信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

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【プレビュー】ゲイリー・ラッセルJr.vsマーク・マグサヨ!マグサヨのアップセットに期待!

今週末から、いよいよ本格始動の感のある海外ボクシング。1/15(日本時間1/16)には、2022年初となる世界タイトルマッチ、WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチがありますね。

ジョー・スミスJrに皆さんあまり興味がないのか、それともライトヘビー級という日本に全く馴染みのない階級の世界タイトルマッチに興味がないのか、スミスJrのプレビュー記事はPV数が全く振るわず笑。

ブログをアップした翌日に対戦相手が変更になった、ということも大きく起因しているのかもしれませんが、寂しいものです。

ともあれ、2021年12月に引き続き、ライトヘビー級の世界王者が登場する週末、個人的には注目しています。ライトヘビー級だっておもしろいです。

↓つい最近、ライトヘビー級について書いたブログ

boxingcafe.hatenablog.com

 

ともあれ、その翌週に控えるWBC世界フェザー級タイトルマッチは要注目でしょう。フェザー級は日本人にも関係のある階級であり、登場する王者は「年イチ王者」ゲイリー・アレン・ラッセルJr。在位7年にもなる王者ですが、「長期政権」というとなんだか違和感もありますね。

今回はコロナのせいか年イチのペースを崩し、2020年2月以来、約2年ぶりのリング登場です。

今回のブログでは、ゲイリー・ラッセルJr.vsマーク・マグサヨをメインに据えた、PBC興行のプレビュー記事です。

1/22(日本時間1/23)Showtime

 WBC世界フェザー級タイトルマッチ

ゲイリー・アレン・ラッセルJr(アメリカ)31勝(18KO)1敗

vs

マーク・マグサヨ(フィリピン)23勝(16KO)無敗

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ボクシング一家であるラッセル家の長兄、ゲイリー・アレン・ラッセルJr。弟アントニオ、アントワンもプロボクサーで、こちらはプロ転向していませんがゲイリー・アレン・ラッセルⅢという弟もいるらしい。

とりあえずラッセルJr、もしくはラッセルと表記します。

ボクシングファンならその名を知らない者はいないでしょう、2009年にプロデビューした元アマエリート。全米でトップクラスの実力を持ち、北京オリンピックではメダル獲得を期待されながらも、体調不良により不戦敗。

2014年、初の世界挑戦こそ当時のWBO王者、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に判定負けを喫したものの、2015年3月にはジョニー・ゴンザレス(メキシコ)を4RTKOで降し、WBC王座を獲得。

在位にして7年、それでも5度の防衛という破格の試合間隔の持ち主でもあります。

 

敏捷性に優れ、素晴らしいカウンターを持っています。とりわけそのハンドスピードは全階級を通じて随一と言っても良いほどですね。

身体能力依存系のボクシングをするのですが、その基礎としてあるのはやはりラッセル・シニアが教えたボクシングにあり、基礎的な部分がしっかりしているので全くもって乱れない。このボクサーを攻略するのは至難の業、総合力で上回るのか、馬力、パンチングパワーで押し切るしか方法はないかもしれません。

総合力で上回ったのはロマチェンコ、馬力で挑んだのは最近でいうとツグスソグ・ニャンバヤル(モンゴル)ですが、ニャンバヤルは歯が立たず。

今回のマグサヨは、パンチングパワーで挑みますが、果たしてどうなるか。

マグサヨは2013年のプロデビューで、現在26歳。

 

2015年にIBFのユース王者、2016年にはWBOのユース王者となり、その後もWBOインターナショナル、WBCアジアと多くの下位タイトルを獲得してきています。

日本人では林翔太との対戦経験がありますね。

パワフルにパンチを振り回すタイプのボクサーで、一発一発のパンチは本当に力強く、キレがあります。

しかも、空振りしてもそこまでバランスを崩さず、次の強いパンチが打てるという体幹の強さを持っており、相対した時に非常に怖いボクサーですね。

バランスを崩さない、というよりも、体勢は崩していますがスタンスを変えてバランスを取り、次の強いパンチを打てる、という感じ。なのでマグサヨとしては空振りしても大丈夫、と思っていそうです。具体的にいうと、右の強いパンチを振ると同時に右足をやや前に出し、左を強振してバランスを元に戻す、みたいな感じです。

しかもこのマグサヨは、ブロッキングの上からでもお構いなしにパンチを打ってくるので、これもまた怖い。ブロッキングされるとわかると、(ただ疲れるだけなので)打てなくなって見合ってしまったりするボクサーも多いですが、このマグサヨにとっては関係ありません。

 

そしてそのパンチが一発でも顔面にヒットしようものなら、そこから怒涛の連打が始まる、という爆発力も持ち合わせています。

試合の展開としては、ラッセルJrがスピードを活かして出入りのボクシングを展開する中で、マグサヨはいかに一発を当ててそこから連打に繋げるか、という展開になるでしょう。

マグサヨはナチュラルにカウンターをとれる選手でもあるので、「普通に考えればラッセルJrが優位」なのですが、この点からすると期待が持てます。

しかし、大きな懸念事項としては、マグサヨはおそらくサウスポーが得意ではありません。

「苦手」とまでは言いづらいものの、サウスポー相手だと距離感が狂うのか、ポンポンと強いパンチを出せなくなってしまい、手数が減ってしまいます。一発のパンチングパワーにも秀でているマグサヨは、それでも勝利を掴んできてはいるものの、2020年10月、2016年9月のサウスポーとの対戦では判定勝ち。キャリア初期は調べていないのでわかりませんが、サウスポートの対戦も少ないです。

 

今回、マグサヨにとっては初の世界戦、ということもありますので、サウスポー対策はしっかりとしていくはず。それでも、相手は普通のサウスポーではなく、あのゲイリー・ラッセルJr。

長らく年1度しかリングに上がらない王者にベルトを保持された分、このWBCフェザー級タイトルの歩みは非常に遅い。マグサヨがここで世界戴冠となれば、少なくともこれまでよりはこのWBCタイトルは活発に動くと思うので、是非がんばってもらいたい。

 

アンダーカード!

セミファイナルにはスーパーライト級12回戦、サブリエル・マティアス(プエルトリコ)vsペトロス・アナヤン(ロシア)。17勝(全KO)1敗という29歳のマティアスは、2020年2月にこのアナヤンにダウンを奪われての判定負け、初黒星を喫しています。もともとディフェンス面には穴のある倒し屋です。

今回はリベンジマッチ、同じ轍は踏まないと期待したい。アナヤンは16勝(7KO)2敗2分、ここで勝てば大きく道が拓けるかもしれません。

セミセミにはフェザー級10回戦、ツグスソグ・ニャンバヤル(モンゴル)vsビクター・パシージャス(アメリカ)。これは非常に興味深い一戦です。

 

ゲイリー・ラッセルJrにも挑戦経験のあるニャンバヤルは、12勝(9KO)2敗の戦績。前戦ではクリス・コルバート(アメリカ)のWBA世界スーパーフェザー級暫定王座(当時)に挑戦し、完封されての判定負け。

一方のパシージャス(パシラスかも)前戦でライース・アリーム(アメリカ)のWBA世界スーパーバンタム級暫定王座に挑戦して、何度も何度も倒された末に11RTKO負け。

ただ、ふたりとも心身ともに非常にタフなボクサーで、凄まじい打撃戦、素晴らしいタフファイトが展開されるはずです。我慢比べとなりうる一戦を制するのはどちらか。これは楽しみですね。

 

放送・配信

このゲイリー・ラッセルJr.vsマーク・マグサヨをメインとした注目の興行は、アメリカではShowtimeが中継。全3試合ということなので、ニャンバヤルvsパシージャス、マティアスvsアナヤン2、そしてメインという順番で中継されます。

今の所日本での生放送・生配信はなく、WOWOWが一ヶ月遅れのディレイ放送をしてくれるようです。放送日は2/21(月)21:00からのレギュラー放送。その時が来るまで待ちましょう。

↓どうしても見たい方はこちら(大変です)

boxingcafe.hatenablog.com

 

あと、Showtime興行だと望みが薄いですが、日本から見れるVODで期待したいのはFITE.TV。トップランク興行は割と配信してくれるイメージです。

Showtime興行も、VPNをヨーロッパに変更すれば、見れることもたまにあります。私は常にその辺を監視していますので、また見れそうだったらこのブログでお伝えします。

↓私の使っているVPNはこちら

ちなみに、日本時間1/16(日)のジョー・スミスjr.vsスティーブ・ゲフラードの一戦は日本でもFITE.TVで生配信。9.99$という表記ですが、日本円にして1,220円で購入可能です。

↓FITE.TVのリストの一番上に来ているはず。

 

 

【プレビュー】ジョー・スミスJr.vsカラム・ジョンソンは大激戦必至!無敗プロスペクト6名登場のTR興行も。

1月のボクシング興行は、世界的にみても非常に少ない。これは毎年のことでもありますね。

「ビッグマッチがない」と嘆くなかれ、こういう時こそ普段あまりピックアップされないボクサーをピックアップするときです。Youtube、ネットに情報は溢れています。ビッグマッチじゃなくてもボクシングは楽しめます。

今回のブログでは、個人的に注目している1/7(日本時間1/8)に行われるフェザー級のプロスペクト対決、そして1/15(日本時間1/16)に行われるWBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ、ジョー・スミスJr.(アメリカ)vsカラム・ジョンソン(イギリス)のプレビュー記事を書いていきたいと思います。

 

1/7(日本時間1/8)フロリダ

ルイス・レイナルド・ヌネス(ドミニカ共和国)15勝(11KO)無敗

vs

カルロス・アリエタ(プエルトリコ)14勝(8KO)無敗

2018年に母国ドミニカ共和国でのアマチュア戦績を引っさげてプロデビュー。ユースの世界選手権に出場経験もあるようです。現在22歳とのことなので、プロ転向は18歳頃ということで、「ツイスト」というニックネームを持っています。

キレのあるパンチを放つタイプのハードヒッターで、結構グイグイとプレスをかけていきます。軽いコンビネーションというよりは一発一発を力強く打つ事が多く、その力強いパンチを連打できることも強みですね。

ディフェンスはバックステップとボディムーブ。ちょっとボディムーブ後に止まってしまう癖があるので、そこを狙い打ちされると被弾してしまいそうな感じがします。

 

前戦で無敗のプロスペクトだったジェイボン・ガーネット(アメリカ)との対決を制した分、アリエタよりも対戦相手の質で勝ります。

対戦相手のアリエタですが、こちらは映像を探しても30秒ほどの動画しかありませんでした。その中で見せていたのは、プレスをかけつつサイドステップで惑わし、逃げ道を塞ぎ、凶悪なボディで悶絶させたというフィニッシュ動画。これだけ見れば当然、素晴らしいボクサーに思いますね。対戦相手は負け越しのボクサーのようですけど。

ということで、アリエタにとっては真価を問われる一戦となりそうです。

いずれにしろまだまだ底を見せていないプロスペクト同士の一戦、これはなかなか好試合が期待できるのではないでしょうか。

 

放送・配信

残念ながら日本での放送・配信はなさそうですが、アメリカではShowtimeが生中継。今年一発目のShowtime興行ですね。

カードとしてはやや弱いですが、多くのプロスペクトが登場するこの興行は、ある意味新年一発目に相応しい、とも言えますね。

Showtimeでの放送カードは、「6名の無敗のプロスペクトが登場する」ということを売りにしているようです。

その他の放送予定のカードは以下の通りです。

ライト級8回戦

スターリング・カスティーリョ(ドミニカ共和国)16勝(12KO)無敗

vs

オタール・エラノシャン(ジョージア)10勝(6KO)無敗

スーパーフェザー級8回戦

エドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)13勝(12KO)無敗

vs

ウィリアム・フォスター(アメリカ)13勝(9KO)無敗

メインに登場する二人を入れると、たしかに無敗のプロスペクトが6名登場します。

 

1/1(日本時間1/2)に行われたオルティスvsマーティンは見ていないので、私にとってはこの興行が2022年、最初にボクシング興行。

楽しみたいと思います。

↓どうしても海外試合を見たい、という奇特な方はこちらへ

boxingcafe.hatenablog.com

2021年後半、見たい試合のほとんどをWOWOWが中継してくれたので、解約してしまっていたShowtime。再契約する時が来ましたね。(といっても、解約期間は1ヶ月に満たなかった笑)

続いて、2022年最初の世界タイトル戦、となるのでしょうか。WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ。

1/15(日本時間1/16)

WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ

ジョー・スミスJr.(アメリカ)27勝(21KO)3敗

vs

カラム・ジョンソン(イギリス)20勝(14KO)1敗

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※1/7追記

カラム・ジョンソンにコロナ陽性反応。代役がたてられるとのことです。

※1/8追記

代役はスティーブ・ゲフラード(アメリカ)となったようです。18勝(12KO)2敗、デビュー2連敗から18連勝中。

もともと1/8に試合予定だったようですが、それをキャンセルして1/15のスミス戦に臨む、とのこと。

 

こんな試合を誰が組んだのか、というマッチアップ。ともに「超」がつくほどの激闘型のファイターであり、ディフェンス面にやや問題を抱え、ハードパンチと旺盛な手数、そして強靭なハートを持っています。非常に危険な戦いです。

間違いなく打撃戦になりますし、間違いなく根性比べのど付き合いになるでしょう。

スミスは2009年にプロデビューした32歳、2021年にマキシム・ウラソフ(ロシア)との決定戦を経て世界王座を初戴冠しましたが、これはものすごい大激闘でした。その前には元王者、エレイデル・アルバレス(コロンビア)を9RTKOで降すという殊勲を挙げています。

ジョンソンは2010年にプロデビュー、現在36歳。2018年にアルツール・ベテルビエフ(ロシア)に挑戦してダウンを奪う等健闘しますが、4RTKO負け。さすがにパワー差がありましたが、ベテルビエフ相手に臆する事なく前に出続けたジョンソンには、鬼気迫るものがありましたね。そこから3連勝して今回のチャンスを掴みました。

 

大激闘間違いなし、というこの一戦は、手数に勝るジョー・スミスJr.が若干有利かな?と思います。ジョンソンは守勢に回る場面があり、そうするとスミスはどんどん前に出てきます。

対してスミスはほとんど下がらず、接近戦のテクニックもあり、打ち合いの中でカウンターを取ったり打ち終わりを狙ったり、ということができますので、地力では上を行っていると思います。

ただ、スミスは嘱望していた世界王者となり、ジョンソンは2度目の世界挑戦、この「王者」と「挑戦者」という構図は、モチベーションの面において違いがあります。この試合に臨む意気込みとしては、ジョンソンの方が上、だからこそ侮れません。

とにかく、激闘必至のこの試合において、ふたりのボクサーがしっかりとリングを降りてくれる、それこそが一番の願いです。ともすれば危険を伴う、WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ、これは超楽しみです。

 

放送・配信

こちらの興行も、残念ながら日本での放送はありません(1/6現在)。アメリカではESPNでの放送なので、もしかしたら日本ではFITE.TVのPPVで放送されるかもしれません。最近はないですし、ベテルビエフvsブラウンが放送リストに乗りましたが直前でなくなる、ということもありました。

前日くらいにチェックすると良いかもしれません。

↓FITE.TVの配信試合のリストへのリンクです。

 

ちなみに、セミファイナルにはプロスペクト、20戦全勝14KOのエイブラハム・ノバ(アメリカ)が登場です。ノバは今回フェザー級リミットでのノンタイトル戦。基本的にはスーパーフェザー級、もしくはライト級リミットで戦ってきたノバですが、ここからはフェザー級でキャリアを築くのかもしれません。たぶんフェザー級では初戦だと思います。

ここ最近は2戦連続で判定決着、試合内容的にもあまりパっとしませんが、ここで大きく化けられるか。

対戦相手はサカリア・ルーカス(ナミビア)というボクサーで、37歳という年齢ですが25勝(17KO)1敗という好戦績。こちらも非常に楽しみですね!

 

 

【プレビュー】12/19は中重量級祭り!デビッド・モレル、カルロス・ゴンゴラ、ズルド・ラミレス!!

