信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】サウル・アルバレスvsゲンナディ・ゴロフキン「THE TRILOGY FIGHT」!

9月も中旬に入りました。

9月第三週は、日本では13日(火)フェニックスバトルから17日(土)の3150FIGHT SURVIVAL、そしてアメリカではカネロvsGGGのトリロジー。

楽しみなウィークデイからウィークエンドですね。

私は、というとそのすべてをリアルタイムで視聴できないので(笑)、FODプレミアムとABEMAプレミアムに加入してひとりディレイ視聴します。

そしてもちろん、DAZNも。

 

待ちに待った、というよりも、とうとうこの日が来てしまった、という日本時間で9/18(日)。

日本でその勇姿を見せてくれたGGGが、キャリアで唯一引き分け、敗北を喫しているカネロに挑みます。

日本国民の多くがGGGの健闘を祈る、メキシコ独立記念日興行のプレビューです。

↓日本ではウィークデイ、平岡アンディ防衛戦!!

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9/17(日本時間9/18)アメリカ・ラスベガス

世界スーパーミドル級4団体統一タイトルマッチ

サウル・アルバレス(メキシコ)57勝(39KO )2敗2分

vs

ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)42勝(37KO)1敗1分

メキシコの独立記念日である9/16、その前の土曜日かその後の土曜日に開催されるのが、独立記念日興行。

サウル・アルバレス(=カネロ)はこの日とシンコ・デ・マヨ(5/5付近)興行には毎度参加していますが、GGG第一戦、第二戦、そしてフロイド・メイウェザーJr(アメリカ)との試合もこの日の興行でした。

ゲンナディ・ゴロフキンの持つWBAスーパー・IBF・WBC世界ミドル級統一王座に挑戦した第一戦は2017年9月、これは引き分け。但し、ゴロフキン勝利を推す声も多かった。

 

第二戦は丁度1年後となった2018年9月、この再戦で2-0の判定勝利を飾り、当時ゴロフキンの持っていたWBAスーパー・WBC王座を獲得しました。

ただ、この第二戦についてもゴロフキンの勝利を推す声、ドローだったという声も多く、とりわけ第一戦でカネロの118-110というとんでもスコアをつけたジャッジがいたことにも起因して、疑惑の判定として扱われる傾向があります。

個人的には、初戦はゴロフキンの僅差判定勝利が妥当、ドローでもまあ許せるかな、という思いもありますが、2戦目はドローが妥当でカネロの勝ちもあり得るか、という感じ。

そこから4年もの歳月を経て、二人を取り巻く環境は大きく変わりました。

 

カネロのGGG2後

カネロはゴロフキンとの統一戦に勝利したあと、周辺階級をさまよい、スーパーミドル級でタイトルを獲ったかと思うとミドル級に戻ってダニエル・ジェイコブス(アメリカ)と戦い、ライトヘビー級へ行ってセルゲイ・コバレフ(ロシア)を撃破。

その後スーパーミドル級の統一に狙いを定め、カラム・スミス(イギリス)、ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)、カレブ・プラント(アメリカ)を次々と撃破してあっという間にスーパーミドル級王座を統一してしまいました。

そのパフォーマンスを見ても圧巻で、本当に無双状態でしたね。

スーパーミドル級にめぼしい相手がいなくなったからなのか、この頃カネロはクルーザー級挑戦も口にしつつ、最終的にはライトヘビー級でドミトリー・ビボル(ロシア)挑戦を宣言。

これは大変危険な賭けではありましたが、比較的良い相手を選んだ、というのが感想であり、当然、アルツール・ベテルビエフ戦ではなくドミトリー・ビボルというのが要点。

 

パワーパンチャーとはいえないビボルに、あの明らかに打たれ強そうでディフェンスも良いカネロを倒し切る力はない、と思われ、そして判定ではカネロに勝てないだろう、と思われたのが話の筋だからです。

しかし、試合はビボルが明確にポイントをピックアップ。

カネロのパワーはライトヘビー級のビボルにはこれまで通りは通じず、更にビボルは過去イチと言って良いパフォーマンスを発揮、様々な事がビボルにとって良いように働いた一戦でもありました。

↓観戦記

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カネロはこの試合で3者ともに115-113という小差の判定で試合を落とし、フロイド・メイウェザー戦以来の黒星を喫しました。

では、これでカネロの神話が崩れたか、というとそういうわけでもなく、ライトヘビー級の超安定王者相手にここまで詰め寄った、というのは、ウェルター級上がりのボクサーとしては、常識的に考えるととんでもないことなのです。

そして今回はカネロのウェイト、スーパーミドル級での一戦。ゴロフキンには、かなり厳しい戦いが予想されています。

GGGのカネロ2後

GGGについては、カネロ第一戦の少し前から書かなければなりません。

GGGは2017年3月、ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)との王座統一戦に勝利、ミドル級の3団体王者となりますが、これは苦戦とよんで良い一戦でした。

 

このジェイコブス戦前、ウィルフレド・ゴメスと並ぶ17連続KO防衛を果たしていたゴロフキンは、この試合で初めて「底」を見せたと言って良い。そしてこれはさらに、今思えばほんの少しの「衰え」を見せた一戦でもありました。特に「後半にジェイコブスに盛り返された」という点は非常に大きな事のように思えますね。

ここに目をつけたのか、カネロはゴロフキンへオファー、第一戦が決まりました。

そしてGGGvsカネロ1の1年後、更に衰えを見せるゴロフキン、3度目があるとするならば、これまでよりもしっかりと決着がついてしまうのではないか、と思われていました。

しかし、この3戦目は話題に登るも決まらず、結局この試合の決定権はカネロにあります。

カネロは上述の通り、周辺階級で戦った後スーパーミドル級で無双、結局この3戦目を開催する日程は2戦目から4年の歳月を必要としました。

 

この4年、スーパーミドル、ライトヘビー、ミドルと精力的に戦ってきたカネロと違い、ゴロフキンはたった4戦。明らかな格下スティーブ・ロールズ(アメリカ)戦を経て、その後IBF王座決定戦でセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)に勝利しますが、これもまた大苦戦。この試合もまた、後半には失速していました。

そのIBF王座の初防衛戦ではこちらも格下、カミル・シェルメタ(ポーランド)戦を経て、WBAスーパー王者の村田諒太(帝拳)戦。村田戦も、苦戦のうちの一つと言って良いと思います。少なくとも、圧勝という内容ではなかったと思います。

↓観戦記

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カネロとGGGのトリロジー

現時点でのボクサーとしての実力は、残念ながらカネロの方が上と言わざるを得ません。

カネロは前戦で敗北を喫したものの、それはカネロが衰えたから、とか、戦略面が悪かった、とか、何かカネロ側の問題があったわけではない、と思うからです。

勝ったビボルが強かったですし、サイズの差は思った以上に大きかった、というのが現実でしょう。

そして今戦、カネロが素晴らしいパフォーマンスを発揮してきたスーパーミドル級での戦いであり、ゴロフキンはこれまでほとんどミドル級リミットを上回って試合をしたことはありません。

そして、4年前より更に、明らかな衰えが見えるゴロフキン。

こうなってしまうと、ゴロフキンの勝ち目はかなり薄い。

前戦の試合展開は、当てにならないかもしれません。

 

カネロを相手に、下がりながら戦うのも危険、前に出て戦うのも危険。ただ、前に出て戦う方が(リスクは大きいが)チャンスがあるのかもしれません。それでも、前に出れば被弾のリスクがあり、被弾すれば(どちらがダメージを与えたかは置いておいて)カネロにポイントが流れてしまわないとも限らない。。。

いろいろ考えても仕方ありませんから、ここは奇跡を期待しましょう。

WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ

ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)16勝(11KO)無敗

vs

イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)28勝(11KO)4敗1分

ジェシー・ジェームス・ロドリゲス・フランコ。愛称「バム」。ちなみに、「バムバム」と呼ばれると怒るそうです笑。

メキシコは、ファーストネームがふたつ(この場合ジェシーとジェームス)、ラストネームがふたつ(この場合、ロドリゲスが父方の名字でフランコが母方の名字)。

ファーストネームもラストネームも、バリエーションが比較的少なく、被ってしまうことから本名が長い、ということが理由だそうです。以上、メキシコのどうでも良い薀蓄。

 

さて、そんなメキシカン・アメリカンであるバム・ロドリゲス、前戦は2022年9月に登場し、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)を撃破。その前は、2月にカルロス・クアドラス(メキシコ)を退けています。

スーパーフライ級に彗星のごとくあらわれたバムは、突然4皇(とは呼ばれていませんが4強)の一角を崩し、最も不確定要素の強いシーサケットにストップ勝ち。今年だけで一気にスーパーフライ級のトップ戦線に躍り出ました。

すでに、エストラーダやロマゴンにも勝利できるポテンシャルがある、と思います。

むしろ、ちょっと疲れた雰囲気のエストラーダやロマゴンよりも、非常にエネルギッシュで機動力があるバムの方が、実績抜きにして語れば優位のような気もします。

そんなバムは、シーサケット戦からたったの3ヶ月弱でまたも防衛戦。

対戦相手はイスラエル・ゴンサレスで、このイスゴンはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)とカリド・ヤファイ(イギリス)、そしてローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の持つ世界タイトルへの挑戦経験を持つものの、3度とも失敗に終わっている、というボクサー。

 

ロマゴンへの挑戦権をかけた挑戦者決定戦では、石田匠(井岡)に競り勝った経験もあります。

ただ、どうしても今回はバムによほどの不調がなければ、勝利を手繰り寄せるのは難しいでしょう。

バムとしては勝利は必然として、後はパフォーマンスが大切です。

ロマゴンでも倒せなかったこのイスゴンを倒す事ができれば、更に評価を高める事ができるでしょう。

ちなみに、このバム、すでに12/3の興行にも出場予定である、とのこと。

この12/3のメインは、エストラーダvsロマゴン3。そのアンダーカードでバムを登場させ、おそらく来年の春頃にエストラーダvsロマゴンの勝者vsバム・ロドリゲスを実現させる、というのがマッチルームの青写真のようです。

その後もバムがスーパーフライに残ってくれるのであれば、そこで評価が最高潮に達したバム・ロドリゲスvsスーパーフライでタイトルを獲った中谷潤人、もしくは井岡や田中恒成が絡んで、と夢が広がりますね。

エストラーダvsロマゴンについては、すでに興味を失っている人も一定数いるとは思いますが、その試合を含め、スーパーフライ級の今後は非常に楽しみなものです。

 

その他のアンダーカードは、アリ・アフメドフ(カザフスタン、18勝14KO1敗)がガブリエル・ロサド(アメリカ、26勝15KO15敗1分)と対戦する他、

ミドル級プロスペクトのオースティン・ウィリアムス(アメリカ)11勝(9KO)無敗

スーパーミドル級プロスペクトのディエゴ・パチェコ(アメリカ)15勝(12KO)無敗

ライト級プロスペクトのマーク・カストロ(アメリカ)7勝(5KO)無敗

といった注目株が次々登場です。

こちらも興味深いですね。

【放送・配信】

この興行は、DAZNが生配信。

日本ではDAZNの月額の範囲内ではあるものの、多くの国ではDAZN PPV。

アメリカ、カナダでは84.99米ドル(約12,000円)(DAZN未加入者は64.99米ドル)

イギリスでは9.99英£(約1,700円)(DAZN未加入者は17.98英£)

オーストラリアでは44.99豪ドル(約4,400円)(DAZN未加入者は58.98豪ドル)

北米の人たち、かわいそうですね。。。

 

我々はありがたい事に、月額料金のみで見る事ができるので、比較的安価と言って良いでしょう。

さて、日本での配信日時は、9/18(日)AM9:00〜。

来日経験もあるゲンナディ・ゴロフキン、日本での知名度もあると思うので、是非皆さんも周りに進めてみましょう。以外とボクシングへの取っ掛かりはこういうところにあるかもしれません。以前のGGGvs村田を見て、感動した人は多いはずですから。

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【プレビュー】PXB!平岡アンディvsラガンベイ!アンダーは松本圭佑、中垣龍汰朗、重里侃太朗!

本日は9/9(金)。

ということは翌日は矢吹正道vsタノンサック・シムシーが行われるGREEN DREAM。

信じて待っていましたが、残念ながら三重テレビ以外での視聴方法はなさそうですね。。

↓プレビュー記事

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こういうコンテンツを埋もれさせるのはもったいないので、後日でも良いのでどこかで見られうようにしてほしいものですね。

ともあれ、来週もウィークデイからボクシングは盛ん。

来週末はカネロvsGGG3の世界が注目する興行があり、日本でも3150FIGHT SURVIVALと題した日本フェザー級タイトルマッチが開催されます。日程がずれているので本当に安心して見られますね。

さて、その週末の前、9/13(火)にも注目興行、フェニックスバトルです!!

毎度のように楽しませてくれる、フェニックスバトル。今回のラインナップもまた、興味深いものですね。ということで今回のブログでは、9/13に行われるフェニックスバトルのプレビューです。

 

9/13(火)フェニックスバトル

WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ

平岡アンディ(大橋)20勝(15KO)無敗

vs

アルビン・ラガンベイ(フィリピン)13勝(11KO)5敗1分

平岡アンディは、2021年9月に獲得したアジアタイトルの3度目の防衛戦。今回はフィリピン人が対戦相手、ということであり、日本タイトルは懸けられません。

幼い頃から父・ジャスティスに薫陶を受けてきた平岡アンディのボクシングは、非常に安心感の高いものです。比較的ディフェンシブな、アメリカナイズドされたボクシングですが、そのKO率は極めて高く、ハードパンチも併せ持つボクサー。

古くはジュニア・ウェルター級と言われたこの激戦階級で、世界へ届くか、というのがこのボクサーの焦点です。

なので、当然ここで負けるわけにはいきません。

 

タイトルを獲得した佐々木尽(八王子中屋)戦では、ウェイトオーバーした相手をしっかりと躱しきり、11RTKO勝利。初防衛戦となるアオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)戦では前半完璧な組み立てを見せるも後半に入ってやや失速、これは減量の影響があったようですが(試合直後、脱水症状で病院に搬送)。これもまた素晴らしいカウンターで10RTKO。続く2度目の防衛戦は変則ファイター・赤岩俊(マナベ)を寄せ付けず、余裕を持ちすぎたほどの戦い方で6RTKO勝利。

ここまで、タイトル戦の3度のKO勝利を含む、6連続KO勝利を記録しています。

今回のチャレンジャーは、アルビン・ラガンベイ。日本にも何度か来日しているボクサーです。

2017年の初来日時に斎藤一貴(角海老宝石)に4RTKO負けも、2度目の来日となる2018年4月、WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチでは、当時の王者小原圭太(三迫)にまさかの 2RKO勝利。

 

世界を窺う小原に対して、素晴らしいアップセットをおこしました。

再戦では3RTKO負けを喫するも、日本人のボクシングファンには大きなインパクトを残しましたね。

思い切り降ってくるタイプのフィリピン人ファイターであり、怖さのあるボクサーです。

小原との再戦で敗戦したラガンベイは、再起戦で引き分け、その後2連敗とスランプに入りますが、同国人との対決で復活し、現在4連勝中と調子を上げてきています。

現在のラガンベイがどれくらいの強さを誇っているのか、はよくわかりませんが、ラガンベイはブンブン振り回して少しはチャンスが出てくるのかもしれません。平岡はあまりにも強いプレッシャーを嫌がる傾向にあります。ただ、それを12ラウンズに渡り続けられるかどうか、というところと、KO負けの多いラガンベイはあまり打たれ強いとは言えないので、おそらくは序盤から平岡のカウンターをもらってしまうとフルラウンド戦い抜くのは厳しいでしょう。

なので、基本的にはここは平岡アンディに圧倒してもらいたい試合であり、そうなるべき一戦だと思います。

前戦のように相手をなめたところを見せずに、きっちりと仕留めてもらいたい。

勝敗云々よりも、そのパフォーマンスにこそ、期待をしたい。

 

フェザー級8回戦

松本圭佑(大橋)5勝(5KO)無敗

vs

石田凌太(角海老宝石)11勝(6KO)3敗

大橋ホープ、松本圭佑のプロ6戦目。

2020年8月のプロデビュー戦では初回開始早々にダウンを奪われ(結果は松本の4RTKO勝利)、デビュー2戦目ではベジータ石川(折尾)に開始早々に左オーバーハンドを当てられる、という立ち上がり(結果は松本の初回TKO勝利)で、大いに不安な船出を迎えた松本。

しかし、3戦目以降は安定感がぐっと増し、攻撃すればその素晴らしい攻撃力は目をみはるものがあり、ディフェンスにおいては強いフィジカルを示しています。

おそらく自信もついており、勢いがある、というのはこういう事をいうのでしょう、という状態。現在は日本フェザー級ランキング9位にランクイン、キャリアを積み重ねてまずは日本タイトル狙いという所でしょうか。

 

対するは元日本ランカー、石田凌太。

前戦、2022年2月の試合では渡邉海(ライオンズ)に初回33秒TKO負け。ただ、これは本人も非常に不本意な所があるでしょうね。

渡邉の長い右を喰らい、たしかに効かされてしまったという事実はありましたが、まだまだあそこから回復して戦えたかもしれません。

いっそのこと、あそこで一度倒れていれば、また違った展開になったかもしれませんね。

「早すぎるストップはない」とは言うものの、選手の未来を奪ってしまうようなストップはどうかと思う。ちなみに、この試合のレフェリーは、私が思うにいつもストップのタイミングが非常に微妙で、そのストップの声がけや割って入るという行為も、上手いとは言えません。

