出るのかもしれません。いや、最初からその敵わなそうな部分は捨てて、どファイタースタイルでいく可能性だってあります。

ただし、李健太がしっかり勝ちきると考えれば、崩すのは容易ではないでしょう。

断然、李健太優位の試合です。ただ、角海老宝石の選手というのは、こういう試合で何かを起こすことがあります。

それが過去の実績に裏打ちされた「諦めない姿勢」から来るのか、ジムの空気感から来るのかはわかりませんが、対戦相手として決して侮れない存在です。ラストチャンスの気持ちで臨む富岡の気合は、ただものではないはずです。

それでも個人的には、李健太にしっかり勝ってほしい。国内スーパーライト級を代表する選手として、説得力ある防衛を見せてくれることを期待しています。

 

 

 

日本バンタム級タイトルマッチ

梅津奨利(三谷大和)13勝(9KO)1敗3分

vs

栗原慶太(KOD LAB)20勝(17KO)9敗1分

梅津奨利が三谷大和スポーツジムから初の日本王者になったのは、記憶に新しいところです。

前々戦で大橋哲朗(真正)との王座決定戦を制し、悲願の初戴冠。ジム初の日本チャンピオン誕生は、地元・千葉県習志野市でも大きな話題になったことでしょう。

そして迎えた初防衛戦の相手が、元王者の富施郁哉(ワタナベ)。

優位と思われた試合でしたが、蓋を開ければ薄氷のドロー防衛でした。初防衛戦が鬼門となりかけた、あの緊張感。それを乗り越えて生き残った、という事実は非常に大きいと思います。

2度目の防衛戦、相手はもはや「古豪」と呼んでいい栗原慶太です。

梅津は13勝中9KOという高いKO率を誇るパンチャーであり、この試合に対する意気込みも十分でしょう。「倒すか、倒されるか」と本人も口にしているように、KO決着の色が濃い一戦です。

栗原慶太は、3度にわたりOPBF東陽太平洋バンタム級王座の獲得、というありえない経験したこの階級の古豪です。

20勝のうち実に17KO、勝数のKO率は85%超という圧倒的なハードパンチャーで、ここまでバンタム級でその強打を武器に戦い続けてきました。

今年3月、一力ボクシングジムからKOD LABへ移籍。内山高志会長のもとで「世界を目指す」と再出発を誓ったその矢先に、日本タイトルへの挑戦機会が巡ってきました。KODがこういったチャンスを創り出す能力は、先日の大嶋剣心のケースを見ても、本当に見事だと思います。さすが内山さん。

 

 

 

33歳の栗原にとって、今回はおそらく最後のチャンスに近いでしょう。それはおそらくメインに登場する富岡以上に、ラストチャンスという気持ちが強いのではないかと思います。

世界を目指して新天地に飛び込んだ男が、その最初のリングで何を見せてくれるのか。

ただ、打たれ脆さが最近の課題として見え隠れしているのも事実です。梅津の強打をまともに受ければ、どうなるかはわかりません。

この試合はKO決着になると思います。思いますっていうか、なります。

両者ともに強打の持ち主であり、梅津が持つ9KOという数字は、その打ち込みの精度の高さを物語っています。栗原が強打で先手を取るか、梅津がそのパンチをかいくぐって仕留めるか——どちらに転んでも、見応えのある試合になるはずです。逆に言えば、両者それぞれを応援するファンにとっては、非常に心臓に悪い試合になるはずです。

個人的には栗原のKO勝利に期待しています。

33歳の挑戦者が世界への道を切り拓く姿を見たい、という気持ちがあります。ただ、梅津の成長も本物であり、どちらが勝ってもおかしくない。

いずれにしても、どんな結果になっても感動を呼ぶ試合になるのではないかと思います。

6月6日(土)、後楽園ホール。スキルの火花と、ハードパンチの炸裂。どちらの試合も、目が離せません。

 

 

 

アンダーカードと配信情報

セミセミにはユーリ阿久井政悟(倉敷守安)も登場です。対戦相手は4勝(1KO)2敗のフィリピン人ですから、興味深いファイトにはならないはずですが、ここはしっかりと倒しきってほしいところですね。

ほかに東日本新人王予選が3試合、配信はU-NEXTです。

配信日時は6/6(土)17:30、なので18:30〜19:00の間にユーリ阿久井が登場、という感じですかね。

▼U-NEXTはこちらから

 

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【プレビュー】6/6(土)3150FIGHT!ウィリバルド・ガルシアvsアンドリュー・モロニー、ケネス・ラバーvsマイケル・アンジェレッティ!豪華アンダーカード!

週末は、すったもんだがあって開催されることになった3150FIGHT。

矢吹正道のパフォーマンスは大注目、そしてそのアンダーカードも超がつくほど豪華です。

注目度でいえばセミファイナルのルイス・ネリvsジョンリエル・カシメロの注目度が高いようですが、個人的には全然興味のあるファイトではありません。

それよりも、アンドリュー・モロニーに王座返り咲きを果たしてもらいたいし、ラバーvsアンジェレッティも注目です。

ということで今回のブログは、3150FIGHTのアンダーカードのプレビュー。

▼メインのプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

 

6/6(土)愛知県国際展示場

ルイス・ネリ(メキシコ)37勝(28KO)2敗

vs

ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)35勝(24KO)5敗1分

日本でも知名度のある、元王者同士の一戦。

しかしながら、両者ともにウェイトオーバーとPED(カシメロは疑惑)というコンボを完遂しています。

何がおもしろいのかわからない、悪童対決と煽られますが、ボクサーとは言えない者同士の戦いです。

ルイス・ネリについては改心傾向ですが、カシメロに至っては相手をナメてリングに上がり敗北を喫するなどすでにボクサーとしての性質を疑うべきところにきており、ボクシングという競技への侮辱行為で日本に呼ぶべきではないボクサー。

セミファイナルという位置はもったいないですが、これも話題性のみを追求した結果であり、3150FIGHTらしいといえばらしい。

 

 

 

IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ

ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)23勝(13KO)6敗2分

vs

アンドリュー・モロニー(オーストラリア)28勝(18KO)4敗

と、まあそんなセミファイナルよりも注目すべきはこの試合です。

ウィリバルド・ガルシアはキャリア初期に大変な苦労をしてきたボクサーであり、レネ・カリストに勝利して世界王座を初戴冠。

35歳で初戴冠ののち、昨年12月に寺地拳四朗(BMB)の挑戦を受ける予定でしたが、前日計量後にドクターストップという謎の出来事で棄権、試合を飛ばしてしまっています。

それ以前から待たされていたIBFの指名挑戦者、アンドリュー・モロニーを迎えて、ようやくの初防衛戦です。

そんな経緯があることから、やはりここはアンドリュー・モロニーを応援です。

モロニーは2019年にWBA世界スーパーフライ級暫定王座を獲得、のちに正規王者に昇格するも、その初防衛戦でジョシュア・フランコに敗れています。

その後中谷潤人(M.T)、ペドロ・ゲバラ(メキシコ)と世界タイトルを争う機会を得るも、結実せず。

もう35歳になるモロニーにとってはラストチャンス、そして最大のチャンスが巡ってきた、と言えそうです。

ただ、ガチャガチャとして読みづらく、エネルギッシュでアグレッシブなウィリバルド・ガルシアというボクサーは、モロニーという非常にオーセンティックなボクサーファイターにとっては大いに鬼門。

ボクシングスキルとしてはモロニーの方が上だとしても、勝てる補償はどこにもありません。

あのボクシングに巻き込まれ、倒されないまでも判定負け、という結果もみえる、かなり50-50に近いファイトだと思います。

モロニーの勝ち筋としてはガルシアの突進を捌き、巻き込まれない事。それにはガルシアの前進を止めるカウンターや、フィジカル、接近戦で負けないくらいの手数が必要になってくると思います。

おそらくガルシアの出方は変わらない(というか変えられない)のだから、これはモロニーが如何に対策を施し、如何に試合当日にそれを出せるか、また、バッティング等の不足の事態も起こるでしょうから、そこへの対応力、というところがカギになりそうです。

とにかくモロニーに頑張ってほしい。

ジェイソンは日本に良い思い出はないでしょうが、アンドリューは日本で良い思い出をつくってほしいところ。

 

 

 

IBF世界バンタム級挑戦者決定戦

ケネス・ラバー(フィリピン)17勝(12KO)無敗

vs

マイケル・アンジェレッティ(アメリカ)14勝(8KO)無敗

日本でおなじみ、ケネス・ラバー。

2024年にデカナルド闘凛生を初回TKOで降し、OPBF東洋太平洋バンタム級暫定王座を獲得すると、つづく栗原慶太との王座統一戦でも初回TKO、日本のボクシングファンにその名を轟かせました。

その後もルイス・コンセプシオンをはじめとして3連勝、現在5連続KO勝利と絶好調。荒々しくもパワーがあり、スキルをねじ伏せるコツを掴んでいるように見えます。

パッキャオ2世、なんて言われるボクサーは数多くいますが、今現在はもうこのラバーこそが最有力のボクサーなのかもしれません。

ケネス・ラバーは浪漫を持ったボクサーであり、我々日本のファンが応援しているボクサーが敗れている現実があっても、応援したくなるボクサーの一人ですね。

しかし、このマイケル・アンジェレッティというボクサーは、これまでラバーが戦ってきたボクサーとは、スキルレベルが一段異なるボクサーかもしれません。

ボクモバの予想を見ると、意外なことにラバーの勝利が88%、アンジェレッティはわずか12%と出ています。

これはさすがに、マイケル・アンジェレッティを知らなさ過ぎるのではないか、とも思います。

アンジェレッティはもともとアメリカのトップアマで、東京五輪出場を目指していましたが叶わず、2020年にプロデビュー。

PBCにプロモートされ、2022年にはPBCのプロスペクト・オブ・ザ・イヤーに選出されています。

その後現在はPRO BOX TVのリングで戦い、前戦でIBF USBAバンタム級タイトルを獲得。身長173cm(中谷潤人と同じくらい)とこの階級では大柄で、更にリーチは183cm(BoxRec)もあるらしい。

その状態で後ろ荷重、いわゆる黒人のスリックなボクシングをするのだから、これはかなりパンチを当てる事が困難なボクサーです。

駆け引きをしてしまうとおそらく当てることすら困難なボクサーですから、ラバーのようなボクシングはどちらかというと相性が悪くないかもしれません。ただし、ラバーの猪突に見える猛進が、アンジェレッティのボクシングを崩せるかどうかはまた別問題です。

スタイル・メイクス・ファイト。

これはどちらのスタイルが相手のスタイルを崩せるか、というファイトであり、ボクモバ予想なんてとんでもない、50-50のファイトだと思います。

どっちに転ぶかわからず、ハマった方が圧倒的に勝つ未来も見えます。

これはガルシアvsモロニーと同様、非常に楽しみなファイトです。

 

 

 