今週は、海外ボクシング最終週。

なんだかんだで非常に興行が多い週ですね。

日本時間12/18(土)は、ウズベキスタンのタシュケントでイスラエル・マドリモフとミシェル・ソロ。WBAスーパーウェルター級のエリミネーション・バウトですが、アンダーカードにウズベクボクサーたちが出場することも相まって、非常に興味深い。

そして日本時間同日、カナダではアルツール・ベテルビエフがマーカス・ブラウンを挑戦者に迎えた統一タイトルの防衛戦。これは非常に楽しみですね。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

さて、その翌日となる日本時間12/19(日)、駆け込んでいるかのように多くの興行がある日です。そのほとんどが日本人が絡むことの難しい重量級の試合となっているため、日本での話題は少なめに思いますが、この(日本時間での)土日はかなり「当たり」の週だと思います。

ということで今回は、日本時間12/19(日)に開催される、3つの興行をプレビューです。

12/18(日本時間12/19)イギリス

ジョセフ・パーカー(イギリス)29勝(21KO)2敗

vs

デレック・チゾラ(イギリス)32勝(23KO)11敗

今年5月、戦った両者の再戦です。前戦はパーカーがスプリットの判定で勝利でしたが、チゾラは初回にダウンを奪ったこともあり、判定を盗まれたと声だかに叫んでいました。

すでにわかったもの同士、今回の接戦が予想されます。目新しさは、ないですね。

前回のパーカーvsチゾラは、アンダーカードにドミトリー・ビボルが出ていました。そして今回も、このメインよりも興味深いのがセミファイナル。

 

カルロス・ゴンゴラ(エクアドル)20勝(15KO)無敗

vs

レローネ・リチャーズ(イギリス)15勝(3KO)無敗

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スーパーミドル級の台風の目になりうるボクサー、カルロス・ゴンゴラ。素晴らしいディフェンススキルを持っており、攻めればジャブは美しく、パワーもあります。

2020年12月にはゴロフキンの後継者と目されていたアリ・アフメドフ(カザフスタン)との全勝プロスペクト対決を逆転KOで勝ち上がり、その後格下のクリストファー・ピアルソン(アメリカ)を難なく8RKOで退けています。

マイナー団体(の中では最も権威のある)IBOの世界王者であり、32歳という年齢ながら非常に身体能力が高く、期待値は充分です。

対してリチャーズも、どちらかというとディフェンシブなボクサーで、カウンターパンチャー。こちらは巧さが際立ちますが、KO率の通りややパワーレスか。

 

ちょっと大切に育てられてきた感じがあり、今回のゴンゴラ戦は大きなテストマッチと言えます。

どちらもサウスポー、良いディフェンス技術を持っており、スピードのあるボクサーですが、戦い方がややディフェンシブな面もあるので、お見合いみたいな展開にならなければ良いですが。。。

パワーに勝るゴンゴラがプレスをかけて、素晴らしいノックアウトを見せてくれる事を期待しています。

放送・配信

この興行は、DAZNで生配信です。日本時間12/19(日)AM3:00〜ですね。イギリスの興行は、いつもメインがAM7:00頃のような気がしますが、アンダーカードの状況によってはわかりません。

↓DAZNはこちら

DAZN

 

 

12/18(日本時間12/19)ミネアポリス

WBAレギュラー世界スーパーミドル級タイトルマッチ

デビッド・モレル(キューバ)5勝(4KO)無敗

vs

アランテス・フォックス(アメリカ)28勝(13KO)2敗1分

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スーパーミドル級には4団体統一王者、カネロ・アルバレスが君臨しています。しかし、この階級にはまだ「レギュラー」王者が生き残っている状態ですね。

カネロはカネロで、2階級上のクルーザー級での世界タイトル獲得を模索している状況であり、このスーパーミドル級の4つのタイトルはその試合のあと、返上してしまうかもしれません。そうすれば、WBAで唯一の王者になるのがこのデビッド・モレル。

実際、このボクサーはプロになってたった5戦。戦った相手も世界のトップボクサーではないので、まだ証明されていない部分が非常に多いボクサーでもあります。そもそも知らない人も多いかもしれません。。。

プロ3戦目でいきなり世界挑戦(暫定王座)して初戴冠、その試合のみが判定ですね。

ボクシング大国、キューバ出身、しかも23歳と若い。キューバから亡命してきたボクサーというのは、ある程度年を取っているのが通例な気がしますが、このモレルはなんと非常に若いのです。これは今後のスーパーミドル級のキーマンとなりうるボクサーですね。

 

これまでの試合はYoutubeでみていますが、基本圧勝なのでまだ底が見えません。非常にアグレッシブで、良いボクサーだと思います。

フォックスは2017年にデメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)に挑戦したボクサー(判定負け)で、2019年にはリアム・ウィリアムス(イギリス)には5RTKO負けを喫しています。

その後、スーパーミドル級に階級を上げていますが、およそトップボクサーとは言い難い。

ここはモレルの快勝を期待したいところです。

 

放送・配信

この興行は、注目選手たちがこぞって登場しますね。スーパーライト級では12戦全勝5KOのリチャードソン・ヒッチンズ(アメリカ)、元WBA世界スーパーライト級暫定王者、19戦全勝10KOのアルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)、セミファイナルにはライト級、10戦全勝6KOのホセ・バレンズエラ、等々。アメリカではFOXスポーツで生中継で、残念ながら日本での放送はなし。

イギリス、オーストラリアではFITE.TVで中継される、ということなので、VPNを使えばこの興行はFITE.PPVで購入可能ですね。

VPNはこちら

12/18(日本時間12/19)

ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)42勝(28KO)無敗

vs

ユニエスキ・ゴンザレス(キューバ)21勝(17KO)3敗

ヒルベルト「ズルド」ラミレス。元WBO世界スーパーミドル級王者で、42戦して未だ無敗。2016年4月に獲得したタイトルは、5度防衛のあと、2018年12月の試合を最後に返上、そこからライトヘビー級を主戦場として戦っています。

イメージ的には序盤に強く、中盤以降は安全運転をしてしまい、圧倒した場合でも結局判定まで行ってしまう、ボクサーですが、このライトヘビー級に上げてからは以外と3連続ストップ勝ち中。

 

実力者なのは間違いありませんが、メキシカンなのに「マッチョ」ではない感じはしますが、人気はあるのでしょうか。

対戦相手のユニエスキ・ゴンザレス、こちらは速い回でのノックアウトが非常に多いボクサーです。前戦は2R、その前も2R、その前は1Rで倒しきっており、その前はオレクサンドル・グヴォジク(ウクライナ)に3Rで敗れています。

グヴォジク戦後は3年半ものブランクを作っていますが、そこから3連続KO勝利中と勢いがありますね。ちなみに、映像を見た感じだとゴリゴリのファイターです。グヴォジク戦では、効かされてもガンガンパンチを振り回し、結局セコンドが止めてくれたという異常者。

↓3RTKOの負け試合ですが、是非見て下さい。ファンになります。多分。

Oleksandr Gvozdyk - Yunieski Gonzalez.Highlights - YouTube

 

ということで、ハート溢れるこのユニエスキ・ゴンザレスに期待を寄せつつ、応援したいと思います。ちなみに愛称はThe Monster。いやこれは確かにモンスターです。

放送・配信

アンダーカードにはWBA世界女子ミニマム級タイトルマッチ。天海ツナミから王座を奪った、セニエサ・エストラーダ(アメリカ)の初防衛戦があります。これがセミファイナルでしょうか。女子の試合は他にもWBC世界女子フライ級タイトルマッチもあるようです。

その他には、ジャメル・ヘリング(アメリカ)に挑戦経験のあるレイモント・ローチ(アメリカ)vs元王者、レネ・アルバラード(ニカラグア)というスーパーフェザー級サバイバルマッチもあり、なかなかの豪華興行ですね。

この興行は、日本時間12/19(日)11:00〜DAZNで生配信。

↓DAZNはこちら

DAZN

 

ということで、12/18、12/19は中・重量級祭りですね。一番興味があるのは、アルツール・ベテルビエフ、その次がデビッド・モレル、そしてその次はヒルベルト・ラミレスというかもうユニエスキ・ゴンザレスです。

今週末も観戦に忙しい(仕事ですけど)。そしてまだ見れていない、ダイヤモンドグローブを早く見たい。

 

ベテルビエフvsブラウン!マドリモフvsソロ!カナダとウズベキスタン、2つの注目興行をプレビュー!

年末の週は世界のボクシングはほとんどお休み。なのでおおよそ今週末で海外のボクシングは今年の興行のほとんどが終わる感じですね。

日本は、というと例年、大晦日にも興行を打っています。

今年の大晦日は、井岡一翔がジェルウィン・アンカハスを迎える予定でしたが、政府の対コロナ施策にてアンカハスが来日できず。つい昨日、代役挑戦者として福永亮次との一戦が正式発表されました。

↓井岡vs福永が正式発表!

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

そして、今週末の注目試合としては、やはりライトヘビー級の統一王者にしてパーフェクトレコードの持ち主であるアルツール・ベテルビエフの登場でしょう。しかも相手はマーカス・ブラウン。

この興行は、当初FITE.TVで配信との情報(FITEのリストにも載っていた)でしたが、直前になってリストから削除。調べてみると、カナダではFITE.TVで見ることが出来るようです。

基本的には、この興行はESPN +で生配信、一応ベテルビエフはカナダをホームとするボクサーなので、申し訳程度にカナダでの配信をつけた、という感じかもしれません。

そしてこの試合の他には、DAZNにて中継される予定のイスラエル・マドリモフvsミシェル・ソロのWBA世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦。これも非常に興味深い一線ですね。

ということで、今回のブログでは、日本時間12/18(土曜日です。現地時間の金曜日。ご注意ください)に行われる、二つの興行について書いていきたいと思います。

 

12/17(日本時間12/18)ウズベキスタン

イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)7勝(5KO)無敗

vs

ミシェル・ソロ(フランス)35勝(24KO)2敗1分

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スーパーウェルター級という中量級の激戦区に於いて、たった7戦で挑戦者決定戦の位置まで上り詰めたマドリモフ。Israilという表記なので、イズラエルかもしれません。

ムロジョン・アフマダリエフを筆頭に快進撃を続けるウズベク・ボクサーの中でも、このマドリモフに対する期待は高いのではないでしょうか。

非常にアグレッシブな、お客さん受けするスタイル。アフマダリエフのように次々と際限なく出てくるコンビネーションと、素早くサイドへ回り込み、攻撃する俊敏性も持ち合わせています。

このスーパーウェルター級は、2021年7月、ジャーメル・チャーロ(アメリカ)とブライアン・カルロス・カスターノ(アルゼンチン)との間で4団体統一戦が組まれたものの、ドローでタイトル4団体統一王者は誕生せず。

内容的にはカスターノが勝っていた、との声が多いですが、再選すれば分かりませんね。

さて、このチャーロvsカスターノの勝者へとチャレンジすることになるこの試合の勝者ですが、このスーパーウェルター級の「指名挑戦者」たちも待たされている状態で、スーパーバンタム級と同じく大渋滞をおこしています。さらに、4団体を統一した王者は、階級アップが既定路線となっているので、チャーロvsカスターノの勝者に挑戦できるかどうかは分かりません。

 

さて、このミシェル・ソロは、2017年に、当時ブライアン・カスターノの持っていたWBA暫定タイトルに挑戦し、1−2のスプリット判定で惜敗。

その後2018年にジョン・ベラ(アメリカ)と同王座決定戦を争い、勝利して暫定タイトルを獲得しています。

距離感が良く、非常にスキルフルなソロ。少し前ではありますが、現統一王者、カスターノと良い勝負をした、という事実は、今回マドリモフの実力を測るための、一つの重要なファクターになりそうです。

マドリモフはアグレッシブなファイターよりのボクサーですが、そのアマ経験(と言ったらダメなのか?オリンピックボクシング経験とでも??)は非常に豊富、スキルも高い。

マドリモフが前に出て、ソロが距離を作る、という展開になりそうではありますが、マドリモフを好きなように前に出させると調子づいてしまいます。マドリモフはマドリモフで、他にも戦い方があるので、どのような展開になるかも楽しみですね。

マドリモフは、ここ2戦は判定決着ながら、どちらの試合もダウンを奪っています。ここでソロに完勝、もしくは倒し切ってしまうようなら、世界は近いのかもしれません。

 

放送・配信

この興行は、DAZNで生配信。イベント開始は12/18(日)深夜0:00、メインはAM2:30入場予定とのことです。このブログがアップされてすぐ、もう終わっているかもしれません。

このウズベク興行は、ウズベキスタンの誇るプロスペクトたちがこぞって登場する興行です。

前戦ではガブリエル・ロサド(アメリカ)に敗れてしまいましたが、未だ期待のベクテミル・メリクジエフ、リオ五輪銀メダリストのシャフラム・ギヤソフ等々。。。基本的に全員が元トップアマなので、アンダーカード、第一試合からレベルの高いファイトが見られると思います。

↓BoxRecより。試合順ではありません。

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12/17(日本時間12/18)カナダ

WBC・IBF世界ライトヘビー級統一タイトルマッチ

アルツール・ベテルビエフ(ロシア)16勝(16KO)無敗

vs

マーカス・ブラウン(アメリカ)24勝(16KO)1敗

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「ライトヘビー級」という階級は、日本人に馴染みこそ少ないですが、非常に面白い階級だと思います。

欧米での平均値と言われるウェルター〜ミドルくらいのボクサーよりも、より大きなライトヘビー級ボクサーたち。ともすればパワーに頼りがち、ともなりそうですが、ヘビー級ほどパワーに特化しているわけでもない、絶妙な階級。

個人的には、このライトヘビー級というのは好きな階級です。

その中で、大本命はこのアルツール・ベテルビエフ。

そのフィニッシャーとしての力は突出しており、16戦すべてをノックアウトで飾っています。ただのパンチャーではなく、テクニックも持ち合わせているところがこのベテルビエフの強いところ。

北京五輪、ロンドン五輪出場の他、世界選手権でも優勝経験のあるベテルビエフは、ロンドン五輪(準々決勝でオレクサンドル・ウシクに敗北)後、プロ転向。

2017年11月、IBF王座決定戦を勝ちIBF王座を初戴冠、3度目の防衛戦が当時のWBC王者、オレクサンドル・グヴォジク(ウクライナ)との統一戦となりました。

 

2019年10月に行われた、このグヴォジクとの防衛戦は、今思い出してもとんでもなく素晴らしい一戦でしたし、この全勝王者同士の一戦がすんなりと、さも当たり前のように決まったことも称賛に値します。

この試合こそが最強vs最強、まさに世界一を決定する試合だったと思っています。

さて、そこに勝ち残ったベテルビエフでしたが、次に決まっていた防衛戦はコロナで流れ、これがコロナの影響を受けた最初の試合だったと記憶しています。(確か試合場所が中国)

ようやくリングに戻ってきたのは2021年3月、この防衛戦も当然KOで片付けています。

対してマーカス・ブラウンは非常に評価の高いサウスポー。ハンドスピードは速く、体躯にも恵まれており、ディフェンス勘も非常に良い。その評判の通り、2012年のデビュー以来連戦連勝を続け、2019年1月にバドゥ・ジャック(スウェーデン)と戦い、これに勝利してWBA世界ライトヘビー級暫定王者となりました。このジャック戦は素晴らしかった。ジャック・ザ・リッパーを逆に切り裂いて、あわやストップ勝ちかという内容。

 

しかし、その初防衛戦で、ジャン・パスカル(カナダ)にまさかの敗戦。

4Rに1度、7Rに2度ダウンを奪われるという内容でしたが、その他は試合をコントロール、遂にはアクシデンタル・ヘッドバットで8R負傷判定での敗北。

4Rのダウンも7Rの最初のダウンもパスカルのカウンターの右、これはかなり効いていたと思いますがその回復力には驚かされましたね。ちょっと不用意に貰ってしまった事は残念で仕方ありませんが。

タラレバですが、あのままいけばダウンポイントを挽回できたであろう、悔しい一戦。まあ、何度もダウンを奪われた事は大きく株を下げましたが。

そこからコロナもあり、1年8ヶ月ぶりのリングでは格下のデニス・グラシェフ(ロシア)を相手にフルマークの判定勝利。これはどう評価して良いかわかりません。

 

ともあれ、今回は初の正規王座戦、気合の入り具合は違うはずです。パスカル戦でもらったカウンターの右フックのような、集中力を欠くような場面は、ベテルビエフ相手には訪れないはずです。

今回のブラウンは、きっとジャック戦以上に仕上げてくることが予想されます。

ブラウンは、基本的には下がりながらカウンターを狙うほうが得意と思われ、自らプレスをかけたり呼び込んだりもできるボクサーではありますが、このベテルビエフは放っておいても勝手に前に出てきてくれるので、ブラウンが色々と考える必要がありません。

ベテルビエフを研究し、カウンター一点狙いという方法で良い、ということは、非常に準備がシンプルで、その精度を上げられる、ということだと思います。

なのでアップセットの可能性がなくはない、そんな試合だと思っていますが、それを乗り越えて、やはり期待はベテルビエフのパワーにあります。

おそらくディフェンシブに戦うであろうこのブラウンを、ベテルビエフはノックアウトできるか。非常に楽しみな一戦です。

 

放送・配信

アメリカではESPN +での生放送。日本では、やっぱりFITEのリストにはありません。ローガン・ポールvsタイロン・ウッドリー2を放送するくらいなら、こっちの放映権を買い取ってもらいたいんですけど。

非常に残念ですが、どうしても見たいという方はVPNをとってカナダに設定、カナダのIPアドレスを使ってFITE.TVのサイトへ行けば、購入できると思います。尚、視聴の際もカナダに設定しておかなければ見れません。

ちなみにVPNは無料のものだと途中で切れてしまうと思うので、少々お金はかかりますが有料のものがおすすめです。

↓私はこれを使っています。

 

正式発表!井岡一翔、大晦日の相手は昭和の香り漂うリトルパッキャオ、福永亮次!!!