ともあれ、前戦で本領を発揮できなかった石田は、この試合に期するものがあるはずです。

現在の勢いを考えると、松本優位は動きません。

ただ、石田にとってはまさに人生を左右する一戦となり得、そのモチベーションの高さはアップセットを可能にするのかもしれません。松本は、そんな石田の気持ちごと、倒し切る事ができるか。

 

53.0kg契約8回戦

中垣龍汰朗(大橋)2勝(2KO)無敗2分

vs

吉田京太郎(ワタナベ)2勝無敗

松本圭佑と同じ日にプロデビューを果たした、かつてのライバル中垣龍汰朗。

中垣は松本とは異なり、プロデビュー戦、デビュー2戦目を危なげなくKO勝利しています。しかし、続く3戦目での花田歩夢(神拳阪神)との日本ユース・スーパーフライ級王座決定戦ではドロー。これは素晴らしい名勝負であり、好試合が多いユース・タイトルマッチの中でも、指折りの技術戦であり、好試合となりました。

若くて強くて上手いボクサーたちの台頭は、ボクシング界の未来を感じさせるものでした。

これから、という中垣でしたが、その次の一戦では近藤冬真(蟹江)とのスーパーフライ級戦でもドロー。しかも、この試合はおそらく近藤頌利を推す声が多いのではないか、という試合内容。それほど、近藤のプレスはきつかったと思います。

2戦連続ドローということで、2021年1月以来、勝ち星から遠ざかっています。更にいうと、A級未勝利、となっている中垣。ここは良い勝ち方をしたいでしょうね。

 

対して吉田京太郎、こちらもB級デビューのボクサーで、ここまで2戦して2勝、今戦がA級初戦となります。

絶妙に距離を作って長いジャブを打ち、はいってくる所に右カウンター、そしてコンビネーションへとつなげていくボクサーファイターですね。

比較的バランスの良い、技術力に長けたボクサーだと思いますが、このテのタイプは中垣も不得意とは思わないような気がします。

アマチュアボクシングでしっかりとした実績を残してきた中垣にとっては、逆に言うと戦いやすいタイプにも見えますね。おそらく中垣にとってのアキレス腱は、それこそ近藤のようにこれでもかというほど突き抜けたプレスを持ったボクサーのように思います。

なので、ここは中垣にしっかりとした勝利を手にしてもらいたい、というところです。

 

スーパーフライ級8回戦

重里侃太朗(仲里)4勝(2KO)無敗

vs

ダンリック・スマボン(フィリピン)12勝(9KO)2敗

さて、重里侃太朗(じゅうりかんたろう)。プロ4戦、ですが、その中身は非常に濃い。濃すぎます。

プロデビュー戦こそどこの馬の骨ともわからないインドネシア人(当時5戦して未勝利)のボクサーでしたが、その後、東大河(平仲)、近藤冬真(蟹江)、そして前戦では黒田雅之(当時川崎新田)という戦歴。

そのすべてに勝利した重里は、現在日本スーパーフライ級15位というランキングを獲得しています。もっと上でも良いくらい。

黒田戦に続きフェニックスバトル登場となる重里、今後も登場する可能性がありますね。ということは、のちのち、中垣vs重里なんていうのもあり得るのかもしれません。

 

今回の対戦相手、ダンリック・スマボンに関しては何も調べていませんが、フィリピンというお国柄から思い切りの良いボクサーが連想され、その勝数に対するKO率を見て、確信めいたものに変わりますね。

14戦して12勝、このうち9つのKO勝利、そしてたった2敗というのは、非常に恐ろしい戦績でもあります。しかも、この選手はすでに12Rを戦ったボクサーで、WBAアジアのベルトへの挑戦経験があるようですね。(結果は12Rスプリットの判定負け)

「期待できるフィリピン人」と、「世界挑戦経験者を破ったホープ」の一戦は、非常に興味深いですし、このスマボンについては謎で、これもまた楽しみです。

その他6回戦が2試合、4回戦を1試合を予定しています。

 

【放送・配信】

この興行は、毎月放送されるフジテレビのボクシング番組、「フジボクシング」での放映が決まっています。偶数月はダイヤモンドグローブ、奇数月はフェニックスバトルで分け合っている放送枠ですね。

そしてこのフジボクシング、以前は録画放送でしたが、今現在はFODプレミアムで生配信をしてくれています。(その後、フジテレビで編集版を録画放送、FODでもその編集版を配信)

FODの配信ページは、前日にならなければ出てきませんのでご注意ください。

日時は9/13(火)17:50〜と思われます。(興行開始時間)

↓FODプレミアムはこちらから

 

FODプレミアム

 

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【プレビュー】中部のカリスマ王者、復活なるか!?矢吹正道vsタノンサック・シムシー!

週末は、クラレッサ・シールズvsサバンナ・マーシャル、そしてミカエラ・メイヤーvsアリシア・バウムガードナーという女子ボクシングの大注目試合があります。

↓プレビュー記事

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ちなみに私はこのプレビュー記事を書いて、ボクシングファンの興味・関心を測っているわけですが、まあこのプレビュー記事のアクセス数の少なさといったら近年稀にみるものです。

ちょっとこの試合に興味がないのは残念ですね。

日本版FITE.TVでも中継してくれるので、9/11(日)是非見てもらいたいと思いますが。

とはいっても、やはり日本のボクシングファンの注目試合はこの試合。

何といっても矢吹正道の復帰戦でしょう。

ということで今回のブログでは、矢吹正道vsタノンサック・シムシー、GREEN DREAMのプレビュー記事です。

 

9/10(土)GREEN DREAM

50.0kg契約10回戦

矢吹正道(緑)13勝(12KO)4敗

vs

タノンサック・シムシー(タイ)24勝(22KO)無敗

前WBC世界ライトフライ級王者、矢吹正道の復帰戦。

2016年にプロデビューした矢吹は、2016年の新人王トーナメントに出場。順調に勝ち上がりますが、全日本新人王決定戦の相手は現在のWBO世界フライ級王者、中谷潤人(M.T)。当時のトーナメントで東日本MVPの中谷と、西軍MVPの矢吹の対決は注目を集めましたね。

試合は序盤、矢吹が優勢もスタミナ切れをおこし、後半に中谷が盛り返して判定勝利を収めたような印象。

初黒星を喫した矢吹でしたが、その後3連勝でB級を卒業、当時から岡山のホープだったユーリ阿久井政悟(倉敷守安)戦にコマを進めます。

結果、初回1分半ほどで勝負のついた試合ではありましたが、一発で試合を終わらせるパンチングパワーを持つ者同士の一戦、「先に当てた方が勝つ」というイメージの試合だったと思います。

 

その再起戦で当時の世界ランカー、ヒルベルト・ペドロサ(パナマ)を2Rで撃破するも世界ランクには入らず、次戦でダニエル・マテヨン(キューバ)にスプリットの判定で惜敗。現在もWBAランク1位をキープするマテヨン戦は、この当時は時期尚早だったかもしれません。

思えばこの頃は、勝ってもなかなかランキングに入らなかった雌伏の時期でしたね。

この次期を抜けた矢吹は、べ・ミンチェル(韓国)、大保龍斗(横浜さくら)、挑戦者決定戦で芝力人(当時RK蒲田)、王座決定戦で佐藤剛(角海老宝石)を4連続KOで撃破、見事日本タイトルを手にします。この頃が一気にメジャーに駆け上がった次期ですね。

「誰もやりたくない」恐怖のノーランカーから、「誰もやりたくない」日本王者へと駆け上がった矢吹には、初防衛戦後、世界タイトルの話が舞い込みます。

 

これは自然な話で、ライトフライ級の日本タイトルは世界への特急列車であり、しかも折しもコロナのパンデミックが興っている頃。そして日本王者が階級に2人、ということで、矢吹の挑戦はしやすかったと思われます。

2021年、絶対王者と言われた寺地拳四朗(BMB)は、具志堅用高の持つ「13」という世界王座防衛記録を抜く事を公言していました。

これまでの防衛戦でも強さしか見せていない、拳四朗の牙城を崩せるか、というと、「基本的には拳四朗優位で、矢吹は一発を当てられるか」というところが焦点。

しかし試合は序盤から矢吹がポイントを取り、それに焦ったのか拳四朗が出てきて距離が詰まり、そして効かされつつも気持ちで押し切り、見事な10RTKO勝利。絶対王者を打ち負かし、WBC世界ライトフライ級王者へと登りつめました。

↓観戦記

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これはほんっとうにものすごい試合でした。

しかし、この矢吹の栄華は長くは続かず、2022年3月に行われたダイレクトリマッチで拳四朗に敗北。拳四朗が今までのボクシングを一旦捨ててプレスをかけ、あっという間に試合を終わらせてしまいました。

↓観戦記

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これで引退か、とも思われましたが、矢吹は復帰。もう一度、世界タイトルを目指すと宣言しています。

その矢吹の復帰ロードを阻まんとする、タノンサック・シムシーについては、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。

2020年11月3日、WBAスーパー世界ライトフライ級王者、京口紘人(ワタナベ)へ挑戦予定だったボクサーです。

ムエタイからの転向組で、デビュー9連勝を飾ったところでグリーンツダジムが目をつけて契約の運びとなり、現在もタイでの所属でもあるのでしょうがグリーンツダの契約選手。

2020年11月の京口戦では、来日し、ホテル隔離され、ホテルの狭い一室で調整する姿がありましたね。

しかし試合は京口のコロナ罹患による直前のキャンセル、残念ながらシムシーは世界挑戦をし損ねてしまいました。

「日本で防衛戦をするならシムシーを第一優先に」という約束事があったはずですが、京口はアメリカ、メキシコと転戦、今のところ京口挑戦は叶っていません。

ちなみに、京口挑戦決定時の戦績は14勝(12KO)無敗というもの、そこから1年10ヶ月というのはものすごいキャリアの積み方です。

 

とはいえ、シムシーの戦ってきた相手はそのほとんどがキャリアのない相手。2019年に世界ランカーに挑戦して世界ランクを得てこそいますが、まだまだ謎に包まれたボクサーです。

ちなみに、試合映像を見ると、素晴らしいコンビネーションとパワーを持ったボクサーで、格下相手にしっかりときれいな形で倒しきっている事から、強敵だと思います。

私が見たいくつかの映像では、強引に倒しに行っている、というよりも、カウンター、同時打ち等を繰り出し、コンビネーションの上下の打ち分けも素晴らしい。「対戦相手の質が」と言われるとそれまでなのですが、ハッキリ言ってこのシムシーは超危険なボクサーだと思います。

 

しかも、矢吹正道というボクサーは、決して打たれ強いボクサーではないと思います。

私は矢吹をカウンターパンチャーだと思っていますが、ハートも非常に強く、いざとなればなりふり構わずファイタースタイルを貫けるボクサー。ただ、ここで逆にシムシーのカウンターをもらってしまわないとも限りません。

この一戦は、実績的に勝り、数々の激闘を繰り広げてきた矢吹に分がある試合、とまとまるわけですが、タノンサック・シムシーは非常に強く、巧さも兼ね備えたボクサーだという事を知っておいた方が良いかもしれません。楽な試合にはならないでしょう。

 

アンダーカード

セミファイナルには村上勝也(名古屋大橋)vs見村徹弥(千里馬神戸)のフライ級8回戦が予定されており、その他のA級戦はバンタム級8回戦で仁平宗忍(ワタナベ)vs溝越斗夢(緑)が予定されています。

このGREEN DREAMは三重県で開催されますが、三重県のARITOMIボクシングジムからは女子バンタム級8回戦で樋口藍、フライ級6回戦で東健史、55.0kg契約4回戦では樋口怜良が出場予定。このボクサーたちは、地元で試合をできる稀有な機会。是非ともがんばってもらいたいですね。

 

放送・配信

この興行の放送予定は、9/10(土)19:00〜三重テレビで生中継予定。

地上波、ですが、三重テレビでは映る所が限られてしまいますね。

何とか配信情報がないものか、と探してみましたが情報はなく、三重テレビに問い合わせまでして(迷惑!)みましたが、音沙汰なし。三重テレビのYoutubeをリロードしまくってみても徒労に終わる。

本日9/8(木)、明日、9/9(金)に情報が出るように祈りましょう。

 

 

 

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京口紘人vs寺地拳四朗!岩田翔吉の世界初挑戦、中谷潤人はSF級転向?11/1は軽量級フェスは正式発表を待つ。

9/3(土)、AM。

非常に興味深い情報が流れてきました。

11/1、日本で計画されている、と伝えられた試合は以下の通りです。

WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級王座統一戦

京口紘人(ワタナベ)vs寺地拳四朗(BMB)

WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ

ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)vs岩田翔吉(帝拳)

スーパーフライ級10回戦

中谷潤人(M.T)vsフランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)

これは、何という魅力的な興行でしょうか。

今回は、正式発表こそまだですが、今回リークされたこの興行について。

 

とうとう決まりそう、京口vs寺地

待ちに待った待望の一戦。京口はハワイへキャンプ、拳四朗はロスに出稽古、というそれぞれの情報がSNSで上がっていたために、そろそろか、との思い(ファンとしての心の準備)はありましたが、情報のソースは海外からのもの。正式発表ではなく、あくまでもリークされたものです。

リングマガジン王者であり、海外でも精力的に防衛をこなすWBA王者、京口紘人。Youtuberとしての影響力も相まって、国内でもメジャーなチャンピオンという部類に入り、海外でも「Kyoguchi」の名前を知るファンは多いと思われます。

前戦、2022年6月にエステバン・ベルムデス(メキシコ)との団体内統一戦をクリアした後、WBO王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)との統一戦が持ち上がりました。これはカネロvsGGG2のアンダーで、という話だったようですが、これは叶わず。実際は、ジェシー「バム」ロドリゲスに取って代わられた、というのが正しい話なのかもしれません。

現在、京口か、バムかで争われたと思われるこのカネロvsGGG3のアンダーカードの座には、バム・ロドリゲスvsイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)が居座っています。

 

なので、このバムvsゴンサレスが発表された時点で、京口vs拳四朗という可能性は非常に高くなった、と思っていましたが、この2022年秋の開催は非常に嬉しい。

これは互いにリスクのある試合であり、両陣営に拍手を送らなければなりません。

寺地拳四朗は、2017年にWBC王座を獲得。具志堅用高の持つ世界王座防衛記録を更新することを目標としていましたが、2021年9月、矢吹正道(緑)に敗北して防衛記録は8度で途切れます。

しかし、半年後の再戦では、プレッシャーをかけるインファイトに勝機を見出し、圧巻の3RTKO勝利。矢吹が驚いてしまっているうちに、試合を終わらせてしまった印象です。

拳四朗はアマ時代、プレッシャーをかけるタイプのボクサーでした。(これは高校生には非常に多いです。どちらかというと、高校時代にボクシングをしている人たちは、もっともっと前からボクシングをやっている、と思います。)どちらかというと、我々がイメージする「拳四朗」のボクシングは、世界王座について以降、というもの。

その「拳四朗」のボクシングでは、圧倒的な強さを誇っていましたが、矢吹第一戦ではポイントが取れなかったということもあり、第二戦では変えてきたのでしょうが、これがまたドハマリしています。

 

この試合を経て、拳四朗はインもアウトもこなせる万能型ボクサー、という評価を手にしたと言って良いでしょう。

頭を振って、インサイドでコンパクトなコンビネーションを叩き込む、という京口、(おそらく今戦では)アウトボックスを主体とし、距離、カウンターを武器として、いざという時は力強いインファイトができる拳四朗。

ボクシングの幅は拳四朗、多分持って生まれたセンスも拳四朗。京口は非常にコツコツと積み上げてきた練習量から、緻密で乱れない、バランスの良いボクシングができます。

これはどちらに転ぶかは、両者がどう戦うか、という所による、50-50の戦い。

強い方が勝つ、ではなく、勝ったほうがその日、その時間に相手より強かった、という表現で良いでしょう。ベストなボクサーが、ベストにいるタイミングで、雌雄を決する。このことが、今のボクシング界においてどれくらい実現されているか、と問われると「非常に稀」と答えざるを得ません。しかし、今回はこの「非常に稀」なことが起こります。

日本人ボクサー同士の団体の垣根を超えた統一戦、これは井岡一翔vs八重樫東以来、となるのかもしれませんが、その時点での実績としては、両者は井岡vs八重樫を上回っているように思います。これは楽しみですね〜。

岩田翔吉が挑むのは、ジョナサン・ゴンサレス!!

主要4団体で上位にランクされる、岩田翔吉。前戦の堀川謙一戦でも見事な勝利、この岩田vs堀川というのは、地域タイトル界隈でのある種の最強決定戦的な意味合いもあり、ここに勝った方が「世界挑戦」というのは非常に納得のいく流れでもありました。

 

ここにジョナサン・ゴンサレスが登場する、ということは、可能性としてはここで京口vsゴンサレスがあり、拳四朗vs岩田という世界線もあったのかもしれません。もしくは、当時、「年内にすでに2試合の計画がある」としていたことから、すでに日本での一戦は組み込まれていたのかもしれません。

ともあれ、この極上のアウトボクサー、ジョナサン・ゴンサレス。岩田は攻めに攻めて、この牙城を崩せるかどうか、というところ。

ゴンサレスは、かつて日本に来て田中恒成(畑中)に破れてはいますが、あの時はフライ級戦。ライトフライでは、より一層そのアウトボックスが機能しているイメージで、強敵です。非常にパワフルなメキシカン、エルウィン・ソト(メキシコ)は、自分よりも数センチ小さいゴンサレスを捕まえる事ができませんでした。

岩田がやることは一つ、ゴンサレスを捕まえる事です。この辺りは帝拳陣営として抜かり無くやってくると思いますので、ここは岩田の戴冠に期待です。

もし、岩田がここで戴冠、となるのならば、京口vs拳四朗の勝者vs岩田の3団体統一戦もあり得るのでしょうか。

 

中谷潤人はスーパーフライ!!

