信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】LIVE BOXING!サンティアゴvs中谷潤人、田中恒成vsバカセグア!トリプルタイトル戦、日本人全員勝利なるか!?

さてさて、週末はAmazonプライムビデオpresents LIVE BOXING!!

日本でいち早く始まったアマプラ興行はもう7回目を迎えています。

ちなみにPBCがShowtimeから移行して組んだアメリカAmazon興行の放映は日本Amazonではなさそうで、アメリカAmazon興行の第一弾の日本での放映はWOWOWのようですね。

ボクシングファンならわかると思いますが、一般の人にはついてこれないでしょうね。

ともあれ、今回は日本Amazonの興行で、こちらは帝拳プロモーション。

アメリカAmazon興行は、TGBプロモーションが主。興行主が違うということですね。

そんなわけで今回のブログは、2/24(土)に迫った日本アマプラ興行第7弾、アレハンドロ・サンティアゴvs中谷潤人の戦いをプレビューです。

↓セミだと思っていた井上vsアンカハスがメイン。

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2/24(土)両国国技館

WBC世界バンタム級タイトルマッチ

アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)28勝(14KO)3敗5分

vs

中谷潤人(M.T)26勝(19KO)無敗

『Peque』というニックネームを持つ、アレハンドロ・サンティアゴ。このPequeという単語は、チビという意味らしく、言い方は悪いがその名の通り、159cmとこの階級でかなり小柄な方です。

長身の中谷潤人との身長差は13cmにも及び、大きなサイズ差がある戦いとなっています。

ただ、BoxRec上ではこのサンティアゴのリーチは166cm、中谷は170cmとなっており、そこまで大きな差はありません。このことは、ちょっと距離感を見誤る可能性がある、というのはわかっておいた方良いことなのかもしれませんね。

さて、アレハンドロ・サンティアゴ、前戦でレジェンド、ノニト・ドネア(フィリピン)との王座決定戦を経て、王座を初戴冠したボクサーです。王座決定戦の相手も相手でしたが、初防衛戦の相手もかなり難しい相手を迎えており、王者となってもアンダードッグから抜け出せないという茨の道を進むボクサーでもあります。ただし、ここで勝てば一気にバンタム級のメジャーシーンに躍り出ることができる上、この戦いはおそらく過去最高のファイトマネーを得ているでしょうから、気合が入る戦いでもあるでしょう。

 

 

 

2012年にプロデビューしたサンティアゴは、3連勝ののち1度のドロー。このドローとなったボクサーと9戦目で戦い、初黒星を喫しています。ちなみにこのサンティアゴが1敗1分のボクサーはエクトル・フローレス(メキシコ)というボクサーで、のちにシベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)とIBF世界ライトフライ級王座決定戦で戦い、僅差のスプリット判定を落としてしまうボクサーです。

さて、サンティアゴに話を戻すと、この初黒星の後無事に再起するも、再起2戦目で早々に2敗目。その後もいくつかのドローを挟みながらキャリアを築いていくわけですが、この時点でサンティアゴに注目しているファンはほぼいなかったでしょう。

彼にとって転機となったのは2018年のことで、当時のIBF世界スーパーフライ級王者、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)への挑戦。この試合の前、WBOの地域タイトルに挑戦したサンティアゴは、ホセ・マルティネス-メルカド(プエルトリコ)というボクサーとドローを演じており、アンカハスとしては比較的楽な対戦相手を選んだつもりだったのでしょう。

 

 

 

しかし蓋を開けてみれば、すでに5度の防衛をクリアしていた安定王者アンカハスに対し、サンティアゴは大奮闘。結果スプリットドローの判定でタイトル奪取を逃しますが、これは「アンカハスが悪かった」との意見も多く、アンカハス階級限界説が囁かれるきっかけとなった試合でもあったと思います。

ここは本来、サンティアゴの実力を認めるべきでしたね。

ここまでアメリカのリングに2度とも登場して、2度ともドローのサンティアゴはこの後メキシコでの下積みに戻り、8回戦、10回戦を戦っていきます。

2021年にアメリカ3度目のリングでようやく初勝利(2RKO勝利)をあげますが、次戦でゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)に僅差の判定負け。その後も腐らずに戦い続けたサンティアゴは、2023年7月、ドネアに勝利して世界初戴冠を果たしたのです。

アレハンドロ・サンティアゴ、回転力が非常にあり、小回りのきくスピードもあり、非常にアクションの多いエネルギッシュなボクサーです。ただただ闇雲に突っ込んでくるのではなく、そのブローはアングルがしっかりと考えられたものであり、どのアングルで打てば当たるのかをしっかり考えられているボクサーだと思います。

 

 

 

中谷としては、このサンティアゴの回転力を封じたいところですね。

あまりにも手数を出してくる場合、カウンターを取ることは容易ではありません。なのでまずは近づかせないように遠くでボクシングを試みること、距離を置いてあるところから入ってくる場合、サンティアゴも大きく踏み込んでくることとなり、そこはカウンターチャンスです。

ドネアはこのサンティアゴからカウンターをとりましたが、サンティアゴの回復力も驚かされるものでした。これまでの敗戦は惜敗がほとんどであり、KO負けは一度もないタフなボクサー。

中谷がコンディションを整え、思い通りのボクシングができれば勝利は固い、と思いつつも、このボクサーは見た目以上にやりづらいボクサーのはず。

サンティアゴとしては自身より高身長なボクサーとの対戦には非常に慣れており、相手が小さいからといって油断できるようなボクサーではありません。

非常にやりづらく、スタミナもタフネスも持っているボクサーだからこそ、中谷には倒して勝利して欲しいものです。

 

 

 

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦

田中恒成(畑中)19勝(11KO)1敗

vs

クリスチャン・バカセグア(メキシコ)22勝(9KO)4敗2分

さて、今回のLIVE BOXINGはトリプルタイトルマッチ。そのトリプルタイトルマッチの先陣を切るのは、田中恒成が4階級制覇を成し遂げるこの試合です。

今回、3つの世界戦の中で、最も日本人勝利の確率が高いのは、と聞かれればこの試合を挙げられるのではないか、と思うほど、実力差が明白にも思える試合でもあります。

ちなみに海外オッズの順番的には、最も固いのがサンティアゴvs中谷の中谷勝利、続いて田中vsバカセグアの田中勝利、そしてオッズがかなり競っているのが井上vsアンカハスの井上勝利です。

 

 

 

しかしこのバカセグア、映像を見てみると田中とは比べるまでもなくスローで、パワーがあるわけでもない、と感じるのが第一印象。

もちろんメキシカンであるから旺盛な手数は持っているし、ハイガードスタイルで崩しにくさもあるだろうし、フック、アッパーはフルスイングに近いのでパワーもあるのでしょう。しかし、このバカセグアは中間距離が良いとはいえず、特にジャブ、ストレートは体が流れている場面も多く、果たして世界タイトル戦を戦えるボクサーか、というとあまりそうは見えません。

バカセグアの怖いところは、やはり打撃戦となった時であり、力一杯振り回すパンチが相手の体に当たった場合の切り返しは非常に早く鋭く、力もこもっていそう。

ただ、その距離まで入られず、空転させることができれば、それこそ田中の勝利は固いのではないでしょうか。

バカセグアのキャリアを振り返ると、2015年にドローでデビュー、2戦目で初勝利を挙げて3戦目でドロー、5試合目で初黒星。

 

 

 

下積み時代は非常に長く、10回戦を始めてた戦ったのは2019年になってからで、スプリットの判定で黒星。ここのところは9連勝というところですが、ここまでは全てメキシコ国内での戦いであり、今回が初の海外戦となりますね。

世界的強豪との戦いはほとんどなく、田中恒成の強さを知っている我々日本のボクシングファンからすると、このバカセグア勝利を予想することはかなり難しいと思います。

なので、この試合は田中恒成が難なくここを勝ち、4階級制覇を成し遂げる、というのが既定路線なのだと思います。

この試合の注目は、やはり田中恒成のパフォーマンス。

4階級目は当然獲るとして、それは今後、井岡一翔との再戦や、たとえばエストラーダ、ローマン・ゴンサレスといったレジェンドとの激突、そしてともすればジェシー・ロドリゲスとの対戦を期待されるものなのか、それとも「もう少し先」と思わせるものなのか。

田中が標的にしていたフェルナンド・マルティネスも強いボクサーであるし、このスーパーフライ級にはまだまだ楽しみも多い。

 

 

 

これまで3階級を「勢い」だけで獲ってきたというまさに「天才」田中恒成が、いよいよそのボクシングの幅を広げ、組み立てを学んだことで覚醒する姿を心から見てみたい。

アンダーカードと配信情報

この3つの世界タイトルマッチの他、ジョナス・スルタンvs増田陸という注目ファイトも。増田は前戦で堤聖也のもつ日本タイトルに挑み惜敗、再起戦で強敵を迎えますね。

スルタンは「カシメロに勝ったこともある」とよく言われますが、それは2017年の話であり、翌年にはアンカハスに挑戦して負けています。

つまりは世界挑戦経験者、といった過去をもっており、このアンカハスへの挑戦と2022年に行われたWBO世界バンタム級暫定王座決定戦(ポール・バトラー戦)がスルタンの過去最大の一戦であり、このバトラー戦はカシメロのサウナ事件の際、リザーバーとして出場したものですね。

増田陸、復活なるか。もちろん、スルタンは危険なボクサーなので、これは非常に楽しみなハードマッチメイクですね。

 

 

 

この興行は、Amazon Prime ビデオで生配信。

2/24(土)18:00〜の放送開始だそうなので、お見逃しなく。

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【プレビュー】勝者は日本に来る!?IBF世界LF級、アドリアン・クリエルvsシベナチ・ノンシンガ!!

テオフィモ・ロペスvsジャーメイン・オルティスはその週末にスーパーボウルがあったため、平日開催の興行でした。

理由を聞けば納得はするのですが、今週末(2/17、18)にも何かあるのでしょうか?

今週のボクシング興行は、現地時間で2/15(木)、2/16(金)となっており、またも平日興行ですね。ボクシング人気はやはりアメリカ大陸でもこの程度なのか。。。それともビッグイベントがあるのでしょうか。

ともあれ、今回のブログはDAZNで放映されるメキシコ興行、アドリアン・クリエルvsシベナチ・ノンシンガの再戦についてのプレビュー。

 

 

 

2/16(日本時間2/17)メキシコ

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ

アドリアン・クリエル(メキシコ)24勝(5KO)4敗1分

vs

シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)12勝(9KO)1敗

2023年11月4日、モナコ公国、モンテカルロ。

ライトフライ級で驚愕的なKO率の高さを誇るIBF王者、シベナチ・ノンシンガは挑戦者としてアドリアン・クリエルを迎えました。

このライトフライ級の絶対王者といえばWBA・WBCのユニファイド王者である日本の寺地拳四朗(BMB)ですが、このノンシンガも非常に侮れない存在。拳四朗が4団体統一に向かうのならば、最後の障壁となりえるボクサーだと思っていました。

2021年にクリスチャン・アラネタ(フィリピン)に勝利してIBF王座への挑戦権を獲得したノンシンガは、当時無敗のエクトル・フローレス(メキシコ)との王座決定戦に出場。これは、フェリックス・アルバラードの王座返上によるものでしたね。

フローレスとの決定戦に勝利したノンシンガは、初防衛戦でまたも無敗のレジー・スガノブ(フィリピン)を迎えこれをクリア、2度目の防衛戦が前述のモンテカルロ興行であり、対戦相手は当時23勝(4KO)4敗1分、悪くはないですが物足りない戦績のアドリアン・クリエルでした。

 

 

 

ノンシンガは非常に身体能力が高く、パンチのキレも優れています。挑戦者決定戦以降では12ラウンズを戦っていることもあり、スタミナも証明済み。

クリエルはメキシカンらしいアグレッシブなファイターですが、そのKO率の低さから、パワーレスの印象を拭えないボクサー。

こうなるとはっきり言ってクリエルに王座を奪われる可能性はかなり低い、と言わざるを得ませんでした。

しかし結果はなんとクリエルの2RKO勝利、なんともあっけなく王座を奪われてしまったノンシンガ。

↓観戦記

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これはかなりのアップセットでしたが、ノンシンガ自体の知名度もあまりなく、さほど話題には登らなかったと思います。

ただ、これは日本のボクシングファンにとっては大ニュース。

ちょうどこの1週間前、本来でれば防衛戦を行う予定だったWBO王者、ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)は防衛戦を病気によりまたも欠場、暫定王座決定戦が行われたばかりでした。

本来であればここでジョナサン・ゴンサレスが王座を防衛し、2024年初頭には来日して寺地拳四朗との3団体王座統一戦を行う、というのが既定路線。ただ、この暫定王座確率によりゴンサレスは暫定王者との団体内王座統一戦を優先せざるを得なくなり、今年初めの来日が絶望的になったところでした。

そうなると必然的にその戦いの1週間後に起こるノンシンガvsクリエルの勝者、というかシベナチ・ノンシンガにターゲットを変更して交渉をする、というのが自然な流れとなるはずだったからです。

 

 

 

しかし、このアップセットという結果は、拳四朗vsノンシンガが少なくとも年始には起こり得ない、ということを示唆するもの。というのも、初防衛戦で王座統一戦というのはあまり現実的ではないし、おおよそ王座側はいくつかのオプションをつけており、しかもこのクリエルというランキング下位(挑戦時12位)の選手に対しては、もしかしたら数試合のオプション興行権を握っていることは明白だったからです。

そして最近では当然のことながらもダイレクトリマッチが決定、今回の一戦を迎えることになります。

さて、オッズは、初戦がクリエル+500、ノンシンガ-800という大きな開きだったものの、今回はクリエル-130、ノンシンガ+120とほぼ50-50。クリエルが一度は勝利、しかも序盤のノックアウトという結果を受けてもオッズがかなり競っている、ということを考えると、まだまだクリエルに対する期待値は高くありません。

おそらく身体能力だとかボクシングセンス、というものはノンシンガに大きく分があるのでしょうが、前戦のような結果にはならない、と言い切れないのもまた事実であり、ノンシンガが前戦を引きずっている可能性も否定できないし、一つの痛烈なノックアウト負けから一気にそのパフォーマンスが落ちてしまうボクサーは山ほどいます。

 

 

 

さらにこのクリエル、4つの敗戦のうちKO負けは無し。その中で、KO率も低いということはもしかすると判定勝利を得る術を熟知しているのかもしれません。

ノンシンガにとって、前戦の敗北を帳消しにできるのはKO勝利のみ。個人的には、もし今後寺地拳四朗との戦いが起こるのならば、それに見合った勝利を挙げてほしいものです。

アンダーカードと配信情報

この興行はメキシコで行われるため、もしかするとノンシンガに不利なジャッジ、レフェリングがあるかもしれない、ということも念頭に入れておかなければいけませんね。

ともあれアンダーカードには、おそらくセミファイナルになるのでしょうが、マウリシオ・ララ(メキシコ)も登場です。

 

 

 

ダニエル・ルーゴというメキシカンとの対戦ですね。

ララはリー・ウッド(イギリス)戦での敗戦からの復帰戦、9ヶ月ぶりの試合でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。またタイトル戦線に復帰してきてもらいたいところです。

この興行のプロモートはマッチルーム、なので放映はDAZN。

ちなみに前日(日本時間2/16)には、ジョセフ「ジョジョ」ディアスvsヘスス・ペレスという試合もDAZNで放映されます。これはジョジョの調整試合的な意味合いもありますが、そのアンダーカードにはフライ級プロスペクト、リカルド・サンドバル(アメリカ)vsジェイソン・ママ(フィリピン)という興味深い戦いがあります。ママはサニー・エドワーズ(イギリス)に挑戦経験を持つ、思い切りの良いフィリピン人、サンドバルはここに勝てばステップアップできそうです。

今週の金曜日、土曜日はDAZNでボクシングを楽しみましょう。

DAZN

 

 

 

蛇足:ライトフライ級の行方

おそらく、このIBF世界ライトフライ級タイトルマッチの後少しの期間で、拳四朗の今後が決まるのではないか、と推察しています。

拳四朗のキャリアは転換期を迎えており、決まりそうで決まらないライトフライ級の王座統一を目指すのか、それともフライ級へ行くのかがまだ不透明なところ。

この戦いでノンシンガが勝とうとも、クリエルが勝とうとも、おそらく帝拳プロモーションは動くのではないでしょうか。いや、もうすでに水面下では仕掛けているかもしれません。

いずれにしろ、もっと不透明なWBOタイトルの行方-これは、ジョナサン・ゴンサレスが階級を上げるとか上げないとか言っており、団体内王座統一戦の開催があるかないかも不明-を見守るよりも、IBFの方が早そうです。

 

 

 

もしクリエルが勝利した場合、まだノンシンガ側がオプションを握っていたとしても、帝拳プロモーションの方で買い取って日本に呼ぶ、ということは現実的にありえることだとも思っています。

拳四朗にはライトフライ級で4団体統一を成し遂げてほしいという気持ちがどこかにちょっとだけありますが、やはり現実的にはフライ級の方が良いパフォーマンスを発揮できそうですね。。。さて、どうなるか。

 

 

 

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【プレビュー】2/24 LIVE BOXING!井上拓真vs「過去最強」ジェルウィン・アンカハス!!!

