信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】スーパーバンタム級王座統一戦、ブランドン・フィゲロアvsスティーブン・フルトン!

もうすぐやってきます、11月の最終週。

この最終週は、これまでも何度も言ってきた通り、注目ファイトが目白押し、ボクシングファンにとって非常に忙しい一日となりそうです。

国内戦のプレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

テオフィモ・ロペスと尾川堅一が登場のDAZN

boxingcafe.hatenablog.com

 

見れる興行が多すぎて困りますね。うれしい悲鳴ですが。

さて、今回のブログでは同じく日本時間11/28(日)に予定されている、スーパーバンタム級の統一戦、スティーブン・フルトンとブランドン・フィゲロアをメインに据えた、Showtime興行のプレビュー記事です。

11/28(日)ラスベガス

WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

ブランドン・フィゲロア(アメリカ)22勝(17KO)無敗1分

vs

スティーブン・フルトン(アメリカ)19勝(8KO)無敗

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この試合をずっと楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。本来これは9月の日程でセットされていた一戦ですが、直前でフィゲロアがコロナを罹患、2ヶ月強の延期を経て開催されます。

現在WBAレギュラーとWBCの世界スーパーバンタム級統一王者であるフィゲロアは、この日、リングに上がった瞬間にWBAレギュラー王座をはく奪される予定でいます。

理由は、WBAはレギュラー王者に対して統一戦を認めていないからです。だったら5月にやったWBCとの統一戦はなんで認めたんだ?と言いたくもなりますが、もうこれは些末なことです。ちなみに統一を認められた王者は、WBAではスーパー王者であり、現在はムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が君臨。

 

WBAは王者縮小傾向に動いており、これは良い傾向、スーパーバンタム級でもWBA王者は一人になりそうです。

さて、このブランドン・フィゲロアは日本でもおなじみ、オマール・フィゲロアの実弟。173cmの身長と、184cmものリーチ(BoxRec)を持つボクサーですが、そのボクシングはオーソドックスのファイタースタイル、とにかく手数が止まらないノンストップファイターです。

プロデビューは2015年、2019年1月にはWBAの挑戦者決定戦でモイセス・フローレス(メキシコ)を3Rで撃破。フローレスは今でこそアンダードッグですが、この当時はギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に敗北したもののノーコンテストとなり、その後ダニエル・ローマン(アメリカ)に挑戦してフルラウンドを戦ったボクサーだったので、非常に驚きましたね。

同年4月にヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)を破ってWBAの暫定王座を獲得(のちに正規王者に昇格)。このパレホは12/11に亀田和毅とWBAの次期挑戦者決定戦を争うボクサーですね。

 

その後ハビエル・ニコラス・チャコンを4Rで仕留め、フリオ・セハ(メキシコ)を相手にドロー防衛、ダミアン・バスケス(アメリカ)を10Rでストップして、WBC王者ルイス・ネリ(メキシコ)との統一戦に臨みました。

↓観戦記

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これはまた素晴らしい試合でしたね。この試合をどうしてもリアルタイムで見たくて、色々と視聴方法を調べた事も良い思い出です。

劇的なノックアウトで勝利したフィゲロアは、兼ねてからこの試合の勝者と対戦が予定されていたWBO王者、スティーブン・フルトンとの大一番を迎えることになったのです。

 

フルトンのプロデビューは2014年。こちらは脚さばきや上体の動きを使って、ややディフェンシブに戦いながらもカウンター、コンビネーションで攻め入るタイプの現代的ボクシングの申し子、のようなイメージ。

ボクシングIQ、クレバーさにも優れており、色々な戦い方ができることも特徴です。

デビュー以来連戦連勝で勝ち進んだフルトンは2020年8月、アンジェロ・レオ(アメリカ)との王座統一戦を予定していましたが、直前でコロナに罹患。

レオがフルトンの代役となったトレメイン・ウィリアムス(アメリカ)を破って初戴冠を果たすと、翌2021年の1月にレオに挑戦、ほぼフルマークの判定勝利で見事タイトル初戴冠。

↓観戦記。「ステファン」表記はお気になさらず。

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このレオ戦では、中間距離だけでなく接近戦でも強さを発揮。近接戦闘というレオの土俵で打ち負かして見せて、評価を高めました。

このフィゲロアvsフルトンの一戦は、フルトン優位のオッズだそうです。

被弾が多く、顔は超イケメンなのに見栄えの良くないフィゲロアに対して、フルトンはクリーンヒットをもらわないボクシングであり、そのパンチは非常にシャープで、ポイントをピックアップしやすいものです。

さすがに、フィゲロアが接近戦で負けるということは考えられませんが、フィゲロアは常にプレスをかけて前進、そしてフルトンは下がりながら回りながらいなしながら、的確なパンチでポイントを稼いでいく、という展開になりそうです。フィゲロアにとって、フルトンは相性はよろしくない。

 

フィゲロアにとってはかなり厳しい戦いになりそうですが、フィゲロアがここでも無尽蔵のスタミナ、プレスを発揮して、フルトンを圧し潰すことを期待していますし、フィゲロアの勝ち筋はどう考えてもそこしかありません。

ちなみに、私は同じタレ目仲間であるフィゲロアを応援しており、フルトンの心を折ってのTKO勝利を期待しています。

ライース・アリーム(アメリカ)18勝(12KO)無敗

vs

エドゥアルド・バエス(メキシコ)20勝(7KO)1敗2分

ライース・アリームは、非常に身体能力に優れたボクサーです。カウンターを取るのも非常に上手いですね。

2011年にプロデビューしてもう10年、18戦というのは非常に少ないですし年齢ももう31歳。キャリア初期にブランクが空いたり、そのキャリアは全勝ながらも順風満帆とはいっていなかったようですね。

評価の高いアリームは、前戦でWBA暫定王者となりましたが、WBAの王座削減により王座ははく奪、指名挑戦権を得たはずでした。

 

しかし、WBAは1か月ほど前に突然アリームに対してアザト・ホバニシャン(アルメニア)との挑戦者決定戦をオーダー。結局、この挑戦者決定戦を断ったアリームは挑戦権をはく奪され、おそらくランクも下がります。

完全にWBAに振り回されていますね。。。この試合も当初9月に開催される予定でしたが、メインが延期になった関係でそのままスライドした一戦。とっくに相手が決まっているところで挑戦者決定戦をオーダーし、それを受けなければ挑戦権をはく奪とはWBAのやることは明らかに選手ファーストではありません。

ちなみに、アリームがこのエリミネーション・バウトを断ったことで、WBAはホバニシャンを指名挑戦者として認定。アフマダリエフvsホバニシャンも非常に魅力的なカードですね。亀田和毅も12月、WBAの「次期」挑戦者決定戦というのに出場しますが、基本的にはこのホバニシャンの後です。

 

ということで何者でもなくなってしまったアリームですが、この試合に勝った後はフルトンvsフィゲロアの勝者か、アフマダリエフか、それとも井上尚弥と戦いたい、と言っています。4団体統一後の井上と戦ってくれるなら大歓迎ですね。

とはいえ、このバエスもなかなか良いボクサーで、ハートの強いメキシカン。バエスの唯一の配戦は、同じメキシカンでジョシュ・ウォーリントンをアップセットで降したマウリシオ・ララ

2017年、6回戦での対戦なので当てにはならないかもしれませんが、バエスは2度のダウンと1ポイントの減点をされたうえで、3者ともに1ポイント差での敗北。実質勝てた試合だったかもしれませんね。

バエスとしては、アリームを追いかけに追いかけて、ボディからのコンビネーションで捕まえなければいけませんね。アリームはおそらくいつも通りに戦うと思いますが、ここでフィゲロアvsフルトンの勝者に挑戦したい、とアピールするのであれば、良い勝ち方、いや良い倒し方をしなければなりません。

ちなみにこのエドゥアルド・バエスは、ジェイソン・マロニーとも戦ったレオナルド・バエスの兄弟のようですね。

当然実力者、この難敵を退ければ、その勝ち方によってはアントニオは世界へのテストをクリアしたことになるのでしょう。

 

↓マロニーvsレオナルド・バエス

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ゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)18勝(12KO)無敗1NC

vs

アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ)24勝(13KO)2敗5分

ボクシング一家、ラッセル家からのバンタム級への刺客、アントニオ・ラッセル。前戦はエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との対戦で、初回のバッティングにより続行不可となりノー・デシジョン、無効試合となりました。

その前のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦でも偶然のバッティングによる負傷判定、ここのところ運がないですね。

 

いや、ともに負傷したのはロドリゲス、パヤノと相手側なので、ラッセルが順調に試合をこなせているということは運があるのか。

ともあれ、このアントニオは、キャリアを積む時期からテストマッチ期間へ移行するとともにバッティングで試合が終わっており、ちょっとまだ評価が定まりませんね。

井上尚弥がオファーを出したが断られた、という話もあるようですが(日本開催を嫌がったのか、逃げたのかはわかりません)、まだ評価は定まらないですね。

そんなラッセルは、サンティアゴを相手にテストマッチ。今度こそ最後まで行ってもらいたいものです。

サンティアゴの5分というのはすごい戦績ですね。2018年9月にIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチでジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑戦して3者3様のドローのあとはバンタムで戦ったりスーパーバンタムで戦ったりしているようですが、8連勝中と勢いがあります。

 

 

ラッセルにとっては、世界挑戦経験者を退け、世界挑戦の資格があることをアピールしたい一戦でしょう。

放送・配信

セミもセミセミも、Bサイドはメキシカン。メキシカンのアップセット力は非常に強く、アリームにとってもラッセルにとっても侮れない相手ですね。

このようにBサイドに甘んじたときのメキシカンは、相手を食うことがある分、この興行は非常に楽しみです。

この興行のアンダーカードという噂だった勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスというIBF世界挑戦者決定戦は、12/11のノニト・ドネアvsレイマート・ガバリョのアンダーカードに組み込まれたようです。

おそらく上記の3試合が、米国Showtimeの放送枠に載ってくると思うので、それをそのままWOWOWが放送される形になるかと思います。

 

WOWOWでの放送時間は、11/28(日)正午0:00~。Showtimeの放映時間と同じなので、おそらく上記の3試合が放送されると思います。

我らがヒーロー、ブランドン・フィゲロアを日本から応援しましょう!

WOWOWの加入はこちらから!

wowow

 

【プレビュー】ようやく開催、テオフィモ・ロペスvsカンボソス!尾川堅一は王座決定戦へ!!

今週末は、海外ボクシングのファンも、国内ボクシングのファンも、ボクシングを見始めたライト層のファンも、コアなファンもみんなが観戦で忙しいボクシングウィークエンド!あ、私は仕事です。。。

国内では日本フェザー級タイトルマッチをはじめとした充実の興行のほか、それぞれの地方でも地方ジムの看板ボクサーが出陣、これも欠かせません。

私は仕事ですが(しつこい)。福永宇宙選手を応援しています!

↓プレビュー記事

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そしてその国内興行の他にも、海外でも注目戦。

一つはテオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJr、いよいよ行われる3団体統一ライト級タイトルマッチ。アンダーカードに出場するのは帝拳ジムの尾川堅一、アジンガ・フジレとのIBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチに臨みます。

もう一つはフィゲロアvsフルトンというスーパーバンタム級の王座統一戦であり、こちらも日本のボクシングファンにとっては外せない一戦です。

さて、今回のブログでは、この2つの興行のうちの1つ、テオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJrをメインに据えた、DAZN興行のプレビュー記事です。

11/27(日本時間11/28)

WBAスーパー・IBF・WBO世界統一タイトルマッチ

テオフィモ・ロペス(アメリカ)16勝(12KO)無敗

vs

ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)19勝(10KO)無敗

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いよいよ、いよいよ行われるこのロペスvsカンボソス。

当初の予定は2021年6月20日、井上尚弥vsマイケル・ダスマリナスと同日でした。

しかし延期に次ぐ延期、その延期回数はなんと6度!!

「ビッグマッチ」とは言いづらい、明らかな実力差のある一戦と捉えられる試合でしたが、待ちに待たされましたね。

トリラー社がボクシングへの本格参入ということで巨額で落札したこの一戦は、このゴタゴタの中で結局手放され、次点の価格で入札していたDAZNに放映権が移ります。しかし、この間、ロペスはトップランクとの契約を継続、今回はDAZNでの放映ですが、次戦からはトップランクのプラットフォームであるESPNで試合が放送されると思われます。

ということは、ロマチェンコとの再戦へも前向き、ということか。逆にPBCファイター、ジャーボンタ・デービスとの対戦は遠かった印象です。

 

もしくはジョシュ・テイラーへの挑戦を模索してのものなのかもしれませんね。まあ、色々と邪推するのはよしましょう。今回のロペスの相手は、ジョージ・カンボソスJrです。

テオフィモ・ロペスは2016年にプロデビュー、トップランクのプロスペクトらしく大切に育てられた次期はありましたが、中谷正義(帝拳)を相手に挑戦者決定戦を勝ち抜き(但しこれは大苦戦)、IBFタイトルに挑戦したリチャード・コミー戦では「コミー挑戦はまだ早い」とも言われながらも素晴らしい右カウンターを決め、評価の高いコミーをなんと2RTKOで屠り、初戴冠。

パンチングパワーに優れ、素晴らしいカウンターを打てるロペスは、この試合により中谷戦でやや落とした評価をぐっと高めることができました。

そして、中谷が復帰してベルデホを倒したことにより、「どこぞのアジア人に苦戦したテオフィモ」から、「ナカタニに勝利したテオフィモ」へと過去の評価も変わっているかもしれませんね。(変わっているといいな。)

 

さて、そのコミー戦で評価を上げたロペスは、しきりにロマチェンコ戦をアピール。このライト級で4団体統一を目指すロマチェンコとしては渡りに船、この一戦は締結するものの、折しもコロナが猛威を振るっていた次期。

ゲート収入が見込めなくなり、ロペスのファイトマネーは激減、ロペスは駄々をこねます。しかしここでロマチェンコが侠気を発揮、自身のファイトマネーの一部をロペスに回すことで締結。

この一戦では、ロペスのプレッシャーにロマチェンコは踏み込むことができず、前半から中盤にかけてポイントを失い、後半追い上げるも届かず。

ロペスが見事3団体統一王者となりました。本当は、WBCフランチャイズ王座なるものも掛けられていたので、4団体統一といっても過言ではありませんが、本来このフランチャイズ王座は勝敗により移動しないものですので、公式には3団体統一王者。

WBCの裁量は非常にややこしいことになっているので、もうフランチャイズ王座は無視します。

 

後半、攻めに出たロマチェンコに結構ボコられたロペスは、ロマチェンコからの再戦要求については当初ダンマリを決め込んでいましたが、ロマチェンコはロペスがこのカンボソス戦をやるやらないでグダグダやっている間に猛烈アピール。

ロマチェンコはロペスが大苦戦した中谷正義(帝拳)を相手に復帰戦を行い、見事なTKO勝利。そして12月11日にはリチャード・コミー(ガーナ)と戦います。これはテオフィモ・ロペスに対して「俺と戦え」という何よりのアピールでしょう。

ロマチェンコが、コミーに対してまたも良いパフォーマンスを発揮すれば、自ずと再戦の機運が高まりそうです。

減量に苦労しているらしいロペスは、スーパーライト級への進出も考慮しているようですが、さて、どうなるか。

まあ、これはロペスもロマチェンコも勝った後の話ですね。

それに避けて通れないのが、このIBF指名挑戦試合です。

さて、その指名挑戦者となったのが、オーストラリアのジョージ・カンボソスJrです。

世界的にメジャーなボクサーではありませんが、過去、オーストラリアでキャリアを積み、アジア・太平洋の地域タイトルの数々を獲得しています。

ここ2戦は、2019年12月に元IBF世界ライト級王者、ミッキー・ベイ(アメリカ)を、2020年10月に元IBF世界フェザー級王者、リー・セルビー(イギリス)を立て続けに僅差判定ながら破る殊勲を上げている、オーストラリア期待のボクサーです。

 

セルビー戦はIBFの挑戦者決定戦であり、それに打ち勝っての挑戦なので、しっかりとした挑戦者資格を有していると思われます。

さて、カンボソスのボクシングをハイライト動画でチェックすると、フェイントをかけて相手の攻撃を誘い、相手の攻撃をかわして打つカウンターパンチャーのように見えます。

オーソドックススタイルで左手を下げて相手に攻めやすい状態をつくり、かわして打つ。相手が下がれば自ら攻めはするものの、ジャブから入るやや単調な攻めにも見えますね。

がっしりとした体躯で、パワーはありそう、スピードもなかなかのものです。

ただ、打ち終わりに雑な部分があり、それが後半になるとより顕著。

ロペスが最後まで集中することができれば、遅くとも後半までには決着がついてしまうのではないでしょうか。

カンボソスは、以前のインタビューでは「ロマチェンコとは違ったアプローチで」ロペスと戦うと公言しています。前半ロマチェンコがポイントを失ったことを考えると、もしかすると前半勝負なのかもしれません。

 

前半、ロペスに見る時間を与えず、ガンガン行けばもしかすると主導権を握ることが可能かもしれません。ただ、攻撃的に前に出ることで、前半集中しているロペスから、凶悪なカウンターをもらってしまうことも考えられます。

そうすると、前半はロペスに分があり、後半もロペスに分があるような気がしてなりません。ロペスがカンボソスを異様に警戒することがなければ、ロペスの勝ちは動かなそう。前半、ロペスに警戒させるだけのパワーをカンボソスが示すことができれば、展開は変わってくるかもしれませんが。

個人的には、この指名挑戦試合程度でロペスにつまずいてほしくはありません。ロペスは、あのロマチェンコに勝利したボクサーです。その前にはリチャード・コミーを完璧なノックアウトで降し、中谷正義にも勝利している。ライト級の若きプロスペクトたちの中でも、素晴らしい実績を誇っています。

 

「まだ早い」と言われてコミーに挑戦し、「まだ早い」と言われてロマチェンコにすら勝利したテオフィモ・ロペス。SNSなんかを見ると、かなりのラテンのノリ。いつも踊っています。

こういうボクサーが、世界王者となって、浮かれて、突然失速するケースはいくらでもあります。正直、ロペスにとって一番の敵はそこじゃないか、とも思っています。

この長い長い延期の期間は、おそらくカンボソスにとっては更なる準備期間となり、完璧な準備ができているはずです。長い長い準備期間というのは、いつも挑戦者にとって良い方に働く、と思っています。単純にモチベーションの維持がしやすいからです。