さて、実は一番のビッグニュースはこれです。

京口vs拳四朗、ジョナゴンvs岩田についてはある種の規定路線であり、あとは「同じ日程でやる」というのがサプライズだったということ。ただ、この中谷潤人の次戦については、フライ級での防衛戦なのか、スーパーフライ級でのテストマッチなのか、この辺りが非常に難しいところでした。

中谷が選んだ(もしくは選ばざるをえなかった)のはスーパーフライ級でのテストマッチ。

WBO世界フライ級王座の防衛戦では、クリスチャン・ゴンサレス(メキシコ)が相手になるだろう(統一戦はちょっと希望薄だったため)と思っていましたが、スーパーフライ級だとなかなか対戦相手が思い浮かばない状況でした。

これが、あの井岡一翔にも挑戦経験のあるフランシスコ「チワワ」ロドリゲスというのは非常に興味深い。

中谷はWBO王座を返上し、スーパーフライ級への転級を申し出れば、WBOの規定によりWBO世界スーパーフライ級1位にランクインされる事が確実な状況です。

 

なので、ここでこの凶暴なチワワをどのような形で退けるか、により、すぐさま返上し、井岡戦を目指す、というのは当たり前に考えられる事でしょう。日本の誇る4階級制覇王者と、日本の誇るネクストモンスターのマッチアップは、楽しみなようなもったいないような。

いずれにしろ、もし中谷が負けてしまわない場合、もしくは明らかにパフォーマンスが落ちてしまわない限り、中谷は王座返上するでしょう。いや、むしろもうすぐにでも返上してもらって、このアンダーでクリスチャン・ゴンサレスvsユーリ阿久井政悟(倉敷守安)の王座決定戦でも個人的に全く問題ありません。

どうなる放送媒体

この超豪華カード目白押しの興行は、おそらくアマゾンプライムビデオでの放送が濃厚でしょう。そして、海外ではやっぱりDAZNか?

メインに登場する京口はエディ・レイノソを通してマッチルームとの契約選手みたいなものですし、中谷潤人も過去にDAZN登場。岩田の所属する帝拳プロモーションは、トップランクとの関係はありますが、いずれにしろ日本国内の興行にトップランクは関与しないはず。この辺りはGGGvs村田が海外ではDAZN放映だったことを考えると、トップランク契約選手でない岩田にとっては問題のないことでしょう。

日本という国だからこそ、プラットフォームを選ぶ事ができ、ビッグマッチも決まりやすい、という感じかもしれません。

なので現状を考えると、おそらく国内ではアマゾンプライム、その他の国々ではDAZNというのが一般的な見方のような気がしますね。

もう一戦、ファン垂涎の好カード!

 

もうお腹いっぱいなのに、更にもう一戦、あるようです。

「日本のボクシングファン垂涎」のカードということであれば、これは日本人対決、ということになるのでしょうかね。

とにかく2022年という年は、日本のボクシング界にとって素晴らしい転換期になりました。

コロナで打撃を受けたボクシング界でしたが、春以降、GGG、ドネア、ニエテスといったレジェンドボクサーが相次いで来日。そして、秋には日本人同士の統一戦、そして日本人初の4団体統一戦が開催の予定。

個人的にはチケット代がもう少し安い方が助かりますが、アマゾンプライムビデオの参入、ABEMAの参入により、昨年、一昨年よりは興味のある人には届きやすくなったという印象。

今後のボクシング界にも期待、大!!ですね。

まず、ボクシングファンがやるべきことは、11/1、12/13に向けてお金を貯める事か。貯める程の日程もありませんが。。。

まずは正式発表を待ちましょう!!

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【プレビュー】赤穂亮、竹迫司登が登場のダイナミックグローブ!大阪では注目マッチアップ!!

週末のプレビューが遅くなってしまいました。

が、9/3の土曜日は、東京、大阪それぞれで国内ボクシング興行がありますね。

マッチアップ的に興味深いのは関西の方ですが、後楽園ホールでは日本のトップボクサー、赤穂亮、竹迫司登が登場する注目興行。

ということで今回のブログでは、9月第一週末の国内戦、ダイナミックグローブと、三田から世界へと題される大成ジム興行のプレビュー記事です。

9/3(土)ダイナミックグローブ

赤穂亮(横浜光)38勝(25KO)2敗2分

vs

エドリン・ダプドン(フィリピン)35勝(21KO)7敗1分

 

ここ数年、明らかな格下相手との連戦という赤穂。モチベーションの問題もあるのでしょうし、相性という問題もあるのでしょう、快勝と苦戦が絡み合いつつもここまでそのキャリアに傷をつけなかった事は流石、と言って良いと思います。

そして、今回も残念ながら格下と言われるボクサーが相手であり、久々のフィリピン人。エドリン・タプドンというボクサーは、世界挑戦経験(3RTKO負け)もありますが、すでにそこから10年以上の歳月が経過しています。直近の試合は2022年2月で6R判定勝利、その前は2018年にスプリット判定で破れている、というキャリア。

アップセットを得意とするフィリピン人でも、赤穂相手にアップセットを起こすのは困難なはずです。

ここで期待するのは、勿論赤穂亮による圧倒的なKO勝利であり、格の違いを見せつけてくれる一戦です。

さて、A-SIGNのメンバーシップ動画によると、赤穂は「大物」と交渉中、との情報です。それが誰なのかは詮索しませんが、「盛り上がる」との事なので期待しましょう。

 

という事で、この事は赤穂自身も勿論知っている事であり、そのためにもここは絶対に落とせない試合。その事がプレッシャーにさえならなければ、モチベーションも比較的高く保つ事ができるのではないか、と思っています。

赤穂のパフォーマンスに、大きな期待を寄せて待ちましょう。

竹迫司登(ワールドスポーツ)13勝(12KO)1分

vs

ニワット・コンカン(タイ)10勝(7KO)8敗

元日本ミドル級王者、現OPBF東洋太平洋ミドル級王者、竹迫司登が1年3ヶ月ぶりのリング。

相手はニワット・コンカン。。。。というか、このコンカンというボクサーは、ラーチャーシー・シットサイトーンというリングネームで何度もホールのリングに上がったボクサーです。

キャリア初期から日本で戦い、当然のようにアンダードッグとして呼ばれるわけですが、いくつかの戦いの中では幾度となくアップセットを記録。

 

2017年にはOPBF東洋太平洋スーパーウェルター級王座を獲得、井上岳志(ワールドスポーツ)に敗れて陥落しています。

その後も日本に来る事は多かったですが、負けは混んで来ている状態。ラーチャーシーが何かを起こせるか、というと、年齢的にもキツい所はあろうかと思いますが、このラーチャーシーは「曲者」という表現がよく似合うボクサーであり、竹迫はこのラーチャーシーを気持ちよくクリアできるかどうか、が見どころです。

この日のダイナミックグローブは、メイン、セミともに「勝つべくところでしっかりと勝つ」事ができるかが焦点。

大激闘、大熱戦必至の入口裕貴(横浜光)vs大保龍球(神奈川渥美)をアンダーカードに従えるダイナミックグローブ、全4試合というのは非常にコンパクトな興行ですね。

 

放送・配信

この興行はダイナミックグローブなので、日テレG+で放送されます。

しかし、残念ながらディレイ放送で、放映日は9/11(日)とのこと。うーん、最近ちょっと生放送が少ない日テレG+、加入しているのですがその意義は薄れてしまいます。

ちなみに9/11(日)はこのダイナミックグローブの放送(19:00〜)の前、17:30〜第4回ジュニアチャンピオンズリーグの放送もあるみたいです。

プロジムでトレーニングを積んでいる18歳以下のボクサーたちがしのぎを削る大会です。未来の世界チャンピオンをチェックしましょう。

 

9/3(土)三田から世界へ

WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦

加納陸(大成)14勝(7KO)3敗

vs

井上夕雅(真正)13勝(2KO)2敗1分

このマッチアップは非常に興味深いものです。

世界挑戦経験もある元WBOアジア・パシフィック・ライトフライ級王者加納陸は、王座を返上後、フライ級でのテストマッチをクリアしての一戦。

アンダージュニアの中学生の部で優勝ののち、JBCの規定を満たす前にタイでプロデビュー。

2016年の世界王座挑戦時は明らかに時期尚早と思われた加納は、その後もWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座挑戦に失敗、2018年には日本ミニマム級タイトルへの挑戦にも失敗してしまいました。

しかし、2019年にはWBCユース・ライトフライ級王座を獲得し、2020年にはWBOアジアパシフィック・ライトフライ級王座を獲得、タイトルへの長いチャレンジはようやく実を結びました。

 

こう考えると、随分と長くトップ戦線で活躍しているように思う加納はまだ24歳、依然これからのボクサーです。

対して井上は前戦、矢吹vs拳四朗2のアンダーカードで登場し、難敵、浅海勝太(ハラダ)の土俵で競り勝ち、素晴らしい勝利を挙げました。

その前の試合でも日本ユース・フライ級王座決定戦に出場し、森青葉(泉北)という強敵を退けてユース王座を獲得しています。

ここ2戦の接戦を制したこの力は、井上のハートの強さを示す一戦でもあり、勝負強さもわかろうというものです。

実績、経験値で上回るのは加納。ただ、加納は前々戦となる栄拓海(折尾)戦ではダウンを奪われる等の不安な部分も示してもいます。

井上は初の12Rであり、これまでの最長ラウンドが8Rという事もあり、このペース配分の部分では不安もあるでしょう。

まだまだ若く、未完で、伸びしろのあるボクサー同士のマッチアップは、どちらにとっても素晴らしい経験になることを願っています。好試合を見せてもらいたいですね。

 

石田匠(井岡)30勝(16KO)3敗

vs

アルビン・メデュラ(フィリピン)10勝(7KO)6敗

2021年12月、元世界3階級制覇王者、田中恒成と五分の戦いを繰り広げた石田匠は、その敗戦からの復帰第二戦に臨みます。

今回の戦いは日本でもおなじみのアルビン・メデュラであり、未知の強豪とは言えません。

石田としては、敵はそのモチベーションかもしれませんが、ここは圧巻のパフォーマンスを見せてもらいたい、という一戦であり、やはりパフォーマンスが問われます。

石田は現在バンタム級での世界ランク保持者。

バンタム級は、来年以降、大きく動くであろうことから、このタイミングでランキングをキープしておくことは全くもって無駄ではありません。

 

そして来年早々、何かしらのチャレンジマッチを経て、来年の後半か再来年頃にチャンスが巡ってくる可能性はありますね。ともあれ、石田のパフォーマンスに期待です。

放送・配信

この興行はエディオンアリーナで行われます。「三田から世界へ」という興行名に入っている三田市(さんだ)は兵庫県にありますが、会場は大阪で良いのか?というのは、置いておいて、この興行はYoutubeチャンネル・テレビ大阪ニュースで生配信!

配信日時は、9/3(土)18:00〜という事なので、全試合生配信ですね。

これはありがたい。

↓配信チャンネルはこちらから!

【ライブ配信】WBOアジアパシフィックフライ級王座決定戦加納陸(大成)VS井上夕雅(真正)三田より世界へ19 - YouTube

 

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【プレビュー】わがかがわ期待の木村吉光vsアップセット男中川兼玄!アンダーカードも注目のL.T.BOXING!!

平日に国内ボクシング、たとえば日本やアジアの地域タイトル戦を見れて、週末に海外ボクシングを見る。

これが理想の形、だと思うのですが、ここのところはまさにそんな感じで、忙しくもありますがうれしい悲鳴。

金曜日に武居由樹(大橋)、日曜日に(世界タイトル戦ではないけど)ペドラサvsコミー、そして火曜日に木村vs中川のLIFE TIME BOXING。8/31(水)にはパンヤに田中教仁(三迫)が挑む世界戦(見れるかどうかよくわかりませんが、タイの試合は基本Youtube等での生配信がありそう)、そして9/1(木)には女子5大タイトル戦、さらに週末にはダイナミックグローブと豪華、豪華。

そんな中でも、個人的に最も楽しみなのが今回のLIFE TIME BOXING。志成ジムさん、やってくれますね。

ということで今回は、木村vs中川をメインに据えた、志成ジム興行のプレビュー記事です。

 

8/30(火)LIFE TIME BOXING

WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座決定戦

木村吉光(志成)13勝(8KO)2敗1分

vs

中川兼玄(角海老宝石)11勝(5KO)6敗

アンダーカードも勿論楽しみなのですが、メインが一番楽しみ。私は、やっぱりこのように(自分の心の中での)バランスがとれた興行が一番好きです。

木村吉光は、本来であればフランスに乗り込んでの地域タイトル戦の話もありましたが、サミー・ジアニ(フランス)側の都合で流れ、方針転換を余儀なくされてしまいました。

香川県善通寺市出身の木村吉光は、尽誠学園でボクシングを始めています。ルーツは空手→キックボクシング、高校卒業後に白井・具志堅スポーツジムからプロデビュー。

2016年の全日本新人王を獲得、獲得後の初戦(2017年)中川兼玄(当時三迫)と戦い、判定勝利を収めています。

2018年4月にリチャード・プミクピック(フィリピン)の持つWBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルに挑戦するも敗戦、初黒星。

 

その後は日本ユース・スーパーフェザー級タイトルを獲得し、2019年にはOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者、三代大訓(ワタナベ)に挑むも僅差の判定負け。3者ともに1ポイント差の1-2のスプリット判定、どちらが勝ってもおかしくない一戦ではありました。

その2敗目からの再起戦では、仲里周麿(現ボクシングクラブオキナワ)とのホープ対決で引き分け、2戦連続で好勝負を演じながらも勝ちきれない時期が続きます。

この仲里戦の前に、白井・具志堅ジム閉鎖に伴い志成ジム(当時の名称はAmbition)に移籍していますが、非常にハードなマッチメイクが続きます。

2年半ぶりに白星を飾ったのは、前戦となる坂晃典(仲里)戦で、この試合は坂の保持する日本タイトルはかけられず、OPBF東洋太平洋王座の決定戦として開催されました。

下馬評としては、実績に勝る坂が優位だったと思いますが、この試合、出色のパフォーマンスで坂を圧巻の3RTKOに仕留めた木村は、(たぶん)石本康隆以来の香川県出身の王者となりました。

 

ちなみにこの試合は、井上尚弥vsアラン・ディパエンが行われた日に行われた後楽園ホール興行。くそ×100もったいないほどの神興行となっていました。井上vsバトラーの日も、噂によるとダイヤモンドグローブ(?)があるそうですが、こういうのは何とかならないものか。

↓ディレイ視聴した坂vs木村の観戦記

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ともあれ、このカウンター合戦を制した木村吉光、やはり非凡なものを持っています。個人的には、「わがかがわ」初の世界王者を期待しています。ので、ここで負けてほしくはありません。

さて、木村吉光のキャリアは非常に骨太で、戦ってきた相手は強豪ばかり、その強豪たちとの連戦で強さが作られてきた、というイメージ。しかし、中川兼玄もキャリアの面で引けを取っているとは言えません。

木村よりほんの少し早くプロデビュー(2014年)した中川は、2度の新人王トーナメントチャレンジに失敗後、B級へ昇格。B級2戦目で木村に敗北、その後出場したB級トーナメントでも決勝で敗戦。

しかし圧巻だったのはA級昇格後で、元日本王者岡田誠一(大橋)を皮切りに、荒谷龍人(KG大和)、大里拳(大鵬)、元日本王者源大輝(ワタナベ)を連破。そのすべてがアップセットという快進撃でランキングを駆け上がり、2021年10月の日本タイトルへの挑戦権をかけた挑戦者決定戦で長谷川慎之介(ワールドスポーツ)を振り切り、日本王座挑戦権を獲得。

この勢いのまま、タイトル獲得なるか、というところでしたが、挑戦権獲得後に角海老宝石ジムへ移籍、更に自身の怪我で初タイトル戦をキャンセルする憂き目にあっています。

 

初期、平凡ともいえるキャリアを歩んでいた中川が、下馬評をいくつも覆しこの位置まで上がってきたことは称賛に値することですし、応援したくもなります。

ただ、中川は結局この一戦が初タイトル戦となり、移籍初戦ともなります。

当然、この一戦は、一度はタイトルを獲得したこともある木村が優位の予想となるでしょう。ただ、これまでの経歴上、下馬評で不利となった中川は本当に侮れません。(逆に、下馬評で優位だった長谷川戦は良いパフォーマンスとは言えませんでした。)

木村優位、中川不利だからこそおもしろくなるかもしれないタイトルマッチ。

それでも、木村の圧勝を祈り、素晴らしいカウンターを決めてのストップ勝ちを願います。

 

スーパーバンタム級8回戦

大湾硫斗(志成)8勝(6KO)1敗

vs

マーク・アンソニー・ヘラルド(フィリピン)38勝(19KO)10敗3分

セミファイナルには、ホープ大湾が登場です。

前戦は坂vs木村のアンダーカードに登場、杉田ダイスケ(ワタナベ)を2RTKO。この試合が評価されたのか、早々に日本ランキング入りを果たし、すでに挑戦権を有しています。

対戦相手は、おなじみマーク・アンソニー・ヘラルド。プロ51戦の31歳は非常に息の長いアジア圏のトップファイター、という印象で、元世界ランク保持者。

井上拓真(大橋)とOPBF東洋太平洋王座を争ったのは2015年の話で、ダウンを奪う大健闘。上体が非常に柔らかく、パンチをまともにもらわない、倒しにくいボクサーです。

井上のほかにも、ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)、マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)ら強豪との対戦経験もあるヘラルドは、大湾にとってもかなり危険な相手に思えます。

大湾は、ヘラルドのキャリアにごまかされないようにしなければいけません。

そしてもしも、大湾がヘラルドを倒しきれるようなら、もうタイトルへのゴーサインでしょう。とはいえ、このスーパーバンタムという階級は、日本で認可されているタイトルをつかむには、大橋ジムの壁を越えなければいけないわけですが。

 

その他のアンダーカード!