2月のLIVE BOXING興行が迫ってきました。

あと2週間を切ったこの興行は、トリプル世界タイトルマッチという豪華興行。

トリプル世界戦、というの日本で幾度か行われていますが、世界戦1試合だけだと人を呼べなくなったり、視聴率が取れなくなったことを皮切りに起こり始めたように記憶しています。

ちなみにうまいことWikipediaにまとめてくれていました。

ともあれ、世界タイトルマッチを3試合も一気に見れるのは非常に贅沢であると同時に、見る側の集中力と体力も要求されますね。

さてさて、この三つの試合のうち、個人的に最も楽しみにしているのは井上拓真vsジェルウィン・アンカハスです。

この試合が最も厳しい試合であり、勝敗の行方がわからない試合だからですね。

当然井上拓真を大応援、なんですが、拓真も語るとおりジェルウィン・アンカハスは過去一番の強敵。ということで今回のブログは、LIVE BOXING 第7弾興行から、セミファイナルのWBA世界バンタム級タイトルマッチをプレビュー。

 

 

 

 

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2/24(土)両国国技館

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

井上拓真(大橋)18勝(4KO)1敗

vs

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)34勝(23KO)3敗2分

LIVE BOXING 第7弾興行のセミファイナルには、井上拓真が登場です。

元々LIVE BOXING 第6弾興行のメインイベントとして予定されていたこの一戦は、井上拓真の怪我により延期。10月の終わり頃流れたニュースであり、肋骨の骨折とのことでしたので、おそらく11月中くらいは安静状態だったのではないでしょうか。

推測ですが、11月の終わり頃からトレーニングを再開、そうすると約3ヶ月の調整期間ということになるので、おそらく仕上がりについては(他に怪我をしていなければ)万全に持っていけるはず。

 

 

 

さて、この試合はこの日の興行の中で個人的に「最も注目」しているのですが、それはやはり最も勝負論のある試合、と思えるからです。

まず、世界的に実績に大きく勝るのは、ジェルウィン・アンカハスで間違いがないでしょう。

つまりはこの試合、井上拓真にとっては「格上」との試合と言っても過言ではありません。

ジェルウィン・アンカハス、「プリティボーイ」というかつてのフロイド・メイウェザーJrと同じニックネームを持ち、「NEXTパッキャオ」とまで呼ばれたボクサー。

この二人のレジェンドと比べても仕方はないのですが、ともかくこのアンカハスの実績は、これまで拓真が戦ってきたボクサーの誰よりも頭抜けています。

2009年にプロデビューしたアンカハスは、2012年にマーク・アンソニー・ジェラルド(フィリピン)に初黒星を喫していますが、何しろキャリア形成期の頃、今となっては無しに等しい。

その後連戦連勝で勝ち進んだアンカハスは、2016年、当時無敗の元トップアマ、マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)の持つIBF世界スーパーフライ級王座に挑戦、ダウンを奪っての判定勝利で見事世界王座を初戴冠しています。

 

 

 

この王座を2021年までの間に9度防衛するわけですが、この防衛戦で戦ってきた相手は強豪揃い、9度防衛のうち6KOと世界戦でも非常に高いKO率を誇っています。

日本からは帝里木下、船井龍一をノックアウト勝利で降し、この日のアンダーカードで登場するジョナス・スルタン(フィリピン)には完勝、後に石田匠に勝利してロマゴン相手に善戦するイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)には10RTKO勝利、マイケル・コンランの兄、ジェイミー・コンラン(イギリス)を敵地イギリスで6RTKOととにかく強い挑戦者たちを次々と退けていくのです。

このアンカハスのスーパーフライ級時代の減量苦が伝えられたのは、おそらく2018年頃からではなかったか、と思います。

王座獲得以来4連続KO防衛で評価を高めたアンカハスがアメリカで戦い始めた頃、ジョナス・スルタン戦は防衛戦で初の判定勝利となり、続くアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)戦ではスプリットドローで何とか王座を防衛しています。

この頃のパフォーマンスはアンカハスにとって「よくない」と語られており、その次に挑む船井にとっては可能性を見出すものでした。結果的に船井はその頑張りも虚しく敗れてしまいますが、いずれにしろこの頃すでにアンカハスはこの階級で万全の状態ではなかったかもしれません。

いずれにしろ、スルタンは強豪であるし、サンティアゴだってのちにドネアに勝利して世界王者になるボクサー、本来はここで不安説が囁かれるべきではなかったのでしょう。

 

 

 

ともあれ、船井戦の後、8度目の防衛戦はミゲル・ゴンサレス(チリ)を6RTKOしたのが2019年12月の話であり、ここからはコロナもあって1年半のレイオフ期間。

ブランクあけの2021年4月のジョナサン・ロドリゲス(メキシコ)戦はアンカハスにとって決して良いパフォーマンスとは言えませんでしたが、ダウンを奪っての完勝。その後、井岡一翔(志成)との王座統一戦が決まるも、日本の水際対策(でしたっけ?)で来日できず、代わりにフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)を防衛戦に選んで敗北してしまい、王座陥落してしまいました。

このマルティネスというボクサーは、タイトル戦まで強豪との対戦経験がなかったが故に完全に実力を隠されていたボクサーであり、蓋を開けてみればアンカハスですら実力負け、というほどものすごいボクサー、というかファイターでしたね。

猛烈なアグレッシブネス、強弱織り交ぜた連打とコンビネーション、とにかく攻撃が最大の防御とも言わんばかりのハートの強さとそのラッシングスタミナ。これははっきり言って、中途半端にアウトボックスできないボクサーであり、中途半端に打ち合うと超危険というボクサーです。

ともあれ、マルティネスに敗北してしまったアンカハスは、おそらくオプションをつけていたのでしょう、ダイレクトリマッチに臨むもまたも完敗。

 

 

 

この「2連敗」は商品価値を下げるものではありましたが、バンタム級に転級し、今回井上拓真への挑戦が決まっています。

さて、実質ジェルウィン・アンカハスはフェルナンド・マルティネスにしか負けていない、しかもスーパーフライ級王座を9度も防衛した名王者です。

マルティネスのような特異なファイトスタイル(ゴリゴリファイター)は世界トップレベルでは多いとは言えず、純粋にアンカハスの技術を使わせてもらえなかった、ということが敗因なのではないかと思っています。

アンカハスは非常に優れたボクサーであり、フィリピン人らしくなさを持っています。

つまりは素晴らしいジャブが打てて、大きく振り回さない。

フィリピン人というと大きく振り回し、バランスを崩しながらも強打を放ってくるイメージで、あまりボクシングを組み立てておらず、比較的その場しのぎと見えます。

しかしこのアンカハス、サウスポースタイルからちゃんとジャブを突き、非常に効果的な左ボディストレートを打ち、カウンターの右フックを放ちます。フィリピン人なのに(偏見)、ちゃんとオンガードスタイルであり、攻め入る時は非常に鋭い踏み込みを持ち、何よりもストレートがまっすぐです。これは非常に完成度が高いボクシング。振り回さなくてもハードパンチを持っている、というのも強みです。

で、アンカハスはバンタム級で2戦目、というキャリアの薄さではありますが、「挑戦者」の実力は常に3割増。スーパーフライ級のアンカハスと比べ、減量苦が緩和されていると考えると、ひょっとすると「過去最強」のジェルウィン・アンカハスが出てくる可能性があります。これは日本のボクシングファンにとっては大きな不安です。

 

 

 

さて、井上拓真のスタイルというのは皆さんもよくわかっているとは思いますが、こちらも総合力で勝負するボクサーファイター。素晴らしいところは色々ありますが、特に秀でていると言われるのはディフェンススキル、ステップワークや上体を使ってディフェンスに徹した時の勘の良さ。

反面として、やはりKO率の低さは気になるところで、おそらくこれはパワーに由来しているというよりも畳み掛けるタイミングやカウンター時の力の入れ方、パンチアングルの想像力といったものが関係しているのかもしれません。あとは踏み込みのスピードやその深さ、といったところももう一歩くらい強く行きたいところで、体格、リーチに恵まれない拓真にとって、もう少し深く刺す、というところはKO勝利には必要そうなイメージです。

ともあれ、アンカハスと拓真を見てみると、双方「中間距離」で戦いたいボクサーではないでしょうか。これは接近戦が不得手とかではなく、両者はそこで本領を発揮できる、というようなイメージです。

で、そうなると、同じ「中間距離」とはいっても、おそらくアンカハスの方がその得意な距離は長い。アンカハスはかなり上体を前のめりにして打つことがあり、これは非常に長く届くストレートを打てる、ということになります。サウスポーの左ボディストレートというのは、オーソドックスにとって自然とストマックに入る軌道であり、これが長く、速いというのは実はかなりの武器になり得る、と思っています。

 

 

 

アンカハスのこの左ボディストレートを外して拓真が打ち込む、というのはなかなか難しい作業であり、この左ボディをどのように対処するのか、というのは一つのキーになってきそうです。

いずれにせよ、見合った状態からアンカハスの攻撃をかわして当てる、というのが拓真の定石となりそうで、拓真が先手を取るとするならば強い踏み込みと強い離脱、もしくはハラを決めて近接戦闘を仕掛ける、というところ。この距離はかなりの危険を伴う場所であり、果たして現在Amazonの特番で放送されている「KO」を意識するのはなんだか悪い方向に出そうだ、とも思うのです。

この戦いは騙し合いの駆け引き勝負に持っていってもらいたいところ。

真正面からぶつかるには、アンカハスのパワーは脅威であり、そのフィジカルも、タフネスも、かなり危険な相手と見ます。

海外オッズでは井上拓真の若干優位、と出てはいるものの、個人的には50-50かアンカハスがごくごく若干の優位かと思っています。

実績に勝るアンカハス、ここには僅差でも良いので勝利を手にしてほしい。そしてもし、このアンカハスに(判定で良いので)完勝するのであれば、拓真の評価はグッと上がって良いと思っています。

ということで手に汗握る駆け引きだらけのファイトを期待、その期待通りではなくとも、この危険な相手をギリギリでもドローでも良いので退けてもらいたい。

 

 

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【プレビュー】テオフィモ・ロペスvsジャーメイン・オルティス!東京五輪銀、キーショーンはホセ・ペドラサと!!

2月に入りましたね。

今年の2月はうるう年で29日までありますが、なんと3連休が2度もあり、平日としてはたった19日。これで月の目標は変わらないから、営業マンにとっては辛いものです。

2月、最初の土日にもボクシング興行はありますが、それを飛び越えた木曜日にこそ、注目興行。

アメリカ、ラスベガス開催の平日興行、テオフィモ・ロペス(アメリカ)vsジャーメイン・オルティス(アメリカ)によるWBO世界スーパーライト級タイトルマッチです。

しかもセミファイナルはキーショーン・デービス(アメリカ)vsホセ・ペドラサ(プエルトリコ)。これは大注目ですね。

と言うことで今回のブログは、ロペスvsオルティスをメインに据えた、トップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

 

2/8(日本時間2/9)アメリカ・ラスベガス

WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ

テオフィモ・ロペス(アメリカ)19勝(13KO)1敗

vs

ジャーメイン・オルティス(アメリカ)17勝(8KO)1敗1分

テオフィモ・ロペスは今、非常に楽しみなボクサーです。2020年10月、時の絶対王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に勝利。

このロマチェンコ戦の前はリチャード・コミー(ガーナ)に素晴らしい2RTKO勝利を収めていながらも、ロマチェンコ戦は時期尚早と言われていましたね。

しかしロマチェンコ戦ではサイズが勝るロペスに対し、ロマチェンコはなかなか手が出ず、これはロマチェンコの作戦負けのような雰囲気の試合でもありました。

勝利したロペスは3団体統一王者となり、一躍時の人に。

 

 

 

しかし好事魔多し、初防衛戦でジョージ・カンボソスJrに判定負けを喫し、全てのタイトルを失いました。

なんともジェットコースターのようなボクシングキャリアを過ごしていたロペスですが、スーパーライト級での3戦、特にここ最近の2戦は強豪を相手にしっかりと結果を残しています。

スーパーライト級初戦となったペドロ・カンパ(メキシコ)戦は調整試合の色が濃かったかもしれませんが、2戦目はサンドール・マーティン(スペイン)。マイキー・ガルシア(アメリカ)を破って名を上げたこのマーティンを相手に、薄氷ながらもスプリットの判定勝利。判定は非常に難しかったかもしれませんが、個人的には常にアグレッシブだったロペスの勝利を疑うべくはありません。あの内容でロペスの負けはないかなーという感じ。

そして極め付けは前戦、元世界スーパーライト級4団体統一王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)への挑戦です。

 

 

 

テイラーは4団体を統一後、初防衛戦でジャック・キャトラル(イギリス)に疑惑の判定で勝利。その後は次戦の情報がなかなか出てこない中で、一つ一つタイトルを剥奪され、最後に残ったWBOタイトルの防衛戦でロペスを迎えました。

↓観戦記

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この試合は、ポイントは競っていましたが、結果的にはロペスの鑑賞だったように思います。

テイラーは当時1つのタイトルしか持っていませんでしたが、誰かに負けて奪われていたわけではなかったので、この階級唯一のLineal王者。つまりこのLineal王者に勝利したロペスこそが、この階級の「直系」王者となりますね。

そんなロペスの迎える初防衛戦の相手が、ジャーメイン・オルティス。

 

 

 

判定型、とも言えるテクニックのあるボクサーですが、攻防のバランスは非常に良いように思います。さらにジャブがよく、運動量も豊富であり、さすがアンダードッグとはいえロマチェンコ戦を叶えたプロスペクト。

このオルティスというボクサーの男気はなかなかのもので、ロマチェンコ戦の前にはジャメル・ヘリング(アメリカ)と戦い判定勝ちしているし、リスクをとって上がってきたボクサーだと言えます。

リスクをとってタイトルもかかっていない試合でロマチェンコに挑み、敗れはしたものの大きく評価を上げたジャーメイン・オルティス。だからこそ、今回のような戦いを手に入れられたのでしょう。

さて、ロマチェンコ戦のオルティスは、明らかにデカかった。ちなみにロマチェンコ戦のロペスも、非常にデカかった。

これはロマチェンコがライト級において小柄、ということに起因しているわけですが、このロペスとオルティスの体格さがどうかというと、二人とも173cmと身長は同じ。

 