今週、正式発表があるとの噂だった大晦日興行。

予想通り、と言ってもいいカードが本日12/16(木)に発表されました。今週は火曜日に井上尚弥vsアラン・ディパエンという話題の興行があり、それが落ち着いた時に発表というのはタイミングを見計らっていた感じがありますね。

おそらく志成ジム、井岡一翔陣営としては、アンカハスが来日できないと知るやすぐさまオファーをかけていたはずで、当時のWBOランキングに入っている日本人は田中恒成、石田匠、福永亮次の3名。

田中は2020年の大晦日に退けており、石田は元ジムメイト。そう考えると、「アンカハスと同じサウスポーだから」という理由は後付で、福永しか該当するボクサーはいませんでした。

井岡がブランクをつくらず、春か夏くらいの統一戦に臨めると考えればこれは非常にありがたいマッチアップながら、相手があの福永亮次だというのは個人的には非常に複雑。

ということで今回は、正式発表と相成った井岡vs福永についてです。

 

12/31(金)

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ

井岡一翔(志成)27勝(15KO)2敗

vs

福永亮次(角海老宝石)15勝(14KO)4敗

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TBSの都合、というのも正直あると思います。政府が「新型コロナウィルス感染症に関する水際対策強化」として外国人の来日を不可としたのが11/29。その後、年末の興行でリングに立つ予定だったゲンナディ・ゴロフキンにしても、ジェルウィン・アンカハスにしても、来日ができない、という報道がなされたのがその数日後。

おそらく上記の理由から、もしこの大晦日の試合をやるならば、福永しか相手はいませんでした。

日本・WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級王者(OPBF王座については返上済)の福永亮次は1/15に中村祐斗(市野)を迎えて防衛戦の予定でしたが、大きなチャンスが巡ってくればこの防衛戦をキャンセルするのは致し方ないところでしょう。

最近で言えば、ティム・チューと対戦した井上岳志(ワールドスポーツ)も決まっていた試合を流してチャンスに飛びつきました。

 

もともと1月に試合を予定していた福永は、その調整を2週間ほど早めれば良いだけ、もともとさほど繊細なタイプのボクサーではないため、準備期間云々はさほど気にしないと思います。むしろ、この大きなチャンスに燃えているでしょう。

しかし、これまでの実績ではPFPファイターである井岡が大きく上回り、井岡にとっては格下。昨年末に戦った田中恒成戦よりもはっきりしたカタチで、この「代役挑戦者」を仕留めなければいけません。井岡にとっては状況的にやややりづらいかな、とも思います。「勝って当たり前、勝ち方を問われる」という試合は非常に難しい。

その「勝って当たり前、勝ち方を問われる」試合だった前戦、フランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)戦。ロドリゲスのしつこい攻撃になかなか手を焼かされ、個人的には3者ともに116-112という判定結果よりももっと競っている試合内容に見えました。

要は、井岡はあまり良いパフォーマンスは見せられなかった、と思っています。

その前、2020年末の田中恒成戦は、非常に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたが故、期待も大きくなってしまったことも、井岡を見る我々の目が厳しくなってしまった一因だとも考えられます。

 

↓井岡の思わぬ苦戦?ロドリゲス戦の観戦記

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↓井岡のベストかもしれない、田中恒成戦の観戦記

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そして福永亮次、このボクサーは非常に個性的です。

そもそもプロデビューが26歳と遅く、このデビュー戦は判定負け。(試合の20日後に27歳)当然アマ経験もなく、この遅いプロデビューの叩き上げボクサーが、世界戦線まで上がってこれたことは近年のボクシング界において奇跡に近いものです。

2013年12月に行われた2戦目を初回KOで飾りますが、そのごエディ・タウンゼントジムから宮田ジムへ移籍、3戦目は1年以上のブランクをつくり、2015年1月。その年の新人王戦にエントリーしますが準決勝で敗退。

翌2016年も新人王戦にエントリーし、2度目の挑戦で全日本新人王となり、この大会の技能賞を獲得しています。

その後は2連勝していますが、2連敗。このあと角海老宝石ジムに移籍したことで、福永の運命が花開く時が訪れる事になります。

 

2019年5月、移籍初戦を初回KOで飾ると、2020年2月、移籍2戦目で当時のWBOアジア・パシフィック王者、フローイラン・サルダール(フィリピン)へ挑戦。世界挑戦経験者であるサルダールは上手く、序盤から福永は劣勢。ボディで反撃を試みるも、サルダールの的確なパンチで右目下が腫れ上がり、大ピンチ。

しかし攻撃は最大の防御、と言わんばかりにサルダールを攻め立て、ついにはボディで逆転のダウンを奪います。立ち上がったサルダールを猛攻にさらしたところで、レフェリーがストップするという大逆転KO。私はたまたま他のボクサーの応援で現地観戦していましたが、この福永の試合は本当に感動させてもらいました。

見事WBOアジア・パシフィック王者となった福永は、初防衛戦で当時の日本王者、中川健太(三迫)を迎えます。この一戦は、空位だったOPBF東洋太平洋王座も賭けられ、3冠統一戦となります。

↓観戦記

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ここで福永は、「強さ」だけでなく「うまさ」も見せ、日本王者中川をテクニックでも上回ってみせました。非常にドラマティックな死闘を10RTKO勝利で勝ち上がり、続いての防衛戦では藤井貴博(金子)をほとんど何もさせずに圧勝。

圧倒的な強さを見せつけた福永でしたが、また「世界」という言葉はここではでませんでした。

最新試合は2021年10月、迎える挑戦者は帝拳のホープ、梶颯。

当時15勝(9KO)のプロスペクトは、ここ最近、一時の勢いが亡くなっていたように思いましたが、やはりタイトルがかかればしっかりと仕上げてきます。

この日の梶は過去イチで強く、巧かった。

結果的には、最後の2ラウンドを攻めきった福永に軍配が上がった試合でありましたが、福永は劣勢を覆す事ができるボクサーです。

↓観戦記

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非常に評価の高い梶颯を相手に、大苦戦を強いられながらも初の判定勝利で接戦を制し、強い梶に勝った事でようやく福永本人も「世界」を口にします。

そして「世界」を口にした途端、巡ってきたこのチャンス。ここは燃えない訳がないでしょう。

福永は、メインイベントに出場する時、「片付けの時間が少ないから」という理由で、シューズやファールカップ等々、準備物をでかいビニール袋(たぶんゴミ袋)に入れて会場入りするそうです。頓着しない、洗練されていないところに「昭和」感を感じ、非常に応援したくなるボクサーです。

絶対に負けられない井岡と、KOでしか勝てない福永

井岡とジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との交渉は、まだ続いています。

アンカハスが日本に来れないとなって、すぐに出た情報によると、アンカハスは1月に防衛戦を挟む、とのこと。

そうなると井岡としてもこの年末を「試合中止」とするのではなく、一戦入れて、春、もしくは夏頃に相まみえる、というのが最も合理的なスケジュールでしょう。ともかく、一度は合意に至ったこの一戦の実現可能性は、「両者が勝ち残りさえすれば」非常に高そうな気がしています。

だからこそ、井岡一翔にとっては、「勝って当たり前」「勝ち方を問われる」試合ではあるものの、絶対に負けられない、勝たなければならない試合でもあるわけです。

 

ボクシングスキル、ボクシングIQ、距離感、引き出しの多さ、ボクシングに必要なほとんどのものは井岡が上回っているはずです。

福永は、「リトル・パッキャオ」と呼ばれるほどのアグレッシブネス、そして15勝中14KOというハードパンチ(一発の破壊力ではなく、連打できることが特性だと本人は言っていますが、充分にハードパンチャーに見えます)を押し出していくしかありません。

井岡が福永のパンチを捌き、いなし、阻み、カウンターをとって福永を倒し切る展開も、判定で勝利を掴む展開も容易に想像はできます。

しかし福永の踏み込みは非常に鋭く、そしてもともと12R戦う事を考えずに序盤から出ていけば、井岡のコンピューターを狂わせる事も可能なのではないか、とも思います。福永にとっては、フランシスコ・ロドリゲスJrの戦い方は参考になるはずです。

井岡にはここでは絶対に負けてほしくありません。アンカハスとの統一戦が見たい。

しかし福永には、絶対に世界王者になってほしい。35歳の福永には、次のチャンスがあるかどうかは疑わしい。

ということで、非常に悩ましい一戦。年末まで時間はないこともあり、応援するボクサーをどちらかに絞れる自信もありませんね。。。

 

セミファイナルもやばい

セミファイナルには64.5kg契約8回戦、近藤明広(一力)vs石脇麻生(寝屋川石田)。

世界挑戦経験者、近藤明広と、ハードマッチメイクが過ぎる路線の新鋭、石脇麻生という、本当にとんでもない、サプライズと言って良いようなマッチメイク。

36歳の近藤は32勝(18KO)10敗2分、負けの数も多いですが戦ってきた相手の質たるやものすごい。

2017年11月にセルゲイ・リピネッツ(ロシア)とIBF王座決定戦を戦っていますが、これはデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)のアンダーカードだったと思います。そこから4年、未だに国内トップ、2020年12月の日本スーパーライト級王座挑戦は、当時の王者永田大士(三迫)と負傷ドロー。最新の試合ではアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)に判定負けと勝ち星に恵まれていませんが、まだまだ力を残しているボクサーです。

 

石脇麻生は、9勝(7KO)4敗1分の22歳、前戦で粕谷雄一郎(角海老宝石)との大激闘を制し、ランキングに返り咲き。

粕谷戦の前は高校6冠のアマエリート、李健太(帝拳)、その前は佐々木尽(八王子中屋)、その前は日本王座挑戦経験者、池田竜二(竹原&畑山)に3連敗を喫しているものの、そのハードマッチメイクから学んだ事も大きいのでしょうね。

ともかく再浮上した石脇は、まだ若く、将来のこの日本中量級を背負って立ってくれそうなボクサー。スーパーライト級新旧対決と言っても過言ではないこの一戦は、年の差なんと14歳です。これも非常に楽しみな一戦。

放送・配信

メイン、セミの他のアンダーカードは4回戦が2試合。公式発表によると17:00興行開始、とのこと。

TBSボクシングの中継は、18:30〜とのことなので、セミのテレビ中継はおそらくないと思われますが、以前のようにネット配信してくれるとありがたいですね。

 

また情報がわかりましたら、ブログ内でお伝えしたいと思います。

ともあれ、この大晦日決戦が、TBSがゴリ押しで決めたものではない、ということだけ祈ります。もし井岡がこの一戦に乗り気ではなかった場合、本気でタイトルを奪いにくる福永は危険な相手だと思います。

福永にとっては一世一代の大勝負、転がり込んできたこの大チャンスに、過去最高の福永亮次を見せてもらいたいですね。

尚、チケットは12/17(金)から発売とのこと。これはいきなり発表してチケットは売れるのか。大晦日、皆さん予定なくて当たり前なんでしょうか。。。??

 

【プレビュー】12/14はホールもアツい!坂晃典vs木村吉光!内藤律樹vs麻生興一!杉田ダイスケvs大湾硫斗!

井上尚弥vsアラン・ディパエン。

12/14(火)に両国国技館で行われるこの試合は、セミファイナルにも世界タイトルマッチが入り、大橋ジムのホープたちも登場する豪華興行。

しかし、その裏で、後楽園ホールでも非常に興味深いマッチアップが組まれています。

なぜ、同日に持ってきたのか。。。こればかりは仕方ないと思うのですが、ボクシング興行は(海外も含めて)こういうのが多いですね。正直ちょっと困ります。

ということで、今回は12/14(火)後楽園ホールで行われる、坂晃典vs木村吉光、内藤律樹vs麻生興一のダブルタイトルマッチをプレビューです。

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12/14(火)ガッツファイティング&DANGAN

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦

坂晃典(仲里)21勝(18KO)5敗

vs

木村吉光(志成)12勝(7KO)2敗1分

これは本当に素晴らしいマッチアップですが、本当にどちらを応援するか困るマッチアップです。おそらく当日までに答えは出ません。いや、おそらくではなく、どちらかを応援することができません。

まず坂は、現・日本スーパーフェザー級王者。2冠目を狙いますね。

21勝中18KOという脅威的なノックアウトパンチャーであり、そのボクシングは非常に無骨で面白い。2017年に林翔太(畑中)を破って日本フェザー級タイトルを獲得するも、初防衛戦で大橋健典(角海老宝石)にKO負けで陥落。これは残り10秒の拍子木を勘違いしてしまった事件として有名な一戦です。

 

その後、再起した坂は、2019年4月、階級を上げてWBOアジアパシフィックタイトルに挑戦もジョー・ノイナイ(フィリピン)に2RTKO負け。

しかしこのどん底から持ち直した坂は、同年の12月には、世界を窺う末吉大(帝拳)を6RTKOで破り、日本スーパーフェザー級王座を獲得、日本2階級制覇王者となりました。

そして初防衛戦では50戦近くのキャリアで1度もKO負けのない渡邉卓也(DANGAN  AOKI)を6RTKOで仕留め、その強さを見せつけました。

正直、ノイナイに負けてしまった時は終わったと思いました。ノイナイは当時今ほど有名ではなく、怖いボクサーではなかったからです。(坂戦後、清水聡を衝撃的なKOで破り、現世界王者尾川堅一と引き分け)

しかし、そこから不死鳥のように蘇った坂は、末吉戦、渡邉戦で抜群のパフォーマンスを披露しています。明らかに硬質なそのパンチは、非常に期待を抱かせてくれるボクサーですね。

対して木村は、2016年の全日本フェザー級新人王。新人王獲得後、強気のマッチメイクを続けた木村は、2018年4月にリチャード・プミクピック(フィリピン)の持つWBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルへ挑戦も敗北、初黒星を喫しました。

 

その後は1階級上げてスーパーフェザー級の日本ユースタイトルを獲得、2019年にはOPBF東洋太平洋タイトルに挑戦も失敗で、2敗目。時の王者は三代大訓(ワタナベ)ということを考えると、本当にハードマッチメイク。

その後、白井・具志堅スポーツジム閉鎖に伴い、同門の比嘉大吾らと共に現在の志成ジム(当時はAmbitionジム)へ移籍。前戦では仲里周磨(ナカザト)との超注目ホープ対決で、ダウン応酬の末ジャッジ3者ともにドローの判定で引き分けとなっています。

非常にキビキビと動きますが、序盤はやや動きが悪く、被弾も目立つ木村。序盤に坂のハードパンチをもらってしまうとかなり部が悪い。ただ、ダウンを奪われる、完全に効かされる、そいういったピンチがありながらもKO負けはありません。そして、戦ってきた相手の質は、王者として君臨する坂にも劣りません。

ちなみに、私が木村を応援するのは、彼が香川県の出身だから、というところが大きいです。ボクシング不毛の地、私の故郷香川県のボクサーは基本的に無条件で応援しています。

 

とはいえ、木村には厳しい戦いが待っていそうです。序盤は坂のパンチの当たらない距離でボクシングをして、後半に巻き返す、という展開が木村にとっては良いでしょう。逆に坂は序盤から勝負を決められれば、木村が本領を発揮する前に潰してしまえるかもしれません。

OPBF東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ

内藤律樹(E&Jカシアス)23勝(8KO)2敗

vs

麻生興一(三迫)24勝(15KO)9敗1分

両者ともに、あまりアクティブにリングに上がっているイメージはありません。内藤はこのタイトルをとって、なんだかんだで4度の防衛。安定王者と言っても良いでしょう。

ただ、試合内容としてはやや物足りない試合が続き、前戦の今野戦こそ上手くハマったような感じがしますが、それまではかなり苦しい試合を強いられていました。

 

前戦のような試合を続けていれば、この階級でも戦っていけるのだと思います。

対して麻生は、2017年に細川バレンタインに日本王座を奪われてからはや4年。その間に試合は3戦、2勝1敗とこちらも良いパフォーマンスは見せることができていません。

内藤としては、向かってくる麻生はやりやすい相手のような気がします。内藤が海外での戦い、そして世界タイトルを目指すのであれば、ここは快勝したいところでしょう。

それをさせない意地を麻生は見せられるか。

 

56.0kg契約8回戦

杉田ダイスケ(ワタナベ)6勝(3KO)2敗

vs

大湾硫斗(志成)7勝(5KO)1敗

ポリスボクサー、杉田ダイスケ。アマ110勝というキャリアを引っ提げ、2018年にプロデビュー。2つの敗戦は、阿部麗也(KG大和)、赤穂亮(横浜光)というトップボクサーによるものです。

前戦となる赤穂戦は、結果的に力の差のあった一戦だったと思います(3RKO負け)が、立ち上がりは「まさか」を思わせる展開でもありました。

あの日の赤穂は非常に冷静で杉田のアタックにもカッとなることもなく対処しましたが、もし以前の調子の上がらない赤穂であれば、アップセットもあり得たのかもしれません。

ともあれこの杉田は力のあるボクサー、最近では息子くんのトレーニングも話題ですね。

さて、大湾硫斗、こちらは最近メキメキと力をつけてきているホープ。2018年10月に行われた日本ユース・バンタム級王座決定戦では敗北しましたが、その後所属していた白井・具志堅スポーツジムの閉鎖を受けて木村同様現在の志成ジムに移籍。

 

そこからの2試合を連続KO勝利。

ただ、今回の相手、杉田は、大湾のこれまでの対戦相手の中で最も名のあるボクサーであり、最も強敵なのではないでしょうか。

ともにプロで8戦ですが、アマキャリアは杉田が大きく上回り、その分年齢は杉田33歳に比べて大湾は23歳と10歳差。

キャリアか、勢いか。

杉田は試合巧者の面もあり、大湾の勢いを上手く凌げば、後半に大きな勝機が見えてくる気がします。逆に大湾は、杉田ペースのボクシングにはまらないよう、常に先手を心がけ、早い段階で強いパンチを当てたいのではないでしょうか。

この試合も非常に楽しみですね。

 

放送・配信は?

DANGAN興行なので、BoxingRaiseで生配信と思っていたのですが、このブログを書いている12/10(金)現在、BoxingRaiseの放送スケジュールには載っていません。これは生配信してしかるべきカードなので、普通に考えればZAIKOのPPVとなるのかもしれません。

しかし、日程があまり良くなく、この日は時間こそずれるものの井上尚弥vsアラン・ディパエン、会場に行けないファンもPPV観戦ができるようになっています。ここでPPVは売れるのか。

あとはガッツファイティングはTBSなので、もしかするとTBSのディレイ放送、もしくはTBSが運営するParaviで配信なんていう可能性もありますが。。。

ともあれ、続報を待ちたいと思います。

また情報が出れば、ブログでお伝えしたいと思います。

 

【プレビュー】井上尚弥vsアラン・ディパエン!モンスター、2年ぶりの凱旋試合!

毎日ボクシング、ボクシング。

12/9(木)は、私は見れませんでしたがダイヤモンドグローブ。

12/11(土)は、田中恒成vs石田匠の一戦がライブ配信。

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そして12/12(日)はビッグボクシング・デー、ロマチェンコvsコミー、そしてドネアvsガバリョ。

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本来はジョンリエル・カシメロvsポール・バトラーというWBO世界バンタム級タイトルマッチもセットされていましたが、カシメロが計量前に体重を落としきれず、病院に搬送。カシメロはこの試合から撤退してしまいました。

代わりにジョセフ・アグベコ(ガーナ)がバトラーの相手になるようです。

アグベコは何でしょうか、準備をしていたのでしょうか。。。?アンダーカードにも名前はなかったような気がしますが、突然現れて計量をクリア。

公式発表もバトラーvsアグベコとなっていますね。

プロベラムにとっては、バトラーが世界王座へと返り咲く可能性が大きく増えた、といえますが、かわいそうなのはWOWOW。井上尚弥の対抗王者ということで、折角話題のカシメロの放映権料を購入し、深夜とはいえ放送枠を大きくしてまで打ち込んだにもかかわらず、この仕打ち。

こうなるとバトラー、アグベコ、どちらでも良いので期待できる強さをみせつけてもらいたいものですね。

 

↓それでも、エドワーズとニエテスは出ますからね!