横山葵海(ワタナベ)4勝(1KO)無敗

vs

ビンス・パラス(フィリピン)24勝(18KO)4敗1分

ネクスト世界王者、と言われる横山のプロ5戦目は、またも日本でもお馴染みのビンス・パラス。

横山は2024年にプロデビュー、わずか3戦目でジーメル・マグラモ(フィリピン)を降してOPBF東陽太平洋スーパーフライ級タイトルを獲得。馬場龍成(EBISU)を退けて初防衛戦をクリアしたあとOPBF王座を返上し、プロ5戦目に臨みます。

ビンス・パラスは石澤開、京口紘人に勝利した経験もあるボクサーで、日本でもお馴染みですね。

パラスは京口にリベンジを許したあと、3連勝。スーパーフライ級に転級し、IBOのスーパーフライ級にチャレンジ。リカルド・マラジカ(南アフリカ)と対戦するも判定負け、その黒星からジェイセバー・アブシード(フィリピン)を降して再起に成功しています。

元王者、京口を降した経験こそありますが、やはり世界レベルの評価を得ているとはいえないパラス、これは横山にとって絶対に負けられない戦いです。

しかしながら、まだ若いパラスは、京口戦よりも更に成長している可能性もあり、その部分も含めるとかなりの強敵と言えるかもしれません。

世界王者を目指す横山にとっては、良いパフォーマンスを見せなければ行けない相手。しかし、対パラスにおいてそれができるか、が勝負。

目の覚めるようなパフォーマンスを期待したいところ。

その他のアンダーカードと配信情報

その他のアンダーカードは、岡朱里(ワタナベ)、目黒聖也、川村志樹(MR)が6回戦で登場。6/6(土)12:30からABEMAにて配信です。

2022MLB

 

 

 

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【プレビュー】いよいよ来週、矢吹正道vsレネ・カリスト!「矢吹ノックアウト劇場」開演なるか、そして「その次」!

紆余曲折あった、SAIKOULUSHあらため「3150FIGHT」まで残り一週間。

なんとか開催にこぎつけることができた、ということに対して、その努力は讃えられるものではあるのでしょうが、もともと自分の間いた種、結果的にはプラマイゼロ。そして、この興行だけに絞ってみても、試合直前に選手やファンを不安にさせたという意味ではマイナスと評価されるべき事でしょう。

ともかく、この興行が飛ばなくてよかった。キルギスで出場する予定だった選手は本当に残念ですが、3150プロモーションは組む相手を間違えた、ということは明白なので、今後の興行に活かしてもらいたいですね。急いては事を仕損じる、まさに典型だと思います。

ともあれ、本日のブログは矢吹正道vsレネ・カリスト、IBF世界フライ級タイトルマッチのプレビュー記事。6.6チケット】4月24日(金)15:00から販売開始! 好カード揃いの「SAIKOULUSH 8」をライブ観戦で!  |3150FIGHT公式サイト|プロボクシング興行イベント

 

 

6/6(土)愛知県国際展示場

IBF世界フライ級タイトルマッチ

矢吹正道(緑)19勝(18KO)4敗

vs

レネ・カリスト(メキシコ)24勝(10KO)1敗1分

33歳(試合の約1ヶ月後には34歳)にして充実度を増す、矢吹正道の、2度目の防衛戦。

2025年3月、アンヘル・アヤラ(メキシコ)を破って戴冠したこのタイトルを、同年12月27日、フェリックス・アルバラード(ニカラグア)に勝利して初防衛。

ともに終始相手を圧倒しての最終12RTKOという、全く隙のない勝利。

判定までいったとしても確実に勝利している、という状態の中、KOチャンスを逃さず、仕留めきったそのキラー・インスティンクトは本当に脱帽ものです。

2021年9月、当時の絶対王者、寺地拳四朗(BMB)に世界初挑戦、大激闘の末にタイトルをもぎ取るも、再戦でリベンジを許した矢吹。

しかしそこから6勝、しかも6連続KO勝利。拳四朗戦での黒星からの再起戦では現在のIBF世界ライトフライ級王者、タノンサック・シムシー(タイ)を7RTKOで退け、更に当時ライトフライ級最強と名高かったシベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)を9RTKOで降して世界王座への返り咲き。さらにこのIBF世界ライトフライ級王座を保持したままフライ級へ挑戦、前述のとおり2階級制覇を達成しています。

戦うたびに、驚くほどの強さをみせてくれる矢吹正道。

その真骨頂は、硬度の高いジャブ、そしてカウンター。

その根底にあるのは、痩身ともいえる肉体に備わったハードパンチです。

19勝中18KOという軽量級として破格のKO率を生み出しているこのパンチングパワーは、おそらくただのパワーというだけでなく、ナチュラルタイミングを有しているものだと思います。

キャリア初期、荒々しくもあったスタイルは今では洗練され、比較的慎重にもうつるファイトスタイルながらも、決めるところではしっかりと決めきる、そんな嗅覚をも持っています。

はっきり言って、今の矢吹には全く隙が見えません。「負けるところが想像できない」というのは、かつて井岡一翔や寺地拳四朗、そして井上尚弥に感じたもので、それと同じ感覚で今の矢吹を見ていられます。

傍から見れば「完成」と言っても良い矢吹正道。あとは、階級をさらに上げてどうなるのか、もしくは、年齢という有限のものが、彼にどれぐらいの影響を与えるのか、という所まで来ているのではないでしょうか。

個人的には、P4P目前、もしくは、入っていてもおかしくないボクサーだと感じています。

 

 

 

そんな矢吹に挑戦するのはレネ・カリスト、日本でも幾度か戦った、元世界タイトルチャレンジャーです。

カリストは非常にオーセンティックなボクシングをするボクサーで、メキシカンですが「技術」を大いに磨いてきたボクサーだと見えます。

マチズモを体現する、というよりも、ボクシングのきれいなボクサーで、非常にバランスのとれた戦い方をします。

2024年12月、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦で、現王者のウィリバルド・ガルシア(メキシコ)と対戦。

ガチャガチャとくるガルシアに対応しきれず、(少なくとも私には)大いに逃げ回ったように見えたカリストでしたが、判定はまさかのドロー。

たぶん、カリストはこの手の、「駆け引きをさせてくれない」タイプのボクサーは苦手かと思われ、2025年5月の再戦ではガルシアに判定負け、タイトル獲得はならず。

ただ、初戦の後半からはガルシアに対しても少しずつ対応しているように見えたので、やはり対応力、引き出しの多さがあるボクサーだと推察されます。このガルシア戦を経て、カリストは一段階、レベルアップをしたはずです。

このガルシア第2戦、初黒星からカムバックしたカリストは、2025年12月に再起戦をKOで勝利。3度目となるタイトル挑戦、4度目となる日本でのファイトに臨みます。

 

 

 

矢吹正道劇場を期待

さて、個人的には、カリストはここ最近の矢吹の対戦相手からすれば、一段落ちるボクサーだと思っています。

それは、ウィリバルド・ガルシアをあまり評価していない、ということにも起因していますが。

ガルシアのボクシングは非常に対応しづらいものではありますが、そうはいっても2度にわたり(実質)負けている、というのはカリストにとってはマイナスポイントに映ります。

そこにきて、挑むのが大充実の王者、矢吹正道、となると、カリストにとって荷が重い。

対ガルシアはスーパーフライ級、今回はフライ級、ですが、もともとカリストはパワーで押し切るタイプではないので、この階級ダウンの影響が大きくプラスに出るか、というとそうでもないし、たとえ1階級ダウンしたとしても、矢吹のパワー(タイミングを含め、効かせる能力という意味において)は、間違いなくガルシアを上回るはずです。

なのでもちろん、この試合で期待したいことは、矢吹正道の圧倒的なノックアウト勝利。

長い距離から中間距離で上回り、ジャブがビシバシと当たり、ハイライトで流れるような美しいノックアウト。この結末を、期待せずにはおれません。

と、こうなると、我々ですらそうなのですから、やはり矢吹のモチベーションも心配になってきます。

ここが王座を防衛し続ける事の難しさ、というものでしょうが、決して、このレネ・カリストは矢吹の望む相手ではないはずです。しかし、このカリストをクリアしなければ、「その次」はなくなります。

 

 

 

矢吹の望む「次」

試合前から矢吹が公言しているのは、王座統一戦、もしくは3階級制覇です。

実現可能性がどうか、ということを見てみると、まず王座統一戦の場合、WBA・WBC王者のリカルド・サンドバル(アメリカ)、WBO王者のアンソニー・オラスクアガ(アメリカ)。

サンドバルは寺地拳四朗から王座を奪ったあと、WBC暫定王者のガラル・ヤファイとの王座統一戦が決定、丁度この週末(現地時間で6/6)に挙行される予定でした。

これはフライ級が盛り上がるタイミング、と思っていましたが、ヤファイが怪我によりこの試合はキャンセル、サンドバルの次戦は宙に浮いています。

もう1人の王者、アンソニー・オラスクアガは帝拳プロモーション、この試合は非常に興味深いものではありますが、矢吹が3150FIGHTにいる限り、交わる可能性は低そうです。

なので、「この次」に、サンドバルとの3団体王座統一戦が決まれば、矢吹の願い通りになる、ということでしょうが、もっと実現可能性が高いのはスーパーフライ級へ進出しての3階級制覇です。

現在、WBA・WBC・WBOの3つの団体を、ジェシー「バム」ロドリゲスが保持しており、IBFのみ、ウィリバルド・ガルシアが保持している状況。

バムの動向は、今後バンタムに上がり、その勝ち方次第ではスーパーバンタムにあげて井上尚弥挑戦、という異次元のキャリアプランを持っているので一端無視したとして、やはり興味深いのはこの6/6(土)の3150FIGHTのアンダーカードに、IBF世界スーパーフライキュタイトルマッチ、ウィリバルド・ガルシアvsアンドリュー・モロニーがセットされていることです。

わざわざこの試合を日本でやる意味、というのは、ここでお披露目の上、その次に矢吹正道vs「ガルシアvsモロニーの勝者」という青写真があったからではないでしょうか。

ストーリーとしては、完璧。

しかし今や、それを実現する元手がない、という状況。

胡散臭い輩が去り、それはそれで一つ良い事なのですが、3150プロモーションの資金ではこの試合の開催は難しいでしょう。

ここでもおそらく救い主はABEMAで、今回の興行だけでなく、矢吹の「その次」、3階級制覇まで(とあとその後)しっかりとフォローアップしてもらいたい。

間違いなく、救世主はABEMA。

今回、6/6の興行が無事に開催できたならば、おそらく亀田興毅のプロモーターライセンスにはサスペンドはつかないはずです。(キルギスはJBC管轄ではないため)

そうなると、あとは亀田氏が興行にちゃんとボクサーを集められるかどうか、という点と、カネを捻出できるかという点にかかっています。

そんなわけで、ABEMAのバックアップに期待しつつ、矢吹の次戦に大きな希望を抱き、ともかくこのレネ・カリストを相手にスペクタクルなノックアウト勝利を期待して見たいと思います。

 

 

 

配信情報

この興行は、アンダーカードにルイス・ネリvsジョンリエル・カシメロというほぼエンタメファイトみたいな試合と、ウィリバルド・ガルシアvsアンドリュー・モロニーのIBF世界スーパーフライ級戦、そしてIBF世界バンタム級挑戦者決定戦としてケネス・ラバーvsマイケル・アンジェレッティなる大変興味深いカードが組まれ、横山葵海vsビンス・パラスというホープの実力を測るに非常にわかりやすいカードが組まれています。

その他にも6回戦が3試合と長時間興行が確定の3150FIGHT、6/6(土)12:30からABEMAにて配信です。

 

2022MLB

 

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【プレビュー】オシャーキー・フォスターvsレイモンド・フォード!スキルと爆発力、最後まで目が離せない!