そしてロペスにとっては。。。?不可能を可能にしたロペスが、浮かれた期間を過ぎて、冷静になる期間となったのか。それとも、延期の数ヶ月も含めて自制心を取り戻せていないのか。もしくは、浮かれず、勤勉にトレーニングに励んだのか。

注目すべきは、テオフィモ・ロペスの出来。序盤からカウンターが冴えるようなら、安心です。

 

IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦

アジンガ・フジレ(南アフリカ)15勝(9KO)1敗

vs

尾川堅一(帝拳)25勝(18KO)1敗1分1NC

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これもようやく決まった、という世界戦。当初の予定は、8月、ドバイでシャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)と尾川堅一とで決定戦の予定でした。

しかし、ラヒモフが直前で拳を負傷、一旦延期に。

このラヒモフの負傷が時間がかかりそうだ、ということで、対戦相手がフジレに変わり、この勝者がラヒモフの挑戦を受ける、ということに決定したようです。

ちなみにラヒモフは12/11にロシアでの興行で試合が決まったようです。ビボルvsサラモフの注目興行、この興行はすごいですね。ロシア、旧ソ連地域のトップボクサーが勢揃い。どっかで見れるんだろうか。

話が逸れましたが、フジレvs尾川。

 

尾川は2017年12月、テビン・ファーマー(アメリカ)とのIBF王座決定戦で競り勝ち、新王者に!と思ったのも束の間、試合前に行われたドーピング検査で違反物質が見つかり、試合はノーコンテスト、尾川にはサスペンドが下されました。

このドーピング検査陽性反応については、アトピー薬が原因、とのエクスキューズがありますが、こればかりは何ともいえません。それを鵜呑みにするもよし、疑っても文句は仕方のないことだと思います。

私は尾川の言っていることを信じ、応援するのみです。

ただ、ファーマー戦後の尾川のキャリアというのは、かつての勢いを取り戻した、というものではないような気がしています。ファーマー 戦後、1年3ヶ月ぶりの復帰戦、その5ヶ月後の復帰第二戦もともに対戦相手はアンダードッグと言っても良い。

その後、当時は「もしかして穴王者では?」感がほんのりあったジョー・ノイナイ(フィリピン)の持つWBOアジアパシフィックタイトルへ挑戦も、5Rで負傷判定、これがドロー。

 

ノイナイはかつてジョー・ミサコのリングネームで日本でも活躍したボクサーであり、ある程度実力は割れていると思っていましたが、とんでもなかったですね。このWBOアジアパシフィックタイトルは、空位だった王座決定戦で現日本王者、坂晃典をKO、続いて既に世界戦線に入っている清水聡もKO、尾川とドローで先日は敵地オーストラリアで、当地のプロスペクト、リアム・ウィルソンを5RでTKO、「ジョー(あご)ブレイカー」というニックネームを持つ、世界的強豪へと歩みを進めていますね。こういうストーリーは大好物です。

また話が逸れました。。。

尾川はその後、2020年10月に西谷和弘(VADY)との世界ランカー対決で勝利も、ダウンを奪われる苦戦。その後ダウンを奪い返して、結果的にポイント差は開いてはいましたが、圧倒的勝利、とはいきませんでした。

この西谷の実力が、正直私には良くわかっていません。土屋修平から日本王座を奪い、すぐさま返上してしまったがために、強豪との対戦が不足しているためです。

 

そのため、個人的には尾川に前回のファーマーとの王座決定戦の時ほどの「勢い」を感じることはありません。ただ、悔しい試合、苦しい試合を勝ち抜いてきたことできっと成長しているはず。この苦労を活かしてくれることに期待。

対してフジレは、上体を柔らかく使う、スピード溢れる選手。そのパンチは非常にキレがあり、コンビネーション、連打の回転力も速い。特徴としては一言で表すとそのスピード。

フジレの戦績に記録される唯一の敗戦は、シャフカッツ・ラヒモフに喫したもの。

ゴリゴリと押してくる、フィジカルもプレスも強いラヒモフを相手に、捌き、時にコンビネーションで応戦しつつも、最後は痛烈なノックアウト負け。

この負けから、さほど打たれ強さを感じない選手なので、やはりここは尾川が強い右をいかに当てれるか、というのが勝負になってきそうです。ただ、あのスピードとディフェンススキルは非常にやっかい。

 

尾川は、「イメージでは2RKO勝ち」とのコメントを出していますが、鋭い踏み込みを持つ尾川が速いラウンドで強いパンチを当て、フジレを大きく警戒させることができれば、その後はパンチは当たらずとも攻勢点でポイントを稼いでいけるという算段かもしれません。

逆に、尾川の踏み込みやハンドスピードにフジレが慣れ、フジレにとってカウンターチャンスが早々に訪れるようなら危ないかもしれません。このフジレは、倒せないボクサーではありません。

尾川としては、序盤からガチャガチャでも攻めて、序盤に主導権を渡さないということが鍵、自分のペースで試合を作っていかなければならないと思います。

このフジレに勝利し、ラヒモフとの防衛戦、というのも非常にシビアな防衛ロードですが、まずはフジレに集中。

WBO王者のシャクール・スティーブンソン(アメリカ)に挑むよりは確実にチャンスがあります。ここは千載一遇のチャンス、そしてともすればラストチャンス。

 

今後、この階級は統一に向かう可能性もあるので、ここに勝ってビッグマッチにつなげてもらいたいですね。

DAZNで生配信

テオフィモ・ロペスvsジョージ・カンボソスJrをメインとしたマッチルーム興行は、DAZNで生配信。日本時間11/28(日)10:00〜という予定ですね。

DAZNの公式HPを見ると、メインイベントのリングウォークはおおよそ11/27(土)22:50(米国東部標準時間)とのことなので、日本時間では11/28(日)12:50ころ。これは勿論、アンダーカードの進行状況によって変わりますが、その1時間前、お昼前くらいに尾川とフジレの試合が始まるはずです。

この日は、WOWOWを契約している方はちょうどフルトンvsフィゲロアと時間が被りますね。どちらかをライブで見るか、両方とも見るかは貴方次第。

私は、どちらもライブでは見ません笑。仕事ですので。。。(超しつこい)

↓DAZNはこちらから!今入れば絶対に損はしないレベルの試合が次々とありますよ。

 

DAZN

 

【プレビュー】週末の国内興行は松永vs矢田、丸田vs日野の他、地方興行が隆盛!

年内はボクシング興行がノンストップ、国内外でビッグマッチ、注目試合が目白押しです。

特に今週末は一つ目の波、といって良いでしょう。

国内では日本フェザー級タイトルマッチをはじめ、現役王者と元王者の戦いや、東京だけでなく地方での興行も非常にたくさんあります。

なぜ日程が被るのか。。。

先の話ですが、12/14(火)だって、井上vsディパエンの注目興行の裏で、後楽園ホールでOPBFのタイトルマッチが行われる等、ボクシングファンにとっては嬉しいながらも辛い日程。会場の都合、プロモーター、選手の都合等で仕方ないんでしょうけどね。

ともあれ、今回のブログでは、週末に控える国内注目試合をピックアップです。

 

11/26(金)A-SIGN&大和魂

松永宏信(横浜光)vs矢田良太(グリーンツダ)

現日本スーパーウェルター級王者、松永宏信と、元日本ウェルター級王者、矢田良太が激突。

松永は豊富な運動量、出入りのスピードを持つボクサーであり、日本ランカーを防衛戦でほぼ総ナメ。先日、ティム・チューに挑んだ井上岳志(ワールドスポーツ)は別格として、国内では戦う相手を見つけられないのが現状。

そのため、横浜光ジム・石井一太郎会長はメキシコ進出を敢行、8月のメキシコ進出第一戦では見事初回TKO勝利、現在この松永には来年春、何かしらの地域タイトルをかけてメキシコでの第二戦が予定されています。

そんな松永に挑戦状を出したのは、矢田良太。

 

浪速のターミネーターと呼ばれるハードパンチャー、矢田は、前戦で出田裕一(三迫)にまさかの敗戦。

そこで一度は引退を決意するも、もう一度リングに上がりたい、という思いから「最後のリング」と決めて一度のみの復帰。今年1月に誕生した第二子に、リングに上がる姿を見せるためにリングに上がるそうです。

その最後のリング、いわば引退試合は、もっと勝てそうなボクサーで良いとも思うのですが、オファーを出した相手は一階級上の現役日本王者であり、場所は敵地となる後楽園ホール。

そしてタイトルこそかけられていないものの、危険なハードパンチャー、矢田の挑戦を受けた松永の心意気も素晴らしい。負ければ春に控える地域タイトル戦の話もなくなりかねない、リスクのある試合です。

下馬評は、松永優位に働くでしょう。矢田はドラマを作れるか。

この試合はA-SignのYouTubeチャンネルで生配信!有難いですね!

11/27(土)DANGAN

日本フェザー級タイトルマッチ

丸田陽七太(森岡)vs日野僚(川崎新田)

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今年2月、佐川遼(三迫)から王座を奪った丸田の初防衛戦。イケメン王者からイケメン王者に交代した試合でしたが、あの日の丸田の出来は本当に素晴らしかった。

というか、この丸田のここ数年のレベルアップぶりは目を見張るものがありますね。

やや線の細い印象だった大竹秀典戦(丸田が判定負けで初黒星)から大きく成長し、溜田剛士(大橋)を5RTKO、コーチ義人(Reason大貴)にフルマークの判定勝利、元王者大橋健典(角海老宝石)を3RTKOという圧巻の内容からの、佐川を7RTKO。

どの試合も付け入る隙がないほどの強さを発揮しており、国内でも屈指の成長株だと思います。

非常にやりづらい長身サウスポーという部類の日野ですが、丸田はより長身。日野にとってはかなり厳しい戦いが予想されます。

丸田はまた成長した姿を見せられるか。

 

日本フェザー級挑戦者決定戦

渡部大介(ワタナベ)vs阿部麗也(KG大和)

2019年〜2020年に開催された、はじめの一歩フェザー級トーナメント優勝者の渡部。今年1月の前戦では下位ランカーをTKOに降し、トップコンテンダーとなりました。

アマ経験豊富で、アマチュアボクシング(この表現を嫌う人もいるんですかね?私はとりあえず、馴染みのあるこの表記を使います)の実績では阿部を上回る、総合力の高いボクサーですね。

そして阿部麗也、早くから王者をなることを嘱望されていましたが、過去2度のタイトルチャレンジに失敗。

前回、佐川遼に挑んだタイトル戦の敗戦から、当時無敗の佐々木蓮(ワタナベ)、元トップアマの竹嶋宏心(当時緑)を撃破して挑戦者決定戦への出場です。

両者は2018年に対戦、その時は阿部が接戦を制して判定勝利を収めています。

 

しかしそこからの勢いは、渡部は注目トーナメントで優勝、阿部は2度のタイトル挑戦失敗。

この3年9ヶ月という時間が、両者に与えたものは何か。非常に興味深い一線ですね。

この興行の素晴らしいところは、セミファイナルの勝者と、メインイベントの勝者が、来年春のチャンピオンカーニバルで対戦する、ということですね。こういう繋がるイベントは是非増やして欲しい。

この注目興行は、ZAIKOのPPVで生配信。

BoxingRaise加入者は2,000円、非加入者は3,000円とのことなので、BoxingRaise(月額980円)に加入した方がどう考えてもお得。みなさん入りましょう。

そして翌日11/28は地方ボクシングが活況!

千里馬SUPER FIGHT

徳山洋輝(千里馬神戸)vs那須亮佑(グリーンツダ)

日本スーパーフライ級の下位ランカー同士の一戦、2020年8月以来の再戦となります。

第一戦では那須がダウンを奪って判定勝利、しかしその後2連敗を喫しています。

那須に敗北した徳山は、再起戦で日本ランカーに勝利、日本ランクを獲得。

徳山はリベンジなるか、那須は連敗脱出なるか、というアツい試合、試合場所は徳山のホーム、神戸です。

 

SPLENDID BOXING

能嶋宏弥(薬師寺)vs西川宏次郎(八王子中屋)

2020年度の全日本新人王能嶋は、前戦で1RTKO勝利と勢いがあります。西川は2019年6月以降勝ち星に恵まれず、ここ3戦は2敗1分という内容。

充実の能嶋に、ファイター西川は意地を見せられるか。

セミセミも注目で、同じく2020年度の全日本新人王、冨田風弥(TRIBE SHIZUOKA YAMAGUCHI DOJO)が登場。全日本新人王となったことで獲得したランキングは、前戦で富施郁哉(ワタナベ)に奪われてしまいましたが、そこからの復帰戦、浮上はなるか。

この興行は、ボクシング選手名鑑管理人「せきちゃん」が配信主となって、SakanaさんのYoutubeチャンネルで配信されます。毎回すごいですね。

 

黒潮ダイナミックファイト

福永宇宙(黒潮)vs木元紳之輔(角海老宝石)

こちらも2020年度の全日本新人王、福永宇宙の登場。(失礼ながら)高知県という僻地から出た新人王には、地元の期待が集まっています。四国のジム初の全日本新人王、福永は、地元高知での凱旋試合となりますね。

本当は7月に英洸貴(カシミ)との一戦が決まっていましたが、これが福永の怪我で中止になってしまったのは本当に残念。その後、チャンスを掴んだ英は見事に亀田京之介(ハラダ)を破り、日本ユース王者となっていますね。

さて、福永の相手、木元は、デビュー4戦目で当時デビュー戦だった亀田京之介の相手を務め、この世間が注目する試合で見事な2RTKO勝利を挙げています。

しかしその後は浮上できず、現在は溝越斗夢(緑)小笠原梢太(三迫)を相手に連敗中。

とはいえどれも内容的には善戦、KO負けは一度もなく、実力のあるボクサーです。

 

木元のキャリアでは初のランカー挑戦とあって、おそらく気合を入れてくるでしょう。

凱旋試合、と言いましたが、しっかりとガチなマッチメーク、といえます。

木元としては大チャンス、ここで勝てば日本ランクを手にできます。

おおよそ、全日本新人王となって次の一戦というのは、新人王たちにとって試練となり得ます。タイトなスケジュールで折角獲った、この虎の子の日本ランキングを手放してしまうボクサーは多い。

四国出身の私としては、何としてもここは福永の勝利を願いたい。

この興行は、黒潮ボクシングジムのYoutubeチャンネルで生配信。チャンネル登録をして待ちましょう。

 

【プレビュー】テレンス・クロフォードvsショーン・ポーター!ハンターの試練となり得るか。

11月、ボクシング界のトップ中のトップであるカネロ・アルバレス、そしてテレンス・クロフォードが揃って登場するという夢のような1か月。

先日行われたカネロvsケイレブ・プラントの4団体統一戦は、期待に違わぬ好試合、そしてカネロはその強さをまたも存分に見せつけました。

そして今週末は、いよいよテレンス・クロフォードの登場です。

カネロvsプラントの一戦は、アメリカではShowtimeのPPVで中継され、79.99$という高額PPVにも関わらず80万件を超え、PPVの視聴料だけで70億円以上の利益を得たようです。

それよりも少し安く設定された今回のテレンス・クロフォードvsショーン・ポーターの一戦は、ESPNのPPVで69.99$。

正直、カネロほどの視聴件数をたたき出すことは難しいと思いますが、相手がポーターということもあって、クロフォードにしては良い数字を出すことが可能かと思われます。

 

カネロとクロフォード、両方のPPVを買っただけでも約150ドル(約17,000円)。それが日本ではWOWOWエキサイトマッチを通して見ることで、たったの約2,500円というのは本当にどうかしていると思います。(褒めてます)

しかも他の海外の試合も見れるなんてすごすぎますね。

↓WOWOWは12月もとんでもないことになっています。

boxingcafe.hatenablog.com

さて、今回のブログでは目前に迫った、テレンス・クロフォードvsショーン・ポーターのShowtime興行についてです。

11/20(日本時間11/21)アメリカ

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ

テレンス・クロフォード(アメリカ)37勝(28KO)無敗

vs

ショーン・ポーター(アメリカ)31勝(17KO)3敗1分

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この1戦は、WBOの指名戦として行われる1戦です。

そうでなければ、友人関係にある二人のボクサーが相対して同じリングに上がる意味はないのかもしれません。

現在のウェルター級のトップ選手は、ことごとくPBCの所属。トップランク所属のクロフォードは、階級最強を証明することができずに、ここまで防衛を重ねてきています。

そういえばトップランクとの契約期限は2021年10月で切れ、ボブ・アラムは契約延長の意向を示していなかったですが、どうなったんでしょうね。

ともあれ、このクロフォードvsポーターはトップランクのプラットホームであるESPNでのPPV。クロフォードがPBCと契約するのであれば、ESPNにクロフォードが登場する最終戦となる場合も考えられますね。

この試合の意義は、とうとうクロフォードがPBCが抱えるウェルター級の強豪ボクサーと拳を交える、ということに尽きる。そしてその相手が、あのショーン・ポーターだということ。

 

テレンス・クロフォードは、ライト級を制してスーパーライト級へ転級、そこで4団体を統一してUndisputedチャンプとなりました。

その後ウェルター級に上げ、ジェフ・ホーン(オーストラリア)からWBOタイトルを奪うと、ホセ・ベナビデス(アメリカ)、アミール・カーン(イギリス)、エギディウス・カバラウスカス(リトアニア)、ケル・ブルック(イギリス)を撃破。

ウェルター級の戦績は、上記のボクサーたちを相手に5勝(5KO)だから本当に隙がありません(現在8連続KO勝利中)。最後に判定までいったのは2016年のビクトル・ポストル(ウクライナ)戦で、もう5年以上前のことです。

ナチュラルなスイッチで相手を幻惑、じっくりと観察したうえで戦いやすいスタンスを選択し、強打を叩き込む。身体能力も高く、技術力にも秀でており、本当に負けるところが想像つかない絶対王者です。

対してショーン・ポーターは、長くウェルター級のトップ戦線を戦っている元世界ウェルター級王者。これまでのキャリアでIBFとWBCの王座を獲得しています。

なんとなくBoxRecを見返してみると、2008年のプロデビュー戦はなんとスーパーミドル級(1RTKO勝利)。2戦目はミドル級(こちらも1RTKO勝利)で戦っており、その後にスーパーウェルター、ウェルターと落としてきています。とはいえデビューから2年後にはウェルター級に落ち着いています。

 

初の世界タイトル戦は、2013年12月、デボン・アレクサンダー(アメリカ)とのIBFタイトル戦。(超懐かしい、と思いましたがどうやらまだ現役。)ここでIBF王座を獲得しますが、2度目の防衛戦でケル・ブルック(イギリス)に0-2の判定で敗れ、初黒星。

その後2016年にキース・サーマン(アメリカ)の持つWBAタイトルに挑戦するも、判定負けを喫します。(3者ともに115-113の僅差判定)

2017年にアドリアン・グラナドス(メキシコ)とのWBC世界ウェルター級王座決定戦を勝ち残り世界王者返り咲き、初防衛戦ではダニー・ガルシア(アメリカ)、2度目の防衛戦でヨルデニス・ウガス(キューバ)を退けたあと、2019年9月にIBF王者、エロール・スペンスJr(アメリカ)との統一戦に臨みました。

 

クロフォードと双璧をなす名王者を大いに苦しめたポーターでしたが、ダウンを奪われてスプリットの判定負け。

翌年8月、セバスチャン・フォルメラ(ドイツ)を相手に再起、今回のクロフォード戦を迎えます。

とにかくほとんど「退く」ということを知らないプレッシャーファイターで、その前進は重厚かつスピーディ。頭を振りながら相手に向かっていくその姿は、特攻精神を思わせるようなおもしろいボクシングです。大好きです。

スペンスを困らせたポーターの突進が、対抗王者クロフォードにいかに通用するのか、又は全く通用しないのか。

クロフォード優位予想とはいえ、ポーターはそのキャリアを含めて侮れない猛者です。接戦をものにする力を持っており、中間距離を抜けて近接戦闘で勝負できれば、可能性はあるかもしれません。

 

クロフォードにとっては、このポーター戦というのが一つの大きな大きな試金石となりそうな一戦。

もし(そうなってほしくはないですが)、クロフォードがこのポーターですらも完勝、ストップ勝ちできるようなら、リング誌も当然PFPランキングを改めなければならないのではないか、と思います。

そうなったとき、クロフォードが次に戦う相手は、ダニー・ガルシアやヨルデニス・ウガス、ラジャブ・ブタエフ(ロシア)でも当然物足りません。やっぱりエロール・スペンスにご登場願うしかありません。雰囲気的に実現しそうにありませんが、ここはどうか実現してほしい。

ともあれ、個人的にはショーン・ポーターの善戦を、厳しいでしょうが勝利をもぎとってもらいたい位に思っている一戦。そうなれば、またまた大混戦となるこのウェルター級、ホープたちも台頭しやすくなるはずです。

どちらに転んでも正直クロフォードには茨の道ですが、楽しみなウェルター級戦ですね!