 

 

ともにロマチェンコと戦った時は、かなり体格に助けられている感があったのですが、今回は互いにそれは使えず、純粋にどちらが強いのか、という戦いとなりそうです。

オッズは結構開いており、ロペスが-600、オルティスが+550、ロペスの圧倒的優位。

2階級制覇王者で実績に勝るロペス優位と出るのは当然のことではありますが、ホンジュラスの血が色濃く残っていそうなロペスは、やはり試合のパフォーマンスムラが気になるところ。とりわけ、この「格下」相手の試合の時こそ、それは顕著に出るのではないでしょうか。

果たして、これは面白い試合になりそうです。

 

 

 

キーショーン・デービス(アメリカ)9勝(6KO)無敗

vs

ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)29勝(14KO)5敗1分

東京オリンピックで銀メダルを獲得したアメリカン・ホープ、キーショーン・デービスがいよいよステップアップファイトに臨みます。

相手は「スナイパー」ホセ・ペドラサ、これもまた非常に注目試合です。

キーショーンは9勝6敗、という戦績ですが、実は10戦。前戦、ナヒール・オルブライト(アメリカ)戦で判定勝利も、試合後の薬物検査でマリファナが検出され、ノーコンテストとなっているようです。

別に身体能力を高める効果があるわけではないマリファナくらいでガタガタ言わんでも。。。とも思いますが、州の法律に則ったものであり、こればかりは致し方ありません。

 

 

 

そこから4ヶ月、今回の相手は今までの相手とは一味や二味どころではなく、四〜五味くらい違う相手のはず。

ここ5戦の戦績は2勝2敗1分となっているペドラサですが、戦った相手はアーノルド・バルボサJr(アメリカ)、リチャード・コミー(ガーナ)、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)といった世界トップレベルのボクサーたちです。

紛れもない2階級制覇王者は、34歳となり、すでに後進に道をゆずる役割を担っているものの、結局はここまでの5敗の中でストップ負けはたった一つ、2017年に行われたジャーボンタ・デービス(アメリカ)戦のみとなっています。

もちろんペドラサに不安要素はあります。

 

 

 

一つは年齢であり、そしてもう一つはこの戦いがここ最近ペドラサが戦っているスーパーライト級の戦いではなくライト級で行われるマッチアップだということ。さらにもう一つ言うと、10回戦であると言うこと。

Aサイドのキーショーンに合わせた格好ではありますが、今回はキーショーン・デービスが主戦場とするライト級でのマッチアップ。さらに、10回戦というのはまだキャリアの浅いキーショーン寄り、といって良いでしょう。

前戦、キーショーンはラウンドが進むにつれて追い上げを許した経緯もあります。もし12Rの戦いであれば、ペドラサの勝つ確率は上がったのではないか、と邪推するわけです。

ともあれ、今回の戦いはライト級10回戦。

比較的キーショーン・デービスに有利な条件、とはいえ、やはりそれでもペドラサは一流のベテランであり、キーショーンが圧勝するなんて口が裂けても言えないはずです。

 

 

 

それでもオッズはキーショーン-700、ペドラサ+550という開き。

ここはペドラサにまだやれるところを見せてもらいたいものの、ライト級をより面白くしてくれるかもしれないキーショーンがここで土がつくと痛い、とも思える、いったいどっちを応援していいのやら、という試合ですね。

ともあれ、試合は技術戦となるでしょう。もしかすると全く盛り上がらない試合になるかもしれませんが、ボクシングファンにとっては非常に興味深い一戦となりそうですね。

↓ライト級についての記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

配信情報は??

アメリカではESPNが放映するこの興行、なんと日本での放送の予定がございません!!

WOWOWさん、そこはオンデマンドのライブ配信からのタイムリーオンエアでしょう、と言いたくなるのですが、2月は井上尚弥vsタパレスを放映して予算が底をつくのか、この試合の放送は2/26(月)のレギュラー放送となっています。

ここはU-NEXTが拾うところでもないと思うので、今回日本でのライブ配信は諦めた方が良さそうですね。

 

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【プレビュー】期待はKO勝利!の那須川天心vsルイス・ロブレス!と、期待はKO勝利!の辰吉寿以輝vs与那覇勇気!

井上尚弥がBWAA(全米ボクシング記者協会)の選出するファイター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたとか。

リングマガジンのFOTYもそうですが、日本人にとっては夢のまた夢のまた夢、とも言える賞を次々と受賞していく井上尚弥、おそらく10年後に振り返ってみたときにはこの頃は流石にプライムタイムと言えるのではないでしょうか。

名実ともに「世界一」となった軽量級は、この先もまだまだ私たちに夢を見続けさせてくれるはずです。願わくばこのボクシング史上最高のボクサーに、とてつもないライバルが現れてくれることを心待ちにするわけです。

さて、そんな話題もありつつ、今回のブログはなかなか進まなかたAmazon Primeボクシング興行のプレビュー記事の続きです。

↓メインは拳四朗vsカニサレス!

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↓セミだと思い込んでいたダラキアンvsユーリ阿久井!

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1/23(火)LIVE BOXING

那須川天心(帝拳)2勝無敗

vs

ルイス・ロブレス(メキシコ)15勝(5KO)2敗

W世界戦、という大規模興行でありながらも、セミファイナルに抜擢は那須川天心。

デビュー戦の頃から試合順は〜とか色々と言われてきた那須川ですが、この興行のセミファイナル抜擢についてはあまり文句も聞こえてこないような気もします。

那須川天心の「集客力」というのは興行主側も恩恵を受けてきたでしょうし、これをもしダラキアンvsユーリ阿久井の前に持ってきたならば、その試合の前に席を立ってしまう人たちも多いという可能性を考えると、批判覚悟でのこの試合順というのは英断のようにも思えます。

那須川天心を目当てに来たお客さんに、度肝を抜くようなショーをユーリ阿久井には期待したいものです。

 

 

 

そう考えるとメインに置かれた拳四朗のパフォーマンスは、ここ最近のスリリングさ、圧倒的強者感でファンを捕まえているように思います。一つ一つの試合をしっかりと盛り上げる形で勝利する、というのは、「ただの世界王者」ではないボクサーにとっては非常に大切なことなのかもしれませんね。

さて、那須川天心。

プロボクシング3戦目で世界ランカー挑戦、帝拳らしからぬハイスピードエスカレーター式のマッチメークです。

これはおそらく那須川本人の希望も入っているでしょうし、ブランディングとしても悪くないとも思います。ただ、そろそろやはり倒して勝ちたいところ。

スピード、才能は申し分のない那須川の足りない部分は、ノックアウトパンチャーとしての資質。パンチが軽いだのなんだのと言われていますが、こればかりは受けてみないとわかりません。

 

 

 

そもそもパンチが軽かろうが、あれだけ素晴らしいカウンターを打てるのだから、はっきり言って倒して勝てるようになるというのはすでに時間の問題です。もう少し慎重にキャリアを積み、ハイペースで試合をこなせていたならば、もうすぐプロボクシングキャリア1年となるこの若武者は素晴らしい戦績を持っていたようにも思います。

プロデビュー戦で戦った与那覇勇気(真正)からすると、プロデビュー戦のボクサーに倒されるわけにはいかないという意地があったでしょうし、2戦目のルイス・グスマン(メキシコ)にとってもそのマチズモから意地を見せた、と言って良いでしょう。

こういった心身ともにタフなボクサーを倒す、というのは、実力差がある云々の前に非常に難しいこと。さらに、まだ那須川天心がプロボクシング競技に馴染みが薄かった、ということもあるでしょう。

今回の相手、ルイス・ロブレスはどうか。

当然、世界ランカーということもあり、おいそれと倒されてくれるようなボクサーではないことは明白です。

 

 

 

試合を見たこともないですし、おおよその想像こそつくもののどのようなボクサーなのかもわかりません。

ただ一つ明確なのは、わざわざナチョ・ベリスタイン自らがセコンドにつくボクサーなので、期待されていないということなどはないのでしょう。

おそらくマチズモを前面に押し出しグイグイと迫ってくるようなメキシカンは、カウンターパンチャーである那須川天心の格好の相手であるとともに、スピードでなんとかできない相手となる可能性もゼロではありません。

こんなところでつまづくわけにはいかない那須川天心、まず間違いなく勝てる相手を選んだであろう帝拳陣営。これらの思惑がナチョによって破られないことだけを願います。

ただ一点、正直那須川もそろそろKO勝利を収めなければいけない、という焦りがあるのでは、と勘繰ってしまうことがあります。この「0KO」はともすれば集客力に大きく影響を及ぼしかねません。

大切なのは勝利することですが、ここらで那須川のパンチャーとしての覚醒を見たいものです。

 

 

 

与那覇勇気(真正)13勝(8KO)5敗1分

vs

辰吉寿以輝(大阪帝拳)14勝(10KO)無敗1分

これは両者にとって、特に辰吉にとってはかなり危険なマッチメイク、と言わざるを得ません。

昨年、那須川天心の対戦相手を務めて知名度を上げた与那覇は、やや変則的な動きを織り交ぜつつのアッパー、通称ヨナッパーが代名詞。

対して辰吉寿以輝、この「辰吉」という文字を書くのも恐れ多い(そもそも本当のタツヨシはPCで出せないし)と感じるのは私と同等の年齢のボクシングファンは多いはずですが、何せあの我らがジョーの次男坊です。

与那覇も単純に好きなボクサーですが、流石にこのレジェンドの息子を応援せざるを得ません。さらに、この辰吉寿以輝は私のショップのお客さんでもあります。(と、こっそり宣伝)

 

 

 

ともあれ、変則的な与那覇、父と違って正統派の辰吉、このファイトスタイルの違いこそあれど試合展開としては打撃戦、いやどつき合いが予想されることは事実。

那須川天心のファンに、「タツヨシ」の名前がどれくらい効力があるのかはよくわかりませんが、はっきり言って辰吉丈一郎というボクサーは当時で言うと那須川天心の何倍も知名度があったようにも思います。おそらく、井上尚弥よりも。

そんな重圧を自ら背負い込み、リングに立つ辰吉寿以輝。

与那覇勇気は純粋に過去最強とも言える強敵であり、ここに勝てばランキング返り咲きも確実視されるハイリスク・ハイリターンな相手。

ここで与那覇に勝利することが、那須川天心戦に繋がるか、というとジム側の云々もあってそうではないはずですが、間違いなく那須川天心と比べられる、と言うことはあるはずです。

個人的な思いとして、「辰吉>>>>>那須川」であることは明白なので、与那覇には申し訳ないことですが、ここは辰吉のKO勝利を期待したいところ。

 

 

 

良い試合になってほしい、ということよりも、辰吉に倒して勝ってほしい(もちろん好試合になればより好ましい)というのが先立ってしまうのは、ボクシングファンという以前に辰吉ファンだからなのかもしれません。しかも完全に親父の方。

ともあれ、ここで使うべきところがきましたね。

「がんばれ辰吉」でいきましょう。

 

 

 

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【プレビュー】銀河系最強への道程。アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟!!

1weeks to go。

大阪へ行くのは本当に楽しみです。例えそれが、午前中働いて午後移動→興行を見終わって1時間ほど移動→翌朝7:00の始発で自宅に帰って10:00から打ち合わせ、というスケジュールであっても。

ともあれ、毎回のように神興行となるAmazon PrimeのLIVE BOXING。

その中で最も注目すべきは、セミファイナルのアルテム・ダラキアン(ウクライナ)vsユーリ阿久井政悟(倉敷守安)。この試合の結果如何で、「神興行」なのか「超神興行」なのかが決まってくる、といっても過言ではありません。あくまでも個人的には、ですが。

ということで今回のブログは、アマプラ興行LIVE BOXING、セミファイナルのダラキアンvsユーリ阿久井のプレビュー記事。

とか書いたらセミファイナルじゃないらしい。セミは那須川天心らしい。なんてこと。。。

 

 

 

1/23(火)LIVE BOXING

WBA世界フライ級タイトルマッチ

アルテム・ダラキアン(ウクライナ)22勝(15KO)無敗

vs

ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)18勝(11KO)2敗1分

アルテム・ダラキアン。2018年2月にブライアン・ビロリア(アメリカ)を倒してWBA王座を獲得しています。

ガードをだらりと下げたスタイルから、強いジャブ、独創性のある軌道でパンチを出す、現代的なアマチュアボクシングをプロボクシングに持ち込んでいるようなイメージ。

ステップワークは滑らかそのものであり、上体の柔らかさも持ち、さらにはクリンチワークも上手い。

ナジーム・ハメドほどの異端ではありませんが、かなり変則的なボクシング。

ダラキアンについて、Amazon Primeの特集で村田諒太氏が「パワーはない」と言っているのですが、私は全くそうは思わず、倒そうとすることが少ない判定タイプのボクシングをするのにこのKO率というのは驚異的です。

 

 

 

ダラキアンは比較的カウンターに頼ることが多い省エネボクシング。ハンドスピードも速いからこそ成り立つスタイルであり、これは年齢とともに翳りを見せるスタイルであるとも言えます。

ただ、おそらく幼い頃からボクシングとともに育ってきたようなボクサーであり、試合数が少ないからこそのダメージを溜めていない、ということもあり、36歳となったダラキアンに衰えが見えるか、というと否と答えるでしょう。

世界タイトルをこれまで6度防衛、世界戦の戦績は7勝(4KO)。危ない試合は一切なかったですが、前戦のデビッド・ヒメネス(コスタリカ)戦では揉み合いの展開も多く、思いの外ポイントが取りきれていなかった、という感じです。

はっきり言ってしまえばこのボクサーは難攻不落、個人的にはつい最近までフライ級最強という認識をしていました。

 

 

 

ただ、このアルテム・ダラキアンが、世界的評価を得ているか、というとそうではありません。

強いのは誰の目に見ても明らか、と思うのですが、その試合間隔の長さ、ウクライナからなかなか出て来ずにアピールに欠ける、というところから評価が上がらず、これは悪循環。強くて評価の低い王者に、誰が挑むのでしょうか。

ともかくウクライナから出てこないダラキアン、世界戴冠戦こそアメリカで戦ったものの、その後はウクライナでの防衛戦。

このダラキアンをようやくウクライナ外に連れ出したのは、皮肉なことにロシア-ウクライナ間の戦争であり、ウクライナでの興行ができなくなったダラキアンはイギリスでヒメネス戦を迎えました。

そこであの試合、つまりはダラキアンが最大パフォーマンスを発揮できなかった、と見える試合だっただけに、評価は上がる余地がなかったでしょう。

↓ダラキアンvsヒメネスの観戦記

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さて、そんな世界的にあまり評価されていない、超強い王者に挑むのが岡山の星、ユーリ阿久井政悟。岡山の星、というか、中国四国地方、いや、全国の地方ジムの星、と言って良いでしょう。

調べてみると、地方ジム所属で世界王者となったのは、平仲明信、越本隆志、福原辰弥の三人。そしてこのユーリ阿久井に4人目となってくれることを願うのみ。

平仲、越本、福原とはまた違ったアプローチでここまで昇ってきた阿久井。

ユーリ阿久井の特徴として、「速攻型パンチャー」「右ストレート」が特徴に上がりますが、これは実はもう数年前の話です。

この「速攻型」と呼ばれるのにはもちろん理由があり、立て続けに初回KOをしていた時期があったからです。

ただ、この頃の阿久井は非常に荒々しく、とにかく倒しに行っていたイメージ。どちらかというと、相手にパンチを効かされたのち、ダメージを追いつつも持ち前の気力とハートの強さで打ち返し、生まれ持ったパンチングパワーで倒したみたいなイメージで、かなり危うい試合も多かった。

 

 

 