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この他にもドミトリー・ビボルvsウマール・サラモフ、亀田和毅vsヨンフレス・パレホなんかもありますね。

そしてこの土日が終わると、今度はすぐに12/14(火)。

日本ボクシング界最大のアイコンである、井上尚弥の登場です。

今回のブログでは、数日後に迫った井上vsディパエン、そのアンダーカードのプレビュー記事です。

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12/14(火)PXB WORLD SPIRITS

WBAスーパー・IBF世界バンタム級タイトルマッチ

井上尚弥(大橋)21勝(18KO)無敗

vs

アラン・ディパエン(タイ)12勝(11KO)2敗

ボクシングには絶対はありません。なので井上が100%勝つ、とは言えない(というか言いたくない)とはいえ、やはりどう考えてもディパエンの勝ち筋は非常に薄い。

 

現在のバンタム級世界トップ戦線を見渡して、井上を困らせてくれそうなボクサーはほとんどいないので、それも致し方有りません。井上相手に優位予想となるボクサーに至っては、皆無といっていいでしょう。

井上に次ぐバンタムは、ノニト・ドネアで満場一致を見ると思うのですが、両者の間には2019年11月時点よりも差が大きくなっているような気もします。(これをドネアは12/12の試合で覆してもらいたい)

井上自身もヒリヒリするような試合がしたい、と思っていると思いますが、ファンもやはり井上と強者との試合が見たい。なかなか上手くいかないものです。

↓アラン・ディパエンについて

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唯一の救いは、ディパエンがアップセットを起こす心づもりで来日してくれていること。ホテルのフロアを貸し切り、そのフロア内で最終調整を行うディパエンは、タイで200ラウンズに渡るスパーリングを消化。

大橋ジムは練習場所を提供したものの、その練習場所には現れなかったとのことで、何かしらの秘策を持って臨むのかもしれません。

さすが、井上の呼びかけに即刻応答しただけのことはあります。

ディパエンのストロングポイントはそのパンチ力にあり、あとは井上の強打に耐えうるタフネスがいかほどか、というところが、今回の一戦の肝であり、それによって「井上が何ラウンドで倒すのか」が焦点となっているのだと思います。

この超がつくほど劣勢の下馬評、そして敵地、是非ともディパエンの奮闘に期待したいものです。

そして、ディパエンにとって悪い知らせが、井上に一切の油断がないこと。圧倒的優位予想だったテオフィモ・ロペスが、伏兵ジョージ・カンボソスJrに負けたとみて、気を引き締めた井上に残念ながら死角は見えません。

 

あとはこの大一番に際し、これまで見せてきた実力を何倍も増幅した姿を、ディパエンが見せられるかどうかが鍵。敗北がほぼ確定的な中で、ディパエンが粘る、頑張る、もしくは井上に強いパンチを一発でも当てる事ができれば、今後プロスペクト相手のテストマッチ等に、道が拓けるかもしれません。

ディパエン、ガンバ。

WBO世界ミニマム級タイトルマッチ

ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)16勝(6KO)1敗

vs

谷口将隆(ワタナベ)14勝(9KO)3敗

勝敗についてはこちらがメインイベント。このセミファイナルにセットされた一戦が終われば、もうあとはフェスみたいなものです。

2016年にプロデビューしたメンデスは、2019年8月にビック・サルダール(フィリピン)を破って初戴冠。現在25歳とのことなので、弱冠22歳で王者となった俊英ですね。

 

サルダールは山中竜也(真正)から王座を奪い、防衛戦で谷口将隆を退けたボクサーですので日本でも非常に有名ですが、谷口戦からたったの6ヶ月で陥落。現在はWBA世界ミニマム級王者に返り咲いています。

このメンデスは165cmとこの階級では長身なほうで、テクニカルなサウスポー。やや低く構えた姿勢からリードを伸ばし、距離を測って入ってきたところに左ストレートを合わせるカウンターパンチャーです。

ステップも巧みで、ほんの少し距離をずらすバックステップや、右フックを打ったあとのサイドステップ、この打ち終わりのケアは良いですね。自ら近づいての右ボディも良いですが、このボディは効くパンチではありませんので、どちらかというとパフォーマンスかなと思います。

ちなみに私が見たのは前戦、ガブリエル・メンドサ戦ですが、チャンスにはしっかりとした左ストレートを打ってストップに持ち込んでいました。

その前には京口紘人(ワタナベ)に挑戦して、序盤良い勝負をした突貫ファイター、アクセル・アラゴン・ベガ(メキシコ)を負傷TKOに破っています。あの低く入ってくるベガの圧力にも屈しなかったとすれば、やはりステップワークが良いのだろうと思います。

 

谷口は、ここ数戦、大きく成長したボクサーだと思います。

もともと基本的技術は高く、総合力の高いサウスポーでしたが、サルダールに敗れて以降は気持ちの強さも感じるようになりました。

石澤開戦での戦いはお見事で、日本タイトル戦となった佐宗緋月戦、初防衛戦の仲島辰郎戦では格の違いを見せてのTKO勝利を挙げています。

この谷口はどのような戦い方を選択するのか、というのが気になりますが、「挑戦者らしく戦う」との言があり、いつもよりもアグレッシブに攻める事が予想されます。

確かに、待ちのボクシングをするメンデスを相手に、こちらも待ってしまっては挑戦者としてはいけません。しかも今回はジャッジが全員日本人、もしタイトルをとったとしても明白な勝利でなければケチもついてしまいますし、井上尚弥という冠が後に控えるタイトルマッチで、凡戦ともなりかねません。

 

個人的な気持ちとしては、何が何でも、どういう勝ち方でも良いので勝利してもらいたい。

かつて幾度もタイトル戦に失敗してきた谷口、そして同門には重岡兄弟がおり、もしここで失敗したとすれば、次のチャンスが回ってくるのは当分先になってしまいそうです。

基本的には挑戦者らしく自分から攻める、というのは良いと思いますが、変に気負わず、変幻自在な戦いを是非お願いしたい。

世界タイトル奪取に期待です。

55.0kg契約8回戦

武居由樹(大橋)2勝(2KO)無敗

vs

今村和寛(本田フィットネス)2勝(1KO)1分

これもまた興味深い一戦です。武居由樹は元K-1王者、デビュー以来2戦連続1RKO勝利中とその話題に負けない強さを誇っています。

デビュー2戦目は、当時パーフェクトレコードを持つ竹田梓(高崎)を右フック一発で仕留めてしまったのは驚きでしたね。かなりのポテンシャルを秘めている事についてもう疑いはありません。

ここがA級初戦となり、選んだ相手がなんと今村です。

今村はアマで国体3位となったボクサーで、アマ名門の日本大学の出身。とはいえ、リーグ戦にレギュラー出場していたか、というとそうではなく、日大の厚い選手層の中では常に2番手、3番手だったボクサーです。

 

ただ、この今村は前戦、辰吉戦では分の良いドロー。2Rの途中でバッティングが起き、その傷がもとで2R終了間際に負傷ドローとなってしまいましたが、見せ場もつくり、あのまま続けていればもしかするとスター候補、辰吉を喰っていた可能性もあるボクサーです。

アマ出身のスキルはありながらも、積極的に前に出るファイター。確か井上尚弥のファン・カルロス・パヤノ戦の前に、大橋ジムに呼ばれて井上とのスパーリングを行っていたと思いますが、その井上とのスパーリングを契機として変わった、という記事をどこかで見た気がします。

武居にしても、今村にしても、未だプロボクシングでは未知数。スピード、パワーはおそらく武居が優れているにしても、今村はやりづらいサウスポー、勝負はわかりません。

これもまた、楽しみな試合になりそうです。

 

58.5kg契約8回戦

松本圭佑(大橋)3勝(3KO)無敗

vs

荒木貴裕(JBスポーツ)12勝(4KO)10敗

デビュー4戦目のプロスペクトが、プロ22戦を経験しているベテランを迎えます。大橋ジム期待の松本は、幼い頃から父・松本好二の教えを受けている叩き上げの「大橋ジムボクサー」。アンダー15の大会では5連覇、アマでも全日本選手権準優勝、国際大会でも結果を残しているボクサーです。

アマ時代にはライバル対決で泣かされたこともあり、プロでも内容的には厳しい試合を勝ち抜いてきており、3戦とはいえなかなか骨太。

当然、荒木のキャリアには敵いませんが、どこかで大きく花開いてほしいと願うボクサーの1人です。

荒木はこの試合、相手選手所属ジム興行でのBサイドの位置。アマエリートとはいえ、A級2戦目の松本に対してキャリアの差を見せたいところでしょう。

 

おそらく下馬評としては松本の優位でしょうが、荒木がどこまで意地を見せられるのか、注目です。

スーパーバンタム級8回戦

石井渡士也(REBOOT.IBA)4勝(3KO)1敗

vs

藤岡拓弥(VADY)10勝(1KO)10敗1分

スーパーバンタム級ランカー対決。石井は井上尚弥のスパーリングパートナーとして名を上げ、わずか4戦目で世界挑戦経験者の元日本王者、石田匠(井岡)にチャレンジ。

このチャレンジこそ実らなかったものの、おそらく学びは大きく、復帰戦となった前戦では強豪・南出仁(セレス)を5Rで撃破。これは非常にハイレベルな、素晴らしい試合でしたね。

↓神興行のうちの一試合だった前戦。

boxingcafe.hatenablog.com

 

対戦相手の藤岡は前戦でタイトル挑戦経験者、河村真吾(ミツキ)に競り勝ちランクイン。評価の高い石井との1戦を受けるのは、非常にリスキーだと思いますが、勇敢ですね。

打ち合いの得意という藤岡は乱打戦に持ち込みたいところですが、石井はかなり総合力も高く、パワーもあるボクサー。

藤岡の勝ち筋を見つけることはなかなか難しいですが、粘り強く頑張ってもらいたい。

他に4回戦が2試合、全7試合の興行となっています。

 

放送・配信

今回の放送は、ひかりTV又はAMEMAで生配信。PPVの金額は3,960円(税込)とやや高額に思う方もいるかもしれません。

ABEMAプレミアム会員に登録すれば、このPPV自体は割引で買えるようですので、今までにABEMAプレミアム会員に登録したことがない、という方はプレミアム会員の無料期間というものがあるのでお得です。

私は過去、ボクシングを見るために登録した覚えがあるので、どちらにしろ変わりません。

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それから、ABEMAのアプリ内で購入しようとすると非常に高くなってしまうので、注意が必要です。Webからいってくださいね。

ちなみに、過去の記事で「ひかりTV」の無料会員になればPPVを購入できます、ということを書いてしまったんですが、今日やってみたら買えませんでした。。。

どうやら「お手がるプラン」という無料プランは、TV向けのプラン(無料)のようで、ひかりTVを引いたけど、休止する、みたいなプランのようです。失礼しました。

↓なので、私もABEMAで購入しました。

boxingcafe.hatenablog.com

カシメロのことは残念ですが、他にもたくさん試合はあります。カシメロと我々(というか井上)は縁がなかった、ということです。おそらくもう井上とカシメロはバンタム級では関わる事はないでしょう。

過ぎた事は仕方ありません、気持ちを切り替え、まずはここからのボクシングウィークを楽しみましょう!

 

【プレビュー】ノニト・ドネアvsレイマート・ガバリョとプロスペクトたちの競演。

Xデー12/12(日)。いつも同じ導入ですみません。。疲れてきています笑

さて、Xデーは皆さんも忙しいでしょうが、私はボクシング興行視聴ではなく国公立大学ボクシング大会という、地方国立大学にとって非常に大切で貴重な大会がありますので、本当はそっちで忙しい。

毎年12月に開催されている大会ですが、2020年はコロナでなくなってしまいました。

まあ、そんなこんなでロマチェンコvsコミーを書き、カシメロvsバトラーを書き、ここでいよいよドネアvsガバリョですね。

この記事のアップを遅らせたのは、アンダーカードの勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスの放送の有無を確認していたからです。Showtimeに問い合わせても良い返事はもらえず、でしたが、FITE.TVのU.Kでは勅使河原vsタパレスは放送予定とありました。最悪それを買うか、と思っていたら、BOXING BEATの運営するサイトでの記事が!

ということで無事WOWOWで見れそうです!これはありがたい。

ということで、不安要素がなくなったところで、今回のブログはドネアvsガバリョをメインに据えた、Showtime興行のプレビュー記事です。

 

12/11(日本時間12/12)カリフォルニア

WBC世界バンタム級タイトルマッチ

ノニト・ドネア(フィリピン)41勝(27KO)6敗

vs

レイマート・ガバリョ(フィリピン)24勝(20KO)無敗

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フィリピーノ・フラッシュ、ノニト・ドネアについてはもう今更説明は不要でしょうね。2019年11月、WBSS決勝で井上尚弥とフルラウンドを戦い、敗北を喫したものの、その評価は格段に上がりましたね。

ドネアの6敗のうち、1つはデビュー2戦目のもので、2つはスーパーバンタム級、2つはフェザー級、残りの一つが井上尚弥。バンタム級では井上尚弥以外に負けていません。

WBSS初戦となったライアン・バーネット(イギリス)戦では、バーネットが腰の負傷により途中棄権という幸運を拾った形であり、2戦目ではステフォン・ヤング(アメリカ)を手こずりながらもKO。ちなみにこのヤングは、WBA世界バンタム級暫定戦でガバリョとフルラウンド戦っています。

このバーネット戦、ヤング戦でドネアの出来はあまり良くなかったので、井上の序盤ストップ予想が多かった井上戦では、井上の眼窩底を折り鼻を折り、超がつくほどの大善戦。ノックアウトチャンスすらあったあの試合は、本当に感動しました。

 

その井上戦での出来がフロックでなかったことを証明したかのような、前戦のノルディーヌ・ウバーリ(フランス)戦。

ウバーリ相手には分が悪い、井上戦はこれまでにない良い出来だっただけ、という声をあざ笑うかのように、難敵ウバーリをたった4Rでノックアウト。戦慄を覚えるほどのカウンターは、まさにフィリピーノ・フラッシュの帰還でした。

バーネット戦の前はフェザー級で戦っていたドネアは、きっとバンタム級にフィットするのに時間がかかっただけなのでしょう。今となっては、井上尚弥に次ぐバンタム級だということに異論はないでしょう。

そして、ウバーリを破ってWBC王座となったドネアの相手は、WBCの暫定王者、同国人のレイマート・ガバリョ。

ガバリョは24勝中20KOというパンチャーで、弱冠25歳というプロスペクト。

そのコンビネーションはパワフルであり、踏み込みも鋭く、強敵です。

前戦となったWBC世界バンタム級暫定王座決定戦では、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を相手に空転に次ぐ空転、スプリットの判定で勝つには勝ったものの、その内容は芳しくなく、ロドリゲスに不運な判定が出た、という声も多いです。

 

映像で見る限りは、ロドリゲスの完勝にも思えましたが、リングサイドで見ていたジャッジ2人の採点は小差でガバリョ。(もうひとりは大差でロドリゲス)

果たしてガバリョのこのパワフルなパンチがドネアに届くか、というと難しそうです。ここ最近のドネアは非常に冷静であり、以前のような運動量こそないものの、徐々に相手を追い詰め、ここ一番でカウンターを取る、という戦法。

ドネアとガバリョを比べると、一瞬のスピード、パワー、フィジカル、そして戦略、そのすべてでドネアが上回っているように見えます。

逆にガバリョは、おそらく運動量では上回れると思うので、遠くから鋭く踏み込み、パワーパンチを当てる、ということが勝機になるような気がしますが、それでもドネアは抜群のカウンターを持っているため、ガバリョとしてはタイミングを盗まれる前、つまり勝負が序盤。

 

もしガバリョが前半、ドネアと見合ってしまえば勝ち目はないと思われます。そしてドネアは、序盤さえ気をつければ良いですし、果たしてドネアのタフネスの壁をガバリョがこじ開けることができるかどうか。

当然、我々日本のボクシングファンとしては、やはりドネアと井上の再戦が見たい(少なくともガバリョ戦よりは)という意見が多いと思います。そして今回は、ボクシングの素晴らしさを再認識させてくれた、そして親日家であるドネアを心ゆくまで応援できるチャンス。

ぜひともドネアにまたその強さを見せつけてもらいたいものです。

 

クドラティーリョ・アブドカホロフ(ウズベキスタン)18勝(10KO)無敗

vs

コーディ・クロウリー(カナダ)19勝(9KO)無敗

セミファイナルは大注目のウェルター級の全勝プロスペクト対決。ウェルター級の層の厚さには辟易としますね。

アブドカホロフはご存知、小原佳太(三迫)とのIBF指名挑戦者決定戦に勝利したボクサーです。ウズベクボクサーは、アフマダリエフのように皆アグレッシブ。小原戦でも手数は光りましたし、そのアグレッシブネスを支えるフィジカル、そしてこのボクサーは身体全体のスピードも速いですね。どちらかというと前に出ながら戦う時は強く、下がりながら戦う時は結構被弾の多いイメージです。

 

また、パワー的にはそこまで感じない、積極性の中に巧さのあるボクサーです。

クロウリーもまた、バランスのとれたサウスポーで、良いジャブを持ち、良いコンビネーションを持っています。

おそらく二人の試合は、中間距離でどちらが勝るか、という試合になるのではないでしょうか。そこを存分に堪能したあと、手が挙がるのはアブドカホロフかな、と思っています。

ところでアブドカホロフ、IBFの挑戦権を持っているものの、挑戦はまだ先なのでしょうか。挑戦権を得たのは2019年3月の話なので、もうすぐ3年が過ぎようとしています。

IBFの王者はエロール・スペンスJr。正直、今までのアブドカホロフだとスペンス相手には全然相手にならない気がします。

アブドカホロフはこのまとまったボクサー、クロウリーを一蹴できるか。それにより少しは期待が持てるかもしれません。

 

ブランドン・リー(アメリカ)23勝(21KO)無敗

vs

ファン・ヘラルデス(アメリカ)16勝(10KO)1敗1分

Showtimeライブ放送の初陣を飾るのは、スーパーライト級の倒し屋、ブランドン・リー。韓国をルーツに持つこのリーは、現在14連続KO中のスーパーホープです。

現在22歳とまだ若く、当然ディフェンス面での穴も多いですが、そのパワーパンチは魅力充分。強烈なパンチを連打できるところ、コンビネーションも打てるところ、この攻撃力が大きな魅力ですね。

これまでの21個のKOの内訳が、1RKOがなんと13、2RKOが2つ、3RKOが5つという内容で、判定までいった2試合も4回戦の試合だったので、未知数な部分も非常に多いです。

今回も早期決着が期待される一戦ではあります。

 

対戦相手のヘラルデスは、前戦でレジス・プログレイス(アメリカ)と戦い3RTKO負けで初黒星。ただ、この試合はプログレイスが体重超過、しかもプログレイスはそのウェイト面でのメリットを最大限活かすような、圧し潰すような戦い方で、ヘラルデスにとっては敗北も致し方なし、とも思えます。

かといってヘラルデスを世界的強豪、というと語弊があります。

もうしばらくは、リーにとってはテストマッチをこなすべきでしょうが、今回も豪快なKO勝ちを期待したいところですね。

 

放送・配信

このドネアvsガバリョをメインとした、Showtime興行はWOWOWプライムで生放送!本当にありがたいWOWOWさんは、本家のShowtimeが流さない勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスのIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦も流してくれる予定だそうです。

本家Showtimeの方では、先週行われたタンク・デービスvsイサック・クルスの試合を再放送する時間があるので、その時間を利用してWOWOWは勅使河原vsタパレスを流すのだと思います。

↓てっしーvsタパレスのプレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

なのでおそらく、WOWOWの放送は全4試合。これは非常に楽しめますね。いや、この日はすでにお腹いっぱいかもしれませんが。

皆さん頑張って下さい。私もがんばります。

↓WOWOWはこちら!

wowow

 

 

【プレビュー】勅使河原弘晶vsマーロン・タパレス!ホールから飛び出してカリフォルニアへ!