スーパーフェザー級8回戦
ジェス・レイ・ワミナル(フィリピン)14勝(8KO)5敗1分
vs
中井龍(角海老宝石)4勝(2KO)1敗1分
スーパーフェザー級6回戦
渡邊海(ライオンズ)7勝(3KO)無敗1分
vs
デッチャディン・ソーンシリスファティン(タイ)4勝(4KO)2敗

その他、アンダーカードには角海老宝石ジムから「漢」中井龍が登場です。この中井もプロ転向後からとんでもないハードマッチメイクを戦っているボクサーで、プロ3戦目で内藤未来(E&Jカシアス)を撃破、続くA級初戦では現日本王者、宇津木秀(ワタナベ)と好勝負を演じて初黒星も保坂剛(三迫)、高畑里望(ドリーム)を撃破して日本ランクを獲得。

相手がアップセットを起こし得るフィリピン人とはいえ、ここは見事な勝利を挙げてくれることでしょう。ボクシングもできますが、基本はフィジカルファイター。ここに勝てアジアランキングも獲得してくれると思います。

そして2021年の全日本新人王、渡邊海も登場です。対戦相手は4勝のうちすべてがKO勝ちという侮れない相手ですが、BoxRecで戦歴を見るとやはり対戦相手の質としてはタイしたことはありません。

渡邊は、前戦に続き、衝撃的な勝ち方ができるかどうか。

 

ライト級6回戦

鈴木稔弘(志成)デビュー

vs

ポーンセップ・ワンガム(タイ)4勝(3KO)2敗

そしていよいよ鈴木稔弘のプロデビュー戦。とんでもない逸材だというこの鈴木は、元日本スーパーライト級王者で「和製カネロ」とも言われる鈴木雅弘(角海老宝石)の実弟。

おそらく苦労してたどりついたであろうプロデビュー戦、圧巻のパフォーマンスを期待したいものです。

【放送・配信】

このLIFE TIME BOXING興行は、ABEMA.TVで無料生配信してくれます。

日時は8/30(火)17:15~とのことで、上記の通り紹介した試合に加え、4回戦2試合を含んだ全試合生配信というのは本当にありがたい。

私はリアルタイム視聴が困難なので、アーカイブで視聴しますが、これもABEMAプレミアムに加入しておけば見放題。リアルタイムで見れない、それでも見たい、という方は、ABEMAプレミアムへの加入をお勧めします。

というか、平日の17:15~すべての生配信を見れる人は少ないような気がしますが。。。

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【プレビュー】ホセ・ペドラサvsリチャード・コミーは、生き残りをかけた真のサバイバルマッチ!

8月最終の週末は、注目興行がやや控えめな印象。

しかし、その中でもやはりボクシングの灯火は消えず、日本ではスーパーホープ、武居由樹(大橋)がOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者、ペテ・アポリナル(フィリピン)に挑むという初のタイトルマッチに臨みます。

↓プレビュー記事

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そして、アメリカでは「スナイパー」ホセ・ペドラサと、リチャード・コミーが激突する、元世界王者同士のサバイバルマッチ。

ということで今回は、ペドラサvsコミーをメインに据えた、ESPN放送のトップランク興行をプレビュー。

8/27(日本時間8/28)アメリカ・オクラホマ

スーパーライト級10回戦

ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)29勝(14KO)4敗

vs

リチャード・コミー(ガーナ)30勝(27KO)4敗

Jose Pedraza Vs Richard Comey In The Ring Next Saturday In Tulsa, USA

 

これぞ本当のサバイバルマッチ。

元IBF世界スーパーフェザー級、そして元WBO世界ライト級王者であるホセ・ペドラサ。3階級目となるスーパーライト級に転級したのは2020年で、その初戦でホセ・セペダ(メキシコ)に判定負け。

その後、ミケル・レスピエール(アメリカ)、ハビエル・モリナ(アメリカ)、ジュリアン・ロドリゲス(アメリカ)を退けて調子を取り戻し、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)とのサバイバル戦に挑むも敗北、今回の再起戦では強敵、リチャード・コミーを迎えます。

ラミレス→コミーという強敵との連戦とはいえ、33歳という年齢を考えると、ここでの連敗は正直キツイ。

その他の2敗も2017年のタンク・デービス(アメリカ)戦、2018年のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦と強豪ばかりですが、元々完成度の高いペドラサは、ここから更に向上するか、というと厳しいかもしれません。

コミーも同様に、元IBF世界ライト級王者、という肩書を持ったボクサーではありますが、すでに35歳。前戦は2021年12月に行われたワシル・ロマチェンコ戦で、再起戦で強豪・ペドラサ戦ということになりますね。

コミーはこれまで主にライト級戦で戦っており、世界トップレベルのスーパーライトを迎えるのは初めてのはず。ただ、ペドラサも根っからのスーパーライトではないだけに、コミーの強打は間違いなく通用するでしょう。

個人的な見解を述べればホセ・ペドラサの技巧がコミーを上回るように思いますが、どこかでコミーの一発が当たればわかりません。

 

そして、何よりも重要なのは、この試合の敗北は、おそらくもう二度と、スーパーライト級のトップ戦線へ上がってこられない、ということを意味しそうなことです。ペドラサはこの階級の世界タイトルに手が届く前に負けてしまった、という現実がありますし、強豪相手とはいえ、両者ともにここ5戦の戦績は3勝2敗、ギリギリのライン。

だからこそ、二人のボクサーは、いつも以上に絶対に負けられない戦いに臨む、真のサバイバルマッチと言えるのです。

このスーパーライト級という階級は、タレントが非常に豊富。豊富すぎるくらいに豊富。

かつての絶対王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)は、4団体統一を果たしました。

しかし、その初防衛戦ではジャック・キャトラル(イギリス)を相手に薄氷の勝利を挙げ、その存在は薄まってしまった上、王座のいくつかを手放してしまいました。

この興行の1週間前、テイラーが手放したうちのタイトルの一つであるWBA王座は、アルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)によって制覇されました。

 

WBC王座は、ホセ・セペダ(メキシコ)とレジス・プログレイス(アメリカ)の間で争われる事が決まっています。本来はこの試合、セペダの相手はホセ・カルロス・ラミレスでしたが、ラミレスが自身の結婚で忙しくキャンセル。ただ、ラミレスはまたタイトルに絡んでくるはずです。

そんなラミレスだけではなく、テオフィモ・ロペス(アメリカ)やライアン・ガルシア(アメリカ)らのスーパーライト級参戦、パーフェクトレコードを継続しているゲイリー・アントワン・ラッセル(アメリカ)等の若きボクサーたちも控えています。

他にもマイキー・ガルシア(アメリカ)を破ったサンドール・マーティン(スペイン)、アマ300勝でリオ五輪銀メダリストのシャフラム・ギヤソフ(ウズベキスタン)等の実力者たちもタイトルを狙える位置まで来ています。

このペドラサvsコミーの敗者は、下から上がってくるボクサーのテストマッチの相手に下がらざるを得ないかもしれません。そうなると、厳しい戦いを連戦でこなさなければならず、そしてそこから這い上がってくるのは至難の業。

ボクシングというスポーツは非常に残酷で、落ちれば地の果てまで落ちていきます。両者にとってここは踏ん張りどころ、トップ戦線への生き残りをかけた一戦であり、ともに意地が試される一戦です。

 

ヘビー級8回戦

ジャレッド・アンダーソン(アメリカ)11勝(11KO)無敗

vs

ミルジャン・ロブカニン(セルビア)24勝(16KO)2敗

そんな精神的に逼迫した状況のメインイベントとは違い、このペドラサvsコミーを彩るアンダーカードはお気楽に見ていられる、と言っても良いでしょう。

セミファイナルは「ビッグベイビー」ジャレッド・アンダーソンで、対戦相手は戦績こそ良いですがおよそメジャーとは言えない相手。ちなみにアンダーソンは前戦、ロマチェンコvsコミーのセミファイナルに登場しましたが、今回もコミーのセミファイナル。これは集客力がある、と見て良いのかもしれませんね。

ともあれ、このジャレッド・アンダーソンというボクサーは、パワー偏重のヘビー級において非常にスタンダードなボクシングをします。ジャブを打ち、ステップを使い、コンビネーションを使います。まるで中量級当たりのボクサーのようです。

このビッグベイビーが、12Rにわたってそのボクシングを展開できるかどうかは未知数。そろそろ、強豪との試合を見てみたいところです。

 

 

その他のアンダーカード

ヘビー級8回戦
エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)15勝(12KO)1敗
vs
ジョゼフ・ダルモス(ハンガリー)14勝(10KO)4敗3分

前戦でフランク・サンチェス(キューバ)との無敗対決に敗れたエフェ・アジャグバは、10ヶ月超ぶりのリングでの再起戦に臨みます。サンチェス戦前のブライアン・ハワード(アメリカ)戦はアジャグバのKOハイライトに流れそうな素晴らしいノックアウト勝利だっただけに、非常に残念でしたね。

今回の相手はジョゼフ・ダルモスというボクサーで、完全にアンダードッグの扱い。

アジャグバを復活させようと目論むマッチアップでしょうから、アジャグバはしっかりと倒して再起してほしいですね。

その他、東京五輪銀メダリストのリチャード・トーレス(アメリカ)のプロ3戦目、同じくオリンピアンのデランテ「タイガー」ジョンソンのプロ5戦目がアンダーカードを彩ります。あとはキーショーン・デービスの兄、ケルビンもプロ6戦目に臨みますね。

 

今回のトップランク興行は、プロスペクト祭りからの、メインのみガチ・マッチメイクという興行。そのガチメインもプエルトリコ人とガーナ人なので、もしかするとアメリカ人の興味を引く事は難しいのかもしれません。もう少し、セミあたりで良いマッチメイクを見たかったですね。

放送・配信

このトップランク興行は、アメリカではESPNで生配信。そして、日本ではFITE.TVがPPVでライブ配信をしてくれる予定です。(FITEはいきなり配信がなくなったり、時間が変わったりするので注意が必要です。)

日時については、日本時間で8/28(日)AM9:00〜となっており、放送内容はセミファイナルとメインのみ。そうなるとメインがAM10:00前からの放映となってしまうので、これは明らかに怪しい。おそらくメインがお昼前後くらいになると思うので、もっと放送カードが多いか、もしくは開始時間が遅いか、のどちらかだと思います。

 

各々、前日又は当日に開始時間も含めて確認してください。(PPVも前日の夜か当日に購入することをおすすめします。)

↓FITE.TVのPPVリストはこちら

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【プレビュー】ペテ・アポリナルに武居由樹が挑む、OPBF王座戦!セミはベテラン同士のサバイバル!

先週末、見たい試合がたくさんあって大変でしたね。

とはいえ私はひとりディレイ視聴、毎日ボクシング興行があるみたいで非常に嬉しい。

最近はおおよそ週の前半で前の週末のボクシングをみて、後半に入って今週末のプレビュー記事を書く、というのが流れになっています。ということで、今週末のプレビュー記事。

 

週末は、海外戦でホセ・ペドラサvsリチャード・コミーという注目ファイトがありますが、何と言っても日本のボクシングファンの大注目は、ペテ・アポリナルに武居由樹が挑むという一戦。

ということで今回のブログでは、プロ5戦目、「とうとう」いや、「いよいよ」、ではなく、「早くも」タイトル戦へと臨む武居由樹の戦いをプレビュー。

 

8/26(金)フェニックスバトル

OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ

ペテ・アポリナル(フィリピン)16勝(10KO)2敗

vs

武居由樹(大橋)4勝(4KO)無敗

ペテ・アポリナル。ドネア戦前の井上尚弥のスパーリングパートナーに2度以上は呼ばれているフィリピンの強豪で、2022年4月、ジュンリエル・ラモナル(フィリピン)を破って戴冠したタイトルの防衛戦となります。

このラモナルは日本人キラーではあるものの、世界的強豪と呼ぶには実績が足りず、かといって勿論アンダードッグとはいえないボクサーで、粗さもあるので、誰にでも負ける可能性を孕んでいたボクサー。なので、和氣、久我に勝ったとはいえ、ラモナルが負けてもさほど驚きがなく、転じてアポリナルの強さも測りにくい。

2014年にプロデビューしたアポリナルは、2015年6月にジョー・サンティシマ(フィリピン)に初回KO負けで初黒星。サンティシマは既に世界的強豪の地位にいますが、それを追いかけるポジションにいる、という事だけは言えるでしょう。

 

2敗目は2021年11月、韓国での一戦でTKO負け、これはWBOオリエンタルのタイトルがかかった試合だったようです。

2敗はどちらもKO負け、ということですが、井上のスパーリングパートナーを務めている、ということは、タフネスは持っているはず。

武居由樹の現在の魅力は、純粋なボクサーとは少し違った踏み込み、少し違ったタイミングで放つパワーパンチ。私も以前、このブログで武居のことを「ワンパンチ・フィニッシャー」と紹介しましたが、今回のポスターにも「ワンパンチ・フィニッシャー」の文字があるくらい、この言葉は武居を表現しています。

↓試合発表当時に書いた記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

まだまだ、まだまだ底が知れないボクサー武居。

私の勝手な想像でいくと、このボクサーはおそらく前半に強い。

素晴らしいタイミングでパンチを合わせられる、もしくは、とんでもなく遠いところから(およそボクサーが一発で踏み込まない場所から)飛び込んで打つ、というのは、対戦相手にとってもすぐには対応できるものではない、と思うからです。

それが当たれば、一発で試合が終わってしまう可能性を秘めたハードヒッターでもあり、そのことが、これまでの連続序盤KO勝利につながっている、とも思うのです。

もちろん、その実力とともに勝負度胸、リングへの慣れ、等々は疑いようもありませんし、素晴らしいボクサーであることは間違いありませんが、証明していないこともまだまだ多い。

スタミナ面は心配していませんが、後は戦術面、組み立て等を見てみたい。

武居のリズム、パワーに慣れられてしまった後、どのように対応するのかを見たい。

今回の一戦では、「こんなこともできるのか」という驚きが欲しいですね。

 

スーパーフェザー級8回戦

岡田誠一(大橋)22勝(13KO)7敗2分

vs

高畑里望(ドリーム)17勝(7KO)10敗1分

超新星・武居由樹が5戦目でタイトルに挑む試合がメイン、そしてセミファイナルはOver40の二人の熱き戦い。

40歳の岡田は、豊富なアマキャリアを提げて2005年にプロデビュー。2011年に日スーパーフェザー級王座を獲得した元日本王者ですが、現在の日本ランクは20位。前戦は2020年11月、ノーランカーの室田拡夢(T&T)とドローを演じてから、2年近くぶりのリングに上がります。

ちなみに、この室田というボクサーは、岡田と引き分けた後の試合で松本圭佑(大橋)に初回TKO負け。この結果だけを見ると、岡田の再起ロードは茨の道とも思えますが、如何に。

そして対戦相手の高畑里望、こちらは何と43歳。1979年生まれ、私と同い年ということもあって非常に応援しているボクサーです。

 

前戦では中井龍(角海老宝石)に5RTKOで敗北していますが、その前は遠藤勝則(角海老宝石)とのランカー対決を6RTKO勝利で制し、多くのファンを感動させてくれました。

この時も確かフェニックスバトル、40歳を超えてなおまだ向上している、と言っていたと思います。

高畑は日本ランキング18位、つまりはこの試合は「日本の下位ランカー対決」という言葉で表現される試合。しかし、そんな言葉では足りないくらいの覚悟とか決意が見れる一戦となるはずです。

ボクシングは夢の潰し合い。この戦いは、きっと美しく、儚くもあるでしょう。

 

その他のアンダーカード

ライト級6回戦
ジョン・ローレンス・オルドニオ(フィリピン)7勝(4KO)3敗1分
vs
今永虎雅(大橋)1勝(1KO)無敗
51.0kg契約6回戦
アッカーポン・ヌガムカエオ(タイ)1勝(1KO)無敗
vs
豊嶋海優(大橋)1勝無敗
スーパーフライ級6回戦
富岡浩介(REBOOT.IBA)5勝(4KO)2敗
vs
 KCプラチャンダ(角海老宝石)6勝(3KO)3敗1分
ほか4回戦2試合

 

今永虎雅、豊嶋海優というふたりの大橋ホープのプロ2戦目。今永は前戦、橋詰将義vs田中恒成のアンダーカードでデビュー、約2ヶ月でプロ2戦目というハイペース。キャリア初期は、どんどん試合をしてもらいたいですね。

豊嶋はデビューから10ヶ月でようやく2戦目。いずれにしろ、おそらく日本人ボクサーではなかなか相手が見つからず、海外から呼び寄せる形になったのでしょう。

二人ともまだ、真価を発揮するのは先の話。今回は勝ち方に注目しましょう。

そして、その前の6回戦、富岡浩介vsKCプラチャンダも非常に興味深い試合。

勝ったほうがA級昇格となる一戦で、センスあふれる富岡か、ハードパンチを持つKCか。どちらもパンチをもらわないタイプのボクサーではなく、これはKO決着が予想される一戦ではないでしょうか。

 

【放送・配信】

全7試合のこの興行は、ひかりTVとABEMA.TVで生放送。

ひかりTVはインターネット回戦を利用したテレビサービスで、導入するには工事が必要です。ですが、ひかりTVビデオというアプリを入れれば、PCやタブレット、スマートフォンで視聴可能で、月額350円と格安。ただし、アーカイブは残らないので、リアルタイムでしか見れません。

(追記)dTVでもライブ配信のようですね。こんなにライブ配信のプラットフォームを増やしてどうすんのか。

そしてもう一つのプラットフォームであるABEMA.TVについては、ABEMAプレミアムに加入すれば追加料金なしで(0コインでPPVを購入する必要があります)ライブ配信を見れますし、こちらはアーカイブも残ります。こちらは月額960円とひかりTVと比べて割高に思いますが、ABEMAプレミアムに加入しておけば、今後のABEMA.TVでのボクシング(次回は8/30のLIFE TIME BOXING)もアーカイブ視聴が可能、ということで、私にとっては非常にお得。

最近は3150FIGHTも含めて配信が増えてきているイメージなので、入っておいて損はないでしょう。(私はなんだかんだ入りっぱなし笑)

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【プレビュー】フィゲロアvs「サムライ」リピネッツ!世界戦2つを従えたシルバー戦、Showtime興行のプレビュー!