私はずっとこのユーリ阿久井を見てきて思うのは、日本王者となってからの阿久井は一気に盤石の強さを手に入れた、ということです。

中谷潤人(M.T)に初黒星を喫し、東京への出稽古を始めたという阿久井。その学びが形になるまでには、少々の時間を要した、ということなのだと思います。

中谷戦後、矢吹正道を初回KO、ジェイセバー・アブシードにKO負け、そして湊義生に初回KO勝ち。

まだまだこの頃は危なげのあったスタイルが、日本王座決定戦となった小坂駿戦ではほぼ一発ももらわずに初回KO勝利。元々ハイガードスタイルではあったものの、バランスも含めて非常にしっくりときたのがこの試合だったように思え、それ以来の阿久井は非常に盤石。

強いて言えば2度目の防衛戦の桑原拓戦は苦戦と言って良い内容でしたが、大橋ジムのホープを相手にあの素晴らしい試合内容であの勝ち方、あの時点でも世界挑戦の資格はありと見えます。

その後の粉川拓也、ジェイソン・バイソン戦は本当に圧巻であり、合計20ラウンズに渡り相手に1ポイントも与えていません。丁寧なジャブをつき、迫力十分の右を当てる。一か八かの速攻型パンチャーから、いつの間にか非常に冷静なスナイパー、それも大砲で狙う感じのスナイパーに変わっていきました。

 

 

 

ユーリ阿久井の勝ち筋

自由にして自在にリングを回るダラキアンに対して、ユーリ阿久井の勝ち筋はシンプルでしょう。プレスに次ぐプレス、ジャブを突いてまずはボディへの右を当て、それを顔面に返す。左フックで踏み込んで右を当てる。様々な駆け引きはありつつも、ユーリ阿久井が完遂すべきは非常にシンプルなボクシングだと思います。

ダラキアンとしては中間距離で、自分が自由にリードを出せる距離で戦いたい、というのは明白でしょうから、その距離をキープするために惜しげもなくステップワークを使ってくるはずです。

そうなった時に、ブロッキング主体のユーリ阿久井としては、それを見すぎてしまうとその場で固まってしまう恐れがあるので、被弾を覚悟で前に出なければいけません。ダラキアンのパワーパンチに十分に注意しながら。

 

 

 

少し戦い方は違いますが、それこそダラキアンが苦戦した部類に入るデビッド・ヒメネス戦なんかは相当参考になるのではないでしょうか。ユーリ阿久井は、ともすればヒメネス以上のフィジカルを有しているようにも思います。そのフィジカルを活かしつつ、もう一つ大事なのはカットオフザリングのテクニックであり、ダラキアンを逃さないようなステップワークも必須です。

そしてもう一つ大事なことは、ダラキアンの得意なクリンチに巻き込まれないこと。

このクリンチを躱す、ということは、近づかなければならない阿久井にとって難しいかもしれませんが、少なくともクリンチの際に打てるパンチ、離れ際の一発を常に意識し続けることが大切になってくると思います。

ダラキアンはテクニックがあり、やりづらさがあり、ハードパンチも持っている試合巧者。非常に穴が少ない王者で、このボクサーに絶対勝てる、というボクサーはフライ級には皆無です。ジェシー・ロドリゲスでさえも、やってみなければわからないと見ます。

 

 

 

ダラキアンの強さはバムのようにわかりやすい強さではない分、タチが悪い。

しかしだからこそ、特にユーリ阿久井のような正統派パンチャーがこの変則王者を倒し切る、という姿も想像ができるのです。かつてマルコ・アントニオ・バレラがナジーム・ハメドを破ったように。

とかく試合内容は置いておいて、とにかく勝利をものにしてほしい。

この勝利こそが、2024年の日本人による世界タイトルマッチ最大の勝利となることを心から願っています。

 

 

 

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【プレビュー】10days to go!寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス!!アマプラ第六弾も拳四朗に期待!!

1月はボクシング興行が少ない、とはいうものの、年明け早々から熱戦が繰り広げられています。1月第二週に行われた二つのフェニックスバトル、特に女子のトリプル戦というのは非常に好興行だったようで、Xのタイムラインも賑わっていたように思います。

そんな中で、いよいよ開催まで10日を切るのが1月の国内最大興行、Amazon Prime ビデオ presents LIVE BOXING。

このLIVE BOXINGのマッチアップは、帝拳プロモーションが主体となって行っており、ダイナミックグローブとはまた違ったビッグマッチ、注目マッチ嗜好。本当に毎度のように興味深いマッチアップが続いています。

だからこそ、なのか、本当に神興行続き。

第一弾 ゲンナディ・ゴロフキンvs村田諒太

第二弾 井上尚弥vsノニト・ドネア2

第三弾 寺地拳四朗vs京口紘人

第四弾 寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ

第五弾 寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー

 

 

 

これらのメインだけピックアップしたとしても、その素晴らしさがわかりますし、ここに表記していないアンダーカードでも素晴らしい戦いが繰り広げられています。

こう見てみると「寺地拳四朗」の存在感がすごい。

第四弾からは那須川天心も加わり、今度の第六弾でも那須川天心がプロ3戦目を戦う、ということで、現状はやはり「那須川天心を集客の中心として据え、寺地拳四朗というPFP入り直前のボクサーを見てもらう」というのが構図。だと勝手に解釈しています。

このLIVE BOXING興行の拳四朗のファイトは本当に素晴らしく、3連続KO勝利中。

そして今回ももちろん、KO勝利が期待されます。

ただし、世間的な評価が寺地拳四朗>カルロス・カニサレスであったとしても、いつの時代も「挑戦者の力は3割り増し」(by西岡利晃氏)なので、カニサレスほどの実力者であれば予断を許すはずもありません。

ということで今回のブログは、Amazon Prime ビデオ presents LIVE BOXING 第六弾 プレビュー第一弾(なんのこっちゃ)です。

 

 

 

1/23(火)LIVE BOXING 6

WBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ

寺地拳四朗(BMB)22勝(14KO)1敗

vs

カルロス・カニサレス(ベネズエラ)26勝(19KO)1敗1分

カルロス・カニサレスの強さ、というのは我々日本人はよく知っています。それでも尚、寺地拳四朗が圧倒的優位と考えてしまうのは、それだけ現在の拳四朗の強さをよくわかっているから、なのでしょう。

ただ、このカニサレスも紛れもないWBAの指名挑戦者ですし、WBCでも2位に付けています。(1位は岩田翔吉)さらに元WBA世界ライトフライ級世界王者でもある、非常に強いボクサーです。

初めてカニサレスが来日したのは、2016年のこと。

大田区総合体育館で行われた大晦日興行、この日のことは本当によく覚えています。

この日は我らが内山高志がジェスレル・コラレスとの再戦に臨んだ日であり、そのセミファイナルで田口良一の防衛戦の対戦相手がこのカニサレスでしたね。

当時から危険な相手と言われていたカニサレス、当時の戦績は16戦全勝の13KOという素晴らしいもので、初来日の前のイメージは「ものすごいパンチャー」。しかし田口戦ではボクシングの巧みさを見せ、愚直な田口の攻撃を分断し続けた、という感じでした。

 

 

 

元々こういう戦い方だったのか、この試合に合わせてこういう戦い方にしたのか、はわかりませんが、とにかく攻撃時は気持ちよく振り抜くタイプのボクサー。おそらく疲れてくると強振→クリンチとなるのは今もそうでしょうし、しっかりとアウトボックスしようと思えばできる、みたいなイメージですね。よくベネズエラにはテクニシャンが多い、と言いますが、そのベネズエラのボクシングを吸収しつつ、フルスイングを見舞ってくるという非常に危険度の高いボクシングをします。

ちなみにこの田口戦はポイント的に非常に難しい試合であり、結果としてはスプリット・ドローでタイトル獲得はなりませんでした。

しかしそこから1年と4ヶ月たった2018年の3月。田口が統一王者となり、WBAスーパー王者となったためにレギュラー王座が空き、小西伶弥との王座決定戦。ここでは小西が大健闘、カニサレスはダウンを奪うも辛勝、という感じ。ただ、アウェーという環境も含めて見ればやはりカニサレスの方が1枚2枚は上手だったようにも思います。

翌2019年5月には、中国で元WBOフライ級王者、木村翔を迎えて防衛戦を行い、これはしっかりとアウトボックスして完勝というイメージでした。

 

 

 

木村翔、といえば地元熊谷にジムをオープン予定。クラファンやっているようなので、是非!

地元「熊谷」にフィットネスジムをオープンしたい - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)

話が逸れましたが、田口良一、木村翔という日本の誇る元王者と戦い、負けなし。小西戦も含めて、全てカニサレスからするとアウェーの戦いです。

唯一の敗戦は、というと、木村戦から2年ものブランクを経て行われたエステバン・ベルムデス戦であり、これももちろん敵地。倒されてしまっているので何の言い訳もできないかもしれませんが、途中まではポイントをリードしていた中での逆転KO負け。メキシコという開催地でどのような出来事があったのか、ということも疑ってしまうほど、このカニサレスがベルムデスという当時無名のボクサーに負けることは考えられませんでした。

再起したカニサレスは復帰後4連勝中であり、前戦はダニエル・マテヨン(キューバ)とのWBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦。日本で矢吹正道に勝利した、ということでも知られるマテヨンでしたが、試合はバッティングの嵐となった上で負傷判定で決着、カニサレスに凱歌が上がりました。ちなみにこの試合はアルゼンチン。

 

 

 

その前の3試合もメキシコで戦っているカニサレスは、リアルなロードウォリアー。

一発逆転を可能にするそのスタイルは、「今の」寺地拳四朗にとって怖いスタイルではなかろうか。

拳四朗の説明については今更必要のないことだと思いますが、矢吹戦での敗北をきっかけとして打ち合うスタイルにチェンジ。

とはいえゴリゴリのファイタースタイル、というわけではなく、序盤は中間距離のボクシングでスタートし、打ち込める時には躊躇なくいく、みたいなスタイルであり、倒し切りたいという欲望をストレートに表現するボクシングになっています。

チャンスに畳み掛ける、ということは素晴らしいのですが、もしそれが序盤、カニサレスがまだ余力を残している時に来たチャンスであれば、十二分に警戒しながらのチャージを心がけなければなりません。

ほとんど全てのボクサーにとって、チャンスはピンチとなり得るし、ピンチはチャンスとなり得ます。「ここでラッシュ!!」みたいなタイミングでラッシュをかけ、相手が反撃してきたらバックステップを踏んでまた攻める、みたいなチャージの方法ができるクレバーなボクサーはほとんどいません。頭ではわかっていても。

 

 

 

矢吹戦(これは1戦目も2戦目も)でもそうでしたし、京口戦やオラスクアガ戦は良い例。それはエキサイティングになることかもしれませんが、減量が厳しい今の状態で、さらにカニサレスほど振ってくるボクサーの一撃を喰らってしまったならば、拳四朗といえどもタダでは済まない可能性があります。

なので、拳四朗には多くのKOチャンスが訪れるかもしれませんが、そこはグッと堪えて冷静に、後半に倒すくらいの気持ちでいってもらいたい。

そしてカルロス・カニサレス、またもアウェイの地でベルト獲りにに挑む元王者には、最大の尊敬を持って迎え入れてあげましょう。

 

 

拳四朗のNEXT

そして本日(1/13)に記事が出ていましたが、拳四朗の「本当にやりたい相手」について。

拳四朗はこれまでライトフライ級での4団体統一を目指してきましたが、本当にやりたい相手はジェシー「バム」ロドリゲス、だそうです。

バムはバムでサニー・エドワーズとの統一戦を経て、より一段を評価を高めたという段階。このエドワーズ戦ではリングマガジンベルトこそかかりませんでしたが、もはや疑いの余地なくこの階級の王者。

PFPにもランクインしたこの若きアメリカ大陸出身の王者は、今後軽量級の中心となるボクサーです。

しかも帝拳プロモーション所属、ということもあり、同じく帝拳にプロモートしてもらいながらも所属の異なる拳四朗であれば、マッチメイクには困らないはずです。

バムはスーパーフライに舞い戻るという案も持っており、タイミング的にこのバムvs拳四朗が決まるか決まらないかは微妙なところ。もしこれを叶えるのであれば、拳四朗はこの試合の後、即刻ライトフライ級を卒業すべきかもしれません。

ところで、拳四朗を取り巻く環境というのは通常の日本人ボクサーと違い、サポートに溢れています。通常の日本人ボクサーといえばジム=プロモーターであり、トレーナーなわけですが、この拳四朗はプロモーターが真正プロモーション(真正プロモーションは帝拳と密接な関係性)、所属はBMB(父・寺地永の興したジム)、そして長期の出稽古先として三迫ジム。これはかなり特殊な関係性で、所属=マネジメント、と考えるとアメリカのボクサーたちと同様の関係性ですね。

まあ置いといて、4回戦からこういう状況だと試合も枯渇すると思いますが、日本王者以上とか、世界を目指すとかいうタイミングになれば、プロモーターとマネージャーを分ける、トレーニング場所を自由に変えられる、みたいな柔軟な対応があっても良いかもしれませんね。

 

 

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【プレビュー】アルツール・ベテルビエフvsカラム・スミス!!セミには注目階級バンタム級のジェイソン・マロニーvsサウル・サンチェスの注目ファイト!

今週のウィークデイはフェニックスバトルですね。

1/9(火)はFODでしたし、1/12(金)はLeminoです。ともあれ、今週の大注目興行といえばトップランク興行、ベテルビエフvsスミスです。

カナダはケベックシティで行われるこの試合の注目はメインだけではなく、セミファイナルには我らがジェイソン・マロニーと日本のリングにも上がったサウル・サンチェスが戦います。

さらにさらに、この興行をWOWOWが放映してくれる、ということはやはり日本のファンの目にもしっかりと触れるわけで、大注目興行となります。

ということで今回のブログは、1/13(日本時間1/14)に行われる、ベテルビエフvsスミスをメインに据えたトップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

1/13(日本時間1/14)カナダ・ケベック

WBC・IBF・WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ

アルツール・ベテルビエフ(カナダ)19勝(19KO)無敗

vs

カラム・スミス(イギリス)29勝(21KO)1敗

カラム・スミスというボクサーは、非常に恵まれた体躯(身長191cm、リーチ198cm)を誇っており、技術的に優れ、およそ穴の少ない非常にバランスの取れたボクシングをする、という印象です。

2012年、ロンドンオリンピック出場を目指し、ヨーロッパ予選に出場も準決勝で敗北を喫し、オリンピック出場を逃すとその半年後にはプロデビューを迎えています。

連戦連勝のカラム・スミスは早々に地域タイトルに手を伸ばし、いくつかのタイトルを獲得するとWBSSのシーズン1に出場。

 

 

 

初戦でWBC世界スーパーミドル級ダイヤモンド王座を獲得し、決勝戦ではジョージ・グローブス(イギリス)を破ってWBAタイトルを吸収、早々に2冠王者となりました。

その後の防衛戦では日本でもお馴染みにアッサン・エンダム(フランス)を3RKOで屠り、その後ジョン・ライダー(イギリス)を撃破。ちなみにこの時のライダー戦は「苦戦」と言われており、この時のライダーはまだ評価が高くなかったですね。

非常に体躯に恵まれたスミスですが、インサイドではやや困ることが多い。ライダーはスミスにとっても苦手なタイプであり、この次に戦うカネロにも安安と懐に入られている姿がありました。

カネロ戦で初黒星を喫し、カネロにスーパーミドル級王座を明け渡してしまったカラム・スミス。ここからカネロの快進撃が始まるわけですが、スミスはライトヘビー級で再起、そこから2連勝(2KO)を飾っています。

アルツール・ベテルビエフについてはとにかく剛腕で熊みたいな人間(?)であり、技術も持ったボクサーでもあります。

 

 

 