スーパーフェザー級は今、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)が2団体の王座を統一し、この階級の頂点に君臨しています。

先日のエドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)との統一戦でも会心の勝利を収めたナバレッテが、現時点においてこの階級のNo.1であることは疑いようがない。

しかし、だからこそ、この試合の勝者に向けられる視線は熱いものになるのではないかと思います。

スキルのある者同士がぶつかり、どちらが上であるかを証明する。

その答えがここにあるような気がするのです。ということで今回のブログは、5/30(日本時間5/31)に行われる、WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、オシャーキー・フォスターvsレイモンド・フォードのプレビューです

 

 

 

フォスター vs フォード : ローンチ記者会見 【Foster v Ford】

5/30(日本時間5/31)アメリカ・テキサス州ヒューストン

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

オシャーキー・フォスター(アメリカ)24勝(12KO)3敗

vs

レイモンド・フォード(アメリカ)18勝(8KO)1敗1分

「アイスウォーター」の異名を持つオシャーキー・フォスターについては、以前このブログでもその浮き沈みを書きました。

キャリア序盤に無名の相手へ2度の敗北を喫し、エリートへの舗装された道を自ら閉ざしてしまったかのように見えたあの男が、泥臭く這い上がってここまで来た。そのストーリーは今も変わらず、このボクサーを応援したくなる理由のひとつです。

boxingcafe.hatenablog.com

 

2023年2月、2階級王者レイ・バルガス(メキシコ)との王座決定戦で見事な判定勝利を収めてWBC王座を獲得。初防衛戦では大差で負けていた12ラウンドに逆転KOという信じられない試合を見せ、そしてロブソン・コンセイソン(ブラジル)との一戦では物議を醸す判定負け、そのリマッチでは際どい判定でベルトを奪還。

前戦のスティーブン・フルトン(アメリカ)戦では117-111、118-110、119-109という大差のスコアで圧勝し、自身最高のパフォーマンスを見せました。

バルガス、エドゥアルド・エルナンデス、アブラハム・ノバ、コンセイソン、フルトン。これだけの名前を並べて見せることのできるレジュメは、このフォスターの苦労人としての歩みを考えると、感慨深いものがあります。

32歳を迎えた今、このボクサーはおそらくキャリアのピークにいると言っていいのではないでしょうか。しかも今回は、地元テキサス州ヒューストンでの世界王者として迎える初防衛戦。そのアドバンテージも含めて、非常に楽しみな一戦です。

 

 

 

一方で挑戦者、「サベージ」のニックネームを持つレイモンド・フォードは、サウスポーのテクニシャン。2024年3月、オタベック・ホルマトフ(ウズベキスタン)との空位のWBAフェザー級王座決定戦において、2枚のジャッジに106-103でリードされながら残り7秒に逆転TKO勝利という、信じられないドラマを演じてみせた男です。

初防衛戦ではニック・ボール(イギリス)に物議を醸すスプリット判定で王座を失ったものの、スーパーフェザー級に転級してからはオーランド・ゴンザレス(プエルトリコ)、トーマス・マティス(アメリカ)、そしてエイブラハム・ノバを立て続けに判定で退け、この階級でも十分に戦えることを証明しました。まだ27歳、先があるボクサーです。

フォードのスタイルは、フットワークとカウンターを軸にした頭脳派のボクシング。ホルマトフ戦の逆転劇が象徴するように、土壇場での集中力と勝負強さも持っています。

フォスターにとって、全くもってイージーとは呼べない相手。間違いなく、強敵といえるでしょう。

フォスターvsフォードは、純粋なスキル対決になるのではないかと思います。

両者ともKO率が高いわけではなく、むしろ技術と駆け引きで相手を上回ることを得意としている。ならばこの試合は、12ラウンドを通じた知力の戦いになるのではないでしょうか。

 

 

 

サウスポーのフォードに対し、フォスターがどう距離を取るか。フォスターはコンセイソン(ブラジル)という難しいサウスポーと2度戦い、1度目は疑惑の判定で負け、2度目は勝利しています。その経験値はこの試合においても活きてくるはずです。

一方のフォードからすれば、フォスターはこれまで対戦してきた相手とは別次元の難しさがあるでしょう。オーソドックスのフォスターが作り出すアングル、プレッシャー、そして随所に見せる勝負強さ——それをどう攻略するか。フォードにとってはキャリア最大の試練です。

ナバレッテがこの階級のNo.1であるとすれば、この試合の勝者はそれに勝るとも劣らない評価を手にすることになるのではないかと思います。

両者ともにナバレッテと肩を並べるレベルの強豪を倒してきた実績があり、この試合の結果はこの階級の勢力図に直結します。

個人的には、フォスターに勝ってほしい。地元の声援を背に、最高のパフォーマンスを見せてくれることを期待しています。

いずれにしても、技術戦をベースとしながらも、ともに絶望的な状況から逆転KOを、それも大舞台でやってのけた経験のあるボクサー。

12Rをフルに戦う、という可能性が大きいものの、最後の最後まで本当にスリリングな戦いが見られそうです。

 

 

 

アンダーカード注目カード

さて、メインイベントとともに楽しみなのがアンダーカードです。

co-mainには、今年4月にマッチルームとの長期契約を結んだチャーリー・シーヒー(アメリカ)が登場。

12勝(7KO)無敗のシーヒーは、今回がマッチルームデビュー戦であり、かつプロ初のWBA NABAライト級タイトル戦、さらには初の10ラウンド戦と、いくつもの「初めて」が重なる一戦になります。

27歳、ライト級のプロスペクトとして注目を集めるシーヒーが、対戦相手のハレット・ゴンザレスを相手にどんなパフォーマンスを見せるか。まだ試される段階の試合ではありませんが、良い勝ち方をしてほしいところです。

そしてパリ五輪銅メダリスト、オマリ・ジョーンズ(アメリカ)も登場します。6勝(4KO)無敗と順調にキャリアを積み重ねているジョーンズは、今回がプロ2度目の8回戦。

対戦相手のアラン・サンチェス(メキシコ)は24勝(10KO)7敗1分のベテランであり、経験の差をどうひっくり返すかという試合になるでしょう。こちらも、良いボクシングを見せてくれることを楽しみにしています。

スキルのある者同士の真剣勝負、さらにはプロスペクトたちの成長も見られる、非常に楽しみな興行ですね。

 

 

 

配信情報

配信は、もちろんDAZN。配信開始は日本時間5/31(日)9:00〜で、おそらくメインはお昼頃になるでしょう。

地味とも言える対決だから、あまり日本では楽しみに待つファンは少ないかもしれません。ただこの試合は、今後のスーパーフェザー級において非常に重要な試合です。

朝、一応ビボルvsエイフェルトを見て、メインはこちら。

ヒリヒリするような試合が見れるはずです。

 

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【プレビュー】今週末もP4Pが登場、ドミトリー・ビボル is Back!vsミカエル・エイフェルト、ロシアで起きるアップセットの可能性。

さて、今週末もP4Pボクサーが登場する興行があります。

日本時間5/31(日)、ロシア・エカテリンブルクで行われるのは、ドミトリー・ビボルvsミカエル・エイフェルトのライトヘビー級タイトルマッチです。

ビボルは2025年2月、アルトゥール・ベテルビエフとの再戦で勝利し、4団体統一を達成したものの、その後WBC王座を返上。デビッド・ベナビデスとの指令試合を回避し、背中の手術を経て約15ヶ月ぶりのリング復帰となります。

対するエイフェルトは、2023年3月にジャン・パスカルを破ってIBF指名挑戦者の地位を獲得してから3年以上、ひたすらこの機会を待ち続けてきました。

ということで今回のブログは、日本時間5/31(日)に行われるビボルvsエイフェルトのプレビュー記事です。Things you didn't know about Michael Eifert

 

 

 

5/30(日本時間5/31)ロシア・エカテリンブルク

IBF・WBA・WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ

ドミトリー・ビボル(キルギス)24勝(12KO)1敗

vs

ミカエル・エイフェルト(ドイツ)13勝(5KO)1敗

この試合は、ビボルにとって復帰戦であり、エイフェルトにとってはキャリア最大のチャンスとなる一戦です。

ドミトリー・ビボル(ロシア)は35歳、24勝(12KO)1敗という戦績を誇ります。2024年10月、ベテルビエフとの初戦で唯一の黒星を喫したものの、その4ヶ月後の再戦では判定でリベンジ。一時は4団体統一王者となりましたが、その後WBC王座を返上し、現在はIBF・WBA・WBO・The Ringの4つのベルトを保持しています。

前戦から15ヶ月という長いブランクは、背中の椎間板ヘルニアの手術によるもの。この手術が彼のパフォーマンスにどう影響するのか、それとも十分に回復しているのか、これが今回の試合の大きな注目ポイントと言えるのではないでしょうか。

ビボルのスタイルは、正確無比なジャブと巧みなフットワーク、そして高いボクシングIQに支えられたテクニカルなもの。2022年5月、当時無敗だったカネロ・アルバレスを完封した試合は、彼の技術力の高さを世界中に知らしめました。距離を完璧にコントロールし、相手に何もさせないボクシングは、まさに教科書のようなものです。

しかし今回は復帰戦。35歳という年齢、そして背中の手術という大きな不安要素を抱えての戦いとなります。果たしてあの完璧なムーブメントは健在なのか、それとも衰えが見えてしまうのか。エイフェルトにとっては、このブランクこそが最大のチャンスかもしれません。

 

 

 

ミカエル・エイフェルト(ドイツ)は28歳、13勝(5KO)1敗という戦績。異名は「Diesel(ディーゼル)」です。

エイフェルトのキャリアで最も印象的だったのは、2023年3月のジャン・パスカル戦でしょう。当時40歳のパスカルは全盛期を過ぎていたとはいえ、元2階級制覇王者。その経験豊富な強豪を相手に、当時まだ無名の(今もか?)エイフェルトはよく戦い、118-110、115-113、117-111の判定勝利を収めました。

この勝利でIBF指名挑戦者の地位を手に入れたエイフェルトでしたが、そこからが長かった。当初はベテルビエフの指名挑戦者だったものの、ベテルビエフvsビボルの統一戦が優先され、その再戦も行われ、結局3年以上も待たされることになったわけです。