8/20(日本時間8/21)に行われる数々の興行の中で、最も注目度が高いのはオレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュアで間違いありません。

世界中のボクシングファンならずとも、注目すべき試合でしょう。

しかし、アメリカにも注目すべき興行があります。

ダブル世界タイトル戦をアンダーカードに擁した、WBCシルバー王座戦。アメリカではShowtimeで放映されるPBC興行で、この興行は本当に興味深い戦いが繰り広げられます。

 

本来、エイドリアン・ブローナーvsオマール・フィゲロア、という一戦でしたが、直前になってブローナーが撤退、アンダーカードに出る予定だったリピネッツが繰り上がってメインに。ボクシング界の犯罪者PFP(現役では)のブローナーが撤退したことで、このメインに俄然興味が湧いてきたのは内緒です。その前から、アンダーカードには魅力的なカードが揃っていたので、これで無敵です。

ということで今回は、オマール・フィゲロアvsセルゲイ・リピネッツをメインに据えた、PBC興行をプレビュー。

 


スーパーライト級12回戦

オマール・フィゲロア(アメリカ)28勝(19KO)2敗1分

vs

セルゲイ・リピネッツ(カザフスタン)16勝(12KO)2敗1分

WBCのシルバー王座戦で、WBC世界王座への挑戦者決定戦でもあります。このWBC王座は、ホセ・セペダとレジス・プログレイスが決定戦を行う予定ですね。

さて、オマール・フィゲロア。荒川仁人(当時ワタナベ)との超大激闘からもう9年。2013年に行われたこの試合は、世界中で大きな話題となった一戦でしたね。

その試合を含め、引き分けを挟んで22連勝を記録するも、2019年7月にヨルデニス・ウガス(キューバ)に完敗、再起戦でもアベル・ラモス(アメリカ)にまさかのストップ負けを喫してしまったオマール・フィゲロアJr。かつての勢いはどこへやら、現在は停滞も甚だしいですね。

今や弟であるブランドン・フィゲロアの方が有名ではないでしょうか。

本来戦うはずだったエイドリアン・ブローナーは、ふたりがライト級のトップ戦線にいた時からの縁で、ブローナーがWBCの正規王者だったとき、フィゲロアは暫定王者となりました。その後、ブローナーは結局王座を返上してフィゲロアが正規王者に昇格し、交わらず。

 

この試合を楽しみにしていたファンもいたのかもしれません。

しかし、フィゲロアもその王座を返上、かねてからライト級での減量苦が伝えられており、スーパーライト級へ転級。それでもノンタイトル戦で体重超過をかます等、この頃から歯車が狂い始めたのかもしれませんね。

ともあれ、今回の相手は元IBF世界スーパーライト級王者、セルゲイ・リピネッツ。

「サムライ」というニックネームを持つカザフスタン生まれのウクライナ人(現在ウクライナ国籍)は、2017年に近藤明広(一力)との王座決定戦で戴冠しています。

しかし、初防衛戦で迎えたのがマイキー・ガルシア(アメリカ)。ここで敗北してしまったリピネッツは、ウェルター級で復帰、2020年10月にはカスティオ・クレイトン(カナダ)とのIBF世界ウェルター級暫定王座決定戦を戦うもドローで戴冠ならず。

 

前戦は2021年4月、ジャロン・エニス(アメリカ)と戦い初のKO負けを喫し、ここが再起戦となります。

フィゲロアにしても、リピネッツにしても、敗戦からの再起戦であり、しかもその敗戦というのが1年以上前のもの。なのでともにあまり状態がわかりません。

ちなみに、ふたりとも、前戦は6Rで試合が終わっていますね。不思議なご縁ですね。

ここはやはり非常に真面目な感じのする(ただのイメージ)リピネッツを応援ですね。ただ、一つ懸念事項としては、これまでウェルター級で戦っていたリピネッツが、突然のスーパーライトで行けるのかどうなのか。。。フィゲロアも怪しいものですが。

↓エニスvsリピネッツの観戦記

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WBA世界スーパーライト級王座決定戦

アルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)20勝(10KO)無敗

vs

バティル・アフメドフ(ウクライナ)9勝(8KO)1敗

ひっそりと行われる感じのある、WBA世界スーパーライト級王座決定戦。

これまでなかなかチャンスの巡ってこなかったアルベルト・プエリョは、2019年にWBA世界スーパーライト級暫定王座を獲得しています。

しかし、当時のWBAは王座乱立の時代、正規王者との統一戦というのは行われませんでした。そして、WBAの施策により暫定王座は消滅、指名挑戦者となったプエリョは待ちに待たされてしまいました。

ここにきてようやく落ち着き、WBA世界スーパーライト級王座が空位となった時点で、ようやく巡ってきたチャンス。

非常にスキルフルなボクサーで、華麗。かなりやりづらいボクサーで、強く、しかもメジャーではないので、かなり敬遠されるタイプのボクサーです。

 

対してバティルザン・アフメドフ。このボクサーは中央アジアの出身である、ということが間違いない見た目のボクサーで、生まれはウズベキスタン。しかし、リオ五輪にはトルコ代表として出場しており、現在はウクライナ国籍ということでもう何のこっちゃわかりません。

ただ、そのボクシングを見るとウズベキスタン人だということが非常によくわかります(個人的な偏見です)。

非常に硬質なパンチを持ち、決して速くはありませんが小気味良い回転力のあるボクサーで、アグレッシブなサウスポー。そう、まるでムロジョン・アフマダリエフをでっかくした版です。

そんな攻撃力抜群のアフメドフが、スキルフルでいなす、ごまかすのが巧いプエリョに挑む。

ホコタテ対決、ともいえるこの一戦は、どちらのスタイルが上なのか、という勝負であり、こういう試合は私は非常にそそります。

 

なので実は、ブローナーvsフィゲロアなんかよりもこっちの方が十倍以上は楽しみだったセミファイナル。

プエリョの前戦。デビッド・モレルvsアランテス・フォックスという誰も気にかけない世界タイトル戦のアンダーカード。↓

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WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

ロジャー・グティエレス(ベネズエラ)26勝(20KO)3敗1分

vs

エクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)15勝(10KO)無敗3NC

セミセミは、日本のボクシングファンとしても行方が気になる、WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。何せ我らが内山高志が保持した王座であり、この階級くらいまでなら日本人ボクサーだって十分に世界に届きます。

王者、ロジャー・グティエレスは2021年、レネ・アルバラード(ニカラグア)を大接戦の末破って王座に就き、再戦ではより明確に降してみせました。

アクティブに攻めてくるアルバラードに対し、くっついたり離れたりと自分のボクシングを貫いたグティエレス、このボクサーは思ったよりもテクニシャンです。

 

対戦相手は、エクトル・ルイス・ガルシア。

前戦で、アップセットでクリス・コルバート(アメリカ)を破り、コルバートの持っていた氏名挑戦権を奪い取ったボクサー。

↓ガルシアのアップセット!コルバート戦。

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このコルバート戦は、本来はコルバートがグティエレスに挑戦する試合でした。しかし直前でグティエレスが離脱、代役としてガルシアに白羽の矢が立った、という試合。

千載一遇のチャンスをものにしたエクトル・ルイス・ガルシアというボクサーは、ハートが強く、恐れを知らないボクサーなのかもしれません。

コルバート戦は相性的にも良かったかもしれません。グティエレスvsコルバートならコルバート優位だったと思いましたが、ここはわかりませんね。グティエレスはレネ・アルバラードとも対等に渡り合っていました。

これは非常に興味深い一戦です。

 

ブランダン・リー(アメリカ)25勝(22KO)無敗

vs

ウィル・マデラ(アメリカ)17勝(10KO)1敗3分

ブランダンなのかブランドンなのか、非常に迷いますが、やっぱりブルース・リーの息子と区別をするためにブランダン・リーと呼びます。

リーは本来、ジェイク・ポールvsハシム・ラクマンJrのPPVのアンダーカードに出場予定でしたが、これはメインがとんでしまってキャンセルに。

そこからの仕切り直しの一戦です。

このウィル・マデラというボクサーは、2020年7月、フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に初回KO負けを喫しているボクサーですね。

「ライジングスター」という言葉がよく似合うブランダン・リー。今回も好戦績のボクサーですが、豪快なノックアウト勝利を期待したい。

 

【放送・配信】

この放送は、アメリカではShowtimeが生中継。

残念ながら、日本での配信はなさそうです。FITEがESPN放送に加え、Showtimeも放送してくれれば完璧なんですけどね。

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【プレビュー】ナバレッテ、10ヶ月ぶりにリング登場!モハメド・アリ因縁の会場にニコ・アリ!

8/14(日)は国内戦が非常にアツかった。

神戸、大阪、刈谷の興行を見て、ボクシングを始めてみたいと思った人はいないのだろうか。もっともっとっ注目を集めるファイトでないと無理なのかもしれません。

過去、ボクサーが増えた、とか、○○の試合を見てボクシングを始めた、というのは、私の世代ではやはり辰吉丈一郎、そして少し下の世代では畑山隆則という名前が出ることが多いのでしょう。

そして今は井上尚弥、でしょうか。

 

先日の3150FIGHTは話題になっているのか、私にはわかりませんが、今後もしっかりとガチ路線で期待したいものですね。

さて、そこから一週間、今度は海外ボクシングがアツい。まずはオレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュアの世界ヘビー級3団体統一戦。

↓プレビュー記事

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こちらはDAZNで生配信ですが、イギリス時間なので日本時間にすると深夜〜早朝。やはりお昼前後にあるアメリカ興行の方が、我々にとっては見やすいですね。(私は仕事ですけど笑)

ということで今回は、日本でも見れるアメリカのお昼興行、エマニュエル・ナバレッテvsエドゥアルド・バエスのプレビュー記事です。

 


8/20(日本時間8/21)アメリカ・サンディエゴ

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)35勝(29KO)1敗

vs

エドゥアルド・バエス(メキシコ)21勝(7KO)2敗2分

2012年にプロデビューしたナバレッテは、プロデビューから6連続KO記録を樹立、しかし7戦目で初黒星を喫します。

それでもその後は連戦して連勝、2018年12月には当時のWBO世界スーパーバンタム級王者、アイザック・ドグボエ(当時ガーナ)に挑戦、誰もが驚くアップセット勝利で見事な初戴冠。ダイレクトリマッチとなった初防衛戦では、ドグボエを最終回TKOで退け、初戦の勝利がフロックでなかったことをしっかりとアピールしました。

その後も快進撃はとどまる所を知らず、5連続KO防衛。しかも初防衛戦(2019年5月)から5度目の防衛戦(2020年2月)までに要した時間は1年未満。

とにかく頻繁にリングに上がる王者、ナバレッテはその後フェザー級へと転級。このフェザー級では松本亮(大橋)と星を分けているウリエル・ロペス(メキシコ)とのテストマッチをはさみ、ルーベン・ビラ(アメリカ)とのWBO世界フェザー級王座決定戦に勝利して、2階級制覇。

 

ここまで、クリストファー・ディアス(プエルトリコ)、ジョエト・ゴンザレス(アメリカ)と強豪を立て続けに撃破、2度の防衛を記録しています。

ジョエト・ゴンザレス戦から約10ヶ月、ナバレッテにしてはブランクが空いた方ではありますが、この間は契約云々の話があったようですね。ナバレッテはトップランクを離脱、フリーになるとの噂がありましたが、結局は元サヤ、トップランクとの契約を継続(なのか、新たに契約なのか?)したようです。

ということで今戦もESPNの放送に登場のナバレッテ。

今回の防衛戦の相手は、エドゥアルド・バエス。よく聞く名前ですが、ライース・アリームに負けたボクサーの一人で、主戦場はスーパーバンタム級。

前戦は2022年3月、ベルチェルトvsナカティラのセミファイナルで、フェザー級のプロスペクト、エンリケ・ビバス(メキシコ)とのフェザー級戦。メキシカン同士らしいタフ・ファイトとなったこの一戦では、ややディフェンスに勝るバエスがマジョリティの判定勝利。この一戦が、今回の挑戦へとつながったのかも知れません。

まあ、普通に考えればナバレッテが優位と見られる一戦。残念ながら戦ってきた相手の格が違っています。

もちろん、アリームをも苦しめたバエスは好ボクサー(アリームが2-0の判定勝ち)。ナバレッテも楽な試合にはならないと思いますがここは勝利は固いでしょう。しかしナバレッテは非常にエネルギッシュに攻めてくる、勢いのあるボクサーとばかり対戦しますね。これはナバレッテが望んでいることなのでしょうか。

 

ウェルター級10回戦

ジョバンニ・サンティリャン(アメリカ)29勝(16KO)無敗

vs

フリオ・ルナ・アビラ(メキシコ)19勝(10KO)無敗2分

「Gallo de Oro」というたいそうなニックネームのサンティリャンですが、個人的なイメージとしてはあまり冴えない試合が多いように思います。

非常にアグレッシブで、優れたコンビネーションパンチャーではあるものの、ややパワーレス。前戦のジオバニス・バラーザ(コロンビア)戦では7RKO勝利をしていますが、このKO勝利というのは実に2年半ぶりのもの。しかも、打ちまくった末にダウンはなく、実力差が明らかということでレフェリーが試合をストップしたもの(通常はTKOですが、カリフォルニアルールではKOになるようです。)であるため、やはりそのパワーレスと感じる私の気持ちには拍車がかかっています。

さて、そうなると気になるのは無敗の24歳、しかも180cmもある(BoxRecより)というウェルターのフリオ・ルナ・アビラというボクサー。聞き覚えがないでもないのは、フリオ・セサール・アビラというボクサーが過去にいたからですね。実際には聞いたことがないボクサーのはずなので調べると、これまではメキシコ国内で戦っており、今回がアメリカ初戦となるボクサーのようです。

 

デビューは2015年、デビュー3戦目と11戦目でドローの記録がついています。

動画を検索してみましたが、パッと出てこないあたりがミステリアスで良い。

ということで、このボクサーがパワーあふれるぶんぶん振り回す系のマッチョなメキシカンであることを願い、このジョバンニ・サンティリャンに勝つ、まではいかなくとも、大いに困らせてくれる事を期待してみたいものです。

驚くほど強ければ、それはそれでまた、おもしろい。

ミドル級4回戦

ニコ・アリ・ウォルシュ(アメリカ)5勝(4KO)無敗

vs

レイジェス・サンチェス(メキシコ)7勝(3KO)2敗

セミセミには、ニコ・アリ・ウォルシュが登場です。対戦相手のレイジェス・サンチェスとは、プロ3戦目で戦い、2-0の判定勝利を収めています。

ニコがこれまでのキャリア(といっても5戦)の中で唯一倒せなかったボクサーではあるので、ここを倒して成長度合いを確認しよう、というものなのかもしれません。

この試合をセミセミに持ってくるあたりがさすがトップランク、という所なんですよね。。。

 

ニコが戦うたびに向上しているのは知っています。今回はまた成長した姿を見せてくれると良いですね。

ちなみに、その他のアンダーカードには15勝(13KO)無敗のリンドルフォ・デルガド(メキシコ)が登場。対戦相手はオマール・アレハンドロ・アギュラー(メキシコ)、こちらは24勝(23KO)無敗というボクサーです。なぜ、これをメインカード枠で放送しない。。。プレリムス(アンダーカード)の放送では見られそうですが、残念ながらFITE.TVの放送リストには載っていませんね。

そういえば、このサンディエゴの会場、ペチャンガ・アリーナという場所は、1973年、ケン・ノートンがモハメド・アリの顎をかち割った会場だとのこと。歴史がありますね。

万が一、ここでニコが負けるようなら呪われているのかもしれません。

 

【放送・配信】

このトップランク興行は、アメリカではESPNが生放送。そして日本では、FITE.TVのPPVで見ることができます。

日時は日本時間で8/21(日)9:00〜、上記の3試合に加えてオースティン・ブルックスvsオリバー・ガリシアのスーパーフェザー級6回戦も放送するようです。

↓FITE.TVのPPVリストはこちらから!