ボクシング大国ロシアに生まれ、ロシア式ボクシングで強くなったベテルビエフは、カナダへと渡りカナダ国籍を取得、現在のファンベースはカナダにあります。

カナダの興行では外から来たベテルビエフに対して大きな声援があり、ホームの利を得ることもできる環境。38歳という、いつ衰えが急に来てもおかしくないという年齢を除けば、非常に盤石な王者だと思っています。

圧倒的なパワーでジョー・スミスJr(アメリカ)を屠り、3団体王座の統一をしたベテルビエフですが、前戦のアンソニー・ヤーデ(イギリス)戦では大苦戦。一進一退となった攻防は、ポイントも非常に競っていたのもまた事実。ただ、最終的にはベテルビエフがパワーで押し切っており、もし展開が違っても同じ結果になったのでは、と思わせる内容でもありました。

さて、この試合、50-50だというファンも多いようです。

しかし、私としてはベテルビエフが圧倒的優位であり、あとは「カネロが圧倒しつつも倒せなかったカラム・スミスを、ベテルビエフが倒せるか」という戦いのように感じています。

 

 

 

ベテルビエフが突然衰える、ということではない限り、スミスにとってはベテルビエフのパワーは脅威であり、確かに身長やリーチに勝るスミスに体格的利点はあるものの、はっきりいってベテルビエフの桁外れのパワー、そこから滲み出るプレッシャーにスミスが耐えられるか、というと答えはNoだと思います。

ここはベテルビエフが完勝、さらにスミスが逃げ回ることがない限りはどこかで倒し切ってくれるのではないか、と期待をしています。

そしてその後に期待することは、やはりアルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル。

すでに合意がなされた、というニュースも流れていますが、こういう時は正直要注意であり、その先を見すぎて足を掬われるということは本当に多く起こることです。

ベテルビエフに限って、そんなことはないとは思いますが、ここは気合を入れて倒し切ってほしいところですね。

 

 

 

WBO世界バンタム級タイトルマッチ

ジェイソン・マロニー(オーストラリア)26勝(19KO)2敗

vs

サウル・サンチェス(アメリカ)20勝(12KO)2敗

前戦、ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を破って悲願の王座初戴冠を果たしたジェイソン・マロニー。

生真面目さが伺えるオーセンティックなハイガードスタイル、ステップワークからのコンビネーションパンチを得意とするオーストラリアのボクサーは、わが国のヒーロー、井上尚弥と戦ったことと、好感の持てるインタビュー記事から日本でも大人気のボクサーです。

対してサウル・サンチェスはルディ・エルナンデスの元でトレーニングを重ねるボクサーであり、いわば中谷潤人やアンソニー・オラスクアガとはジムメイト。

サンチェスは前戦で日本のリングに立ち、RVデニエガ(フィリピン)を撃破。スピードがあり回転力のあるボクサーで、その時見た感じだとグイグイと攻める、ファイターよりのボクサーなのだと思います。

 

 

 

非常にスムーズなステップワークで前進し、とにかく回転力のあるサンチェス。このボクサーを懐に入れてしまうと非常に厄介なことになる、という感想を持ちますが、マロニーはステップワークにも優れた選手。そう簡単に懐に飛び込めるとも限りません。

強敵との対戦経験というのは圧倒的にマロニーが上であり、マロニーの2敗とサンチェスの2敗の重みが全く違うのも事実。この試合は、おそらくマロニーが美しいアウトボックスを披露し、サンチェスの攻撃を躱しつつポイントをピックアップしていくのではないか、と見ています。

ただ、マロニーの攻撃面ではあまり迫力がなく、アウトボックスしているときにポイントを取りづらいのは確か。前戦のアストロラビオ戦でも、アストロラビオに攻勢点が流れてしまっていた、という事実もあります。前回のアストロラビオ戦はアメリカでの戦いであり、今回はカナダ。

正直、オーストラリアでやればマロニーにポイントが流れるのでしょうが、今回もそうではありません。マロニーにとって怖いのは、やっぱり計算が狂った時。これは途中採点があるわけではないので終わってみなければわかりませんが、やはりラウンドのどこかでしっかりと攻勢に出て、ダメージを与えるなりのアピールを作っていかなければいけなそうです。

 

 

 

なのでこの手数が多く、アグレッシブに攻めてくるサウル・サンチェスのような対戦相手は、ジェイソン・マロニーにとっては鬼門となり得る相手。

オッズはマロニーが-350、サンチェスが+300ほどと出ており、当然二人のレジュメを比べた時にマロニー優位と出るのは当然のことながらも、アップセットは起こりうるマッチアップのようにも見えます。

一方で、この試合はサンチェス側から見るとダメモトの一戦と見ることもできる、というのもまた事実。ここでサンチェスがマロニーと戦っておくことで、その後、もしかするとあいまみえる中谷潤人との戦いの情報収集という意味合いもあるかもしれません。

いずれにしても、バンタム級はアツい。

世界最強と戦ったボクサーたちが、そしてその世界最強を追いかける日本のボクサーたちが乱戦模様。それこそこのバンタム級は、もう一度WBSSを開催してもらうか、リーグ戦のような総当たり戦を希望したいですね。

 

 

放送・配信

この興行は、アメリカではESPNが生放送。

日本ではWOWOWオンデマンドでの生配信が決まっています。

日程は日本時間1/14(日)10:00〜となっており、セミセミのクリスチャン・ムビリvsロハン・マードックからの中継かと思われます。

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【プレビュー】19戦全勝全KO、バージル・オルティスJr.がいよいよリングに帰還!そのパフォーマンスに注目。

北陸地方の皆様のご無事を祈ります。

いつ自分の身に降りかかるともしれない地震のニュースを聞くと、心を痛めます。

自分に何ができるのか。無理をすれば現地に行って何か手伝えることがあるかもしれませんが、そこで無理をして自身が危ない目に遭うことは家族に迷惑をかけることにもなる。

やっぱり何か物資を送ったり、寄付をする、ということくらいしかないのです。何もしないよりはマシだろうから。

ということで新年早々なんだか落ち込んでしまうのですが、落ち込んでいても仕方ないですし、被災された方々は「通常通りWebが更新されていることを望む」とも聞いたこともあるので、私も通常運転を心がけます。とか言いつつ、冒頭にこんなことを書いてしまうわけですが。

ということで、石川県を中心とした北陸の皆様の無事を祈り、お亡くなりになられた方に追悼の意を表しつつ、今回のブログは年始一発目となるゴールデンボーイ・プロモーションの興行のプレビューです。

 

 

 

1/6(日本時間1/7)アメリカ・ラスベガス

スーパーウェルター級12回戦

バージル・オルティスJr(アメリカ)19勝(19KO)無敗

vs

フレデリック・ローソン(ガーナ)30勝(22KO)3敗

おそらくボクシングファンの多くが大好きなのではないでしょうか、バージル・オルティスJr。

激闘型のヒスパニック系アメリカ人、しかもクリーン。さらには横紋筋融解症という難病を発症、幾度か試合をキャンセルし、それでも戦い続けようとしています。対戦相手の怪我も重なり、計量前日での体調不良等の発症も含めて、レイオフの期間は1年半にものぼる、バージル・オルティス。

心配するファンは引退を勧告したくもなるのですが、本人がリングに上がるのであれば、応援せざるを得ません。

横紋筋融解症とは、

横紋筋とは、心臓を動かす「心筋」と体を動かす「骨格筋」を指します。横紋筋融解症は、特に骨格筋に見られ、骨格筋を構成する筋細胞が融解・壊死することで、筋肉痛や脱力を生じる病態です。そのまま放っておくと、起き上がることや歩行が困難になり、腎不全などを合併し、回復に長期間を要することがあります。

とのことなので、とてつもない難病であり、リングに上がって戦うことなどもってのほか、とも思えます。

 

 

 

それでもなお戦いたい、という戦士を応援しないわけにはいかないのです。

これまでウェルター級で戦ってきたオルティスですが、今回はスーパーウェルター級戦。減量が楽になったことで、体調は整えやすくなったでしょうから、今回こそは試合開催を期待されるという立場になります。

対戦相手はフレデリック・ローソン、このボクサーは知名度もなく、強豪との対戦経験もないボクサーなので、ここ最近のオルティスの対戦相手よりは随分質が落ちる相手です。

ただ、スーパーウェルター級初戦であり、度重なる体調不良からの帰還、ということを考慮すれば、ものすごく的確なマッチメイクに思えますね。

ここをもし、オルティスが倒して勝てないようなことがあれば、今後の見通しは暗いでしょう。

 

 

 

オルティスの動き、パフォーマンス、そしてフィニッシュの仕方。

ここが非常に興味深いところであり、間違っても苦戦なんてしてはいけない戦い。オルティスの大復活劇に期待したいと思います。頑張れ、オルティス。

WBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦

オハラ・デイビス(イギリス)25勝(18KO)2敗

vs

イズマエル・バロッソ(ベネズエラ)24勝(22KO)4敗2分

セミファイナルは、WBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦、だそうです。知らんかった。

どうやらロランド・ロメロが負傷により休養王者となっていたようで、WBAはデイビスとバロッソに暫定王座決定戦をオーダー、元々12月だった戦いですが、1月に延期しています。

これは非常に興味深い戦いですね。

40歳というバロッソ、前戦ではロランド・ロメロに想像以上の善戦をかましましたが、果たして本当の実力はどうなんだ、というところが問われる試合。

お世辞にも上手いボクサーとは言えないバロッソに対し、もしデイビスが苦戦するようなことがあれば、バロッソは「上手くは見えないけど非常にやりづらいボクサー」という認定を受けるかもしれません。

 

 

 

アグレッシブなバロッソは、ロメロ戦を見る限り単発で、さほど追い方も上手くはなく、パワーだけはありそうな凡庸なボクサーに見えました。ロメロは幸運なストップで勝利を得ましたが、果たしてフルラウンド戦っていれば勝敗は分かりませんでしたね。

そんなバロッソはリアル・ディールなのか、それともロメロがしょぼかっただけなのか。

オハラ・デイビスは世界タイトルにこそ届いていませんが、比較的安定的なパフォーマンスを発揮してきているボクサーであり、わずかに2敗の相手はジョシュ・テイラー(イギリス)とジャック・キャトラル(イギリス)のみ。

当然オッズはオハラ・デイビス優位であり、ここはデイビスが勝利するのでしょう。

問題は、その勝ち方と、バロッソがどれくらい頑張れるか。これにより間接的にロメロの評価が下る、と言っても過言ではありません。

 

 

 

その他のアンダーカード!!

スーパーライト級のプロスペクト、アーノルド・バルボサJr(アメリカ)がゴールデンボーイ・プロモーションと契約後、移籍初戦を迎えます。その前はトップランクだったかな?

バルボサは攻防に非常にバランスの取れたボクサーで、比較的安全策をとることも多いイメージ。前戦ではホセ・ペドラサ(プエルトリコ)を撃破、リアム・パロ(オーストラリア)との世界タイトル挑戦者決定戦をオーダーされるも、回避しています。

パロが怖かった、とかではなく、この移籍のゴタゴタの最中だったため、なのかもしれませんね。

 

 

 

ともあれ、バルボサは移籍初戦ということもあり、どちらかというと安パイな相手を選んだっぽい。名前が読めませんが、Xolisani Ndongeni(南アフリカ)というボクサーです。

そしてDAZNの配信に乗っからないのかもしれませんが、ラウル・クリエル(メキシコ)も登場です。エリアス・ディアス(アメリカ)というボクサーが対戦相手ですが、このクリエル(13勝11KO無敗)は要注目ですね。

五輪の代表にも選ばれるほどのアマ経験を持ち、マチズモを持っているこのメキシカンは応援したくなりますね。このDAZNの配信に乗らないクリエルvsディアスはFacebookかYoutubeで観れると思います。

 

 

 

配信情報

こちらの興行は、DAZNで配信予定。

配信日時は日本時間1/7(日)10:00〜となっています。

その前のアンダーカードは8:30か9:00くらいにFacebook、Youtubeで配信だと思います。

DAZN(安い方のGlobalで問題ありません)に登録して、みんなでオルティスを応援しましょう!!

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【プレビュー】2023年も締めは井岡一翔!vsホスベル・ペレス!比嘉大吾、堤駿斗、木村吉光vs坂晃典もABEMAで生配信!!

井上尚弥のスーパーバンタム級制覇から数日。

まだまだ興奮冷めやらず、2024年のスーパーバンタム級に想いを馳せる。

それ以上に、2024年のバンタム級はより楽しみとなり、それはファイト・オブ・ザ・イヤー候補とも言える堤聖也vs穴口一輝の戦いによるものですが、本当にボクシングファンというのは次から次へと楽しみにができてくるのでありがたい、と思うのです。

17階級(18階級??)もあるし、オフシーズンもないし、個人競技であることもあるし、言ってしまえば深く知れば知るほど「飽きる」ことがないスポーツだと感じます。

さてさて、ということで1年中、どころか大晦日まで楽しませてくれる我らがボクシング、そして今年も日本で、いや世界のボクシングを井岡一翔が締めてくれます。

ということで今回のブログは、2023年最後の国内興行であり、2023年最後の世界タイトルマッチでもある、LIFE TIME BOXINGのプレビュー記事。

 

 

 

12/31(日)大田区総合体育館

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

井岡一翔(志成)30勝(15KO)2敗1分

vs

ホスベル・ペレス(ベネズエラ)20勝(18KO)3敗

井岡一翔は12度目の大晦日出場。

希望するエストラーダとの対戦は決まらなかったですが、こればかりは仕方ありません。大晦日のファイトでエストラーダを呼べなかったのであれば、井岡の後ろ盾であるサンキョー、ABEMAのタッグではもう無理なのでは?とか思いますが、どうなんでしょうか。

ともあれ、今回のホスベル・ペレスは比較的テクニシャンが多いイメージのベネズエラにおいて、グイグイくるファイタータイプのボクサーです。今の井岡としては、考えずにくるこういうボクサーというのは比較的苦手の部類のように感じています。

ペレスは過去にアルテム・ダラキアン(ウクライナ)に挑戦しており、体ごとぶつけていくようなボクシングを展開、ハードパンチとテクニック、強いフィジカルを持つダラキアンを相手に判定まで粘っているボクサー。このペレスのボクシングはテクニシャン潰し、ともいえるものであり、フィジカル勝負で荒々しいパンチを放っていくスタイルなので、井岡が得意とするところのインテリジェンスを使うようなところで勝負をしてくれないボクサーです。

 

 

 

Avalancha、「雪崩」というニックネームを持ち、このKO率というのはなんだかそれだけで彼のファイトスタイルを想像できそうなものですね。

井岡は極力アクションを小さくしているボクサーなので、ペレスがぶっ飛んできた時にどのように対応するのかは見ものですね。これをブロッキングのみで対応しようとしてしまえば、後半に行くに従ってダメージを溜めてしまう可能性もゼロではありません。とはいえ、このペレスのステップインを距離で外そうとすれば、かなりアクションが大きくなり、井岡本来のボクシングとかけ離れてしまいそう。

ペレスの大振りのパンチは井岡にクリーンヒットすることはほぼないはずです。キャリアにしても、このダラキアン挑戦以外の部分については、果たしてチャレンジャーとしての資格があるかどうかは怪しいボクサー。それでもある一定の怖さのあるボクサーであることは間違いないので、井岡は気をつけて戦わなければなりませんね。

 

 

 

井岡としては、12Rにわたり集中力を維持しつつ、近い距離でコンパクトなコンビネーションを当てていく必要がありそうです。おそらくこのペレスは止まらないので、ピンポイントで急所を打って迎撃しつつ、ダメージを蓄積させていく流れ。そしてペレスの強力なオーバーハンドに対応することと、頭に気をつけること。