アンダーカード!

WOWOWはいつも大体放送開始直後にセミセミを1試合、その後セミ、メインという放映ですが、今回のESPNのPPVは4試合が予定されているようです。

エスキバ・ファルカオ(ブラジル)vsパトリス・ボロニー(カナダ)

ファルカオはロンドン五輪決勝で村田諒太と戦った同大会の銀メダリストで、28戦全勝(20KO)の戦績。非常に大事にキャリアを送ってきている印象がありますね。

 

ボロニーも16戦全勝(10KO)と無敗をキープ、この試合はIBF世界ミドル級挑戦者決定戦として行われます。

指名戦に厳格なIBFのことなので、この勝者が近いうちにIBF世界ミドル級王者に挑戦することになりますが、現在のIBF王者はあのゲンナディ・ゴロフキン。

年末に行われるGGGvs村田の統一戦で、もし村田が勝利を勝ち取ることができれば、そのうちロンドン五輪決勝の再来、村田vsファルカオもあり得る。

ジャニベック・アリヌハムリ(カザフスタン)vsアッサン・エンダム(フランス)

そんな村田諒太と王座を争ったアッサン・エンダムが急上昇中のプロスペクト、アリムハヌリ(10戦全勝6KO)と対戦です。

アリムハヌリは前戦でロブ・ブラント(アメリカ)を棄権に追い込み、強さを見せています。

エンダムに意地を見せてもらいたいところですが、ブラントにあの勝ち方をしたアリヌハムリ相手ではかなり厳しい、という印象です。

レイモンド・ムラタヤ(アメリカ)vsスティーブン・オルティス(アメリカ)

この試合はWOWOWでは放送されないかもしれませんね。12戦全勝10KOのプロスペクト、ムラタヤと、12戦全勝3KOのオルティスの一戦。

ムラタヤ兄弟(兄はガブリエル・ムラタヤというプロスペクト)はまだもう少し、キャリアを積む時期ですね。KO率の低い、危険の少ない相手を選んだという印象です。

そして、PPVからは外れますが(なので勿論WOWOWでの放送は無しでしょう)、正直こっちは大注目。

 

アイザック・ドグボエ(ガーナ)22勝(15KO)2敗
vs
クリストファー・ディアス(プエルトリコ)26勝(16KO)3敗

元王者、ドグボエと、伊藤雅雪と戦ったディアス。エマニュエル・ナバレッテに敗れた者同士のサバイバルマッチ。

海外のボクサーで、頑張ってほしいと応援しているボクサー同士の一戦は、これまた非常に複雑ながらも興味深い。

類まれな攻撃センスとパワーを持ちながらも、それを活かしきれていないとも感じるドグボエ。フェザー級ではそのパワーも目減りしてしまっている印象もありますが、巧さを発揮して難敵アダム・ロペス(アメリカ)に辛勝。サバイバルマッチが続きます。

対してディアスはナバレッテ戦からの復帰戦。

前戦ではよく戦いましたが、最終回TKO負けに退きました。ただ、決して衰えないスタミナ、ハートの強さは示すことができたと思います。

ドグボエはスタミナ、(少々強くなった感じはありますが)ハートの面で不安があり、ディアスはそこが充実しています。

これはどちらに転んでもおかしくない勝負、前半はドグボエが持ち前のパワフルなパンチでディアスを追い立て後半に失速、ディアスは後半勝負というのが考えられる試合展開だと思います。

ということで大注目のクロフォードvsポーターの一戦は、日本では11/21(日)11:00〜WOWOWオンデマンドで生配信。

翌日の11/22(月)21:00からタイムリーオンエアとなっています。

WOWOWに入っていない方は入りましょう!カネロの試合もまだオンデマンドで見れますよ。

↓WOWOWへの加入はこちらから

wowow

 

 

【プレビュー】DAZN、マルティネスvsアローヨに注目!セミにアフマダリエフ、メインはアンドラーデ!

GGGvs村田が正式発表!

年末までボクシングファンは本当に忙しいですね。

残る国内でのビッグマッチは、12/31、大晦日に噂される井岡一翔vsジェルウィン・アンカハスのみですかね。あと個人的にはずっと待ち望んでいる、勅使河原弘晶vsマーロン・タパレスの正式発表もほしい。これ、GGGvs村田か井岡vsアンカハスのアンダーカードでやらないかな。

ここから年末まで、本当に突っ走らなければついていけません。楽しみな試合が多すぎます。

ということで、11/11に井上拓真vs和氣慎吾という国内ビッグマッチも終わり、今回のブログではこれもまた大変に興味深い興行、デメトリアス・アンドレーデvsジェイソン・クイッグリーをメインに据えながらも、アンダーカードで登場するムロジョン・アフマダリエフ、そしてフリオ・セサールマルチネスに興味が移ってしまう11/19(日本時間11/20)のマッチルーム興行のプレビュー記事です。

 

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11/19(日本時間11/20)アメリカ

WBO世界ミドル級タイトルマッチ

デメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)30勝(18KO)無敗

vs

ジェイソン・クイッグリー(アイルランド)19勝(14KO)1敗

「ブーブー」という愛称を持つアンドラーデは、アマチュアボクシングでも世界選手権優勝という実績を持つオリンピアンであり、2008年にプロデビューを果たしたアマエリート。

無敗のままWBO世界スーパーウェルター級王座決定戦に出場、バネス・マーティスロヤン(アルメニア)を相手にスプリットの判定で王座初戴冠したのが2013年のこと。

 

この王座は、その後の防衛戦の交渉が上手くいかず、防衛戦を行えなかった事による剥奪をうけますが、2017年にWBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチでジャック・クルカイ(ドイツ)を相手に勝利し、これを獲得して団体は違えど王座返り咲き。

このタイトルはすぐに返上し、2018年にミドル級に打ってでて、当時のWBO王者、ビリー・ジョー・サンダースに挑戦することになりました。

しかし、ここでサンダースがドーピング陽性反応、王座を剥奪。

代わってウォルター・カウトンドクワ(ナミビア)を相手に決定戦を行いこれに勝利、2階級制覇を達成します。

その後4度の防衛にしている安定王者で、非常にやりづらいサウスポー。

↓アンドラーデの最新試合の観戦記

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序盤にチャージしてポイントをかっさらった上にペースを掌握、後半は安全運転、というのがアンドラーデ流ともいえますね。前戦、しつこいリアム・ウィリアムスにはポイント差以上に苦戦した感じがあります。

ボクシングテクニックは勿論のこと、戦法としても非常にやりにくいサウスポーであるアンドラーデではありますが、試合はつまらないと言われる事が多く、人気の面では「?」がつきます。

そして対戦相手のクイッグリー、こちらもエキサイティングな選手とは思えません。

非常に立派な戦績、KO率を誇りますが、そのほとんどが無名の相手。前戦ではシェーン・モズリーJr(アメリカ)を2-0の判定で破っています。

どちらかというと中間距離を得意とするボクサーで、唯一の敗戦であるトレアーノ・ジョンソン(バハマ)戦では、ガツガツくるジョンソンを完全にもてあまし、9Rでギブアップしたという内容。

クイッグリーにとって、アンドラーデは決して不得意なタイプではないと思いますが、そうなるとお互いの「地力」というものが勝負を決するのではないか、と思います。

 

そう考えると、やはりアンドラーデが「らしい」戦い方での勝利と考えるのが最も説得力がありそうです。

とはいえ、タイトル初挑戦となるジェイソン・クイッグリー、このボクサーがこの一戦にのみ集中してくればわかりません。初の世界タイトルマッチ、大化けする可能性は捨てきれませんね。

WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)9勝(7KO)無敗

vs

ホセ・ベラスケス(チリ)29勝(19KO)6敗2分

ただ、メインよりも、このセミファイナル、セミセミに当たる試合のほうが興味深いのも事実。

セミファイナルにはあのムロジョン・アフマダリエフが登場です。

本来であれば、ロニー・リオス(アメリカ)との指名防衛戦の予定でしたが、リオスがコロナを罹患、代役としてホセ・ベラスケスが登場。

 

リオスが良かったですが、残念です。

さて、ムロジョン・アフマダリエフは、アマの世界選手権で銀メダル、そしてリオ五輪でも銅メダルを獲得し、プロデビューからわずか8戦目で「我らが」ダニエル・ローマン(アメリカ)を撃破して初戴冠で統一王者となった怪物ボクサー。

初防衛戦では、母国ウズベキスタンに「我らが侍」岩佐亮佑(セレス)を迎え、圧倒的な力を持って5RTKO勝利。

↓観戦記

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ゴツゴツと硬質なパンチを繰り出すアフマダリエフは、まだその攻略法が見つからないという王者のひとり。ここまでアフマダリエフを苦戦させたのはダニエル・ローマンのみです。

対戦相手となるベラスケス。

6敗、というとこのクラスでいうと負けが込んでいるようにも思いますが、そのほとんどはキャリア初期のもの(3連敗も経験)で、最後の黒星は2016年7月のチリのナショナルタイトル戦のものです。

なのでもう5年は負けていません。

2019年10月には、WBOインターナショナル・バンタム級王座決定戦でニカラグアのプロスペクト、メルビン・ロペスを9Rで痛烈にノックアウト。これは大金星の一戦でしたね。

 

このベラスケスは、ガードを固めてパンチをもらいながらも前進、距離が近くなったら強いパンチを振るう、というタイプのボクサーのようです。

「パンチをもらいながら」というのがキモで、アフマダリエフのあの硬質なパンチをもらいながら前進できるのでしょうか。。。心配でしかありません。

とはいえ、もしかするととんでもない打たれ強さ、タフネスを秘めているかもしれません。

ここまでの6敗で、KO負けは一度たりともありません。

ボクシングの技術としてはアフマダリエフが圧倒的に上だと思いますので、ここはアフマダリエフの勝利が固い。倒せるかどうか、というところが焦点になりそうですね。

アフマダリエフには、その強さを見せつけてもらいたい。

 

WBC世界フライ級タイトルマッチ

フリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)18勝(14KO)1敗1NC

vs

マックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)21勝(16KO)4敗

本来であれば2020年8月に行われるはずだったWBCの指名戦、その時はマルティネスの怪我で流れてしまっています。その後、2021年2月に再セットも、またもマルティネスの怪我で延期。

その際、アローヨは代役との暫定王座決定戦に出場して勝利、WBC世界フライ級暫定王者となり、今回は団体内統一戦です。

フリオ・セサール・マルティネスは、非常にアグレッシブで、人気の高い王者。2015年にプロデビューし、このデビュー戦で黒星を喫した後は、ひとつのノーコンテストを挟んで18連勝。

 

初の世界タイトル戦は2019年8月、WBC王者チャーリー・エドワーズ(イギリス)に挑んだものでしたが、ここでエドワーズを滅多打ちにしながらも、ダウン後の加撃によりノーコンテストに。

再戦が組まれましたが、エドワーズはこれを受けず、代わりにクリストファー・ロサレス(ニカラグア)と戦い、9RTKOで王座を初戴冠。

このタイトルを3度防衛し、今回はマックウィリアムス・アローヨを迎えます。

とにかくエキサイティングな王者であり、軽量級の中で最も「マッチョ」を体現しているボクサーではないでしょうか。ロサレス戦の前にドーピングの陽性反応がでたこともありますが、この時は「メキシカンビーフ」で不問になっています。

ハードパンチに加えて旺盛な手数、そして強靭なハートを持って攻撃力に全振り、という王者だけに、やはり試合はおもしろく、興味はつきませんね。

ただ、ドーピングテストはしっかりやってほしい。コロナショック以降、その辺りをやっていない、という噂もありますので。

 

さて、対してアローヨもパンチャーであり、こちらは技術力、総合力も高いボクサーです。

しっかりとプレスをかけて、様々なアングルからパンチを打て、カウンターも取れます。

あとは、勢いよく出てくるマルティネスに、そのボクシングができるかどうか。

一発のパワー、そして手数や回転力ではマルティネスの方が勝るでしょうが、アローヨはマルティネスよりもディフェンスが良い。

これはおもしろい打撃戦になりそうですね。

しかも、ここで勝利したボクサーは中谷潤人と絡む可能性もあります。

マルティネスは、アローヨ戦をクリアしたあと、スーパーフライ級に上げる、ということをインタビューで語っていました。だったらここはアローヨを応援したい。

実際は、このマルティネスvsアローヨが一番楽しみなのです。

↓アローヨの暫定王座戦

boxingcafe.hatenablog.com

少し前にフライ級について書いた記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

GGGvs村田のアンダーカードで中谷潤人は出場してほしいですね。

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放送・配信

こちらの興行は、DAZNで生配信です。

11/20(土)、AM9:00〜ですね。クロフォードvsポーターとは別日です。

11/21の日曜日ではありません。ご注意ください。

↓DAZNはこちら。

DAZN

 

 

【プレビュー】ティム・チューvs井上岳志!セミも注目の豪州戦は、アジア最強決定戦!

日本ボクシング界が誇る中量級の雄、井上岳志がオーストラリアへ旅立ちました。

専門誌の情報だと、隔離期間のことも含めて10月下旬にはオーストラリアに旅立つ、ということでしたが、ここまで伸びたのはオーストラリアへの入国に際しての規制が緩和された、ということがあるのかもしれませんね。

ともあれ、試合日は11/17、場所はオーストラリアのシドニー、クドス・バンク・アリーナという会場だそうです。

オーストラリアメインイベンツ社の興行で、オーストラリアではPPVで59.95$。このPPVを購入すれば日本でも見れるのか?はちょっとまだわかりません。とりあえずPPVの販売元である「Kayo SPorts」のサイトにはつながりますね。

 

これまでチューの試合は、アメリカのESPNで放送してくれていたので、ESPNと契約している私は視聴の機会に恵まれていましたが、試合の約1週間前になってもESPNのリストに載っていないので、今回はないのかもしれません。

残る望みは謎の多いFITE.TVですが、こちらも11/8(月)現在、記載はありません。

↓ニュースが飛び交った時の記事

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ともあれ、せめて日本だけではどこかで見られれば良いな、と思っていますが、井上岳志のアップセットに期待をよせつつ、今回のブログはオーストラリア興行のプレビュー記事です。

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11/17(水)オーストラリア

WBOグローバル・WBOアジアパシフィック・スーパーウェルター級タイトルマッチ

ティム・チュー(オーストラリア)19勝(15KO)無敗

vs

井上岳志(ワールドスポーツ)17勝(10KO)1敗1分

WBOのトップコンテンダー、ティム・チュー。コスタヤ・チューを父に持つサラブレッドは、オーストラリアでそのキャリアをスタートさせ、その血統はさることながら、そのエキサイティングなファイトスタイル(こちらも父親譲り)でまたたく間にスター選手となり、オーストラリアボクシング界期待の星として今の地位を築きました。

とりわけ、全世界がチューに注目した試合は、2020年8月、コロナ禍の中で行われたジェフ・ホーン戦。

↓観戦記

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当時のオーストラリアは、他の先進国に比べてコロナの影響はほとんどなく、多くのお客さんが観戦したこの試合で、元王者のホーンを完璧な形で降しています。

あのマニー・パッキャオを降し、オーストラリアの英雄となったホーンは、初回から得意のラフファイトに巻き込もうとしますが、チューのオーセンティックなボクシングの前に為すすべなし。チューの強さが非常に際立った試合でしたし、基本に忠実なボクサーがラフファイトに苦しめられる構図は多く見てきましたが、全くもってそうならなかったことは、地力に差があった、と捉えられます。

偉大な父、コスタヤに勝るとも劣らない才能を持つこの息子は、その後ボーウィン・モーガンを初回KO、世界挑戦経験者であるデニス・ホーガンを5RでTKO。

 

その後、ホーンと1勝1敗と星をわけているマイケル・ゼラファとの対戦が決まりましたが、ゼラファが直前で翻意、代役スティーブ・スパークを3RTKOに退けています。

↓チューの最新試合!