12/5(日)、いよいよ勅使河原弘晶が渡米!

12/29(水)に予定されていたゲンナディ・ゴロフキンvs村田諒太のWBAスーパー・IBF世界ミドル級王座統一戦、そして12/31(金)に予定されていた井岡一翔vsジェルウィン・アンカハスのIBF・WBO世界スーパーフライ級王座統一戦は相次いで延期、そして中止が発表。

ゴロフキンvs村田については早々に「延期」という報告であり、早ければ2022年2月に日本で開催される、とのこと。帝拳の本田会長は「2週間ほど様子を見て」と語っていたので、オミクロン株の感染状況を鑑みて、早ければ今月中には延期日程についての結論は出そうです。

 

対して、井岡vsアンカハスの方はほぼ白紙、というような状況のよう。とりあえず12/31の大晦日決戦はなし、アンカハスは1月に別の場所で防衛戦を行うというニュースもありました。

井岡の大晦日登場については、「日本人挑戦者」をピックアップして防衛戦、という線もあるそうですが、WBOのランキングに入っている日本人は福永亮二、田中恒成、石田匠。田中、石田は12/11に決戦を控えているためあり得ず(それでなくともあり得ませんが)、福永も1月に防衛戦を控えています。

この1月の防衛戦をキャンセルして、井岡の持つタイトルに挑むには、防衛戦の相手方(市野ジムの中村祐斗)にも了解を得なければならないし、何よりPFPランクに名を連ねる王者に挑むのに時間がなさすぎる、というのも現実。個人的には井岡vs福永を無理やりやるよりは、井岡にはこの大晦日は我慢して、なるべく早いタイミングでアンカハスとの統一戦に進んでもらいたい、と思っています。

 

さて、話が大きくそれましたが、結局のところ大きな試合が流れに流れ、今月、日本人絡みで最も楽しみな試合がこの試合に変わりました、ということです。

今回のブログでは、個人的に日本人ボクサーが登場する試合で、最も楽しみな試合、勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスのプレビュー記事です。

12/11(日本時間12/12)

IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦

勅使河原弘晶(三迫)22勝(15KO)2敗2分

vs

マーロン・タパレス(フィリピン)34勝(17KO)3敗

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場所はカリフォルニア州カーソン、日付は現地時間12/11。メインイベントはノニト・ドネアvsレイマート・ガバリョによるWBC世界バンタム級王座統一戦で、Showtimeのイベントは「トリプルヘッダー」と銘打ってセミファイナルにクドラティーリョ・アブドカホロフvsコーディ・クロウリー、セミセミにブランダン・リーvsファン・ヘラルデスという、中量級の大注目プロスペクトが登場する注目の興行です。

その「トリプルヘッダー」の3試合に引っかからないアンダーカードとして組まれたこの一戦は、個人的には上記の3試合よりも勿論注目。

我らが勅使河原弘晶が、世界への階段を登る一戦だからです。

長くIBF3位というランクを維持してきた勅使河原は、前戦が2020年10月なのですでに1年以上のブランク。

 

↓コロナになって初めて行った後楽園ホール。

boxingcafe.hatenablog.com

この時も約10ヶ月のブランクでしたが、それは全くものともしない内容。しかもこの河村戦は、三迫ジムへの移籍初戦でもありました。

この試合、勅使河原は以前よりも非常にバランスが優れていた、という感じがしましたが、その後のインタビューを読むと「ガードができるようになった」とのこと。

基本的にはノーガードで足でさばくスタイル、というかガードを上げるとパンチが出しづらかったようですが、それを克服、ガードができるようになれば近い距離でも振り回す事なく、ブロッキングで相手のパンチを受けながらパンチを返すということも可能になり、引き出しは更に増えます。

 

勅使河原は、ここのところは特にですが、一戦一戦力をつけてきていると思います。

勅使河原のブログを読むと、一日一日を大切に過ごし、強くなるためにはどうするかということを考えて過ごしているのが見て取れます。

きっと、12/11日、アメリカのリングに立つ頃には、昨年10月よりももっともっと大きな力を持った勅使河原を見せてくれるはずです。

これは期待しかありません。

しかし、対戦相手のマーロン・タパレスも、ご存知の通りの強豪。

2008年にプロデビューしたタパレスは、2009年にフィリピンのフライ級タイトルに挑みますが敗北。キャリア初期といえる9戦目での初黒星でした。

しかしその後も連戦して連勝を重ねたタパレスは、2013年にWBCスーパーフライ級シルバー王座決定戦に臨みます。ここは後のWBA世界スーパーフライ級暫定王者、メキシコのダビド・サンチェスに0-2の判定負け。敵地メキシコでのこの0-2のマジョリティ判定というのは、内容的には推し量るべきかもしれません。

 

2015年に大森将平(Woz)を破ってWBO世界バンタム級への挑戦権を獲得すると、2016年、赤穂亮(横浜光)を破って王者となっていたプンルアン・ソーシンユー(タイ)を11RKOで屠り戴冠。しかしこの王座は2017年の初防衛戦で体重超過、試合(大森将平との再戦)には11RTKOで勝利したものの、無冠となりました。

その後チャンスを待ったタパレスは、2019年12月、岩佐亮佑(セレス)とのIBF世界バンタム級暫定王座決定戦で敗北、2020年11月に再起戦を戦い、2RTKO勝利でカムバックを果たしています。

このボクサーは、上手くて強い。岩佐戦でのタパレスが来る、と思っていると、足元をすくわれかねません。タパレスは現在ワイルドカードジムでトレーニングを積んでおり、タパレス陣営は「これまでとは別のタパレスを見せる」と意気込んでいます。

ワイルドカードジムは、あのパッキャオもトレーニングしていたフレディ・ローチのいるジムであり、同ジムでジェルウィン・アンカハスとともにトレーニングを積んでいる、とのこと。アメリカの地への慣れ、というアドバンテージがタパレスにあり、更に言うまでもなくトレーニング環境としても最高でしょう。

 

タパレスは歴戦の雄ですが、年齢はまだ29歳、そう考えるとまだ化ける可能性もあり、岩佐戦での敗戦から学んだことで、過去最強のタパレスが出てくる可能性も否定はできません。

この一戦の勝者は、WBAスーパー・IBF王者であるムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に挑戦することになりますが、このアフマダリエフはなんといっても怪物級。

タパレスを11R、左カウンターで屠った岩佐亮佑も、アフマダリエフ相手にはほとんど何もできずに完敗でした。

つまり、勅使河原がこのアフマダリエフに期待を持って挑むには、このタパレスに勝利するだけでは足らず、完封、または圧倒的な力を持って打ち倒すというくらいの差がほしいもの。

当然、勝つ事が第一。

そして、初めて後楽園ホールを出て闘う勅使河原、これがデメリットにはなりえないメンタルを持っている事はわかっているので、ぜひぜひ本場アメリカのリングでアピールできるようなパフォーマンスを、試合だけでなく入場他の場でもお願いしたい。

 

とにかく、ドネアvsガバリョのアンダーカードで、現地ファンの間で話題になるくらいに目立ってきてほしい。

おそらく、放映枠に乗らないカードのお客さんは少ないでしょう。しかし、その中でも「Hiroaki Teshigawara」という、リングアナ泣かせの名前を、一人でも多くのファンに植え付けて帰ってきてほしい。

強敵タパレス相手にも、絶対に勝ってくれる、世界ヘのチケットを日本に持って帰ってきてくれる、そんな安心感が今の勅使河原には、あります。

荒々しいだけではない、素晴らしいパフォーマンスを期待しています。

放送・配信

この試合は、先に書いたように、Shotimeの放送カードからは外れてしまっています。しかし諦めきれない私は、一応Showtimeに問い合わせ。Google翻訳を使って、追加になった勅使河原とタパレスの試合は放送ラインに乗っていないか、もし乗っていない場合は何処かで見れないかを聞いてみました。

↓Shotimeからの返事

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「現在のところ、放映予定はない」との回答でした。こういう声が多かったら放送するようになるものなのでしょうか。。。?

もともとドネアvsガバリョは、「トリプルヘッダー」とうたっており、放送時間もガッチリ決められているのできっと難しいのでしょうね。しかも、Showtimeは前の週のPPVファイト、ジャーボンタ・デービスvsイサック・クルスを再放送する、とのこと。非常に残念。

と思っていたら。

 

WOWOWでは放送予定とのこと!ShowtimeとWOWOWは放送時間が一緒なので、多分Showtimeがデービスvsクルスの試合を流している間に勅使河原vsタパレスを流してくれるのでしょう。その他のアンダーカードの進行具合によりライブ放送になるかもしれませんし、早めに進行していればディレイ放送になると思います。とどのつまり、一番最初!しらんけど!

まあともかく、どうせ私はリアルタイムで見れないので、完全に情報をシャットダウンして、帰宅してから見ます。

ちなみに、現地オッズはタパレス優位だそうです。なのでスポーツベットをやっている人は大チャンスですね。てっしーにつぎ込んで下さい!!

↓まだ間に合うWOWOW加入はこちら!

wowow

 

【プレビュー】いよいよ始まるバンタム級戦!ジョンリエル・カシメロvsポール・バトラー!

Xデー、12/12(日)がすぐそこです。

前日の田中恒成vs石田匠の生配信から、ボクシングファンにとっては忙しい1日となりそうですね。

12/12(日)の興行一発目は、ドバイで行われるジョンリエル・カシメロvsポール・バトラーのプロベラム興行です。厳密に言うと、ロシアのエカテリンブルグで行われるドミトリー・ビボルvsウマール・サラモフの方が早いかもしれません。ちなみに、ビボルvsサラモフの興行はDAZNのUSとUKのみの配信、とのことで、DAZNジャパンでは見れません。

VPNを利用してUSに設定、DAZNを開けば見れます。(この際、一度日本のアカウントをログアウトしてUSに設定してログインするか、もしくはUSにVPNを設定後、WebからDAZNを開いてアプリに移行する必要があります。もしどうしても見たければ「問い合わせ」から聞いてください。知っている情報はお伝えします。)

さて、話が逸れましたが、今回のブログでは、注目興行、カシメロvsバトラーをメインに据えたドバイ興行のプレビュー記事です。

 

↓ちなみにVPNを利用してボクシング動画を見る方法はこちらです。

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12/12(日)ドバイ

f:id:boxingcafe:20211208213347j:plainWBO世界バンタム級タイトルマッチ

ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)31勝(21KO)4敗

vs

ポール・バトラー(イギリス)33勝(15KO)2敗

井上尚弥の対抗王者、ジョンリエル・カシメロ。元々井上尚弥の対抗王者として、最も警戒されていたゾラニ・テテ(南アフリカ)をアップセットで破って戴冠、その後度重なる挑発行為により、一気に有名になり、今では井上との対戦を熱望されるボクサーとなりました。

実際は当時のプロモーター、ショーン・ギボンズに乗せられた感もありますが、実際その試みは成功とも言っていいでしょう。

 

そのせいで色々なマッチメイク、井上戦やドネア戦への歩みが遅れた、と言われればそうなのですが、待たされれば待たされるほど期待が高まるのもマッチメイクの妙というものです。

弱い犬ほどよく吠える、とはいうものの、カシメロは決して侮れないボクサーです。

2009年にWBO世界ライトフライ級暫定王座獲得を皮切りに、2012年にはIBF世界同級暫定王座を獲得(のちに正規王者に昇格)、2016年にIBF世界フライ級王座を獲得して2階級制覇。

2019年にWBO世界バンタム級暫定王座を獲得して、同年11月30日、WBSSを棄権した正規王者ゾラニ・テテとの団体内統一戦を勝ち抜き、見事3階級制覇を達成しました。

その後、地力に勝るデューク・マイカー(ガーナ)を軽々と退けると、2021年8月、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)を僅差の判定で破り、暫定王座から数えると4度の防衛。立派な安定王者といえます。

そして今回はWBOの指名挑戦者、ポール・バトラーを迎える運びとなりました。

 

カシメロの攻撃は非常にパワフル、大振りに見えますがその分わかりづらい角度から飛んでくる左右のオーバーハンドを持ち、踏み込みも鋭い。攻撃一辺倒かというとそうではなく、ややディフェンシブな戦い方から一気に踏み込んで決着をつける、という向かい合った者としては怖い戦い方をするボクサーです。

反面、リゴンドー戦ではその攻めはやや単調に映り、引き出しの多さや戦略を変える術を持たない、というウィークポイントもありそうです。ノリと勢い、これは侮れないまでも、膠着した状態を抜け出す術はあまり持っていなさそうです。

さて、対してポール・バトラーは、基礎技術が高く、オーセンティックな英国ボクサーです。ハイガードなスタイルから丁寧にジャブを突き、右ストレートへとつなげ、距離が詰まればフックを返す。こう書くと私が教えているアマチュアボクシングそのもの、でもあります。

 

2010年にプロデビューし、数々の地域タイトルを獲得しながら地力を養い、2014年にスチュアート・ホール(イギリス)の持つIBF世界バンタム級タイトルに挑戦。僅差のスプリット判定ながらこれを獲得し、世界王者となりました。

このタイトルは返上し、一階級下でゾラニ・テテとIBF世界スーパーフライ級王座決定戦を戦い、8RTKO負けで2階級制覇ならず。

その後またバンタム級に戻し、2018年IBF世界バンタム級王座決定戦に臨みますが、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)にダウンを奪われての完敗。2021年6月にウィリバルド・ガルシア(メキシコ)と空位のWBOインターナショナル王座を争い、辛くも勝利して指名挑戦権を得ました。

テテに倒されたバトラーと、テテを倒したカシメロ。事態はそう単純ではないものの、はっきり言ってここ最近のバトラーの試合は冴えません。戦っている相手は格下ばかり、6回戦程度の試合も多く、戦績こそ重ねているもののバトラーにとって有益なキャリアになっているとはいえません。

 

厳しい試合を勝ち抜いてきている、というキャリア的アドバンテージは、当然カシメロの方にあります。カシメロはグレート・ジャーニーマン、今回のドバイでもう13カ国目だそうです。

敵地で戦い、勝利をもぎ取ってきたカシメロは、当然ドバイの地をものともしないことに対し、バトラーは今回初めての海外戦。カシメロの迫力ある攻撃に、12R持つ気はしません。

バトラーの勝ち筋は?と聞かれれば、絶不調のカシメロに、いつもの勢いがなく、バトラーがそれを見切って中間距離からジャブやストレートを当て続けての判定勝利、でしょうか。

井上vsカシメロを望む身としては、ここはカシメロに圧倒的な力で勝ってもらいたい。もし接戦や、バトラーが善戦するようだったら多くの人がカシメロに興味を失ってしまうかもしれません。

 

IBF世界フライ級タイトルマッチ

サニー・エドワーズ(イギリス)16勝(4KO)無敗

vs

ジェイソン・ママ(フィリピン)16勝(9KO)無敗

実は試合順としてはこちらがメインなのかもしれない、エドワーズvsママのWBO世界フライ級タイトルマッチ!イベントは「ダブルヘッダー」となっていますね。

サニー・エドワーズは、下馬評不利の中でモルティ・ムザラネ(南アフリカ)に挑戦し、出色の出来でアップセットを果たし、戴冠したボクサー。

世界的には無名だった(というかチャーリー・エドワーズの兄弟という認識しかなかった)サニーのアップセットには驚かされましたね。

 

KO率の低さ、というのはパワーレスでもありますが、非常にスキルフルなボクサー。先に書いたバトラーのようにオーセンティックなスタイルですが、このムザラネ戦は対策が非常に光りました。ボクシングIQの高さが伺えます。

対してジェイソン・ママはゆったりと上体を振りながらリズムをとり、その攻め込みは鋭い。やはりフィリピン人ボクサーというのは踏み込みスピードに優れたボクサーが多く(というよりも、踏み込むことに対して躊躇しないのかもしれません)、怖いですね。

近づいては左右のパワーパンチを振り回す。。。。

あれですね、ここまで書いて気づきましたが、もうメインのカシメロvsバトラーと一緒です笑

 

バトラーとエドワーズの違いは、エドワーズの方がよりステップワークに優れている、ということ。そしてカシメロとママの違いは、カシメロの方がよりパワーに優れ、大振りであるということ。