 

 

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【プレビュー】オレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュア2!!返り討ちか、リベンジか。

この日をもって、秋のビッグマッチシーズンが到来します。(とかいいつつ、まだ決まってない試合だらけですが。。。)

このような試合を「ビッグマッチ」と呼ばずして、何をどうビッグマッチと呼べば良いのかわかりません。そう、いよいよ我らが地球は、3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチを迎えます。

オレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュア。

地上最強のボクサーであるヘビー級の3団体統一戦には、最強の証明であるリング・マガジンの王座もかけられる、とのこと。この王座はタイソン・フューリーが持っていた王座でしたが、返上したことで、このウシクvsジョシュアの一戦に載せられる事になりました。

という事で今回は、オレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュアをメインに据えた、サウジアラビア・ドバイスタジアムの興行をプレビューです。

 

8/20(日本時間8/21)サウジアラビア

WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一タイトルマッチ

オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)19勝(13KO)無敗

vs

アンソニー・ジョシュア(イギリス)24勝(22KO)2敗

元世界クルーザー級「Undisputed」王者、オレクサンドル・ウシク。第一回目の開催となったWBSS(World Boxing Super Series)クルーザー級トーナメントに優勝し、2018年に4団体制覇王者となったオレクサンドル・ウシクは、その偉業を引っさげてヘビー級に挑戦。

すでに時代は2m超えの大型巨人が跋扈する「大型ヘビー級」の時代であり、190cmそこそこの身長しかないオレクサンドル・ウシクの挑戦は無謀かと思われていました。

2019年10月にチャズ・ウィザースプーン(アメリカ)戦、2020年にデレック・チゾラ(イギリス)戦を戦ったウシクのパフォーマンスはそれほど良いとは言えなかった、ということもあり、ヘビー級転級3戦目にして、当時世界ヘビー級3団体統一王者だったアンソニー・ジョシュア(イギリス)に挑むことについては、勝敗についてはネガティブな意見も多かったのではないか、と思います。

 

198cmの身長と208cmのリーチに恵まれた、ロンドン五輪金メダリストにしてサイボーグのような王者、アンソニー・ジョシュア。

イギリスでの人気は圧倒的で、ジョシュアひとりでスタジアムを満席にできるかもしれません。

アンディ・ルイスJr(アメリカ)に敗北を喫し、その打たれ脆さとハートの脆さを露呈したものの、再戦では安全圏をキープしてリベンジ。ここでは、それらの弱点を補えるボクシングテクニックを見せた、と言って良いと思います。

無差別級であるヘビー級は重い方が有利、他の階級のボクサーたちと違って脂肪をつけて臨むケースが多い中で、アンソニー・ジョシュアの体つきはしっかりとビルドアップされ、筋肉の鎧をまとったボディビルダーのようです。

その体つきはフロックではなく、そのパワーで叩きのめし、ストップして来た相手は実に24勝中22KOというKO率にあらわれています。

この、ウシクにとって圧倒的不利予想となった一戦において、完璧なアウトボクシングで序盤からウシクがジョシュアを圧倒。

中盤、ジョシュアが盛り返しかけるも、それを許さず、終盤にもジョシュアはその体格差を活かして潰しに行けず。

結果、2〜5ポイント差をつけてオレクサンドル・ウシクの「完勝」という内容でした。

 

↓観戦記

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「ジョシュアが負けるとすれば、この展開」という流れを、まるで針の穴に糸を通すように遂行してみせたウシク。

この一戦にはもともと再戦条項があり、当初は2022年春の予定でしたが、ロシアによるウクライナ侵攻のために消滅しかけ、それでもここにきて締結した、という流れです。

時は2022年8月20日という日程に落ち着き、それはもう目前に迫っています。

現在(8/15)時点では、オッズはウシク優位と出ています。

ただ、前戦はウシクの完勝であっても楽勝ではありませんでした。

改めて、この試合を考察してみると、ウシクは機動力を活かし、様々な仕掛けを持ってリングに上がり、常にAJに考えさせ、その出足を鈍くさせていた、と考えます。

 

AJはそのウシクの策にはまり、自らの利点を活かして強引に攻めきれなかった、というのが大きな敗因だと思います。

そしてこれは推察ですが、もしかするとAJはインターバル中、陣営から、ポイントについて「問題ない」(もしくは勝っている)と言われていたのではないか、とも思います。そうすると、あの最終回の「焦りのなさ」や「負けた時のさっぱりした感じ」にも納得がいきますし、このウシク再戦に向けてロベルト・ガルシアを新たなトレーナーに迎えたことにも得心します。

これまでのトレーナー、ロバート・マクラケンはアドバイザーとなり、指導からは離脱させるもチームに入れておく、というやさしさ(?)を見せるあたりはジョシュアっぽいが、事実上、新たなチームと言って良いでしょう。

ロベルト・ガルシアは、新たに参入したチームだからこそ、ウシク撃破という結果が必要であり、そのためにする進言は、もしかすると知らぬ間にぬるま湯となってしまっていたジョシュアのチームに喝を入れる起爆剤に、十分になり得ます。

さて、ウシクはというと、アナトリー・ロマチェンコに指示を仰ぎ、調整中。

もちろんここに油断は一切なく、おそらくジョシュアを強敵と見てしっかりと準備をしているはずです。

「再戦」というのは、勝った方がやりづらい、とよく言われます。

しかし、今戦のウシクに限っていえば、祖国の状況を鑑みると、その事はすでにあまり関係のない所まで来ているでしょう。

前戦で、ヘビー級において最大の勝利を掴み取ったオレクサンドル・ウシク。今回のジョシュアは、おそらく前回よりも強いジョシュアが出てくるとは思いますが、ここはまた、歴史的な1勝を挙げてほしい、と願わずにはおれません。

 

ライトヘビー級12回戦

カラム・スミス(イギリス)28勝(20KO)1敗

vs

マシュー・バウダーリーク(フランス)21勝(12KO)1敗

前戦でジョシュアvsウシクのアンダーカードに登場したスミスが、今戦でも登場です。

カラム・スミスは2020年12月、カネロ・アルバレス(メキシコ)に判定負けを喫しますが、その後ライトヘビー級に転級してヒルベルト・レニン・カスティーリョ(ドミニカ共和国)に2RTKO勝利。ドミトリー・ビボル(ロシア)やマーカス・ブラウン(アメリカ)ともフルラウンドを戦ったカスティーリョを序盤KOとは、もしかしたらこの階級の台風の目になりうるボクサー、なのかもしれません。

対するはマシュー・バウダーリーク(読み方は違うかも。。。)というフランス人の好戦績ボクサーで、映像は見れていません。

 

そこそこの戦績のボクサーを相手にしっかりと勝利を積み重ねてきているボクサーで、現在3連続ストップ勝ちと調子も良さそうですね。

このバウダーリークが勝てば大きなアップセット、スミスとしては勝利だけでなく内容も問われる一戦となりそうです。

ヘビー級12回戦

フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)14勝(12KO)無敗

vs

チャン・ツィーレイ(中国)24勝(19KO)無敗1分

この一戦は、本来2022年5月7日(日本時間8日)、カネロvsビボルの興行にセットされていたものでした。

しかし興行直前、フルゴビッチが出場を辞退(4月上旬にお父さんが亡くなり、十分菜トレーニングを積めなかった、ということが理由だそうです)し、ここにずれ込んできました。

「ヘビー級のアジアン・ボクサー」として名前が売れてきていると思われる、チャン・ツィーレイ。兼ねてから「チャンス」を求めて戦い続けてきましたが、この一戦は彼のいう「チャンス」となり得る試合に違いありません。

ツィーレイは現在39歳、アマでも北京五輪で銀メダルを獲得しています。ロンドン五輪にも出場し、準々決勝でアンソニー・ジョシュアに敗北しています。

 

2014年にプロデビュー、初戦からアメリカで戦い続けるチャンは、現在一つの引き分けを挟み23連勝中。引き分けも、序盤にダウンを何度も奪ったものの、その後は貧血を起こしてしまい、ろくに戦えない状態で何とかドローに持ち込みました。とんでもない精神力でさて、フルゴビッチ。

恐ろしすぎる「猛獣」、フルゴビッチはリオ五輪で銅メダルを獲得し、2017年にプロ転向。

「ザ・アニマル」とのニックネームのようですが、その愛称はフルゴビッチのボクシングを表しているか、と言われるとそうは思いません。

このフルゴビッチは、ややアップライト気味の構えから強弱をつけたコンビネーションで相手を追い詰める、正統派ボクサーだと思います。

コンビネーションと、その一つずつのパンチのアングルの良さ。あのハンドスピードで、あの回転力で来られるので、相手がブロッキングで固まってしまうとやりたい放題。

アジアヘビー級最強ボクサーのチャン・ツィーレイは、クロアチアの猛獣にどこまで通用するのでしょうか。ツィーレイがもしここを乗り越えることができたならば、大きな道が開けそうな予感もしますね。

 

クルーザー級10回戦

バドゥ・ジャック(スウェーデン)26勝(16KO)3敗3分

vs

リチャード・リベラ(アメリカ)21勝(16KO)無敗

メイウェザー・プロモーションからバドゥ・ジャックが登場です。

2019年にマーカス・ブラウン(アメリカ)、ジャン・パスカル(カナダ)に2連敗するも再起、ここまで4連勝のジャック。

対戦相手のリベラは好戦績ではありますが、ここまで強豪との対戦経験はありません。

キャリアもしっかりとあるボクサーなので、ジャックとしても油断はできないものの、これまでの戦歴を見ると格下なのは明らかですね。

 

【放送・配信】

この興行は、イギリスではSKY Box Office、その他の国ではDAZNで生中継。

DAZNでの配信が有るか無いか、で話題にもなっていたようですが、無事、配信決定のニュース。(私は有るものだと思っていましたけど、結果オーライ)

この興行の時間は、イギリスの時間に合わせての興行だそうです。SKY Box Officeの中継は、現地(イギリス)時間の8/20(土)の15:00〜。メインは22:54〜とのことなので、日本時間では8/21(日)AM6:00かAM7:00頃のメイン開始となりそうです。

日本での開始の時間は8/21(日)AM1:00。全部見るには超早起き又は超夜更かし。私はヘタレなのでアーカイブで見ます!

↓DAZNはこちらから

DAZN

 

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井上尚弥の4団体制覇、最後の相手であるポール・バトラーとは何者か。

8/15(月)、WOWOWエキサイトマッチに井上尚弥が登場。

父・慎吾氏とともにノニト・ドネア戦を振り返るとのことで、これはさすがWOWOW。

その中ではポール・バトラーとの4団体統一戦について言及した、とのことですが、この4団体統一戦は既定路線。バトラーにとっても名を挙げるチャンスでもあり、且つ、逃げようにも逃げられないものだと思います。多くのボクシングファンは、この試合が決定する事を確定事項だと思っていますし、あとは「いつ」と「どこで」が明確になって、正式発表を待つのみという状況だと思います。

日本人が絡むビッグマッチも非常に多かった2022年を締めくくる「ビッグマッチ」は、井上尚弥vsポール・バトラーという世界バンタム級4団体統一戦のはずです。

ということで今回は、ポール・バトラーというボクサーについてまとめてみたいと思います。

 

↑ジョナス・スルタン(フィリピン)に勝利して、WBO王者となったポール・バトラーですが、リング・マガジンのランキングでは10位⇢9位にアップしたのみ。世界王者になってこのランキングで9位というのは、残念ながらリング・マガジンからの評価は低いと言わざるを得ません。

WBO世界バンタム級王者

ポール・バトラー(イギリス)

戦績:34勝(15KO)2敗

生年月日:1988年11月11日、33歳(2022.8/14現在)

ポール・バトラーは、アマチュアボクシングの出身ですが、これまで国際的に大きなタイトルを獲得した経験はありません。

唯一、記録としているのは2010年のABAタイトル、というものですが、このABAタイトルというのはイングランドのアマチュア選手権。イギリス国内でも、ウェールズやスコットランドは別タイトル、北アイルランドはアイルランドに組み込まれているので、日本でいうとブロック大会で優勝した、くらいの大きさだと思います。(但し、日本とは競技人口において大きく違うはずです。)

 

つまりは、アマチュアボクシングで非常に目立っていたか、というとそうではありません。

なので、「トップアマ」とは言えないまでも、そのABAタイトルを引っさげて2010年にプロデビューしたバトラーは、キャリア初期、比較的しっかりとしたキャリアを積ませるための試合(要はアンダードッグとの試合)をいくつか経験します。

2012年頃からは同程度のキャリアの無敗のボクサーや、勝ち越しているボクサーを相手にしっかりと勝ち残り、同年の9戦目でBBBofCのスーパーフライ級王座を獲得(すぐに返上)。このジョン・ドネリー戦はBoxNationでも中継され、しかも内容が初回KO勝利の秒殺劇。

この頃にはおそらく大きな期待を寄せられるボクサーになったのでしょう。

世界初挑戦で初戴冠!

2013年にはコモンウェルス英連邦の同級タイトルもコレクト、同年にWBOインターコンチネンタル同級王座、WBAインターコンチネンタル同級王座も獲得し、徐々に世界挑戦の準備に入っていきます。

2014年3月、WBAインターコンチネンタル・バンタム級王座を獲得し、その3ヶ月後にIBF世界バンタム級王者だったスチュアート・ホール(イギリス)に挑戦、ここをスプリットの判定で勝利して、初戴冠を果たします。デビューから16戦目のことでした。

 

ちなみにこの2ヶ月前の2014年4月、井上尚弥がアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6RTKOで降し、WBC世界ライトフライ級王座を初戴冠。井上尚弥、ポール・バトラー、世界初戴冠は同じタイミングだったようですね。

さて、しかし当時のバトラーにはバンタム級は重すぎたようで、その後にバンタム級でのノンタイトル戦を戦い、折角獲ったIBFタイトルを返上、スーパーフライ級への転級を決定しました。

バトラーの初黒星!

2015年3月、バトラーは前IBF世界バンタム級王者、という肩書だったがためか、すぐさまに当時のIBF世界スーパーフライ級王者、ゾラニ・テテ(南アフリカ)に挑戦することができました。

しかし結果は8RKO負け、テテの完璧なアッパーカットでダウンでカウントアウトされてしまう完敗でした。

ただその初黒星の後も、調子は崩れず、スーパーフライ級、バンタム級、そしてスーパーバンタム級やフェザー級のウェイトでも戦い、2015年〜2018年の間に9連勝。

 

テテからの初黒星直後から4連続KO、2017年には元世界王者であるスチュアート・ホールとの再戦に臨み、初戦を大きく上回る完勝を見せています。

そしてこの連勝により、また世界を狙える位置まで自力で戻ってきたポール・バトラーは、2018年5月5日、当時無敗のエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とのIBF世界バンタム級王座決定戦へと臨む事になりました。

「ベストはスーパーフライ級」と常々言ってきたバトラーでしたが、このバンタム級戦でなんとウェイトオーバー。しかも3.5lbs(約1.58kg)ものオーバーということで、救いようがないほどのオーバーでしたね。

この試合前の9連勝、という間に、様々なウェイトで試合をしたことが響いていたのかもしれません。

さて、変則タイトルマッチとなったバトラーvsロドリゲス。この時はまだ「未知の強豪」という言葉がよく似合ったプエルトリカン、ロドリゲスは初回から左フックカウンターでバトラーをダウンさせると、その後もジャブとカウンターを当てまくり、最終的には判定勝利。

バトラーは初回にダウンを奪われた上、序盤から鼻血を出し、ほとんど良いところがなく敗れてしまいました。

やはり初回からカウンターをあわせてしまうロドリゲスのセンスは素晴らしいし、バトラーはバトラーで劣勢においても逃げまくるわけではなく、要所要所で逆転を目指してチャージをかけ、決して試合を投げる事がなかったというのは印象的。

それでも、体格に勝り、非常にバランスが良いボクサーであるロドリゲスには通じませんでした。

 

再起〜現在!

ちなみに、この敗戦から2018年11月に再起していますが、この時の一戦はヨアン・ボワイヨ(フランス)。ボワイヨはこのバトラー戦の前の一戦で、井上尚弥に挑戦(井上のスーパーフライ級最後の防衛戦で、3RTKO負け)しているボクサーです。

このボワイヨ戦こそ10回戦で行われましたが、その後は6回戦や8回戦の試合がほとんどで、ボワイヨ戦を含めて7連勝。対戦相手は負け越しのボクサーも多く、2021年のウィリバルド・ガルシア(メキシコ)とのWBOインターナショナル戦では辛くもスプリットの判定勝利。

その後、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)への挑戦が決まりますが、そんな状態だったということもあって予想は大きくカシメロ優位に動いていました。

ここからのWBO世界バンタム級王座をめぐるバタバタ劇については、過去のブログでも書いてありますのでご参照ください。↓

boxingcafe.hatenablog.com

 

結果的には、2022年4月22日、ジョナス・スルタン(フィリピン)を破ってWBO世界バンタム級暫定王座につき、その後正規王者に昇格したポール・バトラー。

このvsスルタンでは、バトラーはしっかりとスルタンに対しての作戦を遂行。下がりながらカウンターを決めるというボクシングで、スルタンを翻弄しての完勝でした。

ポール・バトラーは総合力のボクサー

出てこない相手に対しては自らプレスをかけ、出てくる相手にはカウンター戦法、バトラーは様々な戦い方ができるボクサーであり、いわゆる総合力が高いボクサータイプ。パワーはさほど感じませんが、ハイガードのスタイルが乱れず、攻略しづらいボクサーでもあります。

ゾラニ・テテは真ん中の空いたファイティングポーズのバトラーに対して、非常に上手くアッパーを突きましたが、あれは相性ということもありますし、テテは脆さも感じるもののやはり強いボクサー。カシメロとだって、10回やれば7〜8回は勝てるはずです。

 

エマニュエル・ロドリゲスは初回にタイミング抜群の左フックでダウンを奪い、その後もカウンターを決めていましたが結局倒せず。ロドリゲスがパワーレスなのではなく、(ウェイトオーバーも含めて、ですが)バトラーがタフネスを持っている、と考えて良いでしょう。

ポール・バトラーというボクサーは、ハイガードのスタイルからジャブを突き、ワンツーで攻め込んでボディに返す、そして相手が攻めてくれば下がりながらカウンターを打つ、という非常にオーセンティックなボクサー。この「下がる時も」「しっかりガードが上がっている」というスタイルは、なかなか崩せませんし、攻めづらいと感じるボクサーも多いはずです。

ただ、そういう穴の少ない、オーセンティックなスタイルだからこそ、読みやすいという事もまた真実だと思うので、井上尚弥にとってはカウンターを取りやすい相手、ともいえますし、ロドリゲス戦でバシバシとジャブを喰らっていたバトラーを見ると、現役最高峰のジャバーである井上のジャブだけで試合が終わってしまってもおかしくないのではないか、とも思います。

 

井上vsバトラーは間もなく発表か?