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そして次戦が世界タイトル戦か、と思っていましたが、スーパーウェルター級は今年7月、4団体統一戦が行われるもドローで統一王者が決まらず。

正直、WBO王者のブライアン・カスターノは狙い目の王者か、とも思っていたのですが、蓋を開けてみればそんなことはなく、3団体統一王者のジャーメル・チャーロに勝るとも劣らないファイトを見せました。カスターノの勝利を推す識者も多いようですね。

 

ということで、すんなり世界戦といかないチューは、ここで世界タイトルへの最終戦を挟むことになりました。

その相手が、なんと井上岳志。

日本のスーパーウェルター級においては、確実に頭一つ抜きん出た存在であるこの井上は、2014年にプロデビューした元アマエリート。

デビュー戦ではのちの日本スーパーライト級王者となる永田大士(三迫)と65.5kg契約戦で引き分けでしたが、その後は連戦して連勝。2017年に渡部あきのりを撃破、斉藤幸伸丸を破って日本タイトル初戴冠、防衛戦では長濱陸を退けて王座返上、同年のうちにOPBFとWBOアジアパシフィックタイトルを獲得するという快進撃。

 

その防衛戦で野中悠樹(当時井岡弘樹)を退けたあたりで、国内に敵なしとなりましたね。

そしていよいよ迎えた世界初挑戦でしたが、王者はスター候補、ハイメ・ムンギア(メキシコ)。下馬評圧倒的不利の中ではありましたが、ポイント差以上に善戦、若き王者ムンギアを大いに苦しめました。

その後再起戦で現在保持するWBOアジアパシフィックタイトルを取り戻し、現在4連勝中です。

学生時代から取り組んできたというウェイトトレーニングの恩恵か、強いフィジカルを持ち、ショートの距離での攻防が得意。世界戦での初黒星のあとは、中間距離での右ストレートにも磨きをかけています。

前戦、2020年11月の試合では新鋭、ワチュク・ナァツ(マーベラス)に苦戦を強いられましたが、その後ナァツが細川チャーリー忍(金子)に勝利したところを見ると、ナァツが実力者だったということがわかります。

さて、元王者を破って以降も快進撃を続けるオーストラリアのヒーロー、ティム・チューに、チューのホームであるオーストラリアで挑む井上岳志に勝機はあるのでしょうか。

 

当然、オッズはチューに傾くでしょう。世界的に見れば、ここまでのパフォーマンス、戦ってきた相手を考えると当然のことです。

しかし、井上の戦ってきた相手というのも、ムンギア以外にも強豪だらけ。というか、日本においては重量級と言えるこの階級の猛者全てを降してきている、と言っても過言ではないのです。

そしてもう一つ、専門誌等のインタビュー記事を読むと、井上岳志陣営、ワールドスポーツジムとしては、もう1年以上前からチューにオファーを出していた、ということなのです。

これはティム・チューというライジングスターに対して勝機を見出し、その地位にとってかわる、という自信があるからこそ、だと思います。

我々にとっては青天の霹靂だったこの一戦は、井上陣営にとっては練りに練った状態で訪れた、最大のチャンス。その勝機が何か、というのは分かりませんが、私如きでは見えない、その勝機に期待したい。

 

IBOインターナショナル・スーパーウェルター級タイトルマッチ

ウェイド・ライアン(オーストラリア)19勝(7KO)9敗

vs

ワチュク・ナァツ(マーベラス)7勝(3KO)2分1敗

セミファイナルに登場するのが、井上に善戦したワチュク・ナァツとは非常に粋。いくつかの地域タイトルを獲得してきているウェイド・ライアン、敗北の多い戦歴というのはかなりのもので、ティム・チューやマイケル・ゼラファと戦って(敗北)おり、9敗のうちKO負けは1度のみ、のようです。そのKO負けというのもデビュー4戦目、4回戦の頃のもので、TKO負け。チューにもゼラファにも判定まで粘っています。

映像を見てみましたが、じゃあディフェンスが良いか、と言われるとそんな風ではなく、どちらかというと痩身に見える体型ながら、かなりのタフファイターに思います。上手いというよりも、頑丈さを活かしてブロッキング、そして打ち返す、というボクサーですかね。リーチはありそうですが。

 

2018年の全日本新人王、ワチュク・ナァツ。2020年2月、(個人的に)評価の高い辻本純兵(帝拳)を2Rに豪快な右でダウンさせ、そのままストップに持ち込んだ一戦は非常に衝撃的でした。

その後、井上岳志に善戦、そして前戦では前OPBF東洋太平洋ミドル級王者である細川チャーリー忍から勝利をもぎ取りました。

この試合は本当に見事、井上に善戦したことが大きな自信につながっていたのかもしれません。階級上のチャーリーに体負けせず、パンチの強さ、スタミナ、タフネス、様々なファクターで上回ったように見えましたね。

井上戦での敗戦を契機に、また一つ殻を破った感じのあるナァツ、正直このライアン相手ならかなり分の良い戦いができるのではないでしょうか。特に、このライアンは、前に出てきてくれる選手のため、おそらく展開は打撃戦、そうなるとナァツの方がパワフルで、回転力もあると思います。

 

願わくばチューも倒せなかったこのライアンを倒し、井上へつなげてもらいたい。

日本のフィジカルモンスターに期待

井上岳志も、ワチュク・ナァツも、世界的に見てもかなりフィジカルが強い方ではないか、と思っています。

チューはまだ底を見せていないボクサーだと思いますが、少なくともウェイド・ライアンよりはワチュク・ナァツの方がフィジカル的には強いと思います。

ハイメ・ムンギアを苦しめたほどの井上のフィジカルと、その井上に敗れはしたものの渡り合ったナァツ。2人の日本人スーパーウェルター級の雄が、敵地オーストラリアに乗り込む。心踊りますね!

 

見逃せない一戦です!!!!!

リアルタイムで見れないですけど。。。。。

ところで、井上拓真vs和氣慎吾の一戦は、FODプレミアムで生配信が決まりましたね!

FODプレミアムに登録すれば、ライブ視聴可能だそうです。配信は11/11(木)19:00〜、皆さん急いで登録しましょう!!

↓FODプレミアムヘの登録はこちら

FODプレミアム↓井上拓真VS和氣慎吾のプレビュー記事はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

試合まであと2日、というところで生配信が発表になった。。。と考えると、まだこの井上vsチューも諦めきれません。本当はWOWOWに期待していましたが、今回はなさそうですね。

ともあれ、配信が見れそうな所があればツイッターとこのブログでお知らせしたいと思います。どなたかここで見れるよ、ということを知っていましたら是非教えて下さい。

 

 

週末海外興行をプレビュー。デビッド・べナビデスはカネロの相手になりうるのか。

週末はDAZNがなかなかアツいです。

日本時間で11/14(日)、イギリスではIBF世界フェザー級タイトルマッチ、王者キッド・ガラハッド(イギリス)に、かつて長谷川穂積と戦ったキコ・マルティネス(スペイン)が挑みます。

そして同日、アメリカでは元WBO世界スーパーウェルター級王者、ハイメ・ムンギア(メキシコ)が激闘王、ガブリエル・ロサド(アメリカ)を迎えてWBOインターコンチネンタル・ミドル級王座の防衛戦。

非常に堅実な王者であるガラハッドは、フェザー級という階級であるが故に日本人ボクサーと絡む機会もあるのかもしれませんし、ムンギアvsロサドは世界タイトル戦ではないにしろ非常に興味深い。

 

そして同じくアメリカでは、元スーパーミドル級王者、デビッド・べナビデスが登場です。

当初、ホセ・ウステカギ戦という素晴らしいマッチアップが組まれていましたが、ウステカギがドーピング陽性反応(バカ!!)、対戦相手はカイロン・デービスに変更。

ちょっと残念ですが、現在スーパーミドル級で唯一、カネロの相手をできそうなのはこのべナビデスくらいなので、ここはつまずいてほしくはありません。

ということで今回のブログでは、11/13(日本時間11/14)に予定されるイギリスとアメリカ、3つの興行のメインイベントをプレビューです。

 

11/13(日本時間11/14)イギリス

IBF世界フェザー級タイトルマッチ

キッド・ガラハッド(イギリス)28勝(17KO)1敗

vs

キコ・マルティネス(スペイン)42勝(29KO)10敗2分

2009年にプロデビューし、じっくりとキャリアを積んだ上で2019年にジョシュ・ウォーリントンの持つIBF世界フェザー級タイトルへ挑戦したガラハッド。しかしここをスプリット判定で落として初黒星を喫します。

ただ、これはかなりの大接戦、どちらが勝っていてもおかしくないような内容でしたね。

その復帰戦でエリミネーターを勝ったガラハッドはまたも指名挑戦権を獲得、しかしやっかいなガラハッド戦を回避したともみられるウォーリントンの王座返上がありました。

 

その後、ウォーリントンの返上した王座を巡ってジェームス・ディケンズと王座決定戦を争い、見事初戴冠。今回は初防衛戦を迎えます。

基本スタンスはオーソドックスながら、頻繁にスイッチを繰り返す、どちらかというとストレートパンチャー。安全圏でボクシングをするタイプのボクサーで、エキサイティングではありませんが非常に堅実で、距離感が巧み。そして空いているところを打つというパンチのセレクトにも長けています。

対するは日本で長谷川穂積とも戦った、キコ・マルティネス。それが2014年4月の話なので、もう7年以上になりますね。

世界的強豪相手にいくつもの敗北を喫し、ときに若手の踏み台となりながらも今回のチャンスが舞い込んできました。

35歳、既に全盛期とは言い難いキコ・マルティネス。

 

最後の挑戦となるのか、まだ戦い続けるのかはわかりませんが、おそらく予想は大きく不利と出るのでしょう。マルティネスには頑張りを見せてもらいたいですね。

日本人ボクサーも絡む可能性が大いにある、フェザー級タイトルの行方は気になるものです。

11/13(日本時間11/14)アメリカ・カリフォルニア

ハイメ・ムンギア(メキシコ)37勝(30KO)無敗

vs

ガブリエル・ロサド(アメリカ)26勝(15KO)13敗1分

 

2013年にプロデビューし、破竹の快進撃を続けたムンギアは、ポストカネロのスター候補。

2018年、レジェンド、ミゲール・コットを破って戴冠を果たしたサダム・アリを4Rで倒し、WBO世界スーパーウェルター級王座を戴冠。

そのタイトルを5度防衛しますが、その中には井上岳志戦が含まれています。

2019年の5度目の防衛戦から、現在まで4連続TKO勝利中、ミドル級にあげてからはすべてTKO(又は棄権勝ち)で進んでいます。

前戦はGGGに挑戦したカミル・シェルメタ戦。GGGに7R終了時棄権で敗れましたが、ムンギアは6R終了でストップ勝ち。GGGよりも早いラウンドでストップしているところについては期待が持てるかもしれませんが、GGGが何度も何度もシェルメタをマットに這わせたのに対し、シェルメタはムンギア戦では圧倒されながらもダウンはしていません。

 

ただ、現在25歳の若きムンギアは、やはり試合のたびに成長を感じさせます。

そんなムンギアに挑むのが、前戦でリオ五輪銀メダリストのウズベキスタンのホープ、ベクテミル・メリクジエフに圧倒されながらも、3Rに起死回生の右を入れての大逆転KO勝利をしたガブリエル・ロサド。

メリクジエフとロサドがもう一度やれば、ロサドはまた分が悪いでしょう。

ロサドはベテランで、味のあるボクサーではありますが、一級戦とは言い難い。

 

ここはムンギアは問題なく勝利を収めなければなりませんが、こういう大きな試合はロサドとしても気合が入り、気合の入ったロサドは前戦の通り、怖さがあります。

↓同日興行に登場したムンギアと、ロサド。

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ミドル級世界王座に挑戦間近、というムンギアは、ここでこけてはいられません。対してロサドは、簡単に踏み台になるわけにはいきません。

若手vsベテランという構図は、非常に興味をかきたてられる一戦ですね。

ムンギアには是非、このミドル級でもトップ戦線にあがってきてもらいたいので、ここは快勝を期待しつつ、なにかを起こしてくれるかもしれないロサドのファイトにも期待。好試合を期待します。

DAZNで配信

ガラハッドvsマルティネスのイギリス興行、そしてムンギアvsロサドのアメリカ興行は、DAZNで生配信です。

イギリス興行の方が日本時間で11/14(日)4:00配信開始(従来ならメインは6:00〜7:00頃開始でしょうか)、アメリカ興行が同日11:00配信開始(メインは12:00〜13:00頃開始?)となっています。

↓DAZNへの加入はこちらから

DAZN

 

11/13(日本時間11/14)アメリカ・アリゾナ

デビッド・べナビデス(アメリカ)24勝(21KO)無敗

vs

カイロン・デービス(アメリカ)16勝(6KO)2敗1分

f:id:boxingcafe:20211107221924j:plain

 

べナビデスは無敗ながら、すでに2度、WBC世界スーパーミドル級王座を獲得しているボクサーです。

1度目は2017年にロナルド・ガブリルとの王座決定戦。若きノックアウトパンチャーとして評価を高めていたべナビデスですが、このガブリルに大苦戦、最終回にダウンを奪われるという内容ながらもスプリットの判定で初戴冠。

議論を呼ぶ判定となりましたが、再戦ではしっかりと判定勝利を得ました。

弱冠20歳での戴冠は、その将来を大いに期待させるものでしたが、初防衛のあと、べナビデスは抜き打ちのドーピングテストで陽性反応を受け、休養王者に。なぜ剥奪されなかったのかはよくわかりませんが、サスペンドを食らったことで別に正規王者が設けられ、その王者が先日カネロのアンダーカードに登場して、素晴らしいノックアウトを見せてくれたアンソニー・ディレル。

 

正規王者、ディレルの王座にべナビデスが挑戦するかたちで挙行された一戦で、べナビデスは9RTKO勝利を挙げ、見事王座返り咲き、2度目の戴冠を果たすこととなりました。

そして今度こそ、このべナビデスに明るい未来が待っていると思った初防衛戦で、今度はべナビデスは体重超過、秤の上で王座を失うという大失態。コロナで体重調整がうまく行きませんでした、的な言い訳。それ、君だけじゃないからね。

それでもチャンスをもらえるべナビデスは、2021年3月、ロナルド・エリスとWBC王座への挑戦権をかけて激突、11RTKOで見事勝利、カネロへの挑戦権を獲得。

↓観戦記

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ただ、このWBCの緩めな指名挑戦権がいつ行使されるのかは不明ですし、先日4団体統一王者となったカネロは、いずれかの王座を手放すかもしれません。そうでなくとも、暴走気味のWBCは、指名戦の義務のない謎のフランチャイズ王座に格上げ(格下げとも言う)する可能性も残っていますね。

まあそんな訳で、過去を遡ればドーピング×体重超過というフルコンボのデビッド・べナビデス、これが現在のスーパーミドル級、vsカネロ最後の砦。べナビデスがカネロに勝てる可能性はもちろんかなり低いですが、ここは是非実現してもらいたい戦いです。

そして相手のカイロン・デービス、2021年2月にはアンソニー・ディレルと引き分けているボクサーですね。映像を見ていませんが、ディレルと引き分けならある程度の実力を有しています。2敗していますが、そのうち1敗は、村田諒太のスパーリングパートナーで、チャールズ・コンウェルとの一戦で亡くなってしまったパトリック・デイとの一戦によるものです。

 

ともあれ、べナビデスはここを勝って、できればカネロ戦を決めてもらいたい。ここは圧勝、どころかスペクタクルなKOを見せてもらい、自ずとカネロ戦がクローズアップされるような勝ち方を期待したいものです。

ちなみにセミファイナルにはデビッド・べナビデスの実兄、ホセ・べナビデスが登場。2018年10月にテレンス・クロフォードに挑戦(12RTKO負け)を喫して以来の再起戦に臨みます。なんと3年ぶりのリング。クロフォードとの試合で思い出すのは、試合内容ではなくてフェイス・オフ時の攻防。あれを見た限り、クロフォードに敗れたとはいえこのべナビデス兄も只者ではありません。

放送・配信

この興行は、アメリカではShowtimeで放送・配信が決まっています。日本での放送・配信はありません。

↓どうしても見たい場合は下記を参照

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ということで、週末の興行、大注目のビッグマッチはないながらも、今後を考えると興味深いマッチアップですね。

この3つのメインイベントは、Aサイドが難なく勝利を手にする、という構図ではありますが、今後の展開を考えると、そのパフォーマンスに注目が集まります。

ということで、今週末も楽しんでいきましょう。

 

【プレビュー】澤田京介vs定常育郎、小浦翼vs重岡優大と亀田京之介vs英洸貴、そして西軍代表決定戦!

バンタム級周辺の階級はいつもアツい。

昔からバンタム級という階級は名ボクサーが多く、「黄金のバンタム」と呼ばれたエデル・ジョフレを破ったファイティング原田にはじまり、素晴らしい王者たち、そして素晴らしい名勝負を産んできました。

↓黄金のバンタムについて書いた記事

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しかし今、日本のバンタム級は呪われている、と言われています。詳細は過去に幾度となく書いているので割愛しますが、最新では2021年7月に王座決定戦が開催されるも、2Rのバッティングにより続行不可能となり、負傷ドロー。

またも王者が決まらないまま、試合が終わってしまいました。

その後、両者の再戦が決まりましたが、そこから3ヶ月半。この少ない時間で、バッティングによる傷を治し、試合へ向けての準備をする。両陣営にとっては非常に大変だったと思いますが、ともあれ11/12(金)に試合はセット。

そしてこの日、ダブルメインとしてWBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦として、小浦翼(E&Jカシアス)vs重岡優大(ワタナベ)という大注目試合もセットされています。

その前日には井上拓真vs和氣慎吾という超大注目のフェニックスバトルもあるので、ボクシングファンは毎日忙しい。

↓井上拓真vs和氣慎吾のプレビュー

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そして11/12(金)に日本バンタム級王座決定戦、WBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦を擁するDANGAN興行が終われば、11/13(土)には大阪で日本ユース・フェザー級タイトルマッチ、亀田京之介vs英洸貴、そしてその翌日11/14(日)には新人王西軍代表決定戦。

来週は週中から週末までアツいですね!