個人的には、ランキングも高くないし強豪とも対戦経験がほとんどないこのホスベル・ペレスは、スタイル的に井岡にとって危険なボクサーではないかと思っています。

ただ、井岡が今後もエストラーダ戦を求めるのであれば、エストラーダ以上の評価を得て、「エストラーダが逃げてる」という雰囲気を作り出さなければなりません。ジャパンマネーでエストラーダを呼べれば良かったのですが、それが叶わなかった今となっては、階級最強を決める戦いとしてエストラーダを振り向かせるしかありません。それには、この程度のレジュメのボクサーに苦戦するわけには絶対にいかないのです。

難しい相手でありつつ、圧倒して倒さなければエストラーダ戦は消えてしまう、とも感じます。これはただ勝てば良い、という戦いでないだけに、非常に難しい試合。どのような戦いを見せてくれるのか、期待しましょう。

 

 

 

比嘉大吾(志成)20勝(18KO)2敗1分

vs

ナワポーン・カイカンハ(タイ)58勝(48KO)3敗1分

前戦、久々にリングに快音を響かせた比嘉大吾。前戦の快勝は、長い長いトンネルを抜け、「比嘉大吾らしい勝ち方」を思い出させてくれた試合なのだと思いたい。

比嘉大吾と引き分けた堤聖也(角海老宝石)は、その後日本王者となり、国内ライバルを次々と撃破。大橋会長の企画したモンスタートーナメントを制覇し、高い評価を得ています。

比嘉大吾が完全にシャットアウトされた西田凌佑(六島)はIBF世界バンタム級挑戦者決定戦に勝ち、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦を控える身。

比嘉大吾が大苦戦を強いられたフローイラン・サルダール(フィリピン)は、その後ルイス・ネリにあっけなく倒されるも、栗原慶太をアップセットで破って大復活。(栗原は1/26、OPBFタイトル奪還のためフィリピンで再戦をセットしているようです。)

さて、今度こそ比嘉大吾の番です。

 

 

 

その一つの試金石となるのはこの試合、ナワポーン・カイカンハ戦です。

ナワポーンが果たして世界レベルの強豪か、と問われれば正直わからないのですが、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)、ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)との対戦経験を持っています。いずれも敗戦であり、そのほかは「タイ人らしい戦績」の持ち主なので、結局はその実力は謎のまま。

ただ、「マロニーが倒せなかった」カイカンハという見方もできることから、10ラウンズのうちに比嘉大吾の強打が爆発し、ナワポーンを沈めてくれることを願うのみですね。

 

 

 

堤駿斗(志成)3勝無敗

vs

ルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)11勝(9KO)無敗

本来であれば10月に対戦するはずだった両者の、仕切り直しの一戦。

前回は試合前日に堤がインフルエンザに感染、ベンチャーラはドミニカ共和国からはるばる飛行機を乗り継いでまできたのに試合ができず。おそらくファイトマネーもなく、手ぶらで帰らされたはずで、これは本当に気の毒なことでした。

もちろん仕方のないことではあるものの、こういう場合、保証をしてあげたほうが良いですね。(実際どうなのかは分かりませんが、また来てくれる、ということであれば、嫌な気持ちはしなかった、ということなのだと思いたい。)

いずれにしろ、ベンチャーラという素晴らしい戦績の世界ランカーがまた日本に来てくれる、というのは本当にありがたいことですね。

 

 

 

ただ、このベンチャーラの戦った相手を見ると、かなり安パイな相手としか戦っていません。その多くはプロデビュー戦を迎えるような対戦相手であり、そうでなければ負け越しのボクサーが相手です。

WBAフェザー級で15位、というのはどういう基準でそうなったのかは謎。

ただ、レジュメが大したことないからといって強くない、というわけではないので、これは蓋をあけてみなければわからない、非常にワクワクする戦いでもあります。

デビューから3連勝、それも全て強豪相手なのは重々承知ながらも、もっともっとそのポテンシャルを発揮してほしい、堤駿斗。

この戦いに期待するのは、初回開始のゴングが鳴った後、「只者ではない」感を出してくれるベンチャーラ、それを倒し切ってくれる堤駿斗。そんな画を、見たい。

 

 

 

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦

木村吉光(志成)15勝(10KO)3敗1分

vs

坂晃典(仲里)22勝(19KO)7敗

木村吉光と坂晃典が OPBF王座を争うのはこれで2度目、それも両方とも王座決定戦です。

前回は2021年12月14日、坂は当時世界を伺う末吉大(当時帝拳)をアップセットで破って日本王者となり、その後タフな渡邉卓也(DANGAN)に初めてTKO負けでの黒星をつけるなど絶好調で、対して木村吉光は三代大訓(当時ワタナベ)、仲里周磨(オキナワ)と戦い1敗1分、2年以上勝ち星から遠ざかっている状況でした。

しかしてこの試合は木村が3RTKOで快勝。坂は日本王座を保持したままだったので、 OPBF王者と日本王者の序列が順番通りについた、という形となりました。

それ以来の両者というと、木村は OPBF王座を返上してWBOアジアパシフィック王座を獲得。しかし初防衛戦で力石政法(緑)に敗れています。そして坂も奈良井翼(RK蒲田)を迎えた防衛戦では防衛成功するも、続く原優奈(真生)戦で敗北、日本王座を奪われています。

この試合は、王座決定戦でありながらも間違いなくサバイバルマッチ。

 

 

 

勝てば世界が見える試合でもなく、負ければ世界は見えなくなるほど遠ざかります。

そんな厳しい舞台での再戦、こういう状況の再戦の場合、どちらかというとやりやすいのは前回負けた方、つまりは坂の方とも言えます。

日本タイトルを失い、背水の陣である坂は、普段の思い切りの良さに輪をかけて思い切りよく攻め込むことができそうです。ともすれば、進退をかけて木村に向かっていくことができると思います。

一度負けた相手であり、かつ、連敗がかかるという一戦、年齢を見ても31歳。一か八か、特攻を仕掛ける条件は揃っているとも言えます。

ただ、一つ気になることは、坂は被弾が非常に多く、ダウンも非常に多い、ということ。

特に前回木村と戦った時以来、毎試合ダウンを喫しているような気がしますので、これは心配なところです。

木村としても、一度勝利している相手とはいえ、ここで気が緩むことはないはず。力石政法(緑)に敗れて以来再起戦で勝利、それでもここでの敗北は大きく後退することを意味し、限界を感じてしまう可能性も孕んでいます。

上を目指すならば、最低限、必要なのは勝利。しかしこの試合に限って、判定決着はないでしょう。どちらかが傷つき倒れ、夢を絶たれてしまうかも知れない戦い。ボクシングの厳しさ、切なさが詰まったタイトルマッチとなりそうです。

 

 

 

配信情報

この興行は、ABEMAで無料生配信。

上記の4試合に加え、重里侃太朗(志成)がタイ人と戦う試合も放送されます。他にアンダーカードが2試合ありますが、こちらの放映はないようです。

ABEMAの配信は16:10開始となっており、興行の開始予定(第一試合の開始予定)はボクモバでは16:50となっているので、謎です。他の2試合も放映すれば良いのですが、よく分かりませんね。

ABEMAとしては第三試合から開始、とのことなのですが、どう考えても16:10に第三試合が開始されることはなさそうです。

一応、海外記事を見ると日本時間で12/31、20:30頃メインのリングウォーク(入場)とのことです。これも本当かどうかは分かりません。

ともかく配信は待ち時間が多かったりするので、オススメはABEMAプレミアムに加入して、追っかけ再生を駆使して視聴することです。

ABEMAプレミアムに加入すると、追っかけ再生、見逃し配信が可能です。

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【プレビュー】ジョシュアvsワリン、ワイルダーvsパーカー!いよいよきたる「審判の日」!!!

サウジアラビアという国は本当にとんでもない興行が行われる国です。

サウジアラビアのリヤドシーズンでは、期間の前半にタイソン・フューリーvsフランシス・ガヌーをメインに据えたボクシング興行がありました。

そしてその中盤には、アンソニー・ジョシュアやデオンテイ・ワイルダーといったボクサーたちが登場する、Day of Reckoningという興行があります。

Riyadh Season 2023 - Visit Saudi Official Website

そして後半にはフューリーvsウシクという4団体統一戦も、このリヤドシーズンに組み込まれるのでしょう。どうかしてますね。

ともあれ、実は正式発表の時のショートプレビュー記事を書いていたことを思い出したこの興行。ということで今回のブログは前回のものに若干のリライト(使い回しともいう)を加え、改めてのプレビューです。

 



 

 

boxingcafe.hatenablog.com

「審判の日」

このDay of Reckoningという英語の意味は、精算日とか審判の日、という意味のようです。聖書に出てくる「最後の審判」もこの英語を使うのですね。

さて、この日、判決を言い渡されるのは全てのボクサーに言えることですが、何よりもアンソニー・ジョシュアとデオンテイ・ワイルダーに降されるジャッジメントは、彼らのキャリアにおいて非常に大きな意味を持つものです。

イギリスではアンソニー・ジョシュア、アメリカではデオンテイ・ワイルダー、大西洋を挟んでそれぞれがスター街道を走り、王座を獲得。一体どれくらいの期間、この二人の対決がクローズアップされてきたことでしょう。

最も旬なタイミングは逃し、ジョシュアはウシクに、ワイルダーはフューリーに、取り返せないほどの「2連敗」を喫しています。

それでも尚、ジョシュアには絶大なファンベースがあるし、ワイルダーにはとてつもない一撃があります。

今回、ジョシュアはオット・ワリン、そしてワイルダーはジョセフ・パーカーという強豪をそれぞれ迎えるわけですが、ここに勝てば3月9日(日本時間3/10)、いよいよ激突とのこと。

この現地時間3/9に、人々を熱狂させられる試合が決まるのか、否か。その審判の日が現地時間12/23、Day of Reckoningです。

 

12/23(日本時間12/24)サウジアラビア

ヘビー級12回戦

アンソニー・ジョシュア(イギリス)26勝(23KO)3敗

vs

オット・ワリン(スウェーデン)26勝(14KO)1敗

これは以前にも書きましたが、はっきり言えば「ジョシュア、危うし」と見ています。

おそらくそういう意見は世界中に多いのではないか、とも思っています。

アンソニー・ジョシュアは素晴らしいボクサーですが、メンタル面でやや弱さを見せることもあり、逆にこのワリンはタフネスもハートも保持しているボクサーです。

ワリンというボクサーはタイソン・フューリーを苦しめたボクサーであるだけでなく、前戦ではあのムラト・ガシエフ(アルメニア)に勝利している実力者です。ジョシュアは非常に危険な相手を選んだ、とも言えますし、本気の再起ロードだと見ることもできます。

オッズもジョシュア-300、ワリン+300と結構競っている印象で、これはかなり勝負論のある一戦ですね。

ジョシュアは完璧な準備をして望まなければかなり危ない、と見ますが、如何に。

ヘビー級12回戦

デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)43勝(42KO)2敗1分

vs

ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)33勝(23KO)3敗

セミファイナルも超注目、ワイルダーvsパーカーの元王者対決です。

これも結構ワイルダーにとって危険な戦いではないかな、と思うのは、ワイルダーが前回ボクシングをしているように見えたから、というところです。

ヘレニウス戦のワイルダーは、初回ワンパンチKOという結果以外はあまりよくなかったのでは、と感じ、その理由は、ワイルダーが下手にボクシングをしようとしていたことがあると思うのです。

 

どこまでも「一発当てればいいや」で突き進んでもらいたいデオンテイ・ワイルダー。

ここにきて上手さは必要ありません。ここでもし、ワイルダーが「ボクシング」を選択しようものなら、機動力に勝るパーカーにしてやられる可能性が出てきます。

頼むから、36分間の中の2秒あれば良い、というかつての戦い方をしてもらいたい。

何にしろ、アンソニー・ジョシュア、デオンテイ・ワイルダー、それぞれがAサイドではありつつもかなり危険な戦いとも言えるこのマッチアップ。

冒頭にも書いた通り、これにそれぞれが勝利すれば、いよいよ3月に決戦。。

ここにきて「戦わざるライバル」という関係性を解消し、できれば決勝戦として見たかった試合を敗者復活戦みたいな形で見る、というのはこれもまた一興です。

ジョシュアvsワイルダー、爆発的に盛り上がるタイミングはもうここが最後かもしれません。両者がどんな形でも勝利をし、この世紀の一戦の実現を願います。

ヘビー級12回戦

ダニエル・デュボア(イギリス)19勝(18KO)2敗

vs

ジャレル・ミラー(アメリカ)26勝(22KO)無敗1分

前戦でウシクに善戦、敗れはしたものの株を上げる形となったダニエル「ダイナマイト」デュボア。

復帰戦の相手は無敗のジャレル・ミラーです。

ミラーは無敗とはいえ世界レベルの強豪とはぶつかっていない、というのが現状であり、個人的にはデュボアのKO復帰を見たいところ。

ただ、オッズはかなり競っており、デュボアが-250、ミラーが+250くらい。

ジャレル・ミラーはかなり評価が高いボクサーなんですね。

デュボアは比較的安定性に欠けるボクサーだという印象も受けているのですが、ここは絶対に負けてはいけない戦い。逆にいうと、ここに良い勝ち方をすることができるのであれば、世界トップ戦線への復帰というのは前戦も加味して容易なことでしょう。

ダイナマイト復活に期待!

 

 

 

WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ

ドミトリー・ビボル(ロシア)21勝(11KO)無敗

vs

リンドン・アーサー(イギリス)23勝(16KO)1敗

本来、このようはド派手興行に呼ばれるボクサーではなかったドミトリー・ビボル。ただ、東大随一の人気ボクサーであるカネロを退けたことで、世界の人たちの多くはドミトリー・ビボルのテクニカルなボクシングを知ったのでしょう。

その後もヒルベルト・ラミレス(メキシコ)を退けるなどして絶好調のビボルはサウジアラビアのリングに登場し、マイナー団体の中で最も権威のあるIBO世界ライトヘビー級王者であるリンドン・アーサーを迎えます。

これはなかなか興味深い戦いではありますが、ビボルの負けは考えられないはず。やや慎重なボクシングから、というイメージではありますが、ドミトリー・ビボルというボクサーは油断とは無縁のボクサーであり、相手が誰であろうとも自分のボクシングを完遂することを目的としているようにも見えるし、そのボクシングも非常に丁寧で、隙は非常に少なく見えます。

アーサーは初のメジャータイトル挑戦、善戦できれば存在感を示せるというレベルかもしれません。

ジャイ・オペタイア(オーストラリア)23勝(18KO)無敗

vs

エリス・ソロ(イギリス)17勝(7KO)無敗

クルーザー級最強王者(個人的主観)、ジャイ・オペタイアの2度目の防衛戦はエリス・ソロ!。。。誰?そもそもオペタイアも王座は返上していたんですね。どうやらオペタイアがブリエディスとの対戦を指令されていたらしく、それを蹴ってソロと対戦することになった、ということからだそうです。ちなみに試合が流れた理由はブリエディスの怪我によるものらしく、つまりIBFは「ブリエディスの怪我が治るまで待ってね」ってことだったらしい。ただ、オペタイアはこのソロ戦で過去最大の報酬を手に入れることになるらしく、IBF王座を剥奪されてでもソロとの対戦を優先した、ということのようです。そりゃそうだ。

ともあれ、当時クルーザー級最強と目されていたマイリス・ブリエディス(ラトビア)を見事攻略し、IBF王者となったオペタイアは、初防衛戦で無敗のジョーダン・トンプソン(イギリス)を4Rで破壊。2度目の防衛戦もイギリスからの刺客ですね。

さて、エリス・ソロというボクサーは現在知りませんが、WBOヨーロピアン王座の保持者のようです。結構ヒドいキャリアの持ち主で、ちゃんとしたボクサーと戦っているのはここ3戦くらいのもの。その他は負け越しのボクサーがほとんどで、他には1日に3試合戦っているという記録も残されています。(3R×3試合)