現在、井上vsバトラーの世界バンタム級4団体統一戦は、「いつ」「どこで」を残すのみ。

当初は12月に日本開催と伝えられ、バトラーも「日本に行くことを厭わない」と言っていましたが、その後「イノウエはイギリスに来る必要がある」と訂正。

正直、もうどちらでも良いですが、日本でやるなら見に行くし、イギリスだとちょっと難しいかな、と感じています。イギリスのファンの多くはイギリスでモンスターが見たい、と思うのでしょうが、果たして大人気とは言えないポール・バトラーの集客力で、イギリスで井上尚弥に見合うファイトマネーが払えるかというと難しい気もします。

やはり日本で、アマゾンプライムの資金力をアテにするしかないような気がする4団体統一戦、発表は間もなく??待ち遠しいですね。

 

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ポール・バトラーの出身地であるイギリスはボクシングが非常に盛んな土地柄であり、多くのトップボクサーを擁立しています。

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【プレビュー】8/14は国内ボクシング三昧!大阪、神戸、刈谷各地で熱戦予定!!

ボクシングの素晴らしいところの一つは、GW、お盆、年末年始といった世間様が活動していない時でも、その歩みをやめないことです。

ボクサーはもちろん、関係者各位に心からの感謝と尊敬を。

さて、ということで今回はお盆期間中に行われるボクシング興行のプレビュー記事です。

8/14(日)愛知県刈谷市

中日本新人王決勝戦

中日本の新人王が決まる、決勝戦は今年も中部の聖地、刈谷市のあいおいホールで開催されます。

中日本の新人王トーナメントを熱心に見ているわけではありませんので、プレビュー記事とかは書けませんが、ここに勝利したボクサーは地区対抗戦(西部日本新人王との決定戦)へと進み、そこに勝てば西日本新人王との西軍代表決定戦に臨みます。

 

中部地区のボクサーたちにとっては、全日本新人王前の最初のタイトル。東日本新人王トーナメントと比すると、トーナメントの準々決勝にあたるところですね。

残念ながら、すでにいくつかの試合が中止になっている、とのことですが、暑い刈谷市をもっと熱くする、熱戦に期待したいものですね。

この興行は、sakanaさんのYoutubeチャンネルで生配信。配信主は「ボクシング選手名鑑管理人のせきちゃんです。

↓みどころはこちらから

boxinglib.com

 


8/14(日)兵庫県神戸市 REAL SPIRITS

50.0kg契約10回戦

山中竜也(真正)17勝(6KO)3敗

vs

ジョナサン・タコニン(フィリピン)29勝(22KO)4敗1分

元WBO世界ミニマム級王者、山中竜也の復帰第二戦。前戦は2022年3月、フライ級でも戦っているタフな須藤大介(三迫)を相手にしたライトフライ級6回戦で、見事な5RTKO勝利。

2018年に硬膜下血腫の診断を受け、一度は強制的に引退をさせられたものの、段階を経て復帰できることになり、約3年8ヶ月ぶりのリングで衰えのないことをアピールしました。

本人の強い気持ちと、周りの強固なサポートがなければ、ルールを変えてまでの復帰は叶わなかったでしょう。ルールというものは、時に理に適っていないこともありますが、これを強引な手法や既成事実を作って打破するのではなく、正しく話し合いを重ね、乗り越えたことは非常に素晴らしく、本当に尊敬に値します。本当に大変な思いをした、と推察されます。

リングに上がる前に、これだけ大変な思いをしたからこそ、是非ともこのライトフライ級でも王座を奪取してほしい。

 

そんな山中の復帰第二戦の相手は、ジョナサン・タコニン。

タコニンはWBC世界フライ級15位、とのことで、下位ながらも世界ランクを持っています。

ここに勝てば、ライトフライ級での世界ランク返り咲きが期待される一戦で、大きく歩を進めることができます。

タコニンは2019年、寺地拳四郎(BMB)のもっていたWBC世界ライトフライ級王座へ挑戦も、4RTKO負け。寺地の強さが光った試合でもありましたが、この頃はちょうど拳四朗もメキメキと力をつけている時期でもありました。おそらく当時、ライトフライ級王者の中では一番の評価を得ていた王者に挑戦し、見事な散り様でもありましたね。

タコニンはこれまで4敗していますが、キャリア初期(プロ5戦目の6回戦)を除き、2012年のコンパヤック・ポープラムック(タイ)、2016年のガニガン・ロペス(メキシコ)、そして2019年の拳四朗戦と全て世界タイトル戦。

世界タイトルに一歩届かないボクサー、といえばそうなのですが、何度もチャンスが巡ってきていることから分かる通り、当然実力者でもあります。

 

長く一線で活躍しているジョナサン・タコニンですが、是非とも山中には快勝してもらい、ライトフライ級の世界戦線へ名乗りを挙げてもらいたい。

スーパーフライ級8回戦

ジュン・ブラゾ(フィリピン)16勝(12KO)6敗3分

vs

田井宜広(RST)3勝(3KO)1敗

これまで何度も来日経験のあるジュン・ブラゾ。古くは江藤光喜、その後も渡部大介、梶颯、大湾硫斗、杉田ダイスケと拳を交えています。

スーパーフライ〜スーパーバンタムを股にかけて、日本でも戦っているこのブラゾがストップ負けを喫しているのは、日本人相手には2016年に戦った江藤戦のみであり、梶、大湾といったハードパンチャー相手にもしっかりと戦い切っています。

杉田戦での敗戦は2018年4月のことで、そこからは8連勝。対戦相手の戦績は推して知るべしではあるものの、あの頃のまま、と思わないほうが良いのかもしれません。

 

さて、個人的にそのスタイルが好きで、推しボクサーの一人である田井。

前戦、日本ユースバンタム級王座決定戦では、富施郁哉(ワタナベ)に判定負け。もっともっと自由自在にリングを飛び回れると思いましたが、この日は富施の方が距離感が良く、終始富施のペースで戦ってしまった印象です。

そこから約10ヶ月、今度は自分のボクシングを貫けるか、どうか。

初めて見た時、びっくりするほど自由奔放にリングを飛び回るボクシングに驚きました。

今戦では、是非とも見せてもらいたい。

 

その他のアンダーカード!

その他のアンダーカードも注目ボクサーが次々と登場です。

4/9に行われた、GGGvs村田諒太という日本ボクシング史上最大のビッグマッチ、そのアンダーカードに登場した穴口一輝(真正)がA級初戦。このボクサーには要注目です。絶対に見ておいた方が良い。

↓穴口の前戦、観戦記

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他にもRSTジムから、アマキャリア豊富な小田切駿平が6回戦デビュー、こちらも注目ですね。

放送・配信

このREAL SPIRITS興行は、真正ジムのYoutubeチャンネルではなく、ABEMA.TVでの生配信。

先日の亀田和毅vsウィリアム・エンカーナシオンもそうでしたが、真正ジム興行のREAL SPIRITSはABEMA.TVでの配信となるようですね。今回も前回に引き続き、「元世界王者」という肩書を持つ山中竜也が登場ということでそうなのかもしれませんが。

放送日時は8/14(日)12:45〜とのことで、確実に3150FIGHTと被ってしまいます。

しかし!

この配信は、ABEMAプレミアムに加入しておけば、配信終了後、すぐに見逃し配信を視聴することができます。

ABEMAプレミアムに加入しておけば、8/26(金)に予定されているフェニックスバトルも追加コインなしで観れるので、必須!!

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8/14(日)大阪府 3150FIGHT

日本ヘビー級王座決定戦

但馬ミツロ(KWORLD3)1勝(1KO)無敗

vs

イ・ソンミン(韓国)7勝(2KO)2敗1分

ミツロのプロ2戦目。対戦相手のイは韓国のヘビー級王者、とのことですが、日本人と体格が変わらない&低迷している韓国ボクシング界に、ヘビー級の強豪がいるとは考えづらいですね。

ここは但馬が圧倒するべき試合ではありますが、強引に行かずにしっかりとしたボクシングを見せてもらいたいですね。

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ

力石政法(緑)11勝(6KO)1敗

vs

トムジュン・マングバット(フィリピン)15勝(12KO)3敗1分

もともと評価の高かった力石は、前戦でOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座を獲得。2022年5月に行われたこの試合の対戦相手は、ベテラン渡邉卓也(DANGAN AOKI)であり、力石優位と見られた一戦ではあったものの、あそこまで完璧に退けたのには驚きました。

力石がメキメキと力をつけ、勢いを持っているのは兄・矢吹正道が世界王者になった(現在は無冠)ということも大きいのでしょう。

 

初防衛戦の相手はトムジュン・マングバットというボクサーで、15勝中12KOというハードパンチャー。24歳と若いボクサーで、良い戦績を持っていますね。

ただ2022年3月に行われた前戦では、無敗のチャーリー・スアレス(フィリピン)に12RTKO負け。OPBFランキングでも14位と下位の部類に入るボクサーです。

映像を見た感じでは、あまり振り回してくるタイプのフィリピン人ではなく、思った以上にボクシングが上手い印象。上下のコンビネーションは秀逸で、どちらかというとテクニシャンタイプ、比較的下がりながら戦う姿が目に付きます。KO率ほどのパンチングパワーは感じませんが、このコンビネーションには気をつけなければいけません。

ただ、渡邉を完封した力石にとって、さほど難しい相手ではないような気がします。

 

ヘビー級4回戦

石井慧(クロアチア)デビュー

vs

高山秀峰(スパイダー根本)1勝(1KO)無敗

北京五輪、柔道100kg超級金メダリストの、プロボクシングデビュー戦。現在はクロアチア国籍を取得し、クロアチアでプロボクサーとしてのライセンスを取得した逆輸入ボクサーですね。

高山は数少ない日本のヘビー級であり、対戦相手探しも大変でしょうね。ヘビー級も4勝しなければ6回戦を戦ってはいけない、ということなのであれば、果たして4度も戦えるのか?これは海外で戦わなければ、キャリアは詰めなそうですね。

フライ級8回戦

宮崎亮(KWORLD3)26勝(16KO)2敗3分

vs

アサエル・ビラール(パナマ)18勝(14KO)1敗3分

元世界王者、宮崎のが長期ブランクからの復帰3戦目。ビラールは世界ランクを持っているボクサーで、映像を調べてみてもなかなかでてきません。

2014年時点での映像がほんの少しありましたが、非常に荒々しいボクサー。ただ、これはデビュー当初(2013年にプロデビュー)のものなので、あまりあてにはなりません。

戦績やパナマという出身地からして危険な香りのするボクサーですね。

パナマといえば、ふにゃふにゃしつつもディフェンスの巧いテクニシャンも多いですが、ワイルドな攻撃力を持ったボクサーも多い。このビラールは後者かもしれません。

 

BoxRecには身長、リーチともに載っていませんが、この2014年の映像を見る限りではひょろりと細長い体躯をしており、身長、リーチともに宮崎よりありそうです。宮崎としては出入りのボクシングで対抗したいところでしょう。

これは強敵の予感。一筋縄ではいかないかもしれません。

58.0kg契約8回戦

大沢宏晋(オール)37勝(21KO)5敗4分

vs

ジョー・サンティシマ(フィリピン)21勝(18KO)4敗

世界再挑戦一歩手前までいって、コロナによる試合枯れから一気に世界ランクがなくなってしまった不運のボクサー、大沢。2021年9月に約2年ぶりにリングに上がり、負傷判定となってはしまいましたが勝利を挙げています。

復帰2戦目となる今戦で、大沢は早速勝負のマッチメイク。対戦相手はジョー・サンティシマ、エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)にも挑戦経験のあるボクサーです。

前戦ではジョエト・ゴンサレス(アメリカ)に敗れているとはいえ、サンティシマは世界的強豪と言っても良いボクサー。現在も世界ランクを持っており、大沢にとってはハイリスクでハイリターンな対戦相手と言えます。

宮崎の対戦相手のビラールといい、このサンティシマといい、結構厳しめの相手であり、素晴らしいマッチメイクを提供してくれていますね。

 

56.5kg契約8回戦

福永宇宙(黒潮)10勝(5KO)無敗

vs

山下賢哉(JBスポーツ)14勝(11KO)5敗

さてさて、多くの楽しみなマッチメイクがありますが、個人的にこの興行で最も楽しみなのはこの一戦。

高知県・黒潮ジムから2020年の全日本新人王、福永宇宙が登場です。

全日本新人王獲得後、英洸貴(カシミ)戦という素晴らしいマッチアップが決まるも流れ、山下との一戦も一度は流れ、という中ではありましたが、ようやくこの日を迎えます。

前戦は2021年11月、地元高知に木元紳之輔(角海老宝石)を迎えての凱旋試合、ここを5RTKO勝利で飾り10連勝。

がっちりとしたオンガード・ポジションからワンツーを放つオーセンティックなスタイルで、私が好むボクシングスタイル。そこに四国出身ということも相まって、非常に応援しているボクサーです。

その対戦相手が帰ってきたハードパンチ、山下賢哉。2019年にGOD'S LEFTバンタム級トーナメントに出場、初戦を2RKOで飾るもトーナメント2回戦を体調不良で棄権、リング登場は実に3年ぶりとなります。

 

山下のブランクが如何ほどの影響を及ぼすのかはわかりませんが、まだ26歳という山下にとっては、このブランクはさほど問題はないような気もします。

この一戦は、50-50の戦いに思え、やや粗目のスタイルである山下と、教科書どおりとも言える福永がぶつかり合う戦いは非常に興味深い。

福永に勝てばランク復帰、という期待がある分、山下のモチベーションは高いでしょうが、福永にとっても名のある相手に勝てばランキングの上昇も期待される、という一戦。

これは楽しみです。

ちなみに、私は四国出身なので、もちろん福永を全力応援!非常に生真面目なボクシングができる福永は、スタイル的にも非常に好みです。

 

放送・配信

この3150FIGHT興行は、その他に4回戦と5回戦が合計3試合、エキシビジョンがひとつ、ABEMA.TVで全試合生放送。

放送日時は8/14(日)15:30〜とのことです。

リアルタイムで視聴ができない方は、ABEMAプレミアムに加入しておけば見逃し配信で視聴が可能です。ちなみに、ABEMAプレミアムと契約しておくと8/26(金)のフェニックスバトル(メインがペテ・アポリナルvs武居由樹)も無料で見れますのでお得です。

私はリアルタイムでの視聴がかなわないので、意外にもABEMAプレミアムには入りっぱなしでした笑。もうサブスクの管理ができません。。。

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【プレビュー】テオフィモ・ロペス、8/13再起!vsペドロ・カンパ!ザンダー・ザヤスも登場のTR興行!