その間、エイフェルトは2024年8月にカルロス・ヒメネスと対戦し、2ラウンドTKO勝利。ブランクを最小限に抑えながら、この大舞台を待ち続けました。

エイフェルトの最大の武器は、その手数の多さと回転力でしょう。一発で倒すパンチ力があるわけではありませんが、運動量が多く、上下の打ち分けも巧い。回転力のあるボリュームパンチで相手を圧倒していくスタイルで、かなりアグレッシブなボクサーです。ただし、大きく距離を取ることもあり、単純な突進型ではありません。

どちらかというと近い距離が得意そうなエイフェルトですが、ビボルのような超一流のテクニシャンと戦った経験はほとんどありません。パスカルは確かに元王者でしたが、40歳という年齢を考えれば、あの試合でエイフェルトが見せたパフォーマンスがそのままビボル戦で通用するとは言い難いかもしれません。

 

 

 

この試合の展開は、おそらくビボルが距離をコントロールし、エイフェルトが手数で圧をかけ続ける、という構図になるのではないでしょうか。

エイフェルトにとって最大のチャンスは、ビボルの復帰戦というタイミング。手術明けの体がどこまで動くのか、15ヶ月のブランクがリングカンを鈍らせていないか。もしビボルに衰えが見えれば、エイフェルトのハイボリュームなパンチがビボルを嫌がらせることができるかもしれません。

しかし、ビボルが万全であれば、中間距離でアウトボックスされてしまう可能性が高いと思います。エイフェルトとしては、そのハイボリュームなパンチでビボルに近づき、近い距離で勝負を挑むしかないのではないでしょうか。

オッズはもちろんビボルが大きく優勢でしょう。しかし、3年以上待ち続けたエイフェルトの執念、そしてビボルの復帰戦という不確定要素を考えれば、一方的な試合にはならない可能性もあるのではないでしょうか。

久々のビボルのリング、そして悲願のタイトルショットに挑むエイフェルト。

ビボルとしては苦戦も許されない試合に位置づけられるところですが、不安要素もあります。

ビボルはこの試合に勝てば、WBOの指名戦となるカラム・スミス戦が待っているとのこと。統一王者が長く休んでしまうと、指名戦に次ぐ指名戦となりますね。

もうウシクなみに意味不明ファイトをしても良い頃あいかもしれないドミトリー・ビボル、まだまだ忙しいですね。

 

 

 

配信情報

この試合は、DAZNで配信されます。

配信時間は、日本時間5/31(日)0:00スタート。

メインイベントの開始は午前4時頃、という情報を見かけましたが、よくわかりません。

 

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【プレビュー】キーショーン・デービスvsナヒール・オルブライト2!因縁ノリマッチと、ブライアン・ノーマンJrの再起戦はWOWOW!

世界ボクシングのストリーミング界を牛耳るのは、もちろんDAZNです。

世界がここまでDAZNに牛耳られているにも関わらず、世界中でもかなりアツいファイトをみせる日本ボクシング界のプロモーターは、どこもDAZNと契約していません。もしくは、できていません。

きっとDAZNで配信されれば、もっともっと話題になる試合は多いはずです。

そんな「世界中にボクシングを届けられている」DAZNの軍門にくだったトップランク、いよいよ初回興行を迎えます。

メインイベントはキーショーン・デービスvsナヒール・オルブライトの再戦、セミファイナルにはブライアン・ノーマンJr.の復帰戦です。

日本ではWOWOWエキサイトマッチで放映、DAZNでの配信はなさそうですね。

ということで今回のブログは、キーショーンvsオルブライト2、トップランク興行のプレビュー記事。

Keyshawn Davis Vows To Finish Nahir Albright In Rematch

 

 

 

5/16(日本時間5/17)アメリカ・ノーフォーク

キーショーン・デービス(アメリカ)14勝(10KO)無敗

vs

ナヒール・オルブライト(アメリカ)17勝(7KO)2敗1分

メインイベントは曰く付きの再戦です。

両者は2023年10月に戦い、結果はノーコンテスト。

当初は僅差の判定でキーショーン・デービスが競り勝ちましたが、その後、キーショーンに薬物反応が出た、ということでノーコンテストに変更になっています。

この薬物反応というのはマリファナで、ステロイド等のパフォーマンス向上薬とはちょっと違いますね。だからセーフというつもりはありませんが、キーショーンがオルブライト戦に際して勝利のために薬物摂取をした、ということではなさそう、という感想です。

さて、ともあれ、このオルブライトは、当時大きな期待を受けていたプロスペクトだったキーショーンを、これまでのプロキャリアで最も苦しめた、追い詰めたボクサーであることに変わりありません。

このオルブライト戦のあと、キーショーンはホセ・ペドラサ、ミゲル・マドゥエノ、グスタボ・レモスを撃破してタイトル挑戦、デニス・ベリンチクに4TKO勝利してWBO世界ライト級タイトルを初戴冠しています。

しかしその初防衛戦で2kg近くの計量オーバーを叩き出し、タイトルを失ったキーショーン。天狗になっていたのか何なのか。

初防衛戦でジャーメイン・オルティスを最終12RTKOで退け、残念ながらその強さを見せつけています。

対してオルブライトは、キーショーンとのノーコンテストを演じたあと、1年半のブランクをつくり、キーショーンの兄、ケルビン・デービスと対戦。キーショーンとの戦いでその強さを示して「しまった」オルブライトは、一気に試合を組みづらい強豪という扱いになってしまったようですね。

 

 

 

この久々のリング復帰で、ケルビンを破るというアップセットを起こしたオルブライトは、その8か月後、フランク「ゴースト」マーティンと引き分け。

このスーパーライト級でも、その存在感は健在です。

キーショーンにとっても楽な相手ではない、ナヒール・オルブライト。

様々なスペックはキーショーンの方が勝り、第一戦の時と比べてより経験を積んできたのもキーショーンのはずです。

更に、今回のキーショーンには(普通に考えれば)油断はなく、集中力は高いはず。

そのキーショーンをしてなお、苦戦させること、もしくは勝利を手にすることができるか、ナヒール・オルブライト。

一度勝利している、というだけでなく、やはりオッズで優位に立つのはキーショーンでしょう。

これは非常に楽しみですね。

ブライアン・ノーマンJr(アメリカ)28勝(22KO)1敗

vs

ジョシュ・ワグナー(カナダ)19勝(10KO)2敗

ブライアン・ノーマンJr.というボクサーは、波にのっているときとそうでないとき、大いにパフォーマンスが違うボクサー、なのかもしれません。

世界タイトル獲得直前、2023年頃は微妙な試合が続きましたが、2024年5月のタイトルショット、ジョバンニ・サンティリャン戦では一気に開花。

オッズは不利の中、10RKOでWBO世界ウェルター級暫定王座を獲得すると、正規王者となってからの初防衛戦ではデリック・クエバスを3RTKO、そして来日して日本期待の佐々木尽を何度もマットに沈めての5RKO勝利。

 

 

 

この間、3連続KO勝利と波にのっていたノーマンですから、続くビッグマッチ、デビン・ヘイニー戦でも大きな期待がありました。

しかし蓋を開けてみれば、2Rにダウンを奪われ、完敗。

この試合、ノーマンは全く自分のボクシングができていないように見えました。当然それはヘイニーのスキルによるものなのでしょうが、リヤドという場で、ビッグマッチ、注目試合に慣れのないノーマンは、平常心ではいられなかったのかもしれません。(という願望)

さて、対戦相手のジョシュ・ワグナーというボクサーは、過去にIBFインターナショナルタイトルを獲得した経験のあるボクサー。地域タイトルのホルダーレベル、というに相応しく、このインターナショナルタイトルを獲得後、デビッド・パポットに敗れて初黒星を喫し、その後の再起戦で勝利も、昨年11月、ハーレム・ユーバンクに判定負けを喫しています。

パポットというボクサーは、ワグナーに勝利のあとリアム・パロに敗戦しているボクサーですね。

なのでこのことを鑑みると、このワグナーは当然トップボクサーの一員ではないのですから、ノーマンとしてはここは軽くあしらうぐらいのパフォーマンスでなければ期待が持てません。

世界王者となってようやく日の目をみはじめようかという所で敗れたノーマン。ここは圧倒的な勝ち方を期待したいところですね。

 

 

 

ケルビン・デービス(アメリカ)vsピーター・ドブソン(アメリカ)

前戦でナヒール・オルブライトに敗れたケルビン・デービスの復帰戦です。

その初黒星を喫した試合と同じく、故郷ノーフォークのリングに登場するケルビンは、今度こそ地元でファンに勝利を届けなければなりません。

対するドブソンは、2024年にコナー・ベンと戦っていますね。

結果はフルマークに近い0-3の判定負け、その後2連敗して合計3戦連続での敗戦を経験しています。

今年3月、キャリアの少ない相手と戦ってようやく再起戦をクリア。この試合は1RKOだったようなので、その調子が戻ったか、というと不明ですね。

ドブソンにとっては、ここで勝てば一気に名が売れる一戦。一方で、ケルビンは、この明らかに格下の相手に対して、絶対に2連敗は避けたいはず。

この場合、試されるのはおそらくケルビン・デービスのメンタル面であり、ここに勝って弟に繋げられるか。

 

 

 

ヤン・サンタナ(ドミニカ共和国)vsクリスチャン・クルス・チャコン(メキシコ)

16戦全勝、13KOというレコードをもち、「デンジャラス」のニックネームを持つヤン・サンタナ。

24勝(12KO)7敗2分のメキシカン、という相手であれば、どうやってもこのサンタナの爆発を期待してしまいます。

但し、このクリスチャン・クルス・チャコンというボクサーは、前戦でムハマド・ヤクボフと引き分けているのですから、なかなかの実力があるボクサーということではないでしょうか。

このサンタナは、ドミニカからたまに出てくるパンチャータイプのボクサーで、倒せるボクサー。これまで強豪との対戦はほとんどありません。強いて言えば、アーロン・アラメダ(世界挑戦経験あり、とはいえアラメダの世界戦は王座決定戦)ぐらいでしょうか。

ともあれ、「無敗」というのは魔力がありますね。

サンタナがどんなボクシングを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

 

 

 

配信情報!

その他には、もちろん(?)ケルビン、キーショーンの弟であるケオン・デービスも登場です。まだまだメインイベンターに上がってくるまでには時間がかかるのでしょうが、2024年のデビュー戦を判定勝利で飾ってから3連続KO勝利中で、4勝(3kO)無敗の戦績です。

こちらも楽しみにしておきましょう。

配信は、日本ではWOWOWオンデマンドがライブ配信。配信日時は5/17(日)9:00の開始で、メインイベントのリングウォークはお昼頃でしょう。

翌日、5/18(月)21:00からのレギュラー放送でも放映されるようですね。

▼WOWOWはこちらから▼

WOWOWオンデマンド

 

 

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【プレビュー】英国ヘビー級(準)最強決定戦!ファビオ・ウォードリーvsダニエル・デュボア!米国では中野幹士に勝ったライース・アリームがアンジェロ・レオに挑むフェザー級TM!