今回のブログでは、11/12〜11/14の興行のプレビューです。

 

11/12(金)DANGAN

日本バンタム級王座決定戦

澤田京介(JBスポーツ)14勝(6KO)2敗2分

vs

定常育郎(T&T)11勝(4KO)4敗4敗

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今回、この試合の予想をしろと言われれば、間違いなく澤田が大きく優位と出るでしょう。それは、前戦で澤田は初回にダウンを奪取、サウスポー、定常に対して右ストレートが的確に当たっており、精神的にも有利な状況で再戦を迎えられるはずです。

澤田が早々に距離感を掴んだ、という事実は、きっと2戦目にも生きるはずです。

↓澤田vs定常の初戦の観戦記

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一方の定常は、というと、あの時点でいかほどの余力があったのか。落ち着いているようには見えましたし、ダメージがあるようには見えませんでしたが、それを見せまいとするのがボクサーであり、本当のところはどうなのかはわかりません。

その中で、たとえ1Rでもあっても相手の状況を見れたのはプラスになるのかどうなのか。

前戦の1Rを見たように、澤田の方がボクサーとしての地力が上、という風にも思いますが、澤田がもし、前回のダウン奪取により、心のどこかに余裕を持ってこの3ヶ月半を過ごしていたようなら、逆に定常にチャンスがありそうです。

結局前回の1Rで学びの多い方が勝つのでしょう。

本来この試合は5月に開催される予定でしたが、当時緊急事態宣言発令により会場の墨田区総合体育館が使えなくなり、延期に。

 

そして7月の試合ではバッティングにより2Rで負傷ドロー。

そこからいよいよこの11月。この一戦で、いよいよ王者が決まるはずです。どちらが勝つにせよ、決まってもらいたい。

WBOアジアパシフィック・ミニマム級王座決定戦

小浦翼(E&Jカシアス)15勝(10KO)1敗

vs

重岡優大(ワタナベ)3勝(2KO)無敗

 

セミファイナルは、世界王者を嘱望されるふたりのボクサーが登場です。

小浦は2014年にプロデビュー、翌年の全日本新人王に輝きます。10連勝で当時空位だったOPBF東洋太平洋ミニマム級王座決定戦に出場し、ジェイセバー・アブシード(フィリピン)に4RTKO勝利でこれを戴冠しました。

その後は谷口将隆(ワタナベ)、田中教仁(三迫)、冨田大樹(ミツキ)を相手に防衛。

小気味よい正統派のボクシングで谷口戦では超接戦を制し、田中戦では序盤の劣勢をひっくりかえし、冨田戦では完勝。

しかし2019年3月、世界は目の前か、と思われた4度目の防衛戦で、伏兵リト・ダンテに12RTKO負け。世界戦線への参戦は、停滞を余儀なくされます。

 

その後2020年2月に再起戦で勝利を飾り、コロナショックに突入してからはブランクを作っています。今回は1年10ヶ月ぶりのリングで、地域王座ヘの返り咲きを目指します。

対して重岡優大は、前WBOアジアパシフィック・ミニマム級王者、重岡銀次朗の実兄。

弟銀次朗は、前戦で川満俊樹(三迫)を2Rでストップ、現在は世界ランキングで上位となり、世界タイトル戦へのウェイティングサークルに入ったことからか王座を返上。

その返上した王座を巡って決定戦に出るのが、兄の優大です。

兄の優大は、アマでは82勝10敗という好戦績を残しているものの、まだプロで3戦。しかし、弟同様、完成度は非常に高いボクサーです。

 

デビュー2戦目で、小浦を破って王座についたリト・ダンテを6回戦で破っています。そして3戦目では、三迫のホープ、堀川龍と日本ユース・ライトフライ級王座を争い、5RTKO勝利でこれを獲得。

ダンテ戦から堀川戦までの間隔は1年以上空いていましたが、堀川戦から今回までは約7ヶ月。

試合勘という意味でいうと、重岡の方にアドバンテージがありそうです。重岡は世界挑戦を控える谷口と同じ階級、同じジム。谷口が挑むウィルフレド・メンデスはサウスポーであり、重岡もサウスポー、おそらくスパーリングを重ねている事でしょう。

そう考えると、世界戦を間近に控えたボクサーとのトレーニングは、きっと重岡に更に良い環境を与えているのではないか、と思います。

しかし、プロとしての実績、強敵と戦ってきたキャリア、それは当然小浦の方が上。最長で6Rの経験しかない重岡に対して、小浦は戦略面で上回る事ができる可能性が大きいので、基本的には後半勝負というのが基本でしょう。

この試合は、勝敗予想の非常に難しい、素晴らしいマッチアップですね。

 

小浦は間違いなく国内トップクラス。重岡はそれを喰えば一気に国内トップに躍り出る事ができ、このミニマム級という最軽量級においてはそれが一気に世界への道として開けることになります。

個人的には、この重岡兄弟には、タイの王者に、タイで勝ってもらいたい、そう希望を持っているボクサーです。小浦翼という強豪ボクサーを攻略することができれば、世界への挑戦資格も充分であり、国内最短での世界戦も見えてくるし、兄弟同時世界王者だって見えてきます。

ともかく、この試合は非常に楽しみです。

放送・配信

この興行は、DANGAN興行なので、BoxingRaiseで生配信を期待していました。しかし、Raiseのサイトを見ると、現在のところ生配信の記載はなし。

残念ながら録画配信のようですね。

早ければ当日の夜(深夜)、おそくとも翌日にはBoxintRaiseにアップされるので、情報遮断して見たいと思います。

そしてその翌日には大阪で注目試合!

 

11/13(土)Fighting Beat Boxint

亀田京之介(ハラダ)7勝(6KO)2敗1分

vs

英洸貴(カシミ)8勝(3KO)2敗3分

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日本ユース王者、亀田京之介。前戦の決定戦では、非常に評価の高い新人王、奈良井翼を2RでTKOした素晴らしい一戦でした。これで2019年の全日本新人王決定戦での敗戦以来、2連続KOと勢いに乗り、非常に伸びている感じがしますね。

対するは2018年のスーパーバンタム級全日本新人王、北陸のホープ、英(はなぶさ)。全日本新人王決定戦ではドローながら、優勢点で見事全日本新人王を勝ち取りました。

2020年8月に下町俊貴(グリーンツダ)と日本ユース・スーパーバンタム級タイトルを争い5RTKO負けで初黒星。再起を期した2021年3月の復帰戦でも、帝拳ジムの福井勝也に判定負けを喫し、2連敗。今回はスーパーバンタム級から1階級上げての挑戦となります。

正直、勢いは亀田にあり、亀田はここ最近の試合内容もすこぶる良いので自信もつけていることでしょう。

英を応援していますが、これはかなり厳しい戦いになりそうですね。

 

この大注目の一戦の配信も、BoxingRaiseがやってくれます。録画配信ですので、やはり遅くとも翌日にはアップされるでしょう。これも楽しみな試合です。

11/14(日)西軍代表決定戦

2021年の新人王戦は、2020年と同じで全日本新人王決定戦が2022年の2月頃という予定です。

東日本新人王の決勝は12月なので、一足早く西軍代表が決まります。

この西軍代表決定戦は、地区対抗戦で勝利したボクサー(「西部日本(九州・沖縄)新人王」と「中部日本新人王」が闘う大会を地区対抗戦といいます)が、西日本新人王と雌雄を決し、西軍代表を決めるという一戦です。

その西軍代表が、東日本新人王と決定戦に臨み、その勝者が全日本新人王となります。

 

実はいつも、私はこの西軍代表決定戦から見ています。それまでは、興行のアンダーカードで登場したボクサーは必然的に見ていますが、積極的には見ていません。単に、時間の問題です。

ということで、この西軍代表決定戦を視聴し、気になるボクサーがいればより過去の動画を調べてみる、というやり方で、東日本に関してもそれは同様。東日本新人王の決勝から見るようにしています。

なのですみません、プレビューらしい記事は書けないのですが、一人だけ紹介したいボクサーがいます。

スーパーフライ級西日本新人王

山下陸(六島)5勝(2KO)1分

なぜこのボクサーか、というと、この山下は出身が香川県の小豆島。

そう、私の生まれ故郷。同郷だというだけです!

 

この事実をボクシング選手名鑑の検索から知り、そこから応援を決めてBoxingRaiseで試合を視聴。ゴリゴリのファイターです。もちろんまだまだ荒削りですが、ハートの強さを持ったボクサーです。そしてあのアップセットでお馴染みの強豪、六島ジム所属ということで、期待しかありません。

おそらく小豆島出身のボクサーが、西日本新人王になったのは初めてのはず。

そして全日本新人王になってくれれば、島の人たちも黙ってはいないでしょう。

島という閉鎖的なコミュニティで生まれ育った人たちは、「同郷」という思いがおそらく半端ではありません。

ということで、この試合が私的メインイベントな11月14日。土日なのでもちろん仕事で行けませんが、遠方より応援しています。

この興行は、11/30(火)19:00〜日テレG+で録画放送。さすがに情報遮断は無理なので、そこは諦めて、勝利を祈ることにします。皆さんも応援してくれたら嬉しいです。

 

 

【プレビュー】井上拓真と和氣慎吾、龍虎相搏つ!フェニックスバトル!

11月に入りましたね!

10月末、井上尚弥の次戦も発表され、ボクシング界は大盛りあがり!そして村田諒太とゲンナディ・ゴロフキンの一戦もまもなく正式発表、そして井岡一翔はジェルウィン・アンカハスとの統一戦を交渉中。。。

大晦日はちょっと動けないので、見に行けるとしたたら井上尚弥vsディパエン、そして村田諒太vsゴロフキン。あとはチケットが取れるかどうかにかかっています。

さて、そんな12月のビッグマッチを楽しみにしつつの11月。

週末にはカネロvsプラント、そして後半にもクロフォードvsポーターというビッグマッチ、そしてフィゲロアvsフルトンという日本のボクシングファンにとって大変に興味深いタイトルマッチがあるわけですが、国内で行われる興行の最注目は、11/11(木)に行われるフェニックスバトル!

今回のブログでは、井上拓真vs和氣慎吾という国内最大級の戦いをメインに据えた、フェニックスバトルのプレビュー記事です。

 

11/11(木)フェニックスバトル

WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級タイトルマッチ

井上拓真(大橋)14勝(3KO)1敗

vs

和氣慎吾(FLARE山上)27勝(19KO)6敗2分

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これは本当にもう、とんでもない試合ですね。

表題に龍虎相搏つと書きましたが、実力は伯仲していると見ています。

井上拓真は言うまでもなく、「モンスター」井上尚弥の弟で、アマ時代からライバル田中恒成としのぎを削り、高校在学中にプロデビュー。

兄・尚弥のプロデビューはロンドン五輪後の2012年、そこから1年ほど遅れてのプロデビューでした。

デビュー戦はのちの世界王者、福原辰弥(本田フィットネス)。その後デビュー5戦目でOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得しました。

そのタイトルを2度防衛後返上、のちの世界タイトル挑戦者、フローイラン・サルダール(フィリピン)を降しています。その後も久高寛之(仲里)、益田健太郎(新日本木村)、マーク・ジョン・ヤップ(六島)といった国内トップクラスのボクサーを総ナメにし、WBC世界バンタム級暫定王座決定戦に出場しました。

その暫定王座を獲得したのち、今度は正規王者、ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との団体内統一戦に敗れ、初黒星を喫してしまいます。

 

非常にまとまったボクサーであり、インもアウトもこなせる万能型ファイター。およそ穴がなく、非常に総合力の高いボクサーですね。

ウバーリに初黒星を喫しましたが、国内では頭ひとつ抜けており、初黒星から1年2ヶ月ぶりのリングで現OPBF東洋太平洋バンタム級王者、栗原慶太に負傷判定勝利。強打の栗原を持ち前のテクニックで完全にシャットアウトした試合でした。

そして今回、1階級上げて、スーパーバンタム級国内トップクラスの実力を誇る、和氣慎吾との対戦です。

ちなみに、スーパーバンタム級に転級、ということではなさそうです。バンタム、スーパーバンタムの世界王座を両方にらみ、チャンスを待つとのこと。バンタムは兄尚弥が統一を画策しており、なかなかチャンスは薄い。スーパーバンタムも統一路線であり、実際はチャンスは少なそうです。まだ25歳、時間はありますので焦らずじっくりと力を養ってもらいたいですね。

 

さて、和氣慎吾。

岡山県出身のリーゼントボクサー、34歳の和氣はもうキャリア35戦。2006年のプロデビューなので、もうプロで15年ものキャリアを積んでいます。

そんな和氣を一躍有名にしたのは、デビュー19戦目、2013年に行われたOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ。王者は当時10戦全勝、のちの世界王者となる小國以載。しかも王者ロリ・ガスカを破って戴冠した小國は大橋弘政、芹江匡晋を破って防衛、ガスカとの再戦でも勝利して3連続防衛、世界を窺うホープとして高評価を固めていた時期でした。

小國圧倒的優位予想の中、番狂わせを演じてこの一戦に勝利した和氣はOPBF王座を初戴冠、この勢いを駆って王座を連続5度防衛。見事に小國にとって変わりました。

 

そしてチャンスを活かしてIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に勝利し、見事IBF王座への挑戦権を獲得しました。

世界初挑戦となったジョナタン・グスマン戦では当時底の見えない怪物王者に対して11RTKO負け、この敗北後に現在所属するFLARE山上ジムへ移籍、1年後に再起を果たします。

その後は世界を窺う日本王者、久我勇作とのサバイバルマッチに圧勝して日本最強を証明し、後は世界再挑戦を待つだけとなりました。

しかし、順風満帆とはいかない和氣のボクシングキャリアには、またも逆風が吹き荒れます。

2013年のOPBF王座の防衛戦で退けているジュンリエル・ラモナルとの調整試合でまさかの3RTKO負け。

大切なところで星を落としてしまった和氣ですが、コロナ禍に入り、川島翔平を相手に再起、今回のチャンスを掴み取りました。

 

和氣慎吾というボクサーは、いわゆる「ポカ負け」をしてしまったボクサーではありますが、「ここ一番」という勝負どころに非常に強いボクサーだと思います。

下馬評圧倒的不利予想だった小國以載戦然り、実力伯仲かと思われた久我勇作戦でも、圧倒的な力を誇示して久我を寄せ付けず、10RTKO勝利。

シャープな左カウンターを武器とする長身サウスポーで、その左を当てるための懐の使い方、戦略にも非常に優れています。

もう10年以上この階級で戦う和氣は、体格的には線の細さを感じさせるものの、距離の作り方もうまく、KO負けは世界挑戦したグスマン戦と、(あえて書かせてもらうと、「ラッキーパンチ」を食ってしまった)ラモナル戦のみ。打たれ強い、というよりはまともに貰わない、というのが正しいと思うのですが、和氣もこの大一番に際して、ラモナル戦のようなミスはしないでしょう。

 

どっちが優位?

和氣173cm、井上163cmと身長では12cmの違いがあります。

その分、井上拓真の体の厚みは半端なく、腕の太さも兄より太いのではないか、と思うほどのフィジカルの仕上がり。

この体つきをみれば、井上のフィジカルは非常に強いと思われます。ただ、基本的にアウトボクシングを身上とする(ような戦いぶりを見せる)井上は、このフィジカルをまだ活かしていない、とも感じます。

和氣が勝つとすれば、前の手で井上をコントロールした上で、入ってくる井上に対して左カウンターをヒットする展開。井上も決して打たれ強いとはいえず、これまで確か2度(だったか?)のダウン経験がありますし、しかもその両方がサウスポー相手、しかもその両方がサウスポーの左ストレート。

 

ともにすぐに回復はしているので、1度のダウンであわや、とならないあたりは井上の強みではあります。こちらも、芯は外しているのでしょう。

和氣の勝ち筋としては、井上の動きを前手でなるべく封じ、井上の正面のポジショニングをとった上での左ストレートをコネクトできれば、自ずとダウンを奪え、有利に試合を進められる、ということだと思います。

そして対して井上の勝ち筋としては、とにかく和氣の左ストレート、カウンターをもらわないこと、がまず第一。チーム・イノウエの、対戦相手の分析には定評があり、その対策はバッチリでしょう。

井上としては、前戦の栗原戦のような徹底したアウトボクシング、運動量の多いボクシングを展開して的を絞らせないこと。そしてスピードに優れる和氣以上のスピードで出入りのボクシングをするか、時にゴリゴリ体で押していく展開も必要かもしれません。

 

中途半端な距離は危ないような気がします。

井上としては、より万能型である特性を活かし、12Rにわたって戦い方を変えながら、和氣にカウンターのタイミングを掴ませない、というのも有効かもしれません。

まあ、要するにどんな展開になるかは予想がつきません笑

2人とも待つ、みたいな展開になると、エキサイティングな試合にはならないですがヒリヒリする攻防が見られそうですし、カウンター合戦になっていくかもしれません。

中に入らなければパンチの届かない井上が、もし序盤にポイントを失うようであれば、強引に攻めるというシーンもあるかもしれません。

 

ともあれ、この井上拓真vs和氣慎吾の一戦は、初回から最終回まで、瞬き厳禁の試合となるはずです。

改めて、前戦でOPBF王座の2階級制覇を獲得した井上拓真、階級アップの初戦でテストマッチも挟まずよくこの和氣を選んだものです。とんでもない漢気は、大橋イズム、そして井上家の血を引くからこそできる強気のマッチメイク。

この漢気を買い、私は今回チーム・イノウエからチケットを買いまして、現地観戦の予定です。実は兄・尚弥よりもいつも拓真を応援しています。それは「モンスターの弟」という厳しい目で見られる条件を強いられていることと、私自身が次男ということも関係あるのかもしれません。

本音を言うと、井上にも和氣にも勝って欲しいですが、どちらかが敗北するという非常に切ない一戦。しかし、その10倍楽しみな一戦ですね。

 

放送・配信

この一戦は、残念ながらフジテレビでの後日録画放送に止まります。ダイヤモンドグローブ、TVerやFODで見れるようにしてくれたのはありがたいですが、それより生放送(もしくは生配信)にしてもらいたいものです。こんな注目試合が、「後日録画」しかも関東圏では超ど深夜とは。

11/9(火)追記

FODプレミアムでLIVE配信とのことです!会場に行けなくても、ライブで見れますよ!

FODプレミアムはこちらから!

FODプレミアム

 

 

↓放映スケジュールはこちら(随時更新しています)

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アンダーカード!

セミファイナルはミドル級6回戦、伊藤大賀(角海老宝石)vs可兒栄樹(T&T)。

2020年の東日本新人王、伊藤は、全日本新人王戦での敗北からの復帰戦です。全日本ではスプリットで敗れてしまいましたが、この可兒は非常に多彩なボクシングをする20歳。

ともに初の6回戦ですね。

↓2020年度の全日本新人王戦。

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セミセミにはフェニックスバトルでお馴染み、内田勇心(大橋)が登場です。対するは柿元蓮(ワタナベ)。ともに今年度の新人王戦からは敗退しており、ここから地道に上がっていかなければならない者同士。

柿元はここで勝てばB級昇格がかかる一戦、内田は所属ジム主催興行で負けられない一戦です。

その他4回戦が2試合、注目度としてメインがズバ抜けて高いですが、好試合の多いフェニックスバトル、アンダーカードにも期待しています。

では、ホールでお会いしましょう。

 

【プレビュー】スーパーミドル級の4団体統一、迫る。サウル“カネロ”アルバレスvsカレブ・プラント!