8月に入ったらあっという間にお盆。

みなさんはお盆休みはありますか?私はガッツリあります笑。

最近は色々とあって、転職しようかな、などと考えているわけですが、大学でのボクシング指導も8月下旬でひと段落つくこともあり、転職活動を本格的にしていこうと思っています。

などという近況報告は置いておいて、お盆期間中も国内外で注目試合が盛りだくさん。

秋に行われるであろうビッグマッチへの中継ぎ期間である夏には、そのビッグマッチを戦わない多くの注目ボクサーが試合をする時期です。

そんなわけで、週末にはいよいよあの「テイクオーバー」テオフィモ・ロペスが復帰です。

 

8/13(日本時間8/14)アメリカ・ラスベガス

テオフィモ・ロペス(アメリカ)16勝(12KO)1敗

vs

ペドロ・カンパ(メキシコ)34勝(23KO)1敗1分

元ライト級3冠王者、テオフィモ・ロペス。

「テイクオーバー」テオフィモ・ロペスは、早くから世界王者を嘱望された期待のプロスペクトで、2019年7月、中谷正義(現帝拳)との挑戦者決定戦を経て、IBF世界世界ライト級王座へ挑戦。

中谷戦では、当時アメリカでは無名の日本人を相手に大苦戦を演じてしまったことから評価が下がった印象だったので、世界初挑戦となったリチャード・コミー(ガーナ)戦では「まだ早い」の声もちらほら。

しかし、結果的には素晴らしい右カウンターを決めて王者コミーを切って落とし、2RTKO勝利という快勝で見事世界王者となりました。

そこから8ヶ月後、ファイトマネーやコロナで色々と揉めたものの、ロマチェンコが譲歩する形で当時のWBAスーパー、WBO王者で、WBCのフランチャイズ王者だったワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との統一戦が実現。

WBCのフランチャイズ王座というものが非常にわかりづらい王座であり、結果的に4団体統一戦とはならなかったものの、実質ライト級の最強決定戦でもありました。

 

この時の一戦は、慎重すぎるロマチェンコの戦い方、試合前から患っていたロマチェンコの怪我、そしてロペスの体格の利を活かした待ちのボクシング、強いプレッシャーという要因が様々な面で絡み合い、ロペスはアップセット(と言って良いと思います)での勝利を掴みます。

そして、見事3団体統一王者となったテオフィモ・ロペスでしたが、驕れるものは久しからず。幾度も延期をされた初防衛戦では、指名挑戦者であるジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)に敗れ、無冠となってしまいました。

この敗戦は、ロペスに大いに油断があった、とも言えますし、予想以上にカンボソスが良いボクサーだった、ということも言えると思います。ロペスのようなラテンのボクサーは、非常に勢いのある時は素晴らしいボクシングを展開しますが、一度落ちると地の底まで落ち切ってしまう、というイメージ。果たして、テオフィモ・ロペスの今後のキャリアは光り輝くのでしょうか。

 

そんなロペスは、そのカンボソス戦からの復帰戦に臨みますが、その相手はペドロ・カンパ。

このカンパの映像を検索すると、Youtube上で一番上に上がってくるのはハイライト映像です。このハイライト映像が見ていて非常に爽快で、これは素晴らしい攻撃力を持ったメキシコの戦士だとわかります。

PEDRO CAMPA HIGHLIGHTS HD - YouTube

頭を振って近づいて、ボラードをお見舞いしながら頭の位置を変えて、当たればそこから連打する。フルスイングのパンチが非常に多い、つまりはスタミナも十分で気が強く、パンチ力にも自信を持っている、ということなのでしょう。

これはロペスにとっても非常に危険な相手で、集中力をキープし続けなければいけません。

このカンパのボラードは、軌道も非常に良く、上下への打ち分けもできており、フルスイングであるがために非常に怖さもあります。反面、テンポとしては一定であり、一歩引いてみることができさえすれば、カウンターの格好の餌食ともなりそうです。

さて、テオフィモ・ロペスというパンチャーは、極上のカウンターパンチャーです。

上体をややスウェーしてから打つ右ストレート等、いわゆるプルカウンターを得意としているように思っています。なので、このカンパのようにアグレッシブで、パンチ力に自信を持ち、あまり駆け引きをせずにパワーでねじ伏せようとしてくるボクサーは、大好物なはず。

 

ペドロ・カンパは非常に危険なボクサーではあるものの、ロペスにとっては相性が良く、個人的には良い相手を選んだな、という印象です。

ロペスはここでまたBrutalなノックアウトを決め、スーパーライト級初戦を快勝で飾れるか。それとも、一度の敗戦で大きく崩れるのか。これは見ものです。

ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)13勝(9KO)無敗

vs

エリアス・エスパダス(メキシコ)22勝(15KO)4敗

おそらくセミファイナルに抜擢されたのが、ザンダー・ザヤス。

トップランクが大きく期待を寄せる19歳のプロスペクトが、プロ14戦目に臨みます。

これはザヤスが完全なAサイド、という試合であり、当然ザヤスのための試合。

ザヤスはまだキャリアを形成している途中段階であり、このエスパダスはザヤスにとっては過去最大のキャリアの持ち主です。

 

プロ26戦という集大成を、スーパープロスペクト相手にどのように示せるのか、がエスパダスにとっては非常に重要ですね。ここはザヤスが順当に勝ってくれるでしょう。

その他のアンダーカード!

アンドレス・コルテス(アメリカ)17勝(10KO)無敗
vs
エイブラハム・モントヤ(メキシコ)20勝(14KO)3敗1分

無敗のプロスペクト、25歳のコルテス。皆さんは、このボクサーのことを覚えているでしょうか。。。

2021年8月、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)vsジョシュア・グリア(アメリカ)のアンダーカードに出場したコルテスは、ジェネシス・セルバニア(カシミ)と戦い、なんと初回KO勝利。

セルバニアの攻撃で効かされたところから打ち合いを挑み、逆にノックアウトしてしまうという戦慄のKO勝利でした。

その後は2連続でKO勝利、セルバニア戦を含めて3連続KO勝利ということで、その2試合は見ていないのですがあのセルバニア戦で何かを掴み、覚醒しているのかもしれません。

 

↓コルテスvsセルバニア!

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なのでこの試合は非常に楽しみです。

対戦相手のモントヤは、前戦でガブリエル・フローレスJr(アメリカ)に0−2の判定で惜敗したボクサーであり、実力者です。

一筋縄ではいかないモントヤを相手に、コルテスはどのようなパフォーマンスを発揮するのでしょうか。アップセットの芽もある、注目ファイトですね。

このトップランク興行には、その他にも東京五輪フェザー級銀メダリストのデューク・ラガン(アメリカ)が登場したり、同じく東京五輪に出場したミドル級のトロイ・アイズリー(アメリカ)、そして大注目のチャーリー・シーヒー(アメリカ)等々、いつものようにトップランク・プロスペクトたちが大登場。

時間があれば全部見たいですが、まだまだこの辺りのボクサーたちは強豪を相手にしませんからね。お盆で暇があったら見てみようと思います。

 

【放送・配信】

この興行は、アメリカではESPNが生放送。

残念ながら、日本での放送はなさそうですね。。。

ESPNで放送される興行は、FITEあたりがやってくれることも多かったのですが、ここ最近はそれも控えめ。また生配信の情報が入り次第、お伝えしたいと思います。

《追記》

日本版FITE.TVでのPPVが決定していました。日時は8/14(日)AM9:00〜です。

 

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【プレビュー】大注目の国内興行!8/9中川健太vs梶颯!個人的注目は8/11山下陸vs平井乃智!

8月第一週の週末は、国内ではダイナミックグローブとクラッシュボクシングという大変興味深い興行が展開され、そして海外ではバージル・オルティスJr.やマイケル・コンランが登場。

夏の暑さに負けないアツいボクシングが連日行われています。

そして週末を過ぎても、この勢いは衰えず、ウィークデイには9日にダイヤモンドグローブ、そして11日には六島ジムの興行と目白押し。

今回のブログでは、8/9〜のウィークデイに控える国内2興行のプレビュー記事を書いていきます。

 


8/9(火)ダイヤモンドグローブ

日本スーパーフライ級タイトルマッチ

中川健太(三迫)21勝(12KO)4敗1分

vs

梶颯(帝拳)15勝(9KO)1敗

日本のボクシングファン大注目&世界的激アツ階級であるスーパーフライ級の日本王者というのは、非常に特別なタイトルです。

本来、この階級の日本王座というのは世界に直結する王座であり、世界への最短距離であるはずです。

しかし、ここ数年のスーパーフライは、世界的大注目階級。

かつては当時のPFPキング、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の参戦、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)やカルロス・クアドラス(メキシコ)、シーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)らが激突を繰り広げ、現在はそれに加えて新たな才能が集結している階級。

↓ノニト・ドネアまで!!

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なので、現在の日本スーパーフライ級王座というのは世界に直結する最短距離のタイトル、とまでは言えません。しかし、この日本タイトルは、やはり世界への挑戦権をかけたタイトルの一つであることには変わりありません。

1985.8.7生まれの日本王者、中川は37歳のベテラン。2016年に王座決定戦で同王座を獲得するも、初防衛戦で高校の同級生で一緒にボクシング部を立ち上げたという船井龍一(当時ワタナベ)に敗北、王座から陥落。

三迫ジムへ移籍して奥本貴之(グリーンツダ)へ挑戦、王座を再戴冠。その後福永亮次(角海老宝石)との3冠王座統一戦に破れ、王座陥落するも、再起戦で若き無敗のホープ、廣本彩刀(角海老宝石)に勝利し、久高寛之(当時仲里)との王座決定戦を経て3度目の戴冠。

↓大激闘の福永亮次vs中川健太!

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サンダーレフトと呼ばれる左強打が特徴の中川ですが、このボクサーには「執念」というアツい炎を感じます。強みというか凄み、それは年を経るごとに凄まじさを増しているとさえ感じるボクサー。

そして対戦相手は、1997.8.10生まれの24歳の若き帝拳ホープ、梶颯。

もっと早くにタイトルに手が届いていてもおかしくはなかった梶は、2015年似プロデビューした同年の全日本新人王。

雌伏の期間を経て、隙の少ないボクシングを完成させた、という感じが強いですね。

15勝中9KOという強打を持ち、がっちりと筋肉の詰まった体は非常にフィジカルが強そうです。

前戦は2021年10月2日、福永亮次(角海老宝石)の持っていたアジア3冠に挑戦。

この一戦では、梶が何度も福永を効かせ、非常に優勢に試合を進めていたようにも見えましたが、ポイントは取り切れておらず、11R、12Rの福永の猛追を受けたことにより0-2の判定で初黒星。

↓この日の梶は非常に強かった。

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梶にとっては、この日、「勝負に勝って試合に負けた」というようなイメージだったと思うのですが、梶にあと一つだけ足りなかったものがあるとするならば、それはタイトルへの執念、勝利への渇望だったのかもしれません。

特にチャンピオンシップラウンド、福永の意地はものすごかったし、ここでなりふり構わず前に出れた福永と、出れなかった梶。ただただ、その差。挑戦者としての気概。

この反省を活かし、更に強くなった姿を見せられるとするならば、中川健太は絶好の相手だとも言えますね。

ふたりが戦ったボクサー、福永亮次を介して見れば、9RTKOで敗北した中川と、0-2の惜敗(見ようによっては勝利だった)梶では、梶がやや優勢と見るのが妥当とも言えます。

もちろん、そう単純ではないものの、福永戦で見せた梶の集中力、打ち終わりのケア、距離感にはなかなか隙が見当たらず、更に福永のことをしっかりと研究しており、非常に完成度が高いように思います。

中川は痩身と見えて非常にタフなボクサーではあるものの、ボクシング技術そのものを比べれば梶の方が上、とも思います。

 

しかし、やや独特な雰囲気のある中川のリズムが、梶を狂わせる事ができるかもしれません。二人の年齢の差は、ひとまわり。当然、キャリアがあるのも中川で、そこで翻弄できるかどうか。そして、おそらく今回も強いハートを見せてくる中川に、気持ちの面で梶が押されないかどうか。等々、不確定要素も非常に多いのも事実。

これは50-50の戦いと言えますし、素晴らしい好試合が期待されるところです。

8/7に中川が37歳となり、8/9が試合で、8/10に梶が25歳となる、何とも数奇な日程のダイヤモンドグローブ。勝って誕生日を祝うのは?

 

日本女子ミニマム級タイトルマッチ

鈴木なな子(三迫)6勝(1KO)2敗

vs

一村更紗(ミツキ)4勝10敗1分

前戦、瀬川紗代(ワタナベ)と王座決定戦を争い、スプリットの判定で見事勝利した鈴木なな子。かねてから話題だった鈴木は念願の日本王者となってから大学を卒業。現在は「職業・プロボクサー」という鈴木に、女子ボクシング界を盛り上げてくれる事に大きな期待を寄せているファンは多いでしょう。

この試合は見た記憶がありますが、残念なことに観戦記を書いていませんでした。。。

ここ最近は、晝田瑞希(三迫)とともに過ごす姿が多く、この入江聖奈と互角の戦いを繰り広げアタ元トップアマからどのような薫陶を受けているのか、非常に興味深い。

空手出身の鈴木と、純度の高いボクサーである晝田は、根本的なファイトスタイルが違うように思うので、それぞれがお互いに与える影響も多いのではないか、と勝手に推察しています。

さて、そんな女子ボクシング界期待の星、鈴木の初防衛戦の相手は、市村更紗。

黒星が先行しているボクサーで、現在は2連敗中でもありますね。

鈴木としては、ここからステップアップしていくにあたり、ここは完勝を目指したいところ。

ただ、市村にとっては一発逆転のチャンスでもあり、タイトル初挑戦の彼女は非常にモチベーションも高い事でしょう。

女子ボクシングには詳しくないので、ここはまっさらな気持ちでこの試合を楽しみたいと思います。

 

スーパーライト級8回戦

藤田炎村(三迫)8勝(6KO)1敗

vs

湯場海樹(ワタナベ)8勝(5KO)1敗2分

こちらは裏メイン。ホープ同士の高めあい、と言いたいところではありますが、ボクシングはやっぱりお互いの夢の潰し合いであり、奪い合い。

常にそのような環境に身を置いている、常に強豪との試合を求め続けていると思われるこの両者の激突は、必然であり、非常に楽しみで、且つ、残酷にも思われます。

願わくばどちらにも勝利してほしい。

藤田は前戦で富岡樹(角海老宝石)から殊勲の勝利を挙げ、ランキングを獲得。ゴツゴツとしたサイボーグのような体つきと、怖そうな顔(失礼。)のイメージ通り、恐ろしいほどのアグレッシブなボクシングを展開するファイターです。

対して湯場はその真反対ともいえるボクシングスタイルで、レジェンドでもある父、湯場忠志を彷彿とさせるスタイリッシュなカウンターパンチャー。

 

両者ともに体躯、雰囲気とボクシングスタイルがこんなにも似合っているボクサーは、逆になかなかいないのではないか、と思えるほど「想像通り」のボクサーですね。

こちらもまた50-50の戦いのように思え、藤田が体の強さを活かしたプレスで距離を詰め、湯場を圧力で仕留めてしまうのか、それとも湯場が藤田のプレスを一歩引いて捌き、華麗な一撃を決めてしまうのか。

自分たちの得意分野が、どれくらい相手に通用するのか、そして凌駕するのか。

いつもスタイル・メイクス・ファイト。それぞれのスタイルがどのように優れているのか、という非常に興味深い勝負となりそうです。

 

【放送・配信】

この他にも、2020年の全日本新人王、宝珠山晃(三迫)、輪島功一氏の孫、磯谷大心(輪島スポーツ)と話題のボクサーが次々と登場するこの興行は、FODプレミアムで生配信。

無料のFODでもライブで見れるのでしょうか?ちょっとこの辺りはよくわかりませんが、以前はFODプレミアムのみで生配信、FODで無料で見れるようになるのはフジテレビでの放送後、でした。

私はライブ配信に間に合わないかもしれないので、FODプレミアムに加入したまま。こちらは見逃し配信もついていますし、ライブ放送終了後すぐに見れる仕様になっているので安心です。

↓FODプレミアムはこちらから

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8/11(木)You will be the champion

52.5kg契約8回戦

古谷昭男(六島)9勝(3KO)5敗

vs

矢島大樹(松田)9勝(4KO)11敗3分

この試合の数日前に、スーパーフライ級の日本タイトル戦がありますが、もちろんこの古谷もタイトル戦線に絡んでいくボクサーです。

前戦は2022年2月、橋詰将義(角海老宝石)とのアジア2冠王座の決定戦で対戦し、この技巧は対決に敗れてそれまでの連勝を5でストップされてしまいました。

その敗戦からの復帰戦となる古谷は、キャリア初期に非常に苦労したボクサーで、橋詰戦の手前まで幾度もアップセットを起こしてきた、非常に夢のあるボクサーでもあります。

そんな古谷の再起戦の相手は、現在4連敗中という矢島。ここは矢島にとって、どうしても分が悪い戦いではありますが、この一戦で勝利することができれば一気にランカーにのし上がるチャンスでもあります。

連勝街道を突き進んでいたボクサーが、一度の敗戦でなにか歯車が狂う、ということはなくなありません。もしかすると、が起こりうるのがボクシング。

古谷が無難に再起を果たす事が濃厚ではあるものの、一発逆転を狙う矢島にも期待したいものです。

 

バンタム級6回戦

山下陸(六島)6勝(3KO)1敗

vs

平井乃智(石田)5勝(1KO)2敗

この興行の私的裏メインは、この一戦。

2021年の新人王トーナメント、スーパーフライ級で西軍代表となった山下陸と、バンタム級で西軍代表となった平井乃智。

平井は当時6戦全勝全KOだった東日本新人王、梅津奨利(三谷大和)と好勝負を演じたボクサー。初回には梅津を効かせる等見せ場をつくり、その後もコンパクトなパンチをヒットし続けましたが、おそらく見栄えの面で梅津にポイントが流れてしまっての判定負け。ハートの強さも見せた、素晴らしい一戦だったと思います。

山下は西軍代表の権利を得るも、コロナを罹患し全日本新人王戦を欠場。なので前戦が西軍代表決定戦、実に8ヶ月ぶりのリング復帰となります。柔道で培ったフィジカルの強さを活かしたファイタータイプのボクサーで、非常にエネルギッシュ、アグレッシブネスが持ち味のボクサーです。

さて、このブログでは幾度か触れてきましたが、私の生まれは香川県の小豆島という離島。

人口30,000人ほどの、本州へも四国へも橋もかかっていない島なわけですが、その小豆島から出てきたのがこの山下陸。

このブログを読んでくれている皆様は、是非応援してくれると嬉しいです。

 

【放送・配信】

この興行は、残念ながらライブ配信はありません。

しかし、BoxingRaiseの配信リストに載っているので、早ければ当日の夜、遅くとも翌日の午前中には全試合がBoxingRaiseにアップされるはずです。

私は情報遮断して、翌日に楽しみたいと思います。

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