さて、今週末もボクシングがアツい。

週末、日本時間5/10(日)には、2つの注目ファイトが開催されます。

ひとつはイギリス・ロンドンで行われる英国ヘビー級の覇権を争うファビオ・ウォードリーvsダニエル・デュボア、もうひとつはアメリカ・ニュージャージー州ニューアークで行われるアンジェロ・レオvsライース・アリームのIBF世界フェザー級タイトルマッチです。

 

 

 

Fabio Wardley, Daniel Dubois Set for WBO Collision

5/9(日本時間5/10)イギリス・ロンドン

WBO世界ヘビー級タイトルマッチ

ファビオ・ウォードリー(イギリス)20勝(19KO)無敗1分

vs

ダニエル・デュボア(イギリス)22勝(21KO)3敗

この試合は、事実上の英国ヘビー級最強決定戦、もしくは最強一歩手前の決定戦と言えるのではないかと思います。

最強はタイソン・フューリーとの見方もありますが、やや不安定なところもある上、アンソニー・ジョシュアと戦ったらまた引退するかもしれません。

そう考えると、モーゼス・イタウマがものすごい勢いで迫ってきてはいるものの、この試合は英国ヘビー級の覇権を争う戦いと言えるでしょう。

ファビオ・ウォードリー(イギリス)は31歳、20勝19KO無敗1分という戦績を誇ります。無敗を守り続けており、19KOという高いKO率が示す通り、圧倒的なパワーを持っていますね。

前戦では元王者ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)を11RTKO、その前はジャスティス・フニ(オーストラリア)に大逆転の10RKO勝利、その前は一度は引き分けたフレイジャー・クラーク(イギリス)を1Rでノックアウト。

ウォードリーの勢いは本当に素晴らしく、現在の英国ヘビー級で最も勢いのあるボクサーと言っても過言ではないかもしれません。

その魅力はなんといっても一発のパンチングパワー、特にジャスティス・フニ戦で見せたあの破壊的な一発は、彼のキャリアの中でも最上のものです。

ダニエル・デュボア(イギリス)は28歳、22勝21KO3敗です。年齢的にはデュボアの方が若く、経験値という点でもデュボアが上回っているのではないでしょうか。2024年9月、ウェンブリー・スタジアムでアンソニー・ジョシュアと対戦し、5RKO勝ちという衝撃的な勝利を収めました。

その前も当時無敗のフィリップ・フルゴビッチ、そして同じく当時無敗のジャレル・ミラーにノックアウト勝利。

その素晴らしい3連勝を挟むようにオレクサンドル・ウシクにTKO負けを喫しているものの、2020年、世界タイトル獲得前にジョー・ジョイスに敗れた時とは異なり、間違いなくヘビー級トップレベルの実力を示しています。

ジョイスに敗れた時は精神面での弱さを指摘されたデュボアですが、大舞台でジョシュアを何度も倒したあの試合は、そのメンタル的な弱さを克服したとも捉えられる出来事。

 

 

 

今回も大きな試合ではありますが、踏んできた場数はデュボアが上回る用に思います。

このウォードリーvsデュボアは50-50の戦いで、かつ、KO決着必至のファイトだと思います。

両者ともパンチ力に優れており、慎重にポイントを取り合うような展開にはならないでしょう。

ガンガン前に出るウォードリーと、どちらかというとカウンター狙いというデュボア、という構図になる可能性が高いのではないでしょうか。

これまでの試合を考えると、これまで幾度かダウンを経験しているデュボアが倒される姿は想像できます。ことウォードリーのような強打者との打ち合いになれば、そのリスクはより大きいでしょう。

しかし、ウォードリーに関してはまだ倒されるイメージが沸きません。無敗を守り続けてきた実績、そして誰も止められなかった勢い、それがウォードリーの強みなのかもしれませんね。

ただし、デュボアの経験値、特にジョシュアという超大物を倒した経験は、ウォードリーにとって未知の領域かもしれません。

ウォードリーはまだウェンブリー・スタジアムのような大舞台で、世界的ビッグネームと戦ったことはありません。その意味で、デュボアの経験の差が試合を左右する可能性もあるのではないでしょうか。

どちらが勝つにせよ、英国ヘビー級の未来を占う重要な一戦になることは間違いないでしょう。

 

 

 

LeoAleem

5/9(日本時間5/10)アメリカ・ニュージャージー州ニューアーク

IBF世界フェザー級タイトルマッチ

アンジェロ・レオ(アメリカ)26勝(12KO)1敗

vs

ライース・アリーム(アメリカ)23勝(12KO)1敗

フェザー級タイトルホルダーの中では、比較的「穴」王者であるアンジェロ・レオ(アメリカ)。

非常にエネルギッシュでアグレッシブなボクサーですが、ここはアリーム優位かもしれません。

レオは2020年8月、トレメイン・ウィリアムスを退けてWBO世界スーパーバンタム級タイトルを獲得。これはもともとスティーブン・フルトンとの決定戦でしたが、直前でフルトンが(コロナでしたっけ?)で離脱、代役のウィリアムスと戦った、という経緯。

その後の初防衛戦ではフルトンを迎え、ほぼフルマークで敗北、タイトルを失っています。

その後、復帰してから4連勝してIBF世界フェザー級王座に挑戦する機会を得ます。

しかしこの戦いは、当時フェザー級最強とも謳われていたルイス・アルベルト・ロペスへのチャレンジであり、レオは明らかなアンダードッグでした。

なのでこの試合には世界が驚きましたね。

蓋を開けてみればレオはロペスを10RKO、どこかロペスの調子は悪そうでしたが、ロペスはこの試合で脳出血という大ダメージを負いました。もしかすると、トレーニング中から何かしらトラブルがあったのかもしれません。

レオのスタイルは前に出てプレッシャーをかけ、ボディワークで相手を削っていくというものです。特にボディブローは強力で、相手のスタミナを奪いながらガードを下げさせ、そこから上への強打を叩き込むというパターンを得意としています。

エネルギッシュに前に出続ける姿勢は魅力的ですが、このスタイルがアリームに通用するかどうかが鍵になるのではないかと思います。

 

 

 

レオは良いボクサーですが、あまり尖ったものはなく、まだまだその評価は高いとは言えません。

ライース・アリーム(アメリカ)はもう35歳ですが、プロスペクト時代から期待されていたボクサーの一人。

ただ、マッチメイクには恵まれず、2011年にプロデビューするも良い相手と戦い始められたのは2020年頃の話であり、本当に下積みが長かったボクサーです。

この頃、アダム・ロペス、ビック・パシージャス、エドゥアルド・バエス、そしてマイク・プラニアといった好戦績のボクサーたちを降し、ようやくたどり着いたIBF世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦。

しかしこの2023年6月に行われた挑戦者決定戦で、サム・グッドマン(オーストラリア)に判定で敗れて初黒星を喫しました。

グッドマン戦では、アリームらしいアグレッシブなスタイルで挑みましたが、グッドマンの巧みなディフェンスとカウンターに苦しんでいます。この敗北は、アリームにとって大きな痛手でしたが、同時に学びの機会でもあったのではないでしょうか。

そこから巻き返して、前戦では挑戦者決定戦で中野幹士(帝拳)を判定で降しています。

この試合が非常に興味深いもので、今まで見せたことのないようなアウトボクシング、という大胆な戦略で中野を空回りさせてみたアリーム、そう考えると非常にタフでもあるかもしれませんね。

中野はマノス・デ・アセロ(鉄の拳)と呼ばれるほどの強打者で、これまで多くの対戦相手を倒してきました。しかし、アリームは距離を保ちながらジャブとストレートで的確にポイントを積み重ね、中野の強打をかわし続けました。

12R戦い抜いたという事実が、アリームのタフネスとボクシングIQの高さを証明したのではないでしょうか。

アリームは今回、ボックスするのか、それともファイトするのか。中野戦のようにアウトボクシングで試合を組み立てるのか、それともレオのプレッシャーに対して真っ向から打ち合うのか。

 

 

 

もしアリームがボックスする戦略を選べば、レオをかわしながら有効打を積み重ねていくことができるでしょう。

一方で、もしファイトする戦略を選べば、レオとの打ち合いになりますが、アリームのパンチ力も侮れません。

どちらの戦略を取るかは試合当日までわかりませんが、アリームには両方の引き出しがあるというのが強みではないでしょうか。

どちらにしても、個人的にはレオの勝ち目は薄いのでは、と思います。アリームの技術、経験、そして中野戦で見せた柔軟性を考えると、レオの勝ち目は薄いように思います。

レオがプレッシャーをかけ続けても、アリームは冷静に距離を取り、カウンターやジャブで対応する姿が目に浮かびます。もちろん、レオが序盤からボディブローで削り続け、中盤以降にアリームのスタミナを奪うという展開もあり得ますが、アリームは中野の強打を12R耐えきったタフネスを持っていますから、簡単には崩れないのではないかと思います。

中野に勝ったならばここは勝って王者となり、是非とも中野を挑戦者として迎えてほしいところです。

中野は日本のフェザー級を代表するパンチャーであり、アリームが王座を獲得すれば、その防衛戦として中野との再戦は非常に魅力的なカードになるでしょう。

中野にとってもリベンジのチャンスですし、前回とは違う戦略で挑んでくるであろう中野との再戦は、アリームにとっても大きな意味を持つのではないかと思います。もし再戦が実現すれば、中野はしっかりと対策を練ってくるでしょうし、レラト・ドラミニ戦ではその一端を示したと言えます。

そして何より、帝拳プロモーションにとって、ライース・アリームを呼んでくる事に関しては、さほど困難ではないのではないでしょうか。

ということでアリームの勝利を願い、そしてその先に中野との再戦を願い。

今週末もボクシングを楽しみましょう。

 

 

 

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【プレビュー】間もなくTHE DAY!メインだけじゃない、田中空vs佐々木尽、阿部麗也vs下町俊貴、富岡浩介vs田中将吾、武居由樹vsワン・デカン、森脇唯人vsユン・ドクノと1試合も見逃せない!