 

 

 

流石にこのボクサーには負けはおろか苦戦もしてほしくないですね。頑張れオペタイア。

おそらくここまでがメイン格という扱いであり、以下はいわゆるアンダーカードに部類されるものです。ただ、このアンダーカードも非常に興味深いですね。

アルスランベック・マフメドフ(ロシア)18勝(17KO)無敗

vs

アギット・カバイェル(ドイツ)23勝(15KO)無敗

ヘビー級の無敗対決で超注目のパンチャー、マフメドフが登場です。

マフメドフは17つのノックアウトのうち、12が初回KOという即効型のKOパンチャーです。ロシア出身ながらもカナダで戦い続けており、もしかするとベテルビエフと同じような道を辿っているのかもしれません。熊みたいなところも似ています。

カバイェル(読み方は違うかも)は見たことがありませんが、2017年にデレック・チゾラ(イギリス)に勝利した星が光ります。

ヘビー級の怪物がサウジアラビアで魅せるのか、はたまたドイツ人がアップセットを起こすのか。注目の無敗対決ですね。

フランク・サンチェス(キューバ)23勝(16KO)無敗

vs

ジュニア・ファ(ニュージーランド)20勝(11KO)2敗

出身がキューバだからなのか、その実力に見合ったマッチメイクができていないのではと感じるフランク・サンチェス。かつてエフェ・アジャグバ(ナイジェリア)との無敗対決を制したは良いですが、その後のキャリアはアジャグバの方が良い相手に恵まれている、と言えます。

このジュニア・ファも戦績こそ良いですが強豪と呼ぶには心許ないボクサーであり、ジョセフ・パーカーには簡単にあしらわれ、その初黒星からの復帰戦ですでにロートルと思われていたルーカス・ブラウン(オーストラリア)にまさかの初回KO負け。

この大失態から初回KOで再起を果たすも、相手は「無勝」のボクサーで、4回戦の試合。

サンチェスはここはあっさり倒して勝たなければいけませんね。

 

 

 

フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)16勝(13KO)無敗

vs

マーク・デ・モリ(オーストラリア)41勝(36KO)2敗2分

4戦連続で無敗対決を勝ち上がってきた「クロアチアの猛獣」フィリップ・フルゴビッチ。このフルゴビッチも非常に楽しみなボクサーですね。

モリというボクサーは戦績こそ立派ですが、ここ数年、ほぼ負け越しているボクサーとしか試合をしていません。一応勝ってきてはいますが。

2016年にデビッド・ヘイ(イギリス)に初回KO負けを喫してから連勝中で、11連勝(10KO)という素晴らしい記録ですが、戦ってきた相手はというと言及するに値しないボクサーばかり。しっかり戦績を作ってきたなという感じでしょうか。

こういう状態だからこそ、もちろんフルゴビッチの痛快KOを期待するわけですが、まあ、ボクシングとは何が起こるかわかりませんから、どの試合も楽しみですね。

 

 

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【プレビュー】1 week left!井上尚弥vsマーロン・タパレス!12/26有明決戦!!

師走ってすごいですね。

本当にあっという間にすぎます。

こないだ12月に入ったと思ったらもう後半、本業においては残された営業日も残りわずか、そしてあと1週間後にはスーパーバンタム級の4団体統一戦です。

これはあっという間に年をとるはずですね。

さて、ということで今回のブログは井上尚弥vsマーロン・タパレスをメインに据えた、Lemino配信興行について。

 

 

 

12/26(火)有明アリーナ

世界スーパーバンタム級4団体統一戦

井上尚弥(大橋)25勝(22KO)無敗

vs

マーロン・タパレス(フィリピン)37勝(19KO)3敗

MJだったらよかったのに。

と、いまだに思ってしまうのは、私がチケットを取れなかったからでしょう。

いよいよ井上尚弥のスーパーバンタム級4団体統一戦、昨年の今頃にバンタム級の4団体統一を果たしてからたった1年、スーパーフライ級やコロナもあったバンタム級時代の不遇を考えると、もしかしたら井上尚弥の伝説はここから始まるのかも、とすら思います。

対戦相手のマーロン・タパレスの勝ち目が薄い、というのは、本人、陣営、そして見守るボクシングファン-これはおそらく母国フィリピンのファンも含めて-重々承知のことでしょう。

 

 

 

ここ最近はフィリピン人ボクサーたちのアップセットは相変わらず相次いで起こっており、先日はジェイソン・バイソン(フィリピン)が元世界王者山中竜也(真正)にワンパンチで勝利するという「事件」も起きています。

山中竜也というボクサーは相手を舐めてかかったり油断するようなボクサーではないだけに、やはりフィリピン人ボクサーの怖さを感じます。

それでも、です。

一分の隙もないように見える井上尚弥に対して、タパレスが勝てるイメージはなかなか想像できません。

おそらく、勝負は序盤でしょう。

 

 

 

タパレスはパワーがあり、上体が柔らかいボクサー。やや後ろ荷重のスタンスで、と考えると、同国人であるカシメロにも似たタイプ、とも思えますが、言ってしまえばカシメロほどのパワーはないようにも思います。代わりに、カシメロよりも相手をよく観察しており、クリーンヒットをもらうパターンは少ないように思います。

タパレスの勝ち筋としては序盤にあり、なるべく近くで戦うのが正解ではないか。

ストレートの距離では井上に及ばず、さらに遠い距離では井上の鋭い踏み込みにボディワークだけでは対応できないように思うからです。

乱打戦に近い形に持ち込むことができたならば、もしかするとその上体の柔らかさを活かしてフック系のパンチをクリーンヒットからは外し、もしかしたら一発を当てられるかもしれません。(もしかしたらが多すぎる)

 

 

 

とはいえ、近い距離に行ったら行ったで井上の左ボディが突き刺さりそうで、それはまた怖い。

これでもし、井上尚弥がエンジンのかかりの遅いボクサーであったならば、タパレスにもチャンスはありそうなものですが、井上は残念ながらそういうボクサーでもありません。

結論、私ではタパレスが勝つイメージは想像できず、なのですが、おそらく大方がそうでしょう。

↓タパレスの経歴は少しだけこちらに

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

日本バンタム級タイトルマッチ

堤聖也(角海老宝石)9勝(7KO)無敗2分

vs

穴口一耀(真正)6勝(2KO)無敗

さて、メインイベントの勝敗については置いておいて、大注目のセミファイナルです。

堤聖也は2019年〜2022年までの丸3年、試合中止やらドロー決着やらが相次ぎ未勝利という呪われた期間を過ごしたのち、2022年6月に当時の王者澤田京介(当時JBスポーツ)を倒して日本王座を獲得しています。

その後、大嶋剣心(現在一力)、南出仁(当時セレス)を倒してモンスタートーナメントに出場、第一シードで帝拳ホープ、増田陸(帝拳)を撃破。ポイント差こそ2〜4ポイントの小差でしたが、これははっきり言って完勝の部類です。

 

 

 

9勝中7KOというハードパンチを持ち、やや変則的な動きから攻め入る堤は、おそらく誰がやってもやりづらいボクサーではないでしょうか。目を見張るようなスピードそ持っているわけでもなく、美しいボクシングとはいえないのかもしれませんが、非常に味のある、無骨なボクシングを魅せてくれます。

中でもやはりその試合巧者ぶりは目を惹き、相当なリングIQを持っていると思われる堤。間違いなく世界王者を除く国内バンタムで頭ひとつ抜けた存在と言えるでしょう。

そんな「絶対王者」ともいうべき堤に挑むのが穴口一輝。

モンスタートーナメント緒戦の内構拳斗(横浜光)戦では、内構の得意な近接戦闘に付き合い、あわやの大苦戦を強いられるも、前戦はハードパンチャー梅津奨利(三谷大和)に完封勝利、その巧さを見せつけています。

 

 

 

鋭いジャブをもち、素晴らしい左ストレートと右フックを持つサウスポーは、アマキャリアも豊富であり、わずか4戦目で世界挑戦経験者、ジョナサン・タコニン(フィリピン)を完封するという強さを見せつけているので、やはり侮れないボクサーです。

穴口が持ち前のキレイなボクシングを貫くようであれば、勝負はわからなくはなりますが、果たしてそれを堤が許すか、というとあまりそうは思えません。堤は良い意味でガチャガチャ、相手に気持ちよくボクシングをさせないというボクシングで穴口を崩していくのではないでしょうか。

その堤のリズムを気にせず、穴口が自分のボクシングを貫き、歩くように、いや、走るように近づいてきて左右を振るう堤の攻撃をしっかりと空転させたならば、穴口のジャブ、ストレートがポイントを掻っ攫っていく可能性はあります。

 

 

 

ということで、予想はもちろん堤が優位、それでも穴口にも勝ち筋はある、とみます。

一つの論点は、穴口がどれほど堤対策ができるか、ということですが、堤に似たボクサーは関西圏どころかこの世にいない気がするので、よほどのイメージ力がなければ攻略は難しそう。

その他のアンダーカードと配信情報!!

平岡アンディ(大橋)、武居由樹(大橋)がそれぞれメキシカンと対決です。ここは取りこぼしのないようにしてもらいたいですね。アンディの相手がセバスチャン・ディアス・マルドナルド、武井の相手がマリオ・デイアス・マルドナルドなので、これは兄弟なのでしょうね。ちょうど良い階級にいたもんですね。

 

 

 

そして井上尚弥のアンダーカードに度々登場している坂間叶夢(ワールドスポーツ)も登場、こちらはフィリピン人ボクサーとの対戦ですね。

他には4回戦が2試合、全7試合の興行です。

この注目の興行で、デビュー戦を迎えるボクサーは本当に稀有な体験ができますね。

反面、これほどチケットが取りづらい興行において、出場ボクサーたちの応援者たちはちゃんと選手からチケットが購入できたのかは不安なところですね。しかも高いし。

ともあれ、チケットを取れなかった私も含めたボクシングファンは、Leminoで観戦しましょう。

 

 

 

またも平日、ということもあり、もしリアルタイムで見れなくてもLeminoは見逃し配信もあるので安心です。

無料版は、見逃し配信期間に限りがあるので、有料にしておけば安心ですね。

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【プレビュー】さらばShowtime!デビッド・モレルvsセナ・アグベコ、セミは注目、コルバートvsバレンズエラ2!!

毎日毎日が一瞬で過ぎていく今月。

勉強したいことは山ほどあるし、やらなければならないことも山ほどあるし、観たい試合も山ほどあるのですが、1日は24時間しかなく、なんとこれは老若男女平等だそうです。

思えば随分の期間、体を動かしていないなと思いつつ、もう夜。

人間なんてものは生まれた瞬間から死に向かって一直線なわけで、そこをどう楽しむのかがキモになってくるわけですが、おそらくこのあっという間に過ぎる時間のことを充実とも言うのでしょう。暇よりよっぽど良い。

さて、というわけで12/17(日)はWOWOW、DAZNで海外のボクシング中継があり、U-NEXTでダイナミックグローブ。ひと昔前、ほどでなくとも3〜4年前だったらこれを「贅沢」と呼ぶのでしょうが、大配信時代となってからはもう当たり前になっているという事実も面白い。

2024年はダイナミックグローブもその放送枠を増やすようですから、ここからまだまだ配信興行は増え、私たち視聴者が「選ぶ」時代になってくるのだから、興行主たち、配信会社はさらに競争が激化していきますね。

とまあ、長くなりましたが、今回のブログは12/16(日本時間12/17)に行われるShowtimeのラスト興行のプレビュー記事。

↓同日はDAZNでも「Showtime」の興行が。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 


12/16(日本時間12/17)アメリカ・ミネアポリス

WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ

デビッド・モレル(キューバ)9勝(8KO)無敗

vs

セナ・アグベコ(ガーナ)28勝(22KO)2敗

37年にわたりボクシング中継をしてくれたShowtimeが放映するラスト興行、そのメインはキューバン・ボクサー。

このデビッド・モレルはPBCファイトにお世話になったボクサーではありますが、どうしても同階級のカネロと比べると知名度において随分劣る。

アマ大国キューバ出身のそのボクシングは、非常に総合力にすぐれ、まさになんでもできるタイプであり、ここまでの戦いでは9戦中全勝、KOを逃したのはわずかに1試合(暫定王座を獲得した際の決定戦のみ)と無類の強さを誇示し続けています。

スピード、パワー、ボクシング技術、どれをとってもまさに非の打ち所のないモレルは、もしかするとスーパーミドル級最強なのかもしれませんが、カネロ・アルバレス(メキシコ)やデビッド・ベナビデス(メキシコ)と戦えるほどの知名度、バックグラウンドを持っていないというのもまた事実。

 

 

 

今までの戦いではピンチを経験したことも苦戦したこともなく、ポイントを取られることもほとんどありませんでしたから、「強敵と戦っていない」と言われれば同意せざるを得ないところもあります。いや、強敵というよりも「名のある相手と戦っていない」というべきなのでしょう。きっと強敵はいたはずです。

さて、このセナ・アグベコというボクサーもそんな「名のある相手」とは呼べない選手です。

ガーナ人らしく、非常に身体能力の高いタイプであり、スピード、パワーに優れて反応速度も非常に良い。危険なファイターの一人だと言うことはできますね。

ただ、2021年にウラディミール・シシュキン(カザフスタン)に敗北しており、これはフルマークの敗北だったことから、ある程度底が知れる相手でもあります。もし、このアグベコにモレルが苦戦するようなことがあれば、シシュキンはすぐさまモレルへ挑戦状を叩きつけるかもしれませんね。と、思ったらシシュキンはWBAランク外でしたね。

ともあれ、当然この試合はモレルが圧倒的優位。順当にいけば、モレルの勝利は固いでしょうから、ここに勝ってそろそろ名のある相手との対戦を見たいところですね。

 

 

 

クリス・コルバート(アメリカ)17勝(6KO)1敗

vs

ホセ・バレンズエラ(アメリカ)12勝(8KO)2敗

「Showtime」ではなく「Primetime」。これはジミー・レノンJrのアマプラ興行のコールの話ではなく、クリス・コルバートのニックネームの話。

この「Primetime」と名付けられたコルバートは、PBCの寵愛を受け、かなり担がれてきたボクサーです。非常に華麗なボクシング、スピード、スキル、ディフェンステクニックに優れ、リングIQが高い。言うなれば、「塩」の権化。ただ、そのコンビネーションは速く、勢いもあり、ステップインも速いものですから、多分ハイライトで見るとほとんど別の、非常にアグレッシブなボクサーに見えるはずです。普通の塩ボクサーのように、単発で終わらないのが彼の良いところ。

 

 

 

私はこのコルバートのことを応援していて、その出自も含めて好きなボクサーの一人です。

どうにか頑張ってほしい。

が、このバレンズエラ相手にはそのプレッシャーを持て余す部分は多く、前戦は「疑惑の判定」と呼ばれています。

今年3月、コルバートはエクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)に敗れて以来、そしてホセ・バレンズエラはエドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)に敗れて以来、それぞれが復帰戦というサバイバルマッチの舞台で激突。奇しくも二人ともドミニカンに初黒星をなすりつけられたボクサー同士でしたね。

この戦いは初回からバレンズエラがコルバートからダウンを奪うスタートで、その後も幾度かコルバートがダメージを被るという場面がありました。だからなのか、3-0のユナニマス判定(3者ともに95-94)という判定が出た時はブーイングがすごかった。

 

 

 

ただ、これはボクシングでよくある出来事であり、明らかに優勢のラウンドでなくても10-9と振り分けなければいけないラウンドマストシステムの弊害と言えるもので、明らかにコルバートがダメージ受けていたとしても、ラウンドを終えればリセットされてしまうので、この判定は見方によって変ではないと思います。

ともあれ、だからこその再戦、ダイレクトリマッチです。

勝敗の行方は、というと、メインイベントよりもこちらの方が興味をそそるわけですが、これは前戦を見ればどちらが勝ってもおかしくない一戦です。

コルバートがまたギリギリでポイントをピックアップしていく、ということも考えられますが、バレンズエラがまたどこかでコルバートにダメージを与える場面も想像できます。

そして、前回ジャッジングに対して批判があった、という一戦では、もしかすると今度はバレンズエラの攻勢の方にポイントが流れていきそうな気配もあります。

 

 

 

なので今回の予想としてはバレンズエラがやや優位か、と思いますが、オッズを調べるとバレンズエラが-115、コルバートが+115くらいで、賭けが成立しないくらいのレベルで拮抗していました。

両者ともに負けられない一戦だけに、好ファイトが期待できそうです。

そのほかのアンダーカードと配信

その他のアンダーカードとしては、ロバート・ゲレロ(アメリカ)vsアンドレ・ベルト(アメリカ)が話題の一戦となりますね。

両者は2012年11月に戦いゲレロが勝利、これがなんと11年ぶりの再戦となるようです。

互いに歳をとり、今年40歳を迎えたところ。半分引退状態だったところでのこの戦いは、エキシビジョンでも良いレベルかもしれませんね。

あとは元WBA世界スーパーライト級王者、アルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)も登場、ドーピング違反からの復帰戦に臨みます。

 

 

 

この興行はアメリカではもちろんShowtimeですが、日本ではWOWOWがオンデマンドでライブ配信してくれます。はっきり言ってカード的にはWOWOWがライブ配信を決意するのに物足りないカードではありますが、Showtime放映の最終興行ということで「今までありがとう」という意味を込めてのライブ配信(の権利を購入した)ようにも感じます。

ということでこのShowtime配信最終興行、是非WOWOWで!!