エドワーズはリングをめいっぱい使ってボクシングができますが、バトラーはブロッキングに頼る事が多い気がします。横着です。

なのでこの試合は、サニー・エドワーズのアウトボックスを、ジェイソン・ママが捕まえられるか、という一戦。

エドワーズはSNSなんかを見ていると、シニカルで、シャレが聞いていて、非常に好きなボクサーです(ボクシングは置いておいて)が、ママのスタイルはアップセットを起こす魅力がたっぷり。

ここは田中恒成のスパーリングパートナーとしても来日経験のあるママを応援しながら、この戦いの行く末を見届けたいと思います。

 

ドニー・ニエテス(フィリピン)43勝(23KO)1敗5分

vs

ノルベルト・ヒメネス(ドミニカ共和国)30勝(16KO)9敗5分

4階級制覇王者、ドニー・ニエテスが、2度世界に挑戦したヒメネスと対戦です。

ニエテスは井岡一翔の4階級制覇を阻み、且つ自身は4階級制覇を達成したのが2018年12月31日。その後このタイトルは返上、アストン・パリクテとの再戦を回避した、という見方が強いようです。(井岡戦の前戦、パリクテと対戦して激闘の末引き分け。井岡戦後には同国人対決を避けたかった、という旨の発言をしていたと思います。)

ニエテスはその後ブランクを作り、リング復帰は2021年4月、パブロ・カリージョを相手に10R判定勝利。

そして今回の一戦を迎えます。

 

ヒメネスは非常に懐かしい感じがしますね。河野公平の持つWBA世界スーパーフライ級タイトルに挑んだのが2014年(ドローで獲得ならず)、その後2019年6月にカリド・ヤファイ(イギリス)に挑戦するも実らず。

デビューから4連敗、5戦目で1勝を挙げるもその後3連敗、そして1勝1分の後また敗戦、このキャリア初期の敗北で既に8敗、2011年からヤファイ戦までは負けなしだったわけですね。

ちなみに前戦は2020年3月、WBCインターナショナルのタイトル戦で引き分けています。

ニエテスvsカリージョは見ていないので、ニエテスがブランク後、どれほどの力を残しているかはわかりませんが、実績で言うとニエテス優位は間違いありません。

 

このドニー・ニエてすが、まだトップの力を維持しているとなれば、スーパーフライ級戦線、また面白くなるかもしれません。この階級は、とにかくベテランの壁が厚く、さらに厚くなってしまいますが。

放送・配信

このドバイ興行は、アメリカでの配信はあるのでしょうか。ドバイという地は、ジョシュアvsフューリーをやろうとしていた土地でもありますし、今回も英国ボクサーが出場するのでイギリスでの放映はありそうですね。

こういう場合、どうやってこの試合を見るのか、路頭に迷うところですが、今回はカシメロのおかげで(?)WOWOWが生中継&生配信!

時間は12/12(日)AM2:00〜と、朝早いのか夜遅いのか、という時間帯。現地時間では12/11(土)21:00、イギリスの時間では12/11(土)17:00となりますね。

早起きもしくは夜ふかしして楽しみましょう。WOWOWはこちら!

wowow

 

【プレビュー】田中恒成vs石田匠!小原佳太vs玉山将也!注目興行は生配信でチェック!

12月の中旬は、時間が足りないほどボクシング興行がありますね!

しかもそのどれもが注目試合、ボクシングファンにとっては嬉しい悲鳴です。

特に12/12(日)は、ボクシング界がファンを○しに来ているとしか思えないスケジュール。みなさん体調にくれぐれも気をつけてください。

さて、そんな注目試合目白押しの12/12ですが、その前にも国内では注目試合が続々。しかも生中継付きの興行が。

ということで今回のブログでは、FODプレミアムでの生配信が決まった12/9(木)のダイヤモンドグローブ、Paraviでの生配信が決まっている12/11(土)田中恒成vs石田匠のスーパーフライ級戦のプレビュー記事です。

 

12/9(木)ダイヤモンドグローブ

日本ウェルター級タイトルマッチ

小原佳太(三迫)24勝(21KO)4敗1分

vs

玉山将也(帝拳)14勝(8KO)2敗

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日本ウェルター級王者となって、まだ1度の防衛をクリアしたばかり、それもかなりの苦闘だったはずですが、国内では「絶対王者」の部類に入るであろう小原。世界が非常に遠いこの中量級において、築いてきた実績が違います。

小原は非常に総合力が高く、スキルフルであり、長い距離で力を発揮するストレートパンチャーであると思います。デビュー戦でまさかの敗北を喫した後は、勝ち続け、すぐさま国内のトップ、アジアのトップとなってここまで中量級を引っ張ってきてくれました。

対戦相手の玉山も、総合力の高いボクサーです。アマ経験のない叩き上げながら、そのボクシングにはしっかりとした基礎、帝拳イズムを感じるボクサーですね。

総合力vs総合力、とは言っても、経験、そしておそらく多くの面で小原が上をいくはずです。玉山にとっては総合力で上回る、というよりも、入念な小原対策で上回りたいところ。こう考えると、小原と戦った同門、永野祐樹(帝拳)の存在は力になりそうですし、何と言っても帝拳ジムにはOPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック・ウェルター級王者、豊嶋亮太もいます。

成長著しい豊嶋も叩き上げであり、小原よりも明確に坂井祥紀(横浜光)を降した豊島とは試合期間も近く、きっとスパーリングを重ねてきたはずです。この帝拳の充実ぶりは怖いところ。

 

ロング〜ミドルレンジを得意とするボクサー同士の一戦は、見ていて爽快なスキルフルなボクシングが見れそうです。小原が強さを存分に示してくれることに期待し、そしてこの試合の後には豊嶋亮太との3冠統一戦が見てみたい。

日本ミニマム級王座決定戦

鈴木なな子(三迫)5勝(1KO)2敗

vs

瀬川紗代(ワタナベ)1勝(1KO)1敗

セミファイナルには、本来木村蓮太郎(駿河男児)vs前田稔輝(グリーンツダ)という注目のホープ対決がセットされていましたが、木村が怪我で離脱。

セミセミだったこの試合が繰り上がってセミファイナルとなりました。

2019年、中国へ遠征もダウンを奪われての判定負けを喫しましたが、2020年は日本で2度戦い、2連勝。今回のチャンスを掴みました。

瀬川は元トップアマ、全日本3位という実績があり、B級デビュー。第二戦となった前戦では敗北を喫してしまいましたが、今回の王座決定戦に出場の機会を得ています。

女子ボクシングはどうしてもまだまだ知名度は低い。私のようにボクシングをそれなりに見ているファンでも、現在どれくらいの階級で認定されている日本王者がいる、とか、どの階級がアツい、とかを知りません。

この「テレビ放映」というのは大チャンス、是非インパクトのある試合をしてもらいたいものです。

 

アンダーカード!

この日はアンダーカードも非常に充実。第一試合は、2020年のライトフライ級全日本新人王、狩俣綾汰と、同年のミニマム級新人王、小島蓮(江見)が対決。

これは興味深い対決ですね。比嘉大吾の同級生、沖縄で練習をともにした狩俣は、全日本新人王獲得後、東日本新人王決勝で戦うことができなかった青木勇人(協栄新宿)と対決し、勝利。

小島は全日本新人王戦後、2019年の全日本新人王、森且貴(大橋)と対戦、TKO負けで敗北しランキングを失いました。しかしこのスーパーハードマッチメークで得るものもきっと大きかったはずです。ちなみに森はこの試合に勝ってランキングを上げたことで、次戦に日本タイトルへのアタックが決まっています。

狩俣vs小島という素晴らしいマッチアップがなんと第一試合、そして第二試合には同じく2020年のフライ級全日本新人王、宝珠山(ほうしゅやま)晃が登場です。

 

全日本新人王戦後は川畑嗣穂(ワタナベ)を迎え、2RTKO勝利で圧勝。初の8回戦で迎えるのはベテラン、渡邉秀行(DANGAN郡山)。渡邉は芝力人(真正)に逆転TKO負けを喫してしまったものの、力のあるボクサーです。そしてここに負ければ定年で引退が確定という背水の陣で向かってくるだけに、当然侮ることはできません。

放送・配信

この興行の放映は、フジボクシング。テレビ放映は12/11(土)27:15〜の深夜ディレイ放送、しかも関東ローカルですが、翌日となる12/13(月)15:00以降、FOD、TVerで配信があります。

そして今回も、FODプレミアムでは生配信があるようです。

配信の時間は19:00頃からということで、セミ、メインの2試合のみの中継のようです。(興行開始は18:00から)折角課金するのであればアンダーカードも流してほしいし、アーカイブも欲しい。私はライブの時間が部活動でどうしても見れないのでFODプレミアムへの加入は控えざるを得ません。(このFODプレミアムのライブ配信には、確かアーカイブがなかったと思います。)

↓FODプレミアムはこちら

FODプレミアム

 

12/11(土)SOUL FIGHTING

田中恒成(畑中)15勝(9KO)1敗

vs

石田匠(井岡)29勝(15KO)2敗

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そして運命の日、12/12(日)の前日となる12/11(土)には、今月の国内戦で最も注目といえる垂涎のカードが登場です。

田中恒成は、2020年12月31日、WBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔への挑戦失敗からの再起戦で、とんでもない強豪を選んだな、と思います。

石田は2014年に戸部洋平(三迫)を破って日本スーパーフライ級タイトルを奪取し、その後5度の防衛。2017年にイギリスででカリド・ヤファイ(イギリス)のもつWBAスーパーフライ級タイトルへ挑戦しますが敗北、初黒星を喫しました。

その後は地力を鍛えて2019年にイスラエル・ゴンザレス(メキシコ)とのIBF世界スーパーフライ級指名挑戦者決定戦へと駒を進めますが、ここでもスプリットの判定負け。

 

正直、地元大阪に世界ランカーを呼んだこの一戦は是が非でも勝ちたかったところでしょう。

それでも尚、3度目のチャンスを目指す石田は、2020年11月、石井渡士也(REBOOT.IBA)のチャレンジマッチを受け、これを見事に撃退。若く、勢いのあるホープ、石井は勝算を持って望んだと思いますが、石田はキャリア、スキル、距離感と試合の組み立てで上回って見せましたね。

かつて世界を嘱望されたホープだった石田も、もう30歳。いつの間にか30戦以上をこなし、苦しい戦いにも競り勝ってきました。かつて、エマニュエル・ロドリゲス戦前に不調に陥った井上尚弥相手に部の良いスパーをしていたのは、井上の不調もあったと思いますが石田のスキルもあったはず。あのスパーリングで井上は自分が「おかしい」ことに気づいたとすると、あのグラスゴーの衝撃に一役買っています。

そんな難敵、石田を再起戦に選ぶ田中恒成は、やはり本物志向。

 

井岡戦での敗北は、田中に新たな気付きをもたらしましたが、その戦い方が吉と出るか凶と出るか。

井岡戦前の田中であれば、基本的に石田と五分以上に渡り合えるはずだと思っていますが、ガードを意識し、ディフェンスを重視することでおそらく攻めの際の勢いは少々衰えるはずです。勿論今後のために必要なスキルだとは思うのですが、このスタイルチェンジの時期、しかもそのスタイルを試す最初の相手が石田匠というのは相当シビア。

石田は172cmというサイズを持ち、164cmの田中よりもサイズに優れます。石田は世界ランクこそスーパーフライ級で持っていますが、前戦はバンタム級、今回の契約体重はスーパーフライ級リミット(52.163kg)を上回る52.5kg契約。

ともすれば、田中が階級の壁にぶち当たるのはここかもしれません。

井岡は結局、田中と同じくミニマム級から上げてきた選手で、フランシスコ・ロドリゲス戦でも感じたようにやはりスーパーフライ級では小さい。しかし、デビュー以来スーパーフライ級やバンタム級で戦っている石田は、生粋のスーパーフライです。

 

実績では田中恒成が大きく上回るも、スーパーフライ級での実績は同等。これは勝敗予想の非常に難しい、先の見えない一戦ですね。

Aサイドは田中恒成ですが、ハッキリ行って勝敗の予想はつきません。そりゃあチケットも即刻完売するわけです。

放送・配信

この試合は、中部ローカルでCBCが生放送。興行開始が15:00〜、放送開始が16:00〜なので、メインのみでしょう。

そして中部以外の地域では、Paraviでライブ配信してくれます。価格は税込999円、開始時間は16:10とのこと。(配信開始直後にゴングが鳴るパターンかもしれません。早めに待機しておいたほうが良いかもしれません。)

www.paravi.jp

 

見逃し配信もついていますので、リアルタイムで見れない私も大丈夫です。

尚、このParaviのページは、「ベーシックプランに登録」みたいなのがでてきますが、このベーシックプランに入らなくてもこのPPVは買えるようです。(Paraviに問い合わせました。情報登録は必要だそうです。)

↓Paraviからの返信メール

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販売開始は12/8(水)18:00以降、支払いはクレジットカード決済またはキャリア決済が可能だそうです。ベーシックプランに入ってしまうと、余分に月額料金が発生してしまうのでご注意下さい。

いや〜、楽しみですね!

 

【プレビュー】ワシル・ロマチェンコvsリチャード・コミー!元王者同士のサバイバルマッチ!

いよいよやってくるXデー、12/12(日)

注目試合だらけの興行は、本当にボクシングファンを困らせますね。

12/12ライブスケジュール(すべて配信開始時間)

ジョンリエル・カシメロvsポール・バトラー(WOWOW・AM2:00〜)

コナー・ベンvsクリス・アルジェリ(DAZN・AM4:00〜)

ワシル・ロマチェンコvsリチャード・コミー(WOWOWオンデマンド・AM11:00〜)

ノニト・ドネアvsレイマート・ガバリョ(WOWOW・PM0:00〜)

亀田和毅vsヨンフレス・パレホ(Youtube・PM2:00〜3:00くらい、メインのみ)

時間別に並べるとこんな感じのようです。私はこの日、指導している大学が大会に出るので、そのすべてをリアルタイムで視聴できません!

 

数日情報遮断しながら視聴したいと思います。が、全てを見る前に12/14が来てしまうんでしょうね。

ということで、今回のブログではこの中で個人的には最も注目している試合の一つ、ロマチェンコvsコミーのトップランク興行についてのプレビュー記事です。

↓今後のライト級の主役は誰になるのか。

boxingcafe.hatenablog.com

12/11(日本時間12/12)ニューヨーク

ライト級12回戦

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)15勝(11KO)2敗

vs

リチャード・コミー(ガーナ)30勝(27KO)3敗

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結局ライト級のキングは、ロマチェンコなのではないか、と今も思っています。

テオフィモ・ロペスがロマチェンコに勝てたのは、やはりロマチェンコの肩の怪我が大きかったのではないかと。

試合終盤に巻き返したロマチェンコは、やっぱり強かった。ふたりの13R目が始まれば、優位に立つのはきっとロマチェンコでしょう。

と、ジョージ・カンボソスJrにアップセットを許したテオフィモ・ロペスを見て思うのですが、それでも負けは負け。ロマチェンコは今も再起ロードの途中です。

2020年10月にテオフィモ・ロペスに王座を奪われたロマチェンコは、翌2021年6月、中谷正義(帝拳)を相手に再起戦。

当時、ロペスを最も苦しめた男として知られ、前戦ではフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)を破る殊勲を挙げていた中谷に対し、完璧なボクシングで9RTKO勝利。

 

ライト級でも破格の体躯を誇る中谷を、出入りのボクシングで倒したことは、ボクシング界に「ロマチェンコの帰還」を決定的に印象づけた出来事でしたね。

そして、テオフィモ・ロペスの戦歴を辿るように、中谷戦のあとはコミー戦。

ロペスは、中谷に超がつくほどの大苦戦を強いられたあと、リチャード・コミー戦では2RTKO勝利。衝撃的な右カウンターでコミーを退けてIBF王座を戴冠しました。

ボクシングには、たしかに「相性」というものが存在し、ワンツー主体で攻め込んでくるコミーに対して、ロペスは素晴らしく相性が良かった、とも言えます。コミーのワンツーは真正直すぎ、ロペスのカウンターは本当に素晴らしかった。

コミー戦での素晴らしいノックアウトを見せたロペスと闘う事になったロマチェンコは、そのカウンターを必要以上に警戒し、またサイズ差もあり、序盤から中盤にかけて攻め込む事を躊躇してしまったのかもしれません。タラレバであり、後の祭りですが。

 

コミーは非常に身体能力に優れたボクサーで、荒々しい部分はありますが破壊的なパンチ力を持つ、パンチャーです。攻撃力はものすごいものを持っている分、カウンターに弱い、という見方もできるかもしれません。

以前保持していたIBF王座は2度目の挑戦で手に入れましたが、最初のタイトル挑戦時も当時無敗のロバート・イースターJr(アメリカ)からダウンを奪うもスプリットの判定負け、という非常に悔しい内容でした。

確かな実力と、破格の破壊力を持つこのリチャード・コミーからすれば、カウンターパンチャーであるロペスよりは、ロマチェンコの方がやりやすいかもしれません。

ロマチェンコは攻防分離タイプのボクサーで、ディフェンスのときはディフェンス、パンチをまとめる時はまとめる、というタイプのボクサー。

序盤は距離を測り、相手をサーチすることに時間を使うので、悪い方に考えると相手も落ち着いてしまう、という欠点があります。スロースターター、と見られても良いくらいです。

 

コミーは最初からガンガン飛ばしていくのがおそらく得策で、序盤に一発当たればこれは結構分かりませんね。まあ、サーチ中のロマチェンコに一発当てるというのが難しいのですが。

ロマチェンコは、中谷戦では、全体的に非常にアグレッシブに出ていきました。これはロペス戦の反省なのかもしれません。しかし、コミー相手にあまりに距離を詰めようとすると危険が伴います。ロマチェンコとしては攻めて来るコミーをかわし、すかし、空転させて、その後ベストなポジショニングから攻撃を加える、という展開が良さそうな気がします。