5月2日(土)、東京ドーム。「THE DAY」まで、いよいよあと数日となりました。

メインの井上尚弥(大橋)vs中谷潤人(M.T)、実質セミファイナルの井上拓真(大橋)vs井岡一翔(志成)については別記事でプレビューを書きましたが、「THE DAY」の注目試合はそれだけではありません。残り5試合にも、それぞれ一本記事が書けるくらいの読み応えと見どころが詰まっているのではないかと思います。

ということで今回のブログは、「THE DAY」残り5試合のプレビュー記事です。

↓井上尚弥vs中谷潤人のプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

↓井上拓真vs井岡一翔のプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

5月2日THE DAY, やがて、伝説と呼ばれる日。

5月2日(土)東京ドーム

武居由樹(大橋)11勝(9KO)1敗

vs

ワン・デカン(中国)9勝(3KO)1敗

実際のセミファイナル、メインの井上尚弥vs中谷潤人の前にセットされたのはこの一戦。

2025年9月、IGアリーナ。WBO世界バンタム級王者としてクリスチャン・メディナ(メキシコ)との防衛戦に臨んだ武居由樹(大橋)は、4回1分21秒のTKO負けで王座を陥落しました。K-1時代を含めてもキャリア初のKO負けという、非常に衝撃的な形での敗戦でした。

あれから約7ヶ月、今回、スーパーバンタム級に階級を上げての再起戦となります。

対するワン・デカン(中国)は、戦績9勝(3KO)1敗。ただしBoxRecには掲載されていない試合も存在するとされており、実際にはより豊富なキャリアを持つ選手だそうです。WBAアジア・スーパーバンタム級王者でもあり、WBA世界スーパーバンタム級15位にランクされています。

このデカン、2024年4月にフィリップス・ンギーチュバ(ナミビア)と12ラウンドを戦った経験があります。

ンギーチュバはその試合でWBOアフリカのスーパーバンタム級王座を獲得した、日本でもお馴染みの選手。強打を持つンギーチュバを相手に最後まで倒れずに戦い抜いたデカンのタフさは、侮れないのではないかと思います。

とはいえ、この試合を「武居が勝てるかどうか」という視点で見ている方はほとんどいないでしょう。武居由樹にとって、勝利は前提であり、問われるのは「どう勝つか」ではないかと思います。

メディナ戦の敗因を整理し、そのリカバリーができているかどうか。東京ドームというこれ以上ない舞台で、自分が「まだやれる」ということを強烈なかたちで示せるかどうか、そのあたりが、この試合の最大の見どころになるのではないでしょうか。

タフなデカンをKOできれば、武居由樹の評価は間違いなく上がるでしょうし、世界復帰に向けての空気感も大きく変わるのではないかと思います。勝利以上のものを求められる、そういう試合ではないかと思います。

 

 

 

OPBF東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ

田中空(大橋)5勝(5KO) 

vs

佐々木尽(八王子中屋)20勝(18KO)2敗

この試合、最終ラウンドのゴングを聞かないのではないかという気がしています。

「ハマのタイソン」こと田中空(大橋)は2001年生まれの24歳。身長165cmとウェルター級としては非常に小柄でありながら、幼少期から憧れてきたマイク・タイソンのように、大きな相手を強打で圧倒するスタイルを追求してきた選手です。

武相高校・東洋大学でアマチュア5冠を獲得し、父・田中強士トレーナーと二人三脚でここまで歩んできました。

プロ入り後はデビューからここまで5戦全試合KO勝利。強弱を組み合わせたリズムのある攻撃に絶対的なパンチ力を持つパンチャーで、2025年6月のOPBF王座獲得戦ではディフェンス面での大きな課題を露呈したものの、同10月の初防衛では坂井祥紀を相手に素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、スピード感ある成長を見せています。

対する佐々木尽(八王子中屋)は20勝(18KO)2敗。このKO率が全てを物語っているのではないでしょうか。

20勝のうち18KO、つまり9割以上の試合をKOで決めてきたパンチャーです。2025年6月にはブライアン・ノーマンJr.との世界タイトルマッチで5RKO負けを喫しましたが、2026年2月の再起戦では白星を取り戻し、この挑戦に辿り着きました。

田中の初防衛戦後にリングイン、挑戦を表明した場面を覚えているファンも多いはずで、あの日から半年以上が経ってようやくその約束が東京ドームで果たされます。

田中はリズムを変えながら仕事ができるパンチャー、佐々木は圧倒的なKO率が示す通り一発の破壊力が武器の強打者。

どちらもディフェンスにやや難があるとも感じられ、「当たれば終わる」可能性を双方が持った状態での激突となります。

国内ウェルター級最強決定戦と言っていいこの一戦。

日本人でウェルター級の世界王者はまだ誰も生まれておらず、この試合の勝者がその歴史を塗り替える最右翼になるのではないかと思います。

どちらが勝っても驚きませんし、どう決着するかも予想がつきません。この興行で最も凄まじいファイトになるかもしれないという期待があります。

 

 

 

阿部麗也(KG大和)28勝(10KO)4敗2分

vs

下町俊貴(グリーンツダ)22勝(12KO)1敗3分

田中vs佐々木のKO決着必至とも言えるファイトと対照的に、こちらは技術戦・判定決着の可能性が高そうな一戦ではないかと思います。

阿部麗也(KG大和)はこれまで数々の国内サバイバルマッチを経験しており、アメリカでの世界挑戦も実現しているボクサー。

この世界初挑戦は2024年3月、IBF世界フェザー級王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に挑戦しましたが、8回TKO負けで世界挑戦は失敗に終わりました。

その後2025年6月に日本王座を再獲得し、現在IBF世界8位、WBC世界7位にランクされています。

精度の高いジャブと伸びのある左ストレートで試合を組み立て、被弾を最小限に抑えながらポイントを積み上げる技巧派で、左カウンターには一発で流れを変える可能性を持っています。

一方の下町俊貴(グリーンツダ)も、スーパーバンタム級で国内のライバルたちを次々と退けてきた元王者。

日本スーパーバンタム級王者として4度の防衛を果たした後、「世界を狙う」という目標のためにフェザー級転向を決断し、昨年2月に王座を返上しました。

身長179cmの長身サウスポーで、IBF世界フェザー級6位、WBO世界2位というランクを持っています。デビュー5戦目から2度の引き分けを挟みながら現在20連勝中で、ジャブで距離と主導権を握りながら左を打ち分けるスタイルです。

世界挑戦を経験してきた阿部と、世界初挑戦を目指して日本タイトルを返上してきた下町。どちらにとっても「世界への最後のマイルストーン」として位置づけているのではないかと思いますし、負けられない理由がそれぞれにある一戦です。

サウスポー対サウスポーという構図は、右ジャブの取り合い、前足の取り合い、角度の駆け引きが焦点になりやすく、双方ともポイントを積み上げるタイプとなれば判定になる可能性は高そうです。ただ阿部の左カウンターや下町の左ストレートが機能するような場面が生まれると、展開は一気に変わるかもしれません。

こちらもまた、予想が非常に難しい一戦だと思います。こういう試合こそ、蓋を開けてみないとわからない面白さがあるのではないでしょうか。

いずれにしても、東西の技巧派サウスポーが激突するこのサバイバル戦、非常に楽しみですね。

 

 

 

OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック スーパーミドル級タイトルマッチ 

ユン・ドクノ(韓国)10勝(8KO)2敗1分

vs

森脇唯人(ワールドスポーツ)1勝1分

元オリンピアン、森脇唯人(ワールドスポーツ)。

法政大学・自衛隊体育学校を経て全日本選手権5連覇、アマチュア通算118戦92勝という圧倒的なキャリアを積み上げた後、2025年5月に史上4人目となるA級プロテスト合格でプロの世界に踏み込みました。

プロ入り後も足踏みしている時間はありませんでした。6月にプロデビューを果たすと、わずか2戦目の2025年12月にOPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィックスーパーミドル級の2冠王者であるユン・ドクノ(韓国)への挑戦を決行しました。

あの試合では、森脇は初回にダウンを奪うという理想的な立ち上がりを見せました。主導権を握り「勝てる」という空気が漂う中、偶然のバッティングが発生、ユンが左目上を大きくカットしドクターストップとなり、4回時点での負傷引き分けという、非常に後味の悪い結末に終わりました。

あの内容を見る限り、森脇が優位に進めていた印象がありましたし、悔しさを感じた試合でした。

ただ同時に、プロ2戦目でこれだけやれるという事実は、森脇の実力が本物であることを証明するものでもあったのではないかと思います。

今回のダイレクトリマッチ、森脇は今度こそ完全なかたちで強さを示さなければならない立場にあるでしょう。

東京五輪代表として、全日本5連覇として積み上げてきたものを、プロのリングで証明する舞台として、これ以上ない機会ではないかと思います。プロ3戦目で2冠王座獲得を東京ドームでやってのければ、それはセンセーショナルな出来事になるでしょう。

ユン・ドクノも8KOというフィニッシュ力を持ち、前回の内容を踏まえた上での修正と対策を施してくることが予想されます。

やはり簡単な試合にはならないかもしれませんが、今の森脇唯人には期待してしまいます。

 

 

 

WBOアジアパシフィック フライ級タイトルマッチ

富岡浩介(RE:BOOT)11勝(8KO)4敗 王者

vs

田中将吾(大橋)5勝(3KO) 挑戦者

「THE DAY」の幕を開けるオープニングファイトは、WBOアジアパシフィックフライ級タイトルマッチです。同年代の2人が、まったく異なる道を歩んできた末にここで交わります。

王者の富岡浩介(RE:BOOT)は、早い段階からプロの世界に飛び込み、その才能は早くから注目されていた選手です。

ただその道のりは順風満帆ではなく、全日本新人王決定戦でのまさかのKO負け、日本ユースタイトル戦での僅差判定負け等、いくつもの敗北を経験してきました。

それでも諦めずに積み重ねてきたキャリアの中で、以前よりも考え、落ち着いてボクシングをするようになってきた印象があります。

その努力が実を結んだのが2026年2月の長尾朋範からのWBOアジアパシフィックフライ級王座奪取で、現在WBO世界4位というランクも今の富岡の充実を示しているのではないかと思います。

対する挑戦者の田中将吾(大橋)は、東洋大学で国内トップクラスのアマチュアキャリアを積み、同じ東洋大・大橋ジム入りの田中空とともにプロ入りしました。

アマチュア6冠の実績を持ち、プロ入り後は5戦5勝(3KO)。

プロデビュー戦こそダウンを奪われましたが、その後は危なげのない試合運びで格の違いを見せつける試合が続いています。

WBOアジアパシフィックフライ級9位にランクインしており、今回がプロ6戦目ではあるものの、満を持したタイトル挑戦となります。

片や早々にプロの世界に飛び込み、敗北を乗り越えながら王座まで辿り着いた富岡。

もう一方は日本最高峰のアマチュアキャリアを着実に積み上げ、勝負所を見極めてタイトルに挑んできた田中。

どちらの選択が正しかったのか、それをリングの上で決める試合、と言えそうです。

富岡にとっては、掴んだベルトを守ると同時に「自分の積み重ねは間違っていなかった」ということを証明する試合でしょう。田中にとっては「アマチュアで培ったものはプロの世界でも通じる」ということを示す一戦です。どちらにも意地があり、どちらにも証明したいものがある。

東京ドームのオープニングを飾るのにふさわしい一戦ではないかと思います。「THE DAY」はここから始まります。

 

とまあ、ここまで書いてみて感じるのは、この興行の贅沢さ。

どのカードも単体では語り尽くせない面白さを持っており、それが東京ドームという空間の中で一夜に詰め込まれています。メインだけでも十分すぎる夜に、これだけの試合が並ぶ。

やがて伝説と呼ばれる日、「THE DAY」の開幕まで、あともう少しです。

いや、もはや始まる前から伝説では?