 

 

 

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【プレビュー】フライ級王座統一戦!サニー・エドワーズvsジェシー・ロドリゲス!英国ボクサーたちが米国へ乗り込む!!

来年のビッグマッチが発表されていますが、まだまだ今年のボクシングは終わりません。

今週末も盛りだくさんのファイトがあり、そのどれもが注目ファイトです。

とりあえず全てのプレビュー記事を書くのはすでに不可能と悟っているので、興味ある順にいこう。

まずは何の因果か、これまで37年に渡りボクシングを放映してきてくれた「Showtime」がボクシングから撤退、という12/16(日本時間12/17)、Showtimeラスト興行があるミネアポリスから1,649マイル離れた(googlemap調べ)アリゾナ州のグレンデールで、「Showtime」の異名を持つサニー・エドワーズがリングに上がります。

週末、個人的に最も興味を持っているのはこの戦いで、サニー「Showtime」エドワーズとジェシー「Bam」ロドリゲスの戦いです。

果たして、ここまで高いパフォーマンスをキープし続けている両者の激突は、どのような結果になるのか。

ということで今回のブログは、DAZNで放映されるバムvsエドワーズのプレビュー記事。

 

 

 

12/16(日本時間12/17)アリゾナ州グレンデール

IBF・WBO世界フライ級王座統一戦

ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)18勝(11KO)無敗

vs

サニー・エドワーズ(イギリス)20勝(4KO)無敗

もしもこの試合が、もう少し体重のあるもの同士の試合であったならば、いわゆるメガマッチとなり得るものだと思います。

彗星の如く現れ、圧巻のパフォーマンスでスーパーフライ級を席巻したジェシー・ロドリゲス。当時のスーパーフライ級4強のうち2人を明確に破ったその姿は、あっという間にスーパーフライ級最強説も飛び交ったほど。

メキシコ系らしくアグレッシブで積極的なファイトのジェシー「バム」ロドリゲスは、スキルフルでもあり、特に感銘を受けるのはクロスレンジでのサイドステップからの攻撃です。ただただ前進あるのみのメキシカンとは違い、さまざまなアングルから攻撃できるその様は、現代ボクシングとマチズモの融合とも取れるボクシング。

 

 

 

フライ級に下げてからは、正直な話スーパーフライ級の時ほどのインパクトを残せていないのも事実ではあるものの、この大一番においてはしっかりと仕上げてくるでしょう。

まだ23歳という若さですでに2階級を制覇、兄、ジョシュア・フランコ同様に非常に堅実で真面目な性格が推察されます。

対して「超」がつくほどの判定型であり、本当にこれっぽっちも相手を倒そう、打ちのめそうという気が全くないサニー「ショータイム」エドワーズ。

とにかくリングを広く使ってのエスケープ劇は、ディフェンシブというのを通り越してまるでパルクールです。

ディフェンススキルは非常に高く、ステップワークとボディワークを駆使してとにかくもらわないエドワーズは、パンチを出す頻度も少ないですが何だかんだとポイントを掻っ攫って行くスタイルで、これがつまらなそうに見えて非常にアクロバティックで面白い。

 

 

 

こちらもまだ27歳と若い、が、ちょっと禿げかかっては、いる。。。

サニー・エドワーズはずっと以前から統一戦を希望しており、本来戦いたかったのはフリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)。しかしマルティネスは諸々の問題があって結局この対決は実現せず、ロドリゲスとなったわけですが、マルティネス相手ならエドワーズはかなりやりやすいのではないか、とすら思うほどディフェンススキル、というか盲進してくる相手をいなす術に長けています。

間違いなくこの二人の試合は、バムがプレッシャーをかけて、エドワーズが逃げつつカウンターを狙う、という展開になるのですが、これがまたどっちが上回るのか、と問われれば非常に難しい試合でもあります。理由は一つ、バムは直線的に攻めるだけでなく、さまざまなアングルから攻め入ることができるからです。

だからこそ、非常に面白い。

 

 

 

個人的にはアメリカという開催地も含めてバムがやや優勢か、とも思います。

オッズもバムが-200、エドワーズが+200とかなり競ってはいますがバム・ロドリゲスがやや優位。

ただ、リングマガジンランキングではエドワーズが1位、バムは4位。一体どちらの評価が高いのか、と言われれば、よくわからない、が答えになると思うので、その分大変に興味深いですね。

白熱した、感動の一戦になるかどうかは別にして、とにかく勝敗、試合展開は非常に興味深い。それぞれの特異を押し付けるような、この戦いは注目です。

 

 

 

ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)11勝(8KO)1敗

vs

ケビン・ゴンサレス(メキシコ)26勝(13KO)無敗1分

セミファイナルはWBA世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦。

この試合の勝者は、井上尚弥vsマーロン・タパレスの勝者に挑戦できることになります。いつ挑戦権が回ってくるかはわかりませんが。

現在指名挑戦権を得ているのはWBCのルイス・ネリ(メキシコ)、IBFのサム・グッドマン(オーストラリア)であり、WBOは1位がグッドマンで2位がネリなので事足ります。

そして最後に残ったWBA、もし井上尚弥が(井上尚弥が勝つ前提ですみません)2024年に2試合であるならば、誰か一人は回ってこない可能性もあります。

 

 

 

さて、ここは元王者のアフマダリエフに勝ってほしいところですが、このケビン・ゴンサレスもなかなか一筋縄ではいかなそうなボクサーです。

KO率こそ高くはないものの、無敗でまだ底を見せていないボクサーで、一つの引き分けは6回戦で喫したもの。非常にエネルギッシュなファイターで、非常にタフでもあり、こういうボクサーは比較的誰とでも接戦に持ち込むことができるボクサーです。

こういう中間距離で戦わせてくれないボクサーは、倒すことが非常に難しい。

さらに、アフマダリエフは僅差とはいえ前戦で攻略されてしまったボクサーであり、また敗戦からの復帰戦ということも良い材料と言うことはできない状態。

ボクシングに絶対はない分、初黒星を喫したあと、アフマダリエフがペースを崩してしまっていても不思議ではないし、ケビン・ゴンサレスはまだまだ未知数な部分があります。

 

 

 

もしアフマダリエフの強打を恐れずにゴンサレスがインサイドに入り、万が一にもインサイドワークでアフマダリエフを上回ったら?もしくは、意外とアフマダリエフ対策で、タパレスのようにロングレンジからのジャブを多用し、またまた意外とそれが非常に巧かったら?

アフマダリエフといえど、この戦いは危ないのかもしれません。

個人的にはグッドマン戦、ネリ戦よりもアフマダリエフ戦が楽しみなので、ここはアフマダリエフに勝ってもらいたいところ。

決戦はもうすぐ、頑張れアフマダリエフでいきましょう。

 

 

 

そのほかのアンダーカード!!

あれ、これはイギリスのマッチルーム興行か??ってくらいイギリスのボクサーたちが大登場です。

一人はガラル・ヤファイ(イギリス)、言わずと知れた東京五輪のフライ級銅メダリスト。

そして来日経験もあるピーター・マクレール(イギリス)も登場するし、その弟のジョー・間クレール(イギリス)も登場しますね。

これらのイギリス人ボクサーたち、それはサニー・エドワーズも含めてですが、全員「U.Sデビュー」です。ディアマンテさん(なのかどうかは知りませんが)は毎度「U.S.デビュー!」と言わなければいけないわけで。

ともあれ、イギリスのプロスペクトたちが海を渡り、アメリカを侵食していく。この興行ではこのプロスペクトたちがAサイドです。ちょっと一風変わった雰囲気になりそうな感じもありますね。

 

 

 

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【プレビュー】ロベイシー・ラミレス、2度目の防衛戦の相手は185cmのフェザー級、ラファエル・エスピノサ!!

12月は毎週興味深い戦いがあって非常に嬉しい。

日本時間で12/4のライアン・ガルシアの登場に始まり、12/10はレジス・プログレイスvsデビン・ヘイニー、そして別会場でもロベイシー・ラミレスが登場です。

さらに12/17にはデビッド・モレル、そしてジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズ、翌週の12/24にはリヤドシーズンのヘビー級祭り。そのあとのことは、もう言わずもがな。

これらの戦いのうち、日本で視聴方法がないのがロベイシー・ラミレスvsラファエル・エスピノサによるWBO世界フェザー級タイトルマッチというのは少し寂しいですね。デビッド・モレルが登場するShowtime放映の最終興行は、無事にWOWOWでライブ配信が決まったようで良かったですが。

ということで今回のブログは、ESPNで放映されるロベイシー・ラミレスvsラファエル・エスピノサについて。

 

 

 

12/9(日本時間12/10)アメリカ・フロリダ

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ロベイシー・ラミレス(キューバ)13勝(8KO)1敗

vs

ラファエル・エスピノサ(メキシコ)21勝(18KO)無敗

ロベイシー・ラミレス。アマチュア大国キューバ出身のこのボクサーは、五輪連覇というアマチュア実績を持っている、というだけでなく、2012年のロンドン五輪では初戦で日本の誇る須佐勝明を破り、マイケル・コンラン、ツグスソグ・ニャンバヤルに勝利して金、2016年のリオ五輪ではムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)を連覇するというとんでもない経歴を持っています。

キューバから亡命し、アメリカに渡ってプロとなった、というのはキューバン・ボクサーのある種正しい道のりではありますが、この大きな期待を背負ってのプロデビュー戦ではなんと敗北を喫するという波乱のプロキャリアスタートを切っています。

いまだに、この敗北は意味がわかりません。

 

 

 

その後、プロとしてはやや脆弱性を有するかに思えたラミレスは、戦うたびに力強さを増し、デビュー9戦目で地域タイトルを獲得、その後エイブラハム・ノバ(当時プエルトリコ)とのプロスペクト対決を最上の形で勝利、2023年にはアイザック・ドグボエ(イギリス)に完勝してWBO世界フェザー級王座を射止めています。

3ヶ月後の初防衛戦では清水聡を圧勝の5RTKO、日本のファンにもその強さを見せつけています。

現時点でいえば「井上尚弥最大のライバル」と言っても差し支えのないのがこのロベイシー・ラミレス。ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)というのも面白いですが、やはり現在のフェザー級の中でこのラミレスは頭ひとつ抜けているようにも思います。

とにかく上手いラミレスは、スピードもパワーも飛び抜けているわけではないですが、やはりボクシングという競技をよくわかっている、というようなイメージです。

 

 

 

デビュー戦の負けは都合よく無視するとして、このラミレスに勝てるボクサーはどんなボクサーなのか。

やはりその出自というものも考えると、一発があってボクシングの範疇から逸脱するようなボクサーではないか、と考えています。そういう意味で言うと、清水聡には期待していました。

しかし結果としては無残なもので、清水は何もできずに完敗。

そして2度目の防衛戦の相手が、180cmもの長身を誇る清水聡をさらに凌駕する、185cmの長身ボクサーだというのもなかなかのセレクトだと思います。

ラミレスの防衛戦の相手となるラファエル・エスピノサというボクサーは、とにかくでかい。やはりメキシカンらしく、アグレッシブファイトを好むボクサーであり、非常に長いボディブローを持っている等やりづらいボクサーでもあるでしょう。

 

 

 

パンチの出も清水と比べてスムーズで、強い弱いは置いておいて、清水よりもよりまとまったボクシングをするイメージ。

その分、はっきり言ってボクシングをさせるとラミレスに敵うとは思えない、というのも本音。はっきり言って仕舞えばラミレスの負ける姿は想像できませんが、このラファエル・エスピノサがボクシング的なものをかなぐり捨ててグイグイと前に出ていけば面白くなるのかもしれません。

このエスピノサ、今回が初めてメキシコ国外の試合だそうです。

ラミレスが決して安全な相手を選んだというわけではないでしょうが、ちょっと物足りなさを感じるマッチアップであることも事実。

 

 

 

というのが一般的な味方だと思われるので、だからこそ、エスピノサの奮闘に期待したい思いもあります。世界タイトルマッチを契機に化けるボクサーはいくらでもいるし、ちょっとキワモノ系(失礼)になりうるポテンシャルを秘めているだけに、ここで覚醒してくれるのも面白いかもしれません。

「いつもの」アンダーカード!!

トップランク興行における世界タイトルマッチといえば、プロスペクトたちがこぞって大したことない相手と戦うアンダーカードが主流なわけですが、今回もそんな感じ。

まずはザンダー・ザヤス(プエルトリコ)。トップランク期待の21歳はもう地域タイトル2冠王者というところまで来ています。来年はどこかでメイン抜擢なるのでしょうか。

 

 

 

他にはブルース・カリントン(アメリカ)、こちらの対戦相手はジェイソン・サンチェス(アメリカ)、オスカル・バルデス(メキシコ)への挑戦経験もあるボクサーですね。とはいえ、クリストファー・ディアス(プエルトリコ)、アダム・ロペス(アメリカ)といった中堅ボクサーに敗れている経緯があるので、ここで大きな飛躍があるわけではありません。

デランテ「タイガー」ジョンソン(アメリカ)も登場ですね。このタイガー・ジョンソンも非常に巧く、期待されているボクサーではありますが、若干シャクール化してきていそうなボクサーなので、ちょっと心配です。

そして個人的な「アメリカンヘビー級期待の星」と勝手に思っているリチャード・トーレスjr(アメリカ)も登場です。この大型化が進むヘビー級において、188cmの小兵がどのように挑んでいくのかを非常に楽しみにしています。

 

 

 

配信情報

ということで日本での配信情報は無し。

アメリカでは安定のESPNの放送で、日本時間のお昼くらいにメインイベント、というところでしょう。

私はESPNが見れる状況にはあるので、皆さんが見れないこの試合の観戦記はいち早く書き上げたい(誰も期待していないかもしれないですけどw)ところではありますが、あいにくとこの日は国公立大大会という年に一度のボクシング大会があり、それが終わって帰宅するとおそらく深夜の1時とか2時。

そこから試合を見始めると翌日に支障をきたすので、観戦記は早くても月曜日の夜になりそうですね。う〜ん、残念。

 

 

 

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