現在ボクシング界で最も稼ぐボクサーであるサウル・アルバレス。通称カネロ。

このカネロがPFPキングに君臨するようになって、どれくらいの月日が流れたのでしょうか。

現在WBAスーパー・WBC・WBO世界スーパーミドル級王座を保持するカネロ・アルバレスは、この試合のあと、一体どこへ向かうのか。

スーパーミドル級での最強の証明、という試合のはずですが、大方の予想はカネロの勝利であり、カネロが偉大な「4団体統一」を果たす日、というのがほとんどのファンの認識だと思います。

カネロはプラントに苦戦するかもしれない。。。という声はきっとあるのでしょうが、プラントが勝つ、というような人は少ない。4団体統一、Undisputedチャンプとなることを期待されるカネロ、そしてそれを阻止すべくリングに立つカレブ・プラント。(WOWOWの表記ではケイレブ・プラントでしたね。。)

 

今回のブログは、目前に迫るスーパーミドル級4団体統一戦、カネロ・アルバレスvsカレブ・プラントのプレビューです。

11/6(日本時間11/7)

サウル・アルバレス(メキシコ)56勝(38KO)1敗2分

vs

カレブ・プラント(アメリカ)21勝(12KO)無敗

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サウル・アルバレス(以下カネロ)がPFPトップ、というのは、異論のある人も多いのでしょう。過去のドーピング違反は汚染されたメキシカンビーフを食べた、というのが原因でカタがついてはいるものの、怪しく思っている人が多いことも事実。

こちらはカネロに非はないものの、いくつかの疑惑の判定もあります。

これを語り出せばキリがないので、今回はこのことについて書くつもりはありません。

ともかく書きたいのはこの試合のことで、更にここ最近のカネロのパフォーマンスは見事というほかありません。

 

前戦では技巧派サウスポーの2階級制覇王者、ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)を相手に、8R終了TKO勝利。序盤はやりにくそうでしたが、8Rにはボディに活路を見出し、そのラウンド中にサンダースの心を折って棄権に追い込みました。

↓観戦記

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その前戦のアブニ・イルディリム(トルコ)は語るに値する試合ではないほどの実力差。

↓観戦記

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そういえばカネロはここまで2戦連続でノーマス勝利なんですね。

イルディリム戦の前は、スーパーミドル級最大の難敵とも目されていたカラム・スミス(イギリス)。これもまた圧巻の試合内容でほぼフルマークの判定勝利を飾っており、カネロは高身長のスミスの左腕を叩きまくり、破壊しての勝利。

恐ろしいカネロの強打を存分に見せつけた一戦となりました。

 

↓観戦記

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その前がライトヘビー級のタイトルを獲得したセルゲイ・コバレフ(ロシア)戦であり、その前がミドル級でのダニエル・ジェイコブス(アメリカ)戦。

とんでもない強敵と戦い続けるカネロ。これは本当に脱帽ものです。ドーピングの疑惑さえなければ。

さて、ということで一本ずつベルトをコレクトしてきたカネロの最後の相手は、カレブ・プラント。身長185cmのオーソドックススタイルのボクサーで、「スウィートハンズ」というニックネームの通りの技巧派ボクサーです。

このプラントは、たしかに巧く、強いボクサーです。

しかし、体格的にみるとカラム・スミスよりは小さく、カネロが苦手といわれる(サンダースのような)サウスポーでもありません。

 

持っている武器は、ハンドスピード、当て勘、素早いコンビネーションとヘッドムーブを含めたノーダメージでも切り抜けられるディフェンス技術。

こう書くとウィークポイントはなさそうですが、コンビネーションの速さにこだわるあまりパワーレスな部分は目立ちます。どちらかというと連打でKO、TKOを勝ち取ってきた選手。

そして前戦、トゥルアックス戦では圧倒しながらもストップ勝ちは得られず、本当に時折、ではありますがクロスレンジでトゥルアックスのアッパーや右オーバーハンドを被弾していたこともありました。

↓観戦記

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カネロは間違いなく打たれ強く、このプラントのパンチに臆する事は考えられない気がします。もちろんやってみなければわかりませんが、プラントのパンチでカネロがバタリと倒れるところは全く想像できません。

とはいえ、プラントのタフネスも未知数。トゥルアックスの会心の一撃をもらってもケロリとしていたところを見ると、このボクサーのタフネスもよほどのものかもしれません。

しかしもし、プラントがその技巧をもってカネロを封じ込めようとしたとしても、カネロはそのディフェンステクニックを前進する時にも使い、懐に入ってくるボクサー。クロスレンジであのプレッシャーを受けた時に、そしてカネロの素晴らしいコンビネーションが放たれた時に、プラントがどのようにサバイブできるか、というのは一つの鍵。

そしてそのクロスレンジでのファイトを、何とか逃げ切ったと思っても、カネロに判定勝利を上げるというのは、今までの事を考えるとかなり困難。

 

ということで、プラントはどのようにしてカネロから勝利を得るのか。

まずひとつは、カネロを中に入らせないこと。おそらくインサイドではカネロの方がパワフルであり、高身長オーソドックスのプラント相手には得意の左ボディも入りやすく、有利。

それができたとすれば、遠い距離から踏み込んで自分のコンビネーションを当てる、もしくはガードさせて攻勢をアピールする、ということも重要だと思います。カネロはダッキングやウィービング等も非常に得意で、ここで空振りをしてしまうと見栄えもよくありません。なるべく身体のどこかに当てるなりしなければポイントをピックアップするのも厳しいでしょう。

仮にガードの上からあたったとしても、おそらくプレスをかけ続けるのはカネロであり、ポイントはカネロに流れてしまうかもしれませんが。

そして最後に、判定が公平に出ること。こればかりは二人のボクサーに何の関係もありませんが、カネロには以前からずっとこれがあります。

 

決してジャッジを買収しているとかいう訳ではないでしょうが、何もなくともスーパースター・カネロにポイントが流れがちです。

まあ、プラントが疑惑の判定で敗れたということがあれば、きっと再戦がセットされ、再戦ではプラントは初戦よりも大きなファイトマネーを手にする事ができるでしょうから、それはそれで良いのかもしれませんが。

考えれば考えるほど、プラントの勝ち目は薄いように思うのは私だけでしょうか。

最近のカネロは、序盤様子見という展開が多いので、もし明確にポイントを取るなら序盤でしょう。序盤で「お、プラント意外に通用してる!」となれば試合自体を楽しめるかもしれませんね。

序盤からカネロが圧倒するようならもう時間の問題だと思いますので、あとはカネロがどのようにストップに持っていくのか、というのを楽しみに見るしかありません。

 

ということで、どんなに考えてもカネロは止められません。とはいえ、リングの上は1対1のタイマン、何が起こるのかはわかりません。

私の想像を超えたプラントの成長、頑張りによって、名勝負となることを期待しています。そうでなければ、カネロにとって4団体統一というのが簡単すぎる仕事になってしまいますから。もっと苦労してもらいたい笑

アンダーカードも注目。

レイ・バルガス(メキシコ)34勝(22KO)無敗

vs

レオナルド・バエス(メキシコ)21勝(12KO)4敗

元WBC世界スーパーバンタム級王者、レイ・バルガスが2019年7月以来、リングに戻ってきます。お久しぶりです。

前戦は暫定王者、亀田和毅を相手に5度目の防衛に成功し、私の記憶が確かならば減量が厳しく、フェザー級に上げるために王座を返上したような。。。

 

しかし、今回の一戦はBoxRecの表記によるとスーパーバンタム級戦。

どういうことかちょっとわかりませんが、かつての勢い、人気は完全に陰り、今や塩ボクサーの仲間入りを果たしたレイ・バルガスの対戦相手は、現在3連続KO勝利中のレオナルド・バエス!!

しかしこのバエスの3連続KOの相手というのは、全員が負け越しのボクサー。しかも5勝27敗とか3勝36敗とか、とんでもない負け越しの仕方です。

その前はカルロス・カラバロに4RTKO負け、更にその前にはジェイソン・マロニー(オーストラリア)に7R終了後棄権で敗北しています。

バルガスも久々のリング、余り危険な相手とはやらせないでしょうが、とりあえず無事に試合が行われることを願います。

その他のアンダーカードは、11勝(10KO)1敗1分のスーパーライト級のエルビス・ロドリゲス(ドミニカ共和国)が登場です。前戦で初黒星を喫してしまったロドリゲスは、ここが正念場、今後のマッチメイクの分岐点とも言えそうです。

 

対戦相手は14勝(9KO)無敗のファン・パブロ・ロメロ(メキシコ)。31歳のこのボクサーはまだ無敗ということで、ここに勝てばさらなるチャンスが巡ってくるかもしれません。

「無敗」という肩書は、たとえアンダードッグとしてでもチャンスのある試合に出場できる機会があるかもしれませんので。

なのでここは両者にとってサバイバルマッチといえる一戦となりそうです。

他にも元WBC世界スーパーミドル級王者、アンソニー・ディレル(アメリカ)も登場しますね。BoxingSceneを見ると、co-main(セミファイナル)はこのディレルvsマルコス・ヘルナンデスとなっています。

 

放送・配信・時間

この世界中が注目するサウル・アルバレスvsカレブ・プラントのスーパーミドル級4団体統一戦は、アメリカではShowtimeのPPVで放送されます。79.99$と、よくある高額なほうの金額ですね。

それを!日本では!!なんとWOWOW様が生中継してくれます。

これは本当にありがたい。

今回はオンデマンドのみの先行ライブ配信ではなく、WOWOWプライムでの生放送(オンデマンドでも同時配信)ということで、もしリアルタイムで見れなくとも録画しておけば視聴できますね。WOWOW様々の放送時間は11/7(日)11:00〜となっており、ShowtimePPVの全4試合が放送されるかどうかはわかりませんが、この日の興行はメインイベントが見れればもう御の字でしょう。

ということで、皆さんWOWOWで楽しみましょう!

WOWOWへの加入はこちら

 

wowow

 

【プレビュー】世界へ直結する日本LF級王座戦!ダイナミックグローブ、芝力人vs岩田翔吉!

さて、週末にはA-Sign&DANGANの共同興行。注目試合のみ、4試合という内容は、PPVで3,000円。Boxing Raise又はA-Signのメンバーシップに入っていれば、このPPVが2,000円となるのでお得。私はどちらとも入っているので、どっちから見ようか検討中。(はっきり言ってどうでもいいですが)

個人的には非常に楽しみなんですが、そうか、3,000円だと高いと感じる人もいるのかな?現地観戦できない身としては非常にありがたいですし、アーカイブも残りますし、そして何しろこれまでの実績を信用しているので、画質が悪いとか云々もなさそうなので、この数々の試合が見れて2,000円は高くないと感じますが。

↓プレビュー記事

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さて、「高い」といえば我が家ではケーブルテレビ代なのです。テレビなんて全然見ないのですが、WOWOWと日テレG+のために契約しているケーブルテレビ。

WOWOW(というかエキサイトマッチ)はタブレットで見ることも多いので、実際はほとんどG+(というかダイナミックグローブ)のためにお金を払っている感じです。

色々と統合して、ボクシング専門チャンネルができるといいですね。そしてそれを個別に契約できるようになれば尚良い。

ということで、ダイナミックグローブの生中継がないと非常に寂しい。来月はダイナミックグローブが後日録画放送、11/14の新人王戦、西軍代表決定戦が後日録画放送と寂しい限りですが、2興行あるので良しとしましょう。

さて、今回のブログは日テレG+で放送予定、11/6のダイナミックグローブのプレビューです。

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11/6(土)ダイナミックグローブ

日本ライトフライ級王座決定戦

芝力人(真正)5勝(3KO)1敗

vs

岩田翔吉(帝拳)6勝(4KO)無敗

本来であれば9月11日(土)に激突予定だった両者ですが、計量後だったか、岩田のコロナ罹患が発覚。PCR検査での陽性反応、無症状ということでしたが、規定により試合は中止。

その日のダイナミックグローブはメインが飛び、結果全2試合となってしまったために無料開催の興行に。本当にコロナは憎い。

そこから2ヶ月、両者ともに「今度こそ」の思いは強いでしょう。

アマ強豪、南京都高校(現京都廣学館)から近畿大学ボクシング部では主将を務め、RK蒲田ジムからB級デビューした芝力人。

 

関西のアマエリート街道を突き進み、3戦目で日本ユースタイトルを獲得しています。

その王座を1度防衛、5戦目で日本ライトフライ級挑戦者決定戦に出場しますが、相手が矢吹正道。

のちに日本王者となり、世界に挑戦する矢吹の強打を浴び、4Rにマットに沈みました。

その後心機一転、真正ジムへ移籍して2021年6月に再起戦をKO勝利で飾っています。

アマチュアでしっかりと経験を積み、軽量級らしいスピードとキレを持つ、小気味よく動くボクシングをしますね。非常にバランスのとれたボクサーだと思います。

一方の岩田翔吉は、U-15、インターハイで優勝経験を持つアマエリート。

 

2018年にアメリカデビュー、名門帝拳ジム期待のホープでもあります。

2019年12月の興行で、村田諒太(帝拳)が自身の後継王者として「翔吉!」とリング上から名指ししたことは記憶に新しい。

その期待に応えるためには、ここは何としてでも初タイトルを戴冠したいところです。

ともに好戦的なタイプで、軽量級らしくスピードとキレのあるボクシングをします。豊富なアマ経験から、ボクシングのレベルも高い。

ただ、芝の前戦はノーランカーの渡邉秀行(DANGAN郡山)を相手に大苦戦という内容に対し、岩田の前戦はベテラン大内淳雅(姫路木下)から初回にダウンを奪い、見事なボクシングで完封。

 

前戦の出来のみを見れば、岩田の勝利が固いような気もします。

ただ、この「日本タイトルマッチ」という特別な試合は、ボクサーにとって大きく成長を促すタイミングともなり得ます。

そして芝は26歳、岩田は25歳とともに若く、さらにプロ戦績はたった6戦。年齢、キャリアを考えると、この日本タイトルマッチに際して、大きく成長をきたしている可能性は大いにあると思います。タイトルへの「挑戦者」は、3割増の力を発揮できる場合がある、とは西岡利晃さんがWOWOWの解説で言っていたことではありますが、今回はともにチャレンジャー。

世界王者になるために、この日本タイトルで負けてはいられないですし、このライトフライ級においては、この「日本タイトル」こそが世界に直結するタイトルです。このタイトルを獲得する事実は、非常に大きい。

どちらのボクサーも、素晴らしいポテンシャルを持ち、それでもまだ、圧倒的なパフォーマンスは見せられていない、と個人的には思います。この一戦で、どちらかのボクサーに大化けしてもらいたい。

↓ライトフライ級トップ戦線への殴り込みを期待したいです。

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アンダーカード

アンダーカードは弱め、と言っては失礼かもしれませんが、4回戦が4試合、6回戦が1試合。

セミファイナルに当たる6回戦では、B級でデビューした若きホープ、小林豪己(真正)が4勝(3KO)1敗の叩き上げ、青木勇人(協栄新宿)との対戦。

36歳の青木は、2022年3月に37歳になってしまいますね。ここに勝って、その次に勝てばA級、その次ランカーに勝てばかろうじて定年は免れますが、果たして。。?

コロナによる試合枯れ、これによって定年延長等の考慮はあるんでしょうか。

 

第4試合はヘビー級の4回戦、ともにデビュー戦同士の一戦。これはこれで面白そう。

その他の4回戦も、ワールドスポーツジムから小須田優衣雅というボクサーが登場しますが、なんと17歳。こういうプロデビューできる年になったらすぐにデビューする、というボクサーにはなんだか期待が持てますね。

他、セレスジムからもデビュー戦に出場するボクサーが2人。

アンダーカードは、非常にフレッシュな戦いが見れそうです。

メインの2人も戦績としては6戦なので、全6試合、12名の出場ボクサーの全ての戦績数を足したとしても23戦にしかなりません。こういうこともあるんですね。

 

 

放送は日テレG+で後日録画放送!

今回のダイナミックグローブは、残念ながら生放送ではありません。日テレG+での放送は、11/9(火)23:00〜ということなので、他の民放での放送よりも断然見やすい時間帯ではあるものの、カネロvsプラントのある11/7(日)を挟んでの録画放送はキツい。

まったくもって、情報遮断できる自信はありませんので、今回は結果を知ってから見る事になりそうですね。

 

 

【プレビュー】大注目の海外戦!セペダvsバルガス、カラバロvsスルタン、ジェームスvsブタエフ、エニスvsデュロルメ!

今週末、国内では大注目興行、A-SIGN&DANGANのコラボ興行!!

これはむちゃくちゃ面白そうです!