 

▼「THE DAY」はLeminoPPVで放映

 

 

 

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【プレビュー】カネロ無しのシンコ・デ・マヨ!ヒルベルト・ラミレスvsデビッド・ベナビデス!モンスターの強打はクルーザー級でも通用するのか。

さてさて、間もなくゴールデンウィーク。

日本にはゴールデンウィークというものがあるので、シンコ・デ・マヨ興行を非常に見やすい、という利点がありますね。

アメリカ・ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われるシンコ・デ・マヨ・ウィークのPBC PPV。

アメリカではAmazon Prime VideoのPPVとして配信されますが、日本ではWOWOWで放映されます。つまり、WOWOWには常時加入しているであろう多くのボクシングファンにとっては実質無料で視聴できる興行です。これは嬉しい。

メインイベントはヒルベルト「スルド」ラミレス(メキシコ)vs「メキシカンモンスター」デビッド・ベナビデス(アメリカ)によるWBA・WBO世界クルーザー級タイトルマッチ。

セミファイナルにはWBA世界スーパーミドル級タイトルマッチとして、ホセ・アルマンド・レセンディス(メキシコ)vsハイメ・ムンギア(メキシコ)。

ほぼ全試合メキシカン同士の対決という、シンコ・デ・マヨらしい豪華な夜になりそうです。

ということで今回のブログは、このPBC興行のプレビュー記事です。Benavidez vs Ramirez Live Stream & Fight Preview | May 2, 2026

 

 

 

5/2(日本時間5/3)アメリカ・ラスベガス

WBA・WBO世界クルーザー級タイトルマッチ

ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)48勝(30KO)1敗

vs

デビッド・ベナビデス(アメリカ)31勝(25KO)無敗

ヒルベルト「スルド」ラミレスは、メキシコ・シナロア州マサトラン出身の34歳。

かつてスーパーミドル級でWBO王座を保持し、ライトヘビー級でも強豪たちを次々と退けてきたボクサーです。転機となったのは2022年11月、ドミトリー・ビボルとのWBAライトヘビー級タイトルマッチ。プロキャリア初の黒星を喫したスルドは、その後クルーザー級に活躍の場を移します。

クルーザー転向後のスルドは本当に安定しています。

2023年10月にジョー・スミスJr.を退けると、2024年3月にアーセン・グラミリアンを下してWBAクルーザー級王座を獲得。

同年11月にはクリス・ビラム-スミスとの激戦を制してWBO王座も統一し、2025年6月にはWBAの指名挑戦者ユニエル・ドルティコスを退けて統一王座の初防衛も果たしています。

クルーザー転向後は4戦全勝、しかも相手はいずれも王者クラスというのだから、この階級でのスルドの「主」としての立ち位置はかなり盤石と言えそうです。

対するデビッド・ベナビデスはアメリカ・アリゾナ州フェニックス出身の29歳。

スーパーミドル級ではWBC王座をいろいろあって3度も獲得するという偉業(笑)を為し遂げていますが、このボクサーがより世界を驚愕させたのは、ライトヘビー級に上がってからでした。

 

 

 

2024年6月にライトヘビー級へ転向し、オレクサンドル・グヴォジクを制してWBC暫定王座を獲得。2025年2月には怪物王者の可能性もあった、当時無敗のデビッド・モレルを明確に退けてWBA王座も手にし、ビボルの王座返上を受けてWBC正規王者にも昇格、前戦ではアンソニー・ヤーデを難なくノックアウト。

現在は29歳にしてWBC・WBAのライトヘビー級2冠王として君臨するボクサーが、今回さらに一つ上のクルーザー級で3階級制覇に挑む、というわけです。

オッズはベナビデスが-400と大幅に有利な状況で、確かにここ最近のベナビデスの充実ぶりを見ればその評価も頷けます。

ただ、これはベナビデスにとってクルーザー級初戦です。ライトヘビー級(175ポンド)からクルーザー級(200ポンド)は実に25ポンド(約11.34kg)の差があり、いかにパワーのあるベナビデスとて、その壁が試合にどう影響するかは正直未知数なところがあります。

ベナビデスの武器はあの独特のアングルから繰り出されるパンチです。変則的な軌道で打ち込まれるそのパンチは、おそらくスルドに対しても当たりはするでしょう。

しかし問題は、それでクルーザー級の体格を持つスルドを後退させ、あるいは効かせることができるかどうか、というところです。ライトヘビーとクルーザーではその部分が全く違う次元の話になり得るわけで、スルドのタフさと体格を前にしてベナビデスのパンチがどれだけ機能するか、そこが最大の焦点ではないかと思っています。

一方のスルドは、ビボル戦の完敗から何一つ焦ることなく、着実に実績を積み上げてクルーザー級の頂点に君臨してきたボクサーです。

 

 

 

強い相手に対してより一層強さを発揮する傾向もあり、ベナビデスのプレッシャーに対してどのような距離管理とジャブを見せるか、そのあたりが見どころになってきそうです。クルーザー転向後の4戦ではいずれも判定勝ち、KOパンチャーというよりは精度とスタミナで勝負するスタイルは、12ラウンドを通じてじっくり試合を組み立てることができるということでもあります。

体格の壁をベナビデスが越えられるなら、それはそれで見事な3階級制覇への道が開けるでしょうし、越えられないならばスルドが終盤にかけて盛り返す展開も十分あり得るのではないかと思います。前半と後半でどちらがペースを握るか、そのあたりを楽しみながら見たい一戦です。

WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ

ホセ・アルマンド・レセンディス(メキシコ)16勝(11KO)2敗

vs

ハイメ・ムンギア(メキシコ)45勝(35KO)2敗

セミファイナルに位置するco-mainもまた面白い組み合わせです。

WBA世界スーパーミドル級王者ホセ・アルマンド・レセンディスの初防衛戦の相手が、ハイメ・ムンギア。次の時代を担うメキシカン同士の対決として、これまた見逃せない一戦になりそうです。

レセンディスといえば、2025年5月のカレブ・プラント戦での大金星が記憶に新しいところです。当時のオッズでは大幅アンダードッグとされていながら、スプリット判定でプラントを下してWBA暫定王座を獲得。

その後テレンス・クロフォードの引退に伴いフル王座に昇格し、今回がその初防衛戦となります。逆境に強いメキシカン、という印象がぴったりくるボクサーで、個人的にはこの選手の今後に非常に期待しています。

 

 

 

対するムンギアは、2024年5月のカネロ・アルバレスへの挑戦での判定負けまでは、次世代のメキシカンスターとして大いに期待されていたボクサーです。

しかしそのカネロ戦の後、ブルーノ・スラーチェに6回KOという衝撃の番狂わせを喫してしまいます。再戦では判定でリベンジを果たしたものの、その内容はかなり慎重なもので、試合後には禁止薬物の陽性反応という話題も出てしまいました(後に無罪放免とはなりましたが)。

45勝35KOという数字は立派なものの、今のムンギアの評価は「かつてほどではない」という状況のままでしょうか。

レセンディスの勢いとムンギアの経験がぶつかる試合という構図ですが、ここ最近の流れを見ると、勢いという点ではレセンディスに分があるように思います。ムンギアはパワーと前への圧力という部分では依然として脅威ですが、スラーチェ戦での敗北以降、かつての迷いのない積極性がやや薄れているような印象もあって、その点が気になるところです。

個人的にはレセンディスに期待している一戦ですが、ムンギアが往年のスタイルを取り戻してくるようであれば話は変わってくるかもしれません。

 

 

 

スーパーライト級10回戦

オスカー・ドゥアルテ(メキシコ)30勝(23KO)2敗1分

vs

アンヘル・ダニエル・フィエロ(メキシコ)23勝(18KO)4敗2分

アンダーカードで個人的に気になるのが、オスカー・ドゥアルテvsアンヘル・ダニエル・フィエロのスーパーライト級戦です。

ドゥアルテはかつてライアン・ガルシアのアンダーカードでリングに上がり敗北を喫したボクサーですが、その後ジョジョ・ディアス、バティルザン・アフメドフ、ケネス・シムスJr.と強豪を連破して評価を上げてきました。

そして今年2月、いよいよIBF世界スーパーライト級王者リチャードソン・ヒッチンズへの挑戦が実現するはずでした。

ところが試合当日の数時間前、ヒッチンズが体調不良を理由に出場をキャンセル。計量もパスして万全の準備を整えていたドゥアルテにとっては、本当にやるせない結末だったと思います。

その後ヒッチンズは王座を返上してウェルター級へ転向しており、ドゥアルテへの世界タイトル挑戦のチャンスは一度消えてしまった形です。

今回の相手フィエロは現在2連敗中で、勢いという点では厳しい状況にありますが、かつてイサク・クルスを相手にリングに立ったこともあるファイターですので、決して油断できる相手ではないでしょう。

ドゥアルテとしてはここをしっかり勝ち切って、次の世界挑戦への道筋をまた一歩進めたいところです。ヒッチンズ戦で果たせなかった悔しさをぶつけるような、インパクトのある勝ち方を見せてほしい一戦ですね。

 

 

 

配信情報

「THE DAY」翌日にこれだけの興行が控えているというのは、体力的には正直少し心配なところもありますが、それでも見ないわけにはいかないでしょう。

メインのスルドvsベナビデスはクルーザー級の壁がベナビデスにどう影響するかという純粋な興味があり、コメインのレセンディスvsムンギアもメキシカン同士の熱戦が期待できます。

WOWOWでの放映ということで実質無料で見られる環境もありがたいですね。

ともかく、ボクシング漬けのゴールデンウィークを楽しみましょう。

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【プレビュー】井上拓真vs井岡一翔!充実期の王者に挑む、レジェンドの矜持!Who WIns , & How?