ライト級にフィットしてきたとはいえ、やはりまだスーパーフェザー級くらいがベストな階級であろうロマチェンコが、ライト級屈指のパンチャーの渾身のパンチをガードの上から受けたとして、どのように感じるか、というのは注目どころ。それで大丈夫そうだ、と思えば、ロマチェンコが先手をとって攻めていくという可能性もありますね。

あとは距離が詰まった時、コミーがロマチェンコのボディを打てるか、というのもカギの一つ。

中谷戦で明らかに中谷のボディを嫌がるそぶりを見せたロマチェンコ、この弱点(っぽいもの)をコミーは見逃してはいけません。サウスポーのロマチェンコに対して、オーソドックスのコミーは、接近戦で右手のアッパーやボディフックを使いたいですね。

おそらく、オッズはロマチェンコ優位と出るはずです。これまでの実績を考えれば至極当然のことで、ロマチェンコは勿論こんなところでつまずいてはいられません。

ただ、コミーは強敵。コミーが上手く戦えて、ロマチェンコがコミーを過剰に警戒してしまうようだと、アップセットは起こりえます。

 

私はロマチェンコ応援なので、勿論そうなってほしくはなく、ロマチェンコがいつものように多角的なステップワークからのオフェンス、そしてディフェンスを駆使して、コミーを撹乱、最終的にはストップ勝ちでまた「ロマチェンコ強し!」「いったい誰がロマチェンコに勝てるのか?」くらいの圧勝を期待したいです。

ジャレッド・アンダーソン(アメリカ)10勝(10KO)無敗

vs

オレクサンドル・テスレンコ(カナダ)17勝(13KO)1敗

ヘビー級のプロスペクト、ジャレッド・アンダーソン。前戦はタイソン・フューリーvsデオンテイ・ワイルダー第3戦のアンダーカード、PPVファイトの中に組み込まれている、ということが大きな期待を抱かせますね。

このアンダーソンはヘビー級ながら非常にスタイリッシュなボクシング。上下の打ち分け、コンビネーションを使いながら相手をストップに持ち込むこともう10戦。

2019年10月デビュー、世の中は早々にコロナに突入しましたが、その中でたった2年で10年というのはハイペースなキャリアであり、トップランクも大いに期待を寄せる22歳。

 

対するカナディアンヘビー級のテスレンコ。名前的には東欧の流れを汲むのかな、とBoxRecをチェックすると、生まれはやはりウクライナ。現在の国籍はカナダのようですね。

2019年3月に空位のNABFタイトルを獲得、初防衛戦で初黒星を喫していますが、地域王者クラスの力はあるのかもしれません。

対戦相手の戦績だけで判断すると、今年に入って対戦相手の質を徐々に上げてきているアンダーソン。世界トップ戦線へ進出するのに、後どれくらいでしょう。

今年はこれで最後、そして来年しっかりと地力を固めて、早ければ2023年あたりを勝負の1年としてもらいたいですね。

その他にも、トップランクの誇るスペシャルなプロスペクト(候補)であるザンダー・ザヤス(プエルトリコ)、かのモハメド・アリの孫にして、デビューから2連続KO勝利中のニコ・アリ・ウォルシュ(アメリカ)、2019年のアマ世界選手権、2021年の東京オリンピックで銀メダルを獲得したキーショーン・デービス(アメリカ)といったプロスペクトも登場。ニコ・ウォルシュをプロスペクトと言って良いかどうかはわかりませんが、注目を集めているのは確か。

対戦相手は、BoxRecを見てもESPNのHPを見ても、12/2現在、TBAとなっています。対戦相手が決まっていない、ということはないのでしょうが、若手有望株にキャリアを積ませるための試合、扱いとしてはこんなものですね。

若手有望株を大切に育てる傾向の強いトップランク「らしい」興行であるとも言えますね。

放送・配信

このニューヨークでの興行は、アメリカではESPN、ESPN +で生放送および生配信。ESPNに加入していれば無料で見られるプラットフォームですね。

日本では、WOWOWオンデマンドで生配信。時間は11:00〜となっており、第一報よりも時間がずれているのでご注意ください。

尚、WOWOWではこのオンデマンド生配信の翌日、12/13(月)21:00〜のレギュラー放送でタイムリーオンエア。多分、おじさんのWOWOWファンたちがいつも言う「録画の可否」を配慮してくれてのことだと思います。

↓WOWOWへの加入はこちら。

wowow

 

WOWOWは初月無料です。今月入れば、カシメロvsバトラー、ドネアvsガバリョ、ロマチェンコvsコミーが無料で見られます。しかも今月のWOWOWは、レギュラー放送のほかに、黄金の中量級と呼ばれた80年代のレナード、ハグラー、ハーンズ、デュランのライバル対決を特集。これはリアルタイムを生きたファンも必見ですが、若いファンも必見ですね。

 

 

【プレビュー】タンク・デービスvsピットブル・クルス!WBAライト級戦は大激戦の予感!

今日はみんな大好き、ジャーボンタ・デービス。

「みんな大好き」かどうかはわかりませんが、非常に気になるボクサーですね。

そんなタンク・デービスの次戦の相手が、あのイサック・クルスだというからもう大変です。元々決まっていたロランド・ロメロ戦も非常に楽しみな一戦でしたが、それがロメロのおイタで流れ、すぐさま発表されたのがこのクルス戦。ロメロ離脱に落ち込む暇もありませんでしたね。

クルスになって楽しみが増えた!という方も多いのではないでしょうか。

今回のブログでは、ガーボンタ・デービス、ジェルボンテ・デービス、ジャーボンテイ・デービス、等々、ここまでメジャーになっても一向に呼び方が到着しない、「タンク」デービスvs 捨てパンチを一切打たないMrフルスイング、イサック・クルスのプレビュー記事です。

 

12/5(日本時間12/6)カリフォルニア

WBA世界ライト級タイトルマッチ

ジャーボンタ・デービス(アメリカ)25勝(24KO)無敗

vs

イサック・クルス(メキシコ)22勝(15KO)1敗

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「タンク」=戦車というニックネームのデービスと、「ピットブル」=世界最強の闘犬というニックネームのクルス。

ともに言い得て妙、という素晴らしいニックネームですね。

タンク・デービスのキャリアについてはいちいち触れませんが、なんだかんだあって現在はWBAのスーパーライト級とライト級、いずれにレギュラー王座を保持しています。

スーパーフェザー級の王座は、WBAの王座削減(というか正常化)路線が出された際に返上しましたが、このスーパーライト級とライト級の「レギュラー」「同時保持」問題についてはその難を逃れていますね。

WBA、デービスのことを愛してやまない説。

 

166cmというライト級では小柄な部類ですが、その身体能力に優れたボクシングと、破格のパンチングパワー。このパワーはスーパーライト級では若干の翳りも見えましたが、スーパーフェザー級や、ともすればライト級では無双できるほどでしょうね。

タンク・デービスの人気は、そのやんちゃなスタイルもそうなんでしょうが、きっとその倒しっぷりにあるのだと思います。

25勝中24KOという破格のKO率を誇るデービスですが、本当に見事なノックアウトが多い。ここ最近ではやっぱり2020年10月に行われたレオ・サンタ・クルス戦、ほぼ互角とも言える展開の中から結局は一発でKO、あれは印象強いKOが多いデービスの勝利の中でも、最も素晴らしいKOだったと思います。

↓デービスvsサンタ・クルスの観戦記。アンダーカードにイサック・クルスも登場。

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ただ、そのパフォーマンスはおよそ安定しているとは言い難いことも事実。テオフィモ・ロペスもムラのあるボクサーだと思っていますが、このデービスも結構ムラのあるボクサーだと感じます。

まあ、状態が悪くても倒してきてしまっている、という事実はありますが。

この「ムラ」というものに関してはまた別の記事で書きたいと思っていますが、ともあれ安定的に力を発揮する、勤勉なタイプのボクサーではない、ということは事実。

なので相性次第で、格下にころりと負けてしまうことも考えられないではありません。

では、相手のイサック・クルスはタンクに勝てるか。

イサック・クルスは前段で書いた通り、本当に全弾フルスイング、という攻撃力偏重のボクサーです。

 

基本的には前にでて、近い距離になったらフックを思い切り打ち、アッパーを思い切り打つというボクシングというか昭和の拳闘スタイルで、彼を有名にしたのは2020年10月、タンクvsサンタ・クルスのアンダーカードで2度世界に挑んだディエゴ・マグダレノ(アメリカ)を初回で秒殺。

ゴングと同時に走っていってコーナーに詰め、とにかく強いフックを打ちまくってKOしてしまったという恐ろしい内容。

その一戦後、当時無敗のホセ・マティアス・ロメロ(アルゼンチン)、元王者、フランシスコ・バルガス(メキシコ)を撃破。フルラウンドを戦えるスタミナも、そのためのスタミナ配分も、意外と考えて戦っているボクサーだということがわかります。

↓クルスvsバルガスの観戦記。アイザック表記はお気になさらずに。

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このタンク・デービスとピットブル・クルスのステータスを考えると、ディフェンス、スピード、ボクシングスキル、おそらくほとんど全てにおいてタンクが上回っているでしょう。

一発のパンチングパワー、というか破壊力においてもおそらくタンクが上。

ではクルスに全く勝ち目はないか、と言われれば、少々薄いながらもある、と考えます。

それは、やはりクルスの思い切りの良い攻撃にあると思います。

デービスは度々集中力が途切れる瞬間がありますし、「嫌がっている」ことをあまり隠さないボクサーでもあります。

クルスがもししつこくしつこく、タンクが辟易するまでしつこくパワフルに、そしてノンストップで攻め込み続ければ、タンクの「心のスタミナ」に穴を空けられるのではないでしょうか。

 

それには1に先手、2に先手、常に先手を取って、タンクが嫌がることをやり続けるというスタミナと、最終ラウンドまでに決着をつける、という振り切った勇気が必要なように思います。

但し、これは本当に容易なことではなく、攻め続けることで怖いのはタンク・デービスの破壊的なカウンター。特に、クルスのフックに合わせてくるであろうアッパーカット。

タンクのパワーパンチのアングルは非常に多彩で、左でも右でも、フックでもアッパーでもカウンターを打てることと、その全てが破格のパワーを誇っている、というところが非常に怖い。

なので、順当にいけばタンク・デービスの勝利は固く、このクルスを果たして倒すことができるか、というのが焦点。ただ、クルスがデービスの集中力を切らせ、イライラさせ、雑になったところでパンチをまとめることができれば勝機はあると思います。

 

これはどちらも応援せず、クルスの健闘を肴に観るのが一番良いと思います。超楽しみな、ハードパンチャー対決は、大激戦間違いなし!!!

ちなみに、強豪揃いのライト級では先日大波乱。なんとメジャー3団体統一王者、テオフィモ・ロペスが敗北を喫してしまいました。タンクとの対戦を楽しみにしていたファンも多いと思いますが、残念です。

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アンダーカード!

WBC世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦

セバスチャン・フンドラ(アメリカ)17勝(12KO)無敗1分

vs

セルジオ・ガルシア(スペイン)33勝(14KO)無敗

セミファイナルは米国プロスペクト、フンドラと、無敗のスペイン人、ガルシアの一戦。

「タワーリング・インフェルノ」フンドラはスーパーウェルター級におい197cmの身長、203cmのリーチという大型ヘビー級並の体格を誇ります。

しかしそのボクシングは、打ち合い大好きの拳闘家。

 

長身サウスポーらしからぬボクシングですが、長身から放たれるアッパーは対戦相手にとって非常に脅威。本当は隙が大きいパンチですが、フンドラのアッパーはさほど突き上げなくても相手の顔面に届いてしまいます。23歳、大注目の個性派プロスペクトですね。

対戦相手のセルジオ・ガルシアは、イギリスで大人気の激闘男、テッド・チーズマン(イギリス)に初黒星をつけたボクサーですね。

戦績は非常に立派ではありますが、今回はアメリカに乗り込んでのBサイド。アンダードッグです。

しかしここ最近のスペイン人は、サンドール・マーティン(vsマイキー・ガルシア)、キコ・マルティネス(vsキッド・ガラハッド)と非常に良い流れ。このビッグアップセットの数々は、きっとこのガルシアにも勇気を与えているはずです。次は自分の番だと。

 

こういう大きな流れは意外と侮れません。フンドラにとって試練となるか。

そしてその他のアンダーカードも要注目。

セルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)vsカルロス・アダムス(ドミニカ共和国)

13勝(10KO)3敗というデレビヤンチェンコですが、敗れた相手はダニエル・ジェイコブス(アメリカ)、ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)、ジャモール・チャーロ(アメリカ)という錚々たる顔ぶれ。現在ゴロフキン、チャーロと連敗中ながら、すべての敗戦で大いに善戦、実力者であることは間違いありません。

対してアダムスは20勝(16KO)1敗という好戦績、唯一の敗戦はWBO世界スーパーウェルター級暫定王座戦でパトリック・ティシエイラ(ブラジル)に喫したもの。

アダムスにとっては今回が初のミドル級戦ということもあり、デレビヤンチェンコが激闘によりダメージを溜めてさえいなければ、再起に成功すると思いますが。。。

 

エドゥアルド・ラミレス(メキシコ)vsミゲル・マリアガ(コロンビア)

この試合がShowtimeで放送するPPVファイトのキックオフ。

元WBA世界フェザー級暫定王者、エドゥアルド・ラミレスと、世界に3度挑んだミゲル・マリアガがサバイバル戦。

ラミレスは2021年5月にWBAの暫定王座を獲得しましたが、いつの間にやら世界ランクからいなくなって、WBA暫定王座はマイケル・コンランが決定戦で獲得、そしてすぐさまWBAの王座削減政策により剥奪。

ラミレスの暫定王座はどこへ消えたのかはよく分かりませんが、このマリアガをクリアすれば世界を狙える位置に戻ってこれるのでしょう。

生き残るのはどちらか。興味深い一戦です。

放送・配信

この興行は、アメリカではShowtimeのPPV、74.99$です。

日本ではWOWOWオンデマンドで生配信(12:00〜)、同日の21:00〜WOWOWライブでタイムリーオンエアとなっています。これは超お得ですね。

注意しないといけないのは、アメリカでは日曜日なので、日本では12/6、月曜日の興行だということですね。くれぐれもお間違えのないように。

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【観戦記】ブランドン・フィゲロアvsスティーブン・フルトン!今後のスーパーバンタムを占う重要試合!

11/28(日)の興行の視聴も道半ば。

国内興行も大変興味深い試合が出揃ってはいるものの、やっぱり先に海外興行。

ここ数年は国内興行も見れる試合が増えてきましたが、基本、地方のおじさんボクシングファンの基地はWOWOWなので、やっぱりボクシング=海外、となってしまいますね。

ここ最近はオンデマンドでの生配信も出てきて、更にそれがアーカイブも残るようになって、嬉しい限りです。月額2,500円くらいでこれだけ見れるのは本当にありがたい。

さて、今回のブログは、WOWOWオンデマンドで生配信されたWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一戦、ブランドン・フィゲロアvsスティーブン・フルトンをメインとしたPBC興行の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

↓同日行われたロペスvsカンボソス、尾川堅一の戴冠試合はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

11/28(日)ラスベガス

ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)18勝(12KO)無敗1NC

vs

アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)24勝(13KO)2敗5分

バンタム級、というと真っ先に思い浮かぶのは、「井上尚弥の対戦相手としどうか」ということ。ファン・カルロス・パヤノを負傷判定で破り、エマニュエル・ロドリゲスとは開始直後にノーコンテスト、それでもラッセル家のプロスペクトということで期待してしまうアントニオ。

なんとか良い勝ち方をして、井上尚弥に対しても、「このボクサーなら良い試合ができるんじゃないか」というところを見せて欲しい。

注目のバンタム級戦、ゴング。

 

ラッセルはかなり大きいですね。長い距離からのジャブでサンティアゴはなかなか中に入れません。サンティアゴは頭から入る等、工夫をしますね。ともにクリーンヒットはほぼありません。

2R、サンティアゴも非常に距離感に優れ、ラッセルの長いパンチも距離で外します。ただ、やはりサンティアゴとしては中に入らないと自分のパンチは届きません。

後半、ようやく訪れた接近戦のチャンスにはサンティアゴはパンチをまとめてその力を示します。ブルファイターではありませんが、このあたりの接近戦での戦闘は、やはりメキシカン。

3R、徐々にジリジリと下がってしまうラッセル、ロープには詰まりたくないところですね。終盤は接近戦を仕掛けるサンディアゴを迎え撃ったラッセル!打ち合いでこのラウンドが終了です。

4R、ラッセルの方がヒット率は上に見えますが、サンティアゴは退きません。このラウンドも終盤は打ち合いに発展、ラッセルも気が強いですね。

 

5R、徐々に近い距離での攻防が多くなってきます。サンティアゴはチャンス。

6R、それでもラッセルは思い切り振る分、ラッセルのカウンターは怖い。中盤にサンティアゴのボディがラッセルにヒット、これが少し効いたように見えます。その後ロープに詰まる場面が多いラッセル。

7R、前半に軽いワンツーを好打したラッセルですが、接近戦に巻き込まれると良くありません。ローブローによる中断もありますが、プレスをかけ続けるのはサンティアゴ。

8Rも同様にプレスをかけるサンティアゴ、やはり接近戦の時間が長く、その分ラッセルはロープを背負っています。

9Rはリラックスした状態からラッセルのカウンターが冴えます。サンティアゴはやや強引な踏み込みからの攻撃を敢行。

ラストラウンドはサンディアゴが前に出ますが、ラッセルもアグレッシブ。距離が詰まっての打撃戦の展開となります。後半、接近戦でのカウンターで左を効かせたラッセル、その後の打ち合いでも優位に立って最終ラウンドゴング。

判定は95−95のドローが1人、96−94が2人で勝者はゲイリー・アントニオ・ラッセル!