↓プレビュー記事

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そして、海外興行でも注目興行がたくさんありますね。

今回のブログは週末の海外興行をプレビューです。数が多いのでササっといきます。

10/29(日本時間10/30)イギリス

アーチー・シャープ(イギリス)20勝(9KO)無敗

vs

アレクシス・ボレイマ・カボレ(ブルキナ・ファソ)28勝(7KO)4敗

上位世界ランカーのシャープが、保持するWBOグローバル・スーパーフェザー級の防衛戦に臨みます。現在の世界ランクはWBO2位。世界挑戦は目の前ですが、王者はあのシャクールです。

対戦相手のカボレはブルキナ・ファソという西アフリカの国の出身で、ガーナとかベナン、コートジボワールの近くですね。珍しい、というか聞いたことがない国です。

 

シャープが勝利して、世界タイトル初挑戦へはずみをつけられるか。

アンダーカードにはターシンベイ・クラクメット(カザフスタン)がファン・カルロス・アブリュー(ドミニカ共和国)と対戦。WBCインターナショナル・スーパーウェルター級タイトルマッチです。

カザフスタンのプロスペクトと、ジャロン・エニスとも対戦経験のあるアブリューと戦い、現在の位置を確認する、みたいな戦いですね。

このMTKグローバルの興行は、アメリカではESPNで放送。今の所、FITEのリストには載っていません。

10/30(日本時間10/31)アメリカ・ニューヨーク

ホセ・セペダ(アメリカ)34勝(2KO)2敗2NC

vs

ホスエ・バルガス(プエルトリコ)19勝(9KO)1敗

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これもまた垂涎のマッチアップですね。2015年にテリー・フラナガン(イギリス)、2019年にホセ・ラミレス(アメリカ)へと挑戦したセペダですが、未だ世界王者の夢は実らず。

実力的には、ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)、イバン・バランチェク(ベラルーシ)を退ける等確実に王者級。

↓とんでもない試合だったセペダvsバランチェク

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そのセペダに挑むのが、プエルトリコの23歳のプロスペクト、バルガス。唯一の敗戦はキャリア初期の反則負けです。

セペダは3度目の世界挑戦までまもなく、という身ですが、ここで(実質)無敗のプロスペクトを迎えるあたりが強気で良いですね。

この興行はセミにも注目、バンタム級戦です。

カルロス・カラバロ(プエルトリコ)14戦(14KO)無敗

vs

ジョナス・スルタン(フィリピン)17勝(11KO)5敗

無敗のノックアウトパンチャー、カラバロと、日本でもお馴染み、スルタンのマッチアップ。

カラバロがいかほどのものなのか、これは楽しみな一戦ですね。

スルタンはスーパーフライ級時代にカシメロに勝利しているボクサーです。日本のリングにも立ったことのあるスルタンの奮戦に期待したいですが、カラバロのパフォーマンスも楽しみです。

 

スルタンはWBA9位にランクインしているので、カラバロがこのスルタンに勝てば世界ランクを手に入れる可能性が高く、WBAの王者は皆さんご存知井上尚弥。

ここでカラバロが圧倒的なKO勝利を飾る事で、井上への挑戦が待望されることもあるかもしれません。

そしてこのアンダーカードには、日本のリングに2度立ったジョナタン・グスマンも登場。

この興行はESPNで放送、FITE.TVでの放送に期待ですね。私はESPNで視聴予定ですので、観戦記は書くと思います。

10/30(日本時間10/31)アメリカ・ラスベガス

WBAレギュラー世界ウェルター級タイトルマッチ

ジャマル・ジェームス(アメリカ)27勝(12KO)1敗

vs

ラジャブ・ブタエフ(ロシア)13勝(10KO)無敗1NC

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これもまた素晴らしいマッチアップ。WBAレギュラー王者のジェームスは、2020年8月にトーマス・デュロルメ(プエルトリコ)との暫定王座決定戦で初戴冠。その後、正規王者に昇格しています。

長身のアウトボックススタイルでこのデュロルメをシャットアウトし、タイトルを獲得しており、唯一の敗戦は2016年に現WBAスーパー王者、ヨルデニス・ウガス(キューバ)に喫したものです。

対してブタエフは、ロシアンボクサーらしくフィジカルの強さとパンチの強さを活かしたプレッシャーファイターです。

このブタエフは、オレクサンデル・ベスプーチン(ロシア)と当時空位のWBA王座を争い、判定負けを喫したものの、ベスプーチンから禁止薬物が検出され、のちに無効試合に。この試合はベスプーチンのドーピング陽性反応によりケチがついてしまいましたが、稀に見る大激闘、本当にハイレベルな、素晴らしい試合でした。本当にもったいなかった。。。

 

それが2019年11月の話ですが、ブタエフはその後2020年2月に3RTKO勝利で再起。今回の一戦を迎えます。

脚を使ってアウトボックスを試みるジェームスを、ブタエフが追う展開になりそうですね。ブタエフのファイトスタイルは非常にアグレッシブで好みなので、ここはブタエフに勝ってもらいたいです。

ジェームスは188cmと長身ですが、リーチは178cm。対してブタエフは身長179cmながらリーチは183cm。意外とリーチはブタエフの方が上なんですね。(BoxRecより)

そしてこの勝者は、パッキャオを破って時の人となった現WBA世界ウェルター級スーパー王者、ヨルデニス・ウガスと、13勝9KO無敗のリトアニアの倒し屋、エイマンタス・スタニオニスの勝者との統一戦が指令されています。

今後もまた、楽しみがある戦いですね。

 

そしてセミファイナルも非常に興味深い一戦。

ジャロン・エニス(アメリカ)27勝(25KO)無敗1ND

vs

トーマス・デュロルメ(プエルトリコ)25勝(16KO)5敗1分

ウェルター級プロスペクトの中で、ピカイチの評価を誇るジャロン・ブーツ・エニス!(個人の感想です)

そのエニスの相手は、ジャマル・ジェームスと暫定王座戦を争い、前戦ではプロスペクト、エイマンタス・スタニオニスの踏み台になってしまったデュロルメです。

デュロルメは過去にヨルデニス・ウガス、テレンス・クロフォード(アメリカ)とも戦ってきたという戦歴の持ち主ですが、ここでまたホープの踏み台となってしまうのでしょうか。

 

しかしこのウェルター級というとんでもない階級の層の厚さには驚きですね。

元IBF世界スーパーライト級王者だったセルゲイ・リピネッツ(ロシア)を圧倒的な強さで降したエニスは、ここで勝利してもまだ次戦が世界戦といかないかもしれません。

↓エニスvsリピネッツ

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激戦区、ウェルター級はWBOにテレンス・クロフォード、WBCとIBFにエロール・スペンスJr(アメリカ)、そしてWBAに(現在のところは)ウガスとジェームス又はブタエフ。

かろうじてWBAが狙い目、とも言えますが、評価ピカイチのエニスが世界タイトルを獲得できる保証はどこにもありません。

この先のWBAをめぐる戦い、ウガス、スタニオニス、ジェームス、ブタエフ、この4人の中にエニスや、コナー・ベン、バージル・オルティス等々のプロスペクトが絡んでいく展開を考えると非常に胸アツ。

その中でショーン・ポーターやダニー・ガルシア、キース・サーマンだったりエギディウス・カバラウスカスであったりと、ランキングを見渡すだけでもまあ本当にタレントが豊富。

 

エニスはどの王座を目指すのか、非常に楽しみですね。もし、スタニオニスも倒せなかったこのデュロルメをストップすることができれば、道が大きく開けるかもしれません。がんばれ、エニス!

この興行は、アメリカではShowtimeが放送、日本で見る事はできなそうです。

私はここ最近、Showtimeで見るべき試合がなかったので解約をしてしまっていたので、再開しようと思っています。

ともあれ、10/31は忙しそうですね!で、この忙しい日に年末の試合の正式発表があったりしたら、もうてんやわんやです。色々早く決まってもらいたいものです。

Showtimeの契約方法(ややこしいです)

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【プレビュー】10.30は注目試合のみの興行。A-SIGN&DANGANはPPVで視聴可能!

日本のボクシング界で最も有名なボクシング・プロモーション会社は、やはり海外のボクサーとも契約している帝拳プロモーション、ということになるのでしょうか。

しかし、大橋プロモーションのフェニックスバトルは、自分たち大橋ジムのホープを惜しげもなくリングに上げ、強豪とのマッチアップに勝ったり負けたり、と国内を非常に盛り上げてくれています。特にこのコロナ禍の中で、フェニックスバトルが残した功績は非常に大きいと思います。

そしてそのふたつのプロモーターに勝るとも劣らず、国内を大いに盛り上げてくれているプロモーション会社が、A-SIGNとDANGAN。

 

横浜光ジムの石井一太郎会長率いるA-SIGNプロモーションと、古澤代表が率いるDANGANプロモーションは、これまでも非常に盛り上がる試合をいくつも手掛け、またそれをファンに届けてきてくれました。

そしてそのコラボは、本来5/22、5/23のボクシングイベントで叶う予定でしたが、これがコロナで会場(墨田区総合体育館)が使えなくなったために分散、そこで予定されていた各試合は別々で開催される運びとなりました。

そこから約5ヶ月、満を持してこの2つのプロモーターがコラボ、10/30に興行を打つことになっています。

全4試合、その試合すべてが注目試合です。

今回のブログでは、このA-SIGN BOXING & DANGANと銘打たれた興行のプレビューです。

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10/30(土)A-SIGN&DANGAN

日本ライト級挑戦者決定戦

利川聖隆(横浜光)13勝(7KO)5敗

vs

鈴木雅弘(角海老宝石)6勝(4KO)無敗

2014年プロデビューの利川は、デビュー戦が黒星スタート。その後文字通り勝ったり負けたりを繰り返し、6戦して3勝3敗という戦績で2016年の新人王トーナメントに挑戦。かなり根気の入った育成、といって良いでしょう。

東日本新人王決勝で粟田祐之(KG大和)に惜敗後、6回戦は2連勝でクリアしてA級ボクサーに。日本ユース・ライト級王座決定トーナメントに出場し、初戦で池田竜司(竹原&畑山)を降して日本ランキングを獲得するものの、決勝では小田翔夢(当時白井・具志堅)にスプリットの判定負けでユースタイトルの奪取はならず。そういえば、小田はどこで何をしているのでしょうか。。。ボクシングを辞めてしまったのなら、本当にもったいない。

その後は4連勝と勢いにのり、上位をキープしてから結構な年数が経っています。いよいよここで満を持して、挑戦者決定戦のチャンスが来ました。

 

しかし相手の鈴木雅弘は、アマ90戦の前日本スーパーライト級王者、利川に比べてプロキャリアは1/3しかありませんが、格上です。

2018年にプロデビューした鈴木は、3戦目で有岡康輔(当時三迫)を破って日本ランキングを獲得。この有岡戦のみがライト級リミットで、タイトル戦を含めた残り5戦はスーパーライト級で戦っています。

2021年6月、わずか5戦目で永田大士(三迫)を破って日本タイトルを初戴冠、その後すぐに返上して、本来の階級であるライト級で闘う、ということでした。スーパーライト級戦での鈴木は、その体躯を見ると絞りきれていないイメージもあり、確かにライト級あたりが適正に思います。

そして早速巡ってきたチャンスがこの挑戦者決定戦です。

 

長くチャンスを待ち続けた利川に対して、トントン拍子で進んできた感のある鈴木ですが、彼の闘う理由は応援したくなります。

もちろん、各ボクサーに闘う理由はあり、それぞれに応援したくなってしまうのでしょうが、この鈴木雅弘というボクサーが更に上り、ボクシング界のスターになることを期待しています。

「心が折れそうになった」という永田戦でも、結局折れはしなかった。非常に華麗なボクシング、特にあの時は芸術的な左ボディ、アッパーを入れて王者永田を圧倒。後半に集中力が切れかかり、スタミナも厳しくなっても盛り返したあの展開は、本当に素晴らしかったです。

この鈴木雅弘に、国内ライト級をかき回してほしい。今回勝てば、絶対王者吉野修一郎(三迫)への挑戦権獲得となります。ライト級のトップ戦線に食い込むための、試金石となる一戦。がんばってもらいたいですね。

 

53.0kg契約8回線

千葉開(横浜光)13勝(8KO)2敗

vs

高山涼深(ワタナベ)4勝(4KO)無敗

これも鼻血がでそうなほど、素晴らしいマッチアップ。かねてから評価の高い千葉開は、2015年にプロデビュー。独自路線をいき、新人王には出場せずに順調にキャリアを重ねていきました。

しかし、2018年1月のブライアン・ロベターニャ戦でまさかのTKO負け。今やアップセットの代名詞となったフィリピン人ボクサーに、苦杯をなめました。

その敗戦からやや停滞した千葉でしたが、ここ最近は復調。前戦では初のタイトル戦となるOPBF東洋太平洋バンタム級王座決定戦に出場し、先日前王者となった中嶋一輝に善戦。

ポイント差こそ開きましたが、後半に中嶋を効かせる等見せ場をつくり、千葉開ここにあり、を印象づけました。

その敗戦からの再起戦の相手が、注目ホープの高山涼深。

 

あの渡辺雄二の甥、ここまでデビュー4連勝中すべてをノックアウトで勝ち上がってきている「豪腕サラブレッド」。

このアグレッシブなスタイルは非常に見ていて爽快で、拳闘ロマンを感じさせるボクサーです。

まだまだ試されていない部分が多い今の段階で、千葉開戦とは陣営も非常に強気。

ここ最近のインパクトは高山の方がありますが、千葉にはプロキャリアがあります。千葉は出入りのボクシングを主としているものの、気が強く、打ち合いに転じることも多い。その時に高山の一発をもらうと危ういので、ば出入りのスピードでかきまわしたいところでしょう。

ただ、高山のプレスは強く、これは予想の難しい、非常に楽しみな一戦となりそうです。

個人的には、ロマン溢れる豪腕サラブレッドの一発に期待、そして伯父が果たせなかった世界タイトルという夢を叶えてもらいたい、と思っています。

 

スーパーフェザー級8回線

渡邉卓也(DANGAN AOKI)37勝(21KO)10敗1分

vs

三瓶数馬(協栄新宿)20勝(9KO)6敗

第二試合、これはまたシブいマッチアップ。元WBOアジアパシフィック王者である渡邉卓也は、前戦、日本スーパーフェザー級タイトル挑戦(6RTKO負け)からの復帰戦となります。

日本タイトル戦を戦った坂晃典、OPBF王座に挑んだ三代大訓戦、伊藤雅雪とアジアタイトルの統一をかけて争った一戦。もっと前は細野悟や天笠尚の日本タイトルに挑んだ経験もある、数え上げればキリがないほどハードなマッチアップに富むこの渡邉の戦歴。48戦という非常に重厚な戦いを重ねてきた古豪は、再度タイトルへのアタックを目指すのでしょうか。

前戦は敗戦ですが、その前の挑戦者決定戦は下馬評を覆し元日本フェザー級王者、源大輝に勝利しており、決して力を落としているわけではありません。

 

そして相手の三瓶数馬は、2012年にプロデビュー、翌2013年の全日本新人王となり、その後新設されたばかりの日本ユース・スーパーフェザー級王者となったボクサー。

A級に上がってからは連敗を経験することもありましたが、全くもって諦めることなく精進を続ける、非常に我慢強い、愚直なボクサーという感じがします。

前戦は日本下位ランカーである宮本知彰(一力)を良い形で6RTKO、この流れで自信を持って渡邉に挑む事ができるでしょう。

三瓶としては、上位(5位)の渡邉を破れば、日本タイトル戦に大きく近づく一戦だと思います。そして渡邉としては敗戦からの再起戦ということで、負けられない一戦。

三瓶はまだ26歳と若いですが、そのプロキャリアは9年、ベテランと言って良いでしょう。渡邉に至ってはもう14年以上。

ベテラン同士の胸アツな一戦も、非常に興味深いものですね。

 

63.0kg契約8回戦

藤田裕崇(三迫)7勝(6KO)1敗

vs

富岡樹(角海老宝石)7勝(2KO)4敗1分

これを第一試合にぶっこんでくるあたりがこの興行のヤバさを物語っています。2018年に名古屋大橋ジムからプロデビュー(1RTKO)した早稲田大学ボクシング部出身の藤田は、2019年の新人王トーナメントを全KOで勝ち上がり、全日本新人王決定戦に出場します。

この年、最もエキサイティングな試合となったこのスーパーライト級新人王決定戦は、本多航大を相手に倒し倒されの超大激闘の上、惜しくも敗戦。

その後、転勤に伴い三迫ジムへ移籍して2戦2勝、前戦で赤岩俊(マナベ)を相手に初の判定勝利を得てA級への昇格を決めています。

非常にエキサイティングなボクシングが本当におもしろいボクサーです。

 

強いフィジカルを活かしたこのパンチャーは、この階級を盛り上げてくれるプロスペクトであると同時に、高学歴、そしてリクルートという一流企業に勤めるだけあって自己プロデュースにも秀でているように見えますね。

かつて二足の草鞋を履いて王者となった細川バレンタインのように、この閉鎖的なボクシング界に風穴を開けられるボクサーになるかもしれません。

そしてその相手は、あの富岡樹。REBOOT.IBAジムの旗頭として、キャリア初期から数々の強敵と渡り合ってきた富岡は、前戦の敗戦を機に角海老宝石ジムへ移籍。

その戦歴を見ると本当にものすごいですが、粕谷雄一郎、白鳥大殊、湯場海樹、中谷正義、正木脩也、斉藤一貴、吉野修一郎、岡田博喜。このプロスペクトたち、そしてトップ選手と渡りあってきた富岡は、やはり非凡なセンスの持ち主です。

とにかく速くて、巧い。しかしトップ選手には、まだ届かない。

そんなイメージを中谷戦、吉野戦、岡田戦で感じていましたが、岡田戦後、角海老宝石ジムへ移籍してからは、内山高志、田口良一を育てた名伯楽、洪トレーナーに教えを乞うているとのこと。

 

インタビューではファイタースタイルに挑戦している、ということですが、アウトボクシング一辺倒ではなく、インファイトもものにしたい、ということでしょう。

しかし、ファイタースタイルの転換期に闘うボクサーとして、藤田裕崇というボクサーは危険すぎます。

紛うことなきパンチャーである藤田の強打に対して、ファイタースタイルへ改造中という富岡が向かっていくなんていうことは、藤田の土俵に「新人ファイター」が上がるようなもの、とも思えます。

しかし富岡は、角海老陣営は自信があるからこそ、この試合を組んだのだと思います。

今回、藤田は富岡の日本ランクを狙ってくるわけで、モチベーションも高いでしょう。そして富岡は、藤田の土俵に上がる、と宣言しているようなものです。

これまでの富岡であれば、この試合の展開は読みやすかったかもしれませんが、今となってはわかりません。予測不可能、富岡のファイタースタイルというものがいかほどのものなのか、これはいちファンとしては蓋を開けてみなければわからない状態。

これは新スタイルを披露してくれる富岡に期待です。

 

PPVで生配信!!!

生配信はしてくれるだろう、と思っていました。どのみち土曜日だと仕事なので、地方から見に行く事はできないですからね。本当にありがたいです。

PPVチケットはこちら

boxing-ppv.zaiko.io

PPVの料金は3,000円です。

ただ、A-SIGNのメンバーシップ(有料)に入会している人、もしくはBoxingRaiseの会員(有料)に登録している人は、2,000円とのことです。

両方登録している私は、1,000円にしてほしい(笑)。

なので、もし両方とも入っていない、という方がいたとするならば、これは3,000円の単体PPVを買うよりも、A-SIGNのメンバーシップに登録するか、BoxingRaiseの有料会員に登録するかしてこのPPVを購入する方が絶対的にお得になるのです!!!