2024年5月6日の東京ドーム。あの夜も井上尚弥vsルイス・ネリと井上拓真vs石田匠が同日開催でした。

兄弟がそれぞれ世界タイトルマッチに臨む夜。あの夜の興奮を覚えているファンは多いはずで、今年の5月2日もまた、父・井上真吾トレーナーにとって最も多忙な夜になるでしょう。

イベントの位置づけとしては「実質セミファイナル」ではありますが、この試合、一本立ちで十分にメインを張れるカードであることは間違いありません。

ということで、今回のブログは、ところによってはメインの井上尚弥vs中谷潤人よりも楽しみにしている方もいると思われる、井上拓真vs井岡一翔のプレビュー記事。

↓井上尚弥vs中谷潤人のプレビュー

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5月2日(土)東京ドーム

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 

井上拓真(大橋)21勝(5KO)2敗

vs

井岡一翔(志成)32勝(17KO)4敗1分

この試合は、おそらく技術戦になるのだろう、と思われる一戦ですが、果たしてその結末は見えないという戦いです。

 

スピード、パワー、フィジカル。目に見えるスペックを並べれば、今の井上拓真の方が上、というのが正直なところです。

2025年11月の那須川天心戦でWBC王座を奪還、あの試合を観た多くのファンが「拓真の過去最高」と感じたのではないでしょうか。私もそう思いました。

2024年10月、堤聖也に敗れて王座を失い、1年以上のブランクを経ての再起戦。それがあの仕上がりでした。

かつてジェルウィン・アンカハス戦で覚醒したとも言われた拓真でしたが、結局のところは相手によってそのパフォーマンスは大きく異なる、というのは正直なところ。

そしてこの井岡戦は、その天心戦のテンションをそのまま引き継ぎ、さらに相手が井岡一翔とあっては、過去最強の井上拓真が出てくる可能性は非常に高い。

ともかく「今の拓真」は、キャリアの中で最も充実した拓真だと思います。

一方の井岡一翔は37歳。2025年5月、フェルナンド・マルティネスとの再戦でも判定負けを喫し、WBAスーパーフライ級の王座返り咲きに失敗。

その後バンタム級転向を決断し、2025年12月31日の大晦日、大田区総合体育館でマイケル・オルドスゴイッティ(ベネズエラ)とのWBAバンタム級挑戦者決定戦に臨み、4回KO勝利でバンタム級転向初戦を白星で飾りました。

キャリアのはじまりがミニマム級、という体でバンタム級に上げてくるわけですから、体格的なハンデが完全に解消されるわけではありません。

ただ、井岡はこの転向にあたって、フィジカルトレーニングの比率をこれまでの3割から5割程度まで増やし、筋力をパワーに転化するための体の使い方を学んできたと語っていました。「まだ伸びしろがある」という感覚を持っているそうで、それは大晦日の動きを見ても嘘ではないと思います。

コンパクトに、丁寧に戦っていた。体の大きさへのアジャストもある程度できていた印象でした。ただ、それが井上拓真相手に通じるかどうかは、また全く別の話です。

 

 

 

単に「経験」と呼ぶべきではない井岡の強さ

井岡一翔の強さを語るとき、「経験豊富」の一言でまとめてしまうのは、勿体ない気がしています。経験という言葉は便利すぎて、肝心なものをすり抜けてしまいます。

井岡が持っているのは、試合内適応力、とでも言うべきものだと思っています。ラウンドを重ねながら相手を読み、局面をじわじわと変え、気がつけば流れを引き込んでいる。

これは単に場数を踏んできたということ以上のもので、ボクシングを深く「考えている」人間にしかできないことです。リング上で頭を使い続けられる選手と、そうでない選手の差は、長い試合になるほど大きく出ます。

その証左として分かりやすいのが「再戦に強い」という事実です。ファン・カルロス・レベコ、ドニー・ニエテス、ジョシュア・フランコと再戦を戦っていますが、初戦に比べて再戦ではよりよいパフォーマンスを見せて明確に勝利しています。

マルティネスとの2戦目は結果として敗れましたが、それでも初戦では10Rにダウンを奪う場面も作っており、あれだけの世界トップクラスの選手を相手にした修正力は本物だと思います。

一度対戦した相手に、次は必ず「答え」を用意してくる。この能力は、レーダーチャートには出てきません。

拓真はボクサーとして非常に巧い、ボクシングの申し子のようなスタイルです。

駆け引きができ、状況に応じてスタイルを変えられる。しかしこのスタイルは、ある意味井岡にとっては読みやすい相手かもしれません。

拓真が苦しんだ相手を振り返ると、ウバーリ戦でも、ソリス戦でも、共通しているのは「正攻法でない」「予測しにくい」スタイルでした。その点で言えば、井岡の巧さは「読める巧さ」の部類に入るかもしれない。

拓真にとって最もやりやすい相手のカテゴリーに、井岡は入る可能性があります。ただ、12ラウンドにわたってその「読み」が正しく機能し続けるかどうか、それはまた別の話です。

 

 

 

この試合、実は互いにやりにくい相手ではない

これは双方にとって言えることだと思っています。

拓真の視点からすれば、技巧派との試合の方が戦いやすい。前述のとおり正攻法でないスタイル、読みにくいスタイルの方が拓真は苦しむ傾向があります。その点で、井岡のボクシングはある意味「拓真が対処しやすいカテゴリー」に入るのではないでしょうか。

スピードでは上回れる。手数でも上回れるでしょう。問題はそこからどう仕留めるか、あるいは仕留められないまま12ラウンドを過ごしたときに何が起きるか、です。

一方の井岡から見ても、拓真は日本のボクシングの土壌の中でみっちりと育ってきたボクサーです。

井岡が長年見てきた「日本のボクシング」の文脈の中にいる選手であり、未知の脅威、という感覚はそれほど強くないでしょう。相手のスタイルへの対応は、おそらく非常に早い段階から完成されているはずです。

つまりどちらにとっても「嫌いではないスタイル」の相手同士、ということになります。これが純粋な技術戦、読みと読みの応酬になる理由でもあります。「日本ボクシングのオールタイムマスタークラス決定戦」と表現したくなるのはそのためで、この一戦がどこで動くか、あるいは最後まで動かないのか。そういう緊張感を味わえる試合は、予測できないからこそ価値があります。

 

 

 

日本ボクシング界の「顔」だった男

改めて言うまでもないことですが、井岡一翔は長年にわたって日本ボクシング界を背負ってきた選手です。

ミニマム、ライトフライ、フライ、スーパーフライと4階級を制覇してきた軌跡はもちろん、地上波の世界タイトルマッチ、年末の大晦日という舞台を最後まで守り続けてきた存在としての重みも大きい。

ボクシングをあまり見ない一般の方に「日本のボクサーで知っている名前は?」と聞いたとき、返ってくる名前は井上尚弥か、井岡一翔でしょう。それほどの認知度を誇る選手が、東京ドームでリングに上がることで、この日の東京ドームは「日本ボクシング界の集大成」的な意味合いを濃くします。

そしてこの試合、拓真にとっては間違いなく「過去最強の相手」との対戦です。

拓真がこれまで「驚くほどの」パフォーマンスを見せたのはジェルウィン・アンカハス戦、那須川天心戦だと思っていますが、それはどちらも「拓真危うし」だったカードです。

そしてそれらの試合は、井上拓真のポテンシャルを最も引き出した試合であり、それが今回にも間違いなく、より強く当てはまる一戦と言えそうです。

井岡一翔の持つ複合的な強さ、そして「一筋縄ではいかない」という凄みは、これまでの相手とは種類が違います。

スペックでは上回れる。でも、それだけで勝てる相手ではない、というのがこの一戦の本質だと思います。

この試合に拓真が勝てば、それは単なる防衛記録にとどまらない。「日本ボクシング界のレジェンドを下した」という箔が、拓真のキャリアに加わります。それだけの意味を持つ相手が、挑戦者として乗り込んでくるわけです。

 

 

 

なぜ今、この試合なのか

バンタム級の王者は拓真だけではありません。WBA正規王者の堤聖也もいる。WBO王者のクリスチャン・メディナもいる。IBF王者のホセ・サラス・レイジェスもいる。それでも井岡が対戦を希望し、実際に実現したのは「拓真戦」でした。

これは、どこかで終わりを意識しているからこそ、最も注目を集める試合を選んだということではないかと思っています。ドキュメンタリーを観て、率直にそう感じました。

言葉にはしていない。でも、その佇まいに、どこかに「最後」という感覚がある。そしてその感覚があるからこそ、東京ドームで、尚弥の試合と同じ夜に、井上拓真と戦う、という選択をしたのではないでしょうか。

堤聖也との試合は、WBAというベルトが絡みより正当なマッチメイクかもしれません。でもそれは「最も注目を集める試合」ではありません。

5月2日の東京ドームの(実質)セミファイナル、相手は那須川天心を下した現WBC王者・井上拓真。これ以上の舞台はないわけです。5階級制覇という明確な目標もある。

ただそれと同時に、「この試合に出る」ということ自体が、井岡一翔というボクサーのキャリアの一つの答えになっているような気がしてなりません。

井岡一翔がABEMAからLeminoへと配信先を移したのは、この試合への布石だったのでしょう。水面下でのマッチメイクは、大晦日の試合よりも前から動いていたと思われます。

そしてリング上でのインタビューで、井上拓真への挑戦を真っ先に口にした。「いつ、どこで、誰と」をあそこまで明確に言えるのは、すでに決まっていたからこそでしょう。この試合は、、決まるべくして決まった一戦です。

 

 

 

Who Wins,&How?

この試合について、一体どっちがどうやって勝つんだろう、は非常に難しい。

拓真が序盤から主導権を握り、中盤以降に差を広げていく、というシナリオは十分あり得ます。スピードと手数、そして圧力で圧倒し、判定でも、あるいはKOで仕留めることだって考えられる。

那須川天心を相手に見せた「充実の拓真」がそのまま出てくるなら、その可能性は決して低くない。拓真陣営は当然、バンタム級転向初戦の井岡の映像を徹底的に分析しているはずで、対策は十二分に練られているでしょう。

ただ、歴戦の雄、井岡一翔をすれば、拓真相手に序盤うまくいかなかった場合でも、中盤以降に修正してくる可能性をゼロにはできません。

スペックの差を巧さで埋め、ラウンドをさらっていく展開は、井岡がこれまで何度も見せてきたものです。長い試合になればなるほど、「何かをやってくれそう」という凄みは増す。

そしてその「何か」が12ラウンドのどこかで起きたとき、拓真がどう対応するか。それが、この試合の最大の見どころのひとつだと思います。

相性的に互いにやりにくい相手ではない、と書きましたが、それはつまり、どちらにとっても紙一重の勝負になりうるということでもあります。読めないから面白いし、読めないから怖い。この試合の緊張感はそこから来ていると思います。

海外オッズでは拓真が大きく優位に立っていますが、正直このカードにオッズが意味を持つとは思えない。ボクシングファンとして積み上げてきた文脈の重さが、数字に収まるような試合ではないです。

どちらが勝っても驚かないし、どちらが勝っても「なるほど、そういう結末か」と腹に落ちるものがあるような試合だと思っています。そういう試合こそ、見る前から価値があります。

 

 

 

どちらの勝利も考えられる中で、どちらかというと、どっちを応援するかと聞かれれば、井上拓真と答えます。

偉大な兄の背中をずっと追いかけ、堤聖也に敗れ、それでも戻ってきた。

那須川天心戦でのパフォーマンスは正直想像を超えていて、「これが過去最高か」と思うと同時に「まだ上がある」とも感じました。

キャリアの文脈として、拓真がこのレジェンドを下した先に見えるものは、ボクシングファンとして本当に楽しみです。vs堤聖也2も見たいし、その先のバンタム級制覇も、もっとその先も見たい。「井上拓真の時代」を、まだまだ見ていたい。

ただ、それが叶わなかったとしても、この試合は絶対に面白い。どちらが勝っても、東京ドームを沸かせる一戦であることは間違いありません。

この試合は本当に楽しみ。刮目してみましょう。

▼「THE DAY」はLeminoPPVで放映

 

 

 

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