 

これはラッセルにとってかなりの苦闘。サンティアゴはアップセットを起こす気満々で挑んできて、それをラッセルが辛くも退けた、という感じの内容でした。ラッセルには井上尚弥への挑戦という意味で大勝を期待していましたが、ちょっと難しそうですね。

ライース・アリーム(アメリカ)18勝(12KO)無敗

vs

エドゥアルド・バエス(メキシコ)20勝(7KO)1敗2分

WBA世界スーパーバンタム級暫定王者となるも、WBAの都合で剥奪されてしまったアリーム。暫定王者は王座剥奪とともにトップコンテンダーとなり、指名挑戦権を獲得できるはずでしたが、このアリームに対しては指名挑戦者決定戦の指令が降りました。

 

その指令(アザト・ホバニシャン戦)はこの試合の直前にオーダーされ、アリームはこれを受けず。WBAのランクは下がってしまうことが予想されます。

ホバニシャンを回避したのか、WBAに叛旗を翻したのか、心持ちはよくわかりませんが、この難敵バエス戦を選んだアリーム。ここは力を示してもらいたい一戦。

初回からアリームはスピードを活かし、ステップワークとコンビネーションで攻め込みます。きっちりとガードを固めたバエスは打ち合いの得意なメキシカン、攻め込んでくる方がやりやすいでしょう。

2R、アリームの上下の打ち分け、アッパーを含めたアングルを変えたコンビネーションは素晴らしいですね。しかしバエスも隙をついて右ボラードをヒット、意地を見せます。

 

3R、基本的にはアリームが試合を作っているイメージですが、バエスは単発ながら強いパンチを返します。中盤にアリームは右から左をヒット、バランスを崩してぐらついたバエス。

4R、アリームはやや大振り気味か。フォロースルーを効かせていますが、ミスブローの後にバエスは反撃。バエスのパンチもかなり大きいですが、アリームはこの外側から回すパンチにあまり反応がよくありません。

5R、ともにかなり大振りになってきて、単発のパンチの交換。ともに上体を使って相手の大きいパンチを外します。互いに単発、かなり大味な試合になってきました。

6R、バエスは良くも悪くも変わらず、ハイガードから大きなパンチを振るいます。このラウンドバッティングでバエスがカット。カットの後は少々集中力が切れたように見えるバエス。もしかすると、アリームの左ボディの効果もあるかもしれません。

 

7R、このラウンド序盤にはアリームが思い出したようなコンビネーション。バエスはバックステップが多くなっており、そうするとアリームが俄然勢いに乗ってきます。

8Rも同様に、アリームのコンビネーションが目立ちます。しかし9R、バエスがかなりプレストを強め、攻め入ります。しかしこのバエスの突進に対してアリームがカウンターをヒット!ぐらついたバエスはかなりのダメージを被ります。

しかし、アリームもかなり苦しそう。攻め入るパンチに勢いはありません。

ラストラウンドも前半にバッティング、バエスがまたも出血か。ともに疲労、ダメージでヘロヘロになりながらも意地でパンチを出し合い、終了。

判定は95−95、96−94、98−92の2−0の判定でライース・アリーム。

 

今回のアリームは一言で言うと非常に雑でしたね。もっともっとポテンシャルのあるボクサーだと思っていましたが。

倒してやろう、力の差を見せつけよう、とする思いが強すぎて、単発気味になり、本来の出来とは程遠かったように思います。折角獲ったWBA暫定のタイトルを剥奪されて自棄になっている、とかではないと思いますが、今後どこかの王座へ挑むとするならば心配となるレベル。

WBAはホバニシャンが指名挑戦者、その次に亀田vsパレホの勝者と順番待ち。IBFは勅使河原弘晶(とマーロン・タパレスの勝者)が控えていますので、挑むならWBCかWBO、つまりはメインのフィゲロアvsフルトンの勝者、でしょうか。

WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

ブランドン・フィゲロア(アメリカ)22勝(17KO)無敗1分

vs

スティーブン・フルトン(アメリカ)19勝(8KO)無敗

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さて、いよいよ注目の一戦。日本のヒーロー、ブランドン・フィゲロアが統一戦に臨む大一番。評価の高いフルトンの方がオッズは有利ですが、きっとフィゲロアがやってくれる、と信じて応援します。

初回、フルトンは意外と距離を取ってこず、フィゲロアは頭の位置を細かく動かしながら前進。距離が詰まるとフルトンはフィゲロアの腕を絡みとり、フィゲロアのショートパンチを封じます。初回から頭を付け合うくらいの距離、距離としてはフィゲロアですが、クリーンヒットはほとんどありません。

2R、フィゲロアは前進しますが、この入り際にフルトンのパンチが入ります。それでも気にしないフィゲロア、この圧はやはりすごい。スロースターターのフィゲロアにとって、この辺りでパンチをもらうことはまだ想定の範囲内でしょう。

後半、フィゲロアが体ごとロープに押し込む場面が増えてきますが、フルトンも押し返して終了。

 

3R、当然前進するフィゲロアと、それを受けて立つフルトン。接近戦での上体のアクションではフルトンの方が上手く、フルトンのクリーンヒットの方が多い印象です。

しかし、フルトンはこのままフィゲロアの土俵で行くつもりでしょうか。

4Rもノンストップで攻め込むフィゲロア。フルトンは下がりつつ対応する序盤から、上体の動きとコンビネーションで打ち合う中盤、後半も足を使っているイメージ。フィゲロアは顔面にパンチをもらいながらもフルトンのボディを叩きます。

5Rもバチバチの打ち合い。フルトンは前半良いが、このフィゲロアの土俵ではやはりフィゲロアの方が馬力に優れ、ラウンド後半はフィゲロアに分があります。

6R、接近戦でも強弱のコンビネーションを打てるのはフルトンの強みですが、とにかくフィゲロアの手数は止まりません。フルトンはそのフィゲロアの手数に押され、この試合序盤のラウンドに比べ手数が減っているような気がします。

7R、このラウンドも頭をつけての打撃戦。フルトンも退きません。

 

8R、ラウンド前半はフルトンが微妙なバックステップを駆使してカウンターを巧打。疲れなのかダメージなのか、やや足元がふらつくフィゲロア!しかし後半はボディの打ち合い、終盤はフィゲロアがフルトンをコーナーに釘付けにしてボディを乱打!

なんというシーソーゲーム。。。

9R、頭をつけての打ち合い、フルトンはフィゲロアの入り際にパンチをヒット、印象的なパンチを当てるのはフルトンですが手数は圧倒的にフィゲロア。

10R、ここもやはり打撃戦、2分頃にとうとう下がったフルトンに対してフィゲロアはラッシュ。

11R、フルトンはサイドステップを多用、フィゲロアのプレスからエスケープを試みます。フルトンが本来のボクシングに戻しますが、中盤を過ぎた頃にはやはりフィゲロアに捕まり、ロープを背負う場面が多くなります。

 

ラストラウンド、フィゲロアはやはり前に出て、フルトンは前ラウンド同様にボクシング。しつこくしつこく追っていくフィゲロア、ロープを背に動き続けるフルトン、ともに素晴らしいスタミナを持っていますね。

会場は大歓声、12Rにわたる大熱戦が終了。

判定は、114−114が1人、116−112が2人でクールボーイ・ステフ。

判定はどちらに転んでもおかしくないかな、と思っていましたが、フルトンを支持。接近戦、押していたのはフィゲロアで、やりたいボクシングができていたのもフィゲロアでしたが、フルトンは近接戦闘でも頭の位置、コンパクトなコンビネーションを放っており、クリーンヒットでは上回っていたようにも見えました。

それにしてもフィゲロアの手数はやばい。

 

このフィゲロア相手にフルトンがなぜ、接近戦を受けて立ったのか。

ただの奇襲だったのか、それともあの距離でフィゲロアを打ちまかそうとしたのか。

いずれにしろ、11R、12Rあたりに見せたボクシングがフルトンの本来のボクシング。ステップとスピードを活かし、カウンターをとるやや待ちとも言える戦法で、これが現在アメリカでは主流とも言える戦法だと思います。

試合終了後、フィゲロアはフルトンに詰め寄っていましたが、気持ちはわかります。しかしフルトンに詰め寄ってもどうにかなる問題ではなく、文句があればジャッジやコミッションに正式に抗議をしなければいけませんね。

フィゲロアはとんでもないファイティングスピリットを見せましたが、フルトンに届かず。フルトンの戦略がどうあれ、きっと結果は変わらなかったと思います。残念ですが。

 

フィゲロア、あそこまでパンチをもらいながらも動きが落ちないスタミナと、あの痩身でのタフネスは説明がつかないほど。彼もまた、ある種の怪物の1人です。

フルトンは今後、4団体統一へ向かうのでしょうか。個人的には、vsアフマダリエフであれば、アフマダリエフ優位かと思います。フィゲロアのパンチはさほどでもありませんが、アフマダリエフは硬質なパンチを持っており、当て勘、スキルにおいてフィゲロアを大きく上回ります。そのアフマダリエフを12R空転させ続けることは、フィゲロアを空転させ続けることよりも難しく、後はフルトンのアゴの強さ(強そうですけど)次第のような気もします。

いずれにしろ、今後のスーパーバンタム級も楽しみです。

 

【プレビュー】デビン・ヘイニーvsジョジョ・ディアス!ヘイニーはディアスを塩漬けにできるか。

もう12月に入ります。

12月は、ボクシングファンが沸きに沸く1ヶ月となりそうですね。

国内外の興行を一まとめにすると、12/2(木)のDANGAN興行に始まり、シメはいつも通り大晦日、井岡一翔vsジェルウィン・アンカハスという至高の統一戦。

私の心配は、このブログがこれまで通りプレビュー〜観戦記まで書き切れるか、ということと、GGGvs村田のチケットが当選するか、というところです。

井岡vsアンカハスも勿論行けるものなら行きたいですが、大晦日は家族持ちとしては動くのに厳しい。の実家に顔を出さなければなりません。

 

(過去、12/31の興行に無理を言って行かせてもらったのは、ジェスレル・コラレスvs内山高志2のみ。)

という個人的事情は置いておいて、12月興行の初回のプレビュー記事は、デビン・ヘイニーvsジョセフ・ディアスについてです。

12/4(日本時間12/5)

WBC世界ライト級タイトルマッチ

デビン・ヘイニー(アメリカ)26勝(15KO)無敗

vs

ジョセフ・ディアス(アメリカ)32勝(15KO)1敗1分

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The  Dreamというニックネームを持つデビン・ヘイニー。今更言うまでも無く、テオフィモ・ロペスやタンク・デービス、ライアン・ガルシア等の次世代のスーパースター候補の一角です。

そのボクシングはスピードに溢れ、華麗。インテリジェンスも感じさせるボクサーですね。

ただ、パンチの当たらない安全圏を確立してから戦うボクサーなので、自分のパンチも当たりづらく、当然エキサイティングな試合になることは少ないです。人気の面ではどうなんでしょうかね。

身長173cm、リーチ180cmという恵まれた体躯を持つ23歳。

 

2015年にプロデビュー、数々の地域タイトルを獲得し、無敗のまま2019年9月、空位のWBC暫定王座決定戦に出場し、これに勝利、暫定ながら世界王座初戴冠。

その後、正規王者へと昇格した後、3度の防衛に成功しています。

空位の暫定王座決定戦は、当時無敗のサウル・アブドラエフ(ロシア)、初防衛戦でも同じく無敗のアルフレッド・サンティアゴ(ドミニカ共和国)、2度目の防衛戦でベテラン、ユリオルキス・ガンボア(キューバ)、最新の防衛戦でもベテラン、ホルヘ・リナレス(帝拳)を退けて防衛しています。

素晴らしいスキルを持つヘイニーゆえか、そのパフォーマンスに対する期待はいつも高い。それでも、ファンの想像以上のスキルを見せることができず、試合後には決まって物足りなさやケチがついている気がします。

ここまで、ヘイニーが「ポイントがどう出るかわからない」とか、「これは負けたんじゃないか」とか言われた試合は一つとしてありません。

 

ただし、行くべきところで行けない、もしくは「行かない」という選択肢をするヘイニーは、人気者にはなれないかもしれません。とはいえ、ヘイニーがアグレッシブに出てしまうと、それはそれで面白くはありませんね。

前戦では、前半からリードしながらも、10Rにリナレスの右一発で効かされ、クリンチに逃げるという見栄えの悪い内容。しかし、意地でサバイバルした姿を見て感じた事は、ヘイニーを倒し切ることは容易ではない、ということです。

ハートの強さを持っているのか、負けたくないという意地がなせる業なのか。

まあ、あのようなピンチに陥ることも少ないでしょうが、今後のヘイニーがピンチに陥った時の反応も楽しみですね。

↓ヘイニーvsリナレスの観戦記

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対して「ジョジョ」ディアスは、2012年にプロデビュー、現在29歳となるサウスポー。

世界に辿りつくキャリアの中で、のちに世界王者となるレネ・アルバラード(ニカラグア)やアンドリュー・カンシオ(アメリカ)を破っています。

デビュー以来連戦連勝で迎えた世界初挑戦は、2018年。WBC世界フェザー級王者、ゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)への挑戦でした。

元オリンピアンであるディアスは、テクニシャンでもありますが、非常にパワフルなコンビネーションを武器にするプレッシャーファイターのイメージが強いです。

そのディアスのプレスをかわし続け、細かなコンビネーションを浴び続けたディアスは判定負け。ただ、この一戦はそのど根性さ、タフさで評価を高めた一戦でもあったと思いますし、相手がラッセルでなければ。。。と思ったものです。

気迫溢れるファイトは、本当に素晴らしかった。

 

ラッセルへの善戦が評価されたか、再起戦でWBA世界フェザー級タイトルマッチが組まれます。

しかし、この大チャンスの到来に際し、ジョジョ・ディアスは体重超過。秤の上で挑戦権を失います。(試合は判定勝利)

復帰したディアスはスーパーフェザー級へ転向、2020年1月にテビン・ファーマー(アメリカ)を攻略、見事IBF世界スーパーフェザー級王者となりました。

しかし、この初防衛戦で王者・ディアスは体重超過。。。。調子悪くなりそうだったからウェイトを落とすのを諦めた、的な理由。ぐうの音も出ませんね。

シャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)は不運にも1.6kgもオーバーした王者に挑戦せざるを得なくなり、その上試合結果はドロー。ラヒモフとしては悔しいでしょうね。

試合も体重超過したディアスが、パワーパンチで押す場面が目立ち、戦い方的にもこのウェイト差は大きかったかもしれません。

 

ともあれ、王座剥奪となったディアスは、2021年7月に再起、元王者、ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)を破ってWBC世界ライト級暫定王座を獲得、今回の一戦に漕ぎ着けています。

今回は正規王者、ヘイニーと、暫定王者、ディアスの団体内統一戦となります。

ちなみにフランチャイズ王者にテオフィモ・ロペス。

WBAに代わってしっかりと王座が乱立しております。

さて、ディアスはKO率以上にパンチングパワーを感じるボクサーです。このディアスの強打とプレスを、ヘイニーが集中してかわし続けられるか、が勝負どころ。

体の圧が非常に強いディアスは、もうファイタースタイルに振り切って攻めた方がヘイニーにとって脅威となりうる、と思います。

あのホルヘ・リナレスでさえ、ヘイニーのジャブに対応するのに非常に時間がかかりました。リナレスはヘイニーとボクシングで対戦し、ようやく右が当たったのは試合の後半中の後半。

ディアスとリナレスを比べると、ハンドスピードも、一発のパンチングパワーも、リナレスの方が上回っていると思います。キャリアは勿論です。

 

ディアスがヘイニーとボクシングをして、パンチを当てられる気は全くしません。ディアスは、体全体でグイグイとプレスをかけて、ヘイニーを嫌がらせて下がらせる、そんな展開に持っていかなければなりませんね。

現地のオッズはデビン・ヘイニー優位。これはこれで当然なんですが、前戦で脆さを見せたヘイニーに対して、ディアスへの期待があるのもわかります。番狂わせは、起こり得る。

デビン・ヘイニーとしては資金石。ここでディアスに敗北をするようでは、同世代のボクサーたちとの対戦には進んでいけないような気がします。

テオフィモ・ロペスのリチャード・コミー戦、タンク・デービスのレオ・サンタクルス戦、ライアン・ガルシアのルーク・キャンベル戦等々、評価の高いボクサーに対する「勝ち方」のハイライトが、このヘイニーには足りていません。

ヘイニーは、ここで良い勝ち方をして、ファンの評価を得られるか。またジョジョ・ディアスは、この評価の高いヘイニーに対して番狂わせを起こすことができるか。流石にライト級ならウェイトを作れるとは思いますが、ちゃんとリミット内に仕上げてくるのか。

ヘイニーは個人的に好きになれないボクサーですが、今回はヘイニーを応援。もしここでディアスが勝ってしまえば人生甘すぎる。おそらくヘイニーがディアスを寄せ付けないのでしょうが、万が一もないように塩漬けにしてもらいたい。

 

アンダーカード!

セミファイナルは、女子の世界戦。世界女子ウェルター級の4団体統一王者、ジェシカ・マッカスキル(アメリカ)がビクトリア・ノエリア・ブストス(アルゼンチン)を迎えての防衛戦です。

その他にはスーパーライト級のプロスペクト、モンタナ・ラブ(アメリカ)が登場です。ニックネームはToo Pretty!超かわいいですね。

このラブは、前戦でイバン・バランチェク(ベラルーシ)を7Rでストップ。バランチェクは、激闘の代償か打たれ脆くなっているイメージもありますが、ともあれラブにとって元王者を倒したのはキャリアの中で非常に大きいことです。

現在の戦績は16勝(8KO)無敗1分。

↓モンタナ・ラブvsイバン・バランチェク

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対するカルロス・ディアス(メキシコ)も29勝(14KO)1敗という好戦績を収めるボクサーですね。このディアスの唯一の敗戦はホセ・セペダ(アメリカ)によるもので、他にはまだ強豪との対戦はありません。

このディアスを倒し、ラブはアピールできるのか。

放送・配信

このヘイニーvsディアスをメインに据えた興行は、DAZNで生配信です。

配信開始時間は日本時間で12/5(日)10:00から。

DAZNに今入れば日本時間11/28(日)のテオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJrも見れますよ!ライト級戦線を楽しみましょう!

↓DAZNはこちらから

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↓テオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJrの一戦のプレビュー 

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