 

A-SIGNメンバーシップ(月額790円)+PPV2,000円=2,790円

メンバー限定動画が公開されています。通常のA-SIGNのYoutube動画のフルバージョン、みたいなものが多いですね。あとはメキシコ遠征の裏話はおもしろい。「パンチを予見する男」福田直樹氏や、DANGAN古澤代表との対談もかなり見応えがあって面白かったです。

そして、松永宏信vs矢田良太なんかは発表前の随分早い段階から、この動画内では発表されていました。「内緒で」ということだったのでブログでも書いてはいませんが。

BoxingRaise会員(月額980円)+2,000円=2,980円

過去の熱戦2,000試合以上が見放題、とトップページにありますが、実際はもっとあるんではないでしょうか。ボクサー名で検索できることも非常に重宝し、気になった試合を一発で探せる使いやすさも備えています。

このRaiseさんには私は本当にお世話になりっぱなしで。。。今月だと10/2に行われたダイナミックグローブ、福永亮次vs梶颯の3冠戦などが上がっていますね。これは日テレから放映権を買い取ったのでしょうか。

とにかく試合が見たい、ということであればこちらがおすすめです。

ということで、単体のPPVを買うよりも、組み合わせて買った方がお得です。折角なら。

 

配信時間、アーカイブについて

配信時間は10/30(土)17:45〜配信開始、とのことです。第1試合の開始は18:00〜となっていますね。

途中から視聴を開始した場合は、巻き戻しての再戦はできない、とのこと。いわゆる追っかけ再生は無理そうですね。

ただ、ライブ配信終了後、配信チケット購入者についてはアーカイブで視れるようです。(アーカイブ視聴の際は巻き戻し再生も可能)

私は18:00定時なので、第1試合は車の中で見る事になるかな、と思います。。。

イベント終了後、石井会長、古澤代表、石井六大氏の3人でアフタートークも開催予定とのことです。

非常に楽しみですね!

 

【プレビュー】リバスvsロジッキー、WBC世界ブリッジャー級初代王座決定戦とその是非。

昨日はいよいよ来週に迫る、国内の大注目興行、フェニックスバトルについての記事を書きました。

そしてこちらも、「いよいよ」と言っても良いのかどうか。10/22(日本時間10/23)に行われる、WBC世界ブリッジャー級初の王座が決まる決定戦、オスカル・リバス(コロンビア)vsライアン・ロジッキー(カナダ)の一戦。

このブリッジャー級に関しては、賛否両論、というか「否」の意見と「無関心」しかないような気もしますが、今回のブログでは一応この試合のプレビュー記事、そして個人的に思うブリッジャー級という階級について書いていきたいと思います。

 

10/23(日本時間10/24)

WBC世界ブリッジャー級王座決定戦

オスカル・リバス(コロンビア)27勝(19KO)1敗

vs

ライアン・ロジッキー(カナダ)13勝(13KO)無敗

まず、この試合は、本来オスカル・リバスの対戦相手はブライアント・ジェニングス(アメリカ)でした。

このリバスvsジェニングスは2度目の対決であり、初回はリバスが12RTKOで勝利。その後ジェニングスはジョー・ジョイス(イギリス)にも敗北して2連敗を喫した所で何故かブリッジャー級王座決定戦のチャンスが訪れていました。

これだけでも懐疑的になるのは十分でしたが、9月下旬、ジェニングスがコロナワクチン接種拒否、このワクチン接種を条件としていた(らしい)WBCはジェニングスを降ろし、代わりにライアン・ロジッキーなるボクサーをリバスに宛てがいました。

 

このリバスは、ヘビー級のボクサーであり、2019年7月にディリアン・ホワイト(イギリス)とWBC世界ヘビー級暫定王座決定戦を争い、敗北を喫しています。

そして対戦相手のロジッキーは、全勝全KOという非常に素晴らしい戦績を誇っていますが、クルーザー級を主戦場として戦うボクサーです。

26歳という年齢はこの重量級としては若く、試合を見てみるとしっかりとジャブを突き、破壊力のある右ストレートを叩き込む、基本に忠実な部類のボクサーです。

 

上下への打ち分けもなかなか上手く、ガードもしっかりとしている意外にも期待できそうなプロスペクトだと思います。

しかし、このロジッキーは10/14現在、WBCのブリッジャー級のランキングに名前はなく、クルーザ級の18位というところに名前があるのみ。

それでこのブリッジャー級の決定戦に出場する資格があるのか、という問題と、200lbs(90.719kg)上限のブリッジャー級で戦うロジッキーは勿論これまでの試合も200lbs以下で戦っており、対してリバスは200lbs以上で上限なしのヘビー級、前戦は221.25lbsで戦っていますが、その前は230〜240lbsで戦っています。

そして、ブリッジャー級は200〜224lbsという階級。

 

おそらくリバスは224lbsの上限いっぱいに合わせてくるでしょうが、さてロジッキーは224だと普段の試合時よりも10kgほど重くなってしまいます。

そもそもこれでいいのか、WBC。

なぜロジッキー?

これから試合までに、WBCのランキングが更新されたとするならば、ロジッキーはブリッジャー級の上位にランキングされるのでしょう。しかし、前述の通りこの記事を書いている10/14現在は、WBC世界クルーザー級18位。

 

なぜこのロジッキーに白羽の矢がたったのか、を推察すると、単にコロンビア人のリバスが主戦場としているのがカナダであり、今回のタイトルマッチの開催地もカナダ、だったらカナダ人を挑戦させよう、という魂胆がミエミエです。

ロジッキーにとってはチャンスと思って受けたのかもしれませんが、WBCの都合でボクサーを振り回すのはどうかと思います。

しかもこのロジッキー、結構未来のあるボクサーにも思います。

 

そもそも不要論

WBAが突然暫定王者廃止、ゴールド王者廃止に踏み切ってもう1ヶ月以上経ちますが、これは予想外に順調に進んでいますね。

レギュラー王者も徐々に減ってきており、WBAは業界、ファンを混乱に陥れた王座乱立問題に自ら終止符を打とうとしています。まあ、いつ復活するのかはわかりませんが笑

そして代わりに台頭してきたのが、WBCの王座乱立問題。WBCは謎のダイヤモンドベルト、フランチャイズ王者の認定等を行ってきており、最近は謎の暫定王座設置も増えてきていましたね。WBAのビジネスモデルに追従する動きです。

そしてここに来て、ブリッジャー級。

新たに階級が設定されたのは、1986年にミニマム級(当時はストロー級)が創設されて以来のことです。その前は1980年にクルーザー級、でしょうか。

 

そもそもクルーザー級も盛り上がりに欠ける階級であり、日の目をみない階級だったのが、WBSSの1stシーズンが開催されたことにより注目を集めた、という経緯があります。

現在のヘビー級は大型化しており、クルーザー級とヘビー級の間に大きな隔たりがある、という言は認めますが、だからこそ、ヘビー級へのチャレンジが難しく、それが良いことだとも思います。

現実問題、クルーザー級という階級は、そこを制してヘビー級への優先的な挑戦権を得るのに適した階級であり、存在意義はそこにもあると思います。

 

「クルーザー級王座」そのものにも勿論価値はありますが、もっとその先、「クルーザー級王者」が「ヘビー級に挑戦」することに価値があると思うのです。

ヘビー級は、無差別級がゆえに、アップセットが起きやすいとも言えます。どんなにテクニカルなボクサーであっても、一発当たれば終わってしまう可能性があり、それが2戦続けば一気に商品価値がなくなってしまいます。

クルーザー級を制してヘビー級に挑戦するボクサーは、キャリア初期をヘビー級で戦うよりも間違いが起こりにくい、というアドバンテージがあり、「失敗しても仕方ない」という精神で挑むことができます。

ヘビー級は、ある種神聖であったほうが良い。

 

しかも、個人的に思うのは、今のヘビー級は「次の世代」という部分において、タレント不足にも思えます。他の団体が追随しないような階級をつくるよりも、最もお金が動くヘビー級を盛り上げる術を考えるとか、クルーザー級をヘビー級への架け橋的な階級としてもっともっと機能させていく、ということを考えたほうが良いと思います。

そのヘビー級への通り道的な階級は、今のクルーザー級で十分。そう思うのは至極当然のことだと思います。

ライアン・ロジッキーに期待

ライアン・ロジッキー、思ったより良いボクサーです。ヘビー級然としたオスカル・リバスよりも、基本的技術に優れ、スピードもキレもあり、こういうのが「ヘビー級以外」のボクシングです。

ヘビー級以外の階級で、ヘビー級のようなボクシングを見せられるのは正直つまらない。

ということで、ここはロジッキーに勝利してもらい、王座獲得後すぐに返上、そして本来のクルーザー級に戻して活躍してもらいたいです。

 

そして王座が空位になれば、もっともっと不要論は湧いてくるのでしょう。

そして永遠に王座が決まらなければ、きっと自然消滅。

超強引ですけど、それぐらいいらない、ということで。

 

このブリッジャー級を「是」と言っている人を本当に見たことがありません。もしいたら、教えてほしいです。

ブリッジャー・ウォーカーくんには何の恨みもありませんが、ブリッジャー級は必要はない。ヘビー級への登竜門的な階級はクルーザー級で引き続きやれば良いですし、他団体も承認料目当てで追随しないでもらいたい、と思います。

この一戦は、今の所FITE.TVのPPVで購入できます。「今の所」といったのは、先日、ナバレッテvsゴンザレスが突然FITE.TVのリストから消えてしまったからです。本当にびっくりしましたね。

ということで、本当に「今の所」です。がんばれロジッキー!

↓FITEのPPVはこちらから

 

【プレビュー】平岡アンディvs佐々木尽!中嶋一輝vs栗原慶太!大注目フェニックスバトル!!

とうとう来ましたね。

発表から超大注目の国内戦が、早くも来週。

日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦、平岡アンディvs佐々木尽。超豪華セミファイナルを従えてのこの大注目マッチは、ホープ同士の一戦ながらも国内最大級の盛り上がりのはずです。

大方の予想は平岡アンディ勝利ながらも、佐々木は一発で試合を終わらせる左フックを持ち、その当て勘も素晴らしいものがあります。今回のブログは、さながら国内版フューリーvsワイルダーを匂わせるこの一戦をメインに据えた、10/19(火)フェニックスバトルのプレビューです。

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10/19(土)フェニックスバトル

日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦

平岡アンディ(大橋)17勝(12KO)無敗

vs

佐々木尽(八王子中屋)11勝(10KO)無敗

2014年、花形ジムからプロデビューした平岡アンディは、圧倒的な強さで東日本新人王トーナメント(この時はライト級)を勝ち上がり、見事優勝。東日本新人王決勝ではダウンを奪われることもありましたが、隙を見せたのはその試合のみでした。

しかし続く全日本新人王決定戦は、直前にインフルエンザに罹り棄権。その後米国修行を経て、大橋ジムに移籍をしています。

その後日本ユース王座の設立とともに開催されたトーナメントでも優勝、初代日本ユース・スーパーライト級王者となります。

そのタイトルを一度防衛し、2019年7月には世界挑戦経験者である近藤明広(一力)に完勝、その強さを存分に見せつけた一戦でした。

 

本当は、順当に全日本新人王になっていれば、ランキングを手に入れて既に日本王者にはなっていたと思われる平岡ですが、この遠回りがあったからこそ、おそらく精神的な成長があったと思われます。

新人の頃と比べると当然なのかもしれませんが、飛躍的に安定感が増し、ラスベガスの試合でも物怖じせずに戦う姿は、メンタル面の強さを手に入れた真の強豪といえると思います。

年齢もまだ25歳と若いものの、完成度は非常に高い。

 

不意の一発をもらうこともありますが、集中してさえいれば、速くて巧い平岡にはパンチを当てるだけでも至難。しかも倒せるパンチを持っており、倒せるパンチだけでなくストップに持ち込める連打も持っている、二物どころか三物、四物を持っている素晴らしいボクサーです。

そして佐々木尽。

日本のスーパーライト級期待のプロスペクト、といえばもうこの佐々木尽を置いて他にはいません。弱冠20歳の若武者は、その自信満々に振っていく左フック、思い切り振っていく右ストレート、拳闘ロマンに溢れたボクサーです。

2018年プロデビューの佐々木も、2019年にエントリーした新人王戦(こちらもライト級)は途中で棄権。

 

復帰後は、主にA-SIGN.BOXINGの興行で日本ランカー、古豪、西のホープを次々となぎ倒し、2021年7月、日本中のボクシングファンの注目を集めた若手対決に進みます。

日本ユース・スーパーライト級タイトルマッチ、佐々木尽vs湯場海樹。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

たった2Rで決着がついたこの注目試合でしたが、2度ダウンを奪われながらも、結果的に左フック一発で大逆転KOをしてしまうという本当に恐ろしい内容。

これがあるからこの佐々木尽というボクサーはおもしろく、またどんな状況であれ期待を抱かせてくれるボクサーなのです。パンチが強いというだけではなく、いつでもどこでも誰とやっても、思い切ってパンチを振れる、決して弱気にならない鋼鉄のハートを持ち、勢いがあります。

しかし、この試合で露呈してしまった弱点もまた大きい。

 

サウスポー湯場の左ストレートをまっすぐ浴びてしまい、2度のダウンを喫してしまいました。しかもその左ストレートが「見えなかった」と語っていることから、ポジション取りが悪く、お世辞にもサウスポーが得意とは言えません。

平岡アンディは、湯場よりも巧く、強い。これについては否定的な意見はないでしょう。

そこから考え出される予想は、結局のところ平岡アンディの圧勝、となって然るべきです。

しかし、それでも尚、ファンが期待してしまうのがこの佐々木尽。実際、佐々木の伸びしろはすさまじくあるはずで、このサウスポーの左ストレートへの対策を、このまま陣営が放っておくはずはありません。

 

佐々木にとっては、日本、WBOアジアパシフィックのタイトルとともに、勝てば世界ランクも手に入るというハイリターンな一戦。

そして平岡にとっては、初タイトルにむけてここで敗けていられない、プレッシャーのかかる一戦でもあるはずです。

加えて、ある程度ボクシングが完成されてきている平岡に対してまだまだ未完成の佐々木には伸び代、未知な部分も多くあり、そして何よりも一発があります。

「佐々木の一発に期待」というファンは多いかもしれませんが、平岡アンディもハードパンチを持っており、一発一発をしっかり打ち込むスタイルの平岡のパンチを、ディフェンスに粗さの残る佐々木がもらってしまえば、それで試合が終わる可能性は大いにあります。

試合は判定まではいかないでしょう。

非常に楽しみな一戦です。

 

OPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ

中嶋一輝(大橋)10勝(8KO)1分

vs

栗原慶太(一力)15勝(13KO)6敗

この試合がセミファイナルというのも完全にどうかしています。

バンタム級屈指のパンチャー同士で争われる、OPBFタイトルマッチです。

王者、中嶋一輝はアマ72勝15敗という戦績を引っさげて大橋ジムからプロデビュー。デビュー以降圧倒的な強さで快進撃を続けます。

 

圧巻だったのは山中慎介のニックネームを冠した、GOD'S LEFTバンタム級トーナメント。

国内の競合が揃ったこのバンタム級トーナメントで、初戦と準決勝を初回KOで勝ち上がり、そのパンチャーぶりには本当に驚愕を覚えました。

しかし決勝では堤聖也(角海老宝石)とドロー、はじめての試練を迎えます。

しかしドローながらも優勢点を得てこのトーナメントに優勝、2021年5月にはOPBF東洋太平洋バンタム級王座決定戦で、評価の高い千葉開(横浜光)と12Rを戦い抜き判定勝利、見事タイトルを初戴冠。

 

この試合は危ない場面もありましたが、全体的に試合をしっかりと支配していましたね。懐の深い強打のサウスポー、ただそれだけで相手にとってはプレスがかかり、中嶋の懐に飛び込むだけでも容易ではありません。

加えて中嶋は距離感もよく、どっしりとした構えには隙もなく、慌てて飛び込もうなら強打が飛んでくる、これは非常にやりにくいボクサー。

この試合は、同門である井上拓真の王座返上によるものですが、この井上がタイトルを奪った相手が栗原慶太。

171cmの長身でありながらも、2011年、フライ級でデビューした栗原は、キャリア初期こそ苦労したもののここ数年で大きく飛躍したボクサーです。

敗戦こそ多いものの、6敗のうち4敗は4回戦時代に喫したもので、あとの2敗は前述の井上拓真戦、そして2017年の勅使河原弘晶(当時輪島スポーツジム)戦。

 

4回戦を卒業後、6回戦に上がってからは5連続KO、てっしーに敗北後も3連続KOでOPBF東洋太平洋バンタム級王座決定戦に臨み、判定勝利でこれを獲得。ストロング小林佑樹(六島)との一戦は色々ありましたね。。。

そして初防衛戦では、井上尚弥への挑戦経験も持つワルリト・パレナス(森岡)を初回KO、その後ノンタイトル戦ながら当時IBF4位の世界上位ランカー、スックプラサード・ポンピタックをわずか2RでKOと勢いに乗りました。

コロナショックもあって、約2年ぶりのリングとなった井上拓真戦では技術力の差を見せられて判定負け(9R負傷判定)ながら、この敗北は栗原に新たな気付きをもたらしたはずです。

 

中嶋戦では、栗原自慢の右ストレートに、井上拓真戦での学び(=技術力の向上)がリンクし、新たな栗原慶太を見せてくれると思います。

左右に破壊力を秘めた中嶋か、それとも右ストレートを極めた栗原か。

KO決着必至、と言って良い一戦は、予想が非常に難しいとも言えますね。

中嶋も栗原も、引き出しの多いタイプのボクサーではなく、自身のストロングポイント、パンチの強さを前面に押し出したボクシング。

中嶋はあまり強引に行くイメージはなく、じっくりとプレスをかけるタイプのボクサー、栗原はそのプレスをかわすのか、受け止めるのか、それともプレスをかけられる前に自分からいくのか。試合展開も含めて、非常に楽しみな一戦です。

因みに私は、栗原慶太チャンネルの視聴者なので、栗原を応援します。

 

ひかりTVで生放送!dTVチャンネルで生配信!

この他に3試合、全5試合で行われるこの興行は、全試合をひかりTV、又はdTVのひかりTVチャンネルで生中継。

以前のフェニックスバトルのときも書きましたが、「dTVチャンネル」と「dTV」というサービスは別のもののようなのでご注意ください。尚、「ひかりTV」はルーターのレンタルや購入といった別の事象が関わってくるので、既にひかりTVを引いている、という場合でなければdTVチャンネルへの加入を検討してください。

dch.dmkt-sp.jp

 

「dTVチャンネル」で検索すると、dTVの公式(の広告)が一番上に来るんですよね。超紛らわしいです。気をつけてください。

さて、このアンダーカードの中で注目なのは、第二試合、豊嶋海優(大橋)。

東洋大学ボクシング部主将を務めた元トップアマが、いよいよデビュー戦を迎えます。

相手は前戦で同じく大橋ジムの中垣龍汰朗のデビュー戦の相手を務めた堀井翔平(トコナメ)。元トップアマのホープたちのアンダードッグとしてまた呼ばれたわけですが、意地を見せられるか。

その他の試合も、フェニックスバトルのYoutubeチャンネルで煽りVTRが上がっているので、先に視聴して楽しみましょう!(たぶん当日も選手入場の前に流れます。)テレビ局がつくるものよりも、つくりがしっかりしていて良いですよ。

↓フェニックスバトル公式チャンネルはこちら

www.youtube.com

 